知事定例記者会見(平成28年10月19日)

知事定例記者会見

・日時/平成28年10月19日(水) 14:30~14:56
・場所/記者会見室
・記者数/26名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 競技用シットスキーの開発に関するクラウドファンディングの実施について

記者からの質問

1 北方領土問題について
2 新潟県知事選挙について
3 地域航空会社統合の検討について
4 北海道のマスコットキャラクターについて

知事からの話題

 

競技用シットスキーの開発に関するクラウドファンディングの実施について

〔配付資料:北海道の産官学のものづくり力を結集した競技用シットスキー開発プロジェクトに係るクラウドファンディングのご案内(PDF) 
  私からは1点、皆さま方へのお願いであります。
  競技用シットスキーの開発に関するクラウドファンディングのお知らせと協力のお願いであります。
  道では、障がい者スポーツの振興に向けまして、これまでもスポーツ体験教室や講演会などを開催しているところであり、また、リオのパラリンピックで道内選手が活躍し関心が高まっている中で、障がい者冬季クロスカントリースキー競技でパラリンピック出場を目指す札幌出身の新田のんの選手の競技用のシットスキーを、道内の産官学のものづくり力を結集して開発するプロジェクトに取り組んでいるところであります。これまで北見工業大学冬季スポーツ科学研究推進センターの鈴木聡一郎教授の協力を得て、科学的な動作解析、設計を行い、部材選定を道総研工業試験場が担当し、オーダーメイド車いすの製作技術のある岩見沢市の社会福祉法人クピド・フェアが、現在製作中ということでございます。
  この製作費用などについて、今、インターネットを活用して資金を広く募るクラウドファンディングを実施しているところでございます。このプロジェクトは、北海道の技術による、北海道の人のための、北海道らしい製品の開発製造を目指し、そして道内出身選手である新田選手の活躍はもとより、北海道のものづくり力のPRや障がい者スポーツの普及につなげるものでありまして、ぜひ多くの方々のご支援をお願いしたいと思います。PR方お願いいたします。
  私からは以上1点であります。 

記者からの質問

(読売新聞)
  日ソ共同宣言についてお伺いしたいのですけれども、今日19日はですね、日ソ共同宣言の調印から60年となります。この条約で両国は国交を回復しましたが、60年が経った今も北方領土問題は解決しておりません。北方領土を所管する北海道の知事としてこの現状をどのように捉えているかというのが1点とですね、12月15日に山口県で開催予定の日ロ首脳会談があると思うのですけれども、こちらの領土問題交渉の進展についてどういうふうにお考えになられているか、期待されているかということを教えていただけないでしょうか。

(知事)
  今日が、日ソ共同宣言の署名から60年ということであります。あらためてこの日ソ共同宣言の内容を確認させていただきましたけれども、平和条約の締結交渉の継続ということが書かれていて、平和条約締結後に歯舞群島と色丹島を日本に引き渡すということも書いてあります。それから60年を経て、未だにこの問題が解決されていないのは、一言で言えば残念な限りでありますが、あらためてこの60年という節目を一つのきっかけとして、領土問題を道民・国民の方々に考えていただく機会としたいというふうに思っているところでございます。これまでも私どもは、道民世論・国民世論を喚起するためのさまざまな会合・署名活動、それから年に1回は必ず総理への要請なども行ってきたところでございますし、元島民の方々に誰よりも近いのが私ども北海道でございますので、その元島民の方々の思いに寄り添うような形で、これまでも領土返還運動ということを展開してきたと、このように考えているところでございます。
  政府の方針というのは、最近も国会での議論が何度も放送され、私も拝見いたしましたが、「四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する」というのが基本スタンスであり、これを前提として12月中旬の日ロ首脳会談に臨むというのが政府としての公式見解でございますが、私どもは先ほど申しましたとおり、島を追われた元島民の方々、高齢化しておられる元島民の方々に寄り添って物事を考える立場にある北海道の知事としては、やはりこれまでも国に四島一括返還というスタンスで交渉するように強く求めてきた経緯もございますので、このことが基本ではございますが、ただ政府は「新しいアプローチ」というものを示しており、その内容について外務省に問い合わせをしても明確な返答がありませんので、私どもとしてもその内容については想像以上のものはないわけでありますが、日ロの首脳が複数回、首脳会談を続けておられますので、信頼感も醸成されているというふうに期待をする中で、12月のこの両首脳同士の会談というものを見守ってまいりたいと、一歩でも進むことを期待していきたいというふうに考えているところでございます。そういう中で繰り返しになりますが、「新しいアプローチ」という内容がわかりません。各社がいろいろな報道をしておられ、共同統治案というものがあるという報道もされておりましたが、菅官房長官がその直後の会見で否定をされておりますので、どういうことなのか一読者としては分からないところもあるわけでありますが、例えば、共同統治ということに繋がるのかどうか、私も2回にわたって四島を訪問させていただいておりますが、1回目に行きました10年くらい前(平成17年)、ロシア人島民との対話集会というものがありまして、私も鮮明に覚えておりますのは、返還された後にどうやって日本人そしてロシア人の島民の生活を調和したものにしていくかという議論を行いました。今はロシア側の意向で行われていないようなのは残念でございますけれども、そういういろいろなレベルによる意見交換も重要でしょうし、これは以前から申し上げておりますが、共同経済交流というのでしょうか、これは四島における日本の主権というものをいかに法律上担保するかという、これは政府のほうでお知恵を出していただいた上でのことだと思いますけれども、共同経済交流ということを通じて、日本の技術の高さ、日本の商品の良さというものを、現に今、四島に住んでおられるロシア人の方々にも理解していただくことが、ひいてはこの領土問題を解決する近道ではないかと、このような思いを強くいたしているところでございます。今年も日程が調整できれば、12月中旬の日ロ首脳会談の前に、地元知事として私から総理に領土問題の解決ということを要請する機会を設けてもらうように、今、先方に働きかけをしているところでございますので、その場が設定されれば、そういう場も活用して私どもの思いというものをしっかり伝えていきたいと、こんなふうに考えております。

(北海道新聞)
  関連の質問なんですけれども、北海道新聞社は北方領土の問題をめぐって世論調査を行いました。解決策についてまず歯舞、色丹の二島を返還し、残り二島の協議を続けるべきだという、二島先行返還論というものに対してですね、49パーセントの方々が道内で選んだ、過半数近くが二島先行という結果が出たんですけれど、それに対する知事の受け止めとですね、先ほども出ましたけれども、新しいアプローチということで、これまでにないような形の柔軟なアイデアが出てきた場合に、道として受け入れる余地があるかどうかという、今までは四島一括返還という形で知事は答弁もされてきたのですけれども、その辺の受け入れる余地があるかどうかということについて教えてください。

(知事)
  御社の世論調査、一昨日(10月17日)の新聞に出ていましたが、概要は大体拝見をさせていただいたところであります。今おっしゃられたとおり、二島を先行して返還ということを支持される方々が49パーセントであり、その割合で私が注目したのは、2年前の調査との比較において増えているということ、逆に四島を返還すべきということを回答された方々の割合がこの2年間で少なくなってきているということであります。戦後70年以上を経て今もなお問題が解決していない中で、この北方領土問題を最も身近に感じている北海道民の方々の、これは元島民の方々を含めた道民の方々の意向ということとして理解するわけでありますが、少しずつ変化をしてきている、このことはやはり道知事の立場として、基本は先ほど申し上げたとおりでありますが、やはり大いに参考にさせていただかなければならないと思う次第であります。
  その上で繰り返しになりますが、12月の日ロ首脳会談というものを見守っていきたいと、そこでどういう結論、一歩進むことになるのか、今のままなのか、後退ということはあり得ないと思うのですが、それを踏まえて私どもとしてその段階で判断をしていきたいと考えております。

(北海道新聞)
  16日に行われた新潟県知事選挙についてですけれども、東電(東京電力)の柏崎刈羽原発の再稼動が最大の争点になったと言われていて、泉田知事路線を継承すると訴えて共産党などが推薦した候補が原発再稼動に前向きな自民党が推薦する候補を破って当選したということですけれども、ここで3点伺います。まず、知事選についての受け止めということと、2点目はですね、7月の鹿児島県知事選に続いて、原発慎重派の知事が誕生したことになるのですけれども、こうした結果が泊原発の再稼動議論にも影響するかどうかというところ、3点目が知事の再稼動問題のスタンスというところをあらためてお聞かせいただければと思います。

(知事)
  16日の新潟県知事選ですが、現知事の泉田知事は、私の経産省の同僚でありましたし、同じ北海道・東北知事会のメンバーとしていろいろな場で行動を共にすることが多くありました。それから拉致問題などもとても熱心にやっておられましたし、もちろん原子力政策の安全性問題についても強く発信をしておられた方でありますが、そういう中で4選出馬を表明された後に取りやめたということには、少し驚いておりまして、その後、ご本人にお会いする機会がなかったので直接事情をお伺いできていないのですが、そのようなことを思いながら、新たな候補者による知事選を見ておりました。
  16日というのは、菅官房長官が北海道に来られた日でありましたが、結果として、民意により、新人の米山(隆一)さんという医者の方が当選されました。今、ご質問の中で触れられましたとおり、この知事選の争点、もちろん地元では、地方創生や、それから地域活性化、新潟県ですからロシアとの関係、いろいろなことがあったと思われますが、その中の大きな一つの争点として、今おっしゃられた原子力政策についてのスタンスが争点だったということは、私も報道以上のことは承知しておりませんが、そのように理解をしているところでございます。それから、米山さんの原子力政策についてのスタンスは、直接お伺いする機会がないことから確認のしようがないのですが、泉田知事のスタンスに近いのはむしろもう一人の森(民夫)さんのほうだという報道もあったり、実は私も何が真実なのかはよくわからないでいるところでありますが、いずれにしても原子力政策が大きな争点になったという中で、民意がこういう形で示されたということは、他県の知事選についてはコメントをする立場にないと、一言で言ってしまえばそういうことだと思いますけれども、やはり一つ参考になるなと率直に思う次第であります。
  ただ、道内への影響というのは、やはりないのではないかというふうに思います。これも何かで報道されていましたし、また、私自身もそのように認識をしているのですが、福島県の原発それから新潟県の原発も送電先は東電エリア、すなわち県の外でありまして、電力自由化されていますので今は多様化しているかもしれませんが、福島県も新潟県もそれぞれ県内の電力需要者には東北電力から電力が供給されていると。そういう構図の中での原子力政策についての県民の皆さま方のご意向だということと、またそれぞれの県でそれぞれ事情が違いますことから、新潟県知事選の結果というのが直ちに道内の原子力政策の議論に影響を与えることはないというふうに、私自身は思っているところでございます。
  いずれにいたしましても、道議会での答弁、あるいはこういった記者会見の場でも申し上げておりますとおり、まだまだ泊の原子力発電所につきましては、原子力規制委員会の審査の途上であり、まだ終期がいつというめどが一切立っていない状況でありますので、予断を持って何かこのことについて申し上げる段階ではないのかなと、そんなふうに思っております。

(時事通信)
  地域航空網の話になるのですけれども。先週ですね、国交省がJAL(日本航空)とANA(全日空)に対して、HAC(北海道エアシステム)やANAウイングスなどの傘下の地域航空会社の統合をですね、経営基盤が弱いということなどもあって、統合を検討するよう打診したということが明らかになりました。この動きについて知事はどう評価されるかということとですね、道では地域の路線網を守るその航空会社が道民の足となっている現実がありまして、そのHACについては今でも道では約2割ほど株式を持っているという現実もございます。そこでこの機会に道としてJALやANAに対してですね、何らかの働きかけを行うような考えは持たれていますでしょうか。

(知事)
  このことについて各社で報道されておられるのですが、その直後に記者会見で(石井啓一)国交大臣が、「報道されたように、(地域航空会社の統合に向けた案を)国交省が示したという事実はありません」と言っておられるので、コメントはなかなか難しいかなというふうに思います。
  道内の地域航空会社についてはJAL系、ANA系が道内空港を結んでおり、この道内航空ネットワークを維持していくということはやはり大変重要なことだと思います。例えば、最近も何度か道東のほうにまいりましたけれども、国道274号線がまだ寸断されている、あるいはJRの石勝線、根室線が寸断されているという状況の中で、例えば札幌からの釧路便や中標津便が結構混んでいるというお話を聞いておりますので、まさに今ご質問されたとおり、道民の皆さま方の足、これはビジネスもあるし、観光ということもあるだろうし、多様な役割を果たしていただいている道内航空ネットワークであるというふうに認識をするところであります。
  ただ、国交大臣が明確に否定をされておられるのと、あと道内の場合には、拠点空港が一方(JAL系)は丘珠空港だし、一方(ANA系)は新千歳空港ということもあって、例えば統合ということを考えても、これをどうするのか、それが合理化に資するものになるのかどうかということは、当事者のご意向もあるだろうし、道として何かをやる必要があるのかどうかということについて、まだそこまで頭の中の整理ができておりません。それから、この前(10月16日)、菅官房長官が来られた時に、「もっともっとインバウンドを、観光客を増やす余地が北海道にはあるんだ」と檄を飛ばしておられましたけれども、その中で、例えば今日この後、ピーチ・アビエーションが国内の拠点の一つとして、新千歳空港にも拠点を持つということを表明される場がございまして、私もそこにまいります。私からピーチ・アビエーションに、ぜひ新千歳空港を拠点として路線展開していただきたいということを申し上げた際に、道外と結ぶ便も魅力的だけれども、道内を結ぶ便についてもぜひご検討いただければということも申しましたので、その意味では、今のJAL系、ANA系、それぞれが知恵と工夫の出し方や、プロモーションのやり方次第では、それなりの採算性ということを期していくことはできるかなという感じもしておりますが、今この段階でこれが良い方向だとか、やめたほうが良いとか、道としてこういうふうに働き掛けをするとか、そういうことを申し上げるには、まだあまりにも情報が少ないかなと、こんなふうに思っております。

(北海道新聞)
  北海道にキャラクターがいろいろあると思うのですが、例えば「どこでもユキちゃん」とかですね。それで財務省が2014年に、独立行政法人が作った着ぐるみの製作単価を調べたところ、平均59万円で、平均稼動日数が19日だったと、それで有効活用するべきなのですが、稼動日数が低いものは廃止を含めた見直しをしてくださいというような通達を出している。それで北海道にもいろいろあってですね、道内の空港のPRキャラで「きたぴょん」というキャラクターがいるそうなんですけれども、その「きたぴょん」が1着100万円で作ったのですが、あまり使われていないということらしいです。大阪府とかは、2014年に45体いた着ぐるみをリストラして「もずやん」というキャラクター1体に絞ったということもあるようで、この着ぐるみの今後のあり方とか、廃止を含めた見直しとか「きたぴょん」についても含めて知事の受け止めを聞きたいなと思います。

(知事)
  問題の所在を理解しておりませんので、申し訳ありませんがお答えできません。もしご関心があれば、後から見解をお知らせしたいと思います。

 


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