札幌市長・知事共同記者会見
- 日時/令和2年4月30日(木) 18:19~19:03
- 場所/記者会見室
- 記者数/24名(テレビカメラ7台)
会見項目
札幌市長・知事からの話題
- 新型コロナウイルスに関する対応について
記者からの質問
- 新型コロナウイルスに関する対応について(1)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(2)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(3)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(4)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(5)
札幌市長・知事からの話題
新型コロナウイルスに関する対応について
(札幌市長)
今日は皆さまにお集まりいただきまして、ありがとうございます。先ほど鈴木知事と意見交換をさせていただいたところでございますけれども、その趣旨について、まず私のほうからお話をあらためてさせていただきたいと思います。ご案内のとおり、札幌市においては4月に入りましてから、新型コロナウイルス感染者数の急激な増加という状況が続いております。ここ数日では、後ほどまた数字もご説明させていただきますが、一日当たり25人を超える状況が続いております。そして、医療機関でありますとか、老人福祉施設等でのクラスターもございますけれども、一方でやはりリンクを追えない患者、どこで感染したか分からないというような患者も増えてきておりまして、そういう状況の中で医療体制も、非常に逼迫(ひっぱく)してきているという状況がございます。そういった状況について、あらためて私のほうから鈴木知事にもご説明させていただいて、特に札幌市の場合、東京を含めた本州の他都市に比べますと、10日から2週間ぐらいずれて感染の拡大というのが発生している状況がございます。今、東京をはじめとして、比較的感染が少し収まりつつあるところが多くなってきておりますけれども、札幌市では感染の拡大が続いている状況がございまして、そういたしますとこのゴールデンウィークにさらに拡大していくことを懸念していかなければいけない状況にございます。そういう意味では、とりわけこのゴールデンウィークの医療体制などについて、緊急な対応もしていかなければいけませんし、そして今、国の緊急事態宣言は5月6日までということになっておりまして、国のほうも延長等を検討されているという状況でありますが、7日以降、どういう対応を取っていくか、市民、道民の皆さんにお願いしていくかということについても、いろいろ考えていかなければいけないという状況がございましたので、今日、ゴールデンウィーク前でありますけれども、知事のほうに一旦札幌市の状況をご説明させていただいて、今後の対応について協議させていただいたところでございます。
その上で、あらためてになりますが、札幌市の感染状況について簡単にお話しさせていただきたいと思います。この水色(の棒グラフ)のところは、新たな感染者で、日々公表させていただいている数字であります。トータルで409人、札幌市内の陽性確認をされた方がいらっしゃいます。この(モニター画面の)折れ線グラフは、これは退院された方を除いて、現在入院している方の数(現在患者数)でありまして、見ていただきますと4月6日にはだいたい20人ぐらいが入院されている状況から一気に増えておりまして、昨日現在で278人という状況になっているところであります。赤い(棒グラフ)は、発生日、発症、何かの症状が発生した状況でありますので、この辺りで感染された方が非常に多いことになりますので、この数字がまた10日、1週間後に出てくるという状況になりまして、ゴールデンウィーク期間中に新たな感染が確認される方が増えてくる可能性があると申し上げたのはこういう状況でございます。
これ(札幌市における感染者状況(濃厚接触の有無別))は、前の日々の感染者の中で、(棒グラフの)赤い部分は濃厚接触者の感染者ということで、クラスターなども含めてでありますけれども、リンクが追えている、どこで感染したか分かる方であります。最近赤い部分が増えておりますのは、病院あるいは保健施設での感染がありまして、その院内クラスターのものがございます。一方で(棒グラフの)グレーの、どこで感染したのかはっきりしない方、こういった人の数も以前の3月の、札幌市、北海道の第1波の時に比べましても、ご覧いただきますと相当数このグレーの部分も出てきております。最近の疫学調査、いろいろな方にどういう行動を取っていたかというお話をうかがいましたところ、とりわけその感染、ここで感染したのではないかということが推定できない方が非常に多くなってきております。そういう意味では、市中での感染の可能性というものが非常に広がってきている。そのことが病院、院内感染などにもつながっているのではないかということを非常に危惧してございます。どこで、どなたが感染しているのか分からない状態に今なってきている。だからこそ、やはり人と人との距離を取っていただかなければならないというお願いをしていかなければならない状況であります。
次のグラフ(札幌市における陽性者の状況)であります。これは先ほど申し上げましたように、陽性全体の方ですが、現在の患者数278名ですが、そのうち軽症・中等症の方が263名、重症の方は15人という状況になってございます。今日現在でどのように病床が、受け入れ可能なベットが確保されているかということは、30日現在、今日2棟目のホテルを使った療養が開始いたしましたので、120名から260名になってございます。それ以外の病院、医療機関で、今ベッドを確保できているのは267床でありまして、そのうちICU(集中治療室)ですとか人工呼吸器が必要な重症の患者に使えるベッドが32床という状況であります。そういう意味では、今15名ということでございますけれども、今の高齢者施設などで患者の感染が拡大しますと、この重症の方が増えていく可能性があると。そういうことで、今の32床では大変、非常に厳しい状況。場合によってはこの連休中にも不足するということが予想されますので、ここを何とか増やしていかなければいけない。そのためには、例えば私どもの市立札幌病院でこの中等症、重症の患者を受け入れていく。今例えばその新型コロナウイルスの感染を疑われるような患者、擬似症の方なのですが、そういった方々を救急搬送する場合、やはり普通の病院ですと院内感染のリスクもありますので、なかなか受け入れていただけないということで、救急車が搬送する病院が決まらないという状況があります。例えばそういったところは市立札幌病院でそういう疑似症の方は受け入れていくというようなことを考えますと、医療機関の中の役割分担、こういったこともしていかなければいけない状況になるだろうと。ある意味では新型コロナウイルスの感染者に特化した病院としての役割を果たしていくところも必要になってくるというところであります。そうしますと、私どもの市立札幌病院では、三次救急、札幌圏の三次救急も担っております。そうするとその三次救急の患者を受け入れられないという状況になりますので、そのほかの三次救急を担っていただく病院、ここに負荷がかかっていくということになっています。そういう意味では、医療体制全体の皆さんのご協力をいただいて、この体制を乗り切っていかなければいけないという状況が出てまいりますので、そういう医療体制の全体の強化ということについても、北海道のご協力をいただきたいということをお話しさせていただいたところであります。
次の状況(札幌市と主な指定都市の日別感染者数の推移)です。先ほど10日から2週間ぐらいずれていると申し上げました。この赤い折れ線は、これは東京都ではありませんが、政令市である川崎市、名古屋市、京都市、神戸市、福岡市の(感染者数の)平均値を赤い線で示しております。青い折れ線のところは、札幌の日々の発生状況であります。見ていただきますと、道外の他市の平均値では、ピークはこの辺(4月11日辺り)にきますけれども、少し収まってきつつあると、全体としてはですね。そういう状況にありますが、札幌は少し遅れてこの発生があって、今上がってきていると。これがピークになって下がってくれるということを期待したいわけでありますけれども、この先の状況がどうなってくるのかということで、この発生の状況が非常に遅れて出てきている。ゴールデンウィーク中はまだまだ予断を許さない状況にあるということで、先ほどのお話につながっていくわけであります。
次(直近1週間ごとの患者等の状況)お願いいたします。これはあらためてになりますが、1週間ごとの感染者数、非常に増えてきております。それともう一つ注目していただきたいのは、帰国者・接触者外来の受診者。これは熱ですとか、何らかの症状があって受診されている方の数が増えてきている。これはまだ昨日、今日お休みで、お休みといいますか、病院の数字が拾えていませんので、ここの部分(4/23~4/29帰国者・接触者外来受診者数)、まだ途中経過ではありますけれども、ここで外来の方が多いということは、陽性になる可能性のある患者がいらっしゃるということであります。ですから、ここの数字が落ちてこないと、こういう状況(新規感染者数が増える状況)になる指数であります。札幌の今のこの状況で、繰り返しになりますが、ゴールデンウィークに向けては、まだまだこの感染者の数が収まっていくという状況ではないと。そのための医療体制ということ、そういったことに非常に逼迫した状況でありますので、あらためて市民の皆さんの行動、まずはこのゴールデンウィークはとにかく出掛けず家にいていただきたいと、こういったことをお願いしていきたいと思っているところであります。
私からは以上です。
(知事)
共同記者会見ということで、こういった形でさせていただくのは初めてだと思います。今日は札幌市の秋元市長にお時間をつくっていただきまして、道庁のほうにお越しいただきました。その趣旨については、今、秋元市長からお話があったところでございます。
まずは、今回札幌市の秋元市長として、今危機的な状況にある中において、市民の皆さまに対して強いアラートを出そうということをご決断されたことに、心から敬意を申し上げたいと思っております。そして今説明がございましたけれども、札幌市の状況については、細かいお話を丁寧にご説明いただいたわけでございますが、日本の中でも大変厳しい状況ということが言えると思っております。そして今、さまざまな取り組みを徹底していきませんと、この状況というのが、北海道は179の市町村、全国の(面積の)小さい県などから数えると22の県が構成されるぐらい、非常に広いわけでございますが、そういった地域に感染が拡大していく恐れもある中で、こういったご判断をいただいたわけであります。
そして、先ほど札幌市民の皆さまに対して家にいてほしいというお話がございましたけれども、わが国におきましては、都市封鎖ということはできないわけでございますけれども、その都市封鎖に相当する行動自粛、こういうものを皆さまにお願いしたいということでございます。具体的に何をやるかということについては、先ほど市長からお話がございました、市民の皆さまに対しましては、とにかく家にいていただくと。今までは不要不急の外出を控えてほしいというような言い方でございましたけれども、もうそういう状況ではないわけでございまして、このゴールデンウィークについては、比較的お仕事などの都合がつく方も多いと思いますけれども、そういった状況の中で家にいていただくこと、そして道民の皆さまに対しては、これまでは不要不急な往来(を控えていただく)とかそういう言い方をしていましたが、こういった今、日本の中でも札幌が極めて厳しい状況にあることを考えますと、札幌に行かないということの徹底をしていただくことを皆さまにお願いしたいということです。3番目については、都道府県における行き来はしないということは従来から言っていたのですが、この点でございます。
極めてシンプルなのですが、今回の点については、こういった、まさに都市封鎖相当の行動自粛をお願いしたいということと、それとこれは秋元市長と私だけの話ではなく、私のほうからお話をしまして北海道市長会の山口会長からご協力いただけることになりました。また、町村会の棚野会長にもお話をし、ご協力いただけることになりまして、そういう意味では、札幌市においては市民の皆さんはとにかく家にいる、そして道民の皆さまには札幌に行かない、この中で179の市町村全てが一丸となってこの都市封鎖相当の行動自粛を徹底して、このゴールデンウィーク中にやる、それをやらないとこれは全道に拡大していく、そして限られた医療資源、今懸命に医療従事者の皆さまが戦ってくださっています。そして先ほど市長がご説明されたように、何とかピークアウトに今持っていこうということで、全力で取り組んでいますので、どうか皆さんには、今できることということで、ゴールデンウィークは家にいていただく、札幌へ行かない、こういうことを全ての首長の皆さま、各地域で徹底していただくことによって、何とかこの危機的状況を乗り越えていきたいということでございます。
そして2点目でございますが、医療機関の皆さまに対する緊急メッセージということでございます。これは先ほど秋元市長からもお話がございましたけれども、医療従事者の皆さまに対しましては、この大変厳しい(新型)コロナ(ウイルス)との戦いにおきまして、全力で今戦っていただいております。このことにあらためて感謝を申し上げたいと思います。これは私や秋元市長のみならず、市長会、町村会全ての自治体の首長から、皆さまにあらためて感謝を申し上げたいということでございます。
ただ、特に札幌においては、そういった医療体制が厳しいということも現実でございまして、ゴールデンウィークの期間中につきましては、通常であれば診療体制が平日に比べますと厳しい状況になるということが予想される一方で、先ほどお話がありましたとおり、ゴールデンウィーク中に、もしかするとさらなる(患者の)増加が懸念されるという、こういう医療体制の問題と患者増加というところがうまくマッチしないような状況があり得るということでございまして、これは本当に医療従事者の皆さまに対して、今でも頑張っていただいているにもかかわらず、さらなるお願いということで誠に恐縮でございますけれども、その厳しい医療体制の中から、ゴールデンウィーク期間中についても従事していただく、このことなくしてこの戦いを乗り越えることができない、このことに医療従事者の皆さんへご協力をお願いしたいということでございます。
当然、医療従事者の皆さまが戦えば良いという話ではございません。われわれができることというのは、家にいることと、また札幌市にも行かないということを徹底することによって、こういったゴールデンウィーク中に迎える恐れのある患者増加、そういうものにオール北海道で取り組んでいこうということでございます。
この医療従事者の皆さま、医療機関に対するメッセージにつきましても、繰り返しですが、私や札幌市の秋元市長のみならず、全ての市長の皆さん、町村会の皆さまも、その感謝とこのお休みの期間に対する協力ということでお願いさせていただきたいということでございます。
今日、こういった緊急メッセージを急きょ取りまとめさせていただきましたけれども、こういった今危機的状況にあることについて、どうか札幌市民の皆さま、そして道民の皆さま、医療関係者の皆さまに重ねてご理解をいただきまして、お一人おひとりにお力添えいただきたい、このことを私から心から皆さまにお願い申し上げます。
私からは以上であります。
記者からの質問
(読売新聞)
鈴木知事と秋元市長のお二人にお伺いしたいと思います。今ほど、都市封鎖相当の強い外出自粛をお求めになられました。一方、これまでも不要不急の外出は避けてほしいということで、さまざまな目安を示されていましたけれども、具体的に今のメッセージでは、どこまで、どういう行動をしてほしいということをお示しなのでしょうか。この点は、鈴木知事にお伺いしたいと思います。また、札幌市民の皆さんにということで、とにかく家にいるということを今回のメッセージに掲げられていますけれども、その家にいることについては札幌市民が対象で、他の自治体は対象ではないのでしょうか。この点については、秋元市長か、どちらかちょっとお答えいただければお願いいたします。
(知事)
今まで不要不急な外出を控えてほしいとか、お話をしてまいりましたけれども、仕事なども含めて、とにかく札幌市に行くということを控えていただきたいということをあらためて皆さんに考えていただきたいと。どうしても本当に緊急性が極めて高くて札幌市に行くのだということは、それはやむを得ないのですが、まずは札幌市が極めて厳しい状況だというのを理解していただいた上で、基本的には行かないという考えに頭を切り替えていただきたいということです。それとあと家にいていただきたいということについては、これは当然札幌市以外の方々も緊急事態措置ということで、不要不急の外出を自粛してください。これは全ての地域に対して、今お願いしています。お願いしているので、不要不急、要はお買い物や、どうしてもご飯を食べなければいけないわけですからそういった外出とかもありますから、そういうところについては当然今までどおりですが、(札幌市が)日本で最も厳しいという状況を踏まえて行動していくと、こういう趣旨でのアラートだということです。市民の皆さんに対するところは、市長がお話になります。
(札幌市長)
これまでも、リスクの高いところを避けてください、三つの密になるところ、それから、人と人との距離を十分取って行動してくださいという形でお願いしてきました。そのことについては、多くの皆さんがそこにご協力いただいてきているものと思います。しかしながら先ほども申し上げましたように、そういうことに気を付けていながらも、どこかで感染してしまっている、自分で全く身に覚えがないと。感染リスクの高いところも避けているし、多くの方と食事をしていないという中で感染しているという状況の方が、やはりここ数日いろいろな行動をお伺いしたときに出てきております。ということで、このゴールデンウィークは、今知事からお話がありましたように、医療機関の方とか、働いてくださっている方、ここは難しい部分があるのは重々承知しております。そういう意味では、本当に必要な最小限の行動、外出は必要な方にとどめて、このゴールデンウィークはまず、外出しないでいただきたい。花見も良い季節になって、外であるから、人があまり大勢いなければ良いだろうということではなくて、まずこのゴールデンウィークは、そういう行動も控えていただきたいということでございます。
(読売新聞)
確認の意味で鈴木知事にお伺いします。家にいるという強い自粛の要請は札幌市民で、その他の地域の方には不要不急の外出自粛を要請するという今までのスタンスでお変わりないでしょうか。
(知事)
その点については、感染状況も各振興局単位で違う状況がございますが、全道民の皆さまには、札幌市に行かないことについて徹底していただきたいと思いますし、また各市町村において首長が出されている独自のアラートというのもございますから、そういったところには留意していただきたいと思いますが、基本的には不要不急の外出を控えていただきたい。こういった点については変わりません。
(朝日新聞)
今の市長と知事のメッセージ、極めて分かりやすいのですが、一方でここ数日の数字とかを見ていますと、主に老健施設(介護老人保健施設)であったりとか、施設によるクラスターによって人数が、少なくとも把握されている人数が増えているという現状があると思います。市中においては一体どういう感染状況なのか、どういったデータをお持ちなのか、もしくはどういった感触をお持ちなのか、市長ならび知事にお伺いしたいと思います。
(札幌市長)
確かに全体の感染者数の中ではリンクが追えている、クラスターと呼ばれる関連性のある方がいらっしゃいます。これは早期に濃厚接触者などの疫学調査をして、仮に陽性の方がいらっしゃると隔離するということ、これを早くやっていくというのが重要だと思います。先ほども少し申し上げましたが、それを除いても、3月の第1波と言われる状況よりも、どこで感染したのか、全く身に覚えがないといいますか、心当たりがないという方も増えてきている状況があります。そういう意味では、非常にその感染リスク、市中での三つの密はこれはもう当然でありますけれども、それ以外のところでも、感染している可能性の方が出てきているという状況であります。そこで、まずは人と人との接触を絶つということを、このゴールデンウィークは徹底していただきたいということであります。
(知事)
今、秋元市長からお話がございました市中感染というか、いわゆる濃厚接触者以外の方の増加も当然なのですけれども、クラスター感染、いわゆるリンク有りで追える部分についても増加の数が非常に大きいことによりまして、また医療機関や高齢者、そういった施設などで発生いたしますと、重症化する方の割合も当然のことながら高くなるわけです。ですからそういった意味では、医療提供体制、秋元市長からもお話がありましたし、前回私も記者会見で言いましたが、コロナ(対策)に集中する病院に切り替えていかなければならないですとか、救急のあり方についても医療機関にさらにご協力いただかなければならないですとか、また宿泊療養施設もさらにどんどん追加していかなければならない、そういう状況なども考えますと、とにかく徹底的に人との接触を絶つことによって新規の患者数を抑えていかなければ、医療体制上、さらに厳しい状況になるのは明らかなのです。ですからそういったいわゆるリンクなしの部分の増加というのは、一つそういう大きなトレンドとして危機感を持たなければならない点、またそういった院内クラスターをはじめとする、そういう状況の中で、今、受け入れはしっかりできているのですが、どうしても重症化しますと、その重症患者の方に関わるスタッフなど大変多く医療従事者が拘束されます。また医療関係者で感染が広がると、その病院がそもそも機能しなくなるとかそういう状況などもあるわけでございまして、そういったことも総合的に考えた上で、やはりこのゴールデンウィーク期間中というのは、皆さんにどうしてもこれはお願いをしなければいけないという判断です。
(朝日新聞)
あと追加ですけれども、ここ1週間ほど医療崩壊はともかくとして、介護崩壊というものが、特に札幌市においても老健施設などで見受けられる気がします。こういった状況について、医療も当然今日強調されましたけれども、介護とかそういったどうしても集団にならざるを得ない、弱い、言い方によっては弱い方々が集まっている施設、こういう施設については市長、知事どのような対策を今後進めていくべきだとお考えでしょうか。
(札幌市長)
介護現場も、どうしても人が人と接触をしなければならない。介護するために必要なわけであります。今も従事されている方々は、消毒含めて、いろいろな感染予防を徹底していただいているにもかかわらず、やはり感染してしまっている。当然のことながら入所されている方は、そこから動けないわけでありますので、感染が拡大していくということであります。例えば、最初の感染の原因となった人とかが特定できれば、そういった対応をするのですが、なかなかその状況もいろいろなお話を伺っていく中では特定できない。例えば介護に従事されている方も何人もいらっしゃいますから、そういった状況の中で感染が起きているという状況です。デイサービスなども含めて、やはり一度そういう介護施設で起きると、スタッフも例えば陽性が出ますと、そこから濃厚接触者でしばらく状況を観察しなければいけないということで、マンパワーが足りなくなってサービスが提供できなくなるという状況があります。そういう意味では、一つの施設でものを考えるのではなくて、先ほどの医療機関、病院もそうですけれども、例えば一つの施設でそういう感染が起きた場合には他の施設で協力をいただくような、他施設との連携というようなことでカバーをしていかなければいけない状況が出てくると思います。ですから医療機関も協力していただく、あるいはその介護施設などについても、仮にそういう感染が発生した場合にサポートできるような体制ということも考えていかなければいけないだろうと思います。当然感染予防ということを徹底していただいているわけでありますけれども、それでも感染した場合のリスクということを考えていかなければいけないと思います。
(知事)
以前の記者会見でも同じようなご質問があったかと思うのですけれども、今市長からもお話がありましたが、そういった介護施設などでも、われわれも他の県において感染が確認された状況などの事例を把握した時点で、注意事項などを皆さんにお願いをしております。皆さんが、しっかり防護できるような、そういったものが不足していると。こういう問題についてはしっかりとわれわれとして対応していかなければならないということと、あとは面会に当たっても、施設でもしていませんだとか、いろんな形で感染予防対策というのは各施設でもやってくださっています。
ところが、先ほど市長からもお話がございましたけれど、日常生活において「3密」を回避しているにもかかわらず、どこで自分が感染したか分からないという方々がやはり増えてきている状況の中において、介護従事者の皆さまも当然お買い物に行かれたり、いろいろな行動をされるわけですから、そういった中での感染リスクというのが、まち総体としてやっぱり上がってきてしまっている状況を低減させていくこと、こういったことにしっかり取り組んでいかないとどうしても24時間365日、徹底した感染予防対策というのを取れれば、それが理想でありますけれども、日常生活の行動の中にどこで感染したか分からないという割合が増えていきますと、それは介護業種だけではなくてあらゆる業態においてそういったリスクが高まるわけですから、全体のリスクを強力な措置によって下げていく、こういったことがやはり必要になってくると思います。その上で施設における注意徹底のさらなる確認ですとか、そういったことを徹底しながら、必要なサービスであるというのは誰もが理解している中で、皆さんを守れる環境というのをまち全体でもそうですし、施設連携の話もありましたけれども、そういう中でつくっていくということに尽きるのではないかと思います。
(北海道新聞)
お二人にお聞きしたいのですけれども、現在行われています一斉休校措置について、これ5月7日以降どうするのかというのをまずお聞かせください。あともう1点、札幌市
立病院を重症者を受け入れる病院にしていくと市長からお話がありましたけれども、これで道と市がどういった連携をしていくのか、この点についてもお聞かせください。
(知事)
全体の話ですけれども、秋元市長とも学校の休校については話をしているのですけれども、まず札幌においては今こういう状況でございますので、当然休校措置についてゴールデンウィーク明けから再開するというのは難しいですよねということでお互い考えています。また一定の期間が当然必要ですよねということについても共有しているところでありますけれども、それぞれ教育委員会のほうでも、いろんな状況を今調べている中で対応を決めていこうという状況です。また国においてもちょうど今、緊急事態宣言を延長する方向を総理が決められたというようなニュースが出ていましたけれども、その中で学校の取り扱いについても少し考えていかれるようなところがあるようでございます。緊急事態宣言の期間については、基本的には学校の休業がそれとまた別の中で取り扱われるということには、なかなかならないかと思いますので、そういった点も踏まえて、よくご相談しながら決めていくという状況になると思います。
(札幌市長)
繰り返しになりますが、基本的にはやはり5月7日からの学校再開というのは札幌では非常に難しいだろうと思っています。では当面いつまで休校するのかということについては、今知事からもお話がありましたように、国としての緊急事態措置というものの中で、学校等を含めてどのような形で出てくるのか、やはり今法体系の中にくるまれた状態になっており、その期間に合わせて教育委員会に要請していくということになりますので期間については具体的に1週間にしましょうか、2週間にしましょうかというところまで、今日の段階では話ができておりません。
また、病院の関係でありますけれども、医療の調整もこれ北海道も、それから私ども札幌市の保健所に道からも人が来ていただいて、実際の医療調整をしています。そういった中で、重症、中等症に関わるような病院については、一定程度役割を整理していかなければいけないということは、皆さん共通の認識です。そういう意味で、少なくとも市立札幌病院については、先ほど言いましたように、疑いのある患者が今たらい回しになっているという状況を回避するためには、一旦その疑いのある患者の受け入れなどについては、公立病院である市立札幌病院が担っていかなければいけないだろうという意味で、新型コロナウイルス感染症対策の専門的な病院として受けていく必要があるだろうということで、市立病院とそういう話をしております。先ほど申しましたように、では今まで市立札幌病院で受けていただいていた救急というのは受けられない状況になりますので、そういった病院を他の病院でやっていただくというようなことについては、これは道と一緒になって皆さんの協力をいただかなければならないという状況であります。
(日本経済新聞)
知事、市長お二方にお伺いしたいのですが、昨日首相は、9月入学の検討について話をされていたと思うのですけれども、知事に関しては、28日(の知事定例記者会見で)もご意見をおっしゃっていたと思うのですが、それを踏まえた上でどのように考えていらっしゃるか、ご所見をいただければと思うのですが。お願いします。
(知事)
9月入学の話が出ていまして、知事会でも議論になりました。知事会全体の意見として統一的な話になっているのは、そもそも学校の休業というのは緊急的な措置だったのですが、その後、この新型コロナウイルス感染症との戦いが長期化するという状況を総理自身も認めていらっしゃる中で、学校の休業が今も緊急的な措置として行われている。ですから、学習する機会を子どもたちに確保していく観点から、そういう緊急的な措置ではない形で、学習の機会を提供するあり方というのをある意味では抜本的に検討するべきという点についてはみんな一緒なのです。ただそれが9月入学というのは、私もメリットがあるとは思うのですが、実際に今、もう5月なのですね。ですから、国として選択肢の一つだということであれば、徹底してこの短期間でやらなければいけませんし、その中で本当に詰めきれるのかという問題などもあります。また教職員も子どもたちも、この間結構振り回されているわけですよ。ですから、そういうことを考えますと、国として検討するのであればもう徹底的にしなければいけない極めて重要な話だと思うのですね。そういう意味で国として選択肢の一つだというのであれば、行程管理みたいなものも含めて出していく責任があるのではないかと思います。いずれにしても、知事会として共有していますのは、緊急的な措置で今取り扱っている休校とはまた違う段階での抜本的な学習のあり方ということを考える時期だろうということを含めて提言したところです。
(札幌市長)
今、知事からお話があったように、今休校があって学習機会が失われている、それをさらにこの先も休校措置みたいなものが続くかもしれない。そういう状況の中で、9月というのは、グローバル、国際的な状況から見ると非常に一般的になっていますから、これを機会にそういう制度を考えてはどうかという一つの考え方としては、これはありだと思います。ただ、本当に今知事もおっしゃったように、この9月に新しい制度として、この5月からスタートできるのかとか、いろいろな例えば年度、日本独特の年度会計みたいなものとどう合わせるのかとか、抜本的な制度を考えていくということと、この緊急的な措置として何かをしなければいけないというのが混在しては、やはり困るのは最後は子どもたち、あるいは現場の先生方だと思いますので、しっかりした議論の上でそういう方向性を出していただきたいと、このように思います。
(共同通信)
先日、航空会社の大手の2社が、ゴールデンウィーク中に北海道を訪れる予約が5万人程度というふうに発表されていました。沖縄でも6万人程度という話で、知事が一言言ったところ減少したという話がありました。鈴木知事、この点に関してはどう考えておられますでしょうか。
(知事)
先ほど申し上げたとおり、札幌市は北海道を代表する都市でございますけれども、札幌市のみならず、北海道の危機感というのは非常に高いものになっています。特に今日申し上げたように札幌市の状況を見ますと、日本の中でもやはり厳しい状況にあるわけです。そういった状況で、札幌市や北海道にお越しいただいても、それは十分な観光をすることはできないわけですから、繰り返し申し上げていますけれども、県をまたいでの行き来、こういうことは控えていただきたいと思いますし、今は北海道に来るべきではないのだろうということを皆さんにお願いしたいです。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)