知事定例記者会見(令和元年12月12日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和元年12月12日(木) 15:27~16:44
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/29名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 本日の未明に発生した地震について
  2. 令和元年第4回定例会の閉会にあたって
  3. IR(統合型リゾート)の誘致判断について
  4. 令和2年度以降の幌延深地層研究計画(案)について

記者からの質問

  1. IR(統合型リゾート)について(1)
  2. IR(統合型リゾート)について(2)
  3. 神奈川県における行政情報流出事案について
  4. 今年(2019年)の漢字一字について
  5. 道議会及び道庁の喫煙所について(1)
  6. 東京五輪マラソン・競歩競技の札幌開催について
  7. IR(統合型リゾート)について(3)
  8. 令和2年度以降の幌延深地層研究計画(案)について(1)
  9. 令和2年度以降の幌延深地層研究計画(案)について(2)
  10. 知事の政治判断に係る自己評価について
  11. 道議会及び道庁の喫煙所について(2)
  12. IR(統合型リゾート)について(4)
  13. IR(統合型リゾート)について(5)
  14. 令和2年度以降の幌延深地層研究計画(案)について(3)
  15. 令和2年度以降の幌延深地層研究計画(案)について(4)
  16. 道議会及び道庁の喫煙所について(3)
  17. IR(統合型リゾート)について(6)
  18. IR(統合型リゾート)について(7)
  19. 道議会及び道庁の喫煙所について(4)

知事からの話題

本日の未明に発生した地震について

 何点か、私から冒頭お話をさせていただきます。
 まずは、本日未明に発生いたしました地震についてでございます。本日、午前1時9分、宗谷地方北部を震源といたします地震が発生し、豊富町で震度5弱、幌延町で震度4を記録いたしました。道では地震発生後、1時11分に災害対策連絡本部を設置いたしまして、1時23分に私から被害状況などに関する情報収集に当たるよう指示をしたところでございます。
 現時点では特に被害の情報は入ってきていないわけでございますが、気象台によりますと、今後1週間程度は最大震度5弱程度の地震に注意をする必要がありまして、特に2日、3日程度は強い揺れをもたらす地震が発生することが多くあるということでございますので、くれぐれもご注意いただきたいと思います。また、報道機関の皆さまにおかれましても、注意喚起の報道についてご協力をお願い申し上げます。

令和元年第4回定例会の閉会にあたって

 次に2点目でございますけれども、令和元年第4回定例会の閉会にあたりまして一言申し上げます。11月26日火曜日から始まりました第4回定例会が、先ほど終了いたしました。このたび定例会では、さまざまな道政上の重要課題について議員の皆さまと議論をさせていただきました。
 まず、IRと幌延深地層研究計画案についてでございますけれども、こちらは後ほど話題の中であらためて道の考え方について申し上げたいと思います。その他にも、多岐にわたって議論がありましたが、観光振興税、こちらは仮称でございますけれども、検討の進め方、またJR問題の国への提言に向けた支援の考え方、東京オリンピックのマラソン・競歩競技の成功に向けた体制整備などについて答弁させていただいたところでございます。このほか、補正予算案や10件の条例案についても可決いただきました。
 このたびの議会での議論を踏まえまして、引き続き道政の推進に取り組んでまいる考えであります。

IR(統合型リゾート)の誘致判断について

 それでは3点目の話題でございますけれども、今議会でも議論いたしました、IRの誘致判断についてでございます。
 本日、閉会いたしました第4回定例会において、今回のIR誘致は見送ること、そして、来るべき時の挑戦に向け、準備を進めるということを表明させていただきました。
 この判断に至った経過について、あらためてご説明をさせていただきたいと思います。
 皆さんに資料をお配りしていますので、そちらのほうをご覧いただければと思いますが、IRは、民設民営のプロジェクトでございまして、国内外から多くの観光客を呼び込み、交流人口の増加や民間投資の拡大など、幅広い効果が見込まれ、人口減少が進行し、地域経済の先細りが懸念される中、北海道のピンチをチャンスに変える大きな原動力になるものと考えています。
 ではなぜ、今回、誘致を見送ることとしたのかについて説明させていただきたいと思います。
 理由としては大きく3点ございます。
 まず1点目でございます。候補地である苫小牧市植苗地区でございますが、緑に囲まれた自然豊かな場所であり、北海道らしい自然共生型のIRが実現できる可能性を秘めている一方で、保護すべき希少な動植物の生息が確認されており、こうした場所で大規模開発を行うには、環境影響評価、環境アセスを行う必要がございます。特に候補地には希少な猛禽類の生息が確認されておりまして、この場合、春夏の繁殖期を2シーズンかけて調査する必要がございます。そのため環境アセスの手続きには3年程度の期間を要するわけであります。
 こうした中、先月19日ですが、国から区域認定の申請期間が示されたわけでございますが、申請までの準備期間は最長でも1年7カ月。従って、自然環境への配慮が不透明な状況で、整備計画を策定し、国に申請しなければならないことになります。これがまず1点目です。
 2点目でございますけれども、国への申請時点で環境アセスが完了していないこと自体は、IR整備法では許容されているわけですが、さらに重要な問題は、仮に、全国3カ所に認定されたとしても、その後のアセスの状況や結果次第では施設の着工ができなくなるというリスクがあることであります。これが2点目であります。
 3点目でありますけれども、着工できない場合、認定申請までに費やした数億円の経費も含め、道民の皆さまに大きな負担を強いることになるわけでございます。こうした重大なリスクを抱えたままで、誘致に挑戦するということは、多くの皆さまのご理解を得ることができない。これが今回の誘致見送りに至った最大の理由でございます。
 今回は私自身、苦渋の判断で誘致を見送ることといたしましたが、来るべき時を見据えて、誘致への挑戦ができるように準備を進めていきたい、そう思っております。これがIRについてでございます。

令和2年度以降の幌延深地層研究計画(案)について

 四つ目の話題ですけれども、令和2年度以降の幌延深地層研究計画案についてでございます。一昨日の予算特別委員会でも、私から答弁をさせていただいたところですけれども、令和2年度以降の幌延深地層研究計画案に関する道の考え方を取りまとめたところですので、あらためて皆さまにご説明をさせていただきたいと思います。
 道と幌延町は、日本原子力研究開発機構の令和2年度以降の幌延深地層研究計画案の協議の申し入れに関し、確認会議を5回開催しまして、この計画案は三者協定に基づく当初計画の変更の対象となること、またその内容には、三者協定に反するものはないことを確認したものの、道民の皆さまの間には依然として、なし崩し的に最終処分場になるのではないかとの不安の声があるところでございます。
 このため、私自身が(日本)原子力(研究開発)機構理事長と面談いたしまして、原子力機構は三者協定を大前提と認識し、最終処分場としないことや、研究終了後は埋め戻すことを研究計画案に書き加え、あらためて提出したこと、令和2年度以降の研究期間は9年間であり、原子力機構はその期間を通じて必要な成果を得て、研究を終了できるようしっかり取り組むこと、今後の工程表を整理し、実施状況を分かりやすく説明すること、毎年度の計画や実績のみならず、評価についても道などへ報告することなどを明らかにしたところでありまして、これにより、なし崩し的に最終処分場になるのではないかとの不安や懸念が現実のものになることは防ぐことができると考えております。
 以上のことを踏まえ、この研究計画案は三者協定にのっとっており、9年間の研究期間で必要な成果を得て、研究を終了するものと受け止め、これを受け入れることといたしました。
 併せて、原子力機構に対し、積極的な情報の公開と発信を求めるとともに、毎年度、確認会議を開催いたしまして、研究が三者協定にのっとり、計画に即して進められているか確認し、その結果を公表していくことにより、不安や懸念をでき得る限り小さくしていけるよう取り組んでいくこととしております。
 以上、4点ですけれども、私からの話題提供は以上でございます。

記者からの質問

(北海道新聞)
 今、知事のほうからお話のありましたIRに関しましてお尋ねいたします。今もおっしゃっていましたけれども、来るべき時には挑戦できるように所要の準備をしっかりと進めるということですけれども、このIRに関しては、経済部の観光局のほうで検討されてきた経緯があったと思うのですが、この現在の体制が何人で、今後、所要の準備をしっかりと進めるための体制というのはどのような体制で臨まれるおつもりなのか、教えてください。

(知事)
 体制などについてでございますけれども、今、来るべき時期に挑戦できるように所要の準備を進めていくということをお話させていただいたところでございますけれども、現候補地を基本に誘致の可能性を幅広く検討していくとともに、国などの情報収集や国への提案、そして北海道にふさわしいIRのコンセプト作り、IRの理解促進に向けた取り組みなどを順次行っていくという考えであります。
 このための予算措置や、今、組織体制の話がございましたけれども、その体制のあり方といいますか、そういう部分についても今後、検討していきたいと思っています。現在のところ、このような体制で進めていくということを、この場で明らかにするという状況には至っていません。

(北海道新聞)
 今は何人体制なのですか。

(知事)
 各部横断的に、さまざまな課題についてはその都度話をしてきたわけでございますが、今、観光局でいうと7名です。担当セクションとしては7名ではございますが、例えば環境アセスの問題ですとか、さまざまな課題については議会でもお話をさせていただきましたけれども、関係部から私も直接話を聞いたりし、横断的に取り組みを進めてきました。そういった取り組み自体はこれからもやっていかなければいけないのですが、体制そのものをどうするかについては、今後検討していきたいと思っています。

(北海道新聞)
 今後の検討ということですけれど、具体的な数字などはこれからだと思いますが、増員するのか、それとも維持するのか、減らすのか、その辺の規模感については現在のイメージはいかがでしょうか。

(知事)
 現在、これは観光というか、IRのことのみならず、人事上さまざまな部分を、例えば東京オリンピックの関係の体制だとか、いろんなことを考えています。また、次年度に向けたそういった体制、グループ制を見直すだとか、いろんな動きも今検討しているところでございますので、そのような全体の人事上の体制の中でどう判断していくかということになろうかと思いますが、少なくとも体制を減じていくというようなことでは、新たな課題に立ち向かっていくことはできないわけでございますので、そういった視点の中で考えていきたいとは思っています。

(北海道新聞)
 新たな課題、IRに関する今難しいなと思っている部分を突破していくようなイメージで考えるとしたら、増やしていくイメージということでしょうか。

(知事)
 少なくとも現体制を減らしていくようなことは考えておりませんし、ただ、全体のバランスですとか、今ここで何名増員するとか言えるような状況ではございませんので、そのことについては差し控えたいと思います。

(北海道新聞)
 同じくIRの関連なのですけれども、知事は誘致に挑戦したいとの思いに至ったということを繰り返しおっしゃっていますけれども、思いに至ったのはどのようなきっかけで、いつくらいからそう思われたのか、その辺ちょっと教えていただけたらと思います。

(知事)
 これは、議会でもさまざまな熟慮を重ねた旨のお話をさせていただきましたけれども、私は就任当初よりIRに関して、北海道の将来にとって何が大切かという視点に立って、プラス・マイナス両面を総合的に勘案して適切に判断をするということをこの場でも繰り返し申し上げてきたわけであります。この間、幅広い方々のご意見、ご要望などもお聞きいたしました。そして、熟慮を重ねた結果として、まずはIRは本道の経済、社会に大きな効果をもたらすことが期待できるということを、私自身、まず認識したわけでございます。一方で、ギャンブル依存症などをはじめとする社会的な影響等、マイナス面として挙げてきた部分でございますけれども、対策を着実に行うことで影響を最小限に抑えられるという考えに立った中で、ぜひ誘致に挑戦をさせていただきたいという思いに至ったところであります。
 また、その判断の時期でございますけれども、これは本当に議会の場面でも熟慮に熟慮を重ねたということで申し上げましたけれども、議会で私の考えを表明させていただくその直前まで、さまざまな思いを巡らせていたというのが率直な状況でございます。

(HTB)
 IRに関連して1点、まず聞かせてください。優先候補地とされていた苫小牧市、地元への説明というのは、どのようにされるおつもりなのか教えてください。

(知事)
 苫小牧市長も、知事や副知事にその真意を確認したいということでご発言をされているということも承知しております。苫小牧市においては、早くから市長を先頭に市の職員の皆さまや、地元の経済界の皆さまが一体となってIRの誘致に向けた幅広い取り組みを行ってきたということでございます。
 今回の判断の経緯などについては、これも議会でもお話をさせていただいたのですけれども、すでに担当の副知事が市長にはご説明をさせていただいたところでございますけれども、やはり私自身が直接、お話しさせていただきたいと思っていますので、そのように進めていきたいと思っています。

(HTB)
 いつ頃お会いになるとかはまだ。

(知事)
 そうですね。先方の都合もございますし、私の日程的なものもあるものですから、ご相談させていただいて、できるだけ早くそれはやらせていただきたいと思っています。

(HTB)
 すみません。もう1点、話が変わるのですけれども、神奈川県庁で個人情報が記録されていたハードディスクがネットオークションで転売されていた問題に関連してお聞きします。
 まず1点、その転売が行われていた株式会社ブロードリンクという会社と、孫請けを含めて道が契約があったのかどうか。もう1点、その一般論としてハードディスクなどの記録媒体を道が廃棄する場合、どのような手続きを行っているのかということを教えてください。

(知事)
 今回の事案でございますけれども、かなりニュースなどでも報道され、私自身も気になっていまして、早速その状況について確認をさせていただきました。現在、道には個別のシステムが218システムございまして、それらについて下請け企業も含めまして、今回の株式会社ブロードリンクに処分を依頼したというシステムがないかを確認をさせていただきましたが、そういったものはないということで確認をしたところでございます。
 それとあと、今、一般論としてというお話でございましたけれども、道での処理状況ですが、情報セキュリティ対策基準を定めておりまして、その中で外部記憶装置の廃棄に関する部分については、電子データの完全消去を行うための専用ソフトウェアの使用、あと物理的な破壊、こういったものを行ってデータの復元が完全に不可能な状態に処置することにしています。また、外部の者に処理を委託する場合についても、この対策基準において、道における廃棄手続きと同様の対応を行うこととしているところでありますので、今回の対象企業への依頼はそもそもなかったわけですが、そのような取り扱いでございます。

(HTB)
 最後にもう1点、また話が変わるのですけれども、先ほど日本漢字能力検定協会が1年の世相を表す今年の漢字に、新元号令和の「令」の字を選びました。これについてのご感想と、知事ご自身、(夕張)市長からの転身という変化もある1年になったと思うのですが、知事にとっての今年の漢字を教えてください。

(知事)
 午後2時にその令和の「令」ということで発表されたということで、本当に時代が平成から変わって、多くの方々がその時代の変化に対して、新元号を意識された中で令和の「令」の字が選ばれたのだと思います。そういう意味では、本当に象徴的な今年の漢字として選ばれる、多くの方がそういう同じ思いを持っていたのではないかと思います。
 私自身、漢字一字何がいいかなと思ったのですけれども、ちょっと「令」と重なっちゃう部分があるのですけれども、「新」ということで、新しいということで、確かに令和という新しい時代に変わったのはもちろんそうですし、私自身もその令和という時代を当選直後に迎えるに当たって、道民の皆さまから負託をいただいた知事として、その時代を迎えさせていただき、また私自身も知事として新たな一歩を踏み出させていただいた、この1年でありました。多くの新しい挑戦もこの間してきたわけでございますけれども、本当1年間駆け抜けてきた。(1年)終わっていないわけで、まだまだ年内にやらなければいけないことはありますけれども、そういった一字を私自身は選びたいなと思っています。

(北海道新聞)
 今の、今年の漢字と関連するわけではないですけれども、新しい道議会庁舎の喫煙所問題について質問いたします。北海道医師会や北海道看護協会など10団体が新しい道議会庁舎と敷地内全面禁煙を求める10万3,324筆の署名を高橋亨副議長に提出しました。この10万人を超える署名の重み、受け止めをお願いします。

(知事)
 これは道議会の新庁舎に対して、全面禁煙を求める10万筆を超える署名が集まったということでありまして、かねてから多くの方々が非常に関心を持たれていた問題といいますか、部分でございますけれども、その署名ということまで行き着く方と、そうではない方でも多くの関心を持っていらっしゃるわけでございまして、そういった多くの方々が注目しているという状況は、極めて重いと思っています。

(北海道新聞)
 署名提出の後、長瀬会長らが記者会見を行い、その場で長瀬会長から、知事に対しても10万人を超えたんだという話をしたという話がありましたが、その経緯といいますか、いつどこでそういった形で聞かれたのか、またどういうふうに感じられたのかというのをあらためてお聞かせください。

(知事)
 昨日ですね、長瀬(北海道医師会)会長から。新議会庁舎のみならず、道庁においても、敷地内の全面禁煙を求める署名でございますので、道議会のみならず、知事宛てにも提出をさせていただきたいというお話がございまして、10万筆を超える署名が集まっているわけですので、私が対応いたしました。直接、内容についてご説明いただきまして、大変多くの方が署名をされた重みを受け止めるということで、お話をさせていただいたところです。

(北海道新聞)
 それに関してあらためて、その道職員の喫煙所についての考え方、いつまでにどんな観点や根拠によって結論を出すのかという考えをお聞かせください。

(知事)
 道庁の喫煙所の話は、これは当然私が判断をしなければいけない話でございますので、ここ(記者会見)で以前お話をしましたけれども、喫煙所を設置しない場合、どのような影響が出るかということで検討を指示しております。敷地内における受動喫煙防止対策の観点から、設置しない場合について、その背景に私が思っているのは、そもそも今、受動喫煙防止条例の制定ということで取り組みを進めているわけでございます。また東京2020のマラソン・競歩競技が札幌で開催されることにもなりました。そして長瀬会長のお話がございましたけれども、10万を超える方々が署名されたことなどの状況、また、何よりも職員の健康管理の面で喫煙率が高い状況がありまして、そういったことなどを踏まえて考えていますけれども、敷地内全面禁煙にするかどうかも踏まえて、安全衛生委員会において検討するというところでありまして、私としては、年内に結論を出したいと思っています。

(北海道新聞)
 東京五輪マラソン競技の札幌開催に関しまして2点質問です。1点目については、知事は10日の予算特別委員会で専任の部長職を設置する方針を示されました。この部長職は具体的にどのような役割を担うことを想定されているのかお聞かせいただきたいです。
 2点目は、同じくこの委員会で、知事をトップとする競技開催支援本部を設置するという意向も示されました。今はオリパラ連携室が、五輪に関する関係業務を行っておりますが、今回の支援本部のように、オリパラ連携室以外に設置する庁内組織に配置する職員というのは、全体で大体何人ぐらいの規模感の人員配置を考えているのかお聞かせください。

(知事)
 2点ご質問がございましたけれども、まず、東京2020オリンピックのマラソン・競歩競技の札幌開催に向けまして、組織委員会への支援協力のほか、機運醸成や本道の経済活性化など、開催に伴う地域振興に結び付けていくために、近く専掌する部長職の職員を設置するほか、ご質問の中にもございましたけれども、環境生活部の体制を整備する方向で調整しているところであります。大会の成功に向けては、全庁一丸となって連携することについても、庁議などで私から指示しているところでございます。そういった新たな組織を中心としながら、競技の安全、円滑な実施への協力はもとより、世界中から訪れる多くの選手、関係者、観客の皆さまなどへのおもてなしや、道内の機運醸成、本道の魅力発信など、オール道庁で取り組んでいきたいと思います。
 また、組織委員会が年内をめどに、仮称と聞いているのですが、「東京オリンピックマラソン・競歩実施本部」を札幌市内に設置する意向を示しております。道としても札幌市とともに職員の派遣など、組織委員会に協力していくことが必要であると考えています。道としては、組織委員会や札幌市、道内市町村などの関係者と緊密に連携しながら、大会成功に向けて全力で取り組んでまいりたいと思っております。今の庁内の体制の部分は、具体にまだ申し上げることは差し控えたいと思いますが、実施本部に派遣することを考えている職員は、大体4名程度を今考えているところであります。

(朝日新聞)
 何点か伺います。まず、IRの件なのですけれども、今までは道はIRに関しては誘致するともしないとも、いわゆる中立の立場で全て物事を処理してきたというふうに思います。今回の知事の議会における答弁において、今後は道としては、IRを誘致する、つまり前向きな方向で全て検討していくというふうにステータスが変わったという認識でまずよろしいでしょうか。

(知事)
 はい、そのように認識していただいて結構です。

(朝日新聞)
 とすると、いくつかのことが変わってくると思うのですけれど、例えば私がぱっと今思い付くだけでも、例えばパンフレット、これ議会でいろいろ議論がありましたけれども、基本的には中立な立場で作っている。これを例えば、誘致を前提としたものに作り替える。もしくは、先ほども少しお話ありましたけれども、ギャンブル依存症の問題。今、道の策定方針(北海道ギャンブル依存症対策推進計画(仮称))というものを作っておりますけれども、この中にはIRといいますか、カジノのことは入っていませんけれども、例えばこれを取り込むとか、いくつかそういうふうに政策として変えていかなければいけない部分もあると思うのですが、この辺りはどういうふうに今後進めていかれますか。

(知事)
 議会で表明をさせていただきまして、そのことを受けて確かに段階を変えていかなければならない諸問題が出てくるかと思いますので、道民の皆さまに対するそういった理解をさらに進めていく、また対策の部分でいうと、国のほうの動きなどもありますし、また実際に挑戦をする、具体的な動きを進めていく中においては、事業者の皆さまと、どのようにそれを現実的に対策として取り込んでいくのかということも当然話をしていくわけでございますけれども、その段階に応じて、われわれとしてそれぞれの皆さまに対して説明をすべきこと、また対策として取っていかなければならないことについては、当然進めていかなければならないと思っています。

(朝日新聞)
 しつこいようですけれども、今まで要するに中立の立場だったからということで進めなかったことについては、今後は前向きに進めるという理解でいいですね。

(知事)
 そうですね。挑戦をさせていただきたいというお話をさせていただいているわけでございますので、それを実現するためにはさまざまな課題がございますので、そういった部分について一つひとつクリアをしていく、そういった取り組みを進めていくということになろうかと思います。

(朝日新聞)
 もう一つ、今回、そういう心構えであるにもかかわらず見送ったというのは、端的に言うと、要するに時間がなかったということだと思うのですけれども、そうすると、例えばアセスですね。これについては、今すぐにでも始めたほうがいいんじゃないかと思うのですけれども、そこら辺はいかがですか。

(知事)
 まずは、今回の結論に至った内容などについて、先ほどのご質問にもございましたけれども、苫小牧市と共有をさせていただいて、また苫小牧市の皆さんと今、植苗地区が候補地として挙がっているわけでございまして、そういったところとお話をさせていただいた中で、これからの進め方についても整理をしていくことになると思います。

(朝日新聞)
 すみません。ちょっと続いてしまって恐縮なのですけれど、幌延の件で伺いたいのですけれども、いわゆる9年後ですね、2028年以降の延長についてはもう今のところは認める考えはないというふうに明確にされ、毎年確認会議を開くことでそういったことを防ぐという形でここはある程度、明確にされているかと思うのですけれども、一方で、そもそも、要するに20年程度と言ったことを、今現時点で延長するということに対して、なぜそれを認めるのかという部分についてはまだちょっと明確ではないような気がするので、そこについてもう一度でお願いします。

(知事)
 それぞれ確認会議や、また私も理事長と直接お話をさせていただく中で、さまざまな懸念について、今ご質問にありましたとおり、整理をさせていただいた上での判断でございます。また、当該施設ならびにその研究についてでございますけれども、その必要性については、私もそこは必要であろうと。そういった使用済みの核燃料を処分していくに当たって、さまざまなことを研究していかなければならない。その研究の必要性については、私も必要であろうと思っておりますし、ただそこに対する懸念がさまざまあるわけでありまして、その部分というのはしっかり確認をしなければならないということで、この間、確認をさせていただいたところです。

(朝日新聞)
 あえて言いますと、おっしゃるとおり、国全体としてその使用済み核燃料をどうするかという問題と、それから一方で、幌延という場所については20年程度で終わるという問題。これを、言い方悪いですけれど、天秤にかけるような形になるかと思います。それを知事としては、やっぱり国として全体のほうを取ったという理解でいいですか。

(知事)
 国としてというよりは、それは国としてもちろんあり方を考えなければいけないというのももちろんあるでしょうが、今使用済み核燃料をどうしていくかということ自体が、みんなで考えていかなければならない話だと私は考えています。
 ですから、その点については、国がうんぬんということだけではなくて、そういった私自身の考え方もございますし、また地元幌延町がこの間、さまざま対応をされてきた中で、地域としても、今回、さらにこの申し入れ内容を受け入れて進めていきたいということを、町長を含めて住民代表である議会が決定されていると。そういったことなども踏まえて、判断しているということです。

(朝日新聞)
 最後です。そういったことを、道はこれから道民説明会という形で道民に対して説明をしていくというのが議会(第4回定例会)のほうで答弁がありました。今おっしゃったようなことで、多少は理解できたような気がするのですけれど、そういういわゆる知事の考え方、そういったものもぜひ説明した方がいいのではないか。具体的に言うと、その道民説明会に例えば知事も行かれるということも考えてもいいのではないかという意見もありますけれど、その辺りはいかがですか。

(知事)
 そのような意見があるということについては受け止めさせていただきたいと思いますけれども、道民の皆さまに、いずれにしても説明をしっかりと行わなければならないということは十分認識していますので、説明会を開催して、このたびの道の考え方を説明させていただく、また説明会に来られない方もいらっしゃいますので、ホームページなどを通じて、いつでもご覧いただけるような状況にして広くお伝えしていく、そして、今回のことは分かりましたということは、たとえ理解していただいたとしても、その後の状況についても、やはり不安であるということが当然ございますので、専門有識者を加えた確認会議、そして毎年度、毎年度それをやって、しっかり三者協定にのっとってやられているのか、そういうこともしっかり皆さんに公表をしていくということの中で、今回の判断についての説明、それとこれから先の状態についての説明もしっかりやっていきたいと思っています。

(北海道新聞)
 引き続き幌延のことで伺います。今回の計画案について知事のご認識をあらためて伺いたいのですが、この計画案の中に終了期限というものが書かれているかどうか、できればイエスかノーかでお答えいただけるとありがたいです。

(知事)
 研究の期間については、前回の会見で、期間については3期、4期(中長期目標期間)の9年間ということで申し上げましたけれども、その中身について、直接理事長と面会をさせていただいた中で、その9年間の認識について確認をさせていただきました。そのことによって、その期間について明確になったと思っています。

(北海道新聞)
 あえて知事も面談、会談の時に、終了するという言葉を使わなかったのですが、どこにもこの9年間で終了するということは、あるいは9年間ということすら計画案の中には書かれていませんけれども、それはなぜそれを書くように、議会でも出ていたのですが、求めないのでしょうか。

(知事)
 しっかりとその9年間で研究を終了していただくということを、多くの皆さまと共に、開かれた中で確認をしていくということが大事ではないかと思いますし、そのことについて確認をさせていただき、また皆さんにそのような説明もさせていただいてる中で、それは担保されると思っています。

(北海道新聞)
 文書として残す必要はない、口約束で良いというお考えですか。

(知事)
 口約束といいますか、計画期間自体は、3期、4期それぞれ2年、7年で9年間となっていまして、その9年間で研究を終了していただく、そういうことについても直接確認をさせていただいていますので、その点については、不安は払拭(ふっしょく)できるのではないかと思っています。
 また、期間中も、先ほどお話をしましたけれども、その三者協定を順守し、計画内容をしっかりと進めているかについて確認をさせていただく中で、不安というものも払拭させていただきたいと思っています。

(北海道新聞)
 ちょっと最初の質問に戻ってしまうのですけれども、計画案の中に、いつ終了するかということが書かれていると思われているのですか、そこはいかがですか。あそこには書かれていないけれども、公開の場で9年間という言葉が出た、終了するということは一度も言っていないですけれど、その期間に頑張りますということを言っているだけであって、そこは計画案の中に書かれているという認識なのかどうか、これはイエスかノーかでお答えいただければと思うのですけれども。

(知事)
 繰り返しになって大変恐縮なのですけれども、大切なことは、9年間でしっかりと研究の成果を上げていただいて、研究を終了していただいて、しっかり実効性のあるものにしていくということが重要だと思いますので、その点については、一定の確認が行えたと思っています。

(北海道新聞)
 確認ですけれど、書かれてはいないということでよろしいですか。

(知事)
 端的にそういう、イエス、ノーで答えるということが適切ではない案件だと思いますので、そのような質問に対して、イエスかノーかということでのお話は差し控えさせていただきたいと思います。

(北海道新聞)
 分かりました。あと、知事と(原子力機構理事長が)会談された日の夜に、不自然な文書が不自然な時間帯に報道各社に送られてきたのですけれども、これは道、知事のほうから要請されたのでしょうか。

(知事)
 不自然な時間に不自然な内容というのは、私はどういう不自然な内容なのかちょっと掌握していないのですが。

(北海道新聞)
 「今日、理事長が話したのはこういうことです」ということを、わざわざ紙に書いて送ってきたのですけれども、それは知事はご存じないですか。

(知事)
 会談でのやりとりについて、機構のほうで文書を出されたということは承知をしております。

(北海道新聞)
 それは道のほうからは要請をしていないですか。

(知事)
 機構が出された文書ですよね。12月6日に、日本原子力機構として出されている文書でありますので、これは道のほうでどうこうしたということではありません。

(北海道新聞)
 事務方のほうも含めて、道からの働き掛けはないというふうに明言されますか。

(知事)
 ございません。

(北海道新聞)
 分かりました。それと、5日まで幌延の関係で道民の意見を募集していて、これももちろん、ご判断の中に反映させたのだと思うのですけれども、意見として賛成、反対、おおよそで良いのですけれども何割と何割ぐらいというようなイメージだったのですか。

(知事)
 ちょっと数字の割合の詳細については、今私の手元にないのですが、なし崩し的に最終処分場になるのではないかとか、期間について明確になっていないので、そこがずっと終わることなくいってしまうのではないかだとか、そういった主なご意見がございまして、そういった意味では、そこら辺をしっかり確認をしない中で進めるということについては、多くの方が反対されているのではないかと思います。

(北海道新聞)
 あとすみません、もう1点だけ。以前も伺ったことで恐縮なのですけれども、国が今後、これ幌延に限らずですけれども、道内の自治体に核のごみの処分の候補地になってくれと申し入れてきた場合に、知事はどう対応されますか。

(知事)
 それは仮定の話でございますけれども、そういった受け入れについては難しいと思っています。

(北海道新聞)
 難しいというのは、断ると、拒否するということですか。

(知事)
 仮定の話なので、どういう状況で何がどうなってというのが全く分かりませんが、受け入れるというのは極めて難しいわけですから、そこは難しいとお答えすることになるのではないでしょうか。

(TVh)
 ちょっと伺いたいのですけれども、今回道民目線に立って、道政課題、いろいろなものに判断を付けられたと思うのですけれども、例えばIRの誘致ですとか、幌延の深地層研究センターの研究期間延長の容認など、いろいろありました。これに対して、知事、個人的に、例えば自己評価、採点、この決断に対してあればちょっと伺いたいなと思います。

(知事)
 IRについて言いますと、さまざまな調査、マスコミの方が行っているそういうものなどもございますし、そういった意味では賛成の方もいらっしゃいますし、反対の方もいらっしゃいますので、多くの方の意見が割れている問題だと思っています。
 そういった状況でございますので、ただ、北海道の将来にとって何が必要かという観点に立って、さまざま判断をしていかなければならないのが、知事としての仕事でございまして、今回の判断ももちろんそうですけれども、これからのさまざまな判断に基づく行動といいますか、取り組みといいますか、そういったものも含めて、道民の皆さんが評価をされるものだと思いますので、幌延の話もそうですし、そういったものはしっかり私自身が皆さんの賛成も反対も含めて背負って、これから仕事をしていくということに尽きると思います。その評価については、道民の皆さんがご評価をされるのだと思います。

(STV)
 ちょっと話が戻ってしまうのですけれど、道議会の喫煙所について1点伺いたいのですが、かねてから知事は、議会でまずは話し合われることだというような表現をされてきましたが、今後、議会のほうで方針がある程度固まった場合に、知事としての意見を議会側に示すお考えはあるのか。それとも、議会側の方針を尊重するというようなお考えなのか教えてください。

(知事)
 議会の中でしっかり今、議論を深めていらっしゃるという状況かと思いますので、その議会の中での議論の結果がどういう形になるかは分かりませんけれども、まずはそういったものを注視していきたいなと思っています。

(STV)
 新庁舎の完成が間近に控えていますが、スケジュール感という面では何か求めたいということはありますか、議会側に。

(知事)
 それは議会の中でも、そういった時間的なものも意識をされた中で、さまざま議論を行っていらっしゃると思いますので、それは私から何かを求めるということは必要ないのではないかなと思っています。いずれにしても、大変関心が高いことでもございますので、その中で議会としてしっかりと答えを出していただければと思っています。

(読売新聞)
 IRについてお伺いします。
 知事は今後IRを前向きに誘致に向けた取り組みを進めていく中で、議会でも大都市にはない北海道ならではのIRを整備するために、国に制度の見直しや柔軟な運用を検討していただくと述べられていまして、そこから推測するに、よりコンパクトなIRを知事はイメージされているのかなと思うのですけども、知事は今どういったIRが、北海道にふさわしいIRというもののイメージというのがあれば教えてください。

(知事)
 北海道が持っている自然や食・文化など、本道の強みがございますので、そういったところを生かしたIRがやはり他にはないものになるのではないかと思っています。
 また、施設規模ですとかそういった内容については、例えば今手が挙がっている大阪ですとか横浜ですとか、そういった地域というのはかなり人口なども多い地域なのですね。
 どういったところが3カ所に入るかというのは、今後の話ですから、そこは分からない部分もございますけれども、例えばそういった地方型と言いますか、地域にとって、より柔軟な形での要件が、もし叶うのであれば、そういったことを勉強していきたいと思いますし、またルール作りは、国でやっていますから、国に対して、要請、要望していくということをやはり行っていかなければならないだろうと思っています。

(読売新聞)
 これまで、先ほど、中立な立場で進めてきて、これから前向きに変わるということで中立な立場であるからこそ、どういうものを実際作りたいかというイメージを、なかなか提示することができなくて、それが道民にとって分かりづらい部分があったかと思うのですけれども、今後そういう道としての具体的なこういうものを作りたいというイメージを示されるようなお考えというのがありますでしょうか。

(知事)
 基本的な考え方を取りまとめる中で、さまざま、課題だけではなくてIRの効果などについても整理いたしましたけれども、今後は、課題として整理しきれなかった内容などをより整理をしていくとともに、先ほどのご質問にもございましたけれども、挑戦をさせていただきたいということを私は申し上げているわけですから、そこの段階に即した対外的な説明というのは当然していかなければいけないと思いますし、道民の皆さまに理解をいただくための努力をしていきたいと思います。

(読売新聞)
 最後もう1問。今回、見送るに当たって環境の評価が、着工できない可能性というリスクを抱えたまま、その認定申請を行うことは道民の信頼に応えられないという話があっ たのですけれども、今後、取り組むに当たって、実際その7年後に、3カ所の見直しがあるかもしれないという話があるとはいえ、実際に次のその募集があるかどうかも分からない中で予算をそれなりに付けてそういう検討を進めるということも、そのリスクではあると思うのですけれども、そこはどのように道民に説明するお考えでしょうか。

(知事)
 当然、現時点で3カ所以上に拡大をするかどうか見通せていないわけでありまして、そういった意味で、現時点ではそういった状況であります。予算措置などについても、現時点でこの予算をいつ提案するとかそういったことも決めていません。
 ただ考え方として、やはり私は道民の皆さんにご負担を申し上げるということは大変重いことでございますから、できる限り道民の皆さんの負担を最小限にしていくやり方、どういったやり方があるのかということについては、これはIRのみならずですけれども、しっかり考えていかなくてはいけないと思いますし、また、その負担を強いるような状況については、道民の皆さまが納得をしなければ、それはなかなか進んでいかない話ですから、その場合には丁寧な説明をまた尽くしていくということに尽きるのではないかなと現時点では思っています。

(朝日新聞)
 端的にお伺いしたいのですけれども、先ほどIRに関しての判断のポイントを3点挙げられていたと思うのですが、3点目の道民の負担、負担というかリスクですかね、重大なリスクを抱えている状況では、要は挑戦できないと、要は着工できない場合ですね、数億円の経費を含めということなのですけれども、経費以外の、道民にかかる大きな負担というのは、具体的にどういったことを考えていらっしゃるのかというのを教えてください。

(知事)
 大きく分けて今三つ申し上げましたけれども、例えばこの自然環境への配慮、環境アセスの問題を申し上げましたが、これは周辺への影響などもそうですが、しっかり環境へ適切な配慮を行うということが、道民の皆さまにとっても、北海道の大きな魅力ですから、そういった自然環境をしっかりと守ってほしいという思いは、道民の皆さんも持っていらっしゃる方が多いのではないかと思います。
 ですから、そういった経費的な負担だけではなくて、今回お話ししたような内容というのは、そういった意味では、皆さんと共通する部分があるのではないかなと思いますし、先ほど、3カ所に選ばれるかどうかということも確かにあるのです。選ばれるかどうか分かりませんから、手を挙げたとしても。そこでのリスクとまた違うわけですね。そもそも着工できるかというリスクがある中で手を挙げるということになるわけですから、ちょっとそこはやはり大きなリスクですから、道民の皆さんにそういうご負担をお願いして、行政判断として、実現に向けやっていくということは、私は無理であると判断しました。

(朝日新聞)
 ちょっと言い方を変えると、これは例えば事業者から、誘致の判断をしたけれども実際は着工できなかったということで、事業者から訴えられて巨額の賠償を求められると、そういったことも懸念されていたということでよろしいですか。

(知事)
 その懸念がどうこうということはございませんが、まずしっかりと提案するに当たって、今申し上げたような大きく三つの課題があるわけですから、特に着工ができないというリスクがある中では、それに付随するさまざまなリスクというのが出てくるというのはあるのではないかと思いました。

(朝日新聞)
 この優先的な候補地でそういったリスクが、要は自然環境への負担というか、それが課題が解決できないということでおっしゃっていましたけれども、議会でも一部出ていましたが、そうじゃなければ別の、近くの苫東地域でもというようなお話も出ていましたけれども、候補地を今後、いつ調査の予算化とかされるか分からないとおっしゃっていましたけれども、候補地が変わる可能性は今後あるということでよろしいですか。

(知事)
 議会でのやりとりでもお話をさせていただきましたけれども、苫小牧の植苗地区を候補地として整理してこれまで進めてまいりました。苫小牧市の市長、また職員の方々、地元の経済界の方々、多くの方々が一体となって進めてきたわけですから、まずはしっかり皆さんとお話をしてというのが基本でありますので、その中で幅広く検討するということになってくるのかなと思います。

(北海道新聞)
 幌延の関係で何点か伺います。今後毎年度、確認会議を開くという説明がありましたけれども、毎年度確認会議を開くに当たって、例えば原子力機構や幌延町との協定を修正するなど手続き面で変更や協議が必要なことというのはあるのでしょうか。

(知事)
 そこはどうですか。

(環境・エネルギー室長)
 大きいところはそういう変更はないです。細かいところの調整というのはあるかもしれません。

(知事)
 あり得るということですね。今後、毎年度行っていく中でいろんな確認会議の中で話し合いがあるかと思いますので、その中でそういったことが完全にないということは今の時点では申し上げられませんけれども、具体的に何かそういう変更が必要な中身が出てきたのであれば、そういったこともあり得るのではないかなと思います。

(北海道新聞)
 基本的には今回と同じく、三者協定に基づく確認会議という捉え方で。

(知事)
 そうですね。三者協定に沿ってしっかりと研究が行われているのかどうか。そして、計画の期間についてお話をさせていただいているわけですから、そういった中でしっかりと行われているのかということを確認することになろうかと思います。

(北海道新聞)
 原子力機構のほうには、今回の知事の一連の判断や考え方というのはすでに伝えていらっしゃるんでしょうか。

(知事)
 正式な手続きとして進めるのはこれからになりますが、当然、議会議論やさまざまな場で対外的に私がお話をさせていただいていますから、当然、機構としては、その内容について掌握しているのではないかと思います。

(北海道新聞)
 あらためて伝える場であったりとか。

(知事)
 しっかり回答という正式な手続きをしなければならないのです。なので、その手続きをこれから行っていきます。

(北海道新聞)
 それは何か場を設けたり、もしくはその書面でやりとりをするというのは今の段階でいかがでしょうか。

(知事)
 基本的には書面でやりとりをすることになるのではないかなと思っております。

(北海道新聞)
 今回の計画案の受け入れ表明に先立ちまして、5回、確認会議が開かれましたけれども、知事ご自身は確認会議の確認の結果についてはどのように評価されましたでしょうか。

(知事)
 今回の申し入れの内容が、計画変更として共有できるか、またその三者協定を順守しているのかどうかということを5回にわたって確認会議において進めてきたわけでありまして、私自身もその報告を受けているわけでありますから、そのように認識をしています。

(北海道新聞)
 確認会議の結果については、知事ご自身の認識と異なる項目というのはあったのでしょうか。

(知事)
 項目といいますか、先ほど申し上げたように三者協定にのっとっているということではあるのですが、やはり道民の皆さんの中から最終処分場になってしまうのではないかだとか、研究期間が明確ではないのではないかだとか、そういった部分があったわけでございまして、やはりその点についてはしっかりと確認をしなければならないという認識の下でこれまで必要な手続きを行ってきたということです。

(北海道新聞)
 確認会議の結果については、知事としては基本的にはそのまま受け入れたという認識でよろしいでしょうか。

(知事)
 当然、道として確認会議に入っていますから、5回にわたっての内容についても報告がありますので、しっかりその内容について確認をするということは手続き上させていただき、ただ一方で、先ほど申し上げたような道民の皆さんの不安、懸念、そういったものがあるわけですから、そこはやはり私が直接確認をするということが、やはり一番、道民の皆さまから負託をいただいた知事として、(原子力機構)理事長に直接の確認をさせていただく、このことがやはり必要だという判断から面談などを行わせていただいたということです。

(共同通信)
 幌延のことで伺いたいのですが、原子力機構への正式な回答はいつ頃すると想定されていて、先ほどおっしゃった道民説明会をいつ頃何カ所ぐらいで開催を検討されているのかと、機構への回答時期は説明会に関わってくるのかというところをちょっとお聞かせください。

(知事)
 ちょっと、若干実務的な話になるので。回数だとか決まっていますか。

(環境・エネルギー室長)
 未定、検討中というところでございます。

(共同通信)
 機構への正式な回答は、その説明会の全部に関わらないというふうな考えですかね。

(知事) 
 説明会と回答がリンクするかという話ですか。

(共同通信)
 説明会を踏まえた上で、回答されるというような考えなのか、それにはかかわらず、もう手続きは進められるという考えなのですか。

(知事)
 回答期限とかありますか。

(環境・エネルギー室長)
 回答期限は、特にございません。

(知事)
 説明会なども行いながら回答していくことになろうかと思いますが、具体的な日時というか日にちについて、いつやるというのは、これから調整させていただきたいと思います。

(uhb)
 先ほど知事のお話の中でありました、たばこのことなのですけれども、年内に判断するとおっしゃっていたのは、道庁の本庁舎の中に喫煙所を設けないという上で、職員たちの喫煙率が高いことなどに対しての何か対応策とかを年内に判断するということでよろしいですか。

(知事)
 敷地内全面禁煙とした場合にどういった課題があるかについて、検討を指示したわけです。さまざま他の自治体の状況などについても分かってきましたし、そういった状況を踏まえて、安全衛生委員会で議論していただいて、私としては、年内にそういった喫煙所を設置するのか、敷地内全面禁煙で取り組んでいくのかについて判断したいと思っています。

(uhb)
 また、こういう会見の中で、それを年内にあらためて発表していただけるということですか。

(知事)
 安全衛生委員会というものをまず開いて、その状況を受けて、最終的には私が判断するという形になりますので、当然判断をしたら皆さんにお知らせするということになると思います。

(北海道新聞)
 ちょっと長くなっている中で、またIRのことで恐縮なのですけれども、今回の決定に至るまでについて、賛成派からも反対派からも、どうしてこうなったのか、これからどうなるのかという声がいまだに多いと思います。
 今回の決定に至るまでの進め方、道の進め方について、知事として反省点があるのかどうかお聞かせください。もし反省があるとすると、今後またIRを進めていかれるというお話でありますので、どのように政策決定に向けて進めていけば、今回のような混乱を解消しながら、やっていけるのかということを、現時点で考えていらっしゃることをお願いいたします。

(知事)
 全ての政策に言えることですけれども、しっかりと状況把握した上で、政策決定というのは行わなければならないと思っています。IRの部分については、私自身の選挙戦においても、プラス・マイナス両面総合的に勘案をして判断をすると申し上げる中で、それははっきりしていないのではないかというご指摘もいただきました。
 知事という立場になった中で、得られる情報や見えてくることもあります。ですから、そういったものも冷静に見極めた上で判断する必要があるということも、その時にお話をさせていただきました。
 これは(夕張)市長として、仕事をしてきた時も同じですけれども、今回7カ月間にわたって、このIRの部分について、さまざまな課題、また道民の皆さまがIRを知らないという状況が多くある中で、知っていただく、その傾向はどうなるのだろう等それぞれ必要な手続きは限られた期間でしたけれども進めてきました。
 判断について、熟慮に熟慮を重ねて、判断直前まで、本当にさまざまな状況について私自身も考えましたけれども、そういった意味では、やはりしっかりとこれからもそういった状況を明らかにした中で、道民の皆さまにとって、また将来の北海道にとって、どういった判断が最もベストなのかを、これからもしっかり見極めて判断しなければならないと思います。
 今回、IRに挑戦をしていくことについて表明させていただきました。また、今回の申請には、見送るということを表明させていただきました。議会の議論でもありましたけれども、挑戦すると言いながら今回見送るということに対して、分かりにくいというか、そういうところもあったと思いますし、また進めていきたいという方や、そうではない方々からも、それぞれのご指摘をいただくような答えにはなりました。
 ただ、ここに行き着いた経緯などもこれからさらに説明していきますけれども、私自身しっかり自分自身で背負える判断として、今回このような判断が私としてはベストであろうと判断しましたので、これからもそういった、説明責任というのもそうですし、判断に当たってはしっかりと情報を整理して行っていきたいなと思っています。

(TVh)
 IRについて3点、質問させてください。11日、昨日から今日にかけて、本来であればIR産業展が開かれるということだったのですけれども、こちらのほうが中止になったということについての受け止めと、環境アセスのほう、これは実際道がやるというよりも事業者、オペレーターのほうでやらなければいけないということだったと理解しているので、この辺り、今後7年後を見据えて、例えばオペレーターの選定も含めて今後手続きを加速させていくのかどうかという部分です。
 あと、最終的に苫小牧が最適地となったのも、都市型のIRということで国が指針を出してきたというところがあって、こちら知事のほうから、地方型のIRの実現に向けた提案をされていくということなので、最終的に留寿都村ですとか釧路市も残っていたので、こういった地域にもその可能性というのは今後出てくるのかどうか伺えればと思います。

(知事)
 IRの事業者の皆さまがイベントを行う予定であったものが、中止になったということについては承知しています。私自身が議会の中で今回の申請を見送ることが、その理由として挙げられていることについても承知をしております。今まで取り組みを進めてきた方々にとっては大変残念な結果になったわけでありまして、そのことには率直に申し訳ないと思いますが、ただ、この判断について、私は熟慮の結果、知事として判断をさせていただいたわけでありまして、この点については理解いただきたいと思います。
 またアセスは、ご指摘のとおり、事業者の方が行うものが基本となってくるわけでありますけれども、候補地の状況の把握についてどういったやり方が最も適切なのかということについては、苫小牧市などと協議をしながら考えていくことになると思います。
 また、地方型IRや他の地域のお話でございますが、これは先ほどもお話をさせていただきましたけれども、苫小牧市がこれまで職員の皆さまや地元の経済界の方々など一体となって取り組んできたわけでありまして、まずはしっかりと今回の経緯を説明申し上げるとともに協議をさせていただくのが基本であって、そのことを受けて幅広く検討していくということになるのではないかと思います。

(北海道新聞)
 職員向けの喫煙所の関係で1点だけ。安全衛生委員会はいつ開催するか決まっていますか。

(知事)
 当然、安全衛生委員会も年内に開催していただかないと、私自身、内容を踏まえた判断ができませんので、年内に開催していく方向で調整してほしいと思っています。

(北海道新聞)
 その上で判断されるということですか。

(知事)
 はい。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

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