知事定例記者会見(令和2年5月8日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和2年5月8日(金) 14:30~15:46
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/25名(テレビカメラ3台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 新型コロナウイルスに関する対応について(1)
  2. 新型コロナウイルスに関する対応について(2)

記者からの質問

  1. 新型コロナウイルスに関する対応について(1)
  2. 新型コロナウイルスに関する対応について(2)
  3. 新型コロナウイルスに関する対応について(3)
  4. 新型コロナウイルスに関する対応について(4)
  5. 新型コロナウイルスに関する対応について(5)
  6. 新型コロナウイルスに関する対応について(6)
  7. 新型コロナウイルスに関する対応について(7)
  8. 新型コロナウイルスに関する対応について(8)
  9. 新型コロナウイルスに関する対応について(9)

知事からの話題

新型コロナウイルスに関する対応について(1)

 まず、私から話題提供でございますけれども、新型コロナウイルスに関する対応についてでございます。まず、道内におきまして新型コロナウイルス感染によりまして、昨日お一人の方がお亡くなりになりました。お亡くなりになった方に哀悼の意を表するとともに、ご遺族の方々に心からお悔やみ申し上げます。
 札幌市におきましては、緊急事態宣言後も感染の拡大が続いております。日本で最も厳しいとも言える状況であると考えています。そうしたことから、道民の皆さまにはゴールデンウィーク期間中に緊急メッセージを発出させていただきまして、重ねて外出の自粛をお願いしたところでございます。今取り組みを徹底しなければ、札幌市から全道に感染が広がり、まん延してしまう恐れがあるということから、道民の皆さまお一人おひとりが自主的に行動を制限することで、都市封鎖、ロックダウンは今わが国においてはできないわけですが、その都市封鎖に相当する行動自粛を皆さまにお願いしたいと申し上げたところでございます。依然として新規患者が2桁発生しており、東京に次ぐ状況の中におきまして、医療従事者の皆さま方が今懸命に戦ってくださっているところでございます。われわれにとって必要な医療を受けられる体制を確保するためにも、われわれが道民の皆さまの総意で命を守るという決意の下で今できることに取り組む必要がある。このことから私と札幌市長、北海道市長会会長、北海道町村会会長、オール北海道で引き続き緊急メッセージを発出することといたしました。今週末が対象でございますけれども、少し(モニターの)字が小さくて読めないかもしれませんが、ゴールデンウイーク中にお願いした部分と同じでございます。平日につきましてはお仕事などで、週末に比べますと結果として行動抑制がなかなか難しいところがあるわけでございますけれども、今週末、明日、あさってについて、皆さまにお願いしたいということでございます。これはゴールデンウィークの時と同じでございますが、札幌市民の皆さまにはとにかく家にいていただきたい、とにかく家にいる。道民の皆さまには、札幌市に行かない。このことをまたお願いいたします。また今、道内外におきましては一部緊急事態措置が解除されたり、さまざま状況が都道府県間で変わってきている状況はございますけれども、全国一律でお願いしていることでございますが、都道府県間での行き来はしないということについても、あらためて皆さまにお願い申し上げたいと思うところでございます。この点について、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
 こうした中、札幌圏域の患者数でございますけれども、昨日時点におきまして422名となっているところです。このうち軽症の方でございますが、422名のうち104名でございまして、この104名の皆さまにつきましては、道が市と連携して準備いたしました宿泊療養施設、「東横イン札幌すすきの南」と「リッチモンドホテル札幌駅前」、こちらにおいて療養いただいております。422名のうち104名の方が、この二つの宿泊療養施設において療養いただいているというところでございます。現在、2棟合わせますと260室確保しているところでございますけれども、今後の大幅な患者の増加も想定いたしまして、札幌市と連携し、本日5月8日金曜日から3棟目の施設といたしまして、「アパホテル&リゾート札幌」にご協力いただきまして、最大670名程度の規模で受け入れを開始いたします。これによりまして、3棟合わせて930名の宿泊療養施設における受け入れ体制が確保されたところでございます。930名といいますと、昨日時点で1月末からの患者発生の累計が928名ですから、1月、2月、3月、4月、5月これまでの間の全ての方々が入ることができるぐらいの規模になり、その930名の受け入れ体制を確立したところでございます。こういったお話をしますと、670名程度の規模というと非常に大きいのではないかとお感じになられる方がいると思うのですが、今第2波とも言える状況ですが、一つは今後の、第3波、第4波、第5波、こういったことが起きないことにこしたことはないのですが、そういった患者増加に備えることはもとより、今、宿泊療養施設をご利用いただく中で寄せられているさまざまな声なども踏まえまして、健康管理機能をより高めるそういった方向などにつきましても、今検討を進めているところでございます。そういったことを行おうとしたときに、この部屋をどう有効利用していくかということも踏まえて、今検討を進めているところでございます。施設をご提供いただくアパホテルの皆さま、運営を主体的に担っていただきます札幌市、そしてご協力いただく医師会、医療従事者の皆さま、自衛隊、道警の皆さまをはじめ、関係者の皆さまに深く感謝申し上げます。
 そして、新型コロナウイルスの関係の2点目でございますが、緊急事態措置についてです。政府は、5月14日をめどに専門家による感染状況の評価を地域ごとに行うこととしております。こうした評価に加え、道としても道内における分析を行い、今後、新規の患者発生など感染が一定範囲に抑えられ、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)状況が解消されるなど環境が整った場合には、措置内容の見直しも検討する考えであることを話してきたところでございます。
 そんな中、昨日西村(新型コロナ対策担当)大臣が緊急事態宣言の一部解除に当たって、いくつか考え方を話されました。ちょっと分かりにくいのですが、緊急事態宣言というのを国が出しているのですが、その緊急事態宣言を解除するのは国なのですが、その緊急事態宣言を解除するに当たっての考え方の一端を西村大臣が述べられました。私が話をしているその基準というのは、当然緊急事態宣言というのは私が解除することができない訳でありまして、休業要請など本部長として知事が行っている状況を変更する基準についてのお話でございますので、この点が少し紛らわしいのですけれども、誤解なきようにしていただきたいと思います。そして西村大臣がお話になった、解除に当たっての留意事項というか、そういった部分につきましては、直近2、3週間の新規感染者数、感染経路不明の新規感染者の割合、三つ目が医療提供体制で、四つ目が近隣の都道府県の感染状況などを考慮するという発言がありました。繰り返しますが、これは緊急事態宣言の解除に当たっての考慮すべき事項として、大臣のほうからご発言がありました。こういった点も踏まえれば、これは北海道における休業措置など緊急事態措置に対する考え方ですが、新規感染者の状況、感染経路不明の感染者の状況、医療提供体制、そして、4番目が北海道の特徴だと思いますが、北海道の地理的特性ということなどを考慮いたしまして、緊急事態措置の見直しを検討していくということを考えています。以前記者会見でお話し申し上げましたけれども、北海道の特徴といたしまして今起きている状況は、札幌圏域、その中でも札幌市の患者発生状況が極めて顕著だということでございます。一方で緊急事態措置につきましては、都道府県単位で措置が行われています。ですから、都道府県においてその濃淡があるという状況は今はないのです。ですから、一地域に対して例えば強い措置をしている、それ以外の地域に対してはそれと違う措置をしている、それが都道府県単位でそういう状況になっているという状況はないわけでございますけれども、北海道(の面積)は、小さいところ(都府県)から言うと22が入るぐらい非常に大きいわけでありますし、また感染状況もそういった特徴がある点、さらにはこの地理的特性ということで、何度もここで申し上げていますが、札幌市に人が集まってまた札幌市から戻っていくとか、そういった状況の中で感染拡大が懸念される、こういったことなども踏まえまして、考えていく必要があるだろう。日本全体では東京が感染拡大が顕著だった時期があるわけですが、北海道はある意味では、まさにわが国の縮図のような状況になっていまして、人口もそうですが集中している札幌市とそれ以外の地域という状況があるのですが、そういった中でどういった見直しが適切であるかという大変難しい検討をしていかなければならないということでございます。この点につきましては以前からお話をしているとおり、15日までが休業措置でございまして、そういった時間軸の中でその緊急事態措置の見直しも含めて皆さまにお知らせをしてまいります。基本的な考え方ということで、今日はこの4点について触れさせていただいたということでございます。
 それとこの点については、皆さまあらためてになってしまうのですが、患者発生状況でございますけれども、今ゴールデンウィークで検査件数が減少しているなどの状況もある中で、今感染がこれだけ確認されているということに留意しなければならないと思うのですが、その患者発生状況については、ピークに比べると減少傾向が見受けられるのではないか、そういったご指摘も一方であるわけでございます。この点については2週間のタイムラグがあるということについて、まずはお話をあらためてさせていただきたい。発症から陽性確認までの間がおおむね2週間程度、PCR検査で確認するまでかかります。ですからこういうタイムラグがあります。さらに、入院される方につきましては、だいたい今平均2、3週間程度治療にかかっています。人工呼吸器を要する重症の方であれば、当然のことながら在院期間が長期化するということでございます。ですから、発症から確認までに2週間のずれがあります。また治療においては、そこからさらにまた2、3週間の期間を要します。重症の方については、さらに対応の期間があります。このことが結果として医療提供体制が逼迫する状況に結び付いているということですので、何が言いたいかと申し上げますと、一つは今ゴールデンウィークが明けた中で検査件数などがもしかしたら他の医療機関などから上がってくる分が抑制的に働いている可能性がある点、またゴールデンウィークの行動抑制が効いてきているかどうかというのは来週から出てくる点。そういう点を鑑みますと、今減少傾向なのではないかという点についても、その新規の患者数だけを見ていると、そういう点は留意しなければいけない点。また医療の逼迫度合いについても、今日であれば、例えば患者数は減じています。しかしながら、総体としての患者数ですが、今言ったような治療期間の話ですとか重症化するとさらに期間が長くなるということを考えますと、この逼迫状況というのを慎重に見極める必要があるということでございます。この点について、あらためてご説明させていただきました。
 また、PCR検査の拡充についても少しお話をしたいと思います。感染拡大の終息に向けましては、このPCR検査についてはいろいろな考え方があるわけでございますけれども、感染者の早期発見のために道といたしましてはこの間、帰国者・接触者相談センターや、帰省者の皆さまなどの相談ダイヤルなど、さまざまな相談を通しまして発熱や倦怠(けんたい)感、息苦しさだとかそういった症状がある方、帰国者・接触者外来の受診を監視して、早期にPCR検査につなげていこうということで取り組みを進めてきたところでございますけれども、現在1日当たり400人程度のPCR検査の体制となっています。今、第2波とも言える状況を早期に終息させることが当然目の前の課題でありますけれども、今後、例えば第3波とも言えるような状況などにも備えていかなければならないと考えていまして、今の400件のPCR検査を倍以上の1日当たり千件程度に大幅に拡充し、早期に陽性者の確認、感染拡大の防止、こういったものにフェーズを変えていくべきではないかと思っているところでございます。この点につきましては、国のほうでも誤解があったということで、37度5分(の発熱が)、4日間(連続する)ということで、そういった方々は必ず相談してくださいという意図だったということで厚生労働大臣がご発言されているのですけれども、37度5分が4日間続かないと検査が受けられないという間違ったメッセージが伝わってしまったのではないかということで、厚生労働大臣が言っていました。道としては従前からドクターが必要だと判断した場合については、積極的にPCR検査をやってきましたが、誤解なきようにお話をさせていただきますけれども、そういったドクターが必要だと判断したものについては、これからもしっかりPCR検査を行っていく。しかしながら今後の対応も踏まえますと、そういった検査体制を拡充していく、そういったことを具体的に目標を掲げて、早急に体制を整えていきたいと思っております。この点につきましては、道だけではできませんので、民間検査機関や、また保健所設置市における皆さまのご協力や、さまざまな皆さまの力を合わせて、体制をつくっていきたいということでございます。
 新型コロナウイルスの関係では最後でございますが、皆さまにお配りしておりますけれども、新型コロナウイルス感染症の影響拡大によりまして、アルバイト先が休業するなどで収入が減る、経済的に困窮している学生の皆さんがいらっしゃるわけでございまして、また離職を余儀なくされた、そういった方々の臨時的な就業機会を確保するために、北海道の会計年度任用職員として、まずは30名程度の募集を本日から開始しました。さまざまな働き方があると思いますので、1週間単位で働くことができるスポット的な任用ですとか、興味がある行政分野への配置ですとか、学生の方などが短期間でもできるだけ働くことができるように工夫いたしました。われわれも積極的にこういった形で情報発信していきますが、報道関係の皆さまにも積極的に報道していただければ大変ありがたいと思っております。
 これが1点目です。

新型コロナウイルスに関する対応について(2)

 2点目でございますけれども、休業協力・感染リスク低減支援金についてでございます。こちらは、支援金ということで言わせていただきたいと思いますが、専用ダイヤルを開設いたしまして大変多くの皆さまにお電話をいただいております。また、すでに多くの方々に申請をいただいております。その状況について少しお話ししたいと思います。この支援金でございますが、4月30日木曜日から受け付けを開始しています。受付終了は7月31日金曜日でございます。7月31日金曜日までには皆さまに申し込みいただきたいということでございます。5月7日時点での申し込み状況について皆さまにお知らせしたいと思いますが、もうすでに昨日5月7日時点で3200件を超える申請をいただいております。昨日時点での(専用ダイヤルへの)お問い合わせ状況につきましても、(1日)千件を超えるお問い合わせをいただいているところでございます。休業の延長ならびに申請をゴールデンウィークが終了しようということでお問い合わせが増加し、内容ですけれども、全体の9割が申請を準備するための実務的な取り扱いの問い合わせをいただいているところでございます。この早期の申請をぜひ皆さまにお願いしたいということをお話をさせていただきたいのですが、できるだけ早く皆さまに支援金をお届けすることはもちろんでございますが、5月下旬からお届けしますが、早く申請をいただくことによってそれが実現するということと、例えば札幌市をはじめさまざまな自治体が、道の支援金に上乗せする形で給付を進めていこうとしています。道に申請を出していただいた情報を、例えば札幌市のほうに提供させていただいて、一部飲食店などでは、19時以降の酒類の提供はやめてくださいというのが道の話で、札幌市は全ての飲食店ということで対象が違ったりするのですが、そうではない上乗せ分につきましては、北海道に申請していただければ、情報共有するという形を札幌市とは取っていることになります。ですから道に早く申請していただくことによりまして、上乗せしている給付にあっても、早くお手元にお届けすることにも連動してくることになりますので、繰り返しですが7月31日金曜日までが申請(期限)でございますし、できるだけ早く申請いただけるとできるだけ早く皆さまにお金をお渡しできるということでございますので、もうすでに3200件を超える皆さまに申請いただいておりますが、皆さまには申請のほうをぜひしていただきたいということをお話させていただきたいと思います。

記者からの質問

(HTB)
 パチンコ店に対する休業要請についてお聞きします。昨日時点で24店舗の営業を確認していたとのことですが、あらためてどのように臨むつもりかということと、(新型インフルエンザ等対策特別措置法第)45条に基づく要請というのはいつごろ、仮に止めなかった場合の要請というのはいつごろまでにするご予定でしょうか。

(知事)
 皆さまにもお知らせをさせていただきましたけれども、道では昨日営業を確認したパチンコ店、24店舗ございましたけれども、こちらの施設管理者の方に対しまして、本日17時をもって営業していることが確認できました場合については、新型インフルエンザ等対策特別措置法第45条第2項に基づく要請を行う旨の事前通知を実施いたしました。ですから繰り返しになりますが、本日の17時をもって営業していることが確認できた場合でございますが、このような事前通知を行いましたので、17時まで時間がまだありますので、まずは休業にご協力いただくよう粘り強く要請を行っているところでございますけれども、大変残念ながら営業の継続が確認されたという場合につきましては、この法に基づきます休業の要請および公表、こちらを行うということで考えております。

(HTB)
 すいません、もう1点お聞かせください。ウポポイについて、今日オープンを当面延期をするということで、二度目の延期が発表になりましたけれども、その点について受け止めをお願いします。

(知事)
 民族共生象徴空間ウポポイ、こちらについて、これまでもそうですが、アイヌ民族文化財団によります開設準備をはじめといたしまして、多くの企業の皆さまや、関係自治体の皆さまなどにご協力いただきまして、受け入れ体制整備や機運の醸成などさまざまな準備を進めてきたところでございます。
 しかし政府の緊急事態宣言、こちらが延長されたということ、そして北海道が特別警戒都道府県として依然感染の拡大に厳しい状況にあることなども踏まえますと、再度の開業延期の決定についてはやむを得ないと受け止めております。
 私といたしましては、まずは、この新型コロナウイルス感染症を早期に終息させていくことが最も重要だと考えていますので、このウポポイの開業を待ち望んでいる皆さんと共に、最高の形でスタートができるように、新型コロナウイルスとの戦いにしっかり力を注いでいきたいと考えています。

(北海道新聞)
 知事のほうから先ほどPCR検査の体制拡充に関してご説明がございましたが、千件を目指していくということですけれども、この千件はいつぐらいまでの達成を具体的にどのような方法をもって目指していかれるかお聞かせください。

(知事)
 今(は1日)400件ですから、倍以上の体制を整えるというのは、非常に高い目標であると思うのですが、できれば、今月中ということで目指していきたいと思いますし、また、その実施に当たっては、先ほど言ったような民間の検査機関や多くの関係する方々にご協力いただくことが必要だと思います。これらの実現に向け努力しなければならないし、具体的にやはり目標を掲げてそこに向き合っていかなければいけないと思いますので、千件という目標、それと5月いっぱい、できればそういう見通しを立てたいと思っています。
 ただ、この部分、現時点で千件という明確な数字を具体的に積み重ねることができていないという点についてはご了承いただきたいのですが、ただやはり第2波とも言える状況と戦っている中におきまして、いかにして早期に検査を行い、また早期に、クラスターなどを抑制していくこと、このことがいかに重要であるかということについては、これは皆さん同じ思いでございまして、その点にしっかり向き合っていかなければならないと思いますし、また検査だけすれば良いということでは当然ないわけであって、その検査後の積極的疫学調査の実施なども、当然さまざま考えていかなければならないと思いますが、ただやはり具体的目標を掲げないと、そこはなかなか動いていかないところがあるので、その後に進めていきたいと思っています。

(北海道新聞)
 ちょっとまた別の質問なのですけれども、この新型コロナウイルスに伴う家賃補助ですとか、雇用調整助成金に関して、知事もかねてからここに対する期待感を示したと思うのですけれども、昨日与党幹部のテレビ出演ですとか会議の中で手厚くしていこうという動きが、家賃については3分の2ですとか、あと雇用調整助成金は8千円ぐらいだったのが1万5千円というような案が、まだ決定ではないと思うのですけれども見えてきております。こういった家賃補助、雇用調整助成金の動きに道としては何らかの連動するような具体的なイメージとかいうのは、現時点ではあるのでしょうか。教えてください。

(知事)
 今、与党内の議論などを中心に、そういった家賃支援や、また今日、学生における支援も萩生田文部科学大臣が言及されていたということでございまして、持続化給付金や売り上げ減少があったところを入り口としながら、家賃の助成ということを検討されているということがございました。また、学生に対する支援についての検討も言及があったところでございます。まず、この点について言えば、やはり国で検討されてから国会で議論が行われて実際に支援に行き着くまでに、どうしても時間がかかるということがあると思います。全国知事会としても飛躍的増額という言葉を使って、われわれにとって自由度の高い臨時交付金を速やかに給付いただきたいと国のほうにお願いしているのですが、こういった部分も新しい予算を組みますと、また予算議論から始まるのですね。今、予備費があるのですけれども、今日のお話ですと、学生の支援は予備費を使われるような形で文部科学大臣が言及されていましたし、また臨時交付金も予備費となっていますし、予備費が確か1兆円強あると思うのですが、どこの制度を使っていくのが一番最短で届くのかという話になると思うのですが、われわれ待ったなしで道民の皆さま、国民の皆さまもいるものですから、もうとにかくできるだけ早く皆さんのお手元に届くような形で、国としての対策を徹底的に行っていただきたいと思っております。
 また、今回予備費では対処は難しく、そういった国の対策が仮に皆さまのお手元に届くのが遅くなった場合についても、中身をこういう形でやりますということを教えていただけますと、われわれとしては、例えば制度に上乗せをしていくだとか、そこで補えないところをフォローしていこうという話になるので、その点についてはぜひ早くしていただきたいと思っています。現時点で道として、どのような対策が最も効果的なのかということについては、情報収集も含めて検討を進めています。

(NHK) 
 知事の話の中にもありましたけれども、PCR検査の相談ですとか受診の目安を見直すという話が、厚生労働省のほうで今日にも公表されるということなのですけれども、37度5分が4日以上という項目をなくすような案になっていると思うのですけれども、この見直しという話に対して知事の受け止めをあらためて教えていただけますでしょうか。

(知事)
 PCR検査については、もうずっとマスコミの皆さまともやりとりをしてきましたし、道民の皆さまの中にもさまざまな思いがあったのではないかなと思っています。PCR検査は行政検査でやっていまして、皆さまに対するご負担という形ではなくて、国のルールに基づいてやることによって、道としての負担が出てこない部分もございますし、また国の検査基準というか、ルールに基づいてやるということは全都道府県、そういった形でやっているわけでございます。ですから、この検査の入り口に対する考え方というのは、国の新型コロナウイルスへの戦略の入り口でもあるという状況でございますので、その点を見直すということであれば入り口からその出口、出口というのは退院までですね、軽快して、そういったところまで影響が出てくる話だと思っています。加藤厚生労働大臣のご発言としては、いわゆる誤解があったと。誤解というか、37度5分(の発熱)が4日間(連続する)というのがあまりにも皆さんに伝わりすぎてしまって、そういう状況は必ず相談してくださいということだったのですが、結局そうではなくて、そういった方が逆にできるだけ家にいてくださいというメッセージになったのだとお話をされていたのですが、専門家の方なども、そのフェーズとしてはその医療的な負担を軽減するために、状況が落ち着くまでは家で経過を観察してくださいと言ってきたというのも、私はそれは率直に事実なのではないかなと思うのですね。ですから、どういった形で国の見直しが出てくるか分かりませんが、現時点でも、われわれといたしましては医師が必要だと判断したものについてPCR検査をやりますので、道民の皆さまにもその点はご注意いただきまして、ご相談をいただきたいということをまずお願いしたいと思います。
 その上で、国としてルールが変わると、確か当初は週内と言っていたので、週内というと今日が金曜日なので今日なのかと思うのですが、今日そういう状況が、急にこういうことをやってくださいときましたら、直ちにそれはわれわれとしてもどういった体制変更が必要なのかを考えていきます。ただ、繰り返しになりますけれども、倦怠感ですとか息苦しさですとか、明らかにそういう症状がある方は、やっぱりドクターにご相談いただくなどして、ドクターの方で必要だと判断すればこれからやりますから。相談もそうですし、必要なものは検査をやりますので、ですからそういった点はご相談いただきたいと思います。

(NHK)
 今、体制の変更を考えていくというご発言もありましたけれども、先ほど検査の件数に関しては千件を目指してやっていくというふうにおっしゃいましたけれども、これによってその相談される方の数が増えたりですとか、あるいは検査に当たる方のマスクですとか医療用ガウンですとか、そういった備品が不足するのではないかという懸念も指摘されているのですけれど、道のこの辺りの体制についてはいかがでしょうか。

(知事)
 そうですね。当然、件数に関して増やせば良いだけではなくて、今言ったような、人をどうするのかということだったり、検体採取の方法をどう効率化させるかということであったり全てが連動していきます。先ほど言った積極的疫学調査、これもかなりマンパワーがかかります。しかしながら、この第2波とも言える状況を経験しているのは北海道だけなのですが、第3波というのはどういう形で来るかどうかも分かりませんけれども、今(1日)400件(の検査)の中でそのキャパシティを大きく超えるような、検査が滞ったという時点ではないのですよ。ないのですが、しかしながらやっぱりしっかり備えていく必要があるし、また検査体制がさらに拡充されることによって、いろんな選択肢が増えてくるというところもありますので、そこは具体的にやはりできるだけ早くそういう体制をつくろうという私の判断です。その判断に基づいてどういう体制が必要なのかというのは正直、後から考えていく話になるのですが、そういった体制をつくっていかないと、これから第3波が来るか分かりませんけれども、基本的に感染者がゼロにならなければ、どういう形であれ、日本で再度の流行が起きる可能性もあるわけですから、そういったことに備える上でも考えていきたいということです。

(NHK)
 もう1点だけ、この検査基準の見直し、これまでのその誤解の部分もあったと大臣の発言もありましたけれども、それによって検査数の抑制につながっているのではないかという指摘もありましたけれども、この点について知事の認識をあらためてお伺いできますでしょうか。

(知事)
 これまでも、検査が必要な方に対しては検査がしっかり実施できるように、検査を実施していただいているところに対しましては、医師が必要とした場合については、検査を行っていきましょうという話を行ってきましたし、もう今はすごい前のことのように感じますけれども、PCR検査の対象というのは帰国者ですとかそういうことを言っていた時代があったわけですけれども、例えばクラスター発生というのは北海道の事例としては、初めて北見などで起きたわけですけれども、クラスター対策というのは、とにかく関係する方々を、総当たりで検査を実施していくということで取り扱ってきたわけであります。今、全国でそういう形で同じようにやっているわけですが、ですから、そういった意味では、その検査のあり方を発生状況や対策に応じて見直していくという一環で今回行われると思いますので、長い期間そういった37度5分(の発熱が)4日間(連続する)とか、基礎疾患がある方は2日(続くと)周知してきましたので、皆さんの印象というかその思いは、もし変更するのであれば積極的に(周知)していかなければ、そこはなかなか検査に結び付くという実効性につながらないのではないかと思いますので、その点についても当然、変更があればしっかりやっていきたいと思っています。

(朝日新聞)
 先ほど臨時交付金についての言及が何点かございました。知事会として臨時交付金を増やしていただきたいとかというお話がありました。今朝がた北村(地方創生担当)大臣が、北海道の分については計算ミスがあって、3億円増えるというようなお話がありました。その背景にはコロナの感染状況等もあろうと思うのですが、まず増額されるとはいえ、今から限度額が変わるという、こういう今の現状、ドタバタ感について、まず知事がどのように受け止められているかという点が一つと。臨時交付金という今回の性質について、市長もされていらっしゃった知事でいらっしゃるのでお詳しいと思うのでお伺いするのですが、例えば夕張市であればリーマンショック時の2009年に比べれば4割程度しか今回は出てこないと。一方で北海道のほうは10億円以上増えるというような状況があったり、北海道を調べてみると12市以外は全て減るような状況になるようです。臨時交付金、今回のあり方についての知事のご見解、その辺りを踏まえてお答えいただければ幸いです。

(知事)
 まず、今日大臣が算定の誤りがあったと明らかにしたということでございまして、算定の誤りと聞くと減額されるのではないかということで非常にヒヤヒヤしたところでございますけれども、北海道においては重症の方の部分での積算の誤りから3億円程度増額になるということでございまして、その一報を聞いたところであります。この臨時交付金については、各自治体がこの新型コロナウイルスと戦っていくに当たって、自由度の高い交付金を創設していただきたい、そういう意見も踏まえて政府として決定いただいたところです。そういった意味では、都道府県のみならず市町村において本当に命綱とも言える、そういったものであると認識しております。ですから、金額が変わってしまうということにおいて、少なからずやはり影響があるということについて指摘したいと思いますので、より慎重に適切な額を積算していただいて、交付決定の見通し、見込みを決定していただきたかったと思います。
 また、今回の部分について言いますと、感染拡大を防止していく、そういった体制を整えていく形で、まず1兆円という規模の対策決定をして、財政力や感染状況などを踏まえて積算されている短期的なフェーズというのは分かるのですが、ただこれは、新型コロナウイルスの影響を受けた経済的な観点における中長期的な視点に立ったような配分ではなく臨時なので、当然そういったところでは致し方ないというところはあれど、やはり患者発生がないところでも、地理的要件ですとか経済的な産業構造の状況だとか、患者数が少なくても、地域としての影響を非常に受けているところがあるというところも否定できないと思います。制度を作るというのは、全ての条件に100人が100人これで良いという形は難しいのだと思いますが、今回の交付の見込みを踏まえた地域の声を謙虚に受け止めていただいて、交付金ではない形でフォローが必要なのか、またそういった交付金そのものも飛躍的に増額してほしいということをわれわれは申し上げていますけれども、そういった短い中でも柔軟に軌道修正するとかそういう対応も踏まえて、ぜひご検討いただけたら大変ありがたいなと思っています。少なくとも総額全体が足りないということは繰り返し申し上げていますので、飛躍的増額とはあまり言わないのですけれども、(今回は)知事会としてもそういったものを求めていることも、受け止めていただきたいと思います。

(朝日新聞)
 ありがとうございます。あともう1点、感染の関係なのですけれども、最近新型コロナウイルス感染症の発表の中で、どこそこ地方でどなたがお亡くなりになったとか、そういったことで詳細が明かされない場合が多いと思います。いろいろご配慮されてのことだと思いますが、一方でこのクラスターとかという問題になってきますと、例えば不幸にしてAという病院とか、Bという施設において何人の方が亡くなられたというのは、ある時期が来たら発表していただかないと、今後の疫学の研究等にも響いてくると思います。それは皆さん専門家、行政内だけではなくて一般アカデミアも含めて、メディア界も含めて必要とされる情報になってくると思いますので、ある時点が来たら、施設ごととかもう少し詳細な形での犠牲者の方々のデータ、匿名性に配慮したデータを公開するというお考えはありますでしょうか。

(知事)
 まず、お亡くなりになった方の取り扱いにつきましては、これはご遺族の皆さまのご意向などを尊重する必要性があると考えております。基本的な考え方というのは、まず公衆衛生上の観点から必要性があるかどうかということや、個人情報保護の観点からの比較考量という形になるのですけれども、先ほど質問の中にございましたクラスター対策ですとか、そういった中で情報公開をすることによって感染拡大を防げるという利益のほうが大きい場合については、われわれとしては情報提供にご協力いただけないかということで、当然お話をしていきますけれども、なかなかご理解いただけないところもあるのも事実です。まずは今、そういった状況の中で取り扱っている点と、お亡くなりになった方に関しましては医療提供体制の中で医療管理下において亡くなられる方が多いです。ですから感染を拡大させるリスクというのは、お亡くなりになった時点で公開することによって、何か新規の感染拡大に影響を与えるという状況というのは少ないことが多いものですから、そういった点なども考慮する必要があるという中で、ご遺族の意向なども踏まえて行っています。しかしながら新型コロナウイルスの感染拡大が終息して、1年後になるか2年後になるか分かりませんが、さまざまな状況判断やまたクラスターの状況だとか、分析していく必要があるという中では、個人情報の観点からの同意が原則になるのだと思いますが、そういった分析をしていくということはありうるのだろうと思います。ただ、現時点において、情報公開のあり方における個人情報の保護の観点を大きく侵害するような形で変更するということは考えていません。

(北海道新聞)
 休業要請などの措置の解除の方法についてお伺いしたいと思います。先ほどの冒頭の知事のご説明の中でも、緊急事態措置の見直しに当たっての考え方というのが4点示されましたけれども、もう少し具体的にどうなれば休業要請だとかが解除されるのか知りたいなと思っています。例えば新規感染者の状況ですとかというのは、数値を具体的に定めて、こうなれば解除だとかというふうに示していく予定なのでしょうか。

(知事)
 基本的には緊急事態措置の中に休業要請というのがあるのですが、それをどう解除していくのかということについて、基本的な考え方を整理することになると思います。先ほど申し上げたように、北海道は非常に自治体構成数も多いですし、また感染状況もかなりの違いがございますので、そういう点も踏まえて具体的なそういった基準については決めていきたいと思います。今現時点で、この数字がこれぐらいになったらということについては言及できる状況にはありません。

(北海道新聞)
 ただ数値を定めて、後々数値を定めて、こういう基準をクリアしたら解除だというふうになるイメージで良いのでしょうかね。

(知事)
 数字上明記するところもあるでしょうし、また留意事項みたいな形で文章というか言葉の中で表現するところも出てくるかと思いますけれども、そういった皆さんが理解していただくに当たって、分かりやすい形でお示しをしたいと思っています。

(北海道新聞)
 大阪府なども具体的に示していますけれども、ああいった感染経路不明の人が7人だとか、重症患者への病床の使用率だとか、基準というか、その辺りはご参考にされたりする予定はありますか。

(知事)
 いろんな自治体がやっていますね。大阪の場合リンクなしが10人ですか。10人以下ということですけど、うちは10人いても多いですね。いろいろ地域の実績ですとか、いろんな感染状況というのを考えた上でルールというのは決めなければいけないと思っています。先ほどから言っておりますけれども、北海道の地理的に、その特性というのが非常にこの指標を定める上で難しさがあると。まずはそういう広範にわたっているということと、あとは札幌市に感染が非常に集中していると、こういう状況の中でオール北海道としての基準を見て国は判断します。なので、緊急事態宣言を解除するかどうかというのは、恐らく北海道という単位で判断されますので、今の状況であれば札幌市が終息しないと北海道全体が緊急事態宣言の解除にならないという形になると思います。ただ私の権限でできることというのは、休業措置だとか休業の要請ですとか、また学校の考え方だとかそういったところも含めて教育委員会の要請などもしていますので、そういったあり方というのはしっかり考えていかなければいけないと思っています。

(北海道新聞)
 例えばその解除だとか緩和のときは、自治体別、市町村別とか、あるいは振興局別とか、もっと広く道北、道東とか、そういうエリア別でやっていく、どんなふうにやっていくお考えでしょうか。

(知事)
 今お話いただいたように、われわれもどういう単位でやるのが感染拡大防止の観点から一番効果があるのか、また休業要請などを出すに当たっても、その効果がどうやれば最大化するのか、そういったことも踏まえて今検討しています。ですからそこはしっかり決定して、皆さまにお知らせしたいと思っています。

(北海道新聞)
 ちょっとしつこくてすみません。例えば状況が逆に悪化してしまった場合の再度の自粛要請だとか、そういったところの基準などを定める予定はありますか。

(知事)
 休業要請などを解除する、こういう条件ですよということを皆さんにお示しするということは、イコール入り口論でもあるのですね。出口を決めるということは、その入り口をまた考えるのとセットでどうしても考えなければいけないところがございますので、基本的にはセットになってくると考えています。

(北海道新聞)
 分かりました。あともう1点、話題は変わるのですけれども、先日ニューヨークの市長が、北海道の名前を挙げて北海道独自の緊急事態宣言を解除した後に、また感染が拡大して再び規制をしなければいけなくなったというような発言をしました。今起きているようなこの第2波については、東京だとか首都圏での感染拡大の影響もあり避けられないものだったというような見方もあるわけですけれども、国際的にこのように評価されているということについては、知事はどのように受け止めていらっしゃるか教えてください。

(知事)
 ニューヨーク市、もう大変な感染拡大でございまして、人口が確か800万人ぐらいの中で、1万9千人もの方がお亡くなりになっている状況で、新型コロナウイルスとの戦いの、まさに最も厳しい戦いをしている地域ということで、まずはお亡くなりになった方々に心から哀悼の意を表したいと思いますし、世界で最も厳しい状況の中で戦っております市長をはじめ、医療従事者の方々に敬意を表したいと思います。
 北海道の状況も、人口500万人に対して47名もの方がお亡くなりになっているわけでございます。このことを大変深刻に受け止めなければならないと思っています。今回の第2波にあっては、われわれが教訓にしなければならないと思っておりますのは、道民の皆さまの大変なお力添えをいただいて行動変容をし、第1波を抑え込むことにある意味では成功した中で、どうしても感染拡大地域などからの人の移動や、帰国者、帰省者、入学、卒業、異動など、人の移動が集中する中で、感染の拡大などが起きてしまったのではないかという経験を踏まえますと、どんなに感染拡大防止の対策で抑え込んだとしても、人の移動というものをきっかけにして感染拡大が、さらに第2波とも言える状況が起きかねないということを経験している状況と言えるかと思います。今世界的に、一定程度(感染が)減少傾向にある中で社会活動を再開される状況で、ある意味で人の動きが大きくまた活性化するという状況があるのではないかと思っております。今各国の往来が止まっており往来が続いている状況ではないので、一定程度の抑制効果があるのではないかと思いますが、感染状況がゼロではないということであれば、第2波とも言える状況が懸念されるということもわれわれは日本で唯一経験していると言えるのではないかと思います。いずれにいたしましても、ニューヨーク市において大変な感染拡大がある中で、市長を先頭に皆さまが戦っていることに重ねて敬意を表するとともに、われわれもそういった世界共通の課題であるこの新型コロナウイルスとの戦いに勝利すべく、努力を積み重ねていきたいと思っています。

(読売新聞)
 今の措置の解除、見直しの話と若干かぶるのですけれども、知事が措置の見直し等の説明をされるときに、北海道の広さを強調される言いぶりと、札幌との往来が北海道の特性としてあって、そこが考えどころだというような言いぶりと二つの言いぶり、切り口みたいなのがあるように感じるのですけれども、あの広さのことを強調していると何か札幌とそれ以外と差を付けるのかなというふうに感じたり、札幌との往来のことを言っているときには、なかなかこう差を付けるの難しいのかなというふうに感じたりするのですが、その辺りはどのように整理、あるいはわれわれは受け止めれば良いでしょうか。

(知事)
 やはりそこが非常に難しいとわれわれも認識していまして、ただ決めなければいけないものですから、どこで線引きするかということについて今熟慮しているところであります。

(読売新聞)
 あと別の話ですけれども、今日、3棟目のホテルでの宿泊療養が670名加わって、全部で930名と。それ以外の病院とかも入れると、千名を超えるようなキャパシティが確保できたかと思うのですけれど、節目と言えば節目のような数字の療養施設の数ができたと思うので、それを踏まえて全体的な宿泊医療体制という視点で何かおっしゃることはあるでしょうか。

(知事)
 先ほど申し上げたとおり、患者発生状況というのは2週間前の景色を見ているということは皆さんかなり浸透していると思うのですが、大事なポイントは医療体制の部分で言うと、現在患者数を見たときに退院がどんどん増えていくということが望ましいのですけれども、やはり治療にはだいたい2週間から3週間かかります。また最近の傾向で言うと、重症化する方の割合も病院や高齢者施設などのクラスターにより増えています。さらに、治療が長期化するという状況で、そういった重症の方の受け入れ状況が今一番厳しいということです。ですから、そういった意味では宿泊療養体制というのは、この点については皆さんに前回もお話ししましたけれども、自宅療養の方が、例えば首都圏で数百人単位でいらっしゃいまして、宿泊療養はむしろ空いてしまっているという状況なども一部あるのですけれども、そういった意味では宿泊療養施設で一定の医療管理下の中で、自宅療養も連絡が取れるように首都圏でもしているのですけれども、そういった24時間体制で確立している状況とはちょっと違うのだろうと思います。北海道において言えば、入院を待つ短い期間で自宅での療養がありますけれども、基本的には病院や宿泊療養につなげられているというところでございます。さらに全体で930名という形になったことによりまして、しっかりより適切に皆さまに療養いただける体制は整ったと思うのですが、先ほど言ったように重症の方が増えているということは、どうしても重症患者にかかるスタッフの数も軽症の方と比べれば全然違います。そういった状況をいち早く改善していくことによって、全体の医療体制というのが落ち着いてくると思っていますので、そこになお、少し時間がまだかかると思っています。

(朝日新聞)
 冒頭にも質問がありましたけれども、パチンコ店への休業要請の件なのですけれども、本日17時をもって営業している店舗に対しては、休業要請を通知されるということで、もう時間もないのですけれども、昨日発表された知事のコメントの中で通知の際は警察にも協力を依頼するというふうにありましたけれども、警察に協力を依頼するというのはかなり強い措置だと思うのですけれども、ここに込めた知事の思いといいますか、意図というのはどんなところがあるのでしょうか。

(知事)
 警察への協力の部分については、特措法に基づく要請ということで(営業している)店舗に要請に行く際のトラブル防止という観点で行うのです。トラブルなどなければそれは当然一番良いわけですが、トラブル防止の観点から同行いただくということをお願いいたしまして、休業要請の趣旨にご理解いただけるように、われわれとしては協力をお願いしていきたいと思っています。

(朝日新聞)
 今おっしゃったトラブル防止の観点ということですけれども、具体的にはどのようなトラブルが想定されるというふうにお考えですか。

(知事)
 お願いしている中でなかなかご協力をいただけなかったり、さまざまな考え方などでわれわれと違う点等があるかと思いますので、われわれとして冷静にご説明申し上げてご理解いただくという努力を積み重ねる中で、そういったトラブルについては防止したいという思いでございますけれども、職員と共に警察の方もご協力いただくことによって、トラブルを防止するという観点でご協力いただきたいと思っています。

(朝日新聞)
 不勉強で恐縮なのですけれども、新型コロナウイルスの感染に関連して、パチンコ店内ではどのような危険があるというふうにお考えなのでしょうか。

(知事)
 やはり多くの方々が集まってしまう、3密の回避というのが難しい状況になり得る、例えば多くの店舗に休業していただいている中で複数の店舗だけが営業していますと、そういうお店に皆さん、他が営業していないものですからお集まりになるということを結果として生んでしまう中で、よりそういう感染リスクの高い状況にもなり得るということが予想されると思っています。

(朝日新聞)
 道の休業要請に応じていない業種というのは、パチンコ店だけではなくて他にもあると思うのですけれども、これをパチンコ店をまずこのようにターゲットにされるというのは、これはどういうふうな意図があるのでしょうか。

(知事)
 パチンコ店以外にも、道に営業に対してのご連絡が入っています。そういうところについては、営業実態の把握に努めておりまして、そういった対応を行っています。ですから、パチンコ店だけが休業の要請に応じていただいていない中で、ご協力のお願いをしているわけではございませんので、感染拡大防止の観点から適切に対応しているということも申し添えたいと思います。

(朝日新聞)
 今の質問とも関連するのですけれども、これは全く私の見方なのですけれども、こういったパチンコ店を全国的に要請に従わない業種ということで、狙い撃ちと言いますか、ある種見せしめみたいなふうに行政がしているような受け止めを私個人としては受けるのですけれども、知事としてはそのような考えの見方についてはどういうふうに捉えていますでしょうか。

(知事)
 道にも、道民の皆さまからさまざまなお声を寄せていただいています。休業要請のみならず、さまざまなご連絡があるわけでございますけれども、そういったご連絡をいただいた中で、われわれとしても休業要請をしている施設などについては協力について再度お願いをするという立場を取っておりまして、パチンコ店のみならず全ての休業要請対象の皆さまには休業にご協力いただきたいと思っています。

(HBC)
 PCR検査の件なのですけれども、1日あたり400件から千件にというところでいくと本当に大変なことだと思うのですけれども、受ける側からすると本当に増えていくのか、受けることができるようになるのかというのは本当に実感が迫っているところだと思うのですが、知事のお考えとして、何が増えていけば実際に私たちは受けられるようになれるのか、人的なものなのか、場所なのか、検査キットの数なのか、全て三方良しというのはもちろんなのですが、今のところ北海道では何が増えていけば、私たちは新規患者の感染の発見に早期につながっていくというふうに捉えていけば良いのかというところをお伺いできますでしょうか。

(知事)
 PCR検査については、誤解がないようにお話をさせていただきますけれども、自分は全く症状は何もないけれども受けてみたいとか、そういう方をPCR検査するということではございません。当然、必要な方に対して行っていくことに変わりはないのですけれども、医師が必要と判断した方については今もやっているのですが、先ほどご質問にもございましたけれども、国民の中にもまた道民の中にも、やはり発熱症状というのが非常に頭に残っていて、強い倦怠感やまた息苦しさなどがあるけれども、我慢されたという方が仮にいらっしゃるのであれば、結果として後から陽性確認された場合については、当然感染拡大行動につながっていくというところもあるものですから、厚生労働省がどういう形で見直しをしてくるのか分かりませんが、必要な方にしっかり検査を行う体制というのはより強化していくことが必要であろうと思ってます。そして必要な方にしっかり検査が行われているなという実感を持てるような状況によりしていくことが、皆さんの安心感につながると思います。
 それとこれは私がずっと言ってきているのですが、制度の問題はありますけれども、やはり抗体検査をやるべきだろうということで言っているのですね。全ての国民の皆さまに対して、PCR検査をある一時期にやったとしてもそれは難しいわけでございまして、そういった意味では、どれぐらい過去に感染をした方も含めていらっしゃるかということを一つの指標として抗体検査を行って、その全体像、いったいどのぐらいの範囲の方が感染をしている可能性があるのだろうということを把握するということは、私は必要ではないかということで、(全国)知事会としても私が提案させていただいた中で言っていくことになったのですが、そこは今、国としてどうされるのか明らかにはなっていませんが、また、PCR検査として必要な方々にもしっかり検査する体制をより強固にしていくということが、これから第2波をなんとか抑えたとしても第3波が来ないとも限らないことに備えて、確かに難しいです。(1日)400件しかないのが千件になるというのはいろいろ課題がありますけれども、そこに向かってしっかり体制をつくっていくということが必要だろうと思っています。

(HBC)
 もう1点、ちょっと違う話になるのですけれども、先ほども質問の中にありましたいわゆる大阪府知事から大阪モデルというような形で、出口戦略というのが具体的数値も含めてお示しがありました。同じ知事の立場としてこういった取り組みについてどんなふうにお感じになるか、お考えになるかお聞かせいただけますでしょうか。

(知事)
 やはり感染状況も異なる中、都道府県知事が対策本部長として(感染)終息に向けた取り組みをどのように打ち出していくかという中で、特に私の場合は1月から2月にかけてという状況では北海道が非常に感染が拡大傾向にありましたので、国としてもどういった対策をしていくのかというのが明確に定まっていないような状況がございました。今はだいぶいろんな条件やいろんなことが分かってきたのですが、まだやはりどういった対策が最も適切なのだろうということについては、ある意味では国もその時点で最良と思われることはやっていると思うのですが、半月後から見たらちょっとそれはこうだったのではないかとか、そういったことが結構あると思うのですね。ですから、その時点での考え方としてこういう考え方の下で政策実行していきますよということを説明していくということが、たぶん都道府県知事に求められていますし、国は単位も大きいですから、日本全体を考えなければいけない中で、なかなか時間がかかってしまうという状況もあるので、そういった取り組みはやはり重要だなと思います。

(共同通信)
 知事は冒頭に、札幌市の感染拡大が日本で最も厳しい状況と言えるということで、人口比率で経路不明の感染者割合が非常に多い状況が続いていると思いますが、先ほど知事は第2波の要因として3月下旬ごろの人の移動を挙げられてましたけれども、一方でそれは結構全国的に言えることかと思うのですが、このように北海道、札幌市で他の都市に比べて経路不明の感染者が突出している要因として、どういうことが考えられるというふうに道のほうで分析されているのか、ちょっとご見解をお聞かせください。

(知事)
 なかなか明確な答えというのは今時点で申し上げることは難しいのですが、段階として市中感染が疑われるような状況になってしまうと、なかなかクラスター対策という集団感染をつぶしていくという対策が追いつかなくなってしまう状況があるので、東京もそうですけれども、強力な外出自粛ということで対策を打っているわけです。ですからそういった意味では、これは札幌市だけの話ではなくて東京都や首都圏でも同じように市中感染が疑われる、そういったリンクを追えない方が増えているわけです。そういった意味では、同じような傾向の中で特に札幌市の場合は増えていると、患者総体の部分で言うとやはりクラスターの部分が非常に大きくて、医療機関や高齢者施設をはじめとしたクラスターが起きていることによって患者数が急激に増えていると、ある意味ではそのクラスター対策はしっかり追っていけますので、そこで確実に患者数は増えてきますけれども、やはり怖いのは、今お話があったリンクなしが多いというところなので、そのレベルを下げていくためには、都市封鎖相当の(行動自粛)ということで私は申し上げましたが、この北海道全体がそういう状況ではないですから、札幌市に行かないだとかそういう対策を取っていくしかないのだろうと思っています。札幌市におけます明確な感染の状況の分析というのは、今の時点で申し上げることは難しいと思っています。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

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