知事定例記者会見記録(平成27年1月16日)

知事定例記者会見

・日時/平成27年1月16日(金)11:40~12:00  
・場所/記者会見室
 ・記者数/26名(テレビカメラ1台)

会見項目 

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知事からの話題

1 北海道新幹線について
2 平成26年度の「北方領土の日」特別啓発期間の取組について
3 北海道博物館の愛称と開館日の決定について 

記者からの質問

1 北海道新幹線について
2 平成27年度予算政府案について
3 統合型観光リゾート(IR)について 

知事からの話題

 

北海道新幹線について

 それでは私から3点お話しいたします。
 一つ目は、北海道新幹線についてであります。既に知事コメントも出させていただいておりますが、来年度予算案閣議決定がされた1月14日と同日付けで開催されました政府・与党整備新幹線検討委員会におきまして、北海道新幹線の札幌までの延伸部分の開業時期を当初予定の2035年度から5年前倒しをして、2030年度末までの完成・開業を目指すことが決定されたところであります。
 これまでオール北海道で取り組んでまいりました工期短縮が実現したことは大きな喜びでありまして、財源の確保などさまざまな課題もある中で、鋭意検討を重ねていただいた政府・与党関係の皆さま方に心から感謝を申し上げる次第であります。
 昨日、経済界を代表して、高向道商連(北海道商工会議所連合会)会頭をはじめ、商工会議所の関係の方々とともに、東京でお礼や、さらなる情報収集をしてきたところでございますが、私どもといたしましては、札幌開業時期の前倒しによりまして、新幹線効果の早期発現、そして本道経済の活性化が期待されるということでありまして、経済界をはじめとする関係機関、そして沿線自治体、さらには新幹線効果を全道に満遍なく広めるために、道内の関係する方々としっかり連携を図りながら、しっかりとこの北海道新幹線の札幌延伸5年短縮ということを北海道の活性化のために活かしていきたいというふうに思う次第であります。
 札幌延伸が決定した時(2012年6月)は24年後(2035年度末開業予定)でしたので、年月が経って今なら20年後。この20年後というのと15年後というのではですね、やはり昨日も高向会頭など経済界の方々とも議論いたしましたが、私どもにとっての現実味というものがより高まってきた今回の5年前倒しだなという意識を持っているところでございまして、これからの地域づくり、まちづくりと観光振興などですね、計画性を持って事業展開をやるというめどとして、今回の5年前倒し決定というのは私どもにとって大変大きな意味があるなということを、あらためて認識を共有いたしたところでございます。  

平成26年度の「北方領土の日」特別啓発期間の取組について

〔配付資料:「平成26年度「北方領土の日」特別啓発期間の取組について〕
 それから2つ目は、ここで登場ですね、「エリカちゃん」(北方領土イメージキャラクター)。「エリカちゃん」とともに頑張ってまいりました北方領土返還運動についてのご報告であります。今年度の「北方領土の日」特別啓発期間の取組ということでございます。配付資料もございます。
 道では毎年、2月7日の「北方領土の日」を中心とする1カ月間を特別啓発期間として、関係の皆さま方と連携してさまざまな事業を行っているわけでありますが、今年、平成27年、2015年というのは、終戦から70年、そして残念なことに北方領土問題が発生してから70年という節目の年を迎えるわけでありまして、例年以上に、今年のこの2月7日を中心とする1カ月間の啓発活動はしっかりやっていきたいと、このように考えているところでございます。
 従来通り実施しております「北方領土フェスティバル」、「「北方領土の日」根室管内住民大会」などに加えまして、この配付資料の(4)以下にございます新規事業というものを今回は新たに実施いたします。1、2例をご説明申し上げれば、(4)の「北方領土啓発イベント四島(しま)まつり」。これは根室振興局の独自事業(地域政策推進事業)でございますけれども、振興局主催で地元の中学生の方々に企画・運営してもらうイベントでございます。それからこの新規事業の(6)にございます、(北方領土を舞台にした)映画「ジョバンニの島」のロシア語字幕版のDVDを作ることにしておりまして、1月下旬に完成いたしますので、この上映会を、ロシア人の方々にもお声掛けをして、赤れんが庁舎で2月11日に実施しようと考えているところでございます。
 それからポスターコンテスト入賞作品や新たに作成した啓発パネルなどを赤れんが庁舎などで展示するほか、北海道開発局のご協力もいただきまして、初めて、札幌駅の北口にございます国の札幌第一合同庁舎でも展示会を開催することといたしているところでございます。
 特別啓発期間中、全道各地でさまざまな啓発活動を行うことといたしているところでありまして、「エリカちゃん」も一緒に頑張りましょう、ということで今日は立ち会いをしてもらっているところであります。

北海道博物館の愛称と開館日の決定について 

〔配付資料:北海道博物館の愛称決定について〕
 それから3点目は、今年の春にオープンする北海道博物館の愛称が決まったというご報告でございます。これも配付資料がございます。
 一昨日、(北海道開拓記念館の)館長がお見えになって報告を受けたところでございますが、愛称は「森のちゃれんが」。チャレンジとですね、(博物館の)茶色のれんがに掛けたというような発想だそうでございますが、2歳のお子さまから87歳のご年配の方まで、幅広い方々からご応募いただいた367点の中から、札幌市在住の池田伶奈(れな)さんという高校生の方が応募していただいた、この愛称に決定したところでございます。
 この愛称は、今ちょっと申しましたとおり、野幌の森に囲まれた茶色いれんが造りが印象的な博物館をイメージし、道庁赤れんがとともに世界に発信していくということと、新しく生まれ変わりチャレンジしていく博物館という2つの思いが込められているということでありまして、新しい博物館にふさわしいかなというふうに考えているところでございます。
 今後、この愛称を基に札幌市立大学のデザイン学部の学生さん方にご協力いただきまして、ロゴマークを作成することとしているところでございます。3月頃には皆さま方にもお知らせできる予定であります。開館日は、本年4月18日ということにいたしているところでございます。リニューアルオープンする北海道博物館、皆さま方にもぜひPRをしていただければと思います。
 私からは以上であります。

記者からの質問

(北海道新聞)
 先ほどの(北海道)新幹線の関連でですね、(札幌開業時期の)前倒しによって道の単年度の(財政)負担が従来想定したよりも高くなったり、支払いのピークがその分、前倒しになったりすると思うのですけれども、何かどういう影響がありそうだとか、もしあれば教えていただけますか。
 
(知事)
 工期が5年間短縮されますので、トータルの事業費は変わらないことを前提に今、すべて考えていますので、その意味ではトータルの地元負担も変わらないということはそうなのですが、今のご質問の趣旨は、それを前倒しすることによって単年度で見れば(地元負担が)増加する、それをどうするかというご質問ですよね。(工期短縮により)最後の5年間は前倒しすると(負担が)ゼロになりますがトータル(の負担)は一緒だと。金利分はもちろんありますけど。
 私どもとして、ずっとこの与党PT(与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム)の中の議論をフォローさせていただいている中で、中途あるいは終盤に近い段階だったと思うのですが、3線(※)合わせての地元の負担というのがどうも70億円くらい、単年度で増になりそうだというお話もお伺いをしていたところであります。それを3線で分けますので、どうかなという。ただ、70億円というのは結構重いなあということを感じていた時期もあったわけでありますけれども、その後、国土交通省の鉄道局や(財務省)主計局もいろいろ知恵を出されたそうでありますけれども、JRもいろいろ知恵を出されたらしいのですけれども、貨物調整金制度について、この制度のさらなる見直し、精査によって、そこからまた財源の一部が捻出されるのではないかという中で、一時期は70億円くらいは増になるかなと私どもとして懸念しておりました分が、3線トータルで17.5億円まで圧縮された仕上がりだというふうに今段階、私どもは国土交通省等から情報を得ているところでございます。70億円から17.5億円ですから、その意味では当初想定よりも相当、全体の地域負担というものが圧縮されたということは評価するものの、ただ、この17.5億円の中で、では道分がどれくらいなのかというものの精査をですね、もちろん一定の条件を置かないと出来ませんので、そういうことを置きながら、(工期短縮が)決まったのが一昨日でありますので、それを事務方に指示をして作業をやっているところでございまして、できる限り早く道民の方々にお示しをしていきたいというふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、やはり私どもとして、いろいろな公共事業を進める上で地元負担というのが当然伴ってまいりますので、そういったものを、われわれの財源の効率的、重点的な配分によりまして、歳入歳出全体の中でしっかり調整をしていくという作業を、道民の方々あるいは道議会のご理解も得ながらしっかりやっていかなければならない、こんなふうに今段階では思っております。
 具体的な道の負担がどれくらい増になるかということについては、繰り返しになりますが、今しばらくお時間を頂戴してご報告を申し上げたいと、こんなふうに考えております。

※「3線」は、北海道新幹線(新函館北斗・札幌間)、北陸新幹線(金沢・敦賀間)、九州新幹線(武雄温泉・長崎間)。


(HBC)
 一昨日閣議決定をされた(平成27年度政府)予算案なんですけれども、新幹線の予算もさることながら、北海道開発予算が3年連続増額になったという、これはいいニュースかもしれないですが、一方でこれだけこういった公共投資が進むことで人手不足の問題が起こっているような声も一部では上がっているのですけれども、今回の開発予算、3年連続増額ということをどう受け止めてらっしゃるか、文書では既にコメントを公表されているんですが、あらためてどういうふうに受け止めてらっしゃいますでしょうか。
 
(知事)
  当初予算の政府案ですね、もちろん国会審議はまだですから政府案の段階に限っての話でありますが、全国の一般公共事業費というのが対前年度比で横ばいという中で、北海道開発予算が1.3%増ということで、今ご指摘のとおり3年連続増ということでございまして、私といたしましては、これまでずっと減ってきた、そういった経緯を勘案した場合には、率直にこの3年連続の北海道開発予算の増というのは評価をさせていただきたいと、私どもが必要と思う額が一定程度確保されたものと、このように感じているところでございます。
 そういった中で、今のご質問は、人手不足でなかなかその事業費の確保があってもそれが執行できない部分があるじゃないかというご指摘でありまして、それは実は、昨日も新幹線の関係で東京(で関係先をあいさつ)回りしている時にも議論があってですね、新幹線はまだ工期短縮といっても10年以上ございますので、そこでさまざまな人手なり、それからダンプカーが足りないという話とか、いろいろ出たのでありますが、今、東日本大震災の復興支援でいろいろな人手なりいろいろな資材が東北のほうに行っている、また、それと並行して2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けてもさまざまなものが東京、首都圏のほうに行くだろうということがあるわけでありまして、ご指摘の人手不足という問題にもしっかり対処しながらですね、せっかく確保していただいたこの北海道開発予算がしっかりと執行できるように、北海道開発局、あるいは道内の建設事業者の方々ともしっかりとした議論をしながら対処をしていかなければならない、そんなふうに考えているところであります。


(北海道新聞)
 IRについて、2点お伺いします。
 まず1点目ですね、知事は昨年、北海道型IRの構想について検討するというお考えを示されて、道としてもフォーラム(北海道型IR道民フォーラム(昨年10月~11月開催))を開催するような準備を進めてこられたと思うんですが、昨年の衆議院解散に伴ってですね、IRの整備推進法案(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律)が廃案になりました。こうした状況を受けて、北海道型IR構想の検討作業にですね、どのような影響が出ているのかというのが1点です。
 2点目が、今月末にもIRに関するセミナー(IRに関する道民セミナー)を道内で開催する予定だとお聞きしていますが、国の法整備がこのように進まない中でですね、このセミナーの位置付けというかですね、このセミナーに開催にどのような意義や狙いがあるのかをお聞かせください。 
 
(知事)
 分かりました。確かにおっしゃるとおりですね、昨年の解散総選挙の絡みもあるのでしょうか、超党派の議連(国際観光産業振興議員連盟)の方々が議員提案をしておられたIR関連の法案が廃案になってしまったということで、仕切り直しになったというのは、ちょっとやはり、率直に言えば不透明感が高まってきたなという認識を私も持っているところでございます。
 しかしながら、道内にですね、4つの市と村で、やはりIR誘致ということを地域を挙げて熱心にやっておられるところもあります。その背景としては、これも前から言っておりますけれども、季節的な山、谷がある北海道の観光の集客の通年化を狙う、あるいは雇用の安定化を狙う、いろいろな思いがあるわけでありますけれども、そういった熱心な基礎的自治体もあるという中で、どういうふうにわれわれ、これから国会の動きも見極めながらやっていくかという状況でありまして、その意味では、第1弾のフォーラムをやっていた時と比べると、ちょっと中央のほうの動きに不透明感が出てきたという違いがあるのかなというふうに思います。
 であるからこそ、今回は、ご承知かと思いますけれども、セミナーの開催を希望される地域、具体的には苫小牧市と釧路市と留寿都村において、ギャンブル依存症の問題とか、負の社会的な影響についてのさまざまな議論のほうもしっかり議論するような形で、そちらについての道民の方々のご理解なり、関心の高まりなども考えていくようなそういう形で、第2弾シリーズというのですかね、そのセミナーとして1月下旬から3カ所でやらせていただくということを考えているところでございます。
 通常国会が1月下旬から始まるのでしょうか、まずは今年度の補正予算案のご審議、それから、何より重要な来年度の当初予算案の審議、そういったことの後に法案提出があるかどうかという、東京のほうの動き、国会の動きもしっかり見極めながらですね、このIRの問題についても見極めていきたいと、こんなふうに考えております。

 


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