知事定例記者会見
・日時/平成30年9月21日(金) 17:30~17:59
・場所/議会記者室
・記者数/21名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
1 平成30年北海道胆振東部地震について
2 秋の全国交通安全運動について
記者からの質問
1 大規模停電について(1)
2 大規模停電について(2)
3 北海道電力の対応について
4 観光産業に対する対応について
5 北海道胆振東部地震に係る要請について
6 自由民主党総裁選の結果について
7 土砂災害対策について
8 次期知事選について
知事からの話題
平成30年北海道胆振東部地震について
今日は2点、お話をさせていただきます。
一つは、9月6日に発生した北海道胆振東部地震のその後についてであります。地震から2週間あまりが経過いたしました。電気や水道などライフラインの復旧は進んでおりますが、いまだ停電、そして断水の中で不自由な生活をしていらっしゃる方も多々おられますし、また、一定の改善が進んでいるものの、大変多くの方々が今も避難生活を余儀なくされているという状況にございます。引き続き、被災地への支援に全力を挙げていかなければならない、このように考えているところでございます。
現時点で明らかになっている被害の状況などを踏まえながら、必要な対策、そして補正予算、これは今回だけで全て提案しきれるものではないと思いますが、以前から申し上げておりますとおり、頭出しできる部分については、この第3回定例会のしかるべきタイミングに取りまとめをして、ご提案申し上げることができるように事務方に作業を急がせているところでございます。
こうした中、地震の発生からこれまで、安倍総理をはじめ多くの閣僚の方々、また与党幹部の方々など、本当に多くの国会議員の方々にも被災地にお入りいただいたところでございまして、私どもからの要請あるいは地元に対する激励など、さまざまな形でご対応いただいたところであり、ありがたく思っているところでございます。
本道経済の復興に向けては、被災地の方々の生活をしっかり支援していくことに加えまして、一時期でありますが、全道が停電になったことを踏まえての北海道経済の復興ということが不可欠だと考えております。とりわけ、その中でも、今や北海道の基幹産業の一角であります観光の復活ということが不可欠だと思っているところでございます。これから秋は、紅葉をはじめ、自然のとてもきれいな北海道でございますし、豊穣の秋を迎えて、美味しいものも多々ある北海道でございます。こういった中で、私から9月18日付けで、道民の皆さま、そして道外及び海外の皆さま方へ、日本語、英語、中国語、韓国語、ロシア語の5カ国語でメッセージを発信し、それは今、政府の例えばJNTO(国際観光振興機構)やJETRO(日本貿易振興機構)を通じて世界へも届いているところでございまして、報道機関の皆さま方におかれても、積極的にPRをしていただくよう、心からお願いを申し上げる次第であります。
そして明日(22日)のことでありますが、今月は3連休が2回ありまして、2回目の3連休の前までには、何としても開催できるように私から事務方に調整を指示しておりました、われわれ行政と民間の方々など幅広い関係者の方々が一堂に会して復興を盛り上げていこうという、そういう協議会(緊急経済対策官民連携協議会)を明日立ち上げることとしているところであります。本道経済の復興に向けて、オール北海道で取り組んでまいりたいと、このように思っております。
秋の全国交通安全運動について
〔配付資料:交通事故発生概況(平成30年9月21日(現在速報値))(PDF)〕
〔配付資料:秋の全国交通安全運動について(PDF)〕
2点目は、秋の交通安全運動についてであります。
本日(21日(金))から30日(日)までの10日間、秋の全国交通安全運動を実施いたします。
期間中は道内各地で、街頭啓発や交通安全イベントなどに取り組むこととしております。
先ほどの繰り返しになりますが、これから実りの秋、行楽シーズンを迎えますので、これまでと同様に道内の方、道外の方にも多く来ていただいて、旅行やレジャーを通じて楽しんでいただきたいと、このように思っているところであります。
そういった中で、交通安全というのは、いつも重要なわけでありますが、これからの時期は、日に日に日没が早まります。歩行者が被害者となる交通事故の多発も懸念されますことから、スピードダウンや交差点での安全確認の徹底、あるいは、夜間外出時の反射材の着用などにご協力いただければと、このように思う次第であります。
また、地震の影響による交通規制が、いまだ一部続いております。道路状況にも十分注意していただきながら、交通事故の防止に努めていただきたいと、このように思います。私からは以上2点であります。
記者からの質問
(STV)
先ほど地震の関連で、全道にわたって地震が広がり、中でも経済の復興が不可欠というお話がありました。この後東京でも検証委員会(平成30年北海道胆振東部地震に伴う大規模停電に関する検証委員会)が開かれるということですが、まず検証委員会で、北電にどのようなことを明らかにしてほしいかということがあるかという部分と、あと停電の再発防止に向けて道として何か取り組む予定など検討していることがあれば教えてください。
(知事)
一つは国の検証委員会に対しての期待とそれから道としての対応をどう考えるかという以上2点ですね。
国が今回の、全道にわたる大規模停電で、これがどのような背景で起こったのかについて、第三者を入れた検証委員会で議論をするということは、世耕経済産業大臣が来られた時に、そういう方向だというお話があって、それが現に始まりつつあると。今日(21日)18時から第1回目の会議で、フルオープンでやると言っておられますので、私ども道の東京事務所の職員が傍聴に行っております。私どもとしては、供給域全域で停電が、一時期でも発生したということは、国内でも初めてだと思うのですが、何でそのようになったのかということを、ぜひ専門家の方々に検証していただきたいと思いますし、またそういったことを踏まえて、エネルギー政策に責任を有しておられる国においては、今後一切このようなことにならないような対応策を講じていただければと、このように思う次第であります。
いろいろなポイントがあると思うのですが、とりわけ、今回の事案を踏まえて、全国の状況などもあらためて見させていただきますと、やはり北本連系のキャパシティの小ささというのは、例えば本州と四国の間、あるいは本州と九州との間との比較において、今、(北本連系線の容量は)60万キロワットで、それを90万キロワットまで整備中ということでありまして、ここの脆弱性というか細さ、これがなぜなのかはいろいろな検証があるのでしょうけれども、今回の検証結果を踏まえて、やはりここを抜本的に拡充するということについてご検討を進めていただければという強い思いを持っているところであります。もとより、これを進めるためには、事業者の負担ということもあろうかと思いますが、そういったことも含めて、国のほうでさまざまな検討をしていただければと、このように思う次第であります。
そして、2つ目は道として今後どのように考えていくのかということであります。これは以前から道議会でも申し上げておりますし、この記者会見でも申し上げておりますが、大規模自然災害があった場合に、その対処、復旧・復興を急いで、一定の方向性が出た段階で検証を行うということにつきまして、2年前の8月から9月にかけての豪雨災害の際も大変でありました。人命救助もありましたし、復旧・復興もあって、農地も大変な状況でありました。確か10月下旬に災害検証委員会を立ち上げて、さまざまな観点から検証いたしました。あの時は豪雨で、例えば人命を救うために、道路の交通規制が適切に行われたかといった問題もありました。本当に幅広い観点からの検証を行うのが私どもの検証委員会でありますので、今回の事案を踏まえて、大規模停電が起きた場合の、道民の方々の生活への影響をできる限り緩和するということ、そしてスムーズに対処できるようにするということなども項目に入れて、検討をしていかなければならないかなと。これは危機対策局のほうで主導する委員会でありますが、まだ具体的にどういう項目を検討するかというところまで、私自身の思いもあるいは担当部局のほうでも、今目の前にいろいろなことがありますので、整理中だと思いますけれども、2年前の例からすると、10月下旬か11月ぐらいになりますかね、検証委員会を立ち上げて、しっかりと今後の防災・減災対策のレベルアップにつなげてまいりたいと、こんなふうに思っております。
(NHK)
合わせて、今のブラックアウト、大規模停電のことに関連しての質問をさせていただければと思うのですが、今回、未曽有の事態で、まさに想定外の事態だったということだと思うのですけれども、例えば地域防災計画、あるいは道の停電マニュアル等、私もいろいろ見させていただいたら、当然だと思うのですけれども、ブラックアウト、大規模停電を想定した記載というものがなかったということが、見ていて分かりまして、それについて、道としてこれまでそういった地域防災計画等で想定していたかどうかということと、先ほどすでにおっしゃっておりましたが、例えば防災計画の見直しなど、防災面で今後どのような対応が考えられるかということをお伺いします。
(知事)
分かりました。まず、後先になるかもしれませんが、今後の対応をどうするかについては、検証委員会の結果を待ちたいと、このように思っております。
本会議でもご答弁申しましたけれども、電力の安定供給、停電への対処ということについて、わが国では大規模な発電設備の停止が生じた場合においても需給バランスが保てるよう、国や電力事業者によりさまざまなセーフティネットが整備されていると、このように私どもとして承知しているところであります。しかしながら、そういう中で、この度は、現に国内初となるこれだけの大規模な停電が発生したところでありますので、また先ほどの話に戻るのですけれども、国の検証委員会のほうでしっかりとまず検証をしていただいて、再発防止ということに対応していただきたいと思います。
私どもとしては、万が一、こういう大規模な停電が発生したとしても、その影響をできるだけ緩和していけるよう、停電対応のあり方や非常時の備えなどについても検証していかなければならない、このように考えております。
(北海道新聞)
ブラックアウトに関する北電の対応について、代表質問では知事は北海道電力の責任は極めて重いという答弁をされましたけれども、前回の記者会見では、今の段階では申し上げるべきではないという答弁だったと思います。今になって、代表質問で北電の責任について言及した理由について、お聞かせください。
(知事)
さまざまな分野で、どういうことをどのような責任でやるべきであったのか、そしてそのことについて、再発防止をどうするべきかというのは、当然これは主として、国の検証委員会の結果として行われるべきものだという思いは全く変わっておりません。
しかしながら、総じて、電力の安定供給を行うということは、電力事業者であります北海道電力の責務でありますので、その意味で、代表質問でご答弁を申し上げたような表現を使わせていただきました。
(北海道新聞)
そうであれば、前回の11日の記者会見でもお話ができたのではないかなと思ったのですけれども。
(知事)
やはり、さまざまなことがその後、出てきておりますので、その中での判断であります。
(北海道新聞)
さまざまなことというのは、どういうことでしょうか。
(知事)
一つ一つはちょっと記憶にありませんが、電力供給について時系列を追っていろいろなことが進んでおりますので、そういった中での思いであります。
(HBC)
本日午前中に、安倍総理が会合で、北海道全域で宿泊料金の割引を実施すると、いわゆる「ふっこう割」にあたるものかと思うのですけれども、そういったお考えを表明いたしまして、これまで道内で非常に宿泊客のキャンセルですとか、経済被害も大きい額になってくるというお話もありましたけれども、こういった動きについてご所感を伺えればと思います。
(知事)
先ほど冒頭の発言でも申しましたとおり、北海道の経済の中で、やはり観光産業というものの位置付けが相当高まってきているということ、そしてそういう中でインバウンドが、例えば一昨年から昨年にかけても230万人から279万人に伸びているという、そういう上り坂にある観光産業が、今回の停電を通じて、風評被害も含めて大変大きな被害が出ているという現状であります。そういう中で、私たち自身も自助努力ということで、今週の火曜日(9月18日)、私から道内外の観光客の方々に対するメッセージも発信をさせていただきましたし、今、事務方に検討させております補正予算の中にも、観光キャンペーン関係のさまざまな予算も計上させつつあるわけですが、そういった中で、総理にはいち早く現場をご覧いただいて、私どもからの要請もご聴取をいただいた中で、「ふっこう割」、割引券付き旅行券に対する支援のご表明をしていただいたのは大変ありがたいと思う次第であります。
加えて、事務方はどんどんと政府に対して、政府と言っても観光庁もございますし、JETROをはじめ経済産業省もございます。さまざまな省庁に対して、「ふっこう割」のことも当然でありますが、観光の情報発信であるとか、観光プロモーションであるとか、具体的なメニューについて提案をさせていただいているところでございます。
私どもの思いとしては、この第3回定例会中に補正予算も出して、それを実行する。合わせて、国のほうもたぶん二段階だと思うのですが、今、既決予算の範囲内で、当然道の予算の規模よりも国のほうが圧倒的にお財布は大きいわけでありますので、既決予算の予備費というのでしょうか、その中でやっていただける部分、そして10月下旬ぐらいに想定されている秋の臨時国会に提出される補正予算、いずれも検討すると言っていただいておりますので、われわれもスピード感を国と連携をしながら、対応してまいりたいと、こんなふうに思っているところでございます。
日に日に秋も深まってまいります。紅葉の季節から冬の観光、冬の観光もこれから、北海道はハイシーズンになりますので、1日も早くスピード感を持って観光のさまざまなキャンペーン、これはやっていかなければならない、こんな思いでございます。
そして明日の民間の方々との協議会(緊急経済対策官民連携協議会)の場でもお声掛けをしようと思っておりますが、皆さまそれぞれのお立場で、もちろんわれわれ行政も、そしてわれわれと連携する観光振興機構も、そして観光庁、JNTO、JETROなど行政機関もいろいろな観光プロモーションを北海道のために行っていくわけでありますが、民間の方々もそれぞれに発信をしていただきたい、そのことはぜひ明日皆さまにお声掛けをしようと、こんなふうに思っております。
(共同通信)
連休明けの火曜日に、官房長官への要請ということで東京に行かれると思うのですけれども、これまでも、何度か国に対して要望の機会があったかと思うのですけれども、連休明けにあらためてどのような要請をされるご予定なのか、差し支えない範囲で教えていただければ。
(知事)
官房長官、それから農林水産大臣、国土交通大臣などにお会いして、それぞれ御礼かたがた、ご要請させていただこうと思っております。
官房長官は官邸の中枢におられる方でありますので、全ての項目について幅広いご配慮に御礼を申し上げると同時に、要請をさせていただこうと思っております。発災した9月6日、官房長官ともお話をさせていただいて、「政府も頑張るからあなたも頑張れ」という励ましもいただきました。その後、お会いするのは初めてでありますので、各省庁に関連するさまざまな政策要請をしっかり行ってまいりたいと、このように思っております。
(時事通信)
今、観光の話でも出たのですが、昨日、自民党総裁選で安倍晋三首相が3選を果たしました。観光以外でも期待すること等々あると思うのですが、その結果についてお伺いできますでしょうか。
(知事)
自民党は、最多の議席を有している政党ですし、政権与党としてのお立場もありますが、その党における総裁選の結果について、私がコメントする立場にはないかなと、このように思う次第であります。
しかしながら、これでまた、安倍総裁が政府を率いるお立場になります。北海道は、胆振東部地震の復旧・復興について、さまざまな要請をさせていただいておりますので、それをしっかりと受け止めていただきたいということもございますが、そういったことを含めて、地域から、地方からの声というものをしっかりと受け止めていただくような、そういう政権運営を心掛けていただければと、このように思います。
(NHK)
今、厚真町で広範囲にわたって土砂崩れの被害があったと思うのですが、その中で、国の土砂災害防止法で規定されている30度より傾斜が緩い場所でも土砂崩れが多数発生しているということが報道でもあったと思うのですが、それについて、道としてできることは限られているとは思うのですが、そういった特異な事案、事象について、どのように受け止めていらっしゃるか、あるいは道として何か対応できることがあるかどうかというところについてお伺いできればと思います。
(知事)
抜本的なことで申し上げれば、今回のような直下型の地震による土砂災害というのは、いわゆる土砂災害防止という政策の中では、あまり想定されていない、豪雨というか大雨を前提とした土砂災害への対処ということでありますので、その意味ではこれは北海道だけの問題ではなく、確か熊本の時も直下型でしたかね、予知は地震だからなかなか難しいのですけれども、全国的にこういう大雨を伴わない形の土砂災害にどのように対処するのかというのは、まずは政府のほうがお考えいただくことなのかなという思いを持つところであります。
今回の胆振東部地震がどのようなメカニズム、どのような崩壊のプロセスで起こったのかということを、今、専門家の方々が検証というか、調査を始められたということも聞いておりますので、その結果を待って、われわれ地方自治体としてできることはしっかりやっていかなければなりません。まずは応急対策として、現に土砂が崩れているところに、ビニールシートをかぶせるなどの対策を町と相談した上で、順次やっていかなければならない、そんなふうに思っております。
(読売新聞)
選挙の関係になりますけれども、昨日、自民党の道議会の一部のメンバーが、知事選の選考作業が遅れ気味だということで、知事の5選を望む立場の人たちが、早く選考作業を進めろというような動きをやった経緯があるのですけれども、こうしたことについて、知事のお立場から何か受け止めや、どういうふうに見えているかなどありますか。
(知事)
私も、そういった動きを道議会自民党の一部の方々がされようとしたということは、昨日(20日)の夜、ある方からお伺いをしたところでございます。御社はすでに記事を書いておられましたね。
私の立場で言えば、5選に推していただく方々がたくさんおられるということは大変ありがたいです。それは取りも直さず、ここまで高橋が一生懸命やっていることを評価いただいていることの裏返しだと思いますので、そのこと自身は大変ありがたいと思う次第でありますが、ただ、今、目の前はやはり、この北海道にとって、今まで経験したことのないような震度7の地震による災害対応に全力を挙げている状況でございます。
私自身が来年の4月の統一地方選に向けて、どのように臨むかということを考えて結論を出していかなければならないと以前から申し上げていましたが、ちょっとその思考は、ここ数週間は止まってしまっていたなという状況であります。
(読売新聞)
決断なり、スケジュールなりに影響は出ますか。
(知事)
そうは言っても4月が選挙でありますので、最終的な判断、結論、まだどちらとも全く決めておりませんが、最終的な判断、結論を得る時期は変えるわけにはいかないと、こんなふうに思っております。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。
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