知事定例記者会見(令和元年6月5日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和元年6月5日(水) 14:00~14:28
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/32名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 新任部長職の紹介について
  2. 令和元年度(2019年度)2定補正予算の規模について

記者からの質問

  1. 給与の減額について(1)
  2. 観光振興に係る新たな財源確保について
  3. ひきこもり対策と川崎殺傷事件に係るテレビ番組出演者の発言等について
  4. 給与の減額について(2)
  5. 北方領土問題解決に向けた安倍総理への要請について
  6. 給与の減額について(3)

知事からの話題

新任部長職の紹介について

 私から2点、お話をさせていただきたいと思います。
 令和元年度定期人事異動を6月1日付けで発令いたしました。新体制をスタートさせたところであります。
 私から、新しい部長職をご紹介させていただきたいと思います。
 皆さまから向かって右手からご紹介させていただきます。総務部長の佐藤敏です。総務部職員監の松浦英則です。総務部危機管理監の佐々木誠也です。総合政策部長の黒田敏之です。総合政策部知事室長の濱坂真一です。総合政策部地域振興監の松浦豊です。環境生活部長の築地原康志です。続いて、皆さまから向かって左手からご紹介します。保健福祉部長の橋本彰人です。経済部食産業振興監の甲谷恵です。農政部長の小田原輝和です。農政部食の安全推進監の大西秀典です。水産林務部長の中田克哉です。建設部長の小林敏克です。
 なお、経済部観光振興監の三瓶徹は、本日出張のため、この場は欠席をしております。
 以上、新しい部長職についてご紹介をさせていただきました。恐縮ではございますけれども、部長はここで退席させていただきたいと思います。
 このたびの定期人事異動に当たっては、新たに3人の副知事を選任するとともに、地域振興監を設置するなど、新しい道政を新しい体制で臨みたいという考えのもとで、それぞれの専門分野を生かしながら、これまでの経験や識見などを十分考慮した上で、適材適所を基本として人選を行ったところであります。
 また、女性登用については、本庁部長級の女性職員を4年ぶりに3名配置するほか、課長級以上の職に過去最高となる67名の女性職員を配置いたしまして、女性登用率も過去最高の8.4パーセントとなったところであります。
 今後も仕事と家庭を両立できる環境づくりなどを進めながら、女性職員の活躍や登用をさらに促進していきたいと考えております。
 これが1点目であります。

令和元年度(2019年度)2定補正予算の規模について

 続いて2点目は、資料を皆さまにお配りさせていただいておりますが、令和元年度2定補正予算の規模についてであります。
 6月20日木曜日に開会予定の第2回定例道議会に提案する補正予算は、私にとって、最初の政策予算となるものであります。
 道民の皆さまから託された思いを踏まえ、私が掲げた政策については、できるだけ多くのものを盛り込むように、査定を進めているところであります。
 現時点での一般会計の予算規模は、2,500億円程度を見込んでおります。
 これに当初予算を含めた年間の予算規模は2兆8,600億円程度で、前年度と比較をいたしますと4パーセント程度の増となる見込みであります。今後さらに計数などの精査を進めまして、最終的な予算額や事業概要につきましては、6月14日金曜日に、私から発表させていただく予定であります。
 私からは、この2点であります。

記者からの質問

(NHK)
 何点かお伺いしたいのですが、今朝、一部報道にありましたが、知事給与を3割削減される方針を固められたということで、この方針に関する知事自身のお考えをお聞かせいただきたいのと、特別職、一般職の給与についてどのようにお考えになっているか、あらためてお聞かせいただけますでしょうか。

(知事)
 知事給与の減額については、私はこれまで何度か申し上げてきたことでありますけれども、道の行財政改革の実行に向けた私自身の強い決意と姿勢を示すために、給料と期末手当に加えまして、退職手当についても30パーセント減額するということで、全国最低水準となるように検討しているところであります。
 また、特別職ということでございますけれども、私と共に行財政改革を担っていくという意味において、特別職の皆さんにも、給料と期末手当について一定程度の減額をすることを検討しているところであります。
 いずれにいたしましても、減額については、条例提案をしなければなりませんので、第2回定例会において、道議会へ条例提案を行う方向で、必要な準備を進めていきたいと思っています。
 
(NHK)
 その関連でもう1問だけお伺いしたいのですが、給与削減ということで、歳出の面ではプラス効果というのはあると思うのですけれども、例えば、知事であったり、あるいは特別職であったり、給与の削減によるモチベーションのことに関して、影響というのはどのようにお考えか、お聞かせいただけますでしょうか。

(知事)
 今回については、一般職の(給与)削減は考えていないわけでありまして、私をはじめとする特別職の部分であります。特別職の範囲については、今後も、さらに提案に当たって検討を進めているところでありますが、行財政改革に向き合う私の強い決意に対して、ご理解をいただいていると考えています。
 そういった意味では、「隗より始めよ」ということがございますけれども、やはり、自らを律して道政運営に当たっていくという姿勢について、ある意味ではトップを中心とする特別職が、皆思いを同じくしてそこに向き合っていくということは、私は、プラスの面が大きいのではないかと思っています。

(北海道新聞)
 観光税についてお尋ねいたします。札幌市の秋元市長が、宿泊客を対象にした宿泊税について、導入する考えを明らかにしました。
 道もすでに一昨年から、観光税の導入については検討をしておりまして、双方とも実現すれば、二重課税になると言われています。道としては、この二重課税になる問題について、どのような対応をしていきたいか、お考えをお聞かせください。

(知事)
 札幌市が宿泊税の導入を検討する旨の報道があったことについては、承知をしています。宿泊税については、本年11月に導入する倶知安町をはじめ、富良野市など複数の市町村も検討していますので、このたびの報道では、札幌市も同じように検討するということであります。
 道といたしましては、本道観光の発展にあっては、道が観光人材の育成、確保や観光情報の発信の充実など、まさに広域自治体の立場で、全道的、広域的な課題への対応を担っているところであります。
 市町村が、域内交通や駐車場の充実、観光客の防犯安全対策など、地域固有の課題への対応を担うなど、それぞれの役割があると思うのですね。そういったものを踏まえて、お互いに連携しながら取り組んでいくことが重要だと私は認識をしています。
 仮に、道と市町村が共に宿泊課税をする場合については、宿泊者、いわゆる負担をいただく納税者の方の負担感ですとか、特別徴収義務者が宿泊施設になりますので、そういった方の負担増などの課題認識を共有して、意見交換などを通じて、対応の方向性を整理していくことが必要だと思います。
 そういった意味では、報道ベースではございますけれども、札幌市が導入の検討を今後していくということでございますので、そういった意見交換というのが大事になってくるのかと思います。

(北海道新聞)
 ありがとうございます。同じく観光税に関してなのですけれども、先般の知事選では、対立候補の方は触れていらっしゃいましたけれども、鈴木知事については、この観光税については、特段言及されることはなかったのかなと思うのですけれど、今のお答えをお聞きする限りは、観光税導入にはかなり前向きに考えていらっしゃるという理解でよろしいでしょうか。

(知事)
 さまざまな観光推進に当たって、例えばインフラで言いますと、Wi-Fiなどの通信環境の整備であったり、また多言語化表示など、今インバウンドが急増している中で、また国内のお客さまをもてなすに当たってのさまざまな整備、またソフト事業でも、充実をさせていかなければならない課題はさまざまあるわけであります。
 この間も、そういった宿泊税の議論というものは積み重ねてきたわけでございますけれども、そういった状況の中においては、やはり一定の検討を進めていくべきであるという考えです。

(北海道新聞)
 ちょっとここで言及するのは難しいかもしれませんけれども、導入の時期ですとか、あと導入するシステム、課税対象をどの程度にしていくだとか、宿泊料金がいくら以上にするとか、その辺の具体的な内容についてはいかがお考えでしょうか。

(知事)
 さまざまなパターンといいますか、手法は考えられるのかと思っておりますけれども、一つ議論の中で今までもあったのは、道民の皆さまに対する、さらなる、いわゆる増税的な位置付けになってしまう懸念があるのではないかというご指摘もございました。ですから、そういったご指摘など、実際に宿泊税を納めていただくに当たっての負担感だとか、先ほど申し上げたような、宿泊施設における負担増だとか、そういった中でどういったラインが妥当なのかということも、まさに議会での議論、または宿泊事業者、または観光に関係する方々とも意見交換をしながら進めていきたいなと思っています。

(北海道新聞)
 川崎市で発生した児童ら20人が殺傷された事件について、2点お伺いします。
 まず1点目、まだ事件は捜査中であって、動機の解明などが進められているところで詳細は分かりませんが、事件の背景に中高年のひきこもりの問題というのが挙げられています。このひきこもりの問題について、道として今後何か取るべき対応というのが考えられているのであれば、教えてください。
 もう1点は、この事件に関連して、テレビの出演者などで、「死にたいなら一人で死んで」などという発言がありました。インターネット上でもいろいろ話題になりましたが、専門家からは、こうした主張があふれると、自殺であるとか、類似の事件を誘発しかねないと危惧する意見もあります。この発言について知事の考えを教えてください。

(知事)
 ひきこもりの対策についてでありますけれども、まず今回の一連の事件と、ひきこもりを安易に結び付けるということは考えてはいけないのかなとは思いますが、ひきこもり状態にある方への対策ということでは、道では、まず第一相談窓口である「北海道ひきこもり成年相談センター」をはじめ、道立精神保健福祉センターや保健所などの関係機関が連携しながら、ご本人やご家族への支援を行っておりますほか、市町村と共に地域における支援体制の構築を図っているところであります。
 ただ、ひきこもりはさまざまな要因や問題が複雑に関係していることが多く、家庭内の問題として潜在化してしまっておりまして、相談につながりにくいという実態があるかと思います。今後、さらにひきこもりに対する正しい知識の普及啓発や、相談機関の周知を図るなどして、ひきこもりの状態にあるご本人やご家族が相談しやすい環境づくりに努めていくということが必要だと思います。
 それと、テレビ番組の出演者の方が、「一人で死ねばいい」などとのコメントをされたということですけれども、この事件については前回の会見でもお話をしましたとおり、お亡くなりになった方やそのご家族の無念さということは、本当にもう想像もできないものでありまして、二度とあってはならないものだと強く感じています。
 今、ご質問のあったテレビ番組出演者の方々の発言について、報道などで取り上げられているということは承知しております。自殺を薦めるかのように受け止められかねない発言についてはするべきではないのではないかと思いますけれども、無関係な人が被害に遭われて、取り返しのつかない、このような悲惨な事件を目の当たりにしますと、正直、私も強い憤りを感じているところです。
 われわれは、子どもたちの通学の安全確保の徹底など、しっかりとまずこの事件と向き合いながらその対策というものを取っていくこと。そして、先ほども申し上げましたけれども、今後このような事件が二度と起きないようにサポートや未然防止の取り組みなど、そういったことを進めていくことが大切であって、複数の視点からこの事件を見つめて取り組みを進めていきたいと思っています。

(時事通信)
 最初の質問に戻りますけれども、知事給与3割削減なのですけれども、なぜ2割でなく5割でなく、3割なのかその根拠を。
 それと、1期やられた場合、知事給与等の特別職の給与を3割、あるいはこの一定額やった場合に歳出削減効果というのは具体的にいくらぐらい出るのか、そこを教えていただけないでしょうか。

(知事)
 1点目でございますけれども、私は、知事選における出馬表明の記者会見において、仮に当選をさせていただいた場合には、全国最低水準(の給与)で働かせていただきたいというお話をさせていただきました。どの程度なのかという質問に対しまして、3割程度、30パーセント程度というお話を、2月1日の会見でさせていただいたところであります。
 そして、全国最低水準となるよう、47都道府県の知事の給料、期末手当、退職手当などを比較しますと、30パーセント減額することによって全国最低水準になるということでありますので、30パーセントとさせていただいたところです。
 削減効果についてでありますけれども、3,700万円という報道等はありましたが、それはざっくりした数字なので、多分もう少し細かい数字にはなるのかなというふうに思いますが、今手持ちの物がないので、後ほど細かい数字は、概算になるかもしれないですけど、お示ししたいと思います。

(朝日新聞)
 一部報道で、鈴木知事が安倍総理と会談を予定していると、調整しているという報道がありましたけれども、その事実確認と、もし面会予定があればどういう狙いなのか、どういう効果を期待しているのか、そのあたりの説明をお願いします。

(知事)
 一部報道にございましたけれども、総理との会談、面会ということでございますが、戦後73年が経過してもなお解決していない問題として、北方領土の問題があるわけであります。元島民の6割を超える方々がもうすでにお亡くなりになっておりまして、ご存命の方々の平均年齢もすでに84歳を超えているという状況でございます。
 北方領土問題の解決は、もはや一刻の猶予も許されない状況であることから、今月末に予定されている日ロ首脳会談に向けまして、地元北海道の知事として、1日も早く領土問題が解決され、(日ロ)平和条約が締結されることを切望している元島民や返還要求運動関係者の思いを、あらためて私から直接総理にお伝えさせていただきたいということで、宮腰(北方対策担当)大臣が来道された時も大臣にもお話をさせていただきましたし、官邸サイドにも、ぜひ日ロ首脳会談の前にお時間をいただきたいというお話をしているところであります。

(朝日新聞)
 具体的な日時というか、いつごろかという、そのあたりはどうでしょうか。

(知事)
 どうしても相手のあることでございますし、また総理の日程になってくるところでございますので、正式に決まった段階におきまして、要請するメンバーも含めて、皆さまにお伝えさせていただきたいと思います。

(NHK)
 また知事給与の話に戻ってしまうのですけれども、今回条例の改正案が提案されて可決されれば、知事として全国最低水準の賃金になるということで、夕張市長時代も同じことだったと思います。今朝、一部報道になって以来、インターネット上でも非常にこの話題に関して注目が集まっている中で、知事の給与削減によって、道職員だけでなくて、例えば全国の方にどういう姿勢が伝われば良いかということ、知事としてのどういう思いが伝わればいいかというところをあらためてお聞かせいただけますでしょうか。

(知事)
 私は、夕張の市長時代も2期8年間、報酬について70パーセントを削減してまいりました。
 多くの皆さまのお力添えをいただいて(財政再生)計画を抜本的に見直して、また市長報酬についても改善できる見通しを付けることができました。
 今、北海道の知事として、私も1カ月余り仕事をさせていただいているわけでありますけれども、やはり行財政改革を不断の努力の中で進めていかなければならない。その先頭に立つ知事として、「まず隗より始めよ」という中で、この全国最低水準でやらせていただきたいということを今回提案させていただきます。
 一方で、報酬等を30パーセント削減するということは、先ほど士気の話、モチベーションの話などもありましたが、報酬は全国最低水準かもしれませんが、全国一働くのだという思いでやっていきたいと思いますし、またその改革の意識を共有した中で、攻めの道政、行動する道政を実現すべく、みんなでチーム一丸となって、行財政改革に取り組んでいくきっかけになればと思っています。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

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