知事定例記者会見
・日時/平成28年7月20日(水) 10:30~10:48
・場所/記者会見室
・記者数/20名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 熱中症の予防について
2 食中毒の予防について
記者からの質問
1 鉄道・運輸機構との懇談について
2 道議会庁舎建て替えについて
3 アイヌ文化の発信について
知事からの話題
熱中症の予防について
〔配付資料:熱中症予防のために(PDF)〕
私からは2点です。
一つ目は、熱中症の予防についてでございます。
今月7月は「熱中症予防強化月間」でありますが、今月も下旬に入りまして北海道はこれから気温の高い日が続く状況にありますことから、熱中症を正しく理解し、予防に努めていただきたいということであります。
もとより、全国の気温の状況などを見ますと、北海道は比較的涼しいと思うのでありますが、道内で生活をしていらっしゃる方々にとっては、やはりこれからは気温が高いと感じられるところでありますので、ぜひ気を付けていただきたいと思うわけであります。
昨年、北海道において、熱中症で救急車で搬送された方は900名以上、このうち半数以上がご高齢の方となっているところでありまして、残念ながら2名の方がお亡くなりになられたところであります。
特にご高齢の方は、暑さや水分の不足に対する感覚が弱くなり、室内に居ても熱中症になることがありますので、室内の温度や湿度を測り、のどが渇かなくてもこまめな水分補給を心がけていただく必要があります。
また、子どもは、体温の調節能力がまだ十分に発達していないので、ご高齢の方と同様に気を配る必要があります。
暑さにより頭痛や吐き気などの症状が現れたときには、早めに医療機関を受診することが大切でありますが、急に暑くなった日には、特に注意をしていただいて、熱中症予防を忘れないよう、よろしくお願いいたします。
これが1点であります。
食中毒の予防について
〔配付資料:家庭でできる食中毒予防の6つのポイント(PDF)〕
二つ目は、これも夏ならではということでありますが、食中毒の予防ということであります。
これから暑くなり、細菌による食中毒が起きやすい時期になります。
今月に入りまして、道東のほうで、多数の方が症状を訴えられた弁当による食中毒事案というものが発生したところでございます。
道民の皆さま方におかれましては、食事の前に手を洗うことはもちろんのこと、食中毒予防の三原則である、食中毒菌を「付けない」、「増やさない」、「やっつける」を実践していただき、食中毒の防止にご留意いただきたいと思います。
特に夏場はバーベキューを楽しむ機会も増加すると思います。肉は十分に焼いていただくことはもちろんでありますが、焼くときと食べるときは箸を使い分けるなどの注意をしていただくことも重要かと思うわけであります。
快適な夏を皆さま方とともに過ごしていきたいと、こんなふうに思っております。
私からは以上であります。
記者からの質問
(HTB)
昨日(7月19日)、鉄道・運輸機構の理事長さんとお会いになったということなんですけれども、(北海道新幹線の)札幌駅のホーム問題も含めて、どういった話が出たのか、どういった狙いでお会いになったのか、お教えいただければと思います。
(知事)
今回の出張の用務の一つとして、昨日は、横浜市にございます鉄道・運輸機構(鉄道建設・運輸施設整備支援機構)を訪問させていただき、理事長をはじめ幹部の方々とお時間を頂戴してお話をいたしました。
北海道新幹線開業直後に一度訪問してお礼を申し上げたのでありますが、今回、その後の開業効果等の状況のご報告ということで、今年3月の開業直後は乗客が増加したのですが、その後少し落ち込み、またゴールデンウィーク以降は乗客が増加してきているという状況と、それから、北陸では航空機が新幹線の影響を受け大変な状況だというふうに聞いておりますが、北海道新幹線開業後の航空機の利用状況がどうなっているのか、あるいはフェリーがどうなのかというようなことなど、いろいろと多元的に整理した状況などをご報告申し上げたところであります。
皆さま方ご承知のとおり、フェリーも乗客数が伸びている、航空機の函館・羽田便も乗客はそんなに減っていない、木古内駅周辺は大変な賑わいであるなどのほか、函館市内の観光施設の集客が好調であるなど、今のところ大変良い状況が続いております。そういったことなどをいろいろ話題にした後に、道民は北海道新幹線の札幌延伸の一日も早い実現を期待していると、また、今回、国の補正予算の取りまとめに向けて、安倍総理もリニア新幹線のほか整備新幹線についても建設を加速化したいというようなことを言っておられ、道内でもそのことに期待が高まっているというようなお話をさせていただき、そういった中で、やはり、札幌延伸の工事を一日も早く進めるという議論の中で重要な柱の一つである札幌駅舎の位置について、まだ方向性が定まっていないので、このことの議論を加速していただきたいというお話をさせていただいたところであります。
駅舎をどこに置くかということについては、鉄道・運輸機構、JR北海道、札幌市、そして道の4者の間で議論を進めてきているわけでありますが、道も市もいろいろな思いはあるにしても、やはり、鉄道のプロであり、技術のプロである鉄道・運輸機構とJR北海道が、まず方向性を一にしていただきませんと、われわれとしてもなかなか議論がかみ合わない状態になってしまうことから、両者間でのさまざまな技術的な議論を加速し、合意をしていただきたいと、このことが9月末までの4者による合意に向けて一番重要な点ではないかというようなお話を私からさせていただいたところでございます。
技術担当の理事さんもおられましたので、いろいろ技術的なお話をされた上で、「知事の訪問の趣旨は理解したので、これから議論を加速していきたい」ということで、昨日のお話は終わったところであります。
私どもとしては、「北海道・札幌冬季オリンピック・パラリンピック」の誘致とも関連付けて、北海道新幹線の札幌延伸ということを一日でも早く実現するという強い思いを持っておりますので、その議論にもつながるこの駅舎の位置問題、これを一日でも早く関係者全員が納得するような形での合意を目指していかなければならないというふうに強く思っておりますので、その一歩にはなったかなというふうに感じております。
(HTB)
具体的な位置とか、どこにするとかという話は具体的には出てこなかったということでいいでしょうか。
(知事)
具体的に今の駅舎の位置が良いとか、東側が良いとか、西側が良いとか、そういう議論はいたしませんでした。
(HTB)
道議会(庁舎)の建て替えについてなんですけれども、(第3回議会庁舎建築設計者選定)審査委員会が、今日の午後から開かれるということなんですけれども、先般市民団体からですね、知事に、小中学校の耐震化がまだ行き届いていない中で、道議会の庁舎よりもそっちに予算を振り向けるべきではないかという提言も出ていましたけれども、こういったことについて、どういったふうに捉えていらっしゃいますでしょうか。
(知事)
道議会庁舎の建て替えについては、これまでもいろいろなところで取り上げていただいて、道民の皆さま方の関心が非常に高いということは理解をいたしております。予算や条例等のご審議をいただき、われわれ道庁の政策の方向性を決めていただく大変重要な場である道議会が、老朽化が進み、いろいろなところにひび割れがあり、天井が落ちてきたこともあるというような危険な状況にあるということを憂慮しておりましたが、道議会の全ての会派の総意として改築についてのご要請があったのが、昨年(12月10日)でした。
それを踏まえて、私どもとして道民の皆さま方のご意見を改めてお伺いをした上で、建て替えに向けての設計費が今年度の予算に計上され、本日がその設計の審査委員会の開催ということでございます。そういう状況の中で、先月(6月)、市民団体からのご提言が、私ども道と道議会及び道議会の各会派のそれぞれに対してありまして、私どもとしてそれに対して回答をさせていただいたところであります。
今申し上げたような趣旨と併せて、一方で道内の小中学校の校舎の耐震化ということは大変重要な課題でありますので、そのことについてもこれから丁寧に進めていくということを回答させていただいたところであります。本日の午後の審査委員会においても、できる限り情報提供をすることにより、道民の皆さま方のご理解をいただくような形で進めていきたいと、これは道議会議長及び道議会の各会派の方々も同じ思いであるというふうに理解をいたしております。
(HTB)
提言書を出したほうからすれば、優先順位がどっちなのかなということをちょっとおっしゃっていたと思うんですけれども、そこら辺のところは。
(知事)
どちらも大変重要な課題だと思います。道では数多くの政策を実施しておりますけれども、どの政策よりどの政策が重要であるとか、例えば、今申しました北海道新幹線を推進するということと、道内の医療政策を推進するということを比較した場合に、どちらが優位であるということではなく、やはり全ての政策を満遍なく進めていかなければならない、しかしながら、それぞれの分野のさまざまなご意見に対して真摯(しんし)に耳を傾けながら道政を進めていく、これが私の道政の進め方でございます。
(STV)
知事、アイヌを題材にした漫画で「ゴールデンカムイ」って聞いたことってありますか。実は東京五輪に向けて、アイヌ文化を発信しようという政策が今進んでいる中で、今週末なんですけれども、その「ゴールデンカムイ」の原画展が小樽で開かれるのですが、漫画でアイヌ文化を知ってもらうという一つのきっかけになるのかなというふうに考えておりまして、新聞などでも話題にはなっていたと思うのですけれども、道としてはこのような取り組みに対してどのように考えて、逆に言うと、一般の人がアイヌ文化を知るきっかけとしては身近に入りやすいものかというふうにお考えなのかどうかも含めて、感想を教えていただければと思います。
(知事)
(漫画「ゴールデンカムイ」のことは)知っていますよ。アイヌの方々は全国におられまして、首都圏にも結構おられますけれども、一番多く住んでおられるのは道内でありますので、道民の立場からすると、道外の方々よりも比較的アイヌ文化に触れる機会はありますし、また、アイヌの方々が過去において大変な苦難の道を歩まれ、そして今でも教育や生活の面で格差があり苦労をしておられるということについても、道民の理解は進んでいるとは思うのですが、私はこの漫画でとても嬉しいのは、作者は北海道出身の方でありますが、漫画の発行は東京で行われていて、漫画ですから若い人が中心かもしれませんが、多くの国民の方々にお読みいただいて、「アイヌというのはこういう文化なんだ、こういう人たちなんだ」という理解を深めていただいていることが大変嬉しいわけであります。
私どもは「イランカラプテ」というアイヌの言葉を北海道観光のおもてなしの言葉としてますます広めようと思っておりますし、それからこの漫画についても官房長官ご主催の「アイヌ政策推進会議」の報告書の中で、漫画をはじめとしたマスメディアの活用というのは大変重要であるということも触れられているわけでありまして、その意味ではアイヌ文化の紹介としてこういった漫画の活用というやり方もあるし、また、東京オリンピック・パラリンピックの開会式に向けて、アイヌ文化をぜひ紹介して欲しいということを、私からさまざな方々に対して、特に東京の方々に対して申し上げているところであります。
現在、マンモスなども展示している「ジオパーク展」を開催している北海道博物館で、昨年「夷酋(いしゅう)列像」展を開催したときに、ものすごい数の方が来られましたが、道内の方はもちろん、道外の方もたくさん来られたわけであります。このようなこと一つ一つを通じて、アイヌの人たちに対する関心が、あるいは道内外、外国の方々を含めてアイヌの文化に対する関心が高まるように、ぜひ私どもとしては取り組みを進めていきたいし、そういう文化への理解が進むことが、今私どもが「北海道アイヌ協会」とともに「アイヌ政策推進会議」において一生懸命実現を目指している総合的なアイヌ政策の推進に向けた法律の実現ということにもつながってくるのかなと、そんなふうに思っているところであります。
それと、イランカラプテキャンペーンのイメージソング、これは七飯町にお住まいで「千の風になって」の新井満(あらいまん)さんと、釧路市にお住まいの秋辺日出男(あきべひでお)さんが共同で作られた「イランカラプテ~君に逢えてよかった~」でありますが、耳に残る良い曲ですよね、道庁の庁内放送でも使っておりますけれども、こういうものをもっともっと活用できればというふうに思っております。
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