知事定例記者会見記録(平成26年11月21日)

知事定例記者会見

・日時/平成26年11月21日(金)15:30~15:41  
・場所/記者会見室
・記者数/15名(テレビカメラ1台)

会見項目 

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記者からの質問

1 衆議院の解散について(1)
2 衆議院の解散について(2) 

記者からの質問

(朝日新聞)
 ご存じのとおり、今日、衆議院が解散されました。それで2点お伺いしたいのですけれども、安倍首相がですね、消費増税の1年半先送りを決められましたけれども、その判断について、高橋知事のお考えを聞かせてください。それともう一つ、消費増税の先送りを理由に今回解散したわけですけれども、これに対して世論調査ではですね、納得できないとか、大義がないというような批判もあります。この解散ということ自体についても、高橋知事のご所見を聞かせてください。 
 
(知事)
 皆さま方、日々お疲れさまです。一つ目のご質問は消費増税先送りの総理の判断についてどう思うかということだと思います。
 消費税率アップの議論がなぜ起こってきたのかという経緯なり、内容、理由ということを考えますと、やはり社会保障関係費が国、地方問わず、どんどんと目の前で増えてきているということが現実にあるわけでありますので、その意味では今回、第一段目の消費税率アップは1回(今年4月に)あったわけでありますが、(安倍総理が)再度の引き上げを先送りされたというのは、道知事としては残念という思いはあります。
 しかしながら、(安倍総理が)前から言っておられたとおり、7-9(月期)のGDP統計などを見た上で、要するに経済の状況を見た上で判断すると。その意味するところは、税率アップをしても税収自体が増えない状況になれば、身もふたもないというか、本来の目的が達成されないので、とおっしゃるのもそれは一定の理解をするところでありますので、結論的にはですね、今の経済環境を見た場合にはやむを得ない判断だったかなというふうに私自身は考えているところであります。
 そういう中での今回の解散をどう思うかということで、まず、やはり税を、小さい規模の特別償却をどうするとか租税特別措置をどうするかということではなくて、こういう国民あまねく関連する消費税についての税率アップ、あるいは、これまでの三党合意(民主党、自民党、公明党が提出した消費増税関連法案の修正合意)というものを超えて何かをやろうと総理が(判断)された、その中身を国民に、それが正しい判断と思うかどうかということの信を問うというのは、一つのやはり大きな判断ではないかなというふうに思いますが、ただ、結果として(ふたを)開けてみると、野党もみんな「(消費税増税先送り)やむなし」と言っておられるわけでありますので、争点にはならないということなのでしょうね。
 そうすると、争点というのはアベノミクスの評価そのものということになるかと思いまして、その意味で、われわれも道内(経済指標等)がどうかというこの(第2次安倍内閣発足から)2年間の状況をいろいろ見てみたのでありますが、その前に、道知事の立場から申し上げたいのは、確かに、解散する、しない、というのは総理の専権事項でありますので、そのことについてうんぬんする立場には私はないと思います。しかしながら、地方を預かる立場からすれば、総理が前から言っておられた、あるいは自民党、与党の方々が言っておられた地方創生ということも待ったなしでありますし、また、経済対策も待ったなしでありますので、もうやはり政治的な空白というものを最小限にとどめてほしいと。これは強く強く、私は国に対して求める、政権与党に対して求めるものであります。
 その上でですね、この2年間、中立的、客観的に見て道内経済指標等がどうなったかということをちょっと調べてみたのでありますけれども、まずは雇用関係の指標、有効求人倍率とか失業率とか、それから高卒者、大卒者の就業状況とかはですね、全国も改善していると、雇用はよくなったといつも総理は言っておられますけれども、道内もよくなっていて、かつ、そのよくなり方というか、改善の度合いは道内は全国を超えております。これは別途分析が必要だと思いますが、常識的に考えれば、この間、国の政策もあったかもしれないけれども、それを十分に活用しながら、道内の民間の方々とわれわれ道なり市町村なりが一生懸命努力していたことが少しずつ形になってきたということなのかなと、振り返ることもできるかと思うわけであります。
 それから生産活動、これも改善はしておりますが全国ほどの改善ではないと言えます。輸出は全国以上に伸びていますね。これはもともと輸出の中で、自動車部品とか海外向けのものがけっこう盛んに(輸出)されておりますので想像の範囲内でありますが、特に(北海道)フードコンプレックス(国際戦略総合特区)、食産業立国ということで民間の方々と頑張ってきた成果で、食品輸出額というのが特に伸びていますね。これはデータが示していると思います。
 それから日銀短観、これは業況判断ということをはじめとしてさまざまな調査をやっているものでありますが、これもこの2年間を見ますと、全国もそこそこよくなって、プラスをいっているのですが、道内は全国を超える姿でこの2年間ずっと推移してきているのですね。ただし、この直近の短観の調査というのは今年の9月であります。4半期に1回ですから、その段階における先行き、すなわち(今年の)12月の見通しのところでは(道内は)全国を超えるマイナスで予測をしていると。ここももちろん分析は必要なんですけれども、私はやはり全国で(北海道が)唯一、電気料金の再値上げということがですね、やはり全国の企業の方々以上に道内の企業マインドに響いたのかなというふうに個人的には思うわけでありますが、先行きは別として、ここまでの経済指標の動きということを見ると、やはり一定の経済効果というのはあったということは言えるのかなというふうに評価はいたします。
 しかしながら、個人消費の戻り、これは全国と同じ、あるいは全国以上に戻っていないのかもしれませんですし、これは指標が少ないのであまり体系的に言えるほどではないのでありますが。
 それからやはりそれ以上に、広大な北海道の中で、これは道議会でもよく申し上げておりますけれども、地域地域の生の声をお伺いすると、それはやはり厳しい。都会はいいだろうと、札幌とか、新幹線の来る函館とか、道北の中心の旭川とか、そういうところはいいかもしれないけれども自分の所はまだまだだよね、という生の声のベースで言うと大変厳しいことがあることは、われわれは本当にしっかりと受け止めて、これは国任せにせずに、われわれ自身の仕事として、経済対策も独自財源で春、秋と打っておりますので、さらには、目の前に迫ってまいりました4定(平成26年第4回北海道議会定例会)に向けてもですね、政策の弾込めをして、われわれの案というのはもう(報道各社に)ご説明したところですが、そういうことで(4定で予算案等の)議了を頂ければ、さらに私どもとして気を引き締めて道内の経済状況、津々浦々までよくなるように手を打っていかなければならないと思うし、先ほどの繰り返しになりますが、政府におかれても、選挙に打って出られたわけでありますが、できる限り政治的な空白は最小限にしていただいて、地方の目線で、地方をしっかりと見据えたような政策を早く出していただきたいと、こんなふうに思っているところであります。  


(NHK)
 先ほど知事も言われましたように、地方では景気の回復が感じられていないだとか、あと電気料金の再値上げの問題もありました。いろいろな問題があるわけですけれども、今回の衆議院の選挙戦ではどのようなことが争点になってくるとお考えでしょうか。また、どういうことが議論されるべきだと思いますか。
 
(知事)
 幅広い分野のさまざまな政策もこの(第2次安倍内閣発足からの)2年間には出てきておりまして、報道各社の世論調査の中でもいろいろな意見があるというのはよく承知しております。集団的自衛権の問題とか、それから特定秘密保護法もありましたか。ですけれども、やはり今の差し迫った問題は経済ではないでしょうかと、私は思いますね。経済状況の改善をする。それから人口減少問題という、全国が大変な状況に直面している、北海道も本当にこれからしぼんでしまうのか、それとも輝く未来に向けて動くことができるのかということになりますから、そのことはやはり経済活動を活性化していくことにある意味終着するところもありますので、経済問題、経済政策、こういったことについて各党が、与野党ともに政策を掲げて、政策論争をしっかりやっていただく。そこは私、道知事の立場で望むところでもあるし、たぶん国民の方々の関心もそこではないかなというふうに思います。


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