知事定例記者会見
- 日時/令和元年5月22日(水) 11:45~12:15
- 場所/議会記者室
- 記者数/33名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 令和元年第1回臨時会の閉会にあたって
- 地域振興監の設置について
- G20観光大臣会合について
記者からの質問
- 特別職人事について(1)
- 道議会での答弁調整について
- 特別職人事について(2)
- 就任1カ月を振り返って
- JR北海道の事業範囲の見直しについて
- 地域振興監の設置について
- 北方領土問題について
知事からの話題
令和元年第1回臨時会の閉会にあたって
私から3点、お話をさせていただきたいと思います。
令和元年第1回臨時会が閉会いたしました。5月16日木曜日から始まり、先ほど閉会したところであります。
このたびは、議長、副議長の選出や各委員会の委員の選任などが行われまして、道議会の新しい体制が定まるとともに、私から提案させていただきました人事案件などについても、ご同意をいただいたところであります。
私にとっても、そして、この新たな体制での本格的な政策議論は2定議会からとなるわけでございますけれども、道議会において、さまざまな議論を深めてまいりたいと考えているところであります。
地域振興監の設置について
次に、2点目ですが、地域振興監の設置についてでございます。
現在、6月の人事異動に向けまして、総合政策部に地域振興監を設置する準備を進めているところであります。
私の公約におきましても、「地域がもっと輝くように」という柱を掲げさせていただいた中で、179の市町村と共にスクラムを組んで、オール北海道での取り組みが不可欠であるということを訴えてきたところであります。
市町村や企業など多様な主体と幅広く連携し、また、より一層連携を強化することにより、道内外の民間の力や知恵を結集しながら、人口減少をはじめとする本道が抱えるさまざまな課題解決に向けて取り組み強化を図ってまいりたいという考えのもとで、設置する準備を進めているということであります。
なお、道政の重要課題であるJR北海道の路線見直し問題など、地域交通に関わる政策については、全庁の重要政策の総合調整機能を持つ総合政策部長が、交通企画監の職を兼ねて担当することとしていくところであります。
G20観光大臣会合について
次に3点目のG20観光大臣会合でございますけれども、いよいよ開催まで残り5カ月ということになりました。
資料もお配りしておりますが、道では、オール北海道の官民で構成する実行委員会のもとで開催機運の醸成に取り組んでおりまして、先週18日土曜日には、サッポロビールの協賛により、カウントダウンモニュメントを新千歳空港ターミナルビルに設置いたしまして、私も参加しましたけれども、除幕式を行わせていただきました。
また、今週24日金曜日には、大臣会合に先立ちまして、倶知安町で高級実務者級の準備会合が開催されます。私ども地元実行委員会として、23日木曜日にレセプションを開催いたしまして、各国の皆さまを温かく歓迎するとともに、翌24日金曜日には、「持続可能な観光による地方創生」をテーマとしたシンポジウムを、観光庁、倶知安町との共催により実施することとなっております。
10月の大臣会合に向け、受入れ体制の整備や北海道の魅力の発信に取り組んでまいりたいと考えておりますので、皆さまには積極的に報道いただければということで、この場をお借りしてご協力をお願いするものであります。
3点でございますが、私からは以上です。
記者からの質問
(NHK)
今日の臨時議会で、副知事人事が同意され、3副知事全員交代ということで刷新の印象も受けたのですが、一方で道政に詳しい人材を登用されたということで人事の狙いについてお聞かせいただけますでしょうか。
(知事)
私が知事に就任させていただき、副知事の人事を行うということで考えましたのは、やはり新しい道政を進めていく上で、新しい体制でそれを進めさせていただきたいという思いの中で、これまで人選を進めてきたところです。本日、まずは議会において賛成多数で同意いただけたこと、このことに感謝しているところです。
3人の副知事でございますけれども、浦本元人さんにおいては、道の建設部出身でありまして、そういった専門分野はもちろん持っているわけでありますけれども、早くから計画の策定・推進、また公約の推進や国への要望など、ある意味では全庁的な業務にも携わられた中で、幅広い人的ネットワークをお持ちであります。そういった部分が浦本さんにあります。
また、土屋俊亮さんについては、浦本さんは建設部出身でございますが、土屋さんは農政部長を務められたわけでありまして、例えばTPPの問題の時には、国のTPP政策大綱の検討会議に都道府県(の職員)として唯一参加するなど、道庁において取り組んできた方です。さらに民間での経験も2年間ではございますけれども、民間企業との連携を支援する立場で、取り組みを進めてこられた部分もあります。こういった部分も、人選において、非常に能力として高いものがあると考えたところです。
そして、中野祐介さんでございますけれども、総務省から北海道に来ていただき、総務部長としてすでに2年間お務めいただいたわけであります。私は、国との連携強化についても(公約に)掲げさせていただき、選挙戦も戦わせていただきましたが、まさにこの2年間の経験をベースとし、各省間に幅広いネットワークも持っている方でありますので、そういった役割、また先ほど地域振興監の話もしましたが、179の市町村の皆さんと連携していくにあたって、非常に重要な役割を担っていただけると思っておりますので、この3名について人選し、議会に提案させていただいたということです。
(NHK)
すみません、もう1点だけ。議員の先生にも取材をしていると、3名の人選について非常に評価が高い声というのがやはりあったのですね。
それで、議員の先生方へのそういったところの配慮というのは、やはり頭の中にあったかどうかというところを教えていただけますでしょうか。
(知事)
それぞれある意味では、道で働いている中で、皆さん、その人となりや仕事ぶりもご覧になられてきた方々でありますので、そういった意味では、今回、多くの賛成をいただきながら、同意をいただけたということがそれを表しているかと思いますが、非常に高い、そういったご評価をいただいているのだろうと思います。
当然、能力としても、また人物としても、そういったご評価をいただくことができる人材を、しっかりと副知事に選んでいくということも知事にとって重要な仕事の一つでありますので、そういった評価をいただいているのであれば大変光栄なことだと思います。
(北海道新聞)
前回に引き続き、議会との答弁調整についてお伺いいたします。
一昨日就任されました村田議長は、記者会見でこの答弁調整について、「どういうことができるのか、各会派と協議しながら、問題に取り組みたい」と述べられて、見直しを検討する考えを明言されました。議長の認識について、まず受け止めをお聞かせください。
(知事)
議長、副議長が就任されて、記者会見の中でご質問いただく中でそのようなお話をしたということは承知をしております。
議会として、そういった認識をお持ちだということはもちろんそうですけれども、理事者側においては、議会のそういう認識とともに、具体的にどういった形で、そういった議論を最も深めることができるのかという形を考えていかなければならないと、先日も私は会見で申し上げましたけれど、新しく就任されました正副議長がそのようなご発言をしたということであるならば、さらに具体的にどのように進めていけるかご相談しながら進めていければいいなと思っています。
(北海道新聞)
ということは、現時点でまだ今後の対応については協議をされていらっしゃらない。
(知事)
そうですね。体制が、今決まったということかと思います。われわれの体制も、今日副知事(人事)等の同意をいただきまして、そういった意味では6月議会に向けた体制が固まってきた状況でございますので、議会側のそういった認識も基に、理事者側としてもご相談をしていくことになるのかなと思います。
(北海道新聞)
選挙戦の時は、答弁調整について、道民からすると違和感があるのではないかというような認識を示されたかと思うのですけれども、この間、割とこの記者会見で、知事の認識をお伺いしていると、若干トーンダウンをされているのかなという気もしなくはないのですけれども、そのようなことはないですか。
(知事)
一貫して話をしてきていることと齟齬はないと思いますので、道民の皆さんにとって、理解をいただけるような状況で議論を深めていくということは、大変重要なことです。
そこと現実的な問題として違いがあるのであればですが、私自身、まだ本格的な(議会)議論をしていないので、そういう質疑のあり方について、まず、しっかりと確認をさせていただいて、正副議長もそのような思いがあるということでございますので、理事者側としてもご相談して、必要な部分は検討していくということなのかなと思います。
(HTB)
副知事人事に関係してお伺いしたいのですけれども、確認ですが、筆頭は浦本さんということになるのでしょうか。もう1点、細かい分掌などはどのようになるのでしょうか。
(知事)
今ご質問いただきましたけれども、今回人事案として提出し、議決をいただいたわけでございますが、分掌ですね、どういったものを担当していただくのか、また職務順位をどうするかについては、6月1日から新副知事の仕事が始まりますので、そういったところに遅れが生じないように、しっかりと整理をしていきたいと思っています。皆さんにお示しできる段階になりましたら、しっかりとお示しをしたいと思います。
(NHK)
明日で、知事に就任されて1カ月ということで、これまでの間、さまざまな取り組みをなされたと思うのですが、この1カ月を総括してどのような所感を持たれているか、あるいはどういうことができたかということをちょっと振り返っていただけますでしょうか。
(知事)
まず、もう1カ月ということで、本当にあっという間だなと思っています。
任期は4年ですから、そういった意味で言えば、48分の1がもう過ぎようとしているということで、本当にあっという間の1カ月だったなと思います。
5月1日から新しい令和の時代が始まりまして、そういった新しい時代を迎える時に、北海道の知事として仕事をさせていただくこと、このことを大変光栄に思うとともに、この1カ月、さまざまな取り組みを進めてきましたけれども、日々仕事をさせていただく中で、その責任の重さというのを実感しているところです。
さまざまこの間ございました。就任して初めて視察させていただいた(インターステラテクノロジズの)ロケットの打上げは、私が行った時には、残念ながら打上げをするという形にはならなかったのですけれども、その後に、無事に打上げが成功して大変うれしいニュースになりましたし、また、つい先日、胆振東部地震の被害の大きかった、厚真町、安平町、むかわ町の3町にもお伺いさせていただいて、目に見える形で復旧・復興を進めなければならないという思いを皆さんと共にあらためて共有させていただいて、先日も、(吉川)農林水産大臣と共にお伺いをして、国に対する思いというのもお伝えする機会をいただきました。
また初めての海外出張ということで、日ロ知事会議が9年ぶりに行われる中で、私も訪れることができました。今まで(交流を)積み重ねてきた、そういった隣国であり、また、非常に重要な地域でもあるロシアを初めて訪問することができた。このことも大変意義があったと思っています。
明日で1カ月経つということなのですが、まさに、私も知事というのは365日24時間、休みはないということで、体力が必要だと訴えてきましたけれども、この間かなり日程上、本当に休みなく仕事をしてきまして、本当にそういった意味では、多くのやらなければならないこと、そして、やるべきことが山積していることも、併せてあらためて強く感じています。
これからも、その48分の1が終わろうとするところですけれども、限られた任期の中で、日々、一日一日全力で積み重ねていくことが、何よりも皆さんの期待に応えることになると思いますので、しっかり皆さんの思いを背負って仕事を進めていきたいと思っております。
(NHK)
関連してもう1問。1カ月振り返られて、選挙戦の時もスタートダッシュを切られるというお話をされていましたが、この1カ月切れているかどうか、自己評価はいかがでしょうか。
(知事)
それはまさに、この会見で話を聞いていただいている記者の皆さまや、道民の皆さまが客観的にご判断されることでもあるのかなとは思うのですが、私自身は、この間、今ほどお話をしたような日程もこなしつつ、重要な課題、または私としてしっかりと把握をしておきたい事項等を継続してヒアリングを行って、また今回の人事案件もそうですけれども、これからの6月の体制もそうですが、前例なき、そういう意味では3副知事交代をはじめとする体制の部分も、熟慮を重ねて体制構築に見通しがつきましたので、そういった意味では、スタートダッシュを切ることができたのではないかと思っています。
ただ、先ほど申し上げたとおり、48分の1ですから、スタートだけ早ければ良いというものではないですから、ペース配分も大事かもしれませんが、しっかり体制を構築した上で、皆さんにお約束した政策公約というものを形にすること、このことを1日も早く実感していただけるように進めていきたいと思っています。
(STV)
人事のほうで、交通企画監と総合政策部長を兼ねた形にするということで、JR北海道の路線見直し問題にも取り組んでいくと思われますが、6月の議会もありますけれども、今後JR北海道の支援、道としてどのように取り組んでいきたいのかをあらためてお願いします。
(知事)
JR北海道の問題につきましては、極めて重要な課題であると認識しています。基本的な考え方につきましては、いかに道民の皆さまの足や物流などを守っていくかということを、しっかり考えていかなければいけない。その上に立って、JRという鉄路を、いかにして地域の皆さんと共に守っていけるのか否か。そしてタクシーやバス、また高規格幹線道路や空港の一括民営化などもございます。こういった公共交通全体として捉えた中で、どう最適化していくかという視点も非常に重要だと思います。
いずれにいたしましても、沿線ごと、地域ごとに、さまざまな背景、また、今取り組んでいるという状況においても、さまざまな課題や取り組みたいことも違います。ですから、こういった皆さんとしっかりと協議を積み重ねながら、地域がどういった思いで鉄路に向き合っているのかということを大切にしながら、取り組みを進めていくことが重要だと思います。
そして、これは継続した取り組みにもなりますが、道民の皆さまにおいても、そういった鉄道を守っていくためには、やはりしっかりと利用していかなければいけない。これは鉄道だけではなくて、バスやタクシーやさまざまな公共交通においても、利用を促進していくということも非常に重要な要素になってきます。
2年後の法改正においても、どういった取り組みが地域としてできるのだろうということも、やはり大きな重要な要素になってくる部分もありますので、そういった地域と共に、また道民の皆さまと共に、そういった鉄路をしっかりと利用していく、こういったことにも取り組んでいくことが重要であると思っています。
(朝日新聞)
地域振興監なのですけれども、夕張市長という、自治体の首長であった鈴木知事のご経験といいますか、そういった観点からは、この設置についてはどのような意図を込められたのかということを教えてください。
(知事)
私は8年間、8年弱ですけれども、夕張市長として働かせていただく中で、179ある市町村と広域自治体たる道がしっかり連携して、さまざまな課題に向き合っていくことがやはり重要だというふうに繰り返し訴えてきましたし、そういった考えのもとで仕事をしてきました。
この地域振興監については、昔もあったんです。ただ、役割や目的は今回ちょっと変えているのですけれども、そういった地域と連携をする中で、部長級ポストといった立場で、明確に仕事を整理した中で政策推進をしていくことがやはり必要であろうというふうに考え、設置の準備を進めているところですので、そういった意味で言えば、今までの経験というものが、ある意味では今回のきっかけになっているというところがあると思います。
その上で、政策公約を進めていくという中でも、皆さんに訴えてきたことを実現するということも、極めて重要な要素としてありますので、その二つの点を反映させるべく、設置に向け準備を進めているというところです。
(朝日新聞)
ありがとうございます。まだ準備段階ということですけれども、地域振興監の具体的な業務としては、どのようなことをお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
(知事)
冒頭申し上げましたけれども、自治体との連携というのはもちろんなのですけれども、民間の力をやはりしっかりと活用して政策推進を図るというのも、現在進めている(第2回定例会の)補正予算案の編成に当たっても、庁議などで指示をしているところです。今までも、包括連携協定ですとか、民間企業にとってもプラスだし、自治体にとってもプラスになる連携もいろいろ生まれてきたところはあるのですが、やはり今の時代は、そういった同じ方向を向いている自治体も民間企業も、互いにウィンウィンになるような形で力を合わせていくということも極めて重要な時代なのですね。
ですから、そういう民間の力を最大限、共に協力し合いながら発揮していく観点、また、179の自治体と連携をしていく、こういう大きな二つの部分を、私の中では担ってもらいたいなと思っているところです。
(朝日新聞)
そうしますと、今、民間との連携というご説明をいただきましたけれども、知事が選挙期間中に公約として掲げられていた「ほっかいどう応援団会議」という、そういった組織と今回の地域振興監との関連といいますか、役割分担とか、そういったことというのは、知事の中でどういう構想になっているのでしょうか。
(知事)
今そこは、まさに調整をして、熟慮しているところなのですが、今申し上げたような役割を持たせるということを想定していますから、そういった意味では、当然、政策推進に当たっては関わりが出てくると考えています。ただ具体的に今、応援団会議の形も皆さんにお示しするような段階ではないので、そういった関連性は出てくるという言葉でご理解いただければなと思います。
(共同通信)
今日の議会で丸山穂高議員の発言に関する抗議決議が可決されましたが、まずその可決の受け止めと、前回の会見と重ねて恐縮なのですが、あらためまして、発言への知事のご認識をお聞かせください。
(知事)
丸山議員の一連の発言等に対することでありますが、今ご指摘がございましたけれども、道議会においても本日、その発言を踏まえまして、北方領土問題が平和的に解決されることが願いであるなどの趣旨で決議がなされたところです。
これは以前の会見でも申し上げてまいりましたことと何ら変更はない話ではありますが、戦争による北方領土問題の解決は到底理解できるものではないというのが私の考えでありますし、元島民関係者などの皆さんが、大変不快な思いをされまして、本件が起こったわけでございますが、このことに対して大変残念なことだと思っています。
外交というのは国の専権事項でありまして、両政府間では交渉による北方領土問題の解決に向けて、まさに懸命な作業が行われているところでありますので、道といたしましては、今回の事案が、そういった交渉等に悪影響が出ないように、政府に取り組んでいただきたいと考えています。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)