知事定例記者会見
・日時/平成28年12月6日(火) 16:45~17:04
・場所/議会知事室前
・記者数/25名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 平成28年第4回定例会の一般質問を終えて
記者からの質問
1 IR推進法案について(1)
2 高病原性鳥インフルエンザについて
3 IR推進法案について(2)
4 IR推進法案について(3)
5 北方領土について
6 夕張市のふるさと納税について
知事からの話題
平成28年第4回定例会の一般質問を終えて
私からは1点であります。
本日、平成28年第4回定例会の一般質問が終了いたしました。さまざまな課題について議論をさせていただきました。今後、予算特別委員会での審議に移るわけでありますが、引き続き、議員の皆さま方と議論を深めていきたいと考えております。
私からは以上であります。
記者からの質問
(HBC)
今日、カジノを中心とするIR法案が衆議院本会議で可決したのですけれども、この法案に関しては、推進する人もいれば反対する人もいろいろいますけれども、知事の受け止めとですね、メリット、デメリット、どんなところがあるのかというのを教えてください。
(知事)
今ご質問にありましたとおり、IR推進法案(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案)については、推進をしようとする方々、そして懸念を示し問題を提起される方々、いろいろなお立場の方々のいろいろな議論があると思っております。
推進するほうのお立場では、道内では3地域の方々が特に熱心でございまして、釧路市、苫小牧市、そして留寿都村、それぞれの観光関係や経済界の皆さま方が大変熱心に誘致活動を展開しておられます。先日も私のところに苫小牧市の関係の方々がいらっしゃって、熱心なお話があったところでございます。
私自身の思いとして、メリットの部分については、以前から申し上げているのですけれども、北海道は非正規雇用の割合が高いと言われている一つの大きな背景が、基幹産業である観光において、北海道では特に観光客の入り込みが季節で変動するため、安定した雇用が観光業界においてなかなか確保できない、それゆえに北海道全体としての非正規雇用の割合が高いというようなことを指摘する専門家もおられる中で、全シーズン、一年を通じて安定的な観光客の入り込みを確保するため、屋内型のリゾート施設やディズニーランド、ユニバーサルスタジオジャパンのような施設であるとか、あるいは大規模な水族館であるとか、ファミリー向けのいろいろな総合的なリゾート施設があり、そしてその一角にカジノがあるというような施設の誘致が、雇用の安定などの経済効果につながるという認識を持っているところでございます。
一方で、やはりIRというものはカジノを含めてのものでありますので、治安の悪化や青少年の健全育成への影響など、あるいはパチンコを例にご説明をされる方もおられますが、ギャンブル依存症への対応ということなど、検討すべきさまざまな課題もあるということをおっしゃられる方々もいらっしゃり、私もそのことについてはなるほどと思うところでございます。
国会におけるいろいろな議論の中で、今、衆議院を通過して、参議院でどのような展開になるかということを見極めていく必要があろうかと思うわけでありますが、いずれにいたしましても、今、ご審議をしておられる議員立法のIR推進法案は、政府において整備の推進の実施のための法律をつくるという趣旨のことなどを規定した法案で、それが今、審議をされていると理解しております。その意味では、懸念をされる方々が言っておられる、治安の問題、青少年の健全育成への影響、ギャンブル依存症への対応など、社会的な影響についてどのように対応するのかという制度上の措置というのは、今後政府が提案するという運びになるということであり、そのことはしっかりと議論すべき課題であるというふうに思うところでありますので、IR推進法案の審議の動きを注視すると同時に、その後も必要であれば政府に対して社会的な影響に対応する措置について申し入れをしっかりと行っていくということが重要かなと考えております。
(北海道新聞)
鳥インフルエンザについて伺います。今、全国で高病原性鳥インフルエンザが流行しているところですが、昨日北海道でも、苫小牧で野鳥の死骸から検出されたということで、5年ぶりに発見されました。まだ北海道ではありませんけれども、養鶏場などで、もし感染が見つかれば殺処分など大きな影響も懸念されるところですけれども、鳥インフルエンザの流行についての知事の受け止めとですね、対策本部の設置など、今後の対応についてどのようにお考えなのかをお聞かせください。
(知事)
鳥インフルエンザに関する動きは、事務方から報告を受け、私自身、大変な危機感を持っているところであります。
今、ご質問にもありましたとおり、隣県の青森県で、そして新潟県において、家きんにおける高病原性鳥インフルエンザが確認されて殺処分等が行われましたが、青森県で家きんのあひるで確認されたものと同じ型の高病原性鳥インフルエンザが、苫小牧市でも野鳥で確認されたという状況でありまして、まさに北海道内の養鶏場などでいつ発生してもおかしくない、そのような危機感を持っているところでございます。
北海道では2011年の2月以来、5年ぶりの野鳥での陽性の確認ということであります。そういった中で、昨日5日、関係機関で構成する「高病原性鳥インフルエンザ警戒本部幹事会」を直ちに開催いたしまして、全道の家きん飼養の農場の方々への注意喚起及び健康観察の徹底を、今、行っているところでございます。
家きんに感染することがないようにわれわれとしても万全を期しているところでございますが、万が一、青森県と同じように家きんに感染が確認された場合には、直ちに私が本部長となる(高病原性鳥インフルエンザ対策)本部会議を設置・開催し、家きんの殺処分などの必要な手続きを進めていかなければならない、そのように日々注視をしているところでございます。
(日本経済新聞)
先ほどのIR法案の関連で、仮に法案が成立した場合に知事がおっしゃられたように道内で3地域が名乗りを挙げている中で、道の立場としてはそれらの地域にどのように関わっていくお考えなのか。
(知事)
先ほどの繰り返しになるところもありますけれども、私自身3地域の方々の熱意というのは十分理解をいたしますし、またその経済効果について、観光業においてプラスの効果があるという認識を持っているところであります。ただその一方でカジノという今まで国内で認められていないものを解禁するということが実施法の中で規定されれば、それが認められるということになるわけであり、ギャンブル依存症への対応などの措置をしっかりと行う必要があるというような要望も国に対して行っていかなければならないというふうに思いますので、今回の議員提案による法案が国会で成立いたしましたら、あらためて3地域の方々にご意向を確認するほか、メリット、デメリットを見極めながら注視をしていくという私どものスタンスについてご理解を求めていきたいと、こんなふうに考えております。
(北海道新聞)
今のIRに関連して、仮に法案が成立して道内に誘致が実現するとなった場合に、知事としてどういった規模のIR、またどういった北海道らしい特色のあるIRということをイメージされていますでしょうか。
(知事)
そこまで考えは及んでおりません。
(共同通信社)
北方領土の観光地としてのポテンシャルについて、どのように考えていらっしゃるか教えてください。
(知事)
北方領土については、12月15日の日ロ首脳会談に大きな期待を持って、道知事として、あるいは道民の一人として、また国民の一人として、今、注視をしているところであります。
そこで一歩でも二歩でも進めてほしいという思いを強く持っているわけでありますが、今のご質問は、北方領土が戻ってきた後にどうするのか、北方領土を所管している北海道の知事としてどういうふうに思うのかということだと思います。
私は今まで二回にわたって、ビザなし交流で北方領土を訪問させていただきまして、択捉島、国後島、そして色丹島にまいりました。それぞれの地域でいろいろ発展しているなと思いつつも、正直に申し上げて発展が遅れているなという面も多くあるわけでありますが、直近の2012年には、先日亡くなられた小泉敏夫(千島連盟)前理事長と一緒に色丹島に行かせていただいて、緑の美しさというものに目を奪われました。もとより島でありますので、海岸風景などの美しさもありましたが、緑がとてもきれいな島でした。
世界自然遺産に選ばれた知床から北方四島のエリアは、海や陸上の生態系がつながっていることも想像に難くないわけでありますが、緑の美しい島をリゾートアイランドとして、北海道民が、そして日本国民が喜んで訪問していただけるような、そういう地域に振興していきたいなというふうな思いを持って、島の滞在を楽しませていただいたところであります。
ホームビジットで入ったご家庭の方々に「きれいですよね」というようなお話をいたしましたら、大変誇らしげにされておられて、私も嬉しくなってしまったわけでありますが、先ほどのIRのご質問もございましたけれども、北海道全体が観光立国を推進している中、道内の離島としては、日本海側には利尻島、礼文島といった日本の一番北にある素晴らしい観光リゾートがありますし、その南に留萌管内の天売島、焼尻島という野鳥がいる緑に恵まれた素晴らしい島もあります。そして東側にある色丹島も素晴らしいリゾートアイランドとして、われわれ日本人の手でぜひ開発をしていきたいなと、そんなふうな思いも持っているところであります。
(STV)
夕張に関することなのですが、明日、夕張市長もいらして、東京のほうでふるさと納税のPRで会見を行うということなのですが、これは10月に国や道との三者協議をした100億円の新規事業の一環ということなのですが、このような夕張の取り組みについて、どのように受け止めていらっしゃるかをお願いいたします。
(知事)
夕張市は10年にわたって国の管理下で財政再建を進めてきたところでありますが、全国あるいは北海道の他の市町村が、地方創生として創意工夫を尽くして地域の前向きな取り組みを進めておられる中で、夕張市も同じような方向に舵を切りたいという、市長の強いリーダーシップの下でのご要望があり、私ども道も全面的にサポートしていくと、そして道と市で国に対して働きかけ、国のほうもそのことにご理解を示していただいたところであります。先般(11月28日)、政府主催の全国都道府県知事会議が行われた際に、私から高市総務大臣に「夕張市の件では大変お世話になっております、ご理解をいただいてありがとうございます」というお礼を申し上げた次第であります。
夕張市がそのような地方創生の前向きな取り組みを進める上で、このふるさと納税の制度を通じて全国の夕張ファンの方々から寄付を募って新規事業に充てていくため、明日、夕張市とふるさと納税総合サイトの運営会社との共同記者会見が行われると伺っているところであります。地方創生に向けて集まったふるさと納税を財源にさまざまな事業を展開していただきたいと思いますので、夕張市には何といっても夕張メロンをはじめ地元の素晴らしい特産品がありますので、ぜひそういったものもうまく活用しながら、多くのふるさと納税が夕張市に集まることをわれわれとしても応援していきたい、このような思いで見守っていきたいと思っております。
この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなど整理し、作成しています。
〒060-8588 北海道札幌市中央区北3条西6丁目
電話番号:011-204-5109
FAX番号:011-232-3796
メールアドレス:sogo.koho2@pref.hokkaido.lg.jp