知事定例記者会見記録(平成26年6月12日)

知事定例記者会見

・日時/平成26年6月12日(木)16:00~16:20  
・場所/記者会見室
・記者数/24名(テレビカメラ2台)

会見項目 

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知事からの話題

1 交通事故防止について
2 「北海道フラワーウォーク」の開催について

記者からの質問

1 北海道新幹線について
2 JR北海道再生推進会議について
3 教育委員会制度改革について

知事からの話題

 

交通事故防止について

〔配付資料:交通事故発生概況(平成26年6月11日現在速報値 〕
  それでは、私から2件、お話いたします。
  一つ目は交通事故防止についてであります。今年の1月からの道内における交通事故死者数は、配付資料にもあるかと思いますが、4月末まではほぼ前年並みで推移してきたのでありますけれども、5月に入り車両単独による交通死亡事故が急増いたしまして、6月に入ってからも、今日でまだ12日でありますが、既に6名もの方が亡くなられております。昨日も、ご承知のとおり、帯広市と札幌市で死亡事故が残念ながらございました。昨日(6月11日)現在で、昨年同時期に比べて13名も多い67名の(交通事故)死者数ということで、都道府県中ワースト5位になっている状況であります。
  死亡事故の特徴としては、スピードの出し過ぎや居眠りが原因と思われる車両単独事故や、歩行者が車との接触事故により亡くなるケースが非常に多くなっているところであり、飲酒運転による事故もいまだに発生しております。また、65歳以上の高齢者の方々の死者数が半数近くを占めており、中でも歩行中の事故が目立っております。これから本格的な行楽シーズンを迎え、ますます車を運転する機会が増えてくると思うわけでありますが、道民の皆さま方には、ぜひゆとりを持った安全運転を心掛けていただき、特にお子さんや高齢の歩行者に十分注意を払うなどして、悲惨な交通事故の防止に努めていただきたいと思います。マスコミの方々におかれても、交通安全の呼び掛けについてよろしくお願いいたします。    

「北海道フラワーウォーク」の開催について

〔配付資料:北海道フラワーウォークの概要について 〕
〔配付資料:北海道フラワーウォーク職場内参加募集用チラシ 〕
〔配付資料:北海道BEST FLOWER COLLECTIONについて 〕
 2番目の話題は、ここ(机上)に花もございますが、「北海道フラワーウォーク」の開催についてであります。
 道産の花の素晴らしさを多くの皆さま方に知っていただけるように、参加者が花束を周囲に見えるように持って街を歩く「北海道フラワーウォーク」を今年も開催いたします。この取組は、2011年に私ども道庁が始めたものでございますが、年々、協力していただける組織が広がってきているのでありますが、今年は、初めての試みとして、今月の20日金曜日、21日土曜日に札幌駅前通地下歩行空間で開催するイベント、「北海道BEST FLOWER COLLECTION」におきまして、フラワーウォーク用の花束を一般の皆さま方にも販売することといたしております。
 また、これに加えて、これまでと同様に、日ごろ花屋さんに行かない方々が参加しやすいように職場単位で実施するフラワーウォークを、6月25日の水曜日に開催いたします。配付資料にあるかと思うのですが、去年4カ所だった(参加)職場数が、今年は11カ所ということで、2倍以上に拡大し、ご協力いただけるところが増えております。
 本日は、見本の花束を、今日お集まりの(記者の)皆さま方にお配りいたしますので、実際に持ち歩いていただき、道産の花の素晴らしさや花のある生活の豊かさを感じた上で、道産の花のPRにご協力をお願いしたいと思います。
 私からは以上です。

記者からの質問

(朝日新聞)
 昨日ですね、北海道新幹線の新駅「新函館北斗」が決まりました。知事ですね、具体的な名前は示さずにJR北海道に対して「新函館」と「北斗」というのを尊重してほしいというふうにお伝えした結果、「新函館北斗」となりましたが、この名前について、まず知事はどうお考えになられるか教えてください。地元の函館市、北斗市それぞれ首長のご感想がありましたが、北斗市の市長からは、残念だという声もありましたけれども、これについて知事はどうお考えか、それについても教えてください。

(知事)
 長い間、この駅名をどうするか。「新函館(仮称)」ということでずっときていましたのでね。最終的に仮称を取る名前をどうするかということは、私どももずっとそれをフォローしてきたところでございます。そういった中で、JR北海道への私どもの文書の中にも書かせていただいたのですが、やはり新函館という仮称が結構長くこれまで使われてきたということもあるし、函館という国際都市が国内外に観光地として認知度が高いというのはやはり考慮しなければならないであろうと。それからもう一つは、そうは言っても、実際に駅が置かれるのは函館市内ではなくて隣接する街である北斗市であるということを、北斗市の方々もやはり新幹線開業に伴うさまざまな(気運の)盛り上げ活動をやっておられますし、また(新幹線建設費の)地元負担もいただくわけでありますので、やはり「北斗」という、北斗市長や、市議会の皆さま方、あるいは市民の皆さま方の思いというものも大切にしなければならないと。だから、「北斗」というものも尊重してほしいというようなことを理由として挙げてですね、「新函館」及び「北斗」という名称を共に尊重していただきたいというふうに申し上げたところであります。これまでの両市の市長、それからそれぞれの市議会、あるいはそれぞれの市民の方々の思いというのは私自身も直接聞く機会がありましたし、また、それぞれの議会の議決もある中で、やはりこれまでの両市の皆さま方の思いというものを考えた場合に、私どもとして決め打ちでこういう名前にするというよりも、両市の思いに配慮した上で、最終決定権限はJR北海道にありますので、われわれはその二つの名称を尊重していただくように、というのが、両市のこれまでの動きに対する配慮というふうに私自身は思い至ったところであります。
 そういう中で、昨日(6月11日)の14時に、JR北海道の(駅名の)最終決定の記者会見の前後に、両市長など関係の方々に連絡するよう事務方に指示をしておきましたので、連絡した際にも北斗市長からは「残念だ」というお声があったという報告も受けておりまして、それはマスコミに対するインタビューでもおっしゃられたと思うのですね。それはとても申し訳ないなあという思いもあるのですが、ただ、両当事者、両市間で時間をかけてご議論をされて、結局、両市とも納得する答え、駅名を決めることができないで、合意を断念したと。しかしながらここで、JR北海道に一任をして決まった名前を踏まえて両市連携しながらこれからは新幹線の開業に伴うさまざまな活動を共に協力してやっていこうということを意思決定されたという経緯がありますので、ぜひ、お気持ちはよく分かりますが、これから前向きに、北海道新幹線もいよいよもう2年以内に来ますので、道ももちろんイニシアティブを取らせていただく形で、あるいは両市の意向も最大限尊重する形で、しっかりと新幹線(の開業に向けた)運動を盛り上げていきたいなというふうに思っております。
 その経緯の中で、それぞれの駅前の企業誘致等がなかなかうまくいっていないという報告も受けておりますので、これは新幹線(所管)の総合政策部だけではなくて、経済部長にも指示をしまして、渡島総合振興局長にも直接私から指示をしましたが、北海道の持てる力の限りを活用してですね、道庁もしっかり、両市、これは函館駅前の整備や木古内駅前も含めて、こういったところも道として前面に出てしっかりやっていこうとしているところでございます。
 いずれにしろ、駅名が決まりましたので、昨日コメントを出させていただいたとおり、気持ちを新たにして、沿線自治体、経済界の皆さま方をはじめ、しっかり取り組んでいく、そして、より近隣となる東北地域との一層の連携を図っていきたい、こんなふうに思っております。


(北海道新聞)
 今日お昼にですね、JR北海道再生推進会議に出席されたと思うんですが、知事が委員としてどんな役割を果たしていきたいかというのとですね、今日の初会合の中で、具体的にどういった発言をされたかというのを教えてください。 
 
(知事)
 役割というのはですね、この会議の設置規則にありますとおり、私を含めてこの再生推進会議のメンバー全員として、安全対策に関する助言、提言を行うこと、という役割だというふうに理解をいたしております。
 そういった中で、弁護士さんもおられますし、工学的な観点から安全のプロの方もおられますし、また、議長はご承知のとおり、鉄道そのものではありませんが、広義でいえば同じ交通に関与しておられる経団連(日本経済団体連合会)の副会長の宮原さん(宮原耕治・日本郵船(株)代表取締役会長)でいらっしゃいます。それぞれが、やはりそれぞれの持ち場というか、位置付けというのがあると思うのですが、その意味では、私、道知事での立場というのは、このJR北海道の(営業)エリアが展開される地域の代表として、道民の視点、あるいは地域の立場、利用者の立場、そういった観点からしっかり発信をしていくことが私に課せられた役割かなと、このように思っているところであります。
 そういった私の認識のもとに、いくつか発言をさせていただいたのですが、まず一つ目は、宮原さん、あるいは明治大学の先生のように、道外から来られた委員の方々もおられたのであえて申し上げたのですが、広大な北海道の中に私鉄はありませんと。その意味では、JR北海道というのは、私ども道民にとっての唯一のかけがえのない鉄道であります。だからこそわれわれ道民はJR北海道に対して大きな期待を寄せてきておりますし、今もその気持ちに変わりないと。しかし、その期待の大きさの裏返しとして、道民のJR北海道に向けられた視線というのは大変厳しいということをしっかり認識していただきたいということを、私は申しました。その例示というか、よりブレイクダウン(細かく分析)した表現として申し上げたのですが、例の石勝線の事故以来、本当に再三繰り返されてきた重大事故、それから不祥事、こういったことに対して、道民から不信感が出てくると同時にですね、道外の日本人のお客様や、今や北海道における外国人観光客も100万人を突破いたしましたので、場合によっては海外からのお客様も含めて、JR北海道の交通輸送網に対する不信、不安というのが出てきたと。そのことが、(以前)この記者会見の場でも言ったことがありますけれども、北海道観光というブランド全体への影響、もちろんマイナスの影響というものも少なからずあった、北海道観光全体への悪影響もあったということは否めない事実だと思うということを言いました。
 そういった中で、われわれは、会社(JR北海道)のトップの方も言っておられるとおり、お客様に安心してご利用いただける鉄道会社の再生ということを心から願うものであります。その観点からは、技術的な安全対策ということ、これは当たり前の大前提でありますが、そのことと併せて、社員の皆さんの意識改革、あるいは企業風土の改革などを通じたお客様の信頼回復、これにぜひ取り組んでいただきたいと。そのためにはやはり理解を得ることが必要なわけでありまして、そのためには、できる限り情報開示、自らにとって不都合な事柄や弱みもできる限りオープンにするという姿勢が必要なのではないかと、利用者の立場に立って少しでも情報提供をしていただきたいと、事業運営の透明性の確保とコンプライアンス(法令順守)の向上という視点、これを重視していただきたい、そのようなことを私からお話させていただきました。
 

(北海道新聞)
 別件なんですけれども、教育委員会制度の改革です。国会のほうで関連法案の審議が進んでいましてですね、従来の教育委員長が教育委員の互選という形で選ばれていたものからですね、自治体の首長が任命する教育長という方ができると。後は、自治体の首長が主宰する総合教育会議でも審議されるということで、首長の教育政策に対するですね、権限が増すという指摘が出ています。それで、教育の政治的な中立性を確保するという観点で、知事としてですね、新しい制度ができた場合にどのような点を留意されるか、心掛けられるかという点を教えていただけますでしょうか。 
 
(知事)
 今度の(教育委員会)制度改正の政府案に向けては、各党いろいろなご主張があったようでありまして、民主党と日本維新の会は、教育委員会そのものを廃止して首長の関与のみに(し、有識者による「教育監査委員会」を設置し首長を評価・監視)するというような対案も出しておられるのでしょうか。与党の、政府案を了とされた自民党、公明党の考え方は、教育委員会の廃止を前提としたものよりも、より中立性を高めるために教育委員会を残す案としたというふうな、そういうこれまでの議論のプロセスがあったというふうに聞いているところでございます。
 その意味では、今回の制度(改革に関連する法案)が近々成立するのかどうか、それは国会情勢いかんだと思うわけでありますけれども、一定の教育の政治的な中立性ということにも配慮はされているのかなというふうに思うわけであります。首長の関与は強まるわけでありますが、一方でこの教育委員会を残し、また、一定の審議事項(特に政治的中立性の要請が高い事項)については総合教育会議の議題として取り上げないというふうにするなどですね、一定の配慮は行われているのかなというふうに思う次第であります。
 いずれにしろ、制度というのは形でありますので、それを実のあるものにできるかどうかは、それを実行するのは、都道府県レベルであれば私ども道庁、あるいは教育庁でありますし、また、市町村レベルではそれぞれだと思うわけでありますが、私どもとしては、北海道の子どもたちの健全な成長、これは学力、体力など含めて総合的な意味でありますが、この健全な成長を達成するための環境整備を整えていくためにしっかりと新たな教育制度というものを活用しながら取り組んで行きたいと、このように考えております。


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなどを整理し、作成しています。

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