知事定例記者会見
・日時/平成28年12月28日(水)14:00~14:27
・場所/記者会見室
・記者数/21名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 今年を振り返って
2 「旅して応援!ほっかいどう」キャンペーンについて
3 年末年始の交通安全について
記者からの質問
1 今年(2016年)の漢字一字について
2 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた費用負担について
3 アスベスト含有保温材等の使用状況調査結果について
4 原発の再稼働について
5 知事の年末年始の過ごし方について
知事からの話題
今年を振り返って
私から3点お話をさせていただきます。
その前に昨日、一昨日と2日間にわたりまして、風邪でダウンしてしまいまして、年末恒例の記者の皆さま方からの個別インタビューをお受けすることができずに、誠に申し訳ございませんでした。そういったことも含めて、道政記者クラブの皆さま方には今年一年、大変お世話になり、ありがとうございました。
今年を振り返りますと、8月から9月にかけて記録的な台風などの影響で道路網の寸断、河川の氾濫など、甚大な被害が発生いたしました。また、年末には、道内初の家きんへの高病原性鳥インフルエンザの感染ということがございました。その意味では、大変厳しい出来事に直面した1年だったというふうに振り返るところでございます。
一方で、3月26日には、道民の長年の夢でございました北海道新幹線が開業し、北海道の歴史に新たな記念すべき1ページが刻まれたところでございます。今日に至るまで、予想以上に多くのお客さまにご利用いただき、特に道南を中心に北海道にプラスの効果が出ているということは大変うれしく思う次第であります。
また2015(平成27)年度に初めてインバウンドが200万人を超えたところであり、国際航空路線の充実や国内外のLCCの進出などにより、今年も引き続き好調に推移しておりますので、2016(平成28)年度の数字が明らかになるのを楽しみにしているところでございます。
そういった中で、若干気になるのは、年末の大雪で新千歳空港が大混乱になったということでございます。私は(12月)24日の午後の新千歳空港発の便を利用したのでありますが、その日は朝から快晴で、午後には混乱は収まっているのかと思いましたが、午後になってもこれまでと同じか、あるいはそれ以上のお客さまが通路のそこここにおられて、今回の突然の大雪の影響の大きさというものを、あらためて認識させられたところであります。今回のことを国土交通省が検証されるというお話も伺っているところでありまして、私どもとしても、さらなるインバウンドを増やしていくということとの関係において、今回の大雪の影響について、大きな関心を持って、その検証を見守っていきたいと思っているところであります。
また、スポーツの分野でも明るい話題が続きました。リオのオリンピック・パラリンピックで道産子選手が活躍されました。それから北海道日本ハムファイターズが10年振りの日本一、素晴らしいと思います。また、北海道コンサドーレ札幌のJ2優勝、これもスポーツ界の大変明るいニュースだと思うわけであります。
実は、私は個人的にはプロバスケットボールに熱中しておりまして、先般、レバンガ北海道の試合を「きたえーる」で観戦する機会があったわけでありますが、ものすごく動きが速く、もちろんサッカーも面白いのですが、サッカーと比べると狭いスペースで激しくプレーするバスケットボールの楽しさというものについて、私は熱中しているところでございます。レバンガは成績は今少し苦労しておられますが、今後大いに期待をしたいというふうに思っております。
また、道政の展開においては、今年は北海道創生加速化元年と位置づけて、北海道創生総合戦略の重点プロジェクトなどを中心にさまざまな施策を展開してきました。引き続き、道民の皆さま方のご理解とご協力をいただきながら、喫緊の課題である災害からの復旧・復興、高病原性鳥インフルエンザ対策をはじめとした道政の推進に全力を尽くしてまいる考えであります。
道政記者クラブの皆さま方におかれましても、今日の私のように風邪などをお召しにならないように、しっかりリフレッシュをして、また来年元気な姿でお会いをしたいと思う次第であります。
「旅して応援!ほっかいどう」キャンペーンについて
〔配付資料:「旅して応援!ほっかいどう」キャンペーンチラシ(PDF)〕
二つ目は、「旅して応援!ほっかいどう」キャンペーンについてであります。
8月からの大雨災害は道内にいろいろな影響をもたらしたところであり、今、一部復旧はいたしましたが、鉄道の幹線が寸断されたなど、さまざまな被害があった中で、特に道東や上川地域を中心に観光施設等のキャンセル、旅行の手控えなど、風評被害ということも含めて、観光需要が大きく落ち込むという影響があり、大変心配をいたしたところであります。
そういう中で、10月から(「旅して応援!ほっかいどう」キャンペーン広告を)新聞に掲載をさせていただきました。まず道民の方々に道内をもっともっと旅行していただきたいという道内客向けのキャンペーンを展開してきたところでございます。そして、11月からは道外客向けのキャンペーンとして旅行商品の造成なども行ってまいりました。また、同じく11月から、外国人観光客向けのいろいろな取り組みをさせていただき、私ども道として、道内客向け、道外客向け、外国人観光客向けに事業を展開してきたところでございますが、加えて、4定議会(平成28年第4回北海道議会定例会)で議決をいただいた予算で、来年の1月からさらに道内客向け、そして道外客向けに、観光需要の掘り起こしのプロモーションをやっていこうというふうに考えているというお知らせであります。これも道費と国費とにより連携しながら進めていきたいと考えているところでございまして、道南は新幹線で状況は良いのですが、道東や上川地域でのさらなる掘り起こしをしていきたいと、こんなふうに思っているところでございます。
年末年始の交通安全について
〔配付資料:平成28年交通事故発生概況(平成28年12月27日現在速報値)(PDF)〕
三つ目は、年末年始の交通安全についてであります。
昨日27日現在で、道内の交通事故による死者数は153名で、尊い命がこれだけ多く失われているということは大変悲しいことでありますが、この153名という数字は、昨年に比べまして24名の減少ということになっているところでございます。もちろん、交通事故死者数ゼロを目指すということが、私どもの基本的な考え方でございますので、さらにこの数字を増やさないためにも、年末年始にかけて、帰省などで車を運転する機会が増えると思うわけでありますが、道民の皆さま方にはスピードを抑えて車間距離を十分にとるなど、安全運転に努めていただきたいと思います。
また、この時期は、吹雪による視界不良などの通行障害も懸念されます。天候などをよくご確認いただいた上で運転をされ、あるいは場合によっては控えていただく、そういうふうに心がけていただければと思います。
また、飲酒運転はしない、させない、許さない、このことの徹底をぜひよろしくお願いをいたします。
私からは以上3点であります。
記者からの質問
(室蘭民報)
年末インタビューで毎年、知事に今年一年を漢字一文字でというお願いをしているのですが、この場で申し訳ないのですがお願いできますでしょうか。
(知事)
「礎(いしずえ)」という漢字を書かせていただきました。今年一年を振り返って、台風などによる被害や鳥インフルエンザの対応など厳しい出来事もありましたので、そのことに関することを書こうかなとも思ったのですが、一方で、3月には北海道新幹線が開業し、基本的なインフラ整備が進みました。また、北海道創生加速化元年ということで頑張ってきた年でもございましたので、そのようなもろもろも含めて、「礎」という字を書かさせていただきました。
道内の関係者で言いますと、飛田JA北海道中央会会長が「乱」という漢字を書いておられ、とても興味深く、私も共感するところがあるのですが、あえて私は「礎」ということにさせていただきました。
(北海道新聞)
東京オリンピック・パラリンピックの関係だったのですけれども、仮設の施設の整備費についてですね、都の調査チームから、国が補助を出した上で、(関係自治体に)一部負担を求めるというお話があります。先日、他の自治体の知事とともにですね、環境生活部長も行かれたと思うのですけれども、そうした話が来ていることへの受け止めと、実際にそういう費用を負担してほしいという話になりましたら、どのように対応するお考えなのかをお聞かせください。
(知事)
東京オリンピック・パラリンピックは、全国民で支えていかなければならない重要なイベントでありますし、また、事前にコンパクト五輪ということで誘致を実現されたものでありますが、その後、費用がどんどん増えて、東京都、あるいは国、それから組織委員会、それぞれが大変苦労しておられるということも報道などを通じて承知をいたしているところでございます。そういった中で、この東京都以外の開催地域にその開催にかかる費用負担を求めるというお話が、私どもにとっては大変唐突な形で出てきたという思いを持っているところでございまして、一昨日(12月)26日に担当大臣と組織委員会と東京都に緊急要請するということでありましたので、私どもからは環境生活部長が出席をしたところでございます。
今年度中をめどに、費用負担のことを整理していきたいというお話が東京都知事からあったというふうに理解をいたしているところでございますので、そのことを見極めていきたいと思います。ただ、2012年12月に作成されました東京オリンピック・パラリンピックに向けての立候補ファイルという資料の中では、札幌ドームにかかる費用というのは組織委員会が担うと書いてあるわけでありますので、その立候補ファイルの考え方を基本とすべき、これが私どもの基本的な考え方であります。
ただ、私どもは札幌市とともに2026年の北海道・札幌冬季オリンピック・パラリンピックの誘致を目指すという立場でもございますので、その意味では、開催経費を少しでも少なくするために、札幌市以外の道内の施設、あるいは道外の施設、さらには規定上は海外の施設も使うことができると承知をいたしておりますので、そういうことも視野に入れている私どもとしては、別の意味でも、この2020年の東京オリンピック・パラリンピックの東京都以外の開催地域の費用負担について、どのように整理されていくのかということに大変強い関心を持ち、そのことを見極めていきたいと、こんなふうに思っております。
(北海道新聞)
もう一点、先日ですね、道有施設におけるアスベストの点検結果が出まして、未調査の3施設を除いて飛散の恐れはないということだったのですけれども、そのことへの受け止めと、今回は大丈夫でしたけれども将来にわたってはやはり劣化・損傷が懸念されるわけでして、そうしたことへの対応についてお考えを聞かせてください。
(知事)
道有施設3,695施設について、昨年度、調査を実施いたしました。今年になってからの札幌市等におけるさまざまな事案を踏まえた上で、今回、再度私どもの道有施設について確認をしたところであります。そういう中で、今おっしゃられたとおり、調査中の3施設、これも1月中には終了を予定いたしておりますが、それ以外の施設についてはばく露の恐れはなかったということを確認させていただいたところであります。さらに詳しく言いますと、ばく露の恐れなしということではあるのですが、石綿含有断熱材使用施設が317施設ございまして、その中の4施設が劣化・損傷があるということを確認しておりまして、日高振興局森林室庁舎、檜山振興局保健行政室庁舎、オホーツク合同庁舎、それから野幌総合運動公園総合体育館でございますが、ここについても気中濃度のチェックで不検出であるなど、私どもとして、現段階で道民の皆さま方にご迷惑をおかけする状態にはないと認識をしているところであります。
しかしながら、今ご質問にもありましたとおり、今後、いろいろな環境の変化や、さらに劣化が進むなどの状況の中で、さまざまな事態が想定されますので、今後とも、道が作成した「道有施設における石綿含有保温材等点検マニュアル」によりまして、定期的な点検調査を実施し、引き続き状況の把握そして必要な措置を講じていかなければならないと、そんなふうに思っております。
もちろん施設そのものの建て替えができれば良いのですけれども、道有施設の長寿命化によりコストを少しでも少なくすることが私どもの基本的なスタンスでありますので、そこはいろいろしっかりとチェックをしながらやっていきたいというふうに思っております。
(北海道新聞)
原発について、鹿児島県知事の三反園さんのことで伺います。
九州電力の川内原発の即時停止を訴えて知事選を戦った三反園さんですが、当選後の発言は徐々にトーンダウンして、結局定期検査後の運転再開を事実上黙認というか容認したわけなのですけれども、そういった三反園さんは、公約違反とも言えそうですが、これについて、知事の受け止めというのはどういうものかということが1点と、もう1点は関連で、鹿児島県知事は原発再稼動について「私には稼動させるか、させないかの権限はない」などと述べたようです。一方では、知事の同意が再稼動に対して事実上の必須要件だというふうに見るような専門家もいます。原発再稼動について、知事の法的権限があるかどうかというのはどういうふうに考えていらっしゃるか、ないとすれば同意というのはどういうふうなものだとお考えなのか、知事のお考えを教えていただけますか。
(知事)
三反園鹿児島県知事の公約については残念ながら承知しておりませんので、何とも言えない部分もあるわけでありますが、私もここまで4回にわたって公約を掲げて選挙を戦って、道民の皆様のご信任を得て知事になったわけでありますけれども、いろいろな環境変化の中で、やはり一生懸命取り組んでも達成できない公約というものも出てくると、これは同じ知事という職の人間として、そこはそのように申し上げなければならないかなと思う次第であります。ただ、三反園知事が原発に対してどのようなスタンスで臨んでおられるかということは、鹿児島県内におけるいろいろな世論やご事情を踏まえてのことでしょうから、私がコメントする立場にはないのかなというふうに思います。
もう一つのご質問の法的権限があるかということですが、法的権限という意味では、ありません。ただ、2011(平成23)年の東日本大震災を経験したわが国において、あれだけ大きな事故になった場合には地元と国が連携をしてさまざまな対応を進めていくことが不可欠であるという認識の下、事実上、今のような地元の同意というか、理解をするという仕組みになっておりますので、私自身は、そういう形でしっかりと議論をしていくことが必要だと思っております。
(北海道新聞)
再稼動をする前に、知事の同意というか理解というものは必要だというふうなスタンスでよろしいでしょうか。
(知事)
ここまでそういうことで来ていますので、私はそれが基本的な手続きだというふうに思うところでございます。私はそのように対応したいと思います。
(北海道新聞)
知事は、明日から年末年始の休みに入るかと思うのですけれども、その日程と、どのように過ごされるのかというのを教えていただければと思います。
(知事)
病み上がりですので、基本は静かにしているのかなというふうに思っております。主人も札幌に帰ってまいりますので、二人でゆっくりしたいというふうに思っております。
ただ、先ほども少し申しましたレバンガ北海道の試合が年末にあるので、体力が許せば行きたいなと思い、一応切符は買ってあるのですが、そのくらいでしょうか。初詣は、寒くて風邪が悪化しても良くないので、行かないかもしれません。
ただ、公務優先でありますので、例えば鳥インフルエンザであるとか、いろいろなことが、あってほしくないことではありますが、もしも確認されたら、何より公務優先で仕事に戻ってきたいと思っております。
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