知事定例記者会見
・日時/平成29年8月29日(火) 15:35~16:01
・場所/記者会見室
・記者数/28名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 北朝鮮による弾道ミサイル発射について
記者からの質問
1 北海道防災総合訓練等について(1)
2 JR北海道の事業範囲見直しについて
3 北朝鮮による弾道ミサイル発射について(1)
4 北海道防災総合訓練等について(2)
5 大雨等災害から1年を迎えて
6 中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)について
7 北海道防災総合訓練等について(3)
8 北朝鮮による弾道ミサイル発射について(2)
知事からの話題
北朝鮮による弾道ミサイル発射について
〔配付資料:平成29年度北海道防災総合訓練の実施について(PDF)〕
〔配付資料:弾道ミサイルを想定した訓練の実施について(PDF)〕
私からは1点であります。
今朝9時から、私が宗谷から参加いたしました緊急会議におきましてもお話をさせていただいたところでありますが、本日午前5時58分頃、北朝鮮がわが国の方向に向けてミサイルを発射し、Jアラート(全国瞬時警報システム)が起動いたしました。今回のミサイルは、北海道の上空を通過し、襟裳岬東方約1,180キロメートルの太平洋の公海上に落下したものと推定されるという報告を受けているところであります。
北朝鮮により繰り返される弾道ミサイルの発射によりまして、道民ばかりではなく日本国民全体で不安が増している中、北海道の上空を通過するミサイルが発射されたことは、道民の安全・安心に対して、これまでにない重大かつ深刻な事態であり、断じて容認できないと、このように考える次第であります。
道といたしましては、Jアラートを受けてすぐに全振興局及び全市町村に情報が伝達されていることを確認するとともに、被害状況の確認を行い、現時点では、道内において被害が発生していないことを確認しているところでございます。その後も引き続き情報収集するように担当部局へ指示をしているところであります。
政府におかれては、北朝鮮がこのような国連安保理決議に明白に違反した暴挙を繰り返すことのないよう、国際社会と連携の下、しっかり対応していただきたいと、私としてはこのように考え、このことについて要請していかなければならないと考えているところでありますし、何にも増して、道民の皆さま方の生命や財産、安全の確保が重要でありますので、万が一の事態に備え、引き続き全力で取り組んでまいります。
なお、本日予定しておりました防災総合訓練は、記者会見の前に一部実施したところであり、また、当初から予定しておりました弾道ミサイルを想定した訓練は、関係機関との連携強化あるいは職員の対応能力の向上などを目的とするものであることから、この記者会見の後に予定どおり実施したいと考えているところであります。
また、今回のミサイル発射に関しましては、道から市町村への連絡文書をFAXで発送する際に、文書の左上に「訓練」と表記したものを誤って送信したというミスがあったと報告を受けているところでございます。これに加えて、今回のミサイル発射に関しましては、現在、詳細は確認中でありますが、道の「北海道防災情報システム」のほか、道内十数カ所の市町村においても不具合が発生したとの報告を受けているところでありまして、詳細が把握できた段階で、担当部局から皆さまに報告をさせていただきたいと考えております。私どもといたしましては、それぞれの原因の究明と再発防止の取り組みをしていく必要があるというふうに考えているところであります。
私からは以上であります。
記者からの質問
(NHK)
二つ伺います。
今日、実際にミサイル発射という事態になって、市町村へ連絡文書を発送した時に、「訓練」という文字が付いてしまったということは、道庁内部の訓練が成熟していないというか、訓練がまだ完璧ではないのではないかと思うのですけれども、訓練の今後の重要性について伺います。
もう1点は、今日からJRの見直し問題に向けまして、道が石北線に有識者を派遣して議論が始まりました。これは地域ごとの議論を加速するものだと思うのですけれども、そのことについての期待感みたいなものをお願いします。
(知事)
一つ目のミサイル発射につきましては、訓練ではなく、実際にミサイルが発射されたにも関わらず、早朝ということもあって、担当職員に今日訓練が予定されていることとの混同があったのではないかと思いますが、言い訳はできないわけでありまして、今回のミスは大変申し訳なく思っているところであります。だからこそ、今日これから弾道ミサイルを想定した初動対応の訓練を行い、9月1日には岩見沢市と滝川市のご協力もいただいて、住民避難訓練を行うこととしているところであります。あらためて庁内の関係部局でこれで十分かという議論をして、より一層の充実が必要であれば、まだ今年は日もありますので、さらなる訓練ということも視野に入れて、しっかり取り組んでまいりたいと、こんなふうに思っているところでございます。
それからJRにつきましては、今日は石北線、そして明日は札沼線沿線の皆さま方のところに、私ども道職員と共に鉄道ネットワーク・ワーキングチームフォローアップ会議座長の岸先生に一緒に入っていただくことになっております。先般、私から皆さま方にもご報告をしておりました有識者の方々と共に沿線に入って議論するということを順次させていただくこととしているところでございます。
岸先生からは、昨年から今年にかけてワーキングチームにおける議論の中で使ったさまざまな当該エリアの交通ネットワークの状況などについての資料のご説明をいただきまして、地元の沿線の方々とJR問題をどのようにこれから考えていくかということについて、しっかり議論を深めていきたいというふうに思っているところでございます。
こういった有識者の方々と道が一緒に地元に入って議論する取り組みについては、地域との調整が整い次第、JR単独では維持ができないと発表された13路線それぞれの沿線で展開をしてまいりたいと、こんなふうに思っているところでございます。国とは、単に支援という一般的な話ではなくて、国と道それから市町村がどのような形で協働して、JRに対して路線維持に向けて支援をしていくかという制度作りの議論をしていかなければならないわけでありまして、これは(国土交通省)鉄道局とわれわれがいろいろな形でやっていかなければならないですし、加えて、地元のさまざまな話し合いについてもやっていかなければというふうに思います。国は、やはり地元で話し合いをするのが先決であるということをおっしゃっています。私どもは、この問題のスタートラインは基金の金利が低下することによって、元々JRの民営化の時に積まれた基金の運用益が当初予定したほどにはならなかったということが大きな原因の一つであるという認識がもちろんありますし、それは、先にまとめた報告書(北海道運輸交通審議会地域公共交通検討会議鉄道ネットワークワーキングチームの報告書)などにそのように書いてありますが、国は、地元の話し合いということを前提として、国としての対応を考えるということをおっしゃっていますので、やはり私どもとしては、鉄路を一定程度しっかり残していかなければならないという強い思いを持っておりますので、現実的には、道内における調整と国との調整を並行して進めていかなければならない、こんなふうに思っております。
(毎日新聞)
北朝鮮のミサイル発射に関して2点質問なのですけれども、Jアラートでは、頑丈な建物や地下などに避難するようにという指示はしているのですけれども、具体的な避難場所などが国民保護法では設定されているものの、住民もそこまで把握していない可能性も結構あると思うのですが、道民に対して、普段から事前に準備しておくべき呼びかけがもしあれば一言いただきたいのと、国に対して要望というお話が冒頭あったのですけれども、国際社会と連携するというお話や、情報提供についてということかと思うのですけど、いつごろ国にどういう形で要請するのでしょうか。
(知事)
今朝、私は稚内におりました。携帯電話に通知がありましたし、地域の防災行政無線でも情報が流れておりました。屋外にいらっしゃる方は、とにかく近くにある頑丈な建物に入るようにという内容でありました。確かに道民の皆さまそれぞれの意識の問題になるかと思いますが、現に、先月は奥尻島の北西150キロメートルの日本のEEZ内にミサイルが落下したという事案もありましたし、今回は北海道の上空を数分にわたって飛びました。こういう中で、道民の皆さまお一人お一人に強い意識を持っていただく必要があるかと思いますので、今ご指摘いただいたようなことについて、日頃からさまざまな情報を入手して、いざという時にどのように行動するかということについて、道民の皆さま方への啓発ということをあらためて考えていかなければならない、そんなふうに思っております。
それから国への要望につきましては、今、申し入れをしておりますので、日程の調整がつき次第、行いたいと考えております。
(北海道新聞)
北朝鮮のミサイルの関係なのですけれども、弾道ミサイルが発射された中、当初の予定どおり、防災総合訓練とミサイルの飛来を想定した訓練が実施されましたけれども、実際に北朝鮮からミサイルが発射された中、こうした訓練を実施するということは、ミサイル発射への対応が不十分になる恐れがないのか、こうした状況下で訓練を予定どおり実施しようとされた理由と意義について教えてください。
(知事)
ミサイルが発射されて北海道の上空を通過し、落下したということについて、現時点で被害状況の報告はございません。これは船舶あるいは漁船も含めてです。そういう中で、私どもとしては、今、道民の皆さまの危機意識や職員の意識も高まっている中で、訓練を予定どおり行うということは意義があると考えた次第であります。
後半の訓練は、10月に入ってから行いますが、われわれとしてチェックすべき点があれば、さらに年内に訓練を行うことも視野に入れていきたい、このように考えております。
(北海道新聞)
ちょうど今月末で昨年の台風被害から1年になります。それに関連して、農地の被害に関してですけれども、今のところ被害を受けた農地の約8割が秋までに復旧するというような見込みになっているのですけれども、一方で、十勝管内とか上川管内の被災した農地の現場からは、例えば、農地は復旧したけれども畑の中に火山灰が入っているとか、整地があまり十分ではないというようなことがあって、耕作を以前のように始められていないというような不満の声も上がっているのですけれども、昨年からの一連の農地の被害ということを踏まえて、気象変動もあって、これから同様の被害は道内で起きることも想定されると思うのですけれども、昨年の被害を教訓として、今後、今回のような農地の被害への備え、例えば、農地を整備するための土を確保するなどいろいろな方法があるかもしれないのですけれども、そのような備えや対策についてはどのように考えていますでしょうか。
(知事)
昨年の台風に伴う被害は、道の記録では、「56水害」を超える全道規模の自然災害であったということで、十勝のほうでは特に農地が大きな被害を受けました。基盤整備したところにさらに肥料を入れたり、農家の皆さま、そしてわれわれも協力しながら長年にわたって肥沃な土壌を造って、大規模な十勝の農業を展開してきたわけでありますが、その土壌が根こそぎなくなったわけであります。このため、まず、土を入れることが重要でありますので、北海道開発局とも連携して農家の負担が少なくなるというメリットなどもあって、十勝では特に河川掘削土の有効活用ということを中心に実施させていただいたところであります。台風で流される前の農家の皆さまが苦労して造られた肥沃な土壌が流されたところに河川掘削土を入れたわけでありますが、その河川掘削土もいろいろあって、肥沃なものもあるでしょうけれども、当然そうじゃないものもあることは想像に難くないわけでありますので、農家の皆さまと道が連携しながら、フォローアップすることによって、元の肥沃な土壌に戻すという支援が必要であるというふうに思っているところでございます。そうは申しましても、それぞれの農家の方々あるいはそれぞれの地域によって被害や復旧の状況が違うと思いますので、振興局や農業改良普及センターなどがそれぞれの地域の特徴を踏まえる形で農家の皆さまと話し合い、営農技術指導も行うと共に、しっかりと土造りに必要な基盤整備を行って、農地の生産力を高めていく努力をしていかなければならないと思いますし、こういうことを通じて、被災した農家の皆さまへの支援をしっかりとやっていきたいと思っているところであります。
(北海道新聞)
水産の関係なのですけれども、昨日から太平洋クロマグロの資源管理に関して、国際会議の委員会が韓国の釜山で始まりまして、道内でも函館など道南でクロマグロの漁獲がかなりあって、今年はその小型魚の枠が4日間で上限に達するということもありましたけれども、道として、この交渉にどのようなことを期待していくのかということをお伺いします。
(知事)
まず、釜山で開催されております会議につきましては、日本全体の話になるかとは思いますが、日本政府サイドからの提案ということは、ご承知のとおりかと思います。ただ、その日本の提案に対してはいろいろな議論があって、われわれとしましては、まとまるかどうかということをしっかり注視していかなければならないと考えております。資源の状況が回復した場合には、自動的に漁獲枠を増枠する仕組みづくりなどを日本が提案すると伺っておりますが、これがどうなるかということにつきましても、しっかりと見極めていきたいというふうに考えております。
そういう中で、今おっしゃったとおり、一尾当たり30キログラム未満の小型のクロマグロについて、定置網漁業分として配分された年間の漁獲枠の上限に、4日間で達してしまったわけでありますが、定置網ですから漁獲対象の魚種を選ぶことができず、網に掛かってしまうわけです。そういう意味では、他の漁法とは少し性格が違うということもありますので、そういったことも踏まえまして、われわれとしては、漁獲枠をさらに増やしてほしいということを水産庁に要請をさせていただいたところでありまして、その中では、巻き網など他の漁業と定置網との漁獲枠の調整というようなことも申し上げておりますので、さらに働き掛けをしつつ、国の動きを見極めていきたいと、こんなふうに考えております。
(uhb)
実際に北朝鮮からミサイルが飛んだ時に「訓練」ということを書いて、市町村に送ってしまったということがあったと思うのですけれども、その他に何か、今後見直すべき課題があったのかということと、先ほどの訓練の中で、どういうところを修正して、訓練を実施したのかということを教えていただきたいと思うのですが。
(知事)
先ほど申し上げましたとおり、今回のさまざまなトラブルについては、今、詳細を担当部局が確認中ですので、明らかになった段階で、可及的速やかに皆さま方に報告させていただきたいと思います。その状況を踏まえまして、どう改善をしていくのかという議論になりますので、今この場で申し上げることは難しいと思いますが、先ほど申し上げましたとおり、そういうことを精査する中で、今回これから行う初動対応訓練あるいは来月行います住民避難訓練などに加えて、さらに私どもとして道民の皆さま方の意識の啓発も含めて行ったほうが良い点が出てくれば、関係市町村等と連携しながらさらなる訓練を行うことも視野に入れていかなければならないかなと、そんなふうに今の段階では思っております。
(uhb)
今日の訓練では何か踏まえた部分というのはあるのでしょうか。ちょっとミスがあったりというようなことがあったと思うのですけれども、例えば修正するという意味で、訓練に臨んだという部分はあるのかどうかというところは。
(知事)
今日の訓練の範囲内では、ないというふうに理解をしております。
(朝日新聞)
1点だけお尋ねします。今日、知事はミサイル発射の時、最高レベルの危機管理が求められる時に、道内とはいえ遠隔地にいらっしゃいました。そのことで、情報がうまく入らなかった、もしくは意思がうまく伝わらなかったとか、今後に向けて何か課題を感じるようなことがあれば教えてください。
(知事)
全くございません。
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