知事定例記者会見
- 日時/令和2年4月10日(金) 18:30~19:31
- 場所/記者会見室
- 記者数/29名(テレビカメラ4台)
会見項目
知事からの話題
- 新型コロナウイルスに関する対応について
記者からの質問
- 新型コロナウイルスに関する対応について(1)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(2)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(3)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(4)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(5)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(6)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(7)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(8)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(9)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(10)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(11)
- 就任1年を振り返って
- 観光振興税について
- 新型コロナウイルスに関する対応について(12)
知事からの話題
新型コロナウイルスに関する対応について
それでは、定例会見を始めさせていただきたいと思います。私から新型コロナウイルスに関連する対応について、まず冒頭お話をさせていただきます。昨日の記者会見におきまして、私から北海道全体については直ちに感染拡大警戒地域に該当するとは考えておらず、一律の外出自粛や学校休業を講じる必要があるとは考えていないということを申し上げました。そして札幌市については、陽性患者数が増加傾向にある点は憂慮すべき状況にあり、本日の患者数の状況について注視していく必要があるという、この2点について申し上げたところでございます。この点について、秋元札幌市長も本日の札幌市における対策本部(第1回札幌市新型コロナウイルス感染症対策本部会議)において、事態の切迫度は確実に高まっており、このままの状況で推移するとさらなる感染を招く恐れがあることから、この時点で一歩踏み出した対策を講ずる必要があるといたしまして、札幌市民の皆さまに対して、毎日の体調管理の徹底、手洗い、手指消毒の徹底、せきエチケット、「三つの密」を避けるなどの感染リスクの高い場所は避けること。特に、飲食や接待を伴う会合での感染例も出てきていることから、職場の歓迎会などは自粛してほしいという旨の呼び掛けがあったものと承知しているところでございます。
本日の道内での新規の患者発生状況についてでございますけれども、道内全体で13名でございまして、3日連続で2桁となったところでございます。そのうち、濃厚接触者等のリンクがあるものについては3名でございまして、現時点においてリンクが追えないというものが10名となっておりまして、リンクが追えていない事例については、札幌市の分が多くなっている状況でございます。先ほど申し上げましたが、3日連続で2桁となっているところでございます。
外出自粛等の要請が必要かについて、検討を行いました。現時点において、札幌市のリンクが不明なものが多いということについては、憂慮すべきであるという状況ではあるものの、現在の患者数は70名であり、現時点において、全道で確保している病床数がおよそ300床であることを踏まえれば、医療提供体制のキャパシティ等の観点から、近い将来に切迫性の高い状況またはその恐れが高まっている状況ではないことから、直ちに感染拡大警戒地域に該当するとは考えておらず、一律の外出自粛等を要請する状況にあるとは考えておりません。しかしながら、秋元市長からも言及がありましたけれども、このままの状態で推移すればさらなる感染拡大を招く可能性があり、道民の皆さまには手洗いとせきエチケットの徹底、外出する際の三つの事項の確認、集団感染の要因となる三つの条件、「三つの密」を避ける取り組みを、いま一度ご確認いただきたいと思っております。
また、札幌市でございますけれども、飲食や接待を伴う会合での感染例も出てきている中で、職場の歓迎会などの開催自粛を呼び掛けているところでございますけれども、私からも皆さまに対しまして、あらためて今週末についてのお願いをしたいと思っております。今週末のお願いでございますけれども、「三つの密」を避ける取り組みをあらためて皆さまに徹底いただきたいということでございます。それと特に、こちら(モニター)には非常に抽象的な絵が出ていますが、不特定多数の方が狭いところに集まって、にぎやかに長時間飲食などを共にするような状況、これは歓迎会というのは一つの例でございまして、まさにこの「三つの密」の象徴的な事例です。昨日も申し上げましたけれども、例えば帰省される方、また旅行などで北海道を訪れる感染拡大警戒地域、緊急事態宣言が出されている地域の方も含めて、こういった「三つの密」が重なる、もう一度申し上げますが、不特定多数の方が狭いところに集まり、にぎやかに長時間飲食等を共にするような、こういった歓迎会等の開催の自粛、これを皆さまに徹底してお願い申し上げたいと思っております。当然お酒などが入りますと、声なども大きくなるわけでございます。また長時間皆さまと楽しくお話をされる中で、飛沫(ひまつ)も飛ぶわけでございますけれども、さらにはこの狭い場所ですから、そういった感染リスクが非常に高い状況であり、かつ、そういった感染事例が出てきていること、この点について十分気を付けていただいて、今週末、皆さまにはそれぞれの行動を確認いただいた上で、このような(歓迎会等の)開催については自粛の徹底をお願いしたいと思います。
次に、お手元にお配りしたチラシをご覧いただければと思いますけれども、こちらの「新型コロナウイルス感染症に関する北海道からのお知らせ」ということでございまして、こちらを本日の新聞折り込みで、一部の新聞は明日になるわけでございますけれども配布させていただきました。表面には皆さまにお願いしたいことを記載しています。今、お話ししました「三つの密」のお話もそうですが、道民の皆さまと1カ月以上にわたって取り組んできた、外出する際に必ず確認していただきたい三つの取り組み、そして裏面には、道民の皆さまそして事業者の皆さまに対しまして、それぞれご相談する窓口などについて一覧で掲載しております。こちら新聞折り込みで入っておりますのでご確認いただきまして、ご相談などの問い合わせ先が一覧になっておりますので、できればお手元に置いていただきまして、ご活用いただければと思っているところでございます。またホームページにも掲載されておりますので、印刷などしていただいてご活用いただくことも検討いただきたいと思っております。
次に、3点目でございます。昨日もお話をいたしましたけれども、ソーシャルディスタンシングの取り組みについてのお知らせでございます。こちらは、新型コロナウイルスの感染を防ぎ、大切な人の命を守るためにせきエチケットなどに加えまして、できるだけ人と人との物理的な距離、具体的にはお互い手を伸ばして届かない距離を取ろうという取り組みでございます。これはわが国だけではなく、世界的にも取り組まれているところでございます。道民の皆さま個人といたしましては、日常生活においてこういった社会的な距離を取る行動について実践していただきまして、公共、民間施設等の運営者の皆さまには、私どものほうでお示しいたしました資料のとおり、「今は、きょりをとって」ということで、このような共通のロゴを施設内への掲示や、施設独自の取り組みのお知らせ、床面へのフットプリントの貼り付けなどによりまして、お客さまとの間に一定の距離をつくることなどを呼び掛けていただきたいと考えています。なぜこの取り組みを今やるのかということでございますけれども、私が言うまでもなくそういった取り組みは新型コロナウイルスが発生して以降、いつも取り組んでいかなければいけないということは言うまでもないのですが、特に、今緊急事態宣言の対象地域におきましては、本日、休業を求める事業者の皆さんに対してのお願いの内容について公表されたわけですけれども、そういった地域にあっても、不要不急の外出に当たらないとされている医療機関への通院や、食料の買い出しなどについては、この北海道においても、万が一感染が非常に進んだときに、生活を維持していく上で必要ですから、そういったところには行くわけでございます。不要不急の外出ではないわけですから。特にこうした施設では、そういった状況になる前に適切な準備をしておいていただくことが必要でありますし、また今の時点でもこういった取り組みを進めていくことが重要であると思っています。道民運動として展開していく必要があるのではないかと考えております。今後、私からメッセージも添えまして、各施設を所管する市町村や各種団体に広く呼び掛けていきたいと考えています。北海道ソーシャルディスタンシングを日常生活の一部として浸透させまして、新型コロナウイルス感染症の拡大防止ができるよう、道民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。
次に、4点目でございますが、これも今後の準備も兼ねたお話ですけれども、道では感染症病床の他に、一般病床等の活用も含めまして、約300床程度の入院体制を確保している状況でございます。先ほどご説明させていただきましたとおり、感染患者に対する入院医療が逼迫(ひっぱく)している、そういった状況ではございません。一方で、国では地域の感染拡大によりまして、重症者等に対する入院医療の提供に支障を来すと判断される場合については、軽症者のうち、重症化リスクの低い方々などについて、宿泊施設における療養、宿泊療養や自宅療養を原則とする医療体制に移行させるという方針が示されているところであります。皆さまご承知のとおり、すでに東京都などにおいて宿泊療養が開始されております。道としても札幌市と連携しつつ、宿泊療養の検討準備を進めているところでございます。本日、道において宿泊療養にご協力いただける施設の調査を開始いたしました。また週明けには、(北海道新型)コロナウイルス感染症対策チームの中に、宿泊療養班を新たに設けることといたしました。関係機関、団体等の皆さまにもご協力いただきながら、検討準備を迅速に進めていきたいと考えております。
これが最後でございますけれども、昨日、緊急事態宣言の対象地域から離れようとされる方々について、国としても注意喚起を徹底していただくよう要請を行ったということについてお話しさせていただきました。早速、本日、赤羽国土交通大臣の定例記者会見におきまして、発熱などの症状がある方については、航空便の利用を控えていただくよう、国民の皆さまに要請するとともに、利用者の多い空港において、搭乗される方の体温が確認できるような取り組みを実施する方向で検討すると。そしてまずは、私が主張しておりました羽田空港、こちらでできるだけ早くサーモグラフィーを設置したいというご発言がありました。昨日の要請を踏まえまして早急に対応いただいたということですから、心から感謝申し上げたいと思います。北海道にお越しになられた皆さまに対して、道が実施している取り組み、この内容について周知徹底、2週間はご自身の体調に十分ご注意いただく、不要不急の外出を控えていただく、こういったことをわれわれもしっかりと周知徹底していきたいと思っています。
今後とも、新型コロナウイルス感染症の一日も早い終息に向けまして、道民一丸となって取り組んでいただきますようお願い申し上げて、私からの冒頭のお話とさせていただきます。以上です。
記者からの質問
(北海道新聞)
まず、メルクマールの関係についてお尋ねいたします。先ほど説明があったように、今ある300床のうち、患者は70床分ということで、切迫性が高い状況ではないということで、外出自粛要請を今の段階ではしていないということだったのですけれども、何床程度になればそういう判断に至るのか、その基準ですね。それと、病床数の関係で宿泊療養を今進めているところだと思うのですけれども、検討に入っているということですけれども、これ何床ぐらいに拡大することを目指しているのか、それぞれ教えてください。
(知事)
今のお話は、外出自粛などを求める病床の逼迫度合いというか、そこをどこで判断するのかというお話と、宿泊療養に切り替えるときの、その判断のお話ですけれども、一つは外出自粛などの呼び掛けにおける指標の一つとしてのベッド。この点については、(感染者数が)過去最大のときが80床ありましたが、その時は300床を確保できていなかったわけですね。ですから、そういった状況から今300床にベッドが増えていますけれども、また患者の利用地域、例えば札幌に増加している場合は、札幌で確保できる病床の状況だとかそういったことも考えなければいけないと思いますので、今、一律にこの病床で判断しますということは申し上げることはできないのですが、そういった過去の逼迫度合いだとか、また地域におけるベッドの取り扱い状況などについて、一つのこれは指標なので、判断していきたいと思っています。
それと、宿泊療養の取り扱いについても、運用上どれぐらいになったらそちらに切り替えていくかというのは、これから考えていきたいと思っています。少なくとも今、宿泊施設を活用するモードに切り替える状況にはないと思っているのですが、準備するのに時間もかかりますし、そういった手続き的なスケジュールや病床も単純に数字だけではなくて、医師会などともお話をしなければいけないと思っていますし、そういったことも踏まえて、その点はある程度の指標というのを考えていきたいと思っています。
(北海道新聞)
それと、札幌市が今日、臨時休業、学校の休校を検討するということを市長がおっしゃっていたわけですけれども、この検討に際して、いわゆる札幌市だけではなくて、周辺の江別市ですとか北広島市など近郊にも影響を与える可能性もある議論なのかなと思うのですけれども、その点に関して、道としてはどのような形で協力というか、関係していこうと検討していたのか、その辺の体制構築の部分を教えていただけたらと思います。
(知事)
まず昨日の会見におきまして、札幌の患者増加について憂慮することが必要だと申し上げました。そして外出自粛や学校の休業については、秋元市長や教育委員会ともしっかり連携していかなければならないということを申し上げました。その中で本日、市の対策本部の中で、かなり札幌が増加している状況の中での認識が示されました。ですから、札幌としっかり話をしながら、これは昨日も申し上げましたけれども、学校の休業ということは、これは国の(新型コロナウイルス感染症対策)専門家会議も言っておりますけれども、そういった外出の自粛だとか、お子さんを対象とした取り組みが全てを解決するわけではないわけですね。当然大人であるわれわれも、行動変容、行動を変えていかなければならないわけでありまして、そういった全体の中で、どういったことに取り組んでいくかという視点で、これは当然考えていかなければいけないと思っています。これは昨日も申し上げましたけれども、そういった中で、今現時点ではそういった一律ということを皆さまにお願いする段階ではありませんが、札幌としっかり話をした上で、対策について考えていきたいと思っています。
また札幌以外の地域についても、当然札幌が仮に強いアラートといいますか、取り組みを行った場合は影響を受けるわけですから、そこに対しては、例え話をするとまたいろいろありますけれども、例えば今、緊急事態宣言が出されている東京などに影響を受けて、いろんな周辺のところでの取り組みが連動していくということもあるわけでありまして、そういった他の地域に与える影響や協力していただきたい内容についても同時に整理して皆さんにお願いしないと、具体的な有効な対策にならないと思いますので、その点についても十分考える必要があると思っています。
(北海道新聞)
その辺の議論というのは、今日は秋元市長とはされたのだと思うのですけれども、どのようなやりとりをされたのか、可能な範囲で教えていただけますでしょうか。
(知事)
まずは認識を共有させていただいたということでありまして、昨日申し上げました患者数の増加傾向に憂慮していることについては、全く同じ価値観でございました。ただ現時点において、そういった一律の外出自粛や、学校における一斉の休校措置、そういったものを本日皆さまにお願いする段階ではないものの、これはやはり今後(感染が)拡大していく中での危機感について共有し、今後具体的にどういったアラートが出せるか、また出すべきなのかどうかも含めて、そこを検討していこうということで、事務的に調整していければと思っているところです。
(朝日新聞)
今のこれまでの質問とも重複するのですけれども、先ほどから知事がおっしゃっている概念としては、札幌市とそれ以外というふうな区別をされていると思います。今日市長と共有する中で、全道一律のということは現時点では必要ないということなのですけれども、例えば札幌市に重点を置いたものは、政令指定都市ではありますけれども、知事から見られて今必要な段階に近づきつつあるのではないかとお考えなのかどうか。そしてそれに関連して、いわゆる第2波というものが、全道にとっては今近づいている状況なのか、札幌市については近づいている状況なのか、その辺りのご見解、お考えをお伺いできませんでしょうか。
(知事)
第1波、第2波という表現が最近されているわけでございますけれども、北海道の特徴といたしまして、都市部と地方の往来があって、感染拡大に若い人たちのクラスターが影響したのではないかという議論が一番最初の時にあったところです。それが、その動きの中で地方まで広がり、また高齢者にそういった症状が出てきたということを、専門家との間で議論が行われたところです。
そういった意味では、北海道の特徴として、札幌と地方との人の動きだとかそういった特性というのは、この対策の中で留意しなければならない点だと思っています。その中で、今、繰り返し申し上げていますけれども、患者数が増加傾向ということで、札幌で言えば(4月7日から)4名、4名、8名、8名ということで、患者が新たに出てきているという状況でございます。この点については、大変憂慮すべき状況であると私も認識しております。そして、今週末のお願いの話も今日させていただきました。やはりあらためて、先ほどの外出自粛の話などでも申し上げましたけれども、あらためて「三つの密」を避けるとか、先ほど歓迎会の自粛などのお話がありましたけれども、現実的にそういうことを皆さまにお願いしているところなのですけれども、そういった環境の中で感染確認がなされている状況がございます。ですから、この点についてはどうしても皆さんに協力をいただかないと回避することができない点でございますので、特にまた今週末もあしたが土曜日で、あさってが日曜日ですので、こういった点については、あらためて皆さんにご理解、ご協力いただきたいということで、申し上げたところです。
(HTB)
学校の休業に関連して、本日、石狩管内の一部の学校で、生徒に対して何か休業するようなアナウンスがされたりですとか、そういう事例があったというふうに取材しているのですが、知事は今回の休業について、そのような判断をしようとされたとか、そういう事態があったことを把握されているかというところをお聞かせいただきたいと思います。
(知事)
昨日、札幌の状況を憂慮する中で、本日の状況を踏まえて、外出自粛や学校の休業についても判断していきたいというお話をしました。ですから、そういった状況の中で、患者数が非常に多い状況が出たりすれば、学校としてそういった対応が必要になる恐れがあるという状況の中で、そういったことが万が一あった場合について、時間が非常に短い中で準備をしなければならないということで、そういった私の昨日の発言も踏まえて、事務的に連絡などを行ったと聞いています。
(TVh)
病床数は、現在切迫している状況ではないというお話でしたけれども、一方札幌市のブリーフィングなどで、結構最近医療従事者の方の感染確認が増えているということで、外国などの場合ですと、そういったところの感染拡大が始まったことによって医療崩壊につながったということもあるということで、非常に危惧されていたのですけれども、その辺りの受け止めを、ちょっと知事のお考えを伺えればと。
(知事)
全くそのご指摘はそのとおりでございまして、医療従事者における感染が確認される状況が相次ぎますと、ベッドは空いていてもそれを支えるマンパワーが結果として確保できない。または陽性が確認された中で、一部病院の機能を一時的に制限せざるを得ない状況になる。そういった恐れがあるということがございます。
そういった意味では、病院については感染予防対策を徹底しているところではございますけれども、本当に医療従事者の方々が懸命に今、治療に当たっていただいている状況でございますけれども、そういったマンパワーの確保についても、引き続き皆さんのご協力をいただきながら、体制充実を図っていく必要があると思っています。
(読売新聞)
病床の確保の関係なのですけれども、先ほど300床から、ホテルとかそういうところも活用するように準備を進めるということでした。これ、最終的にいつごろをめどにとか、あと300床を何床に増やしたいとか、そういうのはあるのでしょうか。
(知事)
先ほど、確保する病床数については、現在決定していないということをお話しいたしましたけれども、準備について迅速に進めていく必要があると思っています。例えば軽症の方であれば、そういった宿泊施設などで対応すれば良いのではないかと思われる方も多いのですが、実は軽症から一気に重症化するケースもあるのですね。ですから、基本的には病院において治療することが大前提でありますけれども、どうしても病院が逼迫してくる中で、そういった状況になった場合については、自宅療養や宿泊療養に切り替えることもできますという考え方なのですね。ですから、万全の準備はしますけれども、でき得るならば感染拡大を防止して、しっかり今の医療体制の中で回復していただくということがベストだということがまず前提であります。その中でも、これは準備を進めておくということはやはり必要ですから、新しく宿泊医療班をつくって、迅速に準備は進めていきたいと思っています。
(読売新聞)
それと、昨日の記者会見を聞いている感じだと、札幌がかなり危険だと。今日の状況を見て対応を考えるということで、今日も8人出て、リンクが追えない人もかなり、7人ですか、いたというようなことで見ると、外出自粛要請なり、休校要請なりがあっても、それは判断としておかしくないのかなという感じがして、知事の話しぶりからもそういう危機感が伺えるのですが、その辺、札幌市のほうも危機感は共有しているということのようですけれども、それに若干の食い違いというか、認識の差みたいなものがあるようにも見受けられるのですが、その辺りはいかがでしょうか。
(知事)
われわれとしては、そういった認識の差についてはないと思っていますし、十分に協議をした上で、そういったアラート、外出自粛や休業、学校の休校などについてもしっかり判断していきたいと思いますので、そこは認識を同じものにして、適切な判断をしていきたいと思います。
(読売新聞)
ちなみに、今日秋元市長との話し合いというのは、どのタイミングでどういう形でされたのでしょうか。
(知事)
事務レベルで随時、今日もやりとりもさせていただいていますし、そういった意味では、札幌の状況をこちらからも連絡をしますし、向こうからもご連絡をいただきながらお互いに調整させていただいているということですので、そういった意味では、しっかり連携が取れていると考えています。
(読売新聞)
直接のやりとりもあったと。
(知事)
直接ご連絡をいただいた時に、私がちょっと出られなかったり、そういうことはありますけれども、いつも携帯でやりとりはさせていただいていますので、これからもしっかりやりとりしたいと思います。
(TVh)
道内が全国的に見ても、新型コロナ関連の倒産というのが多いという話もあります。神奈川県の知事などは、失業してしまった方を県職員として雇い入れようではないかみたいな話もあるのですけれども、何かそういったものに対する支援ですとか、対策という考えがあれば教えていただきたいと思います。
(知事)
失業(者を対象)ということで始めたことではないのですが、道職員の募集に当たって、内定の取り消しにあっただとか、そういった状況の皆さんにも対応できるように、職員採用についてホームページ上にそういったお知らせを掲載させていただいて、多くの方にご覧いただいている状況もございます。ですから、そういった状況なども踏まえて、どういった形で取り組みが進められるのかについて、今後考えていきたいと思います。
(STV)
先ほどから出ていますが、札幌市は臨時休校をしたいとの思いがあったと思います。いろいろ要請もありまして、母親の皆さんなどからの意見もたくさんあるようなのですが、休校しないように(道が)何か要請したという情報があったのですが、それはどういう、ちょっと確認させていただきたいのですが。
(知事)
学校を休校するかどうかということについては、教育委員会や、また当然市長などと協議されて決定されるわけでございまして、ただ対策本部会議という形で新型コロナウイルスの今後の感染予防対策における体制について、今私が本部長として取り組んでいるところもございますので、そういったことも踏まえて、適切にこれからも判断されていくのだろうと思います。
(STV)
札幌市は、休校に関するプリントを用意していたという話などは伺っていますか。
(知事)
たぶん、先ほどの質問と重なると思うのですが、昨日、こちらの記者会見で外出自粛ですとか、学校の休校などについて、本日の状況も踏まえて、秋元市長や教育委員会などとも話をして決めなければならないということを申し上げたものですから、そのことを受けて、結果、発生状況によっては、そういったことが起こり得るだろうということについて事務的に共有した中で、そういった状況になったのではないかと思います。
(共同通信)
先ほど第1波、第2波という話がありました。第1波のときに、外出自粛要請だとかあるいは学校の一斉休校をされたときと今と比べると、そういった要請をするハードルというのが上がっているように見受けられるのですけれども、これはその間に準備ができて、病床数が確保できるだとか、そういったことに対応できる能力が拡充しているからハードルが高くなっているという理解で良いでしょうか。
(知事)
アラートについては、ちゅうちょすることなくいろんな喚起をしていかなければならないという視点と、また実際に皆さまに行動変容、行動を変えていただくなどの具体的な効果がなければ、ある意味では話はしているけれども、結果が伴わないという状況になるということは言うまでもないことかなと思っています。
全国に先駆けて、学校の一斉休業を判断しました。その後、全国でやることになりました。また緊急事態宣言においても、なかなか今のような情報が集まらない、世界的な取り組みも行われておらず、どういった対策が必要かという中で、人と人との接触をできるだけ避ける、そのことによって急激な感染増加を防ぐということで、家にいてほしいと、外出を控えてほしいということをお話ししました。それ以降、新型コロナウイルスとの戦い方、どういったところが感染リスクが高いのか、どういった性質があるのか、また一方で時間が確保できたことによって検査体制や入院体制の充実、どういった取り組みが全国的に行われていて効果があるのか、効果がありそうなのかも含めて、そういった状況についてしっかり把握をした上で皆さんに対して適切な情報を提供し、やっていかなければならないと思っています。ですから、そういった意味では、多くの皆さんは戸惑いもありますし、各県によっても取り組みも違いますし、国においてもどうやって良いか分からないという時期もありましたし、そういう状況の中で私は皆さんに申し上げたいのは、道民の皆さんが取ってきた行動、またはその取り組みについては、間違った行動ではなかったということは、ある意味で専門家からも評価いただいているわけです。ただ、一方でこういった「三つの密」の部分、本来であれば回避することで感染の確認まで至らなかったはずの事例が、残念ながら見受けられる状況があるわけでありまして、その点については、また週末に皆さんの行動をあらためてご確認いただくことによって、かつて皆さんはそれを実践してきたわけですから、ぜひいま一度取り組んでいただきたいと思っています。
(時事通信)
やっぱり会見を通して聞いていると、第2波が近づいてきていると、札幌市の状況を憂慮していると知事はおっしゃって、確か今、初めて緊急事態宣言を北海道が発して、第1波は何とかしのいできたと。今、第2波を食い止めようとして、知事が今いろいろ努力されているわけですけれども、何か状況を見ていると、やはりかなり切迫してきている状況なのではないかなと。そういうときに、今回もこの「3密」の話で、歓迎会を控えてくれと。要するに飲み会をしてくれるなという話ですよね。今、新たなステージに入っているわけですよね。これは社会経済活動と両立するということで、新しいステージとおっしゃっているわけですけれども、とても両立は今の状況では無理なのではないですか。新しいステージは何かすごくポジティブなイメージがあって、何かまた違う新段階に入ったというふうにおっしゃっていたけれども、とても無理なのではないですか、新しいステージというのは。
(知事)
感染の拡大状況は都道府県ごとに異なっておりますけれども、例えば昨日で言えば、東京都の新規患者数が181名ということで、非常に多くの方が確認されています。東京都と北海道の状況は、人口規模で言えば半分以下ですから。また人口の密集度だとか、人の行き来ということに違いはありますけれども、そういった意味では、東京と同じような状況に北海道があるかというと、それはたぶん違うのだろうと思っています。
そんな中で、われわれがやらなければならないことについてですけれども、これも何回も申し上げていますが、感染拡大の防止がブレーキであったとして、社会経済活動を維持していくということがアクセルであると見られがちなのですけれども、結果としてこの戦いが、当初言っていたような短期間で終わらないで、一定の長期戦になるということを考えたときに、さっきの社会的な距離を取ろうだとか、そういった感染予防対策をしっかりやることによって、外出をできるだけ控えてほしいというところにならなくても、人と人との接触を控えながら、一定の社会経済活動を維持することができるという環境をつくり上げることができるわけです。そういった意味では、今爆発的な感染拡大に至っていないこの時期に、みんなでそういった感染リスクをあらゆる場面で減らしていく取り組みをしていくことが、そういった事態にはなってほしくないわけですが、結果として、急激な感染拡大が起きたときも、家にいてくださいという状況ではない中で、社会経済活動はある程度できるという状況をつくり上げることにもなると思っています。ですから、われわれとして今できることをしっかりやっていく、このことが重要だと思っています。そういう意味では、私が申し上げたような、緊急事態宣言中の全道一律のそういう状況とは、今の時点では異なっているのだろうと思います。
(朝日新聞)
今の関連で念のために確認したいのですけれども、全道一律ということを知事は何回も繰り返されています。特に昨日以来多いと思うのですけれども、全道一律ではない新たなあり方を知事として模索されようとしているのか、その辺りはお考えはいかがなのでしょうか。例えば、札幌市だけとか、例えば、ある振興局の地域だけとか、その辺りはいかがなのでしょうか。
(知事)
これは、そういう段階にあると思ってます。というのは、例えば学校の休校のあり方についても、これは北海道も全道一律でやりましたけれども、国においても全国一律でやりました。それこそ発生がゼロのところも含めて、全ての学校を日本全体で休校にしました。今の段階というのは、それぞれの地域ごとの感染状況なども踏まえて、陽性の方が出た場合の取り扱いなど、国においても対応を変えているわけでして、この感染予防対策に最大限の効果を上げることと、あとは社会経済活動に与える影響はできるだけ最小化しながら効果的な予防策を取っていかなければいけないというときに、単純に全道一律で全ての措置をすれば、それは確かに感染拡大防止の観点からは非常に良いのかもしれませんが、同時に多くの、例えば学校休業であれば、働いている方や保護者の方への影響などいろんなことが当然出てきますので、そういったバランスを取りながら、アラート、警報というかそういうものを出していくことをより考えていかなければいけないと。いろんな取り組みを行う中で、新型コロナウイルスとの戦い方もある程度分かってきた部分があるわけですから、そういったことを最大限活用した中で、道民の皆さまにお願いする。道民の皆さまも同じように、新型コロナウイルスについて、当初はあまり情報がなかった、多くのマスコミの方が取り上げることによって、こういう特徴があるのだということも道民の皆さまも分かってきていらっしゃる方が多いわけです。そういった方々にも、そうだな、こういう対策をするべきだなということがかみ合わないと、結局、笛吹けど踊らずで、結局対策を示しても、行動変容につながらないということになったらそれは意味をなさないことですので、あらゆる形での方策というか、そういったことを考えているという段階です。
(朝日新聞)
つまり、今後は一律というよりは、地域ごとも含めたそういった、より細分化された対策に重点を移していくと、そういうお考えであるという理解でよろしいでしょうか。
(知事)
全ての選択肢を排除するわけではないのですが、ただ効果的であるという判断であれば、当然そういった判断をするということです。
(北海道新聞)
1次産業の関係なのですけれども、首都圏などで緊急事態宣言が出て、現在も高級品を中心に農林水産物の売れ行きが非常に良くないという状態が続いていて、さらに強い打撃になるのかなと憂慮されると思うのですが、その辺について知事の受け止めをお聞かせいただけますでしょうか。
(知事)
これは、今緊急事態宣言が出されて、さらに今日は大都市を中心に休業を求めるということで、飲食業などにさらなる影響が懸念されるという状況がございます。また海外との人と物の移動が大きく制約を受ける中で、そういった海外での市場というものも限られている中で大変厳しい状況があります。この点については、人の移動は制限されますが、物の移動については確かにここも制約があるのですけれども、今インターネットなどを通して、北海道のものをぜひ食べていただこう、また地域のそういった独自の取り組みの中で、素晴らしい地域のものを食べていただく、おうちで過ごされる時間が長い中で、そういった北海道の素晴らしいものを食べていただこうではないかということで、それをギフトというか、取りまとめて送ったりという動きもございます。ですから、こういった取り組みをしっかり道としても応援して、少しでもこの厳しい状況がプラスになるように取組んでいきたいと思っています。
(北海道新聞)
新型コロナから離れるのですけれども、北海道新聞社が今月上旬に全道世論調査を行ったのですけれども、鈴木知事の道政運営に対する支持が88パーセントに上りました。高橋はるみ道政時代の最高が確か68パーセントだったのですけれども、それを大きく上回ったということで、率直なご感想を聞かせてください。
(知事)
政策推進に当たっては、さまざまなご意見がありますし、新聞やテレビ、マスコミの皆さんのみならず、多くの意見が寄せられています。新型コロナウイルスに関する対応についても、さまざまなご意見が寄せられています。大事なことは、そういった皆さんの声を受けて、しっかり適切に物事を判断し、対処していくことだと思っていますので、新聞社が行った調査についてもその一つだと思います。皆さんが調査でさまざまな課題についても挙げられていると承知していますので、そういった声も踏まえて、しっかりこれからの道政に生かしていきたいと思います。
(北海道新聞)
高い支持率は、道政運営を進める上では大きな推進力になるかなと思うのですけれども、その推進力を使って鈴木知事が何をやりたいのか、どういうことをやっていくのかというのは、やっぱり道民は注目していると思うのですけれども、まもなく就任から1年たちますけれども、実際に1年間知事というお仕事をされて、今知事としてやりたいこと、それから任期中に必ず成し遂げたいことというのを教えてください。
(知事)
これはもうとにかく目の前の課題として、もう日々この新型コロナウイルスの対策ということで、刻一刻と変化する状況の中で、また前例がない中で答えを導き出していかなければいけない、これは当然私は知事として判断していかなければいけないことが山のようにありますから、そのことを通して道民の皆さまの信頼に応えていく、このことに尽きると思います。1年目だとかどうだとかではなくて、もうとにかく期待に応えていくということに尽きると思います。今日は金曜日ですけれども、明日もまた状況が変わるかもしれない。もう夜も朝も昼も状況が変わっていきます。他の地域の動きも、また世界の動きも、情報を収集しなければいけない。そういったことにとにかく全力で向き合っていくことで、新型コロナのみならず、他の政策を進めるに当たっても、この問題がどうしても解決しないことには、いろんな取り組みを進めていけないものですから、その点についてしっかり仕事をしていきたいと思っています。
(北海道新聞)
弊社の世論調査に関連してお聞きします。宿泊税に関連する項目で導入に賛成する意見が51パーセントということで反対を上回って、税額を尋ねる項目では、市町村と協議して税額の上限を定めるべきだという回答が32パーセントで最多でした。調査結果についての知事の受け止めをお聞かせいただけますか。
(知事)
観光振興税については、導入に当たってこれまでも関係する幅広い方々にご意見を伺いながら進めてきたところです。今、新型コロナウイルス感染症対策に取り組むことが、先ほど申し上げたとおり、目の前の大きな課題でありますし、また観光振興を考える上でも大きな課題になっています。そういった事態の終息を見据えながら、しっかりここは丁寧に議論を重ねていく必要があると考えております。
(北海道新聞)
まさに新型コロナが大きな影響を与えていると。ところで市町村などから協議の継続を求める声も一部あるわけですけれども、今後具体的に観光振興税導入に向けて議論をどのように進めていくのかということを、あらためてお聞かせください。
(知事)
こういった新型コロナウイルス感染症の拡大が大きな影響を与えている中で、さまざまな大きな影響を受けている観光事業者の方々、また市町村も当然大きな影響を受けています。そういったところにしっかり、今までお伺いしてきたさまざまなご意見もありますけれども、さまざまな前提が大きく変わってきていますから、今の状況下におけるそういった声をしっかり聞き取りながら、より慎重に検討を進めていかなければならないと思っております。
(北海道新聞)
検査体制に関してお尋ねしたいのですけれども、今、道では一定の検査体制を構築して進めてはいますけれど、外国ですとか本州のほうではドライブスルーを使ったりだとか公共施設を活用したりだとか、大量の検査が可能な体制を進めようとしている部分もあります。全国的に感染が爆発的に拡大しつつある中で、道内においてもそういった検査体制のさらなる拡充ということを検討する考えは今ございますでしょうか。
(知事)
検査体制のあり方についてさまざまなご意見が、本当に国民議論でもあると思っています。今の北海道の状況を見ますと、本日と昨日で100件以上確かPCR検査を行っていると思うのですが、ひとたびクラスターが発生しますと濃厚接触者の数も非常に増えますので、1日100件を超えるような検査が続いていくような状況になります。ですからさらなる検査体制の充実というのは進めていかなければいけないと思っています。また一方で、そういった、例えば東京などは(昨日の新規患者数が)181名ということですが、その全てに積極的疫学調査をかけて、1件1件濃厚接触者を洗って、またそれをPCR検査に回すという作業を、われわれが想像するにとんでもない業務量になっているのではないかと想像できます。われわれも体制が今より脆弱(ぜいじゃく)なときに、行動歴の把握やPCR検査を適正に行っていくことに関して、非常に大変な思いをしたわけでありまして、そこは想像に難くないと思っています。ですから、そういった感染状況に応じて、合理的なPCR検査のあり方というのは、ある意味では、例えば患者発生件数が1桁のところと、100件を超えることが常態化しているような状況では、少し体制のあり方を変える必要があるのではないかと思っています。また今、クラスター対策ということで、基本的にはそういった集団感染が疑われる事例を徹底的につぶしていくという対策が取られている、今の東京で何とかそういったクラスター対策ができ得る限界値ではないかと。さらなる爆発的な感染が出ると、なかなかそういったクラスター対策だけでは難しい状況も出てくるのではないかという指摘がありますので、そういった戦略的な考え方の中で、PCR検査を効率的に運用していくかということを国も考え始めているのではないかと思います。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)