知事定例記者会見記録(平成27年8月26日)

   

 

知事定例記者会見

・日時/平成27年8月26日(水) 13:00~13:43
・場所/記者会見室
・記者数/24名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 2015北海道マラソン・はまなす車いすマラソンについて
2 結婚サポートセンター「北海道コンカツ情報コンシェル」の開設について
3 「ホッカイドウ・ハートフル臨時支援事業」及び「こんにちは赤ちゃん・プレママ臨時サポート事業」の 実施について

記者からの質問

1 北陸新幹線視察について
2 新千歳空港について
3 株安及び円高について
4 政府関係機関の誘致について(1)
5 政府関係機関の誘致について(2)
6 さけ・ます流し網漁について(1)
7 さけ・ます流し網漁について(2)

知事からの話題

 

2015北海道マラソン・はまなす車いすマラソンについて

〔配付資料:2015北海道マラソンの概要(PDF)
〔配付資料:2015はまなす車いすマラソンの概要(PDF)
〔配付資料:2015北海道マラソン・はまなす車いすマラソン大会プログラム※添付省略 〕
 私からは三点お話をいたします。
 一つ目は、2015北海道マラソン・はまなす車いすマラソンについてであります。
 来週8月30日、日曜日に、北海道マラソンとはまなす車いすマラソンが開催されます。北海道マラソンではフルマラソンと11.5キロのファンランを合わせて1万8千人の方々が参加されます。これは昨年より2千人多い状況になっております。また、はまなす車いすマラソンではハーフマラソンとショートレースを合わせて100人余りの皆さんが参加されます。北海道マラソンは世界を目指すトップアスリートが参加されますし、ソウルマラソンの成績優秀者も招待をしております。はまなす車いすマラソンではパラリンピックをはじめ、世界の舞台で活躍しておられる多くのトップアスリートが参加されます。
 大通公園を、はまなす車いすマラソンは午前8時30分、北海道マラソンは午前9時にスタートいたします。私は今年もスターターとして応援させていただければと思っております。
 北海道マラソンとはまなす車いすマラソンの合同開催は、今大会が初めてであります。この大会をきっかけに障がいのある方々と健常者の交流を図るとともに、障がいのある方々への理解や共感を深める大きなきっかけとなることを大いに期待するものであります。道民、市民の皆さま方におかれましては、交通規制などへのご理解とご協力をお願いいたしますとともに、マラソンランナーあるいは車いすランナーの方々に対し、大きな声援を掛けていただければというふうに思う次第であります。
 北海道の夏を彩る北海道マラソンとはまなす車いすマラソンの成功に向け、大いに盛り上げていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

結婚サポートセンター「北海道コンカツ情報コンシェル」の開設について

〔配付資料:結婚サポートセンター「北海道コンカツ情報コンシェル」(PDF)
 それから二つ目は、結婚サポートセンター「北海道コンカツ情報コンシェル」の開設についてであります。9月1日にプレオープン、9月29日から本オープンを予定いたしております。
 最近、結婚を希望されても、なかなか結婚に至らないような男性の方、女性の方、たくさんおられるという中で、こういったことを始めようということでありますが、祝日や年末年始を除く毎週火曜日から土曜日の午後1時から午後7時に開所をいたしまして、結婚を希望する方や応援したい方々などからの相談に応じるほか、フォーラムであるとか、婚活者向け講座、それから出張相談も予定しているところでございます。
 プレオープンの期間、1カ月弱の間は、専用電話による情報提供や予約受付などを行いながら、オープンに向けた準備やセンターのPRなどを行うこととしているところであり、専門相談員による相談対応は火曜日のみを予定いたしております。
 このコンシェルは、いわゆる男女のマッチングそのものを実施するところではございませんが、専門機関等の紹介であるとか、イベント情報の提供など、北海道において結婚を希望する男女が良きパートナーと出会えるようにしっかりとサポートしていきたいと、このように考えております。

「ホッカイドウ・ハートフル臨時支援事業」及び「こんにちは赤ちゃん・プレママ臨時サポート事業」の実施について

〔配付資料: 「ホッカイドウ・ハートフル臨時支援事業」及び「こんにちは赤ちゃん・プレママ臨時サポート事業」(PDF)
 それから三つ目は、「ホッカイドウ・ハートフル臨時支援事業」及び「こんにちは赤ちゃん・プレママ臨時サポート事業」の実施ということであります。
 今申しました二つの事業の前者は、日常生活で常に介護を必要とされる高齢者、あるいは重い障がいのある方々を対象とした事業であり、また、妊産婦の方々を対象とする事業が後者でありまして、一般世帯の方々に比べてなかなか経済的負担が大きい方々であるということを想定して、国の交付金を活用しながら、今年度、こういった事業を行うことにいたしました。
 対象となる方々には、5千円分の商品券をお渡しすることとしておりまして、あらかじめ指定された道内2千店舗ぐらい、これはコンビニエンスストアとか、スーパーとか、ドラッグストアとかを想定しておりますが、こういうところで使用できる商品券をお渡しいたします。8月25日から対象となる方々に申請いただくためのご案内を順次行っておりますので、この事業が広く周知されるよう、マスコミの皆さま方にも報道等でご協力をお願い申し上げたいと思います。
 以上であります。

記者からの質問

(STV)
 先週、石川県に新幹線の視察に赴かれまして、石川県知事とも懇談されまして、良い意味でも予想外、想定外のことが起こるというようなお話ですとか、宿が足りなくなるのではないかというお話も出たようですけれども、今回の視察で、全体を通してですが、どのようなヒントを得られたかということと、2次交通をはじめとする課題について、どのように生かしていけるかという、現時点での展望をあらためてということになりますがお聞かせください。
 
(知事)
 先週、(8月)20日、21日、実質1日半ぐらいでありましたけれども、大宮から北陸新幹線「かがやき」に乗りました。「かがやき」の停車駅は、大宮の次が長野、長野の次が富山、そしてもう金沢とですね、最速の列車に乗ったわけでありますけれども、着いた後、20日の午後には、県庁で谷本知事、それから翌日は、金沢商工会議所の会頭であり、石川県商工会議所連合会の会頭である深山会頭にお会いするなど、いろいろなお話をお伺いし、また、さまざまな観光施設等もご案内をいただいて、いろいろと受入体制を計画的に整備してこられた地元のご努力のお話や、あるいは現場を拝見することなどを通じて新幹線開業効果を実感したところでございます。
 現地のぶら下がり記者会見などでも申し上げたのでありますが、金沢というところは、加賀百万石で、江戸幕府が開かれる前の前田家領ですよね。外様(大名)という位置付けではありましたけれども、長い歴史の中で文化を育んでこられた加賀百万石の中心都市としての歴史と文化のある街でありますので、そこに新幹線が来ることの事前の準備なり何なりと、私どもの道南、新函館北斗駅の準備と、もちろん応用できること、あるいは応用できないこと、いろいろあるわけでありますが、私は、(北海道商工会議所連合会の)高向会頭から、選挙が終わった直後から「早く北陸に行くように」と言われておりましたので、やはり実際に現場に行ってお話をお伺いし、この目で見て、実感を持って、それを応用できる部分は、北海道(新幹線)の来年の開業以降に役立てていきたいという思いを強く持ったところであります。
 今、ご質問でも触れられましたとおり、谷本知事が良い意味での想定外の効果というのが出てきていると、これをいかに形にしていくかということが大事だと言っておられました。そういった面での対応も重要だと思いますし、また、宿が足りないと、これは言っておられました。金沢ですから、金沢好きの常連のお客さまや地元の方々、あるいは国内のいろいろな所からお見えになる、そういう方々に宿泊のお断りをせざるを得ない状況が出てきているというのは悲しい限りだし、また、値段も相当高くなっていると。需給によってやはり値段は決まりますので。そういうお話も頂いたところでございまして、私どもはまだ開業前なので、何が想定外なのか、なかなか難しい部分もありますが、さまざまなことに頭を巡らせながら、少しでも事前に準備ができるところはやっていきたいというふうに思ったところであります。
 金沢の駅舎自体が美しいのですね。これはご一緒に行かれた方々は皆さん同じ思いを持たれたと思うのですが、JRで準備をされた駅舎が立派で、中はですね、やはり加賀百万石の歴史のあるさまざまな芸術文化の粋を、作家の方々がほとんどボランティアみたいな形で、原材料費だけでつくられたオリジナルの作品がそこここに散りばめられておりましたし、また、その駅舎と隣接する形で、鼓門(つづみもん)という、奈良の大仏と同じだけの高さの門があったり、また、それに連なる形で、鉄で組まれたおもてなしのスペース(もてなしドーム)があったり、それが一体として、美しい、新しい金沢駅というものを形成しているというのは、大変見応えがあったなというふうに思ったところでございます。
 金沢は雨が多いところでもありまして、駅舎を出てすぐに傘を差すのも大変だろうと、ちょっと駅を出てから傘を差すまでの間、一息つきながらという、地元のまさにおもてなしの気持ちもあるというお話もあったところでございます。北海道の道南の地域との気象の違いなどもあろうかと思いますし、それから、金沢市と北斗市とでは人口規模も違って、財政力も違いますので、いろいろな環境の違いもありますけれども、駅舎の美しさというのは、私どもとしては、金沢市の中心部にある駅舎の歴史と文化の美しさという形とはちょっと違い、北斗市は自然環境の美しい中における新幹線の駅であります。確かに新函館北斗駅というのは、これは私も案内をしていただいたことがありますけれども、降り立ったお客さまがものすごく大きなガラスの窓、そこを通じて素晴らしい道南の、北海道の壮大な景色が見えるような、そういう設えになっています。あれはたぶん金沢ではできないと思いますので、それぞれの地域の特性を生かしながら、やはりお迎えするお客さまに対するおもてなしの気持ちを示すような、この駅の周辺環境の整備ということもさらにやっていかなければならないということを、石川県でも学んだところでありますし、やはり何よりも、民間の方々、JRの関係の方々、そして私ども行政、これは道という広域自治体だけではなくて、市町村も含めて基礎自治体の方々も含めて、しっかりと連携して開業を迎えるという、その一体的なおもてなしの取組ということが何より重要だろうというふうに、今回の訪問の結果というものを総括いたしました。
 2次交通のご質問も頂きました。私どもとしてはこれは大変な課題でありますが、石川県のほうは、並行在来線自体が、ある意味、金沢駅からの2次交通にもなっておりますし、いろいろな形で既存のものが金沢駅を中心としてあるので、ここはあまり私どもとしては、参考にならず、われわれ自身が考えていかなくてはならない部分だなと思いますけれども、北海道の場合には、道東とか道北には航空便を活用するという発想も必要ですし、レンタカー、それからJRの乗り継ぎ、それから小型クルーザーの活用などは、胆振の方々、噴火湾方面の方々が考えておられますが、交通ネットワークの整備に向け、いろいろなことを多様に考えていかなければならないかなというふうに思っているところでございます。
 いずれにいたしましても、やはり1年先輩の、新幹線の開業をした地域を訪問させていただくことによって、私どもの気持ちもまた高まってまいりましたし、来年に向けてしっかりと準備をしていきたいと、このように思っております。

(北海道新聞)
 新千歳空港の、深夜・早朝(時間帯の発着)枠の拡大の件でお伺いします。(8月)22日に、深夜・早朝枠の拡大に関してですね、千歳市の方々と合意があったと思いますが、それを受けて、知事は22日のぶら下がり(取材)でですね、今後の課題の一つとして、CIQ(税関・出入国審査・検疫)の機能充実も挙げられたと思いますけれども、そこでですね、深夜・早朝帯のですね、CIQの現状に対する知事の認識をお聞きしたいのと、今後、関係省庁に対してですね、具体的にどのように働き掛けていくのかをお聞きします。
 
(知事)
 分かりました。CIQはですね、この深夜・早朝(時間帯の発着)枠の拡大の合意の前から、なかなか厳しい状況にあって、これは新千歳空港の問題であると同時に、道内13空港のうちの国際線が乗り入れる空港のCIQ受入体制が、どこもなかなか厳しいという状況の中で、これまでも関係の省庁に働き掛けをしてきたところであります。
 今、まだ深夜・早朝枠の拡大も決まったばかりでありますし、地元の方々の大変つらい決断の思いをしっかり踏まえながら、これをどのような形で有効に、北海道の、そして千歳の活性化に生かしていくかということの検討を、今、担当部局で鋭意やらせていただいているところでございますし、また、来たるべき道議会でのご議論も踏まえて、私どもの考え方を整理していかなければならないと思うわけでありますけれども、やはり、今おっしゃられたとおり、CIQへの対応を国にしっかり求めていかなければならないのは当然でありますし、また、新千歳空港ももちろん重要なのでありますが、広大な北海道の中で、それぞれの地域の拠点空港である帯広、釧路、女満別、旭川、函館、稚内を含めて13空港ありますので、やはりそれぞれのバランスある発展ということをやっていくのが道庁の仕事であろうというふうに、あらためて認識をいたしているところであります。 

(北海道新聞)
 関連してなんですが、深夜・早朝枠の合意によってですね、(新千歳空港の)空港機能の強化を巡る大きな山場というのは一つは越えられたと思うのですけれども、引き続き懸案となっているのがですね、旧共産圏の航空機の乗り入れ制限について、制限の緩和に向けた動きというのはですね、今どのような段階、現状にあると認識されているのかお聞きしたいのと、同じく関係省庁に対してですね、今後どのように働き掛けていきたいのかお聞きします。 
 
(知事)
 (中国・ロシアなど一部外国航空会社の乗り入れ制限の緩和に向けた要請活動については、)今までもやってきたところであり、一歩一歩ではありますけれども、制限の緩和というのは順次進んできているというふうに認識をいたしております。
 その(要請)活動をさらに続けていかなければならないというふうに思うわけでありまして、中国で直近だと5月の下旬(21日~24日)に、二階先生(自民党総務会長)を団長とする日中観光文化交流団の一環として、私どもも向こう(中国・北京市)に参りました時に、中国側の出席者として出ておられた、ある航空会社の方から、「北海道にもっと乗り入れしたいのだけれども、なかなかこの規制があって難しい。」という話が、向こうから問題提起をされたという経緯もありまして、大変重要な問題であるとの認識を持っております。ですから、防衛省がメインでありますが、今まで以上に働き掛けをしっかりやっていかなければならないというふうに思うわけであります。
 ただ一方で、これは先ほどの話とまた相通じるのでありますが、新千歳空港以外の空港は必ずしも、一部の国の乗り入れ制限というのはないわけでありますので、こういった空港へのポートセールスということも、地元の方々と心を一つにして、もっと積極的にやっていかなければならないのかなと、とりわけ北海道新幹線が開業する道南の函館空港などというのは、これから一つのポートセールスの大きな目玉になってくるのかなというふうに考えます。 

(北海道新聞)
 世界的に株安で、日経平均株価がですね、午前中も乱高下しているところです。報道では政府与党はですね、何かこの予算執行の前倒しとかですね、補正という検討もしているという報道もありますけれども、このような市場動向に対する知事の受け止めとですね、道として何らかの対策、ご検討される考えはあるのかということが一点とですね、関連して円高も進んでいて、為替相場もちょっと不安定な状況にあるということで、道内の中小企業への影響ということも考えられると思うのですけれども、為替相場の乱高下ということに対する対策という部分で何らかのお考えがあるのかと、その二点お願いいたします。

(知事)
 ここ数日、もともとは中国経済の減速というのが、今まで中国政府がいろいろてこ入れをしてこられたので、持ちこたえつつあったものが厳しい状況になるのではないかというふうな認識を持つ関係者の方が多くなったというようなことが、大きな背景の一つかと思うわけでありますけども、世界的な同時株安となり、株価が乱高下して、不安定な状況が続き、それと連動してということや、他の要因もあるのでしょうが、為替のほうも大きくぶれているという現状にあるというふうに思っております。
 株価のほうは安いより高いほうがいろいろな面でメリットのほうが大きいかなというふうに推察するわけでありますけども、為替というのは円高は円高で問題がある、円安は円安で問題がある、いずれも問題があるとマスコミの方は書かれるのですけれども、それはいずれも真理でありまして、良い面、悪い面があるのが為替の状況でありますので、理想的なレベルというのが何かというのは誰も言えないものかなというふうに思うところであります。ただ、経験則上、私どもが思っておりますのは、円高も円安もいずれも急激に大きくぶれるということは、やはりそれへの対応が十分に、経済界の方々あるいは個人のほうも難しいだろうという中で、急激なこの動きというのは、なかなか悪影響のほうが目立つだろうというふうに思う次第であります。
 こういう中で、中国経済の減速予測との関係で、やはり一番、北海道知事として気になりますのは、せっかく今中国からのお客さまが大変増えている中で、この中国人観光客の方々の入り込みに悪影響が出ないかなということは、目の前の株価の乱高下や為替の乱高下とはちょっと次元の違う話かもしれませんが、やはり心配をいたしているところでございます。
 今ご質問の株価あるいは為替の乱高下ということについては、われわれはやはり慎重に注視をしていくということを、今段階ではそう申し上げる状況であろうかと思っているところでありまして、国が予算をどうする、政策をどうするということを検討しておられるかどうか、これは私どもとして政府に直接確認ができているわけではございませんけれども、そういう動向も見ながら、われわれとして、もし何かをやらなければならないタイミングがあればそれを機動的にやるということでありますが、今はまだその判断をしているわけではありません。

(時事通信)
 地方創生の関連で、政府機関を各都道府県で誘致するという話が今月末締め切りなんですけれども、一部報道では観光庁などという話もありましたが、道としてどういうふうに対応されるのかということ、あと観光庁を呼ぶのであれば京都が積極的に誘致をしているようで、なかなか強力なライバルになると思うのですが、道知事の立場からですね、京都よりも札幌のほうが優れているという、メリット、特に訴えていきたいメリットとか長所というところがどこら辺にあるのかということを教えていただければと思います。

(知事)
 分かりました。私どもとして、関係市町村と議論をして誘致対象として近く提案する予定のものは、四つであります。
 今ご質問で触れられました「観光庁」、これは実は国のリストには含まれてはおりませんが提案いたします。それから「医薬品医療機器総合機構」、それから「情報処理推進機構」、それから「農林水産研修所」、この四つの機関を提案していこうというふうに考えているところでございます。観光庁以外は、国から提示されたリストに含まれているものばかりでありまして、それぞれ関係市町村等とも議論した上で、このようにしようかと思っているところであります。
 ただ、今までも、省庁そのものあるいは各省庁の関係機関の地方移転ということは何度も議論になった経緯はありますが、その度に、それぞれの所管の省庁の方々が大抵抗されて、うまくいった試しがないと。あえて言えば、つくば市には産総研(産業技術総合研究所)など、研究機関が一団で立地していますし、茨城県内には、それに関連して、農林水産関係も含めていくつかの研究機関が集団的に立地しているという、あれはもう何十年も前のことですけれども、ある意味、首都圏を離れるという一つの成功事例なのかもしれません。私どもとして、食料基地ということで、農林水産関係の研究開発機関の誘致なども考えたのですが、誘致したいものは東京とか首都圏ではなくつくば市にあるのですね。この前の全国知事会の会合でも茨城県知事から、「つくば市にある機関をそれ以外の県に誘致するというのは、これは東京一極集中対策には全くならないのでやめてほしい。」というお話もあって、これは一理ありますよね。だから、農林水産関係では私どもは、研修所というものを、これは研修ですから、職員の方と関係の方々が研修をされるときに、やはり現場の実体験の場が北海道だといろいろな形でご提供申し上げることができるので、これは良いのではないかと思い、今は東京都の八王子市にある研修所の誘致を提案しようと思っておりますが、いずれにしろ各省庁の抵抗ということが想定されますので、提案はしますけれども最初から難しいものであるというふうには思っているところでございますが、最大限努力いたします。
 観光庁についてでありますが、京都市も日本を代表する歴史のある文化都市でありますし、日本を訪れる観光客の本当に多くの方々が京都を訪問されるという意味で、大変なライバルだというふうに思う次第であります。ただ、京都の辺りというのは、東京や大阪と近いですし、あの辺りは連動していろいろな観光関係の事業もできる地域でありますが、北海道はいつも言っておりますように、日本を訪問される外国人観光客の10分の1の方々が訪問される、わざわざ北海道にいらっしゃる方ばかりです。今度、北海道新幹線が開業すると東北との広域観光というものもできるかもしれませんが、やはりわざわざいらっしゃるだけの魅力のある北海道にこの観光庁を誘致するというのは、実現すれば大変なインパクトがあって、日本国全体が地域を挙げて観光振興をやるということの、世界に対する発信にもなってくると思いますので、私どもとしてしっかり国に対してアピールをしていきたいと、こんなふうに思っております。 

(北海道新聞)
 関連です。実質的にこれまで政府関係機関の地方移転というのはうまくいったことがないと、今、知事はおっしゃったんですけれども、政府が地方創生の目玉として、当初非常に前向きな形で旗を振っていた政策だったんですが、これが徐々に政府のほうも及び腰になってきたという、そういう印象を受けるんですけれども、政府がこうやって言い出した以上は、本気度を見せて、トップダウンで省庁を説得するぐらいの心構えでやってもらったほうがいいのかなと思うのですが、この辺りは知事はどのようにお考えでしょうか。
 
(知事)
 まさにそう思います。
 トップダウンは、それぞれの省の大臣からであることもあり得ますし、また、官房長官をはじめとする官邸の力というものが、大変重要になっているということも聞きますので、石破地方創生担当大臣も、官邸そのものではありませんが、内閣府の大臣という位置付けでございますので、そういう方々がトップダウンで「しっかりやれ」というふうに、各省庁にプレッシャーをかけてくれるというのは、大変良いことだと思います。
 先ほど、つくば市の例をちょっと申しましたが、もう一つ、私の経験から申し上げますと、私はご承知のとおり経済産業省におりましたのですが、経済産業省の関東経済産業局は、20年ぐらい前は東京の大手町にあったのですが、それを当時、さいたま市に移転いたしました。これは、私自身、新築移転したさいたま市の施設でしばらく仕事をしたことがありますので鮮明に覚えておりますが、移転したというその経緯は、まさに国の省庁そのものを、今回の事例で言えば、外局と支分部局の違いはありますけれども、観光庁を移転したような雰囲気のものかとは思うわけでありまして、そういう前例もいくつかあるわけでありますので、政府には頑張ってほしいと、こんなふうに思います。

(TVh)
 今日の午後4時からですね、(北海道)北洋漁業対策本部が開催されますけれども、先日、現地でも取材にご対応いただいていましたが、いろいろな地元の声を、再度、案を出して聞いてですね、あらためてどのような印象を受けたのかと。
 詳細は4時からということかもしれませんが、現状、今回の対策の柱がどういうところを重点にして、対策を組み上げたかというところを簡単にご説明いただければと思います。

(知事)
 6月の末にロシアの国会で(さけ・ます流し網禁止)法案が通過し、プーチン大統領がサインをして、発効したところでございまして、その後直ちに、私どもはもちろん政府に要請もいたしましたが、地元の漁業関係の方、加工業者をはじめとする関連企業の方々、加えて地元の商工業者、行政の方々などのご意見をお伺いするということを、順次夏休み返上でやってきたところでございます。
 そして、その結果をまとめた対策案というものができましたので、それをご提示して意見交換をするために、私自身、一昨日(8月24日)、根室管内、そして釧路管内に入らせていただき、関係の方々と意見交換をさせていただいたところでございます。
 今日の午後4時からの本部会議では、私どもの素案に一昨日の地元の方々のご意見を加味したもので議論をして、私どもとして成案を得ていきたいと、こんなふうに考えているところでございます。併せて今日の本部会議では、影響額というものを、あらためて精査する作業をしようと、水産林務部長のほうに私から指示をしておりましたので、その結果の数字の説明を受けて、確定をして、われわれとしての認識を共有していければというふうに思っているところでございます。
 柱といたしましては、これは7月の1回目の本部会議と大きくは変わっておりません。
 一つ目の柱の漁業対策もいろいろありますが、そもそも漁法の転換であるとか、代替漁業であるとか、そういう漁業対策の部分、二つ目として加工や運輸などの関連産業対策、三つ目として雇用対策、それから地域振興対策というような柱の中で、議論をさらに深めていきたいというふうに思っているところでありまして、今日、本部員の幹部職員と意思の疎通を図り、できる限り早期に国に対する要請というものをスタートしなければならない、こんなふうに考えているところでございます。
 当然、国に要請ばかりではなくて、私ども道庁自身が財政負担も含めてやらなければならないこともあるでしょうし、また、ぎょれん(北海道漁業協同組合連合会)であるとか、それから一部の対策は地元の市町村とも分担しながら、この東北海道の漁業の大変な危機的状況である、さけ・ます流し網漁対策というものを進めていかなければならない、こんなふうに考えているところでございます。 

(NHK)
 追加してお伺いをしたいのですけれども、今、四つの柱の対策を挙げられましたが、道庁も財政面の負担を含めてやっていかなければいけないということだったんですけども、道庁が主としてやっていかれる対策というのは、この四つのうちでいくとどの辺りになるのかというのを、(北海道北洋漁業対策本部の開催が)午後4時からだと思うんですが、ちょっとお聞かせください。

(知事)
 それは難しいですね。今の対策の柱の中で、例えばこの1番、2番の柱は国、3番、4番は道、というふうには分けられません。北海道北洋漁業対策本部の会議を午後4時からフルオープンでやるので、ぜひその場でも確認していただきたいのですけれども、例えば、漁業対策というのは、代替漁法、すなわち、流し網は禁止になったけれども、他の漁法でロシアの200カイリ水域で捕ることは、少なくとも禁止はされておりません。ただその場合には、この前、(厚岸漁業協同組合の)川崎組合長が言っておられましたが、はえ縄という漁法できちんと採算が合うような形で捕れるしっかりとした縄があるかどうか、ノルウェーのほうで開発が進んでいるので見に行くと、川崎組合長が言っておられましたけれども、そういうところから始めていかなければならないということもありますし、代替漁法をやるといっても、ロシアと交渉をするのは国ですし、漁法が採算性が合うかどうかというのは、ぎょれんなり漁師の方々自身のご判断ですし、私どもとしても、水産林務部の水産局がしっかり議論を深めていくというそれぞれの役割分担があろうかと思います。
 それから、さけ・ます流し網漁から、ホタテ養殖にいきたいという方も根室のほうにはおられるのですが、では、養殖するその漁場をどうするのかとか、そういうことも、国の支援の部分もあるだろうし、道の支援の部分もあるだろうし、ぎょれんのサポートもあるだろうし、やはり、それぞれの政策分野ごとに関係者が分担、連携をしながら対応をしていくということになりますので、今は、ご意見を踏まえてのメニューの提示というところで、私どもとして素案をまとめてこれから国に提案していくという段階なので、また、国との協議、今までももちろん水面下ではやっておりますけれども、本格的にこれから協議をやる中で、この部分はこのくらいやりましょう、この部分はなかなか実現可能性が大変だけれども、じゃあこれくらいだけやってみますかとか、そういう金額を含めての相場観の形成ということが、これからのわれわれの作業になってくるのかなというふうに思っております。今後、適宜適切に皆さま方に情報提供をしていかなければならない、こんなふうに思っております。


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなどを整理し、作成しています。

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