知事定例記者会見(平成29年3月23日)

知事定例記者会見

・日時/平成29年3月23日(木) 15:32~15:50
・場所/議会記者室
・記者数/19名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 平成29年第1回定例会の閉会にあたって
2 北海道新幹線・道南いさりび鉄道開業1周年記念事業について

記者からの質問

1 IR誘致について
2 第2青函トンネルについて
3 JR北海道の事業範囲の見直しについて
4 北海道新幹線の開業効果について

知事からの話題

 

平成29年第1回定例会の閉会にあたって

  私からは2点であります。
  今日で第1回定例会が閉会いたしました。
  さまざまな課題についてご議論いただいたところであります。また、新年度予算の議決などもいただいたところでございまして、このたびの議会議論をしっかりと踏まえながら、道として新年度の政策に全力で取り組んでまいりたいと、このように考えております。 

北海道新幹線・道南いさりび鉄道開業1周年記念事業について

〔配付資料:北海道新幹線・道南いさりび鉄道開業1周年記念イベントチラシ(PDF)
〔配付資料:北海道新幹線・道南いさりび鉄道開業1周年記念事業について(PDF)
    二つ目でありますが、北海道新幹線・道南いさりび鉄道開業1周年記念事業についてであります。
  北海道新幹線と道南いさりび鉄道が開業してから、次の日曜日、3月26日でちょうど1年を迎えるところであります。地元2市2町などから構成する実行委員会が主催する当日の主な行事について、ご報告をいたします。
  まず、新函館北斗駅での北海道新幹線開業1周年記念セレモニーでありますが、北海道新幹線の1歳の誕生日として、地元の北斗市立市渡(いちのわたり)小学校の1年生の皆さんから記念パネルを駅長さんに贈呈いたします。
  それから、H5系北海道新幹線をデザインしたバースデーケーキの入刀などを行うことといたしております。その後、東京発の一番列車で到着されたお客様にイランカラプテを表現した歓迎の横断幕と観光情報パンフレットなど記念品を配布してお出迎えをいたします。
  また、函館駅前広場での開業1周年記念イベントでは、北海道観光大使にご就任いただいているタカアンドトシさんのステージや、地元の函館はやぶさPR隊、津軽海峡マグロ女子会の方々にもご参加をいただき、会場を盛り上げていただくほか、鈴井貴之さん、ご承知のとおり北海道新幹線特任車掌をお願いしておりますが、この鈴井さんとともに、私とJR北海道の島田社長、函館市の工藤市長で、開業2年目に向けた期待のトークセッションを行うことといたしております。
  また、このたびの1周年記念事業の実施にご参画をいただいた関係自治体や経済団体、地元の国会議員、道議会議員などの皆さま方とともに、2年目に向けて新たな飛躍を期した鏡開きを行う予定といたしております。
  こうした1周年記念事業を大きなきっかけとして、今後とも、さらなる新幹線の利用促進、開業効果の全道への波及、拡大に向けて、取り組んでまいります。
  また、木古内駅、それから上磯駅でも開業1周年行事が行われますので、それぞれご取材をお願いできればと思います。
  以上、私からは2点であります。

記者からの質問

(北海道新聞)
  IRについて伺いたいのですが、昨日ですが、苫小牧、釧路、留寿都の経済団体などで作る協議会の皆さんと自治体の方々が道庁を訪れて、知事に要望書を渡したかと思うのですけれども、そちらの受け止めとですね、積極的な誘致活動と協議会への道の参加を求めていましたが、それに関してのお考えを聞かせていただければと思います。

(知事)
  IRについては、道議会でもご答弁を申し上げておりますし、また、こうした記者会見、あるいは昨日も3地域の関係の皆さま方の要請に対して、マスコミの方々もいらっしゃった中で申し上げたとおりでありますが、3地域の関係の皆さま方それぞれが地域の振興のため、あるいは観光のレベルアップのために熱心に誘致活動をしておられることは承知をいたしております。そういった地域を含めて、北海道全体としてインバウンドをはじめ、観光客をもっと増やすという努力をしておりますので、カジノを含むIRについては、そういった観光振興という意味で経済効果があるということは十分に認識をいたしております。
  他方、このIR、特にカジノの部分につきましては、社会的にさまざまな負の影響があるということも言われているところでありまして、ここの万全な対策は不可欠であろうと、このように思う次第であります。
  ですから、昨日も申し上げたとおりでありますが、道といたしましては、国に対してIR実施法案の策定に向けて、社会的影響への万全な対策がなされるよう要請をしていかなければならない、こんなふうに思っていると同時に、もし北海道でIRということをやるとすれば、自然豊かなこの北海道らしいIRの姿とはどういった形なのかということも、やはり議論をしていかなければならない、そしてIRを取り巻く状況を見極めていくということかなというふうに思っております。

(北海道新聞)
  もう1点だけ質問。協議会への道の参加を求める考えに対してはどう考えてますか。

(知事)
  オブザーバー参加はしていますよね。

(国際観光担当局長)
  現在、オブザーバーという形で参加させていただいておりまして、正規のメンバーに入るかどうかは、地元の自治体もまだ今入っていない状況にございますので、この辺は状況を踏まえながら検討していきたいと思っております。
  
(朝日新聞)
  先月、青函トンネルに関して、民間企業200社で作る日本プロジェクト産業協議会という団体が、第2、第3のトンネルを作るという構想を国交省に提言をしました。要するに、今の青函トンネルは新幹線専用にして、2本目、3本目というのは貨物用とか自動車、無人自動車ですか、専用のトンネルにして物流の強化ですとか、新幹線の高速化を図るという構想ですけれども、知事としてはこうした構想について何か期待などありましたらお聞かせください。

(知事)
  今おっしゃった日本プロジェクト産業協議会という日本を代表する建設会社など専門的な方々で構成される団体が、国に対してそういった提案をされたということは、一つそういう可能性というものもあるのかなというふうに思います。
  距離は全然違いますが、九州と本州との間の関門トンネルは、確か、新幹線用、在来線用、それから車用とありますが、距離はあまりにも違いますけれども、そういうことが青函トンネルでも実現されればという思いについては私も理解はいたします。
  しかしながら、距離があるが故に莫大な費用が必要だということも同時に発表されたということでありますので、実現性ということを考えた場合にどうなのかなと、やはり少しそう思わざるを得ないということであります。
  私ども地元としてこの青函トンネルについて今現在認識している問題点は、新幹線のスピードアップ化と、それと表裏の関係でありますが、貨物列車との交差の部分をいかに安全にスピーディに実現していくかということに尽きるとすれば、そういう2本目、3本目のトンネルということについては、資金の調達をどうするかということや採算性をどうするかという議論は、ご提言をされた専門的な方々がさらに検討を進めていただくことを期待しますが、やはりちょっと先のことなのかなというふうに思うわけで、現実論としては、今の青函トンネルで貨物列車との交差をいかに安全を前提としてスピードアップするのかなど、国土交通省でもいろいろと検討をしておられるということですので、そちらのほうも見守っていきたいということと、東京~新函館北斗間が残念ながら最速でも4時間をちょっと超えるくらいの所要時間なので、これを1分でも2分でも4時間を切ることを実現していただけるように、私どもから強く要請をしていきたいと、こんなふうに思います。

(NHK)
  今議会の予算特別委員会の中で、知事がJR北海道に対する支援、国と協調しながら行っていきたいというふうなことをおっしゃっておりましたけれども、繰り返しになって大変恐縮なのですが、あらためて具体的な内容やお考えについてお聞かせください。

(知事)
  もとより、これは国と具体的に協議をしていかなければならないことでありまして、相手があることでありますので、私どもの一方的な思いだけで実現できるかどうか、そこは予断を許さないということはご了承いただければと思います。
  その上で、予算特別委員会でのご質問に対してお答えしたのは、まず第一に、これは繰り返しでありますけれども、JR北海道がそれぞれの線区の赤字というものを公表しておられますが、そういった赤字を直接的に補填をすること、これは無理であるということを申し上げたところでございます。
  その上で、JR北海道に対する支援のメニューとして、いくつか例示として申し上げたところでありまして、例えば国などと協調しながら、鉄道の安全運行の確保に向けた鉄道施設の老朽更新という支援はあり得るだろうと。それから、利便性・快適性を向上させるために、駅の魅力向上、例えば東京などでは駅舎の中にコンビニだけではなくて、いろいろなショップが入り賑わっていて、駅の魅力アップに繋がっていると思います。鉄路を使うということ以外のそういうふうなことも含めて、北海道に適したような形の駅の魅力向上というものもあるでしょうし、また、利便性・快適性の向上のための車両の保有であるとか、貸し付けであるとか、そういうことへの支援ということもあるのかなと思います。
  あとは予算特別委員会で私が申し上げたのは、私どもからさらに働き掛けをして、地域における協議会をこれから順次立ち上げて行く中で、利用促進という議論についてもいろいろなアイデアが出てくると思いますので、それについても私どもとして一定の支援をさせていただければという思いもありますし、それから、もうすでに道内で行われているところではありますが、駅舎などを活用したさらなる地域振興ということに対する支援というようなことなど、厳しい財政状況ではありますが、道民の皆さま方のご理解をいただきながら、私どもとしてJR北海道に対する支援ということも行っていければということを検討していきたいと、このように申し上げたところであります。

(NHK)
  北海道新幹線が今年開業1周年ということなのですけれども、開業効果について胆振などではなかなか苦労しているというふうな話を聞いたりするのですけれども、その他の地域にその効果を拡大させるために、今後どのようなことを検討していくのか、考えがあれば教えていただきたいのですが。

(知事)
  新函館北斗駅というのは、広大な北海道の中で地図に落としますと、北海道全体の中では南のほうに位置しますので、この北海道新幹線の札幌までの延伸ということをできる限り前倒ししたいという思いと、加えて新函館北斗駅まで到達した新幹線開業の効果で、在来線時代と比べると確実にお客様は増えておりますので、そのお客様を他の地域、今、胆振の例を挙げられましたけれども、胆振だけではなく道東や道北までいかに拡大していくかという強い思いの下に、1年間さまざまなトライアルを、われわれ道としても助成なども行いながら取り組んでまいりました。地元のアイデアなどもあり、例えば胆振で言えば、渡島管内の森港から室蘭港に船でお客様を運ぶというようなトライアルもありましたし、それからインバウンドのお客様も増えている後志管内の倶知安、ニセコエリアへ函館からバスを出すとか、それから道内航空ネットワークを、例えば函館から遠い道東や道北に広げるとかいろいろ取り組んできて、これはいけそう、これはなかなか難しいなどと、いろいろ課題なども出てきていますので、そういったことなども踏まえて、これからいかに道内へ新幹線による観光客増の効果を広めていくのかということを、あらためて私ども行政、それから観光関係の団体、それから地域の皆さま方が知恵を出し合って、2年目、3年目、4年目とこれからもしっかりと検討し、実行していかなければならないと、今1周年を迎えてそんなふうに思っているところでございます。
  また加えて、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録、これもぜひ進めていきたいと思っております。このことについては、縄文時代から青函がつながっていたということで、新幹線で新たに東北と北海道の交流をさらに拡大する大きなきっかけになるのではないかという思いを持って取り組んでいるところでございます。こういったことを重層的に行っていきたいと思っております。

 


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなど整理し、作成しています。

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