知事定例記者会見(平成29年11月8日)

知事定例記者会見

・日時/平成29年11月8日(水) 14:00~14:16
・場所/記者会見室
・記者数/13名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 冬の交通安全運動について

記者からの質問

1 日EU・EPA交渉について
2 TPP協定について
3 JR北海道の事業範囲の見直しについて

知事からの話題

 

道産食品の販路拡大について

 〔配付資料:冬の交通安全運動について(PDF)〕
  私からは1点であります。
  冬の交通安全運動についてであります。
  11月11日土曜日から20日月曜日までの10日間、冬の交通安全運動を展開することとしております。全道統一行動日の13日月曜日には、交通ルールの遵守等を呼び掛けるセーフティコールを道庁前庭で実施いたします。
  これからの時期は、降雪や気温の低下により、特に早朝や夜間は、凍結路面による事故が予想されまして、路面が黒く濡れて見えるところは凍結しているおそれがあり、大変危険な状況であります。車を運転する際は、天候や道路情報を十分把握し、スピードダウンと車間距離の確保を心掛けていただきたいと思います。
  道では、今年度、飲酒運転根絶ロゴマークを作成しまして、私からのメッセージと併せて、このマークが入った夜光反射材を配布するなどの取り組みを進めているところでありますが、飲酒する機会が増える年末に向けて、飲酒運転は、「しない、させない、許さない」という強い気持ちを持って、根絶に取り組んでいただくようお願いいたします。
  私からは以上であります。

記者からの質問

(NHK)
  明日から、日EU・EPAの件で国に要請に行かれるということなのですけれども、知事としてどういったところを重点的に要請していくのか、お考えがあれば教えてください。

(知事)
  明日(9日)の国への要請の直後(10日)に、ベトナムのダナンでAPEC首脳会談の場を活用したTPPの首脳会談が予定されております。7月には、日EU・EPAの大枠合意がなされ、今回の日米首脳会談では、あまり大きな話題にはならなかったようではありますけれども、日米間のFTAについてもいろいろな報道がされておりますが、国際貿易交渉というのは、これからもいろいろな枠組みで議論が進むでしょうし、そのたびに、私ども第一次産業を基幹産業とする北海道としては、いろいろな情報収集に努め、スピーディーに対応していかなければならないという思いは常に持っております。
  私どもは、日EU・EPAの大枠合意ということを踏まえまして、これが実行されるとさまざまな影響が出るということで、9月にその影響と必要な対策をまとめましたし、国も今回まとめたと理解をしております。
  そういう中で、日EU・EPAの実行に伴う影響に対応するための国内対策について、要請をしていかなければならないということが一番大きなテーマだと思っております。そのことを全くゼロから政策として立ち上げてもらうというよりも、むしろTPPという交渉はすでに形としてあり、国会のプロセスも経ております。これに対応するための「総合的なTPP関連政策大綱」は、日本を取り巻く国際貿易交渉による国内産業への影響をいかに緩和するかということに着目した包括的な政策大綱だと理解しておりますので、これを改訂するような形で、今回の日EU・EPAの大枠合意に伴ういろいろな影響を緩和する政策も入れ込んでほしいという要請を行うことが、一つ目のポイントだと思っております。
  具体的には、チーズなどの乳製品に大きな影響があると思っておりますので、その対策であるとか、農林水産業の体質強化に向けた対策の充実強化、それからマルキン事業など農業者の経営を安定させる枠組みがありますので、それをもっと充実させてほしいということなどを農林水産大臣にご説明したいと考えております。
  もう一つは、先ほど申し上げましたとおり、日米間の貿易がどうなるかということやRCEP(東アジア地域包括的経済連携)、そしてTPPなど、いろいろな国際貿易交渉において、特に北海道は一次産業を基幹としておりますし、また、農業をはじめとして、北海道は国内全体における食料供給基地としての位置付けがございますので、そういう観点から北海道の農林水産業がしっかりと再生産が可能となるような環境整備をしてほしいということと、健全で持続的発展が可能となるような環境整備をしてほしいという観点から、毅然とした外交交渉をしっかり行ってほしいということも、併せて、農林水産大臣に要請をしなければならないと、そんなふうに思っております。


(北海道新聞)
  今の質問と少し関係があると思うのですけれども、TPP11も今日からベトナムでの閣僚会合で議論されるということで、日本国内だと農業団体から乳製品の輸入枠や牛肉・豚肉の関税などについて、米国が離脱したのだから当然見直すべきだという声も強いですけれども、日本は今回の会合での決着を優先させるというような報道もされております。実際に協定が発効した場合、北海道への影響をどのように懸念されているかということと、国へ求めたいこと、そして道として考えている対策について教えてください。

(知事)
  必ずしも情報が十分にございませんので分からない部分もございますが、私どもとしては、TPPの大筋合意という話が出た段階で、それに対応する総合対策を実行してほしいという要請を中心に行い、北海道の農林水産業の競争力強化や経営体質の強化などについて求めてきました。そうしたことなどを踏まえて、政府の「総合的なTPP関連政策大綱」ができておりまして、私どもとしては、政策の充実ということをしっかり求めていくことがやはり重要だと思っております。ただ、包括的な形では、先ほども申し上げましたとおり、毅然とした外交交渉のスタンスで臨んでほしいということは、明日も申し入れを行いたいと思っております。
  これから日米間における交渉がどうなるかなどを含めて、いろいろな貿易交渉が進んでいくことが想定される中、日本国内は人口減少が著しいわけでありまして、国内マーケットのみを対象として国内の産業が生き残っていくことは難しいと、これはおそらく、一次産業についても同じようなことが言えないわけではないと思いますし、その意味では、国際的な貿易交渉で国境措置を一定程度行ったうえで、マーケットの可能性を世界に求めていくということは、北海道としてもやはり重要な観点かなと思わざるを得ない部分もあります。そういう中で、やはり何より重要なことは、北海道の一次産業をいかに付加価値が高く、競争力があるものにしていくのかということだと思っており、そういう観点から、今までも国に対してもいろいろな要請をしてまいりましたが、ご質問のございました道の政策につきましては、現在、来年度のさまざまな政策を内部で議論しております。限られた財政状況の中ではありますけれども、競争力を高める、あるいは、その前提として担い手を確保していくということも大変重要でありますし、経営体質強化をはじめとして、しっかりと行っていかなければならない、そんなふうに思っております。

(北海道新聞)
  昨日、JR北海道が中間決算を発表しました。JRタワーの収益を含めても、グループ全体で経営状態はかなり苦しいということを強調していました。
  知事は以前、JR九州の例も挙げて、儲けられるところで儲けて、それを投入すべき分野に資金を投入するという考え方があるのではないかという指摘も沿線の中にはあったとおっしゃっていましたけれども、JRは自助努力だけではなかなか厳しいということを言っていると思います。こういう状況について、どのように捉えていらっしゃるでしょうか。

(知事)
  昨日、JR北海道の第2四半期決算が発表され、今年度の通期の経常損益の見込みが140億円の赤字、昨年度の通期の経常損益の実績が148億円の赤字と報告を受けております。あくまでも見込みということですけれども、若干は改善ということかなと思います。ただ、今おっしゃったとおり、私どもからの要請も踏まえていただき、グループ会社それぞれについても公表がなされ、一部の会社では赤字があるようですが、多くの会社が黒字で赤字分を若干は相殺したようでありますが、JR本体の大きな赤字をカバーできるような状況ではない数字であると理解しております。想像していたところではありますが、あらためて、JR北海道の厳しい経営状況を再確認したということが私の率直な思いであります。新幹線を含めた全路線が赤字ということでありますが、新幹線については開業前から当初は赤字であるということはおっしゃっていたので、そういう意味では想定の範囲内かもしれませんが、正確に申し上げますと、新幹線については計画値よりも数億円赤字の幅が広がっているということもございますし、それ以外の札幌近郊も含めた路線についても厳しいということを再確認いたしました。
  今、いろいろな議論を進めておりますが、私どもは三本柱で進めております。一つ目として、鉄路を含めた道内全体の交通ネットワークビジョンをどのように見定めるかということを年度内という時間軸の中で作業をしております。また、二つ目として、沿線地域それぞれにおける協議や話し合い、これは水面上水面下も含めてありとあらゆることを私どもも主導しているところであります。そして、三つ目として、国への支援要請についても、いろいろ手分けをして、させていただいておりますが、やはり、こういった作業を加速していかなければならないという思いを強くしたところでございます。
  先月末(10月28日)、四者会議も行いました。JR北海道の島田社長、市長会、町村会のトップの方とお話させていただきました。その時に初めて、JR北海道の島田社長が自分たちも国への支援を求めるとおっしゃっていました。今までは国に支援を求めるということをわれわれが申し上げても、JR北海道自身が支援は必要ないとおっしゃっているということが実はあったわけですけれども、今回、同一歩調になったということもございますし、繰り返しになりますが、今回の決算の発表も踏まえまして、今、申し上げました三つの柱の下に、私どもが関係諸方面と連携をしながら進めているさまざまな作業プロセスを、加速して進めていかなければならないという思いを強くしたところでございます。

 

 

 

 

 


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