知事定例記者会見
・日時/平成26年5月27日(火)14:00~14:37
・場所/記者会見室
・記者数/22名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 「ナチュラルクールビズ」について
記者からの質問
1 JR北海道について(1)
2 JR北海道について(2)
3 原子力発電所について(1)
4 原子力発電所について(2)
5 グローバル・クラウドネットワークス研究会の提言について
6 地方自治法改正について
7 原子力発電所について(3)
8 次期知事選について
9 道州制について(1)
10 道州制について(2)
知事からの話題
「ナチュラルクールビズ」について
〔配付資料:「平成26年度 夏季軽装(ナチュラルクールビズ)について 〕
それでは私から、ナチュラルクールビズについてであります。5月も最終週になりましたけれども、この6月1日から9月いっぱい4カ月間、実質的には6月2日月曜日からスタートということになると思うのですが、今年もナチュラルクールビズをスタートいたします。4年目になります。
今年も自然と調和した北海道らしいワークスタイルのクールビズを推進していきたいというふうに思っておりまして、広大な北海道ですので、今日もちょっと涼しいような、でもこれからまた暑くなるというところもあるようでありますけれども、地域のその日の気温など、自然の変化を意識して服装を選択する、それからTPOに合った好感を持たれる服装を選択する、さらには通気を良くするなど、自然の力を利用して省エネに努める、この3つをコンセプトとしたナチュラルクールビズの推進に知事部局、教育庁、警察本部や各出先機関など、すべての部局で取り組むことといたしております。
記者の皆さまには、道内の事業所、店舗などにおける夏季の軽装が広く浸透するよう、このナチュラルクールビズのPRをお願い申し上げたいと思います。
私からは以上であります。
記者からの質問
(北海道新聞)
今日ですね、JR(北海道)の石勝線の脱線炎上事故からちょうど3年を迎えたんですけれども、JRが緊急時に乗客の避難誘導なんかで沿線自治体と連携を模索するような動きがあるんですけれども、道としてもですね、去年の秋くらいにJRの要請に基づいて、自治体が避難所や物資なんかを提供するような連絡体制を整えたというふうに聞いているんですけれども、そこでそのJRのトラブルで道とか自治体がですね、支援する取組はなぜ必要だったのかという点と、今後そのJRのトラブルの時にですね、乗客の安全確保に向けて道としてさらに検討しているようなことがあればお聞かせください。
それともう一つ、こうした支援とか連携をするにあたってですね、今後、道庁としてJRのほうに要望するようなことがあれば教えていただけますか。
(知事)
分かりました。去年の経緯ですよね。あの時もすべてオープンでやらせていただいたので、当時の報道を振り返っていただければそのとおりなのでありますけれども、確か去年の8月に道南の森町で豪雨が発生したと。その際に、立ち往生したJRの列車から雨の中、避難や待機する乗客の方々などですね、当時やはりJR北海道の問題というのは全国区で発信されておりまして、そういうことが全国にニュースとして、特にテレビの映像のインパクトというのが大きかったわけでありますが、そういうことが報道されて、道内外の多くの方々がJR北海道の利用に対して不安視する声というのが高まってきたというのがまずあったかと思うのであります。その前後、いろいろなJR北海道の安全問題についてのニュースもあった中でのこの映像でありまして、私ども道としては、もとより安全性の確保というのは事業者が一義的に行うべきものでありますが、8月からどんどん寒くなる時期にめがけて、とりわけ道外からのお客様がこういったJR北海道に対する不安視等の中で、冬の観光シーズンにおける観光客が減るというようなことになれば、これはJR北海道だけの問題ではなくて、あるいは道民だけの問題ではなくて、道内全体の観光にも大きな影響が出てくるのではないかという危機感のもと、さまざまな連携のありようを、JR北海道も含めて議論をしたところであります。
そういう中で、去年の12月12日、庁内のJR北海道関連対策会議というものを、これは振興局も参加する形で開きまして、そこで、今ご質問の中でもございましたけれども、JR北海道が行うトラブル発生時の対応についてわれわれも側面的に支援を行うということ、もう少し具体的に言いますと、それぞれの事案が発生した振興局を窓口として、JR北海道からの要請を受けて、避難所や支援物資の提供などについてそのエリアの関係市町村や関係団体の皆様方とも連絡を取り合って対応する、という連絡体制を構築したところであります。それが一つですね。
それから、二つ目の(JR北海道に)何を要請するかですが、それはこういったことを立ち上げた後に、JR北海道も新経営陣に移られましたので、またあらためて安全意識を高めておられるとは認識するところではありますけれども、あらためて、JR北海道に対してですね、万全な安全体制を構築するということ、そして、誰もが安心して利用できる交通機関であり、またそういった企業になってほしいということを要請しているところであります。
(北海道新聞)
JR(北海道)の関連でですね、JR北海道の社外取締役に道の観光振興監を派遣するということが、今日のJR北海道の取締役会で内定するということなんですけれども、その人事についての道としての狙いというのとですね、その観光振興監を派遣するということで観光分野のみで道がJRの経営に関与するんじゃないかというような誤解も招きかねないかと思うんですが、その点についてはどうお考えでしょうか。
(知事)
JR北海道から文書をもってですね、社外取締役(非常勤)に経済部観光振興監、神(じん)様の就任を要請したいというのがございまして、私どものほうからそれをお受けするということを返した経緯がございます。それで、もとより今も申しましたとおり、JR北海道にとっては安全性の確保ということも大変重要でございますし、また、私どもの立場からはですね、観光政策に加え、地域の立場からさまざまな助言や発言をすることによりまして、道が進める地域活性化や経済の振興にも資するものとなると、このようなスタンスを考えております。
(北海道新聞)
今、お話しいただいたですね、JR(北海道)側から文書での要請というのはいつ頃だったのかというのをちょっと教えていただけますか。
(知事)
いつですか。
(交通政策局長)
昨日です。
(朝日新聞)
先週(5月21日)ですね、福井地方裁判所で、大飯原発(3,4号機)の再稼働を認めないという判決がありました。あの判決の中でですね、基準地震動というのに触れていて、過去に新規制基準にあるような基準地震動を超えるような地震が何度も起きているというようなことを挙げていてですね、大飯原発のみならず泊原発の再稼働もこれは事実上否定しているに等しいというふうに私は思うのですが、今回の判決についての知事の受け止めをお聞かせください。
(知事)
まず、総括的に申し上げれば、今回の地裁判決というのは、司法のご判断でございますので、道知事の立場としては、コメントする立場にはないと。総括的に言えばそういうことであります。ただ、今ご質問で触れられましたとおり、地震国日本におけるリスクをどう考えるかという論点であるとか、あるいは、科学的な検証はどうあるべきなのだろうかというような論点の提起が、世の中に対してなされたというふうに認識をするものであります。ただ、そのことに対しては、私はナチュラルサイエンティスト(自然科学者)でもないですし、地震学の専門家でもないので、それもコメントできるだけの知見はないわけでありますが、そういう問題提起がされたというのは、判決文を拝見してそのように認識いたしております。そういったことも含めて、これはいつも申し上げているところでありますが、泊原発をはじめとして、全国の原子力発電所というのは何より安全が重要でありますので、国においてですね、そういう原発の安全性、あるいはエネルギー政策上の必要性、こういったことについてしっかりとやはり説明責任を果たしていただくと、そこがまず出発点になるのではないのかなと、こんなふうに思っております。
(共同通信)
今の関連なんですけれども、知事が説明責任というふうにおっしゃったんですけれども、原発安全政策の必要性について説明責任をということだったんですが、この判決では、大飯(原発)が再稼働したときにですね、今の(原子力)規制委員会の前身の機関で安全性が確認されて、再稼働したという経緯があったと思うのですが、そういったことに関して司法の判断で再稼働の差し止めを命じたということで、今後、国の審査に対する信頼っていうのが国民の間で揺らぐのではないかという気もするんですけれども、知事のお考えとして、この国の審査自体についてはどのようにお考えでしょうか。
(知事)
なかなか難しい質問ですけれども、ただ、今までの本当に長いエネルギー政策の経緯の中で、少なくとも安全性とか、科学的な知見からの検証であるとか、あるいはエネルギー政策上の必要性というのは、国が責任を持って進めてこられたことでありますので、やはり国が司法からの問題提起に対して、どう答えられるのか、答えられないのか、そういうことではないかなというふうに思います。
(読売新聞)
昨日なんですが、グローバル・クラウドネットワークス研究会という団体がですね、光海底ケーブルの建設に向けた提言書を知事に提出されたというふうに聞きました。この計画を聞くにあたっては、非常に壮大で、お金も時間もかかるものだと思いますけれども、データセンターの誘致だとかに向けては、重要な計画なんじゃないかというふうに思いました。知事として率直にどう感じたのかということや、道として今後何が関与するといいますか、考えられるのかということをちょっと伺えればと思います。
(知事)
昨日、ITの権威の山本先生(山本強 北海道大学大学院情報科学研究科 教授)、それから、さくらインターネット(株)の田中(邦裕)社長などお三方で私のところに来られまして、今ご指摘のグローバル・クラウドネットワークス研究会の提言を頂きました。研究会のメンバーを見ますと、昨日来られた方々だけではなくて、もうちょっと幅広い方々も入って、いろいろ検討されたレポートということでありまして、私自身も大変興味深く、素晴らしいなと思ってお伺いをいたしておりました。
まず、3.11(東日本大震災)、あの時に何が起こったかというと、日本国内のいろいろなIT系のネットワークというのは、全部やはり首都圏中心になっているので、(北海道と本州を結ぶネットワークが)東北の被災地で寸断することによって、本来ほとんど被害のない道内においても、不通を含め、大変なトラブルがあったというようなことの中で、やはり日本国全体としてこういったIT関連のインフラが一地域に集中していることの危険性をまず認識すべしというのがスタートですよね。
そういう中で、今度は世界地図や地球儀を見ると、北米なりヨーロッパなりを北極海経由で見ると、日本の中で、あるいはアジア全体の中でということを先生方は言っておられましたけれども、どこが一番欧米に近いかといえば、北海道であると。その地の利を生かして、地理的優位性を生かして、北米、ヨーロッパ、アジアを結ぶ国際通信回線のネットワークをつくるのがいいのではないかというようなご提言でありました。それで、もう既にカナダの企業が、北米なりヨーロッパに向けての(光海底)ケーブルのネットワーク構想というのを発表しておられて、資金集めなどももう始めておられるやの話でありまして、ただ、残念ながら、カナダの企業の発想の中には、日本はやはり首都圏と繋ぐということになっているらしくてですね、これでは3.11の経験が生かされないと。それで、私どもから出来る限り発信をしようと。ICT(情報通信技術)は、総務省の旧郵政省系が中心となって経済産業省と連携をしながらやっておられるわけでありますが、その総務省が関心を持っておられるということなので、この構想を実現することは、今ご質問の中でも触れられました、北海道の地理的な優位を生かすという意味で、北海道へのデータセンターの誘致とか、そういうことにもつながっていくし、(北海道)バックアップ拠点構想の絡みでいえば、そういうIT関係のインフラ整備が北海道に十分にあれば、それをまた誘致のきっかけにもできますのでね。これは国内企業ばかりではなくて、広くグローバル企業も北海道に誘致という(意味で、本道にとって)良いことをしてくれる外資は歓迎なので、そういうことにもなるでしょうし、また、この提言書にも触れてあるのですが、そのような盤石な通信インフラというものを日本国全体で整備をするということは、わが国自身が世界のICT拠点としてグローバル企業の進出などを促す基盤にもなるのではないかという。その意味では、そういうことを通じて北海道自身が日本国全体にも貢献できるという、大変壮大であると同時に私ども北海道のアピールをする上で魅力的な提案でもありますので、出来るところから着手するよう経済部長には指示をしております。私はITは中身がよく分からないのですけれども、まずは、出来ることはカナダの企業との連絡を密に取るとか、それから関心を持っておられるという総務省の担当部局と連絡を取り合っていくとか、それからやはり今、国も道の財政も厳しい中で、民間ベースでコアとなる企業がどういうところがあり得るのか、これ国内外ですが、まずは国内で、そういうところがどういうところがあるのかなどの情報収集と、それからこの研究会、ヘッド(座長)は山本教授でありますけれども、ビジネス関係の方々もメンバーに入っておられるので、そういう方々とも連携を取りながら一歩一歩進めていこうということを考えているところであります。
(北海道新聞)
地方自治法の改正についてお尋ねしたいんですけれども、先週ですね、国会で改正法が成立しましたけれども、その中でいわゆる二重行政などの問題についてですね、道や県の知事と政令市の市長でですね、調整会議というのを作るように規定されたんですけれども、今回の法改正についての受け止めと、今後の会議設置などに向けた対応をどのようにお考えになっているのかお聞かせください。
(知事)
5月の23日ですか、地方自治法改正。以前も記者会見の場でも議論になったかと思いますけれども、いろいろわれわれ自治体から関心の高い事項についても改正が盛り込まれて、その一つが今ご質問で触れられた、指定都市都道府県調整会議の設置というものでありまして、二重行政を解消していこうということの会議の設置ということだと思うわけであります。
私どもは、この法改正に先立つ形でずっと前から、道市懇(北海道・札幌市行政懇談会)の中で、われわれ道のほうから問題提起をさせていただく形で、行政推進について、それぞれ財政が厳しいし、道民目線、市民目線で見ると、いろいろなインフラなり行政サービスの提供を道がするのか札幌市がするのかはあまり関心がなくて、より良い行政サービスの提供が、より効率的に、より安いコストで提供されることが何より重要なので、そういう観点から、昨年来、行政推進に関する連携協力会議を道と札幌市で設置して、さまざまな議論を進めて、一定の連携協力というか、一定の成果は上がりつつあるかなというふうに思っているところでありますので、ちょっと遅まきながらと言ったら国に申し訳ないのですが、こういう法改正もされたので、私どものこの(指定都市都道府県)調整会議の受け皿というのは、この会議がベースになるのかなと思う次第であります。
この(調整会議設置の)部分は、公布から2年以内に政令で定める日から施行ということになっておりますので、慎重にやり方を検討すべしというのが法のご趣旨でありますので、この制度の運用の考え方など、札幌市とわれわれと、それからもちろん議会の皆様方のご意見も重要でありますので、私どもは道議会、先方さんは札幌市議会との十分な議論を踏まえて成案を得ていくと、そういう形になるかなというふうに考えております。
(共同通信)
また原発の話に戻って恐縮なんですけれども、今後ですね、泊(原発)の再稼働となった場合に、ちょっとたられば(仮定の話)で申し訳ないんですけれども、地元自治体のですね、意見を聞かれることがあると思うんですけれども、知事の意見なのか、周辺の意見なのかは分からないんですけれども。そういった際に、今回の判決で指摘されたような具体的な危険性が万一でもあれば差し止めが認められるのは当然だとかですね、さっきも質問であったような基準地震動を超える地震が到来しないというのは根拠のない楽観的な見通しだと、そういった指摘があったことを踏まえて、地元としては再稼働を判断すべきだというふうに思われますでしょうか。
(知事)
司法の判断ですからコメントはしないと、先ほどと同じことを言って恐縮なのですけれども、これからの司法のルール、(被告の関西電力が名古屋高裁金沢支部に)控訴されたという経緯もあるので、それも注視していかなければならないと思うのですが、やはり国において、そういったことも含めてしっかり説明責任を果たしていただくということが前提で、これは泊(原発)に限らず、他の原発についても地元の議論が進んでいくのではないかなと、そんなふうに思います。
(共同通信)
別件で申し訳ないんですけれども、先日(5月25日)、町村(信孝衆議院議員)さんのセミナー(自由民主党第五支部政経セミナー)でですね、町村さんが知事の4選、来年の知事選に関して、高橋知事がですね、夏から秋にかけて判断をされるのじゃないかと、進退を判断されるんじゃないかというふうにおっしゃっていたんですけれども、知事のご意見として、出馬、進退の表明の時期としてはいつ頃をお考えでしょうか。
(知事)
5区セミナーのことですよね。厚別であった。
このことについては、いつも申し上げているとおりでありますけれども、今さまざまな政策課題についてご質問がございましたとおり、日々、私自身、行政の一つ一つの課題に対処しながら、また、これもいつも申し上げておりますが、中長期的に北海道のために何が重要かという、中長期的な政策課題への歩みも進めつつ、仕事をすることに精一杯でありまして、まだその先まで見通すことはまったくできていない状況にございます。
町村先生が5区セミナーの中でご発言されたというのは、マスコミ各社の報道を通じて私も知ったところでございますけれども、町村先生には11年前、知事になった時に私を盛り上げていただいた当時の先生方のお一人でございますので、その意味では、町村先生がそうやって、高橋、頑張れということを言っていただいているのは大変ありがたいと思いつつもですね、今申し上げたとおり、なかなか私自身の先について思いを巡らすというのは難しいかなと、そんなふうに思っております。
(HBC)
道州制推進基本法案について、今、自民党で検討されているこの法案についてお伺いしたいんですけども、知事は3月にですね、自民党さんの方に、宮城県知事らと連名でですね、この法案の成立を求める要請をされたと伺っているんです。
一方ですね、北海道町村会の方々がですね、今、検討段階ではあるんですけれども、今の町村が基礎自治体というもう少し大きい自治体の中に再編されてしまってですね、今の町村が消滅してしまうのではないかという非常に危惧をいだいていらっしゃるという、こんなお話をお伺いしまして、知事としてはこの要請をどういう思いで出されたかということと、町村会の方々の不安にどういうふうに応えていくかということを伺いたいんですが。
(知事)
わかりました。地方分権ということ、われわれ(道)は地域主権という、より地域が主体的に動くべき問題だということで、物事を進めてきておりますが、このことは、政権交代の前後を含めて一貫して日本国内でその形が進んできておりますし、また、そのことの方向性を国民的に皆さん支持をしておられると、このように理解しております。それがまず第一ですよね。
その上で、道州制というのはその方向性の一つの姿であるということでありまして、道はもう相当、10年以上にわたって、道州制を推進していく立場でさまざまな問題提起をし、国に対しても議論を提起し、また、民間の方々とも議論をし、また、基礎的自治体(市町村)の皆様方とも議論をしているという経緯があるところであります。
ただ、この道州制ということについては、かつて道内で、これは私どもではないのですが、道州制を推進する立場の方々が書かれたレポートというのがあって、47分の1から10分の1へと書いていてあったと思いますが、要するに道のプレゼンス(存在感)が高まるという、そういうことの訴えだったと思ったのですが、そういう推進を良しとする立場の方と、知事会の中でもですね、賛否両論あります。なかなか意見がまとまらない。それは、やはり個々の知事の議論、意見開陳を聞いておりますと、道州になって中心になるようなところの県の方はだいたい推進派でありますけども、その合併の組み合わせにもよるのでしょうけども、中心ではなくなるであろうという県の知事は、どちらかというと慎重なご意見をおっしゃるなどですね、そういう議論の展開が、これが永遠に、たぶん全国知事会の中で収束しないと思いますね。
一方で、経団連、それから、経済同友会など経済界の方々は総じて道州制というものには前向きでありまして、先ほどの二重行政の解消と一緒ですけれども、より効率的に行政サービスの提供を行うことができる姿ではないかと、地方分権の姿ではないかということでサポートしておられると。いろいろな意見がありますが、道は推進の立場です。今おっしゃられたとおり、全国町村会も大変慎重なご意見をいっておられるというのは私も理解しておりますので、やはり、そういった、慎重派の方と推進派がですね、それぞれの立場を超えて、一国民として何が将来のこの日本国を支えていく行政サービスのありようとしていいのかという議論を、ぜひどんどん展開していくことが重要なのかなというふうに思いますので、いろいろな形で反対派の方々、慎重派の方々とも議論を深めていかなければならない、そんなふうに思っております。
(北海道新聞)
関連で、その道州制に関してはですね、以前のご著書にもあるように、大変力を入れて取り組んでおられると思うんですが、とりわけ、そのメリットというか、あるいは今、その体制をとる必然性と申しますか。いずれにしても、なぜその推進なのかということをですね、端的にあらためてもう一度伺えますでしょうか。
(知事)
それはぜひ、本(「はるみ知事の夢談義-なっとく!道州制」)を読んでいただけますか。あえて言えば、やはり分権を進めていく姿の方向性の一つということを先ほども申しましたが、日本国全体で人口減少が進んでおります。そういった中で、やはり自治というものを責任のある形で進めていくために、一定の地域のグループというのがあるというのが、やはり、行政サービスの進め方の中で重要なのではないのかなという思いもありますし、ただ、地方分権の中で、一番住民に身近な行政を提供していくのは基礎的自治体でございますので、その方々が主役になってくるのは、これは当然だというふうに思っております。
地域のことは地域自らが決定できる分権型社会の実現という観点から、道州制というのはその一つの姿であろうと、このように考えております。
(北海道新聞)
先ほど、町村会の方で反対の意見が強いという質問がありましたけれども、とりわけ強制的な合併につながることに危惧を抱いておられるようなんですが、その点について、どうなんでしょう、知事のお考えというのをお聞かせいただけますか。
(知事)
合併というのは、強制的ということはあり得ません。今までの道内における合併については、私は常にそのスタンスではありましたが、自主的に合併をしたいという市町村がおられる場合に、その環境整備のために話し合いの場をつくるとか、あるいはいろいろな行政サービスの提供について、われわれもサポートをするとかですね、いろいろな形で環境整備をしてくるということではないかなというふうに思っておりますが。
(北海道新聞)
すみませんたびたび。その市町村合併が促されるということに対するなんというんでしょう、警戒だと思うんですけど、その方向性自体は、やっぱり道州制を進めていく上での不可避になるんでしょうか。
(知事)
都道府県については、やはり、47(都道府県)よりも少しグループをまとめていくというのはこれは必然だと思いますね。そうでないと今の都道府県制と基本的な姿は変わりませんので。ただ、基礎的自治体のありようというのは、先ほども申しましたとおり、まさに自主的にさまざまな行政サービスを提供される中で、当該基礎的自治体の方々が、その合併ということが必要だろうと思われた場合に、かつてやっていた合併協議会をつくり、必要により住民投票とかいろいろな手続きを経て、合併協議をされるわけですよね。それを自主的にまずアクションを起こして、なされるかどうか、それに尽きるのではないかと思いますけれども。
合併が一番最近あったのが、オホーツクの湧別(町)と上湧別(町)で、それ以来数年以上ありませんので、それまでの経緯というのはわれわれのほうでもしっかり蓄積がありますので、ぜひそちらの部局のほうにも確認をしていただければと思います。
この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなどを整理し、作成しています。
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