知事臨時記者会見(平成28年12月16日)

知事臨時記者会見

・日時/平成28年12月16日(金)  19:01~19:21
・場所/JAビルカンファレンス 3階 301A会議室記者会見室
・記者数/10名(テレビカメラ3台)

会見項目

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記者からの質問

1 日ロ首脳会談について(1)
2 日ロ首脳会談について(2)
3 日ロ首脳会談について(3)
4 サハリン州知事との会談について

 

知事からの話題

1 高病原性鳥インフルエンザについて

記者からの質問

(朝日新聞)
  2日間にわたる日ロ首脳会談が終了しましたけれども、まず知事の全体的な受け止めについてお願いします。

(知事)
  昨日の山口県における日ロ平和条約、北方領土問題を中心とした交渉から、今日は場所を東京に移しまして、日ロ全体としての経済交流、経済協力、こういった問題についての首脳会談に私も同席をさせていただいたところであります。
  まず、今日のほうからお話をいたしますと、安倍総理がおっしゃられた8つの経済協力プラン、これに沿って省庁間の合意や民間企業同士などのいろいろな形で82本の合意文書などが交わされたということであります。北海道に関係するところで言いますと、サハ共和国内の野菜の温室工場、この拡充プロジェクトについての合意ということがございましたし、またウラジオストクで北斗病院などが展開をしておられます医療関係のセンター、これを拡充したリハビリセンターの展開であるとか、あるいは遺伝子診断、医療教育のさらなる拡充というようなものも一連の合意文書として位置づけられていたところでございまして、私ども北海道がお隣同士の地域としてこれまでいろいろと交流を深めてきたことが、こういう形で評価をされたということ、そしてこれからさらに進むであろうということは、期待感を持って見ているところでございます。こういった北海道あるいは北海道の企業が関わるようなプロジェクトについて、会議の中でロシアの閣僚あるいは民間の方々からも評価をするというお話もございまして、大変うれしく思ったところであります。
  また、私とサハリン州コジェミャコ知事が会談をする度に盛り上がっておりました観光振興のためのビザの発給要件の緩和ということにつきましては、今詳細を把握中ではありますが、一部発給要件の緩和ということを日ロ間で合意をされて、来年の1月1日からスタートということになっているようでございますので、こういったこともまた一つの大きなきっかけとして、日ロ間の交流、北海道の立場から言えば、サハリン州や極東の各地域との政府間あるいは民間相互間の交流の活発化ということにつなげていきたいと、このように考えているところでございます。
  それから北方領土の交渉、平和条約の関係については、昨日の首脳会談を踏まえた、今日の拡大版の経済関係の首脳会談の後の共同記者会見の場に、私も同席をさせていただいたところでございます。テレビで実況中継されましたので、皆さま方もご覧になられたかと思うわけでありますが、その後、根室のほうで元島民の方々の記者会見が行われたという報告も受けておりまして、元島民の方々からは、総じて言えば、「具体的にスケジュールも示されなかった、あるいは道筋も示されなかったということで残念である」というお声が多かったというふうに報告を受けているところでございます。確かに、北海道という北方領土を所管する知事としては、元島民の方々の思いに共感する部分はあるわけでありますが、私としては、今回の首脳会談で北方領土での共同経済活動ということに言及があり、そのことは日本とロシアそれぞれの平和条約問題への立場を害するものではないという共通認識のもとに、そのことを私なりに解釈すれば、日本の主権というものを侵さない形での特別な制度という言葉を総理は使っておられますが、そういう条件の下で共同経済活動を行っていく、その具体的な内容を事務レベルで調整するということになりましたし、また元島民の方々の切実な思いが綴られた手紙を、昨日、総理が山口県でプーチン大統領に渡されて、大統領はその場でロシア語の手紙をご覧になって、その心情に思いを寄せたというようなことを総理も言っておられましたけれども、そういう総理の思いの中で、自由往来の拡大あるいは北方墓参の拡充ということを決断されたということは一つの進展ではないかというふうに思う次第であります。しかし、確かに一言で言えば、北方領土返還についての具体的な言及がなかったということは残念であるという思いは、やはり元島民の方々と共有をするものであります。
  ただ、繰り返しになりますけれども、共同経済活動を通じて日ロ間の信頼関係の醸成というものが進み、平和条約の締結に向けて、未来志向の発想が必要と言っておられましたが、そういった形で日ロ相互間の、安倍総理とプーチン大統領の個人的な信頼関係に基づく大きな決断ということは評価できるのかなという思いも持っております。平和条約の締結ということは、とりもなおさず私ども北海道が切望しております領土問題の解決そのものにつながるものでありますので、こういったプロセスを通じて1日も早い領土問題の解決に向けて心から期待をし、また政府に申し入れなども行っていきたいと、このように考えるところであります。

(HTB)
  今、領土問題についてコメントをいただきましたが、経済がやはり優先されたというような印象があると思うのですが、知事はどのように今回の首脳会談での領土問題の扱い方を評価されていますでしょうか。

(知事)
  四島における経済活動の話については、そのような見方もあるかと思います。ただ、私自身が二回にわたって北方領土を訪問させていただいた経験を持つ立場からしますと、例えば、島のスーパーマーケットに行きますと、中国や韓国の食品などもたくさん並んでいる中で、やはり日本の食品が高級な食材という位置づけで置いてあるという現状を見ておりますし、それから、いろいろな日本製の家電製品などを大切に使っておられる島民の方々もおられるし、そういう現状を見ますと、やはりいろいろな経済的な活動というものが、もちろん主権を害さない形という大前提でありますが、共同経済活動が四島で展開されることによって、今住んでおられる島民の方々が、日本と交流を深める、友好を深めるということが自分たちにとってもプラスなのだという思いを持っていただければ、領土問題の解決に向けて、大きな道筋になってくるという、そういう見方もあるのかなというふうに思うわけであります。
  今日の共同記者会見で安倍総理がおっしゃられた、北方領土のエリアを友好と共存の島にしていきたいというような表現がございました。私どもは、領土が返ってきた後も、今おられるロシアの島民の方々との共生ということを考えていかなければならないわけでありますので、その意味では、この友好と共存の島というようなコンセプトの中で、やはり人々が生活していく上では、経済的なもの、サービスといったものなど、いろいろなことが不可欠でありますので、そこで一歩、両首脳が合意をされたということは、率直に大きな決断だったと申し上げても良いのかなというふうに思います。

(北海道新聞)
  今回の首脳会談の合意を契機として、北方四島を含め、日ロの経済協力が進んでいくと思うのですが、その中で北海道として、どんな役割を果たしていきたいか、また、北方領土問題の解決にどういった寄与をするのかということの見解を聞かせてください。

(知事)
  日ロの経済協力を進めていく、先ほど、サハ共和国における植物工場の話なども申し上げましたが、こういうことを進めていくということは、明日、サハリン州知事とも会いますけれども、北海道にとって経済的なプラスにもなりますし、ウィンウィンの関係ですよね、そういう形で進めることによって、北海道の地域の活性化にもつながるという面がありますので、そういったことなどを踏まえて、サハリン州ともそして極東の各地域とも、これまでも経済協力を進めてきたところであります。
  そして、こういった日ロの経済協力を進めるということは、北海道の地域の活性化につながると同時に、われわれ道民の大きな懸案である戦後70年以上を経た北方領土問題の解決のための環境整備にも資するという2つの考え方のもとに、私はロシアの各地域との交流を深めているつもりでございます。これからもそういう考え方で進めていきたいと考えておりますし、また、道内企業もいろいろビジネスチャンスを広げていこうという動きも出てきていますので、企業の皆さま方と連携をして進めていきたいというふうに思っております。
  共同経済活動の話については、検討はこれから日ロの事務レベルで進んでいく中で、私どもとしての意見も発信をしていかなければならないというふうに思うわけでありますが、この共同経済活動のいろいろな議論を進めていく上で、元島民の方々が追われるように島を出てこられた時に持っておられた土地などの財産権、こういうものへの配慮ということについて、ぜひ対応をしていただきたいということを、私どもから政府に対して申し入れをしていかなければならないのかなと。まだ今日の段階では、いろいろ庁内や関係者の方々と十分に議論を進めてはおりませんので、また、あらためてそういったことについては、札幌でお話をする機会もあろうかと思いますが、今段階では、そういったことも念頭にあるところでございます。

(日本経済新聞)
  明日、サハリン州知事との会談ではどのようなお話をされる予定でしょうか。

(知事)
  今年の5月にサハリン州知事と札幌でお会いしたわけでありまして、その時の会談をきっかけに、この夏、日ロフェリーが再開いたしました。今年の運航期間が短かったので、乗船率はあまり高くはなかったのですが、そういうこともございましたし、また、コジェミャコ知事がコルサコフに水産卸売市場を作りたいと言っておられた、そのフォローアップもあるでしょうし、植物工場をもっとサハリン州で作りたいということもあるでしょうし、また、道が中心になって開催する物産展もありますけれども、道北の旭川を中心とした皆さま方も継続してやっておられますよね、また、今後も開催する予定もあるようでございますし、できればサハリン州にも「どさんこプラザ」を展開したいという思いもありますし、明日はいろいろなことをお話したいと思っております。
  加えて、先ほどビザの発給条件の緩和という話をいたしましたが、そういうことをきっかけとして、さらなる観光の振興が進められないのかということもあろうかと思います。
  また、今年の11月に中国の黒竜江省に参りました時に、陸昊(りくこう)さんという省長の方と、私のカウンターパートナーである方との会談の場でも議論をさせていただいたのですが、ロシア、黒竜江省、北海道はお互いに近いんですよね、陸昊(りくこう)さんは、コジェミャコ知事のことをアムール州知事を務めておられた時からよく知っているというお話でありましたので、私は3地域のトライアングルによる協力プロジェクトということを提案したところであり、何かできないものかということを考えているところであります。
  プーチン大統領と安倍総理がもう16回会っておられるという中で、コジェミャコ知事と私は、去年就任されてから4回お会いしていますので、私どもも個人的な信頼関係の中で、いろいろな具体的なプロジェクトをさらに進めていく努力をしていきたい、そんなふうに思っております。 

知事からの話題

 

高病原性鳥インフルエンザについて

(知事)
  札幌のほうで午後2時半に皆さま方にも報道発表をさせていただいたというふうに報告を受けておりますが、本日朝、十勝管内の清水町の養鶏場で死亡した鶏が見つかり、二度の簡易検査でA型鳥インフルエンザの陽性の結果が出ているところでございます。
  現在、十勝家畜保健衛生所で遺伝子による確定検査というものを行っているところでありまして、その結果が出ますのは今晩の午後10時頃という報告を受けているところでございます。ここでもし残念ながらやはり陽性であるということが確定いたしましたら、直ちに北海道として高病原性鳥インフルエンザ対策本部を設置いたします。これは、本部長は知事、私でありますので、本当であれば札幌に帰らなければならないのですが、相当悩んだのではありますけれども、明日のコジェミャコ知事との会談を行うことといたしまして、今日の夜は、私の代理ということで荒川副知事にこの本部会議の対応をしてもらおうというふうに思っております。そしてこの本部会議で知事からの指示というものを出しまして、迅速なる防疫措置ということを、殺処分も含めてやっていかなければならないと考えているところでございます。そして、明日、私自身はコジェミャコ知事との会談を終えて、直ちに札幌のほうに戻りまして、あらためての本部会議を開き、あらためての指示をし、感染の拡大を防止し、被害を最小限にとどめるということを徹底してまいりたいと考えております。
  こうやって私自身が今東京のほうにおりますので、農水省本省と調整を図りまして、今日この後午後8時にアポをいただいておりますが、農水省で細田農林水産大臣政務官とお会いをして、私どもとして、陽性が確定した場合にしっかりと対応するということをご報告すると同時に、農水省からの全面的なご支援をお願いをしたいという趣旨のお話をさせていただきたいと思っておりますので、お時間がお許しになられる方はぜひ農水省でもご取材をいただければと思う次第であります。
  私からは以上です。

 

 


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