知事定例記者会見(令和2年6月9日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和2年6月9日(火) 16:00~16:53
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/27名(テレビカメラ3台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について
  2. 第2回定例会補正予算案(コロナ対策関係)について 

記者からの質問

  1. 第2回定例会補正予算案(コロナ対策関係)について(1)
  2. 第2回定例会補正予算案(コロナ対策関係)について(2)
  3. 第2回定例会補正予算案(コロナ対策関係)について(3)
  4. 第2回定例会補正予算案(コロナ対策関係)について(4)
  5. 第2回定例会補正予算案(コロナ対策関係)について(5)
  6. 国の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の議事録の作成について

知事からの話題

新型コロナウイルス感染症対策について

 私から2点、冒頭お話をさせていただきたいと思います。
 まず1点目ですけれども、新型コロナウイルス感染症対策についてでございます。道内におきまして、新型コロナウイルスの感染により昨日1名の方がお亡くなりになりました。お亡くなりになった方に哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の方々に心からお悔やみを申し上げます。
 次に、あらためてのお願いになるわけでございますけれども、今般の新型コロナウイルス感染症に関連しまして、患者やそのご家族、医療従事者の方々などに対しまして「コロナをうつすな」など誹謗(ひぼう)中傷、患者のお子さんが通っている保育園から登園を拒否される事例など、不当な差別的取り扱いに心を痛めている方々がいらっしゃいます。こうした、いわれのない差別や偏見による事案が北海道において生じているということは大変残念でありまして、決してあってはならないものであります。道民の皆さまには、不確かな情報に惑わされて差別や偏見につながらないよう、正しい情報に基づいて冷静に行動していただきますようお願いいたします。患者やご家族で悩まれている方がいらっしゃった場合については、お一人で悩まないで、相談窓口などに気軽に相談していただきたいと思います。相談窓口は道のホームページにおいても紹介しておりますけれども、あらためてここでもご紹介したいと思いますが、こちら(モニター)にございます「みんなの人権110番」ですとか、道などにそれぞれ窓口が開設されておりますので、お気軽にご相談いただきたいと思っております。報道関係の皆さまにも、格別のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 最後に感染者の動向についてでございますが、国の緊急事態宣言解除後の1週間の平均値を表にまとめておりますけれども、昨日時点の状況でございますが、新規感染者数の1週間当たりの平均が4.1名、リンクなしの新規感染者数が1.3名という状況がございまして、入院患者数は134名ということになっているところでございます。前回の会見でもお話しさせていただきましたけれども、この入院患者数が150名を切るような状況で、第3波が仮に起こった場合について、(患者を)迎えるような状況を確保していかなくてはいけないということを申し上げたところですが、その150名という入院患者数は今何とか下回ったという状況であります。その一方で、毎日感染者が確認されている状況が続いているというのも事実でございます。この第2波をしっかり抑え込んでいかなければなりません。このため、6月18日までの間、皆さんにお願いしていることでございますけれども、札幌市と他地域との不要不急の往来やキャバレーなどの接待を伴う飲食店の利用などについて、6月18日までの間は「新北海道スタイル」の実践を徹底するなど、慎重な対応をお願いしたいと思います。
 これが1点目です。

第2回定例会補正予算案(コロナ対策関係)について

 2点目でございますが、第2回定例会補正予算案についてでございます。
 今月16日に開会いたします第2回定例会の補正予算といたしまして、提案予定の新型コロナウイルス感染症対策に関する緊急対策第3弾ということで、こちらについてポイントを絞ってお話をしたいと思います。お手元に配付しております資料もご参考にしていただければと思います。
 第1弾、第2弾に続いて第3弾となります今回の緊急対策についてでございますが、総額はこちら(モニター)に書いてありますけれども300億円ということでございまして、融資枠等を含めた対策の全体規模については391億円ということでございます。第1弾、第2弾と合わせた予算額の累計は1411億円、対策規模の累計といたしましては4022億円ということで、第1弾、第2弾、第3弾の累計になるところでございます。それでは、まずはこの第3弾、施策の構築に当たっての基本的考え方について説明したいと思っています。重視した点は3点です。
 1点目、繰り返しこの記者会見で申し上げておりますが、本道は全国で唯一第1波、第2波を経験してきた地域でございまして、第2波が終息に向かいつつある中ですが、これまでの経験を活かして、第3波以降の波はできるだけ緩やかに上昇すると、そしてこの波のピークを低くするということで取り組んでいかなければならない、影響を最小化していくことが重要だということです。そのためには徹底した感染防止対策を実行していく必要がある。これが1点目です。
 2点目、これまでの感染拡大の影響で、本道の社会経済は極めて大きな影響を受けているところでございます。事業者の皆さまにも多大なご負担をお掛けしてまいりました。これを立て直していくことが喫緊の課題でございます。感染防止対策と並行し社会経済活動のレベルを段階的に拡大していくための施策を推進してまいります。これが2点目です。 3点目、今お話をした二つの取り組みを両立させるための鍵となりますのが「新北海道スタイル」ということでございます。すでにさまざまな機会を活用いたしまして、呼び掛けをさせていただいているところですが、さらにその取り組みを加速し(新型)コロナ(ウイルス)に強い社会、北海道を構築していくということです。この3点、まずは重点的に整理したところでございます。これらを通じて本道の社会経済を本格的な回復軌道に乗せていく、今回の補正予算はそのための土台作りということで位置付けております。
 それでは次に、今回の対策全体の柱立てについて説明いたします。柱については四つに整理しています。基本的な考え方、3点ご説明しましたがそれを踏まえまして四つの柱、1点目、「新北海道スタイル」こちらの浸透・定着でございます。2点目、第3波以降に備えた医療提供体制等の充実強化であります。3点目、経済活動の継続と段階的拡大。四つ目、社会生活・文化活動の継続と安心の確保。この四つの柱の下で必要かつ緊急を要する施策を盛り込んだところでございます。それでは、そのポイントを具体的に説明していきたいと思います。
 一つ目、「新北海道スタイル」道民運動の展開でございます。これまでも会見において重ねて説明させていただいているところでございますが、当面、新型コロナウイルスがゼロになるということはないわけでございまして、今後、第3波、第4波が来ることも覚悟していかなければならないということであります。こうした中で、本道の社会経済を立て直して、持続的に発展させていくためには、これまでの生活様式や価値感を大きく変えて、コロナに強い社会、北海道をつくっていく必要がございます。こうした観点から、道民と事業者の皆さまが感染リスクを低減させる新しい生活様式、こちらを実践するだけではなくてそれを可視化し、日常の中に浸透・定着をさせていく「新北海道スタイル」の取り組みを本格的に進めていくための予算を計上いたします。そして取り組みの実効性、こちらを高めていかなければならないということでございまして、この会見でも申し上げてきたところでございますが、地域の皆さまとの連携・協力、これが不可欠だということです。今回の予算では、普及啓発のためのPR経費の他に、各地域の商工団体の協力をいただきまして、施設や店舗に対して巡回訪問を行うなどのサポート機能を整備いたします。また、この「新北海道スタイル」のロゴマーク、こちらを用いたステッカーを事業者の方々に配布させていただきまして、店頭に掲示していただいて、事業者の取り組みをさらに分かりやすく可視化する、こういった取り組みを行っていきたいと思います。
 次に、検査体制の充実強化についてでございます。感染拡大を未然に防ぐためには、何よりも感染の早期発見が不可欠でございます。検査の体制をこれまで以上に強化していくことが重要であります。このため、現在、札幌市、苫小牧市、函館市に設置しておりますPCR検査センターについて、医師会や市町村との連携の下で他の地域への設置拡大を進めることといたしまして、具体的には21の二次医療圏での設置が可能となる予算を確保いたします。併せて、感染症指定医療機関や衛生研究所における検査体制を充実してまいります。
 また先般、国において導入が可能とされ、すでに北海道においても導入を進めております「唾液を用いたPCR検査」をはじめ、迅速な対応が可能なLAMP法や抗原検査など、現場の医療従事者の方々が状況に応じて最適な検査手法を採用できるよう、多様な検査手法を積極的に導入してまいります。これらの対策によりまして、よりスピーディで適切な検査を行える体制を構築してまいります。さらに検査能力についても、衛生研究所の機能強化によりまして、100人分程度増強され、さらに指定医療機関の強化分、こちらプラスアルファとさせていただきますけれども、1日当たりの最大検査処理量については、こちら(モニター)に書いてあります1日当たり1500人分、プラスアルファという検査能力が拡充される見込みということでございます。
 続いて、クラスターへの対応の強化についてでございます。第2波の特徴でございますけれども、介護施設や医療施設等でクラスターが発生いたしました。初動対応の重要性をあらためて認識したところでございます。またいったんクラスターが発生いたしますと、単独の保健所だけではマンパワー、ノウハウの点で対応が困難でございます。道はもとより保健所設置市、医療機関、事業所等が機動的に連携し対応していくことが極めて重要ということでございます。特に介護施設、医療施設等でのクラスターに伴う感染者数は、これまで本道で発生したクラスター全体の85パーセントと非常に高い割合となっているところでございます。クラスターとされているのが19カ所あって、そのうち13カ所、感染者数で考えるとクラスター全体の85パーセントが、こういった介護施設や医療施設等でのクラスターということでございまして、ここに対する対策は極めて重要ということです。施設内には疾患を抱えている方も多いことから、早期の対応が不可欠でございます。今後の第3波に備えて、すでに体制は整えているところでございますけれども、今回の対策では医療従事者や介護職員等の応援派遣、帰宅困難従事者への宿泊支援、そのことに要する経費を新たに確保し、さらに万全の備えを講じていこうということでございます。
 そして次に、今後の社会経済活動を段階的に拡大していくための基本となる考え方について説明したいと思います。これまでも、感染の少ない市町村では域内の消費喚起に向けまして、プレミアム商品券ですとかクーポン券など独自の取り組みが進められているところでございますが、今後の感染状況に応じて(モニター画面を指し)振興局管内といった地域のエリア、道内、国内、海外ということで段階的に拡大していく、そういった考え方でございます。こういった社会経済活動の範囲、そういったレベルということを段階的に拡大していくということでございます。その際に、常に将来を見据えて取り組みを行っていくことが重要であると考えています。例えば現段階での、この振興局内、または道内といった取り組みの過程におきましても、地域の皆さまが地元の魅力を再確認する。また、その地元の魅力を再確認していただいた中で、その地域内から外に向けて効果的に発信していく、こういうことが重要だと思います。
 またこの「新北海道スタイル」の磨き上げなどを進めまして、将来国内の皆さん、また海外の皆さん、そういった方々に北海道に自信を持ってお迎えするという素地をつくっていくことが重要だということでございます。北海道が(新型)コロナ(ウイルス発生)以前の活力を取り戻していく、そういうためにもこうした視点に立った経済対策を順次展開していこうという基本的な考え方でいます。こうした施策の一環として、では、何をやるかということですけれども、まず地域ということで全ての振興局ごとにモバイル端末を活用したスタンプラリー、こちらを実施したいと思っています。振興局管内にいくつかのチェックポイントを設けまして、モバイル端末で立ち寄ったポイントを認証するという形です。参加者にはスタンプラリーの過程で地域の飲食店や名所にも立ち寄っていただいて、さっき例えばということで申し上げましたが、その地域の方が地域の魅力をSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて発信していただく、こういったことをぜひやっていきたいと思っています。この取り組みを通じまして、ふるさと、地域の魅力を再発見していただいて、地域経済の好循環を生み出してさらに道内外に向けた地域のセールス、こういったものに地域の皆さんのご協力いただいてつなげていくことを期待するものです。
 次に、道内旅行商品割引、通称「どうみん割」についてでございます。こちら冒頭でも申し上げましたけれども、本道では全国で唯一、第1波、第2波ということを経験してきた地域でございまして、全国の他の地域以上に長期間にわたりまして経済的ダメージを受けてきたところでございます。特に本道のリーディング産業の一つであります観光業は2月初旬からのインバウンド観光客の激減を端緒に、国内、道内と観光需要が大幅に減少いたしまして、甚大な影響が生じているというところでございます。こうした状況を踏まえまして、感染拡大防止の徹底を図りながら、道内の観光需要を喚起するための旅行商品割引事業を7月より実施してまいりたいと考えているところでございます。感染リスクの観点から、対象は道民の皆さま限定ということでございますけれども、そもそも道内では観光客数の85パーセントが道民の皆さまが占めているわけでございまして、全国のどの地域よりも割合が高いのです。ですから、この「どうみん割」をやる、そして道民の皆さんがそういったものをご利用いただくというのは、まさに全国で最もその必要性または可能性が大きいと言えるのではないかと思っています。本当に厳しい今の道内の状況を踏まえまして、こうした大きなシェアを占める道民の皆さまを対象にしたものにしたいと思っています。こちらの事業でございますが、都道府県単位では現時点で最大の規模になると見込まれる割引総額は23億円を計上いたしまして、大きな需要創出の効果が期待できると同時に(道内観光の)85パーセントを占める道民の皆さまの手で、「観光立国北海道」、ここを再び盛り上げていく、つくり上げていくきっかけにしたいと思っているわけであります。また割引の対象となる宿泊施設でございますけれども、「新北海道スタイル」を実践し可視化していただくことを条件とし、道民の皆さまにもその条件を十分踏まえた上でご利用いただく仕組みとしたいと思っています。観光業は道内産業の中でも感染防止対策にいち早く取り組んできた業種でございます。この事業を通じてさらに感染リスクを低減する取り組みを積み重ねまして、国内そして海外からの誘客に向けた足固めとなる、そういった事業にもしていきたいと思っています。先ほど説明したスタンプラリー、これは地域におけるものでございますけれども、この参加者、そして「どうみん割」、これは全道で展開される予定のもの、こういった利用者の皆さんには施設を利用した際に感染症対策に関する満足度や改善点などについてもアンケートを実施していきたいと思っています。この結果を事業者にフィードバックすることによりまして、さらに道内から国内、海外へとステップを踏んでいくに当たってさらなる工夫につなげていく、そういったことによって、道としての今後の取り組みにも活用し展開していきたいと思っています。
 最後でございますけれども、文化芸術・エンターテインメント活動の再開支援についてでございます。ライブ・エンターテインメント産業については4月に道が行った業界別のアンケート調査、この結果によりますと、約9割の事業者の方から「売り上げが大幅に減少」という回答をいただくなど、感染症の影響を大きく受けているところでございます。こうした皆さまの事業活動の再開を支援するため、道として、ふるさと納税制度を活用いたしまして、全道、全国の皆さんから寄付を募ることといたします。目標額については1億円でございます。これを原資に、舞台芸術に携わる皆さま、アーティストの皆さまの公演・ライブ活動をはじめ、動画の配信など新しい事業活動を積極的に応援していきたいと思います。またこの事業とも関連するわけでございますけれども、本道のライブ・エンターテインメント産業に関わる方々が連携いたしまして、業界全体の発展のための支援活動を行う民間組織「北海道ライブ・エンタテインメント連絡協議会」が4月に設立されまして、今月から一般社団法人として本格的な事業展開を行う準備が進められているというところでございます。こうした団体の活動とも連携・協力しながらこの取り組みを進めていきたいと思っています。全国から広くふるさと納税という形でこういった活動の応援を行っていくというのは、おそらく全国で初めての試みだと思いますので、さまざまな課題等もあると思いますが、取り組みをしていきたいと思っています。
 以上が今回の補正予算のポイントでございます。これらの予算につきましては、道民の皆さまの安全・安心、本道の社会経済を立て直す、このことに向けまして1日も早い対応を要するというものです。2定議会(北海道議会第2回定例会)でご審議いただき、可決いただいた際には、速やかに事業に着手する予定でございます。また国の第2次補正予算、国会の審議状況などを踏まえながら、今回、第3弾でございますけれど第4弾となる追加対策の検討も進めているところでございまして、時機を逸することのないようスピード感を持って対応してまいりたいと思います。
 私からは以上です。

記者からの質問

(北海道新聞)
 今ご説明がありました補正予算について、お伺いいたします。スピード感をもって対応したいということで、この補正予算案については先ほど議運(北海道議会議会運営委員会)の理事会のほうで道として定例会初日の冒頭で先議することを要請されたというふうにお聞きしております。先議することについて、一部野党のほうから、やはりしっかりと議論をすべきだという異論が出たりしているわけなのですけれども、コロナの対策予算を巡ってはですね、5月の中旬、専決処分を行ったことについても野党側から異論がございました。こういったスピード感を持った対応を重視されるというのはもちろんだと思いますけれども、議会議論をやはりしっかり丁寧にしてほしいという野党側からの声についてですね、どのように知事として受け止めていらっしゃるか、お聞かせください。

(知事)
 提出案件に係る議決の方法ですとか、その時期などについてでありますけれども、道議会の皆さまに対しましては、まずこういった提案をさせていただく内容について丁寧にご説明させていただくということが極めて重要だと思っています。今後、方法や時期については、道議会において決定されるものと考えています。

(北海道新聞)
 それでこの、今回の第3弾を私なりにちょっと見てですね、まだ全然熟知していないわけなのですが、例えば農畜産物のですね、カット加工施設の整備ですとか、この辺に8億円ですとか10億円規模の予算計上がされているわけなのですけれども、この辺はやっぱりスピード感を持って対応しなくてはいけないものなのでしょうか。

(知事)
 野菜の加工のお話でございますけれども、カット野菜の需要というのはあるわけでございますが、そういった加工が滞ることによって、農産品の流通に支障を来す部分が現実としてあるわけでありまして、そのことに対して予算措置を国のほうでも考えている中において、速やかに対応することが適切であろうということで計上しているものです。それは一つの例だと思いますけれども。

(北海道新聞)
 あと一方でですね、そのスピード感とかという議論とは別でして、「どうみん割」について今縷々(るる)ご説明いただいたわけなのですけれども、仮に第3波がかなり大きい形で、なるべく波は少ない方がいいわけなのですけれども、大きい形で到来した場合というのは、この辺の予算執行についてはどのように現時点では想定していらっしゃるのでしょうか。

(知事)
 まず、感染状況はもうとにかく抑えていかなければならないのですが、「どうみん割」について今回北海道単独でこういった事業をやろうという背景ですけれども、やはり7月、8月というのは北海道観光にとって非常に重要なハイシーズンなのですね。そういう状況の中で、一方で国の「Go To キャンペーン」、詳細がまだ明らかになっていないというのもありますし、一部国会でのやりとりなどを見ていると、さらに事業開始時期も遅れるだろうというような話もありまして、そういった状況の中で一方で業界としてはかなり深刻な影響を受けているということがあるわけですね。ですから、この「観光立国北海道」を再生していくためには、これは国の動きにかかわらず、道として単独でこういった事業を実施していく必要性があると考えまして、まず提案させていただくという内容です。当然、これはあってほしくないのですけれども、感染拡大の兆候などそういったことがあった場合につきましては一時停止する、そういったことも含めて対応していこうと考えています。

(北海道新聞)
 すみません、最後になります。今、知事からの説明の中ではなかったのですけれども、事前のレクチャーでですね、減額補正を11億円程度するというご説明がありました。オリンピック等で延期になった経費とかイベントなど使えなかった経費を減額して必要な予算に回すということでして、この11億円ということなのですけれども、削減効果については、知事としてはどのように評価していらっしゃいますでしょうか。

(知事)
 事業整理については、この記者会見の場でもしっかりと事業実施の状況などを整理してということでお話をしてまいりましたが、オリンピックの開催延期などが確実なものとなった一方で、新型コロナウイルスへの対策について、財源が限られている中で対策を打っていかなければならないということから、検討を進めてきたものであります。現時点において整理できた額の規模がそういった金額であるということで、認識しております。

(北海道新聞)
 今後、この整理を進めていって、さらに削減効果を高めていきたいというふうにお考えでしょうか。

(知事)
 そうですね。事業実施については関係する機関などもございまして、事業実施の可否について現時点で答えが出ていないものもありますので、そこは継続して当然、考えていかなければならないと思いますので、こういった事業の見直しというのは適切にこれからも行っていきたいと思っています。

(北海道新聞)
 またちょっと1次産業に関連した感じで伺いたいのですけれども、輸出先国市場変化対応施設等緊急整備事業費で10億9千万円くらい計上されていますけれども、その今、農作業の現場は人手不足ですとか、まだ続いている牛乳需給の混乱ですとか、国内向けの市場の生産流通体制を守っていくだけでもなかなか厳しい状況の中で、ちょっと輸出向けに予算を組まれたというのはちょっと一足飛びな気もするのですが、そこはどういう狙いなのでしょうか。

(知事)
 それは国内流通も海外に向けた対策も当然やっていかなければいけないと思っております。国の有効なメニューを活用するなど、そういったことも踏まえて予算編成に当たっては考えておりますので、当然国内におけるそういった流通、例えば物産展などがずっと実施がかなわなかった。その中でインターネット販売などを前回の部分で挙げましたけれども、今度は百貨店などとしっかり連携した取り組みなど、そういった国内向けの消費喚起策ということも当然やっていかなければならないと思っていますし、そこはそういったメニューが目に付くかもしれませんが、考え方が変わっているとかそういったことではございませんので、両方重要であると考えています。

(朝日新聞)
 数点あるのですが、まず最初に先のレクチャーの資料に基づいてお尋ねする形になって恐縮なのですけれども、道産花き緊急消費拡大促進事業、金額としてはわずか150万円ほどではありますが、どうしてその花きだけを、しかも道庁の本庁舎とかですね、今日も飾ってありましたけれども、ああいうところの展示に緊急でする意味というか、これを選ばれた理由というのはどういったものがあったのでしょうか。

(知事)
 そういった見方もあるのかもしれませんが、北海道は花きの生産においては一大産地でございまして、その消費が大変落ち込んでいるという状況の中で対策が必要だということで、生産者の方からもそういった強い声があるのも事実でございます。報道などでも取り上げられておりますけれども、残念ながら非常に丹精込めて作った花が廃棄される状況などもあるわけでありまして、そういった中で(国の)メニューがあるわけですから、そこはしっかり生産者の皆さんに寄り添う対策として実施するものであります。金額については(いろいろご意見)もあるのかもしれませんが、そういった生産者の皆さんの苦しい実情があることにもご配慮いただければありがたいと思います。

(朝日新聞)
 すみません、その点で1点だけなのですけれども、おっしゃる意味は分かるのですけれども、その費用対効果とか、何を目指しているのかというのがもう一つ分かりにくい施策の一例だと思うのですけれども、これも例えば施策(として)150万円分の花を買う。振興局とかは訪れる人も限られているわけですよね。一体何を目指しての施策の例というふうに知事はお考えでしょうか。

(知事)
 これは全国でそういった、お花の生産なども行われていまして、国民の皆さんにもお花を、厳しい状況の中で生活の中に取り入れていただきたいという中で、全国各地で展開される取り組みでありまして、確かに一人ひとりの力は小さいかもしれませんが、生活の中でそういった消費が取り込まれる、またその意識をしていただくことによって、厳しい態勢の中にある産地の応援になると思っておりますので、その点についてはそういった理解の中で事業を展開させていただきたいと思っています。

(朝日新聞)
 すみません、次2点目なのですけれども、今回一つの知事のプレゼン(プレゼンテーション)でも冒頭のほうに持ってこられていらっしゃった「新北海道スタイル」の促進事業なのですけれども、それなりの金額がびっちりついているわけですけれども、確かにこういう啓発事業というのは重要だという理解はできるのですけれども、ただこの金額をつけて、今度何を評価軸にしてこの施策がうまくいったというふうに判断されるご予定なのか、単なるPRであればこの金額をつける意味があるのかどうか、いろいろあると思います。知事はどのようにお考えでしょうか。

(知事)
 先ほどご説明させていただきましたけれども、この事業はPR予算だけではありません。この記者会見の場でも、(道庁や市町村の職員が「新北海道スタイル」が実践できているか確認をするのかという)ご質問を頂き、なかなかそれは難しいのですというお話をさせていただいたところでございまして、一方で商工会など地域の皆さまにお力添えをいただきまして、そういった巡回訪問をしていただくことによって、地域で感染リスクを低減させていく取り組みをすることによって、実効性を高めていく取り組みなども盛り込まれているところであります。ですから第2弾の中では、まず動機付けと言いますか、支援金の中で「新北海道スタイル」に取り組みましょうということでやったりだとか、専門家の派遣だとか感染予防策を実際に打つための補助だとか、そういったものを打ちましたので、第3弾としてはさらにその実効性を高めるための取り組みも盛り込まれております。やはりPRも大事ですけれども、地道な地道な作業かもしれませんけれども、そういったものを積み重ねていくことによって、(新型)コロナ(ウイルス)に強い社会、北海道ということにつながっていく、そういう目標をぜひ達成していきたいと思います。

(朝日新聞)
 すみません、1点だけなのですが、その(新型)コロナ(ウイルス)に強い社会がこの「新北海道スタイル」を実行することによって可能になると、そういうふうにお考えであると、そういう理解でよろしいでしょうか。

(知事)
 そうですね。新たな生活様式ということで国で示されましたけれども、利用者の方、事業者の方、それぞれ業態や、またガイドラインなども出ていますけれども、その施設規模やいろんな状況によって、対策は正直、一通りではございません。そしてこうやれば全ての感染リスクが等しく低減できるというものもなかなか難しいところで、世界でも日本でも手探りではありますが、一つ一つそういった感染リスクを低減する取り組みを積み重ねていくことが、社会経済活動と感染リスクを回避するということを両立しながら、なんとか治療法やワクチンができるまで社会経済を回していくということに寄与すると思いますので、その点は力を入れて取り組んでいく必要があると考えています。

(朝日新聞)
 すみません、最後なのですけれども、モバイルスタンプラリーのほうなのですが、いただいたポンチ絵を見ますと、自宅とかがあって地元においてGPSをスマホで使ってウロウロしてというそういうシステムのようなのですけれども、二つちょっとご確認したい点がありまして、一つはその自宅の情報とかをGPSで捉えたものを提供し、そしてその自分の地域の周りを回ると、それを提出するという意味で、情報管理のあり方としてどういった配慮がされているのかというのが一つ気になります。それともう1点は、他のものというのは道内でということで広がりもあると思うのですけれども、振興局、自分の住んでいる振興局管内でという考え方になると、振興局の区域というのは必ずしも生活圏とも密着していないと思いますし、場合によってはかなりいろんなショッピングとかが難しい振興局もあろうかと思います。山がちのところがあったりとか、海がちがあったりとかですね、ちょっとその全体的にフラットに何かこの事業をするのは、北海道の場合、振興局単位では難しいのではないかと思うのですが、この2点、知事はどのようにお考えでしょうか。

(知事)
 今、感染対策のあり方も、地域単位でアラートを出すなどの取り組みを進めていこうということであります。また振興局において、こういった地域の魅力の発信というのも振興局管内の市町村などと連携して取り組みを積み重ねてきた歴史が北海道はございます。あらためて地域の魅力を発見していただくとともに、そういった個人情報の観点からは十分位置情報などに留意する必要は当然ありますけれども、どういった皆さんがニーズを持っていらっしゃるのか、また巡っていただくところに対しても、先ほど申し上げたような感染リスク対策、「新北海道スタイル」の取り組みの中で地域における課題などはないかということも考えておりますし、そういった地域単位で取り組みを積み重ねていくことは一つ重要だと思います。今お話のあった振興局において課題があるのではないかという話については、当然あると思います。振興局が持っている資源もさまざまでありますし、ただそういった課題についてもあらためて把握することが今後の誘客にもつながってくると思いますので、それぞれ振興局という単位でこの取り組みを進める一定の意味があると考えています。

(STV)
 クラスターへの対応強化というところで、特に介護職員の応援派遣ということなのですけれども、医療機関と事業所などが連携して対応ということですが、具体的にどのような仕組みを想定されているのかというのを教えてください。周辺の施設から募集を募るですとか、道がどの辺りを主導してやるのかというところです。

(知事)
 社会福祉施設だとか、そういった施設において現にクラスターが発生したわけです。陽性確認された方というのは入院が基本なのですけれども、軽症の方ですとか、地域の感染拡大ですとか、病床等の状況とともに、入所者の方の介護の状況ですとか、また障がいのある方などの障がい特性なども十分に考慮の上で症状等に合わせた適切な医療のみならず、福祉サービス、そういったものを提供する観点から入所施設等で療養する場合があるというのが現実です。その中で今適切なゾーニング(に基づく)生活空間といった対応がやはり重要であるということで、施設療養体制の整備ですとか、また、施設の職員が感染などによりまして不足するということになれば当然応援が必要だということ。またその応援に入られた方のみならず、長時間にわたってそういった施設で働かれることによって、宿泊施設などを利用することなどもあるということがございますので、そういった帰宅困難となる方々に対する宿泊の支援ですとか、そういったメニューというのをしっかり整えていかなければならないと思っています。また、それぞれ専門家の派遣ですとかそういった情報を共有して、適切に対応していく枠組みが必要だろうと考えています。今も対応しているのですが、今後の具体的な対応としては、応援可能な法人ですとかを登録していただいて、そして当該施設等のサービス種別に応じて登録していただいている協力施設などの職員、そういった方々に依頼してちょっと応援に入ってくれませんかとか、そういった枠組みを整えなければいけないと思っています。今は発生したときにみんなで相談、連携して対応しているのですが、しっかりとした体制を整備して登録していただいて、そして必要な財政支援だとか、そういうメニューをしっかり運用していくという形で移行していきたいと考えています。

(STV)
 体制を確立する目標時期などは想定されているのでしょうか。

(知事)
 ニーズが当然現にあるので、今の体制で走りながら、できるだけ早くそういう枠組みを作っていきたいと思っていますが、予算議論などがありますので、可決いただき次第、準備を直ちに進めていきたいと思います。

(STV)
 すみません、あと最後にもう1点、「どうみん割」なのですけれども、割引総額23億円というところで、これは何かデータに基づいた金額なのでしょうか。

(知事)
 そうですね、以前「ふっこう割」といった支援メニューを行ったわけですが、そういった前回の状況や、北海道観光は先ほど7月、8月もハイシーズンですよと話をしましたけれども、そういった需要なども踏まえた対策ということで算出しています。

(北海道新聞)
 予算のことについてお伺いいたします。新型コロナウイルスに関する緊急対策として、今回第3弾ということで300億円計上したわけですけれども、第1弾から第3弾までの合計で1411億円と、かなり大きな金額になっています。この間は財政調整基金などを取り崩したりもしておりますが、第4弾も検討しているとのことでしたけれども、道財政に与える影響についてどのようにお考えになっているのか教えてください。

(知事)
 この点につきましては、前回第2弾の支援金を皆さまにお届けするに当たって、臨時交付金186億円、それを残っていた32億円を全て使っても足りないということで財政調整基金を取り崩して対応したという状況がございます。そういった財政的に厳しい状況の中で、さらにこの第3弾を行わなければならないという状況でありまして、先ほど申し上げたような、オリンピックの延期などに伴う11億円相当の捻出であったり、また財政調整基金におけるそういったさらなる活用なども踏まえて、この財源対策を行っているところであります。一方で、国に対して強く飛躍的増額をお願いしました臨時交付金でございますが、前回は日本全体で1兆円だったのですよ。それが、今議論されているのは2兆円、前回と合わせると3兆円という状況で考えられていると。内示額は分かりませんので、われわれとしては北海道は優先的に重点的に臨時交付金を充てていただきたいと思っておりますけれども、そういった国全体での確保状況を見れば、何とかこの第3弾の対策ということが予算上組めると思っているところです。引き続き国に対しては、重点配分なども強く要請していきたいと思っています。いずれにしても、財政状況が厳しいのは間違いありません。

(北海道新聞)
 あともう1点お聞きします。公文書の管理についてなのですけれども、政府は新型コロナウイルスの対策を検討する専門家会議の議事録を作成していませんでした。この専門家会議は、今われわれに広く浸透している「3密」回避の予防策ですとか、あとは緊急事態宣言の解除基準など、その政府の方針に大変大きな影響を与えているわけですけれども、政府は政府の意思決定の場ではないとして議事録の作成の対象から外しています。このことについて知事の立場で、その政府の対応をどのようにお考えになっているのか、知事としてのご意見をお聞かせください。

(知事)
 議事録が作成されていないということでございますけれども、私は専門家会議が終わった後に、専門家の方がそれぞれ会見を結構長時間にわたってされていまして、そこで結構いろいろなそれぞれの皆さんの考え方、記者の質問を受けながらお話をされている姿を見ました。ですから議事録は作成していないということですけれども、どういった過程でこういった決定になっていったのかということについては、会見も含めて、ある意味では説明していく責任というのがあるのではないかと思っています。と言うのは、私はそういう意味では会見とかを見ていましたけれども、どちらかと言うと、毎回そちらを長時間にわたってご覧になっている方というのは国民の中で少なかったのではないかと思いますから、そういった意味では、あの会見などを総合的に見ると、一定のこういう議論があったのかなと、国民の一人としては推測できるところはあるのですけれども、そこを分かりやすくやはり政府には説明していただくという必要がよりあるのではないかとは思っています。

(北海道新聞)
 例えば、今後の検証のためにも議事録だとかは残したほうが良いというふうにお考えでしょうか。

(知事)
  これは国が考えることだと思いますけれども、新型コロナウイルスの対応が与える影響というのは、すごく大きかったところがあると思いますから、いずれにしても不足していると思われる点が国民の中にあるということであれば丁寧に説明していく責任が政府にあると思っています。今申し上げたように会見など全部通して見れば、いろんなことが分かるのかもしれませんが、なかなか皆さんお忙しいですし、そういった時間が取れない方も多くいらっしゃると思いますので、今後多分国のほうでも対策の振り返りというか、今はまだ取りまとめはしないとおっしゃっていましたけれども、どこかで取りまとめをされるのだと思いますので、その中でも説明していくことが求められるのではないかと思います。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

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