知事定例記者会見(令和2年6月5日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和2年6月5日(金) 14:30~15:24
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/24名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について

記者からの質問

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について(1)
  2. 新型コロナウイルス感染症対策について(2)
  3. SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の役割について
  4. 地方分権について
  5. 新型コロナウイルス感染症対策について(3)
  6. 新型コロナウイルス感染症対策について(4)
  7. 出光興産(株)のシャットダウンメンテナンスに係る千歳市内における宿泊キャンセルについて

知事からの話題

新型コロナウイルス感染症対策について

 私から1点、新型コロナウイルス感染症対策について、まずお話をしたいと思います。
 道内において新型コロナウイルスの感染によりまして、昨日2名の方がお亡くなりになりました。お亡くなりになった方に哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の方々に心からお悔やみを申し上げます。
 6月1日に全ての施設の休業要請を解除いたしましたけれども、それから5日が経過したところです。本日は6月1日以降の主な動きについて説明させていただきたいと思います。
 まず初めに感染者の動向についてでございますけれども、こちら(モニターの表)にまとめておりますが、入院患者数について5月末まで目指すべき姿として250人(以下)と掲げていたところでございますけれども、現在入院患者数は159人でございます。この159人についてでありますけれども、250人(以下)を5月末まで目指すということでお話をして、それとともに150人ぐらいまでは第3波を想定した中で入院患者数を減じていきたいということをお話ししました。ですからそういった意味では、150人に迫る状況になってきたというところでございます。また患者発生の状況については、(新規感染者数は)1週間平均で1日3.9人、また濃厚接触者以外でリンクなしの新規感染者が1週間平均で1日1.3人ということで、ともに減少傾向でございまして、これは2週間前の結果が表れているということでございますが、まさに休業要請や外出の自粛などに先月ご協力いただいていた皆さんのご理解、ご協力のもとで今こういった状況まで減少傾向にあるということでございます。このことに感謝申し上げたいと思います。
 次に人口流動の状況について、これはNTTドコモが公表している人口変動分析、このデータに基づいて見ていきたいと思いますけれども、こちら(モニターの表)に札幌駅、すすきの、新千歳空港、旭川駅ということで四つ取り出しておりますけれども、それぞれ増加しているという状況でございます。これはちょっと見えにくいかもしれませんが、ゴールデンウィーク後の初日である(5月)11日の月曜日、休業要請を一部解除した初日の5月25日の月曜日、そして全て解除した6月1日の月曜日の平均の比較です。こういった状況で大きく増加しているところです。特に札幌駅について言うと、ゴールデンウィーク後の初日と比較するとちょうど倍ぐらいの形で活動が活発になってきているということです。これは一つ社会経済活動が戻りつつあるということを示唆するものだと思っています。今後、人口流動の動きが徐々に活発化するということが想定されます。当然、人との接触の機会も併せて増えていくということが予想されます。このこと自体が悪いということでは当然ありませんし、休業要請や外出の自粛ということがなくなったわけですから、当然こういった形になると考えています。大事なことは、何度も申し上げていますけれども新型コロナウイルスがゼロにならない、そういう状況の中で、見えない感染の拡大ということを絶えず念頭に置かなければならないということであります。この第2波が今減少傾向にありますけれども、こちらを確実に抑え込んで、そして社会経済活動を両立していく、そのためにはこういった人との接触の機会が人の動きが活発化すれば当然増えるのですけれども、従来の行動スタイルを変えていただきまして「新北海道スタイル」など新しい行動様式を徹底して、感染リスクを低減しながら社会経済活動と両立していくということは今まで以上に重要になってくるということでありますので、こういった状況にあるということについて認識していただきたいと思っています。最近ニュースなどでも報じられておりますけれども、特に東京都など他の地域においては、夜の接待を伴う飲食店での感染疑い、こういったものも報道されているところです。接待を伴う飲食店については緊急事態宣言の下では強く外出の自粛をお願いしていたところでございますけれども、こうした事態に後戻りすることがないようにするためにも、今皆さんにお願いしている内容でございますが、6月18日までの間はキャバレーなどの接待を伴う飲食店の利用等については、慎重な対応をお願いしているところでございまして、この点については皆さんご理解いただいていると思いますが、あらためて道民の皆さまにご理解とご協力をお願いしたいと思います。
 また札幌市の状況でございますけれども、本日は秋元市長も会見されているかと思いますが、最近ニュースなどで取り上げられております北九州市、こちらも感染が確認されているわけでありますが、北九州市を除けば政令指定都市の中で最も患者数が多いことに加えまして、本日会見で札幌市長がお話をされていると承知していますが、ご高齢の方々がサークル活動などで利用されることが多い昼カラオケなどの場における感染事例について言及があったとお聞きしております。こちらは、大きな声を出すだとか、マイクを共有するだとか、飲食を伴うだとかそういったことがあるのだと思うのですが、そういった中で感染が実際に確認されているということについて言及があったと聞いておりますので、この感染リスクを下げるそういった取り組みについて皆さまには十分注意していただきたいと思っています。繰り返しになりますけれども、皆さまに引き続きキャバレーなどの接待を伴う飲食店の利用等についての慎重な対応、そして札幌市と他地域との往来について引き続き慎重な対応をお願いいたしますとともに、施設を利用される皆さまにおかれましては、施設の「新北海道スタイル」の準備が整っているかどうかを確認していただきまして、施設管理者の皆さまにおかれては「新北海道スタイル」を徹底するといった行動をあらためてお願いしたいと思っております。
 次にそうした「新北海道スタイル」の取り組み状況について、ご紹介したいと思います。5月15日までの休業要請を対象とした第1弾の支援金、こちらを申請いただくに当たりまして、四つの感染症対策に取り組んでいただくということで支給の際に皆さまからご理解いただいたところでございます。この事業者の皆さまの取り組みに関して、中間報告ということで集計いたしましたので、少しご紹介したいと思います。ご紹介する内容については4月末から5月上旬時点の状況でございますので、それから時間もたっておりますのでさらに対策を取っていただいているとは思うのですが、こういう傾向があったということについてお伝えしたいと思います。全体の傾向でございますけれども、この三つの密の防止ですとか飛沫(ひまつ)・接触感染の防止、この取り組みにつきましてはそれぞれご申請いただきました皆さんの8割以上がそういった取り組みをしようということで申請いただいたということです。一方でこちら(表の右側)になりますけれども、発熱者等の入場の防止や移動時の感染防止、こちらについては1(三つの密の防止)と2(飛沫・接触感染防止)に比べますと80パーセントを下回る、例えば発熱者等の入場防止については58パーセント、移動時感染防止については30パーセントということでありました。この点については、例えば発熱者等の入場防止については、休業対象の皆さんがそういった店舗が多いということから、その対策がなかなか取りにくいということなどもあったかと思います。この移動時の感染防止というのは何だと思われるかもしれませんが、テレワークですとか、時差出勤ですとか、そういった取り組みをやりますよという方々になります。この部分が他の二つ、1、2に比べると低いという特徴があります。
 次に業種業態別で少し見ていきたいと思いますけれども、それぞれ特徴がございますが、特に遊興施設、皆さんから見て(モニター画面の)左側の「遊興施設等」をくくっていますけれども、こちらにつきましてはいわゆる接待を伴う飲食店などの取り組み状況が4月末から5月上旬の状況ではありますが比較的低い特徴がございます。すでに感染拡大防止の取り組みを行っていただいているところもあるかと思いますので、そういった意味では最新の情報ではないのですけれども、4月末から5月上旬の時点でこういった状況があったということがございまして、こういった取り組み比率が比較的低い分野、業種を中心に事業者の皆さまには取り組みを促進していただくことが重要だと考えています。中でも遊興施設については、市町村や団体と連携いたしまして「新北海道スタイル」の取り組みや「北海道コロナ通知システム」の導入について各店舗へのリーフレットの配布などで重点的に周知を行っているところでございます。こちら市町村や団体との連携、特に今札幌市で感染確認が連日あるわけですが、札幌市との連携や、またこういった(札幌薄野)ビルヂング協会とも連携いたしまして、「北海道コロナ通知システム」を皆さんにご利用いただくということなど、「新北海道スタイル」、こういった取り組みを強化していきたいと思っています。
 またそれ以外の3密が発生しやすいとされております、パチンコですとかカラオケ、エンタメ、それぞれ組合や協会、協議会を通じましてこの「北海道コロナ通知システム」をご活用いただくということで今調整しているところでございますし、また先ほど北海道ハイヤー協会からも「北海道コロナ通知システム」にご協力いただけるという連絡がございましたので、この「北海道コロナ通知システム」を、3密が発生しやすいとされる施設の業態の皆さんなどとしっかり連携して取り組みをしていきたいと思っています。
 なお、不特定多数の方が利用します42の道立施設の再開に当たりましても、全ての施設において「新北海道スタイル」等の実践に取り組んでいるところでございます。これは「北海道コロナ通知システム」を活用している事例でございます。こちら会見などをご覧いただいた皆さまの中で、ぜひ活用したいという方がいらっしゃいましたら、ホームページなどをご覧いただきましてご活用いただきたいと思っております。
 また地域の取り組みとして、さまざまな取り組みも行われております。「新北海道スタイル」は地域の協力が先ほど申し上げたように不可欠でございます。島への観光客の呼び込み再開に当たりまして、「新北海道スタイル」を町民運動として展開している礼文町がございます。またスライドにございますけれども、市長自ら「新北海道スタイル」安心宣言ということで行っていただいております室蘭市をはじめ、多くの市町村でさまざまな方法を用いて、「新北海道スタイル」の周知にご協力いただいているところでございます。ご協力いただいている皆さまに感謝申し上げますとともに、それぞれの地域に合った、新たな「新北海道スタイル」の定着に向けて取り組みを連携して加速していきたいと思っています。
 次に学校の再開でございますけれども、一斉休校しておりました学校が(6月)1日から再開ということでございまして、テレビ等で元気に授業を受けている子どもたちの姿を私も拝見いたしました。大変うれしく思っているところでございますが、一方で学校現場では感染症対策に対する注意に加えまして、学習の遅れを取り戻して、さらには児童の心のケアということも求められるなど、日々負担が大変大きい状況になっていると認識しています。引き続き感染リスクを可能な限り低減しながら、子どもたちの健やかな学びを保障できるように北海道教育委員会と一層連携して、各学校への支援に力を入れてまいりたいと思っています。
 これまで説明してまいりましたが、感染拡大の防止と社会経済活動の両立という形で動きが徐々に再開してきているところでございます。観光立国北海道といたしましても、今後観光振興の取り組みも始動していかなければならないと思っています。今後の感染状況の推移を見極める必要がありますけれども、道内、国内、海外といった順に、段階的にその対象を広げて誘客に取り組んでいくことが重要であると思っています。北海道の観光のピークが7月から始まるわけです。まずは道内の皆さん、道内客を対象として道内の観光需要を回復させるための事業について検討を進めているところでございまして、近く皆さまにお知らせしたいと思っております。
 最後になりますけれども、これはスライドがないのですが、唾液によりますPCR検査などについて方針として導入を進めていきたいというお話を記者会見でさせていただきましたが、検査試薬の確認ですとか使用する容器の調整などを行っていたところでございますけれども、その準備が整いましたので、本日からこの唾液によりますPCR検査を実施することが可能となりました。この唾液によりますPCR検査でございますけれども、医療従事者の方にとっては感染リスクが減少する。検査を受ける方にとっては、かかる負担が少ないということから従来の方法に加えまして、従来の方法を全くなくすということではありませんが、従来の方法に加えまして唾液による検査の効果的な組み合わせによります検査体制のさらなる強化、そういったものを図っていきたいと思っています。これからの社会は、新型コロナウイルスがゼロになるということが当面ないという状況の中でその共存が求められるというところでございます。第2波、しっかりこれを抑え込むということとともに、この第3波以降の波にしっかりと備える、このことが重要でありまして、引き続き道民の皆さまのご理解とご協力をいただきながら、「新北海道スタイル」の定着を図るなど、新型コロナウイルスに強い社会、新型コロナウイルスに強い北海道、これを作り上げていきたいと思いますので、引き続き皆さまにはご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 私から以上でございます。

記者からの質問

(朝日新聞)
 昨日、支援金の関係の数字などについて発表がありました。見てみると、昨日の時点で本日までの見込みとして3131件という数字があったように思います。全体の申請状況からすると、かなりその進む度合いが遅いということと、同時に資料に示された図を見ると、いかにこの2段階の支援金のあり方というものが煩雑で、かつその2回も申請しなくてはいけないと。特に2回目については二つの制度を融合させて、より分かりにくい形の制度になっていると。知事はこの辺りの煩雑さや進展状況についてどのようにお考えか、率直にお伺いします。

(知事)
 休業協力・感染リスク低減支援金でございますけれども、昨日皆さまにお知らせさせていただきましたが、約2万3千件の申請の受け付けをさせていただいたところでございますけれども、今週までに3131件の支給にとどまっているということでございます。この点については、早期に週当たり5千件の支給を目指して体制を強化して審査を進めているところでございます。この点についてできるだけ早く皆さまにお届けする、このことにしっかり力を注いでいきたいと思っています。また、休業要請もそうでございますけれども、休業要請にご協力いただく皆さんに対する支援金が、ある意味2段階になっているということはそのとおりでございます。その休業要請については当然できるだけ短い期間で休業の要請期間を終えることが、事業者の皆さまに対する影響が最も少ないわけでありまして、感染状況に応じて、感染状況を抑え込むことと休業要請をしていくこと、この点を慎重に見極めながらその要請期間について判断していかなければならない状況がございました。ですから、この時期にはこれぐらいの感染になるということがしっかりと予見できれば良かったのかもしれませんが、なかなかそこは難しい状況の中で対策を行ったという点については、ご理解いただきたいと思います。いずれにいたしましても、皆さんの申請にかかるご負担をいかにして軽減していくのか、またご申請いただいたうちの6割ぐらいが、添付書類がなかったなどの状況もございまして、そういった点についていかにご負担が少ない中で追加の資料確認を行っていただくかなどについて、これは緊急状態でございますので、柔軟に検討してできるだけ早く皆さんにお届けする、その取り組みを進めていきたいと思っています。

(朝日新聞)
 すみません、あともう1点なのですけれども、知事は常々、休業補償の補償の部分は国が行うべきであった、あるという主張をされていらっしゃったと思います。今も同じだろうと思いますが、今回のその支援金を配るに当たっては、もともと国のほうでそういう枠組みなり仕組みがなかったことによって道が取り組んで、そして新しいことだけに混乱も生じているという理解で当方などはおりますが、今後その国に対してこの点について第3波、第4波などが来るでしょうけれども、どのように声を上げていきたいか求めていきたいかお考えをお聞かせください。

(知事)
 この点は(全国)知事会でも、私だけではなくて同様の考えを持っている方がほとんどでして、休業要請というのは知事の権限の下で行う一方で、休業補償は国で行うべきであり、またそれぞれの県などにおいてそれを補償するに足りる財政的な支出ができるというところはないわけですね。東京都ですらそれは無理なわけです。一方で、持続化給付金がそれに当たるであろうということで、100万円か200万円ということで国が打ち出していたのですけれども、その持続化給付金につきましても申請などもかなり順番を待つという状況や、またインターネット以外の申請がなかなか難しいだとか、いろんな状況がございましたので、そういった意味では事業者の方の視点に立ちますと、制度のお話は聞こえてくるのだけれども、入金などがない中で休業ということをご判断いただいてご協力いただくことになりました。この点については、もし今の法体系の中で同じように休業要請をするということを選択として、国として考え続けるということであれば、今回の緊急事態宣言を教訓として、安心して休業いただけるようなそういった体制をいかにつくるかということについては、国としても考えていくべきことだと思います。前回の会見でも申し上げましたけれども、例えば今家賃というか固定費の負担についても持続化給付金を申請されている方について、給付を国として上乗せするということも検討されています。ですから、こういったことはもしかしたら最初からお話があればもう少し皆さんの安心につながったのではないかと、これは先に考えるのはなかなか難しかったということはあるかもしれませんが、その部分もあるのではないかと思っています。

(北海道新聞)
 19日以降の外出であるとか、札幌市と他都市との往来についての考え方について伺います。この部分については、18日以降は具体的にどのような対応になるのかということと、道民に対してどのような行動を求めていくのか、またその根拠というか、判断基準のようなものがあれば、お示しいただければと思います。

(知事)
 一つは、基本的には(6月)18日から(6月)19日に移行するに当たっては慎重に対応していただきたいということで、接待を伴う飲食店などの対応についても慎重にということでお願いしていますが、この点について言いますと、今ガイドラインがないところもございまして、このガイドラインというのが今、国と団体などが作っていこうという状況もございますので、この点も出てきた場合についてはそれを踏まえて、各お店でも対応について追加で検討してほしいということもございます。他の業態についてはガイドラインが出ている状況にあるということと、あとは今札幌市において、連日感染が確認されている状況はあるのですが、一定程度トレンドとしては落ち着いてきている状況があるかと思います。この点が、例えば大きく崩れることがなければ、基本的には北海道全体として皆さんに呼び掛けをしていくという段階から、また違った形へ移行することも考えられるのではないかと思います。この点については、やはり札幌市とも話をしながら考えていきたいと思っていますが、いずれにしても感染状況が前提でございまして、そこが大きく変わるという状況になりますと、その点についてはより慎重に考えていかなければいけなくなるだろうと思います。

(北海道新聞)
 ガイドラインのないところとか、その業界というのは、ガイドラインが出てくるまで慎重な対応というのは継続するということになるのでしょうか。

(知事)
 基本的には、接待を伴う飲食業、飲食店などについては、三つの密が重なりやすいという背景がございます。例えばカラオケボックスなどはガイドラインができているのですけれども、そういったところと違いましてガイドラインもまだできていない状況があるものですから、(現在は)それぞれ「新北海道スタイル」を実践していただいていると考えておりますが、(今後は)そのガイドラインを踏まえた上で対策を取っていただきたいと思っています。そういった状況が整わない(間は)、道民の皆さまには、感染リスク対応が取れているかどうかを確認していただいて、ご利用してくださいということを呼び掛けていますので、その点も踏まえて慎重な対応をお願いしているということです。

(日本経済新聞)
 ちょっと話題が変わりまして、知事のツイッターを中心としたSNSについてお伺いしたいのですが、昨日、今日ちょっと具体的には分かりませんが、17万人をツィッター(のフォロワー)を超えてきていると。弊社での外部の識者に調べてもらったところ、拡散され、リツイートであるとか、「いいね」であるとかというふうに拡散というか、反応のあるものも増えてきていることが分かりました。現状の意味で言うと知事のツイッターというのがメディアとしてある程度確立してきているのかなというふうに考えるのですが、率直なご感想をまず教えてください。

(知事)
 このツイッターについても、かれこれ10年ぐらい使っていますけれども、災害時における対応などで注目されましたが、SNSはどうしても匿名で投稿するという状況の中で、災害時ではないのですけれども、このコロナ禍において、いろんな情報がSNS上にあふれるということが想定されたわけです。一方で行政、北海道という(ツイッターの)認証済みアカウントであったり、私も個人で今運用しているのも認証済みアカウントになっているのですが、そういった形で正しい情報をできるだけ早くお伝えするというツールとして活用させていただいていました。おそらく今コロナ禍においていろんな情報があふれている時に、皆さんもいろんな情報を知りたいということで、私がそういったアカウントを持っていたのでそこに登録する方が結果として増えたと思っていますので、このことのみならず、これからやはり社会経済活動を両立していく上で北海道の魅力やそういったものも発信していくツールとしてぜひ有効に活用したいと思っています。

(日本経済新聞)
 その続きで申し上げると、今17万人ぐらいだというふうになっているのですが、例えば牛乳チャレンジでお付き合いいただいた(GLAYの)TERUさんでいうと42万人ですとか、水準感としてあると思うのですけれども、よりいろんなことを発信していく上ではいろんな人に見てもらうことが重要だと思います。中期的な水準感としてこのぐらいまでになるといいなという目標感はありますか。

(知事)
 いや、それはもう全くないですけれども、やはりフェイスブックやツイッターはいろいろ性質は違うかと思うのですけれども、どちらかと言うと、ツイッターというのは拡声器というか多くの方に見ていただくというツールとして、フォロワーが多ければ幅広く拡散すると思います。ですから、われわれ北海道として、みんなに伝えたい情報については例えばそういったツイッターなどを活用することによって、多くの方にご覧いただけると。インプレッションということでどれぐらいの反応があったかというのも、モニタリングというか私は見られるので、認証を取っていると、例えば100万人の方から何らかのリアクションがあったとか、そういうのも分かるので、そういった意味では参考にしていきたいと思っています。

(日本経済新聞)
 知事のツイッターは私がちょっと見た感じでは、知事の仲間で言うと4番手ぐらいかなと結構大きな母数になっていると思うのですが、その一方で、もっと大きな母数を持っていらっしゃるという大阪府の吉村知事であるとか、東京都の小池知事がおられます。同じように北海道も全国にいろんなことを発信していく。さっきの観光であったりとか食であったりとか、(発信)する上ではより良いメディアになっていくほうが良いと思うのですが、そのほうが拡散力があるというか周知できるというか。そういうことで言うと吉村知事などがこのコロナ禍で、やっぱり70万人ぐらいフォロワーに覚えられてて、より刺さるものを、内容はともかくとして刺さるものを出してこられたのかなと思います。そういった意味で吉村知事なり小池知事のように、より多くのフォロワーを持っていらっしゃる方のやり方、あるいは発信する内容について学ぶべき点というのは何かありますか。

(知事)
 フォロワーを獲得したくてやっているわけではないので、私の思いとしては正確で、より素早く皆さんに適切な情報をお届けしようという観点が基本的にまずあって、ただ自分の言葉で皆さんにお伝えしたいと、そういう内容について、不定期ですけれども、発信させていただいていますので、新聞やテレビなどのメディアともまた違ってそういった意味ではこちらからプッシュ型で、時間なども選ばず、考え方などがお伝えできるツールであるので、そういった意味では利用の幅もあるのかなと思っています。

(日本経済新聞)
 そういう意味で言うと、先ほど申し上げた吉村知事であるとか小池知事であるとかより多くのフォロワーを持たれている発信力のある知事のメッセージの仕方であるとかいうところというのは、特に参考にするものではないという感じですか。

(知事)
 頻繁にチェックしていないので。

(日本経済新聞)
 もちろん、毎日ではないと。

(知事)
 多分、人口規模が多ければフォロワーも多くなるというのもあると思いますし、関心があるから多分みんなフォローするのだと思いますので、そういった意味では北海道に良い意味で関心を持っていただくような情報をできるだけ多く発信するということが大事かなと思います。

(北海道新聞)
 知事に地方分権に関してのお考えをお伺いしたいと思います。国と地方の対等な関係を目指した地方分権一括法の施行から、今年で20年を迎えます。ただ道内の多くの自治体を取材していますと、財源ですとか人手が足りずになかなか自主性を発揮できないケースが多いというふうに、私は感じています。全国知事会の調べによりますと、自治体に計画の策定を求める法律が20年前と比べると倍増したという結果も出ておりまして、知事の中から国は発想の転換をというふうに求める知事もいらっしゃるというふうに把握しています。鈴木知事は、今回の(新型)コロナ(ウイルス)の対応も踏まえてなのですけれども、現在の国と地方の関係のあり方というのをどういうふうに感じていらっしゃって、今後の両者のあり方というのはどういうふうにあるべきだというふうに考えているか、お聞かせください。

(知事)
 平成12年4月に機関委任事務制度の廃止ですとか、国と地方の関係見直しなどを進める地方分権一括法(地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律)が施行されてから20年という節目でして、私も職員の立場でそれぞれ東京都ですとか、夕張市ですとか、内閣府で働かせていただいていた時に、地域主権のいわゆる地方分権の部署にいまして、一括法の担当をしていて、権限移譲とか義務付け、枠付けの見直しとか、そういうのを実務として担当していたのですね。また市長になって、知事になって今仕事をしている中でいろいろ感じることはございます。地域でできることを、地域が責任を持ってやっていくという名の下で、この分権改革はさまざまございました。また今回の新型コロナウイルスの対応の中でも、全国知事会で先日ウェブ会議がございましたけれども、新型コロナウイルス感染症を新たに追加して、分権の提言を取りまとめたところですが、先ほど記者からご質問がございましたけれども、例えば休業要請のあり方をとっても、権限としては休業要請するのが都道府県知事なのですが、休業要請の対象範囲、また政府における対処方針との整合性とか、当然国としっかり協議することは大事なのですけれども、それぞれの役割分担の整理が初めてのことでありますので、難しい状況の中で対応を迫られたということもあったのではないかと思っています。
 一方でこの地方分権の話も、一時期はかなり盛り上がりまして、地域の住民が身近なところで決めるのだということで、首都機能移転だとか分権とか道州制だとか、いろんなことが選挙の争点とか知事会、また名物首長とかが出てきて議論が行われていましたが、そういった時代の状況と比べると少し議論が落ち着いてきているのではないかと思います。そこは分権改革が着実に進展してきたということがある一方で、そういった争点となる大きな柱が現時点ではなかなか見当たらないということも意味しているのかなと思っています。
 一方で、地方分権の話もそうなのですが、今取り組んでおります関係人口を増やすとかそういう取り組みについても、自治体、各市町村長や都道府県知事が、この日本の形を変えるような議論をしています。例えば東京一極集中の是正の話だとか、そういう議論というのは継続して行われていますので、そういったテーマが具体的にさらに議論が加速していくことによって、この分権の議論というのもさらに具体的なテーマを持って行われるようになるのではないかと個人的には思っています。

(HTB)
 先ほどお話いただいた唾液による検査だったのですけれども、何件くらい可能になったのでしょうか。

(知事)
 検体さえ来ればPCR検査をやるということに変わりはないので、唾液を入れる容器の取り扱いをどうしようかだとかそういったことを昨日通知したのですね。その検体採取の方法が唾液なのか、鼻に綿棒を入れてやるのかという違いですから、検体として上がってくれば、今言っている1400件だとかそういう最大の処理量に対してPCR検査を回していくということになるということです。

(HTB)
 すみません、もう1点なのですが、休業要請が全面解除ということになりまして、十分な感染対策を取りながらという前提ではあるのですが、一息ついている道民の方も多いと思うのですが、まだまだ大変な思いをされている方も多い中ではあるのですが、知事ご自身としては新しい生活様式という中で一息つけてこんなことをしたいなという思いとか何かありますか。まだ、そこまでいかないのですかね。

(知事)
 私が個人的なことを言うのはあれですけれども、年が明けて1月下旬から現在に至るまで、(新型)コロナ(ウイルス)の対策で道民の皆さんに大きな影響が出ていますし、本当に今までにないような状況で協力を求めて対応いただきました。そのことによって今第2波とも言える状況が終息に向かいつつあるという状況があります。ただ一方で、繰り返しになって恐縮なのですけれども、見えない感染がやはり広がっているということを念頭に置かなければいけないと思っていまして、そういった意味では警戒を怠ってはならないと思っています。私自身も感染状況を毎日確認してきました。多くの方が大変残念ながら、お亡くなりになったということ、そして入院されている方は159人ということで、最大で499人患者がいましたので減りましたが、まだ大変な状況で治療を受けていらっしゃる方々が159人いらっしゃるわけですね。ですからその方々がいち早く回復するように、しっかり対策を継続していかなければならないと思いますし、私も感染リスク対策が「新北海道スタイル」を実践していただいているところに、ぜひ出かけるということもこれから考えていきたいなと思っています。

(読売新聞)
 (新型)コロナ(ウイルス)の関係で、情報公開のあり方について少しお尋ねしたいと思いますが、感染者の情報について、札幌市以外の自治体では市町村名を公表しないというのが一定程度の割合でずっと来ているのですけれども、先日の岩見沢市もそうなのですが、ちょっと地元の自治体との間で、情報のある、なしによる連携がちょっと心配なようなところも垣間見えるのですけれども、あらためてその辺りについて見直す考えとかはございませんでしょうか。

(知事)
 そこは、度々ご質問もいただいているところでございますけれども、今公衆衛生上のそういった必要性と、個人情報保護、ここを比較考量して、それぞれのケースごとに判断させていただいています。感染拡大防止の観点から、情報について公開することが必要であろうという業種ですとか、先日もタクシーの利用状況だとかをお知らせして、お電話などで私が利用したかもしれないなどの情報を寄せていただいたりもしましたけれども、そういったケースごとにやはり判断していくことになると思っています。陽性確認されてからそれぞれの皆さんに対しては感染がどこであったかとか、そういったことも含めて行動歴を、記憶をたどりながらしっかり確認していきますので、それとともにその個人情報をどこまで対外的に公表できるかということで、皆さまには交渉というか、お話の経過というのは見えないかもしれませんが、一件一件しっかりやっているということもご理解いただきたいと思っています。その中でどうしても公表ということにはならない事例も当然ありますし、その点についてご理解いただきたいと思います。
 また、振興局単位でアラートを出していくということを今後運営していきますので、管内の市町村との連携が今まで以上に必要になってきますので、情報共有をどういった形で進めていくのかという点についても、しっかり皆さんの不安がないような形で共有させていただきたいと思っています。基本的な考え方を大きく変えようとは今の時点では考えていないです。

(読売新聞)
 そういうことで、道が公表しなくても地元の自治体が記者会見を開いて、うちの市民だよとか町民だよとか言うということもこれまでもあったのですけれど、その辺りのちぐはぐさというのは、それはしょうがないというか、いかがでしょうか。

(知事)
 確かに、かなり前はそういう状況がございましたが、基本的には発生しております自治体との情報共有はさせていただいていますが、ただそういった状況の中で公表のあり方というのは、基本的には振興局単位でございますし、保健所設置市については保健所設置市単位で公表していますが、あとは感染拡大防止の観点から情報を提供することが必要だということなどで、判断していくということです。

(読売新聞)
 また関連になりますけれども、東京都が感染の死者の情報が主だと思うのですけれども、これまで遺族の意向を尊重して公表しないケースもあったけれども、今後は遺族の意向がなくても公表するというふうに方針を変えたというようなことがありますけれども、これについての受け止め、見方はどうでしょうか。

(知事)
 東京都のやり方についてどうこうと言うことはあれですけれども、発表のあり方がそもそも数字で発表していますので、細かい行動歴などは統計上、事後的にコメントを添える形で発表されていますので、そもそも感染状況の発表の仕方が全く全然違うと。これは1日当たりの東京都の確認数が非常に多かった状況などが起因しているのだと思うのですが、そういう状況での運用だと思っています。ですから、われわれとしてはご遺族や皆さんへの配慮というものを勘案しながら、公表していくという考え方でおります。

(読売新聞)
 今朝、報道がありました千歳市のホテルのキャンセルの件についてお伺いします。出光興産のメンテナンス工事の関係で、大量に千歳市内にようやくホテルの宿泊予約があった一方で、道としてその感染リスクを減らすために、胆振管内に宿泊するようにしてもらえないかというお願いをしたというふうに聞いています。それに対して千歳市から道のほうに6月以降ということで緊急事態宣言も終わっていますし、かなり経済的な影響が大きいので、そのお願いを取り下げてくれないかというようなやりとりがあったと聞いていますが、宿泊業者などからは営業妨害に近いのではないかというような声もあるようです。知事としては、一連のやりとりについてどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

(知事)
 このお話が来たのが4月末だったと思うのですけれども、4年に一度の大規模工事ということで1日当たり約5千人のうち、8割から9割の方が道外から一斉に集まって作業するということがありまして、確か4月30日ぐらいだったと思うのですが、緊急事態宣言で今先ほど言った患者数が499人になって、とんでもない状況になっている中で、そういったお話がございました。県をまたいでの往来を総理を先頭に控えてくださいと言っている状況で、お話があったのですね。その状況をお伺いしましたので、苫小牧市と共に、例えば工事の期間を見直すことはできないのですかとか、人数を少なくすることができないのですかとか、感染防止対策を取って、最初はそもそも(工事の)時期を感染が落ち着いてからやることはできないのですかというお話をしたのですけれども、それだと冬の対応だとかいろいろなところで影響が出てしまうので、そういった観点からやらなくてはいけないよねと。そうであるならば、例えば人数をできるだけ少なくしていくだとか、その感染対策をとった上でやっていただくことはできないのだろうかというお話をしたところです。その中で、特に石狩管内が札幌市を中心に非常に患者数も多い状況で、道外から何千人も来られると、やはり感染リスクが高くなってしまうという状況があるので、宿泊などの対応についてお願いしたというところです。それを受けて感染予防対策が必要だというご判断の中で、事業者の方にご理解いただいたということです。しかし、皆さんに協力いただいたことによって患者数が減少してきましたし、緊急事態宣言が解除されたりだとか、あとは都府県からの往来自粛も今のままの流れでいけば19日から次のステップにいけるかもしれないという状況でありますので、そういう状況についてお伝えをさせていただいて、今、引き続き感染防止対策をやっていただかなければならないのですけれども、どのように宿泊を行っていくかということについては検討いただいていると聞いています。

(読売新聞)
 19日以降に関しては、その宿泊先などは道の「慎重に」というところが緩和されるところもありますので、19日以降はその自由にと言いますか、千歳市内でも構わないということですか。

(知事)
 基本方針というのをわれわれ作りましたので、そのことをお伝えをしているということです。こういう考え方でステージが感染状況に応じて変わってきますよとか、そういうことをしっかりお伝えをさせていただいて、その中で事業者の方がお考えいただくという形になっています。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

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