知事定例記者会見(平成27年11月4日)

知事定例記者会見

・日時/平成27年11月4日(水) 15:45~16:05
・場所/記者会見室
・記者数/18名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 冬の交通安全運動について

記者からの質問

1 道発注工事における杭工事データ流用について
2 TPP問題への対応について
3 総合戦略等の策定について(1)
4 総合戦略等の策定について(2)

知事からの話題

 

冬の交通安全運動について

[配付資料:平成27年冬の交通安全運動について(PDF)
[配付資料:交通事故発生概要(平成27年11月3日現在速報値)(PDF)
 私からは1件であります。こちらにポスターもございますが、冬の交通安全運動についてでございます。
 来週11月11日から20日までの10日間、冬の交通安全運動が展開されます。11月3日現在、道内における交通事故の発生件数は9,028件、けがをされた方の数は10,664名といずれもそれぞれの数字は大きいのでありますが、昨年の同時期と比べて1割ぐらい減少しているということでございます。その一方で、亡くなられた方については昨年の同時期よりも7人多い、152名もの尊い命が奪われているという、非常に厳しい状況になっているところでございます。11月3日現在、全国的にも(北海道は)ワースト3という状況になっているところでございます。
 これからの時期は、雪や寒さなどで路面状況も刻々と変化いたします。スピードの出し過ぎやちょっとしたハンドル、ブレーキ操作の誤りが重大事故につながる状況にあるため、車を運転される方には、スピードダウンと十分な車間距離をぜひ取っていただきたいと思います。また、年末に向けてお酒を飲まれる機会が増えてきていると思うわけでありますが、道民こぞって「飲酒運転はしない、させない、許さない」、これを徹底していただきたいと思います。
 歩行者の皆さま方には事故の多い夕暮れ時や夜間の外出時には交通安全に十分留意をしていただき、特にご高齢の方々は夜光反射材などの活用をぜひお願い申し上げます。運動期間中は全道各地において、街頭啓発などを行う予定でありますので、マスコミの方々におかれても交通安全の呼び掛けについてご協力をよろしくお願いいたします。

記者からの質問

(HBC)
 旭化成建材の問題なんですけれども、日曜日(11月1日)に知事が、緊急会見で大変不誠実な対応だというふうに、ちょっと厳しいお言葉で批判されましたけれども、その後ですね、旭化成建材側から何らかの誠実な対応があったのかどうか、わずか数日なんですが、それが第一点とですね。その後に釧路市と北海道開発局でも新たな改ざんというのが見つかったんですけれども、どんどん広がる気配を見せているんですが、そのことに対する知事の受け止めを教えていただければと思います。

(知事)
 日曜日に知事公館で臨時の会見をやらせていただきました。ちょうど道発注の(杭工事データ)流用事案の3件目、4件目が明らかになった状況での緊急記者会見だったと思います。それまでの旭化成建材の対応ぶりに関して、事務方から報告を受けていたさまざまな不誠実さというものを、私が代表して言葉に出させていただいたということであります。
 その後、私ども道発注の流用事案はまだ発見には至っていないという状況にあります。その過程で旭化成建材とはやりとりはしているのでしょうが、事務方が大いに満足をするような対応があったとの報告を受けてはおりません。ただ、一方で、世の中一般に対しては、(11月)2日に旭化成建材と親会社の旭化成の副社長が、(旭化成建材は)100パーセントの子会社だそうですが、中間的な(調査)状況で記者会見をされたと聞いております。横浜の事案を担当した者の全国の状況についての報告の会見、謝罪会見だったかと理解するわけでありますが、第一歩かなと思う次第であります。ただ、残念ながら、横浜の事案の担当者とは別の担当者が担当した流用の事案が道内で出てきているわけでありますし、また、報告を受けているところによりますと、道外でも横浜とは別の担当者が担当したと思われるような事案でもデータ不正利用ということも出てきているようでありますので、やはり何といっても、一日も早い全体像の報告を私どもに対して、できる限り早くやってほしいと思いますし、また、国民の関心も高いので、全体像の公表ということも必要かなというふうに思う次第であります。しっかりと対応していただきたいと思います。
 それから私ども発注の4件に加えて、道内では釧路市発注の事案、それから稚内市内の漁港事業で北海道開発局の発注事業でもデータ流用というのが明らかになったところでありまして、どんどん増えてきているなという実感を持つところであります。いろいろな工法があるようでありますが、今、全国で3,040件と言われている総数の前提となる工法というのはセメントミルク工法ですが、それ以外の工法もあるようでありますので、トータルで何件くらいかというのは、ちょっとよく分からない部分もありますが、いずれにいたしましても、全体像を旭化成建材及び親会社である旭化成においては、しっかりと検証して報告をしていただきたいと、こんなふうに思っているところでございます。
 なお、釧路市はこういうデータの不正流用が明らかになったが故に、施工中の杭工事について、旭化成建材が関与しているものについては、工事の一時中止の判断をされたようでありますが、現時点では道発注の(施工中の)杭工事で旭化成建材が関与しているものはないということであります。

(NHK)
 TPPの対策についてなんですけれども、月曜日(11月2日)に道の(北海道TPP協定)対策本部会議が開かれ、影響調査をまとめられて、今日も常任委員会のほうでも議論されていると思います。自民党も20日には総合対策案をまとめるということと、政府でも大綱をまとめるというふうに動いているのですけれども、あらためて知事として、今後どのようなスケジュールで国への要請、道の独自の取組をまとめられるのかということをお聞かせください。 
 
(知事)
 2日の月曜日の対策本部会議で、各分野、農林水産業分野にかかわらず、商工業分野あるいはルール分野についても、私どもとしてさまざまな情報収集をした結果としての影響調査ということの中間的な取りまとめを行ったところでございます。
 ただ一方で、国による道内での説明会というのも、先月の29日に北見市で開催した以降の農林水産省の説明会の予定はないわけでありますが、地域的に見て、例えば道南のほうとか、まだカバーされていないところもありまして、そういったところにおける説明会、そうすると、そこではまた農業の実態が違いますので、それぞれの地域ごとにご質問も別のものが出てきた場合に、新たな国の説明というものもあり得るわけでありまして、その意味では、まだ国から全体としての情報開示が終了しているという認識は、私どもにはないわけでありまして、そういったことも見極めながら、私どもとしての影響調査の最終的な取りまとめというのを、できる限り早くやりたいという思いはあるのですが、これは国の誠実さというものが問われていると思いますので、そこは農林水産省なり、他省庁にも厳しく申し入れをしているところであります。それとの絡みも出てくると思います。
 ただ一方で、月曜日の対策本部会議において、この影響調査とともに、今の中間的な取りまとめを踏まえ、しっかりした対応の第一歩として、国への要請を決定いたしましたので、それをもって、できる限り早いタイミングで国へ、あるいは与党へのアプローチということをしなければならない、そんなふうに思っております。今、スケジュールをいろいろな形で調整中であります。 

(NHK)
 説明会の話があったかと思うのですけれども、やはり知事としては、道内での政府の説明が不十分で、それを求めていきたいというようなスタンスでしょうか。 
 
(知事)
 そこは全く変わっておりません。札幌、旭川、帯広、釧路、北見までは(国による説明会が)行われているのですが、地図に落とすとまだまだカバーされておりませんし、それとは別に、稲田(自民党)政調会長が、先般ご来道の際に空知のほうに入られたと聞いておりますけれども、これは政府ではなく党の立場でございますので、やはりもっともっときっちりとした形の説明をやっていただかなければ、話は進まないのではないかというふうに思っております。 

(時事通信)
 ちょっと前の話になってしまう感もあるんですけれども、先週、(北海道)人口ビジョンと地方創生に関する(北海道創生)総合戦略をまとめられたと思うのですが、人口ビジョンのですね、基になっている人口推計とか出生率の想定について、これまでの道議会の議論とかですね、(北海道)創生協議会の中では、もっと現実的なものにしたらどうかというような趣旨の声も挙がっていたと思うのですが、この2030年に1.8とかですね、2040年に2.07という高い(合計特殊)出生率の数字に基づいたものを立てられたお考えとですね、知事はこの目標についてですね、現実的な目標というか、もしくは、もっと挑戦的な、野心的な目標というふうに考えられているのか、そのあたりについてお聞きしたいと思います。 
 
(知事)
 人口ビジョンの将来展望というのは、私どもとしてお示しさせていただいたとおりでありますけれども、出生率を向上させて人口減少に歯止めをかけるというのは、各地方それぞれの課題であると同時に、国が先頭に立ってやるということを、安倍政権が明言をしておられて、私ども地方も全国知事会等を通じて、そのための財源であるとかそういうものは、国の責任において確保していただきたいということを強く言っております。
 国全体としての方向性として、この出生率の向上ということを掲げておられるわけでありますので、私ども北海道として、これからの人口ビジョンを考える場合には、当然、それと同一のものを想定してやっていかないと、国全体の人口が、政府が言っている方向にならないわけでありまして、それはある意味当然のことではないかなというふうに思っているところでございます。
 そして、この人口ビジョンで示した見通しを実現するために、総合戦略を策定したわけありまして、これは北海道創生協議会において、幅広く道内の産・学・金・官・労・言の有識者の方々からのご意見もいただきながら定めたものでありますので、これからは、これを実行に移していかなければならないわけでありまして、総合戦略の中核となる重点戦略プロジェクトというのを定めましたので、それについては推進体制を整備し、これは道庁内につくるのか、あるいは官民協調の形で新しいものをつくるのか、今、いろいろ検討しておりますが、そういう形で進捗管理もしながら一歩一歩進めていくと、それを期していきたいと、こんなふうに思っております。

(時事通信)
 すみません。関連でなんですが、さっきの人口ビジョンをまとめた庁議(10月27日)の中でですね、知事、特に札幌市の出生率をどう上げていくかというのが最大のポイントだという話をされてですね、市と協働してこれに取り組みたいというような趣旨の発言をされたと思うんですが、現時点で具体的に札幌市と新たな共同体みたいなものを立ち上げるとかですね、具体的にどうやって取り組むかというところで、何か方向が定まっている、方向性が見えてくるようなものがあれば教えていただきたいと思います。

(知事)
 これが次の道市懇(北海道・札幌市行政懇談会)の大きなテーマになると思うのですけれども、先般(10月28日)、北海道東北地方知事会議がありまして、そこで、「東北のほうでは、若い男性はいるけれども、若い女性は、皆、札幌や東京に行ってしまう」と青森県の知事が言っていましたけれども、「その若い女性が多く転入している札幌で出生率が低いというのは、納得できない」というような議論もありました。
 札幌市は住環境も東京などと比べたら、圧倒的に良いと思うし、道内他地域と比べれば出産環境も良いし、小児科のお医者さんも多数おります。雇用の場がないということを、おっしゃる方がおりますが、一方で、えりも町や別海町のような出生率が高い地域もあるわけですし、やはりこの若い女性の方々のご意向というのを、あらためて真剣にお聞かせいただくということを、札幌市と連携してやっていくのかなと、そういうことを思っているところでございます。
 最近、企業誘致なども、ちょっと水面下の調整なので、皆さま方にお知らせできない部分もあるのですが、結構、(札幌市と)連携して企業誘致をやらせていただいておりますし、雇用の場、働く場というものも札幌市内にもそれなりに増やす努力もしながら、若い女性の方々のご意向も踏まえて、やはりこの出生率の低い札幌市、そして全国の政令指定都市の中で最下位の出生率となっている札幌市の状況を、道と市が連携して改善していく、そのための新しい組織を立ち上げるかどうか、そこも含めて、道市懇でまた議論を深めていきたいと、そんなふうに思っております。

 


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなど整理し、作成しています。

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