知事定例記者会見(平成29年7月13日)

知事定例記者会見

・日時/平成29年7月13日(木) 15:30~15:54
・場所/記者会見室
・記者数/22名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 マダニが媒介する感染症の予防について
2 ロシアへの訪問について

記者からの質問

1 大樹町における小型ロケットの打ち上げについて
2 北海道みんなの日(愛称:道みんの日)について
3 ロシアへの訪問について(1)
4 ロシアへの訪問について(2)  
5 北太平洋漁業委員会におけるサンマの資源管理について

知事からの話題

 

マダニが媒介する感染症の予防について

〔配付資料:ダニ媒介脳炎患者の発生について(PDF)〕
  私からは2点であります。
  一つ目は、マダニが媒介する感染症の予防についてであります。
  7月11日に市立函館保健所から道に対して、ダニ媒介脳炎患者発生の報告がございました。患者の方は残念ながら既にお亡くなりになっておられるということで、心からご冥福をお祈りいたします。昨年の8月にも23年ぶりに国内で2例目の患者が発生し、この方も残念ながらお亡くなりになったと伺っておりますが、今回はそれから1年もたたないうちの3例目であり、いずれも道内において発生したという状況でございます。
  北海道大学が行った調査によりますと、道内の広い地域でダニ媒介脳炎に感染する可能性があるとのことでございます。北海道では、脳炎だけではなくライム病や回帰熱など、マダニにかまれることで感染する病気が、また道外では、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)や、つつが虫病、日本紅斑熱などの感染が報告されているところでございまして、これらの病気については、まれに重症化し、死に至ることもあるところです。マダニは草むらや、やぶに生息していることが多いということでございますので、そういうところに入る場合には、長袖や長ズボンを着用していただくなど、マダニにかまれないようにすることが何より重要でございますが、万が一、かまれた場合には、自分で取り除こうとはせず、速やかに医療機関を受診していただければと思う次第であります。
  道といたしましては、保健所を通じて市町村や医療機関への情報提供、ホームページにおいて注意喚起などを行っておりますが、あらためて道民の皆さま方に注意喚起をお願いいたします。

ロシアへの訪問について

〔配付資料:「イノプロム2017」知事訪問結果等について(PDF)〕
  二つ目は、7月8日から12日までの間、ロシアのエカテリンブルクでの「イノプロム2017」への参加、そしてモスクワにおける要人の方々との面会といったロシアへの訪問についてであります。 
 イノプロムというのは、ロシア最大の総合産業博覧会ということで、毎年、パートナーカントリーを決めることになっているそうでありますが、今年はそれが日本ということで、日本政府を通じてお声掛けをいただき、私どもも参加することといたしたところであります。道を含め、道内28の団体・企業の方々にご参加いただきまして、「ジャパン・パビリオン」内に設置した北海道ブースで、食や観光、寒冷地技術などを展示したところでございます。主催者でございますマントゥロフ産業商業大臣、そのカウンターパートであります世耕経済産業大臣が北海道ブースに寄っていただいた時には、私も、もりもとのスイーツをご提供するなどの対応をさせていただき、また、地元のメディアの方々の取材もございました。いろいろな形で北海道の売り込みができたかなと思っております。
  また、10日の夕方に「日ロ産業フォーラム」がございまして、私もパネリストの一人として参加させていただきました。今回のイノプロムのメインテーマは、スマートマニュファクチュアリーということでございました。北海道のブースは、日本を代表するメーカーのようなスマートマニュファクチュアリーに直接対応するといったコンセプトで展開したわけではなく、北海道の知名度をアップすること、そして総理の8つの「協力プラン」に対応する形で、私どもが提案している5つの「協力パッケージ」、これを欧露部、いわゆるヨーロッパ・ロシアの方々にアピールしたいということで参加をさせていただいたところであります。日ロ産業フォーラムでもそういう趣旨から発言をさせていただきました。私どもといたしましては、こういう場を通じて北海道をアピールすることが、日ロ両国の関係強化に資するということは当然でありますが、領土問題の解決、そして平和条約締結に向けた環境整備にもつながるという強い思いで、さまざまな活動をさせていただいたところであります。
  エカテリンブルクでは、先方からのご提案もございまして、チェリャビンスク州という、ここもエカテリンブルクを含むスヴェルドロフスク州と同等あるいはそれ以上にロシアでは重工業、ものづくり生産の盛んな地域でありますが、そこの州知事ともお会いをいたしました。翌日の11日はモスクワに移動して、お二人の方にお会いいたしました。お一人は、ロシア政府の経済発展省の事務方トップで、日本担当でいらっしゃいますヴォスクレセンスキー次官にお会いをいたしまして、また、上月駐ロ大使のご高配によりまして、公邸でメーゼンツェフ連邦院議員、すなわちロシアの国会議員でサハリン州選出の議員でありますが、上月大使と古谷公使と私、そして私どもの同行者と昼食を取りながら意見交換をさせていただいたところであります。モスクワでもいろいろな話をいたしましたが、9月早々に来道が予定されておりますロシアの中小企業を中心とした経済ミッションの話であるとか、あるいはサハリン州と北海道との間の橋の話、また、昨年の12月に首脳同士で合意されたものでありますけれども、来年は日本におけるロシア年、ロシアにおける日本年で、それぞれの国の知られざる面をお互いに紹介しようというイベントが予定されておりますので、そういったことなどについて幅広く議論いたしたところであります。
  サハリン州選出のメーゼンツェフ議員とは、これからのいろいろな地域間交流ということを考えていく場合、地方の行政府同士の交流も重要だけれども、連邦議会すなわちその当該地域を背負っておられる国会議員の方々との交流ということもやはり重要であると、それが上月大使が昼食会を設定していただいた趣旨ではないかと私自身も理解をいたしましたが、そのようなことの今後の発展可能性などについて、意見を交わさせていただいたところでございます。私どもといたしましては、サハリン州をはじめ極東地域と道がこれまで築いてまいりましたさまざまな交流関係を大切にしつつ、一方で、領土問題のさまざまな意思決定ということはモスクワを中心とするところで決定されているということ、それから人口規模で言いますと、欧露部のほうが極東地域よりも多く、それだけ寒冷地技術をはじめとする北海道の技術、ノウハウに対するニーズも欧露部にもあるであろうという認識の下に、これから両方を視野にロシアとの交流をさらに深化させていきたいというふうに思ったところでございます。
  私からは、以上2点であります。

記者からの質問

(十勝毎日新聞)
  大樹町で民間企業であるインターステラテクノロジズ(株)がかねてからロケット開発をしておりました。今月(7月)29日に打ち上げをすることが決まりまして、成功すれば国内民間企業単独では初めてのことということで、地元では非常に盛り上がっておりまして、今後の宇宙ビジネスの発展も期待できるところかなというふうに思っております。打ち上げに対して、知事の受け止めと今後の期待などがありましたら、お聞かせ願いたいと思います。

(知事)
  ホリエモン(堀江貴文)さんが設立なさった企業ですよね。大樹町は以前から、歴代の町長あるいは町役場、そして十勝地域を挙げた運動の中で、宇宙のまちづくりということに取り組んでこられたと私自身も承知しております。当然、道も協力させていただいてきましたが、そういう中で、民間企業が主体となって発射するロケットが初めて高度100キロメートルを目指すと伺っておりまして、7月29日の発射は天候などに左右されるところもありますが、無事に発射されること、そしてその発射実験が成功することを私も誰よりも期待しているところであります。
  そして、成功いたしますとこれは国内初ということで、全国的にも大いに注目されるのではないかというふうに思います。さらに夢は膨らむわけでありますけれども、この1号機を一つのきっかけとして、この宇宙ビジネスについて、小型人工衛星を打ち上げて、高度500キロメートルを目指されるということも検討されているということでありますので、今回の打ち上げがいろいろな形でさらなる次のステップにつながることも大いに期待しつつ、まずは、打ち上げの成功を祈っているところであります。大いに期待をしております。

(uhb)
  「北海道みんなの日」について伺います。2点ありまして、まず、「道みんの日」、北海道みんなの日を作った理由と、どんな効果や活動を期待されているかということについて、もう一つが、今年は海の日と重なっていますけれども、来年は平日になりますが、この日がお休みになるというような予定、可能性はありますでしょうか。

(知事)
  「道みんの日」、「北海道みんなの日」の制定の目的についてでありますが、来年が北海道命名150年の節目の年でもございまして、道民の皆さまが北海道の歴史や文化、風土について理解を深めていただいて、北海道の素晴らしさあるいは価値をあらためて共有していただき、郷土に愛着や誇りを持っていただきたいという思いで、こういった日の制定ということを考えたところでございます。そして、その効果についてはこれからでありますので、もちろん見極めていく必要がありますが、まずはこの条例制定の初年度となる7月17日の記念日に、記念式典、レセプションを開催するとともに、北海道博物館や道立近代美術館など道立の施設において常設展示などの無料開放を行いますし、また、北海道教育委員会が副読本を作成し、全道の小中学校において松浦武四郎をはじめとする北海道にゆかりのある偉人の方々について学ぶ授業を実施しております。さらに、7月17日から21日にかけまして、赤れんが庁舎前庭において北のめぐみ愛食フェアを開催いたします。
  今年、大いに盛り上げようと思っておりますが、来年その日をお休みにするかどうかを含めて、どのような形で盛り上げて行くかということは、今年の状況も見極めた上で考えていきたいと、こんなふうに考えております。

(HBC)
  今、イノプロムの話をお聞かせいただいたのですが、トップセールスをしてきた手応えといいますか、PRの手応え、それと北海道のものがあちらの市場にどのような可能性を持っているのか、現地に行ってみた上での感想について、お聞かせいただければと思います。

(知事)
  北海道のスイーツは、提供すると美味しいという声が多かったのですが、北海道の知名度ということを考えた場合、やはり、極東地域とは違う知名度の低さということをわれわれとしては認識せざるを得なかったというふうに思うわけであります。このため、今後も欧露部に対するアプローチということは続けていかなくてはならないと思ったわけでありますが、ただ、私どもが今回展示をいたしました寒冷地仕様のさまざまな技術であるとか、また、手袋を持って行ったのですが、マイナス10℃、20℃の極寒の環境であっても作業を円滑に行うことができ、かつ長持ちする手袋を極東地域の工事現場の皆さま方に愛用していただいておりまして、その企業は、サハリンの方でしたか、ロシア人のパートナーの方と一緒にイノプロムに売り込みにいらっしゃっておりましたけれども、同じような寒冷地技術というのは、極東地域だけではなくて、欧露部の方々にもアピールできると思います。それから、人口を考えますと、極東地域よりも欧露部の方が多く、エカテリンブルクを含むスヴェルドロフスク州だけで約430万人と、北海道よりは少ないですけれども、そういう州がロシアの西のほうに多くありますので、これから欧露部へのアプローチということをぜひ進めていきたいというふうに思ったところでございます。これから反復継続的にアプローチをすることによって、まず知名度を上げる、そしてその技術というものをアピールしていく、そういうことにつなげていきたいと思っております。その意味では、先方からのご提案で、今、準備を進めておりますが、モスクワの中小企業を中心とした企業団が北海道にいらっしゃって、日本の中小企業の方々と交流することが9月早々に予定されておりますので、その際にも北海道のいろいろなことをロシア全土、特に西のほうの方々に知っていただく良い機会になるかなと、そんなふうに期待をいたしております。

(STV)
  今の質問に関連しますけれども、今回イノプロム2017に行かれて、課題ということで、今、北海道の知名度の低さということがあったと思うのですが、現地のほうでも聞かれたかとは思うのですけれども、流通とかそういうものに関する問題点や今後の課題などをもし意識されたのであれば、どんなことであったかお聞かせください。

(知事)
  地図で見てお分かりかと思いますが、距離が離れておりますので、流通、物流などについては、極東地域と比較しますとアプローチが難しいというふうには思います。ただ、付加価値の高いものは飛行機で運ぶことによって時間の短縮ができるでしょうし、私どもとしてはやはりロシアサイドのニーズとのマッチングができるかどうか、そこにかかっているのかなというふうに思った次第でございます。そこが通ずれば、おのずと流通の問題、物流の問題にも道は拓けてくるかなというふうに思っているところでございます。

(北海道新聞)
  水産業の関係なのですけれども、沖合いの太平洋の公海におけるサンマ資源の管理の仕方を考える北太平洋漁業委員会(NPFC)の会議が、札幌市内で今日から3日間の日程で始まりました。北海道の釧路や根室など道東のサンマ漁は、最近かなり不漁が続いていまして、その原因として太平洋公海の沖合いで中国や台湾の漁獲が増えていることが一因なのではないかという指摘もあるのですけれども、今回、交渉の中で漁獲枠の新設などが話し合われるという見通しになっているのですけれども、この交渉に知事としてどのようなことを望むかということをお伺いできますでしょうか。

(知事)
  サンマという魚は、私は個人的にも大好きでありますが、道民ばかりではなく、多くの国民が大好きだと思いますし、北海道の道東地域の経済を支えると言っても過言ではない魚だと思います。そのサンマは、生で出荷もいたしますし、また、水産加工業あるいは流通業など関連の産業群も多いわけでありますが、それが今、不漁であります。不漁の理由は、地球温暖化などいろいろあるとは思いますが、その一つとして、今おっしゃったとおり、北太平洋の公海上で台湾や中国の漁船による漁獲量が急増しており、これはどのように証明するかということはなかなか難しいところだとは思いますが、特に台湾の漁獲量が絶対量として多い状況にあります。中国も急増しておりますが、平成27年の漁獲量で見ますと、やはり台湾が多いと思います。そういう中で、日本から提案されますこの漁獲枠の設定ということ、これによって適切な管理措置が行われることを大いに期待するものであります。私ども道の水産林務部の職員もこの会議の情報収集に当たっているところでございます。ただ、交渉事であり、どのようになるかということは、これから見極めていく必要がありますので、われわれが期待するような成果がこの委員会の中で実現しなかった場合には、国に対して働き掛けをしていかなければならない、そんなふうに思っております。

 


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