知事定例記者会見
- 日時/令和元年9月10日(火) 11:30~11:54
- 場所/議会記者室
- 記者数/22名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 令和元年第3回定例会の開会にあたって
- 北海道立高等技術専門学院の「愛称」と「キャッチフレーズ」の決定について
- 動物愛護週間行事について
- 秋の全国交通安全運動の実施について
- 知事公邸について
記者からの質問
- 知事公邸について(1)
- 道議会での答弁調整について
- アイヌ新法におけるサケマスの採捕許可の配慮について
- 「今金(いまかね)男しゃく」のGI(地理的表示保護制度)登録について
- クロマグロの漁獲枠について
- MaaS(マース)について
- 知事公邸について(2)
知事からの話題
令和元年第3回定例会の開会にあたって
私から5点、お話をさせていただきたいと思います。
まず1点目でございますが、本日から「令和元年第3回定例会」が開会したところであります。本定例会では、空港一括民間委託に関する債務負担行為のほか、発着枠拡大を見据えた新千歳空港の機能強化対策や、令和2年4月に開校予定の「北の森づくり専門学院」の校舎の整備、農業の産地競争力強化を図るための施設整備への支援など、一般会計で総額約100億円の補正予算案を提案しております。
また、北海道立文書館(もんじょかん)条例の一部を改正する条例案など、10件の条例案についても提案しております。
議員の皆さまとの本格的な議論は、13日金曜日の代表質問から始まりますが、地域創生や観光振興など、道政上の諸課題について活発に議論していきたいと考えております。
北海道立高等技術専門学院の「愛称」と「キャッチフレーズ」の決定について
次でございますが、北海道立高等技術専門学院の「愛称」と「キャッチフレーズ」の決定についてであります。本道のものづくりを支える人材を育成している北海道立高等技術専門学院について、広く道民の皆さまに知っていただき、親しみを持っていただけるように、道内8カ所の学院で統一的に使用する愛称とキャッチフレーズを公募していたところでございますが、このたび、決定いたしましたので発表させていただきます。
7月12日金曜日から8月20日火曜日までの募集期間に、全道から139件の応募をいただきました。皆さま、ありがとうございました。民間企業や関係機関の方々を交えた選考を経て、受賞作品を決定いたしました。
これは、お手元のチラシをご覧いただければと思いますけれども、まず愛称でございますが、「MONO(モノ)テク」に決定いたしました。この「MONOテク」でございますが、北海道のものづくりを支える技術、テクニックということで、ものづくりの「MONO」と技術、テクニックの「テク」で「MONOテク」ということでございます。そうした人材を育てる施設であることを親しみやすく表現していただいたという形でございます。受賞者は札幌市在住の高橋里美さんです。
次に、キャッチフレーズでございますけれども、「技術で拓け、夢・未来」に決定いたしました。技術を身に付けて、将来の夢を実現することを応援するメッセージを表現しているものであります。受賞者は札幌市在住の朝倉修さんです。
このたび決定した愛称とキャッチフレーズを、来週から開始する令和2年度の訓練生募集活動などを通じて積極的にアピールしてまいりたいと考えておりますので、皆さまもこれまで以上に高等技術専門学院「MONOテク」にご注目いただきたいと思っております。
動物愛護週間行事について
次に3点目でございます。毎年9月20日から26日までは動物愛護週間ということでございます。命あるものである動物への理解を深めていただくために、国や各自治体で動物愛護に関する行事を開催いたします。すでに始まっているところもございますが、道内でも各振興局で、配付資料のとおり行事を開催しております。
今年度のメインテーマは、「共に生きる~シニアペットとシルバー世代」ということであります。最後まで愛情を持ってペットと幸せに暮らすため、ペットが年を取ったときのこと、飼い主自身が高齢になって世話ができなくなったときの預け先など、事前に準備をしておいていただくことが重要であります。ぜひこの機会に理解を深めていただきたいと思います。
また、お配りしたパンフレットのとおりですが、9月14日土曜日には、道と札幌市、獣医師会などとの共催で、道庁赤れんが庁舎前庭におきまして、「人とペットのくらし広場2019」を開催いたします。保健所に引き取られた犬猫の譲渡会や、獣医体験、ペットの災害対策に関する展示のほか、スペシャル音楽ライブなど、動物が好きな方もそうでない方も楽しめるイベントとなっております。広く道民の皆さまに周知いただければと思います。
秋の全国交通安全運動について
次に4点目でございますが、今月21日土曜日から30日月曜日までの10日間、「秋の全国交通安全運動」を実施させていただきます。20日金曜日には関係機関・団体と連携しながら、札幌市内の共済ホールにおいて、「交通安全道民総決起大会」を開催する予定であります。そのほか、期間中は道内各地で街頭啓発や交通安全イベントなどに取り組むこととしております。
これからの時期は、日没が早まり、歩行者が被害者となる交通事故の多発が懸念されることから、道民の皆さまには、スピードダウンや交差点での安全確認の徹底、夜間外出時の反射材の着用などにご協力をお願いしたいと思っております。
マスコミの皆さま方におかれましても、交通安全の呼び掛けについて、積極的に報道などでご協力いただけたらありがたいと思っております。
知事公邸について
話題の最後でございますけれども、このたび知事公邸について、民間の住宅を借り上げてそこに住むことといたしました。現公邸については、昭和55年に建築され築後38年が経過しております。老朽化が著しく、今後の継続使用に懸念があったところでございます。私も入居させていただきまして、そういった状況にあることもお伺いし、あらためて確認してほしいという指示をしたところ、屋根や外壁、ボイラー設備、配管などの抜本的な改修が必要だという報告がありました。
さらに、(公邸の)規模が非常に大きいので、そのための維持管理には相当な経費がかかっているのではないかということで、その状況についても確認を指示しました。その結果として、経済性も考えて民間の住宅に住もうと考えたところであります。
また、現公邸を含めた周辺のエリアは道民の皆さまの、これは言うまでもなく貴重な財産でございまして、今後その有効活用を図るためにエリア全体のあり方について検討する必要があると考えたことも、今回の判断に至った理由でございます。
新たな知事公邸といいますか、私の住むところについては、先ほど申し上げたとおり民間住宅を借り上げまして、そこに引っ越すということですけれども、こちらも資料をお配りしていますが、これに伴う経費について、家賃が14万9千円ということでございます。駐車場、共益費なども含めまして、月額が約18万2千円となる見込みであります。このうち、私が使用料として約6万1千円の負担をさせていただくという形になります。これは現行と同様、職員の公宅使用料の取り扱いに準拠している内容になっています。先ほど、維持管理にお金がかかっているというお話をさせていただきましたけれども、現公邸については修繕費や除雪費、警備費など維持管理にかかる費用が年間約1,200万円かかっています。ですから、今申し上げた家賃や自己負担などを考えますと、今後こうした経費が不要になりますので、年間約1千万円ぐらいの経費が削減できるのではないかと思っています。
また、転居の時期についてですが、この維持管理に係る経費のうち、除雪費も非常に大きいため、雪が降る前に引っ越すことが経費の削減になると思いますので、議会終了後の10月中に引っ越しができればいいなと思っているところであります。
私からは以上であります。
記者からの質問
(北海道新聞)
今お話のあった知事公邸についてお聞きします。実際、知事4カ月ぐらいですか、お住まいになって、その住み心地は、やはり悪かったのでしょうか。生活していて不便なこととか困ったこと、奥さんから悲鳴が上がったとか、そういうことがあればちょっと教えていただければと思います。
(知事)
私は住環境というのは本当に、住めればどこでも良いなというのはあったのですが、短いこの4カ月足らずではございますが、例えばボイラーが非常に古くて、修繕にお金が多くかかっているというのはもちろんあるのですけれども、お湯が出なくなったり、水が使用できなかったりしますと、水が飲めなかったり、お風呂に入れなかったりということがありまして、お風呂にはできれば入りたいというのもございますし、また非常に老朽化している状況がございますので、そういう状況でも使えるのであれば、一つずつ活用していくというのはあると思うのですが、やはり修繕するとなると7千万円くらいかかってくるということ。あとは、維持管理費が年間1,200万円というのは、かなり大きい額なのではないかなと思いましたので、今回考えたということですね。
(北海道新聞)
お風呂を使えないことがあったということで、その時はどうされたのですか。
(知事)
何回かあったのですけれども、夜中に帰ることが多かったので、近くに素晴らしい温泉施設がありまして、そこにお伺いしたり。そうしたら受付の方に、「知事どうしたんですか」と言われて、そこでは何も言わなかったのですけれど、お風呂に入らせていただいて。そういう意味では、近くに銭湯というか入浴施設がありますからね。大変ありがたかったなというのはあります。
(北海道新聞)
ちょっと話題変わりまして、今日から始まりました道議会の関係で、道議会の答弁調整についてお聞きいたします。前回の第2回定例道議会においては、答弁調整について道幹部と道議会の間で一定の見直しを行ったわけなのですが、私の印象、取材の結果としてはちょっと目立った変化はなかったのではないかなと受け止めています。
その答弁調整については、議会議論の透明性が失われるばかりではなくて、その道職員の膨大なエネルギーとですね、時間を消耗するものではないかというふうに私は考えているわけなのですけれども、今日から始まりましたこの第3回定例道議会において、この答弁調整についてさらなる見直しなどを図るお考えはございますでしょうか。
(知事)
議会とのいわゆる答弁調整というお話が言われておりますけれども、やはり限られた時間の中で、しっかりと議論をしていく上において、事前に質問の趣旨や方向性などを確認するということについては、私はこれは必要だと思っています。
また、議会での質疑ということのみならず、道民の皆さまから選ばれた代表者たる道議会議員の皆さま方と常日頃から政策などについて意見交換を行うということは、われわれ道職員にとって重要なものであると認識しています。
いずれにしても、道政課題に関して、真摯で活発な、そしてより緊張感を持った議会議論が行われるよう努めていくということだと思います。
(NHK)
今月の1日に紋別市でアイヌの男性が、サケ漁は先住民の権利だと主張して、無許可での漁を行いました。道は警察に刑事告発をしていますが、まずこの問題について、知事の受け止めを聞かせてください。
(知事)
藻鼈(モベツ)川におけるサケ・マスの採捕についてですけれども、河川など内水面におけるサケ・マスの採捕は、法律(水産資源保護法)および規則(北海道内水面漁業調整規則)で禁止されておりますけれども、アイヌ文化の伝承等を目的とする採捕については、道の特別採捕許可で認められているところであります。しかしながら、今回は道の再三の指導にもかかわらず、このような行為に至ってしまったということでございますので、このことについて誠に残念な結果になったと思っています。
(NHK)
その上で今年施行されたアイヌ新法では、サケ漁について、特別な配慮をしようということになっていますが、まず道として現時点で特別な配慮をどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
(知事)
アイヌ新法の規定では、アイヌ施策の推進のために、市町村が策定する地域計画の中に内水面サケ採捕事業が記載された場合には、その事業が円滑に実施されるよう適切な配慮を行うこととなっているところです。
これまでも特別採捕の申請があった場合には、できるだけ速やかにその対応をさせていただくということで取り組んできたのです。そういう今までの取り組み状況が、まずあります。今後は、事前に市町村と連携を一層密にしながら、そのアイヌ文化の伝承等を目的とする採捕事業が円滑に進むように努めていかなければならないと思っています。
(NHK)
現時点では許可をいただいた上でやっていただくというルールになっていますが、今回の問題を受けて、あらためてその許可制度というのを見直し、その辺のお考えはいかがでしょうか。
(知事)
現時点においてそういったアイヌ文化の伝承等を目的とする採捕について、特別な許可を道として認めている。このことを、新しい考え方に変えるということは考えておりません。
(HTB)
GI認証制度についてお聞きします。昨日、農水省が今金男しゃくを道内3例目のGI認証登録としました。このことについての受け止めと、夕張メロンが1例目ということで、そのご経験も踏まえて、制度の意義というのはどういうところにあるとお考えでしょうか。
(知事)
昨日ですけれども、農林水産省において地理的表示保護制度の登録産品が発表されまして、今お話にありましたけれども、道内では「夕張メロン」、「十勝川西長いも」に次いで3番目が「今金(いまかね)男しゃく」ということです。国税庁においては、「北海道ワイン」も登録されているので、そういう意味では4品目ということになるのですけれども、この地理的表示保護制度、私も夕張市長時代に夕張メロンを第1号として、全国でも一番最初のタイミングで取りましたけれども、やはり素晴らしいものがあって、この食べ物はおいしいですよとか、魅力的ですよということをお伝えするのですが、これは政府で地理的表示保護制度、GIという認証を取っているものですよと言うと、非常に簡潔かつ分かりやすいのですね。ですからそういった意味では、海外は共通の地理的表示保護制度を持っている国が多いわけでございますので、そういう認証を取っているものなのだということで、海外への販路拡大にとっても大きなメリットがありますし、また、国内においてもやはりそういった認証を取ったものであるということを知っていただくことによって、消費者の方々が積極的に手に取っていただく、また関心を持っていただく機会になるかと思いますので、これは北海道としてもしっかりと応援をしていきたいと思います。
(北海道新聞)
クロマグロの関係なのですけれども、先般のWCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)で日本側の主張は通らなく、漁獲枠の拡大は見送られましたけれども、道内漁業にも影響が大きい話だと思うのですが、知事の受け止めをお聞かせください。
(知事)
国が提案した全体数量の増枠が合意に至らず残念だということがございますけれども、未利用分の繰越率が増加するなど、一部前進をしたということについては好意的に受け止めているところであります。
(北海道新聞)
抜本的に大きく漁獲枠が増えるわけではないので、来シーズンの道内での漁獲枠の配分というのも難しい調整になるかと思うのですけれども、どのように進めていかれるかお考えがあれば。
(知事)
これまでも、そういった調整を積み重ねてきておりますので、われわれの考え方というのをしっかりとお伝えをした中でご理解をいただくという取り組みを進めていく必要があると思います。
(北海道新聞)
スマートフォンで異なる交通手段を検索、予約、それから決済を一括して行えるMaaS(マース)についてお聞きしたいと思います。道は今月の下旬から十勝管内で実証実験を始めますけれども、MaaSにまず期待すること、それからMaaSの普及に向けて道としてどう取り組んでいきたいか教えてください。
(知事)
MaaSに対する期待などについてでございますけれども、道内空港一括民間委託を行うことによって、インバウンドの増加が見込まれる中において、道民の皆さまや観光客の皆さまが行きたい場所にスムーズに移動、周遊をしていただくためには、これは何といっても二次交通の充実が不可欠という状態でございます。その中において道では、十勝圏をモデル地域といたしまして、今年度、交通事業者や観光団体などに参加をいただきながら、MaaSの実証実験を行うこととしております。
また、道東では、ウィラー社が釧網線エリアを中心として、スマートフォンアプリによりまして、移動ルートの検索、予約、決済を一括して行いまして、観光地などを周遊していただくサービスを提供しているところであります。
MaaSは、誰もがストレスのない移動を実現する上で大変有効なツールであると私は考えております。今後は、こうした実証実験結果をもとに、道内空港一括民間委託を契機に、7空港を中心としたMaaSの展開を進めまして、全道への波及を目指すなど、観光立国北海道の確立に向けて積極的に取り組んでいきたいと考えています。
(STV)
知事公邸の件で、ちょっとお伺いしたいのですけれども、新たに民間の住宅を借り上げるということですけれども、今度そこに係るセキュリティですとか、日々の業務に関する負担であるとか、今後についてはどのように進めていこうとお考えでしょうか。
(知事)
当然のことながら、知事公邸については災害対応なども考えますと、いつ何どき何があっても速やかに登庁する、また24時間365日対応することが求められるのが、北海道知事の立場でございますので、まず一つがそういう地理的な要件といいますか、そういったものを満たすこと、さらには、一定のセキュリティもやはり私は必要ではないかと思いますし、また私の居住という意味においては、むしろ今まで適正規模ではなかったと思うのですよ。ものすごい広かったですから。
ですので、そういったことなどを総合的に勘案した中で、民間の住宅で適正なものであるかという考えの中で整理をし、決定したところです。。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)