知事臨時記者会見
・日時/平成27年11月1日(日) 15:30~15:47
・場所/知事公館
・記者数/18名(テレビカメラ6台)
会見項目
知事からの話題
1 道発注工事における杭工事データ流用について
記者からの質問
1 道発注工事における杭工事データ流用について(1)
2 道発注工事における杭工事データ流用について(2)
3 道発注工事における杭工事データ流用について(3)
4 道発注工事における杭工事データ流用について(4)
知事からの話題
道発注工事における杭工事データ流用について
それでは、まず私からお話をさせていただきます。
もう2週間ほど前になるのでしょうか、横浜市内で判明した旭化成建材による杭打ち工事データの改ざん、それによって建物の安全性が大変厳しい状況にある、そういった事案を受けて、道が独自調査を行っております道発注工事におきまして、釧路市の道営住宅でこれまで2件のデータ流用が判明したというご報告を申し上げておりましたが、加えて、新たにオホーツク管内の紋別市の道営住宅、それから石狩管内にございます北海道新篠津高等養護学校、これは知的障害がある生徒さんが通っておられる学校でありますが、この二つの工事においても杭打ち工事を施工した旭化成建材がデータを流用していたことが、昨日判明したところであります。
(旭化成建材がデータ流用をしていた杭打ち工事が)少なくとも4件出てきたということについて、道営住宅であれば居住しておられる住民の方々、あるいは、高等養護学校においては生徒さんご本人、そして親御さんの皆さま方、本当に不安に感じられる事態になったところでございまして、私としても大変遺憾であり、また、断じてあってはならないことであると、このように認識をするところであります。
旭化成建材に対しては、建物の安全確認、それから、どうしてこういうことになったのかという経緯の報告、さらには、北海道のこの4件に関与した現場責任者というのは、横浜の杭工事を担当した人とは別人であるということのようでありますので、その現場責任者への事情聴取など、さまざまな事実を速やかに明らかにするように求めているところでありますが、旭化成建材から、いまだに正式な報告あるいは説明がなされているところではないわけであります。このような旭化成建材の対応に対して、私どもは大変な不満を持っているところでございます。まずは複数の現場責任者がデータ流用に関与しているということが、横浜等の事案、そして道内の事案で明らかでありますので、会社ぐるみと疑われても致し方ないのではないかというふうに思うわけでありますし、また、対応が大変後手後手であります。私どもからいろいろ投げ掛けをして、それに対しての正式な対応がいまだにないと、不誠実であるというような報告を受けているところでございます。一刻も早く旭化成建材におかれては、責任のある方がしっかりとした情報開示をするということを求めたいというふうに思うわけでございます。
この旭化成建材が杭工事を行った案件というのが道内で422件というふうに、同社から情報提供をいただいておりまして、数字を見る限り、他県のそれぞれの詳細な情報までは存じませんが、その杭工事を行った案件が、ここ10年間で全国一多いという状況の中、その422件の個別のリストも一応来ておりますが、私どもは道発注工事について、ご承知のとおり道独自で調査をかけておりますが、それ以外の道内の自治体が発注したものについても、それぞれ大体このくらいというようなことで、同社から数の情報提供はあったようではありますが、ただ、422件のうちの行政発注の公共施設以外のものは、民間の施工主の方が発注され、そして多分、多くはマンションではないかと想像されるわけでありますけれども、いろいろなご苦労をされて購入された道民の方々が多々おられますが、それがどういう状態なのかということすら、旭化成建材からいまだに情報提供もない状況にあります。私どもはやはり、これをまずは明らかにしていただく、この422件が本当に正しいのかどうかすら私どもは疑念を持たざるを得ませんが、422件を前提としてその内訳の正確なものをまず提示いただく必要があるのではないかと、こんなふうに思っているところでございます。
いろいろと同社に報告を求めておりますが、らちが明きませんので、私ども自身、少なくともまずは道発注分の中にもまだ確認が済んでいない案件もございますので、その案件の確認というものを、庁内の担当職員が鋭意、進めているところでございます。同時に、この4件について、ここまでこういった流用ということが明るみに出たわけでありますが、それぞれについて旭化成建材の調査を待ちながらも、われわれ自身、独自に、道総研(北海道立総合研究機構)の旭川市にございます北方建築総合研究所、そういったところの知恵もお借りしながら構造計算をやるなど、あるいはひび割れの確認など、われわれ独自に安全性の確認ということも今鋭意やらせていただいているところでございます。
それから後先になりましたが、道内にはわれわれ以外にも、特定行政庁としての市が10市あるわけでありますけれども、それらも含めた自治体の中には、なかなか建築のプロの職員がおられないとか、あるいは人数が不十分なところもあるわけでありまして、私ども道庁もそんなに(プロの)職員が余っている状況には当然ないわけでありますが、困っている自治体に対しては、調査方法の助言、サポート、こういったこともやっていかなければなりませんし、また、この422件の案件の多くを占めているのは、多分民間が施工主の方の建物だと思いますので、そういう意味では、私どもとしては相談体制を整備し、個人としてマンションに入っておられている方々で、「うちのマンション大丈夫かしら」と思われるような方々のご相談に応ずると同時に、施工主も、横浜の案件は三井(住友建設)でしたかね、そこは社長自ら出ていろいろな説明をされたという、報道を通じてそういうことは聞いておりますけれども、そういう大手の場合には自分のところでいろいろできるのでしょうが、ここは推測の域は出ませんが、道内はそうではない施工主、あるいは取り扱いをされた不動産業者等もあろうかと思います。そういう企業の方からの相談も私どもとしてしっかり受けていかなければならないかなと、今段階ではそのようなことを感じているところでございます。併せて、北海道建築士事務所協会のほうにも働き掛けをして、ともに対応をしていこうということを考えているところでございます。
いずれにいたしましても、今回の事案、本当に遺憾でありますが、何としてもやはり道民の方々のご不安、そしてあってはならないことではありますが、杭打ち工事自体が不十分である場合には、安全・安心に影響が出てまいりますので、そういうことがないかどうかということをこれからしっかりチェックをしていかなければならない。今のところ安全性に問題があるという報告は受けていないということを皆さま方に申し上げるわけでありますが、それを確実なものとするように安全・安心を守っていかなければならない、そんなふうに思っているところであります。
記者からの質問
(朝日新聞)
422件のリストについて、道としては入手していらっしゃるということを伺っておりますが、10市ですね、特定行政庁の10市の内訳というのは、道としては公表する
考えがあるんでしょうか。
(知事)
まず、リストの粗いものはもらっています。ただ、それを見る限り、(施工主が)民間なのか、市なのか、その建物の名前だけが書いてあるなど、分からない部分がかなりあって、われわれとしてこの422件の全てについて、きちんとした情報把握ができている状況にはありません。うち10市については情報はどうなんですか。
(住宅局長)
先日(10月30日)、会議(特定行政庁会議)を開きまして、それぞれの市が把握したい場合には、私どものほうで、そのリストをそれぞれの市で確認いただくというふうにしております。皆さんに確認いただけるようにしております。
(知事)
私ども道発注分、67件、47施設については、順次チェックはしておりますが、もちろん流用の不正が出た事案についてはこれまでの4件と同じように順次公表はしてまいりますが、全てをチェックした段階で、対象施設全体を公表しようということで今進めているところであります。
(朝日新聞)
今は行政機関からの問い合わせには答えるけれども、広く道民には出さないのですか。
(知事)
はい。
(日本経済新聞)
先週ですね、旭化成建材の社長が愛知県知事のところに伺って、それで謝罪されてますけど、北海道はすでにもう(杭工事のデータ流用が)4件出てきていて、いまだにそういった対応もないかと思いますけど、そのあたりについてはどう受け止めていらっしゃいますか。
(知事)
それは旭化成建材に聞いてください。われわれとしては、先ほど申しましたとおり、社長が来るかどうかというのもあるのかもしれませんが、いろいろな対応が不誠実極まりない、そして、対応が後手後手であるということを、大変不信感を持って見させていただいているということであります。たぶん、これはもう想像ですけれども、愛知県に行かれた後もどんどんデータの流用が出てきましたが、北海道も出てきましたけれども、また東京都のほうにも出てきました。そういうことで混乱している感じはします。
(日本経済新聞)
特に旭化成建材幹部から直接、事情を知事のほうに説明するようなことを要請したりとか、そういうことはありますか。
(知事)
それは、私どもとしてはしておりません。ここまでくると、全体として1日も早く、社として記者会見を開き説明するべきだと思います。それがないこと自体も大変不誠実ではないかというふうに思います。
(HTB)
今までの会見(道発注工事における杭工事のデータ流用についての記者レクチャー)ではですね、不正があるという目線でチェックしていなかったので、道としても把握しきれていなかったというところも会見では出ていましたけれども、住んでいる方たちからすれば、こういうふうにちゃんとチェックすれば分かるということで、最初から、道としてちゃんとチェックしてほしかったんじゃないかなというところも、住んでいる人たちの目線からすればあると思うんですけれども、そういうふうなところで、道としての責任というところは、どういうふうにお考えですか。
(知事)
結果として不正を見抜くことができなかったというのは事実であります。そのあたりの事情については、これまでの担当局長からの記者会見の中でも申し上げたと思うわけでありますが、私どもとしては、とにかくこれだけ道内だけで4件も流用の事実が出たわけでありますので、まずは、それ以外のまだチェックしきれていない案件をしっかりチェックするというのが、何より最優先でありますし、また、先ほども申しました、道内10市の特定行政庁を含めた自治体の方々のサポートもありますし、また、それ以外にも多数の民間施工の部分もありますので、そういうところを一つ一つ究明し、安全を確認するということが、まず何より重要だと思うわけでありますが、その後にわれわれ行政としてチェックができなかったこの検査方法、検査体制ということにつきまして、これは北海道だけではなく、全国の自治体全ての問題かもしれませんので、しっかり議論を深めて見直しをしていかなければならない、そんなふうに思っております。
(北海道新聞)
今、(特定行政庁)10市のサポートについて、おっしゃられていましたけれども、その10市はおそらくですね、技術職員の方が少なかったりしまして、やはり調査をするのが大変だと思われるんですけれども、道から職員を派遣して支援する、調査を支援するというお考えはお持ちでしょうか。
(知事)
道発注案件も多くある中で、それをまずチェックするというのが道民の方々に対する責務なので、先ほど申しました助言などのサポートというのは、私どものそういうチェックが終わった後、あるいはめどがつき始めたところで、状況に応じて他自治体の皆さま方のご要請に応えることは、今後あり得るかなというふうに思います。
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