知事臨時記者会見
- 日時/令和2年5月13日(水) 18:15~19:50
- 場所/記者会見室
- 記者数/27名(テレビカメラ3台)
会見項目
知事からの話題
- 新型コロナウイルスに関する対応について
記者からの質問
- 新型コロナウイルスに関する対応について(1)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(2)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(3)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(4)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(5)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(6)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(7)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(8)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(9)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(10)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(11)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(12)
- 新型コロナウイルスに関する対応について(13)
知事からの話題
新型コロナウイルスに関する対応について
新型コロナウイルス感染症についてでございます。まず道内におきまして、新型コロナウイルスの感染によりまして、昨日12日に6名の方が、そして本日2名の方がお亡くなりになりました。お亡くなりになった方に哀悼の意を表するとともに、ご遺族の方々に心からお悔やみ申し上げます。
それでは、皆さまにも資料をお配りさせていただいていますけれども、今日は大きく3点、お話をさせていただきたいと思います。1点目は、休業要請を一部解除することについてでございます。石狩振興局管内は除かれますけれども、休業要請を一部解除いたします。2点目は追加の支援金についてでございます。三つ目のポイントが「新北海道スタイル」の構築についてでございます。この3点についてお話をさせていただきたいと思っています。
まず現状の確認でございますけれども、現状についてこちら(モニター)に書いてありますけれども、感染状況は一時より改善をしているが未だ厳しい状況です。確認でございますけれども、大きな山が、これらの発生状況、発症ではなくて患者確認の状況でございますが、確かにピークに比べますと発生状況は改善してきているという状況がございます。一方で日々の発生状況につきまして、減少してきているものの、少しわれわれも感覚がまひしているのですが、第1波と呼ばれている時のピークの状況を超えるような状況は今も続いているということもございますし、また今ポイントとして、現在の患者数、退院の方が伸びていることによって、現在の患者数が減少に転じてきているというところがポイントですが、現在の患者数が未だに400人を超える状況ということでございまして、前回もお話ししましたが、患者発生と退院は時間のずれがありますので、どうしてもこの発生と同じぐらいの伸びで退院が進んでいくという状況ではない、なだらかになる、そういう状況の中で依然として厳しい医療提供体制の状況がご理解いただけるのではないかと思います。
そして次でございますが、これは今まであまりこういった形での説明はしてきませんでしたが、振興局ごとの状況でございます。初めて患者が確認された1月28日から昨日までの累計でございます。ご覧いただいて分かりますとおり、石狩管内が751人ということになっておりまして非常に多いわけでございます。その次がオホーツクと上川ということになるのですけれども、こういった状況でございます。さらに、直近の状況ということでこちら(モニター)をご覧いただきますと、4月29日から5月12日、昨日までの2週間の累計でございます。ですので、ここ最近のトレンドをご覧いただくことができると思います。ここ(モニター)をご覧いただきますと、石狩管内が264名ということでございまして、後志とオホーツクのほうが10名なのですが、それ以外につきましてご覧いただきますと、ある意味で患者が発生していない振興局ならびに1桁台前半で収まっているところが多いということが見ていただけるのではないかなと思います。全道の実に9割以上が石狩振興局管内に集中しているということでございます。そして次でございますが、こちらリンクがあるなしということでよく言いますが、感染経路が明らかではない方の状況でございます。こういう方の確認が相次ぎますと、見えていないクラスターなどが予想されるということで、重要な指標とされています。こちらについても2週間の状況をご覧いただきますと、石狩振興局管内が9割以上を占めています。それ以外の状況を見ていただきますと、オホーツク管内2名の方、空知管内1名の方、後志管内2名の方という状況で、そういったリンクなしという観点で見ても極めて集中しているという状況でございます。少し北海道全体の振興局ごとの状況を今ご覧いただきましたが、こういう状況になっているということでございます。それともう一つ、患者の数です。こちらをご覧いただいても、これは石狩管内とオホーツクと後志は人数が入っていますが、それ以外は0名から9名を一色に塗っておりますけれども、こういう状況でございます。この状況を見ても、患者の発生状況ならびにリンクなしの状況、また入院している患者の状況、全てがこの石狩振興局管内に集中している。そしてさらに、一つの大きな要素として言われますけれども、重症の方については19名全てが石狩管内ということでございまして、そういった重症の方がそれ以外の地域ではいらっしゃらないということでもあるわけでございます。この点を少し早口でしゃべりましたけれども、北海道全体の状況について少しご理解いただけたのではないかなと思います。こういう状況がございます。ですから、これまでの繰り返しでございますけれども、札幌圏域、札幌市などへの往来を控えてほしいということなどをお願いしてきたわけでございまして、そういったことにもつながっているわけです。
そして、基本的考え方を少し皆さんと確認したいと思います。戦略を考える上で、どうやって今後捉えていくのかというのが重要だと思うのですが、第1波につきましては、道独自の緊急事態宣言が第1波のピークぐらいのところで皆さまにご協力いただきまして、何とかそれを抑え込むことができたというのがこの第1波の状況です。第2波については、第1波よりさらに大きな状況になっていまして、緊急事態措置、ピークよりちょっと手前の中でお願いし、今少し減少に転じているトレンドが確認されているわけでありまして、これを何としてでもこの明確な減少傾向にしていかなければならないということでございます。ここで皆さんに認識を共有しなければならない点については、第2波が終わってこれで終わりだということではなくて、やはり第3波、第4波、第5波、そういうことが起こり得るというか、起こるのだろうということでありまして、そのときにどうすれば良いのだということでございます。まず一つはこの第2波から第3波にかけては、できるだけ間隔を空けたい。要は第2波が収まりきらない中でまた再び山が出ますと、これは大変な負荷がかかってきますので、そういった意味では間隔を空けていかなければなりません。また患者の増加です。患者発生状況についても急進的な増加ではなくて、当然緩やかにしていかなければなりません。またそのピークについても、第1波より第2波が大きくなってしまっていますけれども、このピークについても当然抑え込んでいかなければならないということであります。この点については多分多くの方々が、そのことに対して警戒しなければならないということや、いま世界のトレンドやわが国の状況などをご覧いただくと、そういった対策が必要なのではないかと思っていただいている方も多いのではないかと思います。われわれとしては、こういった状況を見据えた上で、さまざまな対策を取っていかなければならないということを触れさせていただきたいと思います。
それでは何をやるのだということで、三つ挙げさせていただいています。一つ目が行動変容、「かえる」ということ、2点目がまん延の防止、「おさえる」ということ、3点目が早期発見と対策、「そなえる」ということです。この三つについて重点的に具体的に取り組んでいく必要があるということであります。一つずつ見ていきたいと思いますが、具体的行動でございますけれども、先ほど今後こうなっていくのではないかという大きなイメージをお話ししましたけれども、緩やかにしていかなければいけない、間隔を空けなければいけない、波のピークを低くしなければいけない。それとともに抑える取り組みや行動を変えていく、またその「そなえる」ということをこれは非常に短い期間なのですが、同時に果たしていかなければいけないわけであります。今国のほうで、新しい生活様式という名で示されて、事業者の方々やまたその国民の皆さまに行動変容をしてくださいということを言っているのですが、そういったことをこの極めて短い期間の中でこの三つのことを進めていかなければならないという点を、まずイメージとしてご理解いただきたいと思います。
その中でやっていくことでございますが、行動を「かえる」でございますが、これはもう何度も何度も皆さんと確認をしてきて、いまさらかと言われるかもしれませんが、ただ非常に大事なことでございますので、距離を取ること、またせきエチケット、またそもそもの勤務のあり方としての在宅勤務へのシフトなど、こういった行動変容、「かえる」という取り組みについて、長期的に新型コロナウイルスとの戦いを続けていく、第3波、第4波、第5波、そういったものも想定して対応していくということを考えると、いま一度皆さんに対してこういった基本的なことを徹底していただくことをお願いすることになります。それと、道民の皆さま、事業者の皆さまに対してこれまでお願いをしてきたわけでございますけれども、今回振興局ごとに対応を変えるということもするのですが、市町村、地域の皆さまが一丸となって、それぞれの地域の実情にも応じてそういった対策、行動変容というのを徹底してやっていただくことが、短い時間の中でさらに必要だということでございます。
そして今、緊急事態宣言、緊急事態措置の期間が5月31日までとなっておりますけれども、全道の皆さまに引き続きお願いしなければならないことにつきましては、外出の自粛、これらは生活の維持に必要な場合を除いて外出を自粛する、この点については繰り返しでございますが、継続していただきます。そして、大事な点、今振興局ごとに対応を変えるという判断をするわけでございますが、札幌市との往来自粛、この点は継続でございます。札幌市と他地域との不要不急の行き来を控えること、この点が皆さまとしっかりと取り組みができませんと、全道へ感染がまん延していく、その恐れは継続して現在もあるということについて忘れてはならないということを申し上げたいと思います。これは大事なのでもう1回言いますけれども、札幌圏、石狩振興局管内については、今までと同じ取り組みをするわけですけれども、そういった札幌市を中心とした地域との往来自粛、この点について皆さんに徹底していただかないことには、また大変な状況を生み出してしまう恐れがあるという点について、皆さんにはご理解いただきたいと思います。
そこで、具体的に先ほど緊急事態措置、休業要請の一部解除についてお話をしましたが、どういう内容か見ていきたいと思います。文字ばかり(の資料)で分かりにくいのですが、石狩振興局管内につきましては変わらないわけでございます。それ以外の地域につきまして、変更になる点はこの法令に基づかない施設の使用禁止等の解除という点でございます。これだけ聞いたら、何だかよく分からないということでございますので、後ほどその解除の中身は説明しますけれども、そういった解除の見直しに当たって、石狩振興局とそれ以外でどういう基準で分けたのかということに関しては、こういう基準でございます。1日当たりの新規患者数が10人以下、またはリンクなし、濃厚接触者以外の方の感染者が3人以下、これは1週間の平均値でございますけれども、ただ、こういう基準ですということなのですが、先ほどご覧いただいたとおり、発生状況や、また患者の入院状況や、リンクなしの状況も踏まえまして、石狩振興局管内がほぼ9割といった状況でございますので、内容としては満たしている状況でございますけれども、基本的にはこういう基準でもって判断したということでございます。そしてこれ(資料14ページ)が先ほどご説明しようとしたところでございますが、解除と書いてあるのが二つございます。石狩振興局管内とその他の地域で分けておりますけれども、基本的には石狩振興局管内というのは今までと同じ状況でございますので、この点についてはあまり説明がいらないと思うのですが、それ以外の地域については、こちらにありますナイトクラブ、カラオケボックス、ネットカフェ、映画館、展示場など、法令に基づいて休業要請の対象になっているところについては変更ありません。ですからこういったところについては、引き続き休業要請を他の振興局に対してもさせていただくわけでございます。ではどういったところが解除になるのかと言ったら、この二つです。床面積が、千平米以下の各種商業施設や大学、学習塾、博物館、美術館などで、この点については、少し細かい話になりますけれども、法令によらない協力依頼という形で休業のお願いをこれまでしてきました。ですからそういったところは、解除になりますということです。また酒類を提供する上記に含まれない飲食店、こちらにつきましても、19時までにしてくださいというようなお酒の部分をお願いしてきたわけでございますけれども、こういった協力依頼についても解除するということでございます。少し法令とか協力依頼とか分かりにくいところがあるのですけれども、そういった状況で解除していくということです。
そして振興局の考え方は分かったけれども、北海道全体の考え方はどういう考え方なのかということについてはこちら(資料15ページ)の説明になります。北海道全体の考え方といたしましても、1日の新規患者数が10人以下、そしてリンクなし、濃厚接触者以外の方が3人以下。要はこれは30パーセントということでございます。そして大事な点が、入院者の数がまずは250人以下を目指すということでございます。先ほどお話をさせていただきましたけれども、今現在患者数では400人という状況を説明させていただきましたけれども、そういった医療提供体制が非常に厳しい状況というのは、患者発生状況からずれて、だいたい治療が2週間、3週間かかりますので(厳しい状況に)なっている。この医療のそういった逼迫(ひっぱく)状況を改善するということが、新規感染者数などとともに重要な要素になります。ですからこういったことを示しています。また、第3波、第4波に備えるということを考えますと、(入院者数を)150人以下にはやはりしないと、第2波の突入前がだいたい100人ぐらいでしたので、第3波がどれぐらいの山になるかというのはあるのですが、やはりこの最低でも150人ぐらいの患者数までレベルを落とさないと、なかなか厳しい状況ということについて改善しないという点でございます。では今どういう状況なのだということについて、当てはめたのがこの表(資料16ページ)でございます。1週間平均でございますので、5月6日から12日までの平均を出しています。1日当たりの新規患者数で言いますと、12.6人になっていますので、これはまずバッテンですね。今満たしていません。一方でリンクなし、濃厚接触者以外の方の状況の平均、3人以下でちょうど3人でございますので、そういった意味ではここはマルでございます。今入院の患者の数でございますが、先ほど400人を超えてと言いましたけれども、宿泊療養でいらっしゃる方を除いた入院で医療機関で治療に当たられている方の人数が349名になります。ですから、これは250人を残念ながら達成していないという状況であります。ですのでそういう意味では、昨日現在の状況で言いますと、この三つのうち一つしかクリアできていないという状況でございます。こういった目標を具体的に皆さんと共有していきたいということであります。
そして次が、「そなえる」ということでございますけれども、先ほどからお話をさせていただいていますが、感染拡大の大きな波、これを小さなものにしていかなくてはいけないということです。それはやらなくてはいけないけれども、ではどういうふうにそれをやるのかということですが、何よりもまずは早期発見です。感染拡大の兆候を早期に発見する。そのために、本日認められましたけれども、抗原検査。これは全国で今20万キットくらいが提供可能であるということでございますが、そういったものも検討していきましょうということ。またPCR検査については、今月中に千件まで対応能力を高めていこうということでございますけれども、本日現在で700件まで高めることができました。ですので、400件から700件になりましたので、今月中に何とか100(パーセント)こなせるような体制にしていきたい。そのことによって、まずはその兆候を今厚生労働省がその基準を見直すということになりましたので、早期に発見して、とにかく抑え込むということ。そしてもう1点は、まず陽性確認をされた後でございますけれども、北海道クラスターチームということで、機動的にクラスター対策や積極的疫学調査など、そういったものを対応していくという運用をさらに強化していくということでございます。この部分については、今大学や道などが札幌市と連携いたしまして、非常に札幌市が厳しい状況で、非常に限られたマンパワーの中で北海道クラスターチームをひねり出して運用している状況がございますけれども、さらに機動的な運用に取り組んでいきたい。それに当たっては当然、多くの方々にお力添えいただかなければならないなどの課題もあるのですが、基本的にはこういった戦略をしっかり確保していく必要があるだろうと。またさらにベッドの問題でございますけれども、重症・中等症向けのさらなる病床の確保や、宿泊療養施設の確保、これは今千床近く確保しているわけですが、全てにおいて対応していくということによって、この「そなえる」ということでございます。
そして、これは皆さまに対して心からの御礼ということでございますが、地域の医療を守る寄附プロジェクトということで、この「そなえる」にも連動してくるわけでございますが、「エールを北の医療へ!」ということで募集させていただきましたけれども、もうすでに2億円を超える寄附をいただいております。およそ6600名を超える方々から寄附のお申し出をいただきました。この点について、寄附をいただいた皆さまのご意向を踏まえまして、新型コロナウイルスの感染拡大を防止し、地域医療を守るための医療資機材の整備はもとより、第一線で戦っていただいております医療従事者等の方々への支援につなげられるよう検討を進めているところであります。なお、この寄附につきましては7月26日日曜日まで継続するというところでございますので、ご協力いただければと思っております。
そして次が、この北海道の支援金のお話でございます。こちらの支援金でございますが、この支援金に対しましては、こういった形(フリップのとおり)でございます。まずはこの趣旨がございますけれども、休業要請、これは何度も申し上げていますが、休業の補償、そういうものではありません。休業の補償というのはこれは国が責任持ってやるべきことでありまして、またその休業の補償に見合うだけの金額でも到底ないわけであります。これはどういうものなのかということは、その休業を要請させていただいている皆さまにつきましては、道民の命、そして暮らしを守るために感染リスクを下げるために、今月中につきましては休業にご協力いただきたいと、そのことに対しまして本当に少ない金額なのですけれども10万円と。ただこれも、東京都などを除きますと首都圏の神奈川県、埼玉県、千葉県ですとかと同等の金額になりますけれども、こういった休業にご協力いただける方々には、そういった感染予防を実効性あるものにするための観点からもそういった展開をするということでございます。この点については札幌市内の分につきましては、札幌市もご協力をいただけるということで半分出していただけるということでございまして、(支援金が)10万円です。それ以外の地域も当然休業要請をしたところについては対象になるわけでございます。そして2点目が、売り上げが大幅に落ち込んでいる、そういった皆さまに対して(支援金)5万円ということでございます。この2種類でございますけれども、これらについては、新たな生活様式の実践、先ほど申し上げましたが、今月中はそういった感染リスクを下げるような取り組みを、道民の皆さまや事業者の皆さまとやっていかないといけないということもございますので、そういったことにも取り組んでいただくという意味も込められているところです。これらの支援を新たに打ち出すということでございます。前回の(北海道の)支援が、(法人事業者)30万、(個人事業者)20万、(飲食店)10万円で、だいたい確か73億円ぐらいの規模で、対象が3万6千ぐらいでございましたが、今回につきましてはその休業要請にご協力いただく皆さま、また売り上げが大幅に落ち込んでいるそういった事業者の方も対象になりますので、対象はさらに倍以上となるわけでございます。極めて厳しい財政状況、臨時交付金は32億円ぐらいまだあるかと思いますが、そういったものを全て費やしても到底足りない中で、何とか財源をひねり出してお願いをするということでございます。この点につきましては、北海道を守るために休業要請に対して満足な額ではないということはあるかと思いますが、これは休業の補償ではないわけでございまして、道民の命、暮らしを守るためにご理解、ご協力のほど重ねてお願い申し上げます。また、厳しい状況にある皆さまに5万円ということもあると思いますけれども、そういった背景の中で財源のめどを何とか立てるという状況であることについても、ご理解いただきたいと思います。この臨時交付金は全然足りません。国に飛躍的増額を、お願いしています。道民の命、暮らしを守るために何としてもひねり出すというのも限界がありますので、国においては速やかに臨時交付金を増額していただきまして、見通しを出していただきますと大変ありがたいと思っています。この点については道内選出の国会議員の皆さまにもご協力いただきながら、北海道の厳しい実情に対して、何とか国のほうも力を貸してほしいと思います。
そして次(資料20ページ)でございますけれども、新たな北海道スタイル、こういったことに取り組んでいきたいと思っています。国は新たな生活様式ということで言っておりますけれども、われわれは「新北海道スタイル」を作ろうということで、道民運動としてやっていきたいと思っています。道民の皆さまに対しましては、(新型)コロナ(ウイルス感染症)との戦いが長期化する中で先ほど言ったような三つの基本的エチケットをあらためて徹底していただくライフスタイルそのものを、いま一度、どうやって変えていこうかということを皆さんお一人おひとりに考えていただきたいと思っています。また事業者の皆さまに対しましては、ビジネススタイルを新型コロナウイルスがゼロにならないという中で、チェンジしていかなければならないということでございまして、今まで北海道はソーシャルディスタンシングということで、皆さまに行動変容をお願いしてきて、そのマークを貼ってくれだとか、いろんなことをお願いしてきましたけれども、「新北海道スタイル」安心宣言ということで、こちらは事業者の皆さまには、お店だとか皆さんが分かるところに貼っていただいたり、またホームページなどがあるお店につきましては、ホームページなどにも掲載していただきまして、道民の皆さまからいたしますと、自分自身の行動を変えるだけではなくて、訪れようというところがどういった対策をしているのかということを確認していただきまして、皆さんには安心して利用していただく、そのことによって、大変厳しい事業者の皆さんにとってその事業を継続していくことにもつながっていくわけです。ですから、街まるごとで感染リスクを低減する取り組みをいかに早くかつ全道で取り組めるかが、これから先の戦いの大きな肝になってくるということです。でも細かいガイドラインとかそういうものが出ていないではないかと。国はガイドラインがまだ出ていないのですね。ですから皆さんにお願いしたいのは、今考えられることをまずやりましょうということです。そしてそのやっていることを可視化するということです。例えば、同じ業態でやっていることでより良いことは真似をすれば良いと思います。また周りを見て、自分の対策が足りないと思ったら、知恵を集めて対策をしていかなければなりません。その答えというのは全ての国で今はありません。ですから、みんなで工夫を凝らしてやっていくしかないわけです。それぞれの皆さんが今こういうことをやろうとしているのですよということを可視化することによって、それが工夫につながっていくということです。それをどんどんバージョンアップしていって、そういった北海道全体で感染リスクが低い、そして経済活動もある程度しっかりとできるような体制をつくっていくことが求められますし、そのことが結果として事業者の皆さまにとっては事業継続やビジネスチャンスにもつながっていくということでございますので、この点について市町村や事業者の方々にもご協力いただきながら、徹底してやっていこうということでございます。これは、感染リスクから自分たちを守るだけではなくて、社会経済活動を維持していく観点からも極めて重要な取り組みになるかと思いますので、残念ながら国のほうのガイドラインはありませんけれども、われわれとしてはそういったガイドラインの作成も含めて、しっかりと皆さんと協議、知恵を出し合いながら進めていきたいと思います。そして、ガイドラインの話。この国のガイドラインが18日とかそれぐらいに出るということでございますから、できればでも明日ぐらいに出さないと間に合わないような気がしますけれども、こういったガイドラインが国がどこかのタイミングで出てくるということでございます。これは当然それは参考にしながらやるのですが、このガイドラインを周知する、そして道と市町村が連携して道民の皆さま、事業者の皆さま、そして各業界団体もそれぞれその事業のあり方に対して精通していますので、そういう方々と連携してこの新しい生活様式、これが実効性あるものに変わらなければ、要はスローガンで終わってしまうということでございますので、その点についてみんなで力を合わせて取り組んでいくことが、何よりの感染予防であり、そして経済を何とか持続させていくその力になるということでございますので、ぜひここは皆さんと一緒に取り組みたいということでございます。そしてこれはそういった取り組みに関してのお話ともつながっていきますけれども、新しい生活様式は今からとにかくすぐに実践をしようということでございますが、こういった相談の機能もございますし、またこの持続化給付金、これは国のメニューでございますけれども、こういったものや、これはお店が対象となる事業のお話がございます。またこの地域ぐるみで取り組もうとしたときのそういった事業もございますので、ぜひ地域で取り組むときはこういうメニューを使っていただきたいと思います。また業界の皆さまに対しては、こういったホテル、旅館、エンターテイメント、バス、タクシー業界の皆さまとガイドラインを作る、また飲食店の皆さまとともにそういった取り組みをしているということもございますので、こういった取り組みを徹底することによって実効性のあるものにしていきたいと思います。
続いて学校の休業、学校の休校の話でございますが、その振興局単位でその状況、休業措置については変えていく部分があるわけでございますが、15日までは分散登校について慎重な取り扱いをお願いしたところでございますけれども、今回の緩和を受けまして地域の学校につきましては、分散登校の回数や内容の充実などについて学校再開に近い状況に推移できるように北海道教育委員会に要請していきます。当然のことながら地域ごとの感染状況や、それぞれ地域ごとに教育委員会やまた首長の皆さまとの協議などもあるかと思いますので、その点柔軟に対応していただきたいと思っているところでございます。またオンラインを活用した授業の提供などについて、これまでも検討を進めてきたところでございます。この点については、このオンラインを活用した授業などの取り組みを支援するために、ICT等を活用したリモート学習についての応急対応マニュアル、こちらを作成して、直ちに提供すると聞いているところでございます。北海道教育委員会はもとより関係部局、地域一体となって子どもの学びを止めない環境づくり、こういったものを進めていきたいと思っています。
そして重要なお話でございますけれども、今日お話しした内容の前提でございます。今報道などが先行しまして、緊急事態宣言がどこどこが解除されるのではないかだとか、そういう報道があるのですが、正式には何も決まっていません。明日14日で決まるであろうと言われているわけでございます。ですからそういった意味では、北海道が特定警戒都道府県に入り続けるのかどうかもある意味では正式には決まっていないです。14日に正式に決定した場合、その特定警戒都道府県の指定が継続した場合を前提に、今日いろんなことをお話ししています。感染状況を踏まえれば、継続になると思っているわけでございますが、一応14日にいろんなことが正式には決まってくるということについてお話をさせていただきます。ですから14日に正式に決定したあとに、15日には道の対策本部として正式に決めるということですので、今日お話した内容の部分につきましては、そういった前提条件があるということについてご理解いただきたいと思います。
長くなりましたけれども、私からは以上です。
記者からの質問
(朝日新聞)
先ほど知事のほうから、臨時交付金がちょっと現状全然足りないのだという話がありまして、今回その中で10万円、5万円という形での支援金を出される方向性ということになったのですけれども、具体的に国のほうにこういうことに使うだとか、あるいはこれぐらいの支援をしたいみたいな形で、何か具体的な数字として、要求する際に描いているプランみたいなものがもしあれば、ちょっと教えていただきたいのですけれども。
(知事)
これは(以前の)記者会見でも申し上げてきたのですが、休業要請に対してご協力いただくに当たりまして、協力金という形であったり支援金という形であったり、形式はいろいろあるのですけれども、そういった形で休業要請にお応えいただくことの実効性を高めるための取り組みが行われている実情があります。ただ、当初これは臨時交付金の対象にはなりませんよということで、ギリギリまでそういった国の判断がありました。われわれが休業要請する直前だったと思いますが、西村経済再生担当大臣がそれも臨時交付金の対象にしますよということでご発言されました。そういった意味では、そもそも対象として積算していなかったような状況があったわけです、1兆円の中に。相当な金額になっています。例えば道で言うと186億円です。1回目の交付見込額の全体が186億円でしたけれども、1回目の協力支援金に対しては73億円ぐらいの規模になっているわけでありまして、そういった意味では、結果として一番大きな対策費用になっています。ですから、そういったことが全部抜け落ちてしまっているという状況があったわけですから、その点については予備費などを活用して、これから国会で議論して時間をかけて何カ月も先になっているということだと、これは間に合わないですから、そういうことをやっていただきたいのがまず1点。
それと、そもそも1兆円では足りなかったということが全国知事会の総意でございまして、そういった今初動というかさまざまな対応をした経緯がございますので、そういったものも踏まえますと、飛躍的増額ということでお願いしていると。一方で予備費は限界がございますので、そうなってくるとどういった形でそれを速やかに自治体のほうに見せていくのかということについて、今お願いしているということです。
(朝日新聞)
ちょっと追加なのですけれども、いわゆるリーマンショックの時と比べて、せめて同等ぐらいはあるのではないかなというような見方だったのが、実際には全然足りなかったという状況なのですが、ざっくりとした目安としてリーマンショックと比べてどれぐらいの割合でさらに、先ほどの1兆円と合わせてどれぐらいの支援というのを最終的に求めていく形になるのかというのをもし分かれば。
(知事)
これは結局、全体の考え方が途中で国も変わってきているのですね。いわゆる短期決戦をイメージした中で、「Go Toキャンペーン」の話もありますけれども、なかなか短期終息が難しい。うまくコロナと共存しながら戦っていくと。長期化が見込まれるということで、総理も最近ご発言している。そういうことを考えますと、短期的な決着を前提とした中で組んできたものが、ちょっとずれていっているのだと思います。ですから、当然その期間が長期にわたれば、経済的影響も掛け算の世界は大きくなります。ですから、当初はリーマンショック並みの状況ではないのではないかと言われていましたけれども、最近経営者の皆さまがリーマンショックなんて比較にならないぐらいの影響があるのだというお話をされている方も出てきているわけでございまして、ですから、そういった基本的な戦略の変更に立って、物事を考えていただくという視点で、臨時交付金だけではなくて、そういった政策についても考えていただきたいと思います。
(北海道新聞)
今日ご説明のあった、振興局管内ごとの1日の新規患者数10人以下ですとか、あとリンク以外での新規の部分が3人以下というこの基準ですとか、(資料の)15ページにあります全道の部分で(1日の新規患者数)10人以下とか、その示された数値というのは、かねがね知事がおっしゃっていた緊急事態措置の出口戦略としての基準ということで理解して良いのか、それとも、他の都道府県ではもうちょっと詳細な感染率ですとか医療体制基準を定めているところもあると思うのですけれども、後は段階を設定することとか、そういった詳細も今後出てくると考えるべきなのか、それともやっぱり簡単に道民が分かったほうが良いという視点でこういうふうにして基準を定めたのか、そこのご認識をお聞かせください。
(知事)
いろいろ出口戦略の話が出ていますけれども、出口ではないです。要は一時的にブレーキをかけるというだけで、第2波、第3波が来るわけです。そういった意味では北海道の今の感染状況などを踏まえますと、休業要請というもの自体、今回他の振興局との違いを出しましたけれども、こういった扱いというのは多分、今、他の県ではやっていないと思いますけれども、先ほどのような感染状況があるからこそお話をしましたが、北海道は日本の縮図なのです、本当に。札幌市(をはじめとする)、石狩振興局管内は感染が非常に今落ち着いていない状況ですけれども、他は落ち着いています。全ての対策をオール北海道で解除してしまいますと、それはかなり拡散リスクが上がります。ですから今の状況を考えますと、これは5月末までにわれわれが目指す目標であって、出口ではないわけです。出口と言うといろいろな誤解が生まれるわけですけれども、本当の意味の出口というのはこの戦いに勝った時なのです。戦いは続くわけです。ですから、まずはここを目指しましょうということで指標を明らかにしました。特に患者数やリンクありなし、これは非常に重要な、他の自治体規模と比較しても一定の指標になるとは思っていますが、大事なのはこの医療提供の状況です。ここがやはり少なくとも今月末までに(入院者数が)250名を下回るような状況を目標にしていかなければ、まずは今やっている対策がしっかりとした効果が表れないということなので、そういう目指すべき姿ということで、出口ということではなくて位置付けているということです。
(北海道新聞)
今やっている休業要請を、緩和していく指標にはなっていくという理解で。
(知事)
一つの参考にはしますけれども、一つあるのは、21日に国がまた北海道を含めたさまざまな地域の状況を分析することに多分なると思います。14日に分析して、その後に21日に分析する。ちょうど1週間の平均ですから。1週間の平均状況を皆さんと毎日追っていきます。そして21日の分析、国の分析というのは緊急事態宣言を解除するかどうかの分析です。われわれがやっているのは、5月いっぱいまでにここを目指そうという目標です。そこと照らし合わせて、対策について考えていくことにしたいと思っています。
(北海道新聞)
今後状況に応じて、この数値というのを柔軟に変化、見直し等もしていく考えというのはあるのでしょうか。
(知事)
基本的には、まず1週間このトレンドを基本に追っていきたいと思っています。国の考え方というのもまだ全く示されていないところもありまして、国のほうの緊急事態宣言というのは5月31日までとされているので、いずれにしても国としてはその判断というのを14日に何らかの形で出してくると思いますし、それが21日にまた変わってくるかもしれないです。ですからそういう状況を、全体の宣言としてはそこを見ていかなければいけない。われわれとしては一つのこういった目標を示して、それを日々皆さんと共有して達成状況がこの目標に対してより進んでいれば、対策上どうなのだということは当然考えていく指標にしたいと思います。
(北海道新聞)
ちょっとまた別の観点で1点だけお聞きしたいのですけれども、その休業要請に応じられた事業者に対する支援金ですとか、あと持続化給付金の上乗せの関係なのですけれども。
支援金、とりわけこの点について、知事はちょうど先週の今ぐらいの時期の記者会見だったかなと思うのですけれども、今回限りだと、1回限りだということで道民は理解してほしいというご発言があったかと思うのですけれども、今日お聞きした限りだと二度目、追加的な支援に踏み込まれたのかなという印象を持っておりまして、方針を変更されたのかどうかちょっとその辺の認識をお聞かせください。
(知事)
(休業要請期間が)15日まで延長になりました。6日までが、15日まで延長になりました。15日まで休業要請をお願いしますと、その点については1回限りです。14日に見直しがされて、国の分析状況が出て、休業要請をお願いするかについては、今も決まっていないのです。15日の対策本部会議で正式に決まるのですが、15日以降の取り扱いについては、今の状況であれば延長せざるを得ないと思っています、私としては。国がどういう判断をするか分かりませんが、延長せざるを得ないと思っています。ですから15日以降の状況を延長するのであれば、それとともに支援策を検討したいということも以前言っていました。国の家賃補助や子どもたちの話やいろいろなメニューが出ているので、延長する場合どういった対策ができるかというのを検討しようと。なので、そういった状況で検討して、今お話をさせていただいたということです。
(北海道新聞)
それとこの財源なのですけれども、先ほどから臨時交付金の残高32億円、これを当てられるということをおっしゃっていますけれども、約50億円だと思うので、残りの18億円、これは財調(財政調整基金)の取り崩しなどを想定しているのでしょうか。
(知事)
金額については、正しい総額については正式に決定したわけではありませんが、臨時交付金を充てた場合も足りません。ですからその点については、やはり財政調整基金、貯金を切り崩すしかないと。ただ貯金というのは、財政調整基金は、災害とかがあったときにも備えなければいけないわけです。そういったことも見越した上で、ぎりぎりの状況でひねり出さなければいけない。ですからその休業の補償というのは国がやらなければいけないのに、間に立っているわけですね、都道府県というのは。でもとにかく、皆さんの命と暮らしを守るためにはご協力いただかなければならない、そういうことで、ひねり出すということでございまして、ですからそもそも論として休業補償、国がやらなければいけないし、臨時交付金についても足りないわけですから、それをみんな分かっているわけですから、だからそこをしっかりやってもらわないともう耐えられないです、全ての地域が。
(北海道新聞)
今回の支援金について、札幌市だけ5万円負担するという点について、ちょっと札幌市については不平等じゃないかというご指摘もあるわけですけれども、この点についてはどういった認識で整合性を保っていると考えていらっしゃいますか。
(知事)
それは秋元市長の政治判断というのが大きかったと思います。札幌市が今感染状況が厳しい中で、市民の皆さまの生命、暮らしを守るためにその休業要請というのを札幌市としても実効性のあるものにするべきであると。こういうことから、市としてはやりますと、こういうお話が札幌市長からもありましたし、私からも電話しましたけれども、もうこれは一緒になって札幌市の状況は何とか食い止めないと全道に広がってしまう、だからここは共同でやりましょうということで、力強い市長のご判断、大変ありがたいと思いますし、しっかり連携して対応していきたいと思います。
(読売新聞)
先ほどから石狩管内での感染状況を踏まえて、石狩管内では感染状況が多いというお話ですが、一方で札幌市以外の石狩管内の事業者などからすれば、実質ほとんど札幌市なのではないかというように考える方もいらっしゃるかと思います。この休業要請の一部解除等について、札幌市という形ではなく、石狩管内というふうにされている考え方、狙いについて教えてください。
(知事)
やはり札幌市との往来が、それは不要不急ではない中でもあるわけですね、北海道全体で。それは感染の観点から言えば、北海道全体に(休業要請を)かけるのが一番良いのですけれども、やはり感染拡大が見られない(地域もある)状況の中で、必要最低限の措置としても考えていかなければいけないときに、そういった生活圏などが共有するところに対して、対策を取っていくという考え方が一つあると思うのです。
その中でやはり振興局という一つの単位が、感染状況で見ても石狩振興局管内で札幌市以外でも感染拡大の確認が多いところもございまして、そういった意味では振興局でかけることが適切だろうという判断になりました。
(読売新聞)
それで休業要請等の見直しを判断する基準として、振興局、13ページですかね、1日の新規患者数と1日の濃厚接触、リンクなし3人以下と示されていますけれども、石狩振興局に関してはここが一つ基準というか、目標になるというふうに考えてよろしいのでしょうか。
(知事)
そうですね。今のトレンドがどう変わっていくかというのはあるのですけれども。これは絶対あってほしくないですけれども、例えば、石狩振興局管内から全道に感染がまん延していく、拡大していく、そういう状況になれば、それは前提条件が大きく変わってくるのですけれども、今のそのトレンドを追いかけていきますと、基本的には石狩振興局管内で発生している方が9割とか、そういう状況でございますので、結果として全道の指標もそこと重なっていくような状況になるわけです。
ですからそういった意味では、この1日の状況も全道の指標としても同じなのです。ただ一つ大きいのは、病床の全体の考え方というのが、北海道全体の目標として書いているのですけれども、そういった状況を一つ考えていくことになります。ただ、休業要請自体は、期間内に解除するというときについては、なかなか一足飛びにいくような話ではないと思っています。
(STV)
少し先ほどの質問ともかぶるのですけれども、今回振興局ごとに緩和していくということで、例えば札幌市の隣の小樽市は後志管内に入るということで、札幌市の際では(休業)対応しているのに、すぐ隣ではもうすでにお店が再開しているような状況が出てくるかと思うのですけれども、そういう事態が想定される中で、この振興局管内で分けるというのはうまくいく見立て等はありますでしょうか。
(知事)
やはりそこは前提条件として強調させていただきましたけれども、札幌市との往来自粛、ここは継続でございます。ですから、その点についてご理解いただく必要があるということでございまして、そうでないとこういった全道での強力なアラートを一切緩めることができずに、31日までいくということしかないです。ただ一方で、皆さん今の時点では、札幌市を中心とする部分が全道に広がっている兆候を明確には確認できていません。また(札幌市との往来自粛を呼び掛けてから)2週間ですから、そういった行動を見ましても顕著な傾向が今ないですから、そういう意味では皆さん札幌市との往来自粛、この点について一定程度の行動を変容していただいているのだろうと思いますので、その点につきましては、皆さん札幌市に行きたいという思いがあるかもしれませんが、不要不急なものにつきましては引き続き自粛していただくということが前提です。そういう状況が皆さまに行動変容として確認ができないという状況が、患者発生とも連動して生まれてきたら直ちにフェーズを変えなければいけなくなるかもしれない。ですから、その点については皆さんの暮らしを守る観点からも、(札幌市との往来自粛を)どうか守っていただきたいと思います。
(産経新聞)
5月末までの目標として、入院者数250人以下と挙げられているところについて質問させていただきます。札幌市が高齢者施設での療養を継続している人数については、これは入院者のほうにカウントするのでしょうか。国の方針ですと原則入院なのですけれども、今ちょっとそういう扱いになっていないということで、その数についても札幌市は公表されておりませんが、運営法人によると38人ということですので、250人に対して占める数が多いので、どういう数え方をされるのか確認させてください。
(知事)
基本的には宿泊療養施設以外の方で捉えています。
(産経新聞)
そうすると、入院等されている方。
(知事)
宿泊療養の方は軽症で、それから中等症に変わったりとかもあるのですけれども、基本的には医療機関において管理下にある方よりも医療機関に対する負荷が低いのです。ですからそういう意味で分けているだけですから、それ以外は基本的には医療提供体制においてかなりマンパワーとしてかかっていますので、そういう中で分けたという話です。
(産経新聞)
つまり入院者数のほうに数えるのですか。
(知事)
そうですね、宿泊療養者以外は全部入ります。
(産経新聞)
宿泊療養者以外の入院者数のほうに数えるということですね。
(知事)
はい。
(北海道新聞)
5月末までに目指す姿のところの目標で掲げられた(1日の新規患者数)10人以下とか(1日の濃厚接触者等以外での新規患者数)3人、あと(入院者数)250人というこの数字にした根拠というのは、どんなところにあるのか教えてください。
(知事)
今までの感染状況ですとか、また一定程度こういった状況が見られればトレンドとして落ち着いてくるだろうというところや、また他の地域における指標なども参考にさせていただきましたし、入院患者数について言えば、本当はこれ150人以下というところをやはり目指していかなくてはいけないのです。ただ、今月末までの目指すべき姿として退院者数が出なければ果たせない目標ではあるのですが、こういったところを目指していきたいということで設定させていただきました。
(北海道新聞)
250人というのは、何か母数として受け入れられる病床数に対してどのぐらいだとかというそういう出し方ですか。
(知事)
パーセンテージで表そうとも思ったのですけれども、人数で表したほうが適切であろうと考えたところであります。例えばこの緊急事態とかが宣言される前というのは、入院している方はだいたい100人ぐらいだったのです。100人ぐらいで、医療従事者の方々は、ただ目の前の命を助けなくてはいけないということで、本当に大変でした。ある意味で400人まで、もう急激に病床を開けたのです。今はさらにコロナ専用というか重点的にやっていることによって、救急が制限されている状況にもなっていますから、そういったことを前提に病床をパーセンテージで表してしまいますと、どこまでいっても(コロナ対策の病床も)開けなくてはいけないのです。でも命を助けるためにはやはり負荷が掛かっているわけですから、これは人数で具体的に表したほうが私はより適切な目標だろうと思いました。ですから、病床数は水面下でも拡大できないかとずっとやっています。どんどん確保病床というのはそういう意味では増えてくるのです。何かが犠牲になっているから確保できるわけです。ですから、人数で表したほうが適切かなというところです。
(北海道新聞)
あともう1点あるのですけれども、北海道ふるさと寄附金で、使い道が「医療従事者等への支援」とありますけれども、これは具体的に何かこんなことを考えているとか、あといつぐらいから始めたいとか、そういうのがあれば教えてください。
(知事)
もう検討を始めていますので、本当に最前線で戦ってくださっている方々に、どういった形で皆さんの思いを届けられるのか、この点についてはできるだけ早く皆さまにお知らせできるように検討を進めています。ちょっと、まだいつと申し上げられないのですけれども。
(NHK)
今回緩和した部分、石狩振興局管内以外のところについてなのですけれども、飲食店のいわゆる制限と言いますか、そこの緩和ですとか、千平米以下のところの施設の協力というのを緩和されたわけですけれども、何か、ぱっと聞いときにどこがどう変わるのかなというのがイメージしづらいところがあったのですが、何か知事として具体的にここが変わるのだというのを何か示していただけることができますか。
(知事)
それが分かりにくいかなと思ったので、解除にならないところはナイトクラブ、カラオケボックス、ネットカフェ、映画館、展示会というのは要は解除されませんよと。千平米以下の商業施設でと言うと、だいたい分かりますよね、皆さん。あと大学だとか学習塾、博物館、美術館などは解除ですよということですし、これは皆さん分かると思うんですよ。19時以降(酒類を提供する飲食店)はと言っていたところが、解除になります。これ以外にも「等」がありますから、細かい部分は、皆さんご覧いただけるようになっていますので、そちらも併せてご確認いただければと思います。
(NHK)
あらためての確認なのですけれども、緩和したのはなぜなのでしょうかというのをちょっと端的に聞きたいのですけれども。
(知事)
基本的には休業要請というのは各都道府県単位でかけるということで、それ以外(の単位で)やっているところがないわけですが、北海道の状況において言いますと、小さい都府県で言いますと、22が入るぐらいの非常に広大な地域特性がやはりあります。それと何よりも、感染状況が非常に石狩管内に集中しているわけです。そういう状況で全て同じ対策をずっと続けるかどうかという判断の中で、前提として、往来などは徹底的に控えていただくのですけれども、一部法令に基づかないものについては、リスクの低いものから解除させていただくということでございます。ただし、やはり感染予防対策をやっていただかなければいけませんので、今までと同じような形で営業しようというより、やはり新型コロナウイルスへの感染拡大をしっかりと防止するために、先ほど見ていただいたようなこういうもの(「新北海道スタイル」安心宣言)を、お店で掲げていただいて、またそれを見た方は、こういう対策をしているのだなということも見ていただいたり、また利用する側も、例えば「こちらを利用する場合は、皆さん申し訳ないのですけれども、マスクをしてくださいね」とか、「恐縮ですが熱を測らせていただきます」とか、そういうところもあるかもしれませんし、席を空けていますので人数制限が少し掛かってしまうのですとか、そういうことを利用する側も、お互い理解しないと、うまくいかないと思うのですね。ですから、そういったことをしっかりやっていただきたいと思っています。
(NHK)
今回その緩和されたこの休業要請の協力の部分なのですけれども、先ほど何か振興局ごとの緩和の基準、二つポイントを示していただきましたけれども、これを超えたらまた振興局ごとにやるということになるのですか。そういう判断をすぐ直ちに。
(知事)
2桁台の患者発生が(連続して)あって、リンクが追えない方が多い状況だとかが確認されたときには、どうしても検討せざるを得ない状況があると思っています。資料の14ページです。ちょっと(文字が)小さくてご説明があれでしたけれども、こちら(フリップ)ですね。新規患者数が連続して2桁の日が発生して、リンクが分からない人が多いということで、直近1週間とその前の1週間を比較してこれはまずいということになりましたら、再度やるということでございますので、その点についてもご留意いただきたいということです。
(NHK)
分かりました。すみません、もう1点だけ。宿泊療養の入院患者数の話についてなのですけれども、今回基準というか、その目指すべき姿の中に入院患者数が含まれていて、これに当たって結構宿泊療養のことを多分重視されていると言いますか、宿泊療養の人を除いて、入院患者数ということですよね。そうすると、いつになるかもちろん分からないのですけれども、この宣言が解除されて休業要請が法律に基づくものもなくなり、今回協力していただいているホテルとかも営業を再開することになると、宿泊療養というのができなくなるのではないかと思ったのですけれど、この場合の考え方というのは何かあるのでしょうか。
(知事)
それは、そういうふうにならないと思いますよ。基本的に今現在宿泊療養施設にいる皆さんに対して、オペレーションがしっかり出来上がっているわけですから、国が解除するに当たっても、その取り扱いについては基本継続しなければ、とてもではないですが、全国でやっていますから対応できないと思いますね。それは国が決めることですけれども、ただ、そうはならないと思います。
(朝日新聞)
今ご説明いただきました新たな支援金についてですけれども、(配付資料の)19ページのところに、支援金は休業要請にご協力いただける事業者に10万円、それと売り上げが大幅に落ち込んでいる事業者に5万円。「これは上記のどちらかのみを受け取ることができます」というふうに注意書きがありますけれども、これが例えば休業要請に協力している事業者で、なおかつ売り上げが大幅に落ち込んでいる事業者は15万円というそういうことにはならない。いずれかを選ばなければならない。
(知事)
休業要請のほうが10万円ということで金額が大きいですから、基本的にはそちらをご申請いただくことになると思います。
(朝日新聞)
このような支援の仕方、制度をつくられたということは、やはり道としての財政状況が非常に厳しくて、ひねり出すにはこういう制度設計にせざるを得なかったということなのでしょうか。
(知事)
この10万円という金額につきましては、追加で協力金などを出している、先ほど申し上げた埼玉県や神奈川県、千葉県でも同水準の中身になっていると思いますので、そういった意味では、東京都はちょっと別格なのですけれども、東京都は異次元の対策を取っていますが、そこ以外は同じ規模感になるのではないかと思っていますし、また売り上げが大幅に落ち込んでいる中で、外出自粛をお願いしていることによって、休業要請先ではないのですが、自主的に休業されている方などもいらっしゃるわけです。ですからそういった皆さまというのは売り上げが当然のことながら落ちるわけであって、休業対象の皆さまのみならずそういった皆さまにも新しい生活様式の実践などをしていただかなければなりませんし、支援していくという観点も必要ですから、全体として対象件数は倍以上になると思うのですが、こういった形での制度設計をしたということです。
(朝日新聞)
それからたびたび道庁が休業要請をお願いしているパチンコ店ですけれども、今回の15日の正式決定を受けて解除になる石狩振興局管内以外で、解除になる対象には入っているのでしょうか。
(知事)
パチンコ店は(休業要請の)継続対象ですね。法令で定める休業要請先になりますから。
(朝日新聞)
それからコロナと暮らしていく「新北海道スタイル」をつくるということですけれども、これはコロナとの戦いは長期化するということを何度もおっしゃっていますけれども、例えば北海道内で新型コロナウイルスの感染拡大が終息すれば終了とかそういうことなのか、それとも今後ずっとコロナとある程度付き合っていかないといけないということで、今後ある程度継続的にこういったライフスタイルにしていくという、そういうことなのかどちらの考えなのでしょう。
(知事)
後者ですね。そもそもの考え方ということで示させていただきましたけれども、それは第3波とかが来なければ一番良いのですけれども、感染者数がゼロになることがなかなか国内においても難しさがあり、また世界の人の移動がある以上は、海外からの再流入ということがあり得ると。また季節性インフルエンザと重なって、再流行があるのではないかという指摘もあります。ですからそういった意味では、短期間でこの問題が終わると言い切れるような材料がやはり少ないと思いますので、そうなってきますと、今みたいな強力な措置を、例えばこの休業要請もそうですし、この緊急事態宣言もそうですし、これを例えば2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月その対策をやり続けることは私はなかなか難しいのではないかと思っていますので、そうなると、ライフスタイルの変更であったりビジネススタイルの変更であったりということを確立した地域が、感染拡大の防止と社会経済活動の維持を実践できる、これは3月の時点でわれわれは言っていたのですけれども、なかなかそれが実効性を持たせるというのは非常に難しいところだと思うのです。国においても新たな生活様式と言っていますけれども、それを実践するというのは結構難しいと思うのです。だから何をやるかというのは、まず一番簡単なことからということで今考え得ることを可視化してくださいと、それを貼ってみてくださいと、そのことによってお互いこういう工夫があるなということから始めましょうというのが今日の提案です。これはもうどこにも今答えがない。だからその答えをみんなで探していかなければいけない。ですから、そういったものをやっていきましょうと。それを北海道がやはり言い出しっぺになってそういった事業者がいろんな方と調整していく役割を担っていかないと駄目ではないかということです。
(朝日新聞)
あと最後に新型コロナウイルスによって亡くなった方なのですけれども、本日の集計だと、北海道内では70人の方がお亡くなりになったというふうに思うのですけれども、都道府県別で言いますと東京はかなり多いですけれども、恐らくその次ぐらいに多い数字になっていると思うのですけれども。まず、人口の割に亡くなられる方が多くなっているという、こういった現状についてはどのように感じていらっしゃいますでしょうか。
(知事)
やはり病院や高齢者施設をはじめとして、リスクの高い皆さまが大変残念なことに感染してしまい、また重症化する状況などもあって、結果としてお亡くなりになるという残念な状況があることを重く受け止めなければならないと思っております。そういった、いわゆるリスクの高い皆さんをいかに守っていくかということは、北海道のみならず多くの地域での共通の課題だと思いますので、医療機関においては新しい抗原検査なども活用しながら、感染予防のあり方、またそういった施設においても、今後検査などもわれわれとしては考えていくべきではないかと。要はいわゆる感染リスクの高い方々をいかに守るかというときに、スタッフの皆さんもそうですけれども、一番怖いのは自分が陽性なのではないかということで、不安な中でいろんなことを対応しているところが正直あると。ですからそういったところも検査のあり方などはいろいろ考えていくべきだろうと思いますし、これからも国に対してもそういったことはお話をしていきたいと思います。ただ医療従事者の皆さまが対応されている、人工肺を使うような状況まで重症化された方が回復されているという状況も一方であります。ですから本当に、医療従事者の方が懸命に戦ってくださっている状況をご理解いただきまして、誰もが感染する可能性がある、また自分が感染しているかもしれない、そういう気持ちで行動変容をしていただく、このことは続けていただきたいと思います。
(北海道新聞)
石狩管内以外の休業要請について、今回法令に基づかない施設に限定した一部解除となりましたけれども、選択肢としては全面解除ですとか、その法令に基づく施設の中でもちょっと業種を狭めたりというのもあったかと思うのですけれども、今回一部緩和というか解除になった理由というのを教えてください。
(知事)
やはり、特定警戒都道府県である以上は、そういった人の移動を伴うことにもなりかねない解除レベルというのは低いものから対応していくべきだろうというのが私の考え方です。ですから、そういった意味で解除要件として、一番レベルの低いものから解除させていただくことで考えました。
(北海道新聞)
全面解除とかすると人の流れというのも、やはりより活発になるという、そういったことへの懸念というのもあるのでしょうか。
(知事)
そもそも感染リスクの低減がなかなか難しいとされているところに対して、休業要請をかけているところがございますので、それにさらに行動が掛け算のようにつながっていきますと、どうしても感染リスクは高まっていきますので、やはりこういった事業者の皆さまや道民の皆さまの取り組みをそれぞれ実践し、そういった全体の感染リスクを下げていく中で、段階的に解除していくということが多分理想なのだろうと思います。
(日本経済新聞)
先ほどお話が出た振興局単位の再要請等の考え方のところで教えていただきたいのですが、振興局、もちろん22都府県入るぐらいだから分けた方が良いと、それはよく分かるのですが、振興局の人口はまちまちですよね。例えば、石狩であれば(人口)200万人を超えてくるけれども、その2番目に大きい上川でも(人口)50万人以下と言ってしまうと、鳥取県より少ないというわけで、少ない振興局にいたっては1桁万人のところもあると。そこでもちろん3条件ある中で、例えばどこかでクラスターが発生して、一つの都市でどかっと出て、それはほかのリンクも追えるからというふうに削られてくると思うのですが。単純に新規感染者がその中で(1日)10人というのはすごく緩いような気が一方でするのですが、そこら辺の考え方で、その10人2日以上、2日間連続という考えを出された根拠というのは、もうちょっと少なくても良いのかなという気もするのですが、これの考え方を教えてください。
(知事)
それは、一つそういう考え方もあると思います。振興局ごとに人口が違うのも、もちろんそのとおりでありますし、患者発生状況というのは絶えずわれわれ毎日、注視していますので、そういった意味では突発的にそういった2桁台、10人とかが連続することではなくても、トレンドとして確実に例えば1桁台でも毎日必ず発生していくとか、リンクなしの方が少人数であっても割合が高いだとか、そういった兆候については毎日当然押さえていかなければならないと思っていますので、まずは線引きは当然しますけれども、そういった患者の発生状況というのを注視しながら、対策については当然考えていきたいと思います。
(日本経済新聞)
今の話、いずれも満たす振興局というのは一つの大きな枠ではあるけれども、それにそぐわなくてもこれはまずいなと思った場合は、また別の判断をするということですか。
(知事)
そうですね。今どういう条件がそれに当たるのかというのを明確に申し上げることがなかなかできませんが、例えば10人という一つの数字であれば、9人が連続して3日間続いたらどうなのだですとか、どこかに線引きをすればとか、そういう話になるのです。
ただ、やはりそれは行動歴だとか積極的疫学調査でどんどん入ってきますので、そういう中で例えば人数的には追えているのだけれども、話を聞くと別のクラスターが疑われる、明らかにこれは拡大の予見があるとか、そういうところも正直、行動歴を追っていく中で分かりますので、そういう時は迷わずアラートというか、その注意喚起をしなければいけないという状況が出てくると思いますので、そのメニューの中に休業要請というものが入ってくるかどうかは別の話ですが、そういったことも踏まえて、絶えずそれは全てのモニタリングをしますので、一つの基準として示さないと分からないので、そのような形で示させていただいたということです。
(読売新聞)
21日に道の休業要請の残りの部分が解除される可能性は、あまりないということなのですか。
(知事)
それは分かりません。まずは明日の国の判断がどうなるか分かりませんし、21日に状況を判断する、これも国が判断することですからそういった意味では状況は分かりません。というのは、緊急事態宣言そのものの解除となりますと法に基づく休業要請というのはできないわけです。ですからそういった意味では、必然的に解除されますとなかなかその法律に基づいた休業要請が難しくなるという状況になると思います。ただそこは国自体がジャッジすることになっていますので、今21日に国がこういった判断をするということは私の立場では言えないのですが、その決定を踏まえて適切な対応を取っていくということになると思います。
(読売新聞)
道の休業要請についても。
(知事)
そうですね、道が確かに休業要請の権限というのは対策本部長の知事にありますけれども、法令に基づいた休業要請自体は(新型インフルエンザ等対策)特別措置法に基づいて今行われていますから、休業要請というのはものすごい強い権限なのですね。ですからそういった意味では法律上、緊急事態宣言の枠からはじかれれば、そういった例えば外出自粛の呼び掛けとか、そういったことは法に基づかないでやることについて、否定は多分していないと思いますが、業種を特定しての休業措置ということについては法律があるので、そういった解釈になってくるのではないかと思います。
(読売新聞)
分かりました。あと「新北海道スタイル」のほうですけれども、これまでの知事の呼び掛けというのは割と具体的な感じのものが多かったかなという印象もあるのですけれど、ちょっとこう漠然としているイメージもあるのですけれども、これはこういうものなのですか。
(知事)
具体的な国のほうのガイドラインも確かに出ていないというのもあるのですが、一つ皆さんに始めていただきたいというのは、この「新北海道スタイル」安心宣言というのを皆さん掲げてほしいということ。このこと自体の具体性がないというご批判もあるかもしれないのですけれども、各事業者の皆さんがホームページや店頭においてこういったものを掲げてほしいというのは、ある意味具体性があるのかなと思いますので、そういうものを掲げていただいた中でそれぞれの工夫がより進んでいくような形を、やはりオール北海道や地域単位で取り組みを進めていかないと、今の状況だと全て国から示されるものをずっと待っていて、それから対策しますよということだとなかなかその対策までの期間が短いものですから、5月末で今の状況が解除されることも想定されるわけですね。そうすると、6月1日からはいきなり新しい生活様式ですよということになるのですけれども、今、例えば6月1日から解除された場合は人の動きが活性化するわけですね。ですからそういったことを考えると時間がないので、まずはこういった安心宣言というのを、皆さんそれぞれの取り組みとして掲げてほしいということから始めさせていただきたいと、これ確かに詳細に1から100まで、いろんな項目があれば良いのかもしれませんが、そういったことは今、持ち合わせておりませんが、それぞれが自分たちの暮らしを維持していく上で利用者も事業者も必要なものですから、それを取り組んでいくことが大事かなと思います。
(TVh)
4点伺いたいと思います。まず今回の新たな追加の支援策なのですけれども、こちらのほうは何か道議会に諮られてされるのか、それとも知事がリーダーシップを発揮されて速やかに執行するということで専決処理されるのかどうかということがまず1点と、この支援金のほう、休業要請に協力して10万円というのは分かるのですけれども、これ石狩振興局管内以外で解除された施設や飲食店、例えばこの売り上げが落ち込んでいる場合であれば5万円の給付というのは受けられるという理解でいいのかどうかという点です。3点目が再度の要請もあるということなので、再要請があった場合にはこの支援金の対象になるのかどうかということ、最後に5月末までに目指す姿で(1日新規患者数)10人以下ですとか(1日の濃厚接触者等以外での新規感染者数)3人以下という数字設定されていますけれども、これは当然その医療関係者の方たちとご相談されて専門家と相談されて、数字を設定されたという理解で良いかどうか教えていただければと思います。
(知事)
支援金については方向性について今日お話をさせていただきましたので、まず制度の詳細についてさらに詰めさせていただいた中で、当然道議会の皆さまのご理解をいただく必要がございますので、どういった形になるか分かりませんが、私の思いといたしましては速やかに執行できるような形で、何らかの形の取り組みに道議会にもご理解いただければと思っていますが、まずはそういった中身をしっかり詳細に固めた上で協議していく内容だと思います。
10万円と5万円の話がありましたけれども、10万円については休業要請の話でございまして、5万円につきましてはこれは全道が対象でございまして、大幅に売り上げが減少するなど厳しい状況にある皆さまに対するメニューであります。この点についても詳細にさらに詰めていきたいと思っています。また再要請の話もありましたけれども、当然そういったことがないように対策をしていかなければならないことは言うまでもないわけでありまして、今感染状況が先ほどご説明したような状況で、再要請というのは可能性としては低いであろうということも踏まえて判断させていただいていますが、仮にそういった再要請という形になりましたら、その実効性を高める上でどういった対応が必要かについては、検討していくことになるのだろうと思います。
設定の考え方ですけれども、当然、医師など、そういった専門的な方とも、協議した上で、また指標設定なども設定しております他の地域の状況なども踏まえて判断させていただきました。また、入院の人数でございますけれども、この点についても確保病床の状況については全道の管理というのは北海道やっていました。そういった病床確保の大変な状況についても、各医療機関から状況を掌握しますので、そういったことも踏まえてこういった目標を立てていくべきだろうと考えて設定しています。
(共同通信)
10万円と5万円の関係で、念のための確認なのですけれども、先ほどその5万円については全道というふうにおっしゃいましたけれども、10万円についても、これは法令に基づく施設で休業に応じたところが全道的に10万円の支給対象になるという理解で大丈夫でしたでしょうか。
(知事)
法令に基づいて対象にするところと、石狩振興局については協力依頼ということも含めて引き続きお願いしているところですね、これは法令によらない、協力依頼ということなのですよ。法令に基づく施設、この点については全て対象になります。
(共同通信)
全道で対象ということですね。もう一点。これまで知事は感染拡大について、第3波以降できれば来てほしくないという話を度々されてきたと思うのですけれども、今回は第3波、第4波、第5波と、来るということを前提に行動してほしいというふうにおっしゃっているように聞こえました。これはそういった認識でちょっと変わりといいますか、方針に変更があったということでよろしいでしょうか。
(知事)
第2波とも言える状況と今戦っているところでございますけれども、やはり基本的には人の移動が活発になりますと、接触機会が増えて感染拡大(の可能性)があるのですね。(これが)この新型コロナウイルスの特徴だと思いますので、そういった意味では今日本全体としては収まってきていますけれども、一方で解除される地域などで一番懸念されるのが、必要以上の解除によって楽観ムードになりまして人の移動が活発になるのではないかということを全国知事会でも懸念しています。そのことによって確かに拡大するということを各国でも証明しているわけでして、そういったことを考えるとやはりゼロにならない状況であれば、第3波、第4波ということがあり得るだろうということで対策を考えていかないと、それは不十分なものになってしまうと思いますのでそういったものを皆さんと共有した上で具体的な対策を組んでいこうと今日お示しさせていただきました。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)