知事定例記者会見
・日時/平成29年8月4日(金) 14:31~15:04
・場所/記者会見室
・記者数/25名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 ベトナム等への訪問について
2 オレオレ詐欺被害防止について
3 お盆時期における交通事故防止について
記者からの質問
1 空港民営化について
2 IRについて
3 旭川医科大学の入学定員等について
4 内閣改造について
5 シンガポールへの訪問について
6 日米共同訓練について
7 知事の夏休みの過ごし方について
8 次期知事選について
9 東京オリンピック・パラリンピックに係る費用負担について
知事からの話題
ベトナム等への訪問について
私からは3点であります。 明後日8月6日から10日までの日程で、ベトナムとシンガポールを訪問いたします。ベトナムでは、ハノイ市とホーチミン市の2市を訪問いたします。
ハノイ市では、政府関係の方々との懇談もあり、4月に北海道にもいらっしゃったズン計画投資大臣との面会などを行うこととしておりまして、今後の北海道とベトナム間の交流促進に向けた覚書を締結する予定です。
ホーチミン市は経済の活発な都市でございまして、北海道の食や観光をはじめとする幅広い分野のプロモーションを実施したいと考えているところでございます。道内におけるベトナムへの関心は大変高まっているところでありまして、道議会そして経済界など多くの皆さまにご一緒に訪問していただけるということは、大変心強い限りであります。
最後に、シンガポールでスクート社を訪問させていただくこととしております。
ベトナム出張は、実は昨年の初め頃から模索していたところでありまして、実現を大変心待ちにしておりました。ぜひ、ベトナムと北海道との交流拡大を加速させたいと、そんなふうに思っております。
オレオレ詐欺被害防止について
〔配付資料:オレオレ詐欺被害防止「絆メッセージ」の取組について(PDF)〕
二つ目は、オレオレ詐欺被害防止についてであります。
道内におけるオレオレ詐欺の被害は、今年の6月末現在で70件となっております。被害総額は約1億9,000万円で、前年の同時期と比較いたしますと、件数で約7倍、被害総額で約22倍と信じられないほど大幅に増加しているところでございます。
典型的な手口は、電話を用いて息子などになりすまし、金品をだまし取るもので、被害者の9割以上が65歳以上の方々でございます。こうした被害を防止するため、私、北海道知事が会長を務めます「北海道犯罪のない安全で安心な地域づくり推進会議」において、「絆メッセージ」を作成し、北海道市長会や北海道町村会など70の構成団体などに周知したところであります。
これからお盆時期を迎え、帰省する方も多いと思いますが、この機会に、ご両親や祖父母などに、絆メッセージを活用してオレオレ詐欺被害防止を呼びかけるなど、「家族の絆」を強め、被害に遭われないよう注意喚起をしていただければと、このように思います。
お盆時期における交通事故防止について
〔配付資料:交通事故発生概況(平成29年8月3日現在速報値)(PDF)〕
三つ目は、お盆時期における交通事故防止についてであります。
道内における交通事故死者数は、昨日(8月3日)現在で75人となっておりまして、前年同時期よりも1人減少しているものの、これだけ多くの方々の尊い命が失われているということは、大変残念な状況であります。
これからお盆時期、夏休み時期、帰省や墓参りなどで車を運転する機会が増えると思いますが、例年、この時期には、前方不注意や速度超過などによる正面衝突や単独事故が発生していることに加えまして、高齢者が関わる事故も多発しております。道民の皆さま方におかれましては、くれぐれも安全運転に心掛け、交通事故の防止に努めていただきたいと思います。
また、飲酒運転は言語道断であります。「飲酒運転をしない、させない、許さない」、このことについて強い気持ちを持っていただき、飲酒運転の根絶に取り組んでいただきますようお願いを申し上げる次第であります。
私からは以上3点であります。
記者からの質問
(北海道新聞)
今週月曜日、7月31日に空港民営化の関係で基本スキーム案が発表されまして、マーケットサウンディング(民間投資意向調査)が始まりました。2020年の民営化に向けて、いよいよ具体的な作業に入ったわけですが、まず、このことについての所感と道に求められる役割をどう考えられるかをお聞かせください。
(知事)
6月7日に国、道、帯広市、旭川市の4管理者で5原則についての確認をさせていただき、これから一体となって7空港の一括民間委託を円滑に進めていくということの意思の疎通を図ったところであります。その後も一歩一歩、関係者間で協議が進み、7月31日に経営改革協議会(北海道における空港経営改革に関する協議会)の場で、今、おっしゃったとおり基本スキーム案が公表され、それを踏まえてマーケットサウンディングが始まっているという状況であります。いよいよ進み始めたというのが私自身の思いでございます。
そして、9月9日に国と道の主催で「HOKKAIDO空港運営戦略フォーラム」を札幌で開催させていただきますが、これまでもこの一括民間委託の実現に向けて大変お力添えをいただいている竹中平蔵先生に基調講演をしていただくこととなっておりまして、私どもも楽しみにしており、一人でも多くの道民の皆さま方、あるいは道外の皆さま方にも私どもの思いというものをお伝えしたいと、こんなふうに思っているところでございます。
このマーケットサウンディングの手続きの期間は9月11日で終わりますが、私どもといたしましては、マーケットサウンディングによりいただいた、この取り組みに関心のある企業などの方々のご意見も踏まえて、道内の7空港の一括民間委託が北海道の広域観光、あるいは地域の活性化にしっかりとつながるものになるように取り組んでまいりたいと考えております。
(北海道新聞)
知事が冒頭におっしゃった6月7日の管理者の5原則の中で、原則としては、選ぶ側、選ばれる側の立場の混同につながる管理者による出資は行わないと、国、道、帯広市、旭川市の出資は行わないということを原則として確認したところだと思いますが、あらためて道の出資についてどう考えておられるかお聞かせください。
(知事)
そのことについては、今まで議会で答弁しておりますことと何ら変わりはありません。
(北海道新聞)
カジノを含むIRについての質問です。先月(7月)31日に政府の有識者会議がIRについての制度設計の大枠をまとめましたが、今回の制度概要について知事はどう受け止めるのかという点と、今後どのような対応を取るのかという点について、2点伺いたいと思います。
(知事)
政府での検討も一歩一歩進んでいるのかなというふうに思います。7月31日に有識者会議の報告書が山内議長の下でまとめられ、それを踏まえて、これから政府のほうでもさらにいろいろな検討をされるのでしょうが、加えて、北海道を含む全国9カ所で公聴会が開催されると伺っているところでございます。議員立法という形で、ギャンブル等依存症対策基本法案が、前の通常国会に提案されましたが、継続審議となっていると理解しております。政府におかれては、秋の臨時国会にIRの実施法案の提出を予定していると伺っておりますが、その前提ではないのですけれども、この社会的に影響がある負の部分への対応の基本法案というものが継続審議になったということとの関係を見極めていかなければならないと考えております。私ども道といたしましては、道内で3地域が関心を持っておられて、それぞれ住民説明会を始めておられるなど、自治体ごとにさまざまな動きをしておられるようでありますが、そのような3地域の検討状況も把握しながら、一方で、私どもの重大な関心事であるIRの導入、特にカジノの部分の導入に伴う社会的なマイナスの影響などに関する調査の実施のほか、IR事業者の方々も国内外、特に外国の方々が関心を持っておられますので、そういう方々との議論などを行い、われわれとしてまだ意思決定は何もしておりませんので、見極めをしていかなければならない、こんなふうに考えております。
(北海道新聞)
旭川医科大学が北海道の奨学金である地域枠医師制度の奨学生の定員を17人から12人に減らすというふうに7月末の医療対策協議会で表明されたかと思うのですけれども、これについて三つ質問がありまして、まず知事はこの決定についてどう思われるのか。そして地域で働く医師が5人分減ることになるのですけれども、これについての対策などはどうお考えか。あと吉田(旭川医科大学)学長がその理由として、医師の供給が過剰になるからというようなことをおっしゃっていたのですけれども、知事自身は北海道で医師の供給が過剰になるとお考えでしょうか。
(知事)
この問題につきましては、今年3月に開催され、私も出席いたしました北海道医療対策協議会の場で吉田学長から表明がございました。暫定的な入学定員増の7名について、平成29年度をもって返上するという意向表明があり、その後、私どもから継続をしていただくよう働き掛けをしておりましたが、このたび、旭川医科大学において7名返上とおっしゃっておられたのを、2名の定員を継続する形で5名返上すると決定されたというふうに理解をいたしております。一言で申し上げますと大変残念であります。
医師の数が過剰かどうかということについては、確かに人口減少が日本全体で進んでいるという現実があって、将来的な展望を考えた場合に、全国のマクロベースで過剰かどうかということは、いろいろな議論があろうかと思います。道内について見ますと、確かに現時点におきまして、人口10万人当たりの医師の数は、全道と全国平均ではあまり差はありません。その意味では、全国の現状における医師の状況と、道内全体では差はないというふうに見ることができるわけでありますが、問題は地域ごとの偏在ということであります。これは以前から申し上げておりますが、札幌市を中心とするエリア、それから旭川市を中心とする上川中部エリア以外は、医師が非常に足りないという厳しい状況にあるという現実があります。そういうことを考えた場合、私どもは地域における医師確保ということは、やはり依然として道政上の課題として大変重要な問題であるという認識を持っているところでありまして、だからこそこの地域枠というものを設けたということであります。
ここで返上されてしまう部分につきましては、他の医育大学への働き掛けを行ったり、従来から実施しておりますドクターバンク事業などさまざまな手段を総動員して、道内で特に医師が足りない地域に対する対策をしっかりと行っていかなければならない、そんなふうに思っております。
(HBC)
昨日(3日)、内閣改造がありましたが、あらためてですけれども、新しい内閣の顔ぶれの率直な感想と、もしその中で特に仲が良かったり、以前、深くやりあったりだとか、そんな思い出やエピソードがある方がいましたら、その時の様子も含めて教えてください。
(知事)
昨日、第三次安倍第三次改造内閣がスタートしたということでありまして、昨日のテレビに生出演された総理のお話を聞いておりましたけれども、結果を出すのだとおっしゃっておりましたが、これは日本全体の話としては、指標で見る限り景気は良い状況にあるにも関わらず、なかなか実感が湧かないこの状況を、より一歩進めるご努力をして結果を出していただきたいということ、それから、やはり地域創生ということを北海道を挙げて、今、取り組んでいるところでございますので、そういったことについて、いろいろな支援をしていただきたいということ、さらには、安倍政権が熱心に取り組んでおられます北方領土問題の解決に向けて、共同経済活動の実施や墓参を含めた往来の円滑化など、北方領土問題に係るさまざまな政策などについて結果を出していただく、そういう仕事をぜひしていただきたいというふうに思うわけであります。
閣僚の方々には、今回、残念ながら道内ご選出の方はいらっしゃらないわけでありますけれども、私も長く知事をさせていただいておりますので、全員存じ上げている方かなと思います。茂木先生は最近政調会長として道内にご講演にいらっしゃった時にお話させていただきましたし、五輪担当大臣の鈴木俊一先生は、今回、世界遺産の推薦候補とならず大変残念でしたけれども、北海道北東北縄文遺跡群世界遺産登録推進議員連盟の会長でいらっしゃって、いろいろとご指導もいただきました。それから環境大臣をされておられた時も、さまざまなお話をさせていただいた記憶がございます。復興大臣の吉野先生は、2月の原子力防災訓練の際に北海道へいらっしゃって、さまざまなお話をさせていただいて、大変明るい感じの方だなという記憶がございます。全体としてはやはり総理のおっしゃったとおり、結果を出していただく、そういう内閣であっていただきたいと、そんなふうに思っております。
(NHK)
来週木曜日のシンガポールのスクート社の訪問ですけれども、訪問の狙いについて、具体的にお尋ねしたいのですけれども。
(知事)
この件は、地域間で競争している部分もございますので、北海道の空港の売り込みに行きたいと考えているという程度に留めさせていただきたいと思います。状況によっては、あらためてお話をさせていただきたいと思います。
(HBC)
前々回(7月19日)の会見でも質問がありましたけれども、オスプレイの訓練の件ですが、来週始まるということですけれども、演習場のある地元では、不安や懸念が多々あるようです。それらを踏まえて、あらためて訓練に対する道の姿勢を教えてください。
(知事)
7月28日に防衛省から今回の訓練の具体的な内容が公表されまして、その公表された資料の中で、オスプレイがこの訓練で使われるということが明確にされたところでございます。オスプレイの使用も含めて、今回の共同訓練は、沖縄県の負担軽減を図るということで、沖縄県外に移転して実施されるということでございます。先般、岩手県で開催された全国知事会議の時にも、沖縄県の翁長知事がいらっしゃって、私も含めた皆さんに、いつも大変ご理解をいただきありがとうございますというような趣旨でご挨拶をされておられました。私は知事会のメンバーとして、この沖縄県の基地活動の負担軽減を図るために訓練の一部移転の意義ということは、やはりしっかり踏まえなければならないと、こんなふうに思うわけであります。
しかしながら、一方で、オスプレイにつきましては、米軍や政府が安全性は確認されているということを言っており、また、今度、自衛隊で導入し、佐賀空港に配備するという話があるようで、全国知事会議の懇親会の時に佐賀県の知事ともそういったお話をしておりましたけれども、いずれにしても、道民の皆さま方に安全性に関する不安のお声が多々あるということは事実であり、このことについても道知事としてしっかり踏まえなければならないと、このように思うわけであります。
そういった中で、7月28日の防衛省による公表直後に、まず、事務的に安全管理等について申し入れをさせていただいた上で、あらためて昨日、3訓練場における今回の訓練、一部の訓練場ではオスプレイは使われないということを伺っておりますが、この3訓練場に関係する地元の自治体の皆さま方と一緒に窪田副知事が防衛局に出向いて、安全確保や規律の維持など、万全の措置を講ずること、このことはオスプレイの夜間飛行訓練についても当然でありますが、そういった申し入れをさせていただいたところでございます。私どもとしては、こうした申し入れを行った上で、しっかりと8月の訓練の状況を見極めていかなければならない、こんなふうに考えております。
(北海道新聞)
ベトナム訪問の後に夏休みを取られると思うのですけれども、いつからいつまで取られて、どのように過ごされるのか教えてください。
(知事)
いつからいつまでが夏休みという考えはございません。公務がない日は家で資料を見たり、家族と一緒に市内を散策したり、そのようなことをしたいと思っているところであります。8月12日は仕事が入っておりますし、公務があれば出勤することもございますが、いつもどおり仕事最優先で、夏休み期間を過ごしていきたいというふうに考えております。
(北海道新聞)
知事は7月28日の江差町での後援会の会合で、次の知事選に関して「素晴らしい人がいれば譲る。いないなら頑張らなければと思う。一生北海道のために尽くしたい。」と発言されました。真意を教えていただければと思います。
(知事)
あの場でマスコミの方はいらっしゃらなかったと思いますので、どのような形で私の発言が伝わったのかは分かりませんが、私自身どのような趣旨のことを申し上げたか、あまり明確な記憶はございません。久しぶりに江差町を訪問して、夜、若干の時間がございましたので、首長や議会、それから農協、漁協のほか商工会をはじめとする各種経済団体の関係の皆さま方と地元の食べものをいただきながら、楽しくひとときを過ごさせていただいたところであります。皆さま方が、もう4期目の折り返しに入った高橋がどのように考えているのかということに関心があるのではないかということで、そういうことを話題にしたような記憶はございますが、正確にあのとき何を話したのかということについては、覚えておりません。
(北海道新聞)
その時に何と言ったかは別として、実際に素晴らしい人がいれば譲るとか、いなければ頑張らなければならないと思う、というふうに、今、思われているのでしょうか。
(知事)
5選目、再来年の選挙ですか。全くそこまで思いは及んでおりません。
(北海道新聞)
今、素晴らしい人はいるというふうに思いますか。
(知事)
どうでしょうか。
(共同通信)
東京オリンピック・パラリンピックの費用負担の問題で2点お尋ねします。東京都では都外の開催費350億円の財源に宝くじの収益を充てる計画を立てておりますが、1点目はその計画について打診があったかどうか、2点目はその計画の是非について、それぞれお答えいただければと思います。
(知事)
事務的に打診があったかどうかについては、担当部にご確認いただければと思いますが、岩手県で開催された全国知事会議に小池東京都知事もいらっしゃいまして、小池知事が私に対して、宝くじの収益金の活用を念頭に置いているとおっしゃっていました。ただ、その場で回答を求められたわけでもございませんので、その場でその話は終わっております。北海道に戻ってから具体的に担当部と議論する時間はなかったのですが、宝くじの収益金を使うことについては、札幌市や東京都以外の近隣の自治体の方々のお考えもあると思いますので、この場で北海道として良いとか悪いとか、軽々に申し上げないほうが良いかなというふうに思う次第であります。ただ、いずれにいたしましても、時間もございませんし、五輪担当大臣も代わられたので、早く関係者で議論を深めて、鈴木大臣を中心に東京都や組織委員会としっかりと議論を深めていただいて、われわれとも意思の疎通を図っていただければというふうに思っております。
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