知事定例記者会見
・日時/平成28年12月15日(木) 15:40~16:09
・場所/議会記者室
・記者数/17名(テレビカメラ3台)
会見項目
知事からの話題
1 平成28年第4回定例会の閉会にあたって
2 子育て支援の取組について
3 北海道創生ジャーナル「創る」の創刊について
記者からの質問
1 北海道緊急治水対策プロジェクトについて
2 IR推進法について
3 受動喫煙防止条例制定について
4 小里貞利元衆議院議員の訃報に接して
5 日ロ首脳会談について
6 JR北海道の事業範囲の見直しについて
7 議会庁舎建て替えについて
知事からの話題
平成28年第4回定例会の閉会にあたって
私からは3点、お話をさせていただきます。
一つ目は、今日、平成28年第4回定例会が閉会いたしました。私どもからご提案申し上げました災害復旧事業費をはじめとした約160億円の補正予算のほか、北海道未来人財応援基金条例など16件の条例について議決をいただいたところでざいます。
今回の議会でのご議論、あるいは議決いただいた予算等を踏まえ、しっかりと仕事を進めてまいりたいと考えております。
子育て支援の取組について
二つ目は、今定例会で議決をいただいた内容を中心に、子育て支援の取り組みについてであります。
今回私どもがご提案申し上げた補正予算の中に、子育て支援の一つの大きな柱である保育士の確保対策というものがございます。待機児童が多いということの背景に保育士の確保が難しいということなどの状況がある中で、今回ご提案申し上げましたのは、返還免除型の修学資金の貸付事業の創設で、約5億円の予算規模でありますが、私どもの見込みによりますと、こういった予算を活用しながら、平成31年までにおおむね500人くらいの保育士の方々を養成して確保をし、子育て支援の推進ということにつなげてまいりたいという思いでございます。
詳しくは保健福祉部にご確認をいただきたいのでありますが、具体的には、保育士を目指す学生への支援としての修学資金の貸付、また、潜在的な保育士の再就職への支援として自らのお子さんを預ける際の保育料や就職準備金の貸付、また保育所等の運営者が保育補助者を雇い上げする費用の貸付などを内容としているところでございまして、私どもといたしましては、こういった予算を活用しながら、保育士を目指す学生や潜在保育士の新たな就労と職場定着を促進したいと考えているところでございます。
また、もう一つ、子育て支援の施策についてでありますが、いわゆる多子世帯、お子さんが多い世帯に対する支援、保育料の軽減ということについて、来年度予算に向けて検討をしているということを今定例会で申し上げたところであります。一つ目に申しました保育士の確保と合わせて、お子さんを持ちたい、あるいはもう一人ほしいと思われている方々に、それを実現していただくための環境整備の支援ということで、2人以上のお子さんのいらっしゃる世帯にとって負担感の軽減につながるような施策、あるいは市町村の子育て支援の施策にも協力できるような施策などといった観点から、今、鋭意検討をしているところでございまして、来年度、道独自の保育料の負担軽減策をぜひ提案していきたいと、このように検討を急がせているところであります。
これが二つ目の話題であります。
北海道創生ジャーナル「創る」の創刊について
〔配付資料:北海道創生ジャーナル「創る」の創刊について(PDF)〕
〔配付資料:北海道創生ジャーナル「創る」 ※添付省略 〕
三つ目は、北海道創生ジャーナル「創る」という情報誌を創刊しました。
名称は、「まちを創る」、「ひとを創る」、「しごとを創る」という地方創生の理念とともに、その先にある「北海道の未来を創る」というビジョンを表現したものであります。中身はご覧になっていただければというふうに思うわけでありますけれども、この情報誌は道庁の地域創生局の若手職員が中心となって、企画も編集も全て自前で行ったものであります。また、季刊誌として、今後、年4回発行していく予定でありまして、マスコミの皆さま方におかれましても、ぜひ積極的なPRをしていただければということであります。
私からは以上であります。
記者からの質問
(北海道新聞)
災害対策についてお聞きします。(12月)9日にですね、国土交通省のほうで、北海道緊急治水対策プロジェクトが発表されました。道と連携して約700カ所について復旧・復興工事を4年間で集中的に行うというふうに聞いています。
一方でですね、今回の台風による災害を想定した内容というふうに聞いているのですけれども、10月に開かれた道主催の防災シンポジウムでは、雨量など観測史上1位を塗り替えるような傾向が続いているということで、今後、気候変動のリスクを想定した対応も必要かと思いますけれども、これは都道府県単独での対応は難しいかと思いますし、国への要望などを想定することも考えていかなければいけないと思うのですけども、道としてどのように対応を考えておられるのか、考えをちょっとお聞かせいただけたらと思います。
(知事)
今年の夏の台風被害というものは想像を絶するものであったというのは、報道の関係の皆さま方もそれぞれご取材をされて、そのように感じておられると思うわけであります。私自身も直後に多くの被災箇所に入らせていただいて、大変衝撃を受け、早期の復旧・復興の必要性を感じたところであります。
そういった中で着々と工事を進めているところでございますが、このたび、国交省のほうで北海道緊急治水対策プロジェクトというものが発表されまして、4年間でしっかりと復旧・復興をやっていこうということで、国管理の河川などに加えて道管理の河川も、補助事業をいただきながら集中的に対応していくということであります。これまでに312カ所の応急工事を終え、道管理の河川としては、これらを含む被災箇所については災害査定を年内に終了して、約600カ所において本復旧を行うこととしているところであります。また、芽室川など6カ所で再度災害を防ぐための改良復旧事業も実施する予定としているところでございまして、国とも連携をしながら、住民の方々の安全・安心を確保するために、迅速に対応をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
今回のこういった想定を超える大きな被害というのは、確かにおっしゃられるとおり、気候変動ということの影響が大きいのではないかというふうに私自身も思っているところでございますが、これに日本国全体で、あるいは地球規模で対応していくということについては、電力の発電のありようなども含めて、いろいろな国民的な議論や世界的な議論が必要だと思うわけでありますが、とりあえず私どもとしてできることということで、開発局と私ども道庁で共同の委員会(平成28年8月北海道大雨激甚災害を踏まえた水防災対策検討委員会)というものを設置をいたしまして、このたびのような想定を超える、これまで私どもが経験をしたことのないような自然災害が起こった場合に、どのように対応するのかということについての議論を深めているところでございます。しかしながら、これは地域だけでどうにかできるわけではない部分もあるわけでありまして、もとよりいかなる規模の災害にも対応できるよう完璧を求めるということはあり得ないわけでありますが、それに近いものを求めるために、莫大な予算を投入してハード整備をするということについて、国民、道民の理解が得られるのかといえば、多分そうではないであろうということも考えられますので、ハード面の検討と同時にソフト面の検討、すなわち想定を超えるような被害が起こるであろうというふうに予測できる場合に、まずは人命を優先する形で、私ども行政として、いかに情報伝達を的確にスピーディにやっていくのか、また、それを受けた道民の皆さま方がスピーディに対応をしていただけるのか、そういうソフト面の対応ということも含めて、道民の皆さま方の安全・安心な暮らしを確保していくということを今やろうとしているところであります。
(毎日新聞)
未明にIR整備推進法が可決成立しました。知事も議会で答弁されてると思いますが、あらためて成立したことの受け止めと、誘致を立候補している3市村と道がどのように関連して、誘致に今後取り組んでいくのか。
また、懸念されるギャンブル依存症の対策、対応について、国の動きも注視していくのは当然だと思うのですが、道としてどのように対応されていくのか、お考えをお聞かせください。
(知事)
前回(12月6日)の記者会見でもお話しさせていただいたところでありますが、このたび、議員立法のIR推進法案が成立したということでございます。
これから、政府において、所管官庁や関係の省庁などが連携をしながら、実施法案というものの策定作業に移っていくというふうに認識をするところでございます。
IRにつきましては、私が以前から申し上げておりますとおり、日本国全体にとっての観光入り込み客の増加、あるいは地域経済の活性化、それから一番重要な雇用の創出、こういった面で大きな経済効果というものが期待されるというわけでありますが、他方、日本国で今、開催されている公営ギャンブルは、競輪、競馬、競艇、オートレースであります。私も経産省におりましたので、監督の関係から競輪場にはよく行きました。そういった経験を日本国として持っているわけでありますが、IRというのは、ギャンブルの部分、カジノの部分だけではなくて、さまざまなファミリー向けの施設も統合して、まさにインテグレイテッド・リゾートでありますが、ただ、カジノという部分に着目すると、治安の悪化、あるいは青少年の健全育成の影響、またギャンブル依存症への対応など、さまざまなネガティブな影響があると、国民、道民の皆さま方から大きな懸念が出ていると認識するところでございます。
このため私どもは、これから国に対して、こういった社会的な影響をなくすための制度設計をしっかりやっていただきたいという申し入れを強く行っていかなければならない、その中で、道内の三つの地域が誘致に関心を持っていらっしゃいますが、そういった皆さま方にあらためて意向の確認も必要でありますので、いろいろと勉強しながら、今後道として、IRの推進ということにどのようなスタンスで対応していくのかということの見極めをしていかなければならないのかなと、そんなふうに考えております。
(北海道新聞)
がん対策についてですけれども、道議会に「がん対策北海道議会議員の会」という組織がありまして、がんの原因になりますたばこの煙から、たばこを吸わない人を守る受動喫煙防止条例を作る動きがあります。その検討委員会というものが、初会合が今日開かれたのですけれども、道もがん対策に力を入れているさなかだと思うのですが、こうした動きの知事の受け止めと、期待感などあればお願いします。
(知事)
喫煙の健康へのさまざまな悪い影響については、私どもとして啓発を行っておりますし、また、がん対策についてもしっかりと取り組まなければならないということで、その対策を推進しているところでございます。そういった中で、今ご質問で触れられました中司(哲雄)議員を委員長として超党派で受動喫煙防止条例の検討委員会を立ち上げられたということは、私どもも大変注目をして、これから注視をしていきたいというふうに思う次第であります。
もちろん、たばこを吸われる方は吸われる方なりの理由はあるわけでありますが、今の世の中、吸わない人が増えてきておりますし、また、ご自身が吸わなくても、近くで吸う方がおられることによる受動喫煙の悪影響ということも言われているところでありますので、こういった条例の制定ということに向けて、道議会の皆さま方の議論が進み、道民の皆さま方の理解が深まることを大いに期待したいというふうに思う次第であります。
私どもとして、いろいろな調査あるいはさまざまな形でサポートができることがあれば、しっかりと対応していきたいと思っております。
(北海道新聞)
自民党の元衆議院議員の小里貞利さんが亡くなられました。「ミスター新幹線」とも呼ばれてですね、北海道新幹線をめぐっても、知事は最もお世話になった人だということを以前の記者会見でもおっしゃっていました。いろいろ思い出などがあると思いますけれども、受け止めをいただければと思います。
(知事)
小里先生に初めてお目にかかったのは、私がまだ東京で仕事をしていた頃でありますので、相当以前のことであります。また、私が知事になりましてからも、北海道新幹線の実現のために、どなたよりもお力添えをいただいた道外選出の国会議員であると認識しているところでございます。その新幹線がこの3月に新函館北斗まで開業しまして、その式典にも「できれば行くよ」とお電話をいただいておりましたが、体調が思わしくないとのことで、弟さんが来られて、ご挨拶をさせていただきました。その後、今年の9月に、小里先生が一生懸命やっておられるグループの会合に出るために「札幌に行くよ」というお話があって、そこでもまたお会いできることを楽しみにしておりましたのですが、その時もやはりお体の具合で叶わず、ご子息の小里(泰弘)代議士が代わりにいらっしゃって、ご挨拶をさせていただいたところであります。今回の突然の訃報に接しまして、大変残念であります。私といたしましては、これから数日予定が入っておりますが、できる限り早く鹿児島のほうに弔問をさせていただければと、こういうふうに思っております。
(朝日新聞)
今日、明日と日ロ首脳会談がいよいよ始まるということで、直前というタイミングだと思いますけれども、あらためて今の知事のご心境とですね、明日の日程、いろいろ調整中のこともあろうかと思いますが、知事ご自身の日程について伺える範囲でお聞かせ願えますでしょうか。
(知事)
日ロ首脳会談、安倍総理はこれまで15回プーチン大統領との間で会談をしておられるという個人相互間の信頼感もある中で、北方領土問題の解決と日ロの経済交流、これは表裏一体の関係にある部分もありますけれども、今回、首脳会談が行われるということであります。また、ロシアというのは北海道にとってまさにお隣でありますので、日ロのさまざまな分野で、特に極東地域との交流を深めることが、北海道の地域づくりのために大変重要であるということで、道内企業、あるいは道庁自身もいろいろな形で関与をしながら、さまざまな経済交流を進めてきているところであります。
そういった中で、やはり皆さま方の一番の関心は北方領土問題だと思うわけでありますが、安倍総理が「私の世代でこの問題に終止符を打つとの決意で首脳会談に臨みたい」ということをおっしゃられました。また、プーチン大統領の立場として考えた場合には、安倍総理の地元である山口県に赴いて1対1で議論をするということを受け入れられたということは、北方領土を所管する知事としては大いに期待をしたいと、こんなふうに思う次第であります。加えて、山口県での今日の会合の後、明日、両首脳が東京に移られて、また午後には首脳会談をあらためてされるということもお伺いをしておりますので、そこも含めて、どういう展開になるのかということを私自身も注視をしていきたいと、このように思っているところでございます。大いに期待というのは、元島民の皆さまもまさに同じ思いではないかなというふうに思うわけであります。
私の日程でありますが、明日の日ロビジネス対話について、ご招待状を頂戴いたしておりますので、それに出席をする予定なども含めて、上京することを考えているところであります。
(朝日新聞)
JRの事業範囲の見直しについて、先ほど自民党と民進党の道議会議員から要請があったかと思うのですが、その中で知事が各振興局長による会議を開催して情報を共有したいということをおっしゃっていましたが、この局長の会議についてもう少し、いつ頃開いて、どのようなことを話し合うのかなど詳細を教えていただけますでしょうか。
(知事)
私は明日(12月16日)は東京の予定でありまして、コジェミャコサハリン州知事も東京におられるようなので、会談なども調整できればと思っておりますし、それ以外にも、ロシアから来られる方との会談もできればと思っておりますが、その後、鹿児島にということも先ほどを申し上げたとおりでありますので、そうすると来週にならざるを得ないのでありますが、来週、できる限り早いタイミングでこの振興局長会議を開催したいと考えております。まだ具体的な日時まで決められる状況にはなっていないわけでありますが、いずれにいたしましても、テレビ会議システムでの会議を予定しているところでございます。
関係する振興局長に、その前に沿線の首長の皆さま方のお話をしっかりお伺いするようにと、私から指示をいたしておりますので、その状況も踏まえて、来週できる限り早く開催をしたいと、このように考えております。
私自身が直接、振興局長のさまざまな話を聞いて、これからのワーキングチームの議論における私ども道としての意見、あるいはその後に想定されるこれからのJR北海道の事業の範囲の見直しに対応するための道としての意見に向けての考えを固めていきたいと、こんなふうに思っております。
(北海道新聞)
本日、道議会庁舎建て替えの件で、道が10月に実施しました道民意見の結果が公表されました。その中で、一旦凍結して台風の被害の復興に振り向けるべきだというような意見や、反対論があるのに建て替え前提の意見聴取をするのは一方的だという意見だとか、住民説明会の開催を求める声だとか、道議だけではなく道民も含めた検討協議会を作るべきだ、などの声がありました。道民意見を募るだけでは、道民理解を得られたとはいえないと思いますが、そのことに対する知事の見解と、住民説明会を開く考えはないのかお考えをお聞かせください。
(知事)
道議会庁舎の改築に向けては、基本設計の平面レイアウトを作成したことに伴いまして、道民の皆さま方からご意見をお伺いしようということで、今回、意見募集をさせていただいたところであります。今おっしゃられたご意見も含めて、さまざまなご意見を道民の皆さま方からいただきましたので、こういった貴重なご意見を参考にしながら、年度内に基本設計を作成してまいりたいと、こんなふうに考えております。
(北海道新聞)
今回の意見募集で道民理解を得られたということになるのかということの見解と、住民説明会を開く考えはないのかということをお聞きしたいのですけれど。
(知事)
今申し上げたとおりであります。
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