知事定例記者会見
- 日時/令和2年6月18日(木) 19:30~20:19
- 場所/記者会見室
- 記者数/23名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 第2回定例会開会及び新型コロナウイルス感染症対策について
記者からの質問
- 新型コロナウイルス感染症対策について(1)
- 新型コロナウイルス感染症対策について(2)
- 新型コロナウイルス感染症対策について(3)
- 室蘭沖での商業捕鯨再開について
- 新型コロナウイルス感染症対策について(4)
- 新型コロナウイルス感染症対策について(5)
知事からの話題
第2回定例会開会及び新型コロナウイルス感染症対策について
私からお話しさせていただきます。まず、道内におきまして新型コロナウイルスの感染によりまして、本日1名の方がお亡くなりになりました。お亡くなりになった方に哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の方々に心からお悔やみを申し上げます。
一昨日から、新議会庁舎での最初の議会となります、令和2年第2回定例会が開会いたしました。このたびの議会では、第3弾となります新型コロナウイルス感染症の緊急対策など総額約320億円の補正予算案や11件の条例案を提案しております。この補正予算案については、先に可決いただきました。道として徹底した感染防止対策、さらには社会経済活動の段階的拡大に向けまして、速やかに事業着手してまいりたいと考えております。明日からは一般質問が始まりますが、新型コロナウイルス感染症への対応をはじめといたしまして、道が直面する重要課題に関して議員の皆さまと真摯(しんし)な議論を積み重ねていきたいと思っております。
次に、新型コロナウイルス感染症の動向についてでございます。特定警戒都道府県に指定されて以降、1週間の平均値を表にまとめているところでございますけれども、本日までの状況が、こちら(モニターの表)でございます。新規感染者数につきましては、1週間平均で6.4名ということでございまして、リンクなし、感染経路が追えない方の1週間平均が1.9名です。入院患者数が本日時点で100人を切るという状況になりました。これは多分、4月の上旬(4月12日)以来、100人を切るという状況だと思います。入院患者数、これは宿泊療養施設入所者を除いているのですけれども、5月7日が383人、それを考えると300人ぐらい減少しているという状況でございます。休業要請を解除したのが6月1日でございましたので、それからだいたい3週間弱たっているわけですが、新規感染者数、そしてリンクなし、感染経路が分からないという方の状況等が、著しい増加、感染拡大兆候ということは見られないことから、当初の予定どおり明日6月19日から、次のステップでありますステップ2に移行することにしたいと思います。これまでのステップ1で言いますと、接待を伴う飲食店、ライブハウス等への外出、他都府県と札幌市との不要不急の往来について、慎重に対応ということでお願いしてきたところでございます。先ほど、安倍総理が会見されておりました。国のほうとしても他都府県、北海道も含む往来については国としても解除していくとお話をされていましたけれども、明日からは、こちらに示したとおり、そうした方針を踏まえまして、これらの制限を解除することといたします。
一方で引き続き、道民の皆さまには、手洗い、せきエチケットなど新しい生活様式、こちらを実践いただきたいと思いますし、また、施設の利用に当たりましては「新北海道スタイル」、こちらを実践されているかどうかを確認いただいて、引き続きご利用いただきたいと思っております。なお、他の地域において夜の会食の機会などで新たな感染者の発生が確認されている状況などもありまして、今、他都府県への移動を慎重にというところがなくなるわけですけれども、そういった移動先においては、ご注意いただくことなどが注意喚起されている場合があります。ですので、新たな生活様式を徹底するなど、道民の皆さまお一人おひとりがそういった感染防止対策について気を付けていただきたいと思っています。
北海道では、第1波に続いて第2波とも言われる感染拡大が起きました。その中でやはり、3月下旬から4月中旬にかけまして、帰国者、帰省者、転勤、入学など、人の移動に伴いまして感染拡大が起きたということについて、皆さまも記憶にあるかと思います。こういった移動が増えることにおいては、注意しなければならないところがございますので、こういった経験も踏まえて注意を重ねていただきたいと思います。
これまで慎重に対応いただくようお願いしてきました、接待を伴う飲食店やライブハウスなどについてですけれども、こちらについては、ガイドラインができていなかったのですが、先般、6月13日に業種別のガイドラインが策定されたところです。ですので、事業者の皆さまには、これまで取り組んできていただいたことはもちろんのことといたしまして、ガイドラインができましたので、そのガイドラインの徹底というところもお願いしたいと思いますし、また、利用者の皆さんにもそういった徹底がなされているかということを確認いただいて、ご利用いただきたいと思っています。
また、事業者の皆さまに対してでございますけれども、コロナ通知システム、こちらをすでに積極的にご活用いただいているところですけれども、事業の再開に当たりまして、こういった通知システムの活用ということもお願いしたいと思います。また、イベント等の開催制限についてでありますが、こちらも明日6月19日以降、屋内・屋外イベントともに千人以下に緩和するということです。屋内イベントでみると、これまで100人ということでしたので10倍の対応という状況になるということです。これはイベント開催に当たっての注意ということでお話をさせていただいていますが、重ねて皆さんにお話をさせていただきますと、入退場時の制限ですとか、十分な距離の確保などの適切な感染防止対策、こういったことを実践していただきたいということに加えまして、参加者名簿の作成や先ほど紹介したコロナ通知システム、こういったものを活用いただくなど、準備が整ったイベントから再開していただきたいということでありますので、この点についてはご注意いただきたいと思います。先ほどからお話をしています、コロナ通知システムでございますが、こちら6月18日時点でございますけれども、約3800の施設で登録いただいているところです。現在、すすきの地区の接待を伴う店舗を中心といたしまして、戸別訪問により、登録の依頼を行っているところです。今後イベントの開催に当たりましては先ほど申し上げましたけれども、ご活用いただければと思っています。
また、最近感染確認が続いております昼間のカラオケ、いわゆる「昼カラ」と言われていますが、ここでの感染事例が複数見られたということがあります。このことを踏まえて、先週でございますが、札幌市などと連携いたしまして、スナックや喫茶店などの約8500のカラオケ設置施設に対しまして、「新北海道スタイル」の徹底などの注意喚起を行ったところでございます。これからも「新北海道スタイル」の徹底をお願いしてまいりたいと思っています。そして、利用する皆さまにもくれぐれもそういった感染対策をしっかり確認していただいた上で、適切にご利用いただくことが必要ということをお願いしたいと思います。
次でございますが、「経営持続化臨時特別支援金」いわゆる第2弾支援金の給付企業の取り組み状況について整理したものであります。スタッフのマスクの着用、接触機会の低減など全ての項目で高い意識で取り組んでいただいていることが(モニターの)この数字を見ると分かると思います。前回第1弾の支援金の取り組み状況ということで同じくそれぞれ棒グラフでお示ししたところですが、第2弾についてもそれぞれ7つの項目の取り組み状況について、ご回答いただいたということです。それがおおむね80パーセントを全ての項目で超えているということでありまして、本当に多くの皆さまに、事業者の方々に積極的に取り組んでいただいていることでありまして、皆さまに心から感謝申し上げたいと思います。それぞれの業種ごとにガイドラインなどもさらにバージョンアップされていくことがありますので、そういった意味では、答えを出していく、さらに磨き上げていくということが必要となると思いますが、まずは中間の報告として、皆さまにお知らせしたいと思います。
そして、第1弾の支援金の支給状況についてであります。これまで、昨日の6月17日の時点で2万6664件の申請をいただいているところでございます。審査体制の強化などに努めまして、結果として明日5千件の支給ができるようになりました。合計で支給件数は約1万1千件の支給となるわけであります。現在、申請いただいているのが2万6千件ですので半分にいかないわけでございますけれども、現在、こういう取り扱い状況になっていることをご報告したいと思います。
また、第2弾でございますけれども、こちらにつきましては、昨日時点で1万2430件のご申請をいただいたところでございます。そのうちまずは1015件に対しまして、明日支給したいと思っております。こちらについても順次、支給件数をしっかり引き上げていきたいと思っております。道としては厳しい経営に直面している事業者の皆さまに対して、一日でも早くお届けできるよう引き続き取り組んでまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、「新北海道スタイル」の情報提供でございます。石狩振興局が先頭となって、管内の飲食店をはじめとする食産業の応援ということで、「オフィスで応援!テイクアウトキャンペーン」の取り組みを実施しています。こちら(モニター)の写真については、この趣旨にご賛同いただきまして、「新北海道スタイル」安心宣言を行っていただいております北海道コンサドーレ札幌がテイクアウトを利用している模様であります。こういった「新北海道スタイル」の実践が広がっていることをうれしく思いますし、多くの皆さまに引き続き取り組んでいただければと思っております。
また、「新北海道スタイル」安心宣言を明記した電柱広告のキャンペーンも行われております。こちらは、電柱1本当たりの広告料から2千円が、道の取り組んでおります「エールを北の医療へ!」に寄附される形になります。医療従事者への支援や医療用資材等に充てられる寄附でございますけれども、こちらに広告料から2千円ご寄附いただく形となります。ちょっと分かりにくいかもしれませんが、こちら(モニターの広告イメージ図)に企業名や広告スペースがありまして、7つの安心宣言とともに電柱に張られるわけですが、その広告料の一部をご寄附いただけるということです。こういった取り組みをいただいております北電興業株式会社に感謝申し上げたいと思います。
そして次に、7月1日からスタートする「どうみん割」ですが、大変多くの皆さまからお問い合わせをいただいている状況です。まずは「どうみん割」の制度の内容については、ホームページで既にご紹介しておりますけれども、6月25日木曜日から特設サイトを開設しまして、販売を開始する予定でございますので、もうしばらくお待ちいただきたいと思っております。どうやったら申し込めるのかとか、さまざまなお問い合わせが既に寄せられているところですが、6月25日木曜日に特設サイトを開設して、販売を開始しますので、もうしばらくお待ちいただきたいと思っております。この特設サイトですけれども、対象となる旅館、ホテル、旅行代理店などの情報を掲載いたしますので、そちらを通じまして、オンライン(や電話など)で予約することができるという形になる予定であります。なお、この「どうみん割」でございますけれども、感染が再拡大いたしまして、移動制限などの措置を講じる場合がありますが、その間は「どうみん割」の販売を一時停止しなければならないと考えております。ですので、そういったことにならないようにしなければならないわけでありますけれども、皆さまにも「新北海道スタイル」の実践徹底ということでご協力いただきたいと思います。
そして、先ほどからご説明しておりますステップ2への移行、段階的緩和についてですけれども、本日、秋元札幌市長、市長会会長の山口千歳市長や町村会会長の棚野白糠町長とウェブ会議を実施して、意見交換させていただきました。私からは明日以降の道の考え方について説明させていただきまして、参加いただきました皆さまからは、感染拡大防止と社会経済活動の両立に向けまして「どうみん割」などへの期待ですとか、「新北海道スタイル」への協力、さらには、感染の早期抑え込みを行う振興局別のアラート、こういったことなどについて、ご意見などをいただいたところでございます。新型コロナウイルスが当面ゼロになるという状況がなく、コロナと共存していく中での社会経済活動との両立ということにあっては、市町村の皆さまの協力が大変重要であり、必要だということでありまして、あらためてその点についても私からお願いを申し上げたところです。
先ほど安倍総理がお話をされたところでありまして、海外、ベトナム、タイ、オーストラリア、ニュージーランドとの往来制限を緩和すると表明されたということでございます。具体的にいつからどの規模でどうやるのかということについては、まだ私は分からないわけでございますけれども、これは水際対策の徹底ということで、この場所でいろんな形でお話をしてきました。海外の方はもちろんですけれども、国内の感染拡大地域からの移動についてもいろいろとお話をしてきました。例えば空港にサーモグラフィーを国として設置していただきたいとか、そういった水際対策というのは、残念ながら知事ができないところがすごく多くて、それは国にお願いするしかないのですけれども、そういった経験を考えますと、やはり国に対しては感染拡大をなんとしてでも防ぐという観点から、水際対策の徹底ということで検疫、今検疫で結構連日のように確認されているという状況があると思います。検疫や検査体制の強化、そして入国者の行動追跡の実施だとか、そういった徹底した水際対策、これは切にお願い申し上げたいと思っております。これはそれぞれの自治体が自治体の中で感染拡大防止対策をやっているわけでありますけれども、海外やそういった水際対策というのは国でしかできない部分がありまして、その点については、まだどういう中身かも分からないですけれども、徹底していただきたいということを切にお願いしたいと思っております。
最後になりますけれども、明日から社会経済活動を段階的に拡大していくということになるわけでございます。第2波、ここをしっかり抑え込む必要があります。また、第3波以降の波にしっかり備えていくということも同時にやっていかなければなりません。そして、道民の皆さま、事業者の皆さまにご協力いただきながら、「新北海道スタイル」こちらを実践していただきまして、新型コロナウイルスに強い社会、北海道をなんとしてでもつくっていかなければならないということでありまして、この節目にまた、皆さまにご理解とご協力を私からお願い申し上げたいと思います。
私からは以上です。
記者からの質問
(北海道新聞)
先ほどの対策本部会議の中で、知事がごあいさつされてですね、石狩振興局管内におけるアラートを発することの検討というような表現でご説明がありましたが、その石狩管内における明日以降のですね、アラートというのは、道の警戒ステージではですね、一日2例以上であれば、ステージ1の呼び掛けに当たるということなのですけれども、こういったことでよろしいのかということと、その検討ということですから、その辺の結論はいつ出されるのかということと、市町村との検討というのはそもそも必要なシステムになっているのかという、この3点を教えてください。
(知事)
基本的には、孤発(リンクなしの新規感染者)事例が2件発生いたしますと、そういった注意喚起を呼び掛けようということで設定されています。石狩管内、札幌市においては、そういった孤発事例が2件以上発生した日があります。今、胆振管内においては、アラートを出す基本的な基準として(新型コロナウイルス感染症対策)専門家会議でも指摘があった3週間という期間で呼び掛けをしています。ですから今、慎重な対応などが、一度全て解除に、札幌市も含めてなりますので、他の振興局と同じように(石狩)管内の皆さんとお話をして、アラートを出すかどうかという形で考えていかなければならないということを申し上げたところです。基本的には明日そのような対応について、方向性を出していくことになると思います。
(北海道新聞)
明日、ではその振興局が管内の市とか町と検討されると。それでは、あさって以降から適用する方向になっていくという、そういうことなのでしょうか。
(知事)
基本的には、「新北海道スタイル」の徹底を呼び掛けるような形になるかと思いますけれども、明日、基本的には呼び掛けを開始するような形になるのではないかと思っております。そもそも、石狩振興局管内については感染者数が多い状況がありまして、振興局において、アラートを出すという基本的な考え方を整理した時点でその点については準備しておりますので、その基本的考え方に沿って適切に対応していただけると考えています。
(北海道新聞)
関連しまして、警戒ステージ、新規感染者数とか、リンクとか基準が設けられておりますが、その中でも前の週との比較の中でですね、新規感染者数が増加しているという項目があるわけなのですが、現状としては今日までの1週間で45人で、その前の週、11日までの1週間では38人ということで、若干増加し続けている状況にあるわけなのですけれども、そういった指標とかみ合わない部分の違和感を覚える方もいらっしゃるのかなと思いますけれども、その辺のご見解はいかがでしょうか。
(知事)
そうですね、さまざまな指標を通して今の状況を押さえていくことが必要だと思っています。先ほど詳細には説明していないですけれども、われわれが注目しているのは振興局のアラート(呼び掛け)も孤発事例が1日2件と見ていますけれども、ある意味では今監視体制もかなり強化されていまして、感染ルートが明らかに分かる濃厚接触者については、確かに波があるのですが、孤発事例、いわゆるリンクなし、感染経路が分からないという方についてはこの3(1日のリンクなしの新規感染者数)を下回る形で基本的には低い水準で推移しているということがあります。それと、すごく大切なのは医療提供体制に対する負荷ですね。ここが順調に下がってきているということが一つの大きな判断材料だと思っています。こういったことも総合的に勘案して、今の状況というのを分析しますと、そういった兆候というのは、見られないと思っています。
(北海道新聞)
すみません、最後になります。おそらく来週にもですね、先ほどご説明があった定例道議会のほうに追加の補正予算の提案というのを今時点でご検討されていらっしゃるかと思うのですけれども、この補正予算の第4弾については、知事としてどこら辺にこれまでの第3弾までと比べてですね、力を置いて発信していきたいというふうにお考えでしょうか、お聞かせください。
(知事)
基本的には考え方の柱というのが大きく変わるという形ではないのですけれども、徹底した感染防止対策、これはもうしっかりやっていかなければなりません。そういった徹底した感染防止対策や社会経済活動の段階的な拡大、そして「新北海道スタイル」の展開、これが三つの基本的な考え方としてありますので、国の第2次補正予算に対応した形に当然なるのですけれども、こういった基本的な考え方を踏まえて、速やかに取りまとめていきたいと思っています。
(朝日新聞)
今の記者に関連しての質問になるのですが、昨日、自民のほうからの申し入れ等もありましたけれども、今おっしゃった今度の第4弾の補正に関してですね、自民の中で、その「新北海道スタイル」によるそのある種はっきり言えば不利益に対する補償を求めるような文言も含まれていたかのように思います。その辺りについて、つまりその新しい「新北海道スタイル」にまつわるそのことに対する補償についてはどのようにお考えでしょうか。
(知事)
(新型)コロナ(ウイルス)の感染拡大を受けまして、さまざまな事業者の方々が大きな影響を受けていますので、新しいスタイルを実践していくことももちろんですが、事業の継続や、さまざまな感染予防対策に対する支出が、経営が厳しい中でも求められるという状況などに対する対応というのは当然、今までも取り組んできておりますし、これからもそういった対応について考えていかなければならないと思っています。
(朝日新聞)
今日発表された中で残っていく要請する制限事項としては、屋内、屋外イベントに関しての人数があると思いますが、特に屋内においてはその50パーセントという収容率を打ち出しています。これはすなわち満タンになったという仮定でおくと、単純計算して収入が半分に減るということなのですけれども、そういった辺りの補償についてはどのように知事はお考えでしょうか。
(知事)
そういった減収の原因になりかねない感染予防対策の徹底について、さまざまなご意見があるかと思います。いかにしてこういった状況の中で、感染拡大を防止しながら、事業を継続するかということを皆さんと共に考えていくというのが、われわれとして必要なことだと思っています。こういった制限を受けた中での事業展開について経験があるという皆さんのほうが圧倒的に少ない状況にあるわけですから、その中でいろんな知恵を出していかなければいけないと思いますし、そのことに対する応援ということをしていく必要があると思います。
(朝日新聞)
最後になるのですけれども、今回の補正、国のほうの補正が決まったことによって、こういう補償に相当するような、これまでは支援金と言われた形でしたけれども、新たなそういった支援金なり、助成金なりをする余裕が今度の国からの補正で得られるとお考えでしょうか。
(知事)
今回の国の対策の中で、さまざまな対策が打たれておりますけれども、都道府県の知事や市町村長からも声が大きかった臨時交付金の飛躍的増額という意味では、われわれが求めていた2兆円を上乗せするという状況について、ご理解いただけたと思っています。まだ、内示などがないのでどういった配分の額になるのかちょっと見通せない中で、皆さん対策を今考えなければいけないという状況はありますが、その点については大変ありがたいと思っています。しかしながら、そういったいわゆるこの新たな生活様式、国としてはそういった言い方をされていますけれども、こういったステップの枠組みについても基本的に専門家の意見をいただきながら国として方向性を示しているわけですが、そのことによる影響というのは実際出てくるには、時間差が多分あるのだろうと思います。ですからそういった観点で、まずは事業継続をしていただけるための支援ということに、しっかり、国としても対策をしていただくことが必要だと思っています。
(読売新聞)
観光についてお伺いしたいのですけれども、今回ステップ2に行くことで他都府県との往来が認められることになりました。また、先ほど「どうみん割」についてかなり多くの問い合わせ、注目が集まっているというお話がありました。まずこの観光の国内、海外と段階的にその観光を進めていくというふうに基本方針でもうたっていると思いますが、観光のこの復興に向けての期待感というのを教えていただきたいのと、一方でさっぽろ雪まつりですとか、ビアガーデンですとか、観光客を呼び込む大きなイベントの中止や縮小というのが相次いでいます。そういった中で「どうみん割」は割引という形ですけれども、そのイベント事がなかなかできない北海道にどのように呼び込んでいくのかという戦略、今描かれているものがあれば教えてください。
(知事)
人が集まれば人の接触が増えるわけですから、この観光施策についてはやはり段階的に引き上げていく事業ではないかと思っています。地域でのレベルや道内のレベル、国内そして海外という段階で進めていかざるを得ないものだと思っています。そんな中、「HOKKAIDO LOVE!」プロジェクトということで、直接まだ来ることはできないけれども、北海道の魅力を伝えながら、終息後の機会というものも見つめながら、やれるべきことをやろうという動きであったり、また今「どうみん割」もそうですけれども、道内の入り込み客数でいえば85パーセントが道民の皆さまなわけですから、まずはそういった動きに対して政策を打っていく、やるべきことというのは時機を逸することなくしっかり行っていくことが、まずは必要なのだろうと思っています。この感染症の部分で言えば、正直、世界の感染状況がいつ、どのようになっているということをぴたりと予想できる方は多分世界にいないのではないかという状況がありますので、まずはしっかりと確実に一歩ずつ前進させていくことが、結果として皆さんの事業継続ですとか安心につながっていくと思っています。ですから、感染拡大によって前に進むところが後戻りしないように、慎重に皆さんとやっていきたいと思っています。イベントの部分もこれはまさに人が集まる、人が多く集まれば集まるだけイベントとしては盛り上がるのですけれども、感染拡大のリスクが上がるという話ですので、この部分も段階的に拡大していく中でやはり知恵を出し合って、イベントの主催者をはじめとしてどういった形で体制がとれるのか。まさに雪まつりも象徴的なイベントですけれども、原点回帰というお話がありましたが、そういった北海道の皆さん、札幌市民の皆さんに楽しんでいただく、こういったところに中心を置いて、コロナの時代の中での雪まつりを模索していこうと。大変なことではありますけれども、そこで答えを出すことによって、次につながるものにもなっていくのではないかと思いますので、こういった取り組みを北海道としてもしっかり札幌市を応援して、皆さんと形を作っていきたいと思っています。
(共同通信)
新型コロナとちょっと離れてしまうのですけれども、商業捕鯨について伺います。沿岸(捕鯨)操業の業者が、今後室蘭市を新たな拠点として室蘭沖で操業するということで、地元の漁協と合意しました。これに関する知事の受け止めを伺いたいです。また、7月で商業捕鯨の再開から1年となりますけれども、鯨肉需要の回復に向けて、道として今後どのような支援をしていく考えがあるのか、伺えればと思います。
(知事)
室蘭は本当に捕鯨基地として、ゆかりの深い地域でございます。(商業捕鯨が)30年ぶりに再開されることになりますので、地元でも大変歓迎の声が上がっていると聞いております。道民の皆さまにとって、鯨肉が一層身近なものになるということが、まず必要だと思いますし、今、高品質で高鮮度な鯨肉が流通可能になったということで、市町村や漁協、商工会議所などで構成する地域協議会、こちらと連携いたしまして、地域で開催されるイベントですとか学校給食での提供なども進めて、鯨を食べてきた世代に加えて、ほとんど食べていない若い世代の方々に食べていただくという需要喚起が必要だと思っています。いずれにしても、地域において大切な資源ということでありますので、そういった取り組みを通して、需要を喚起していきたいと思っています。
(朝日新聞)
先ほど知事、第2波をしっかりと抑え込みつつ、第3波に備えていかなければならないとおっしゃいましたけれども、先ほどグラフでもご説明いただきましたけれども、北海道の現在の状況について第2波は、終息しつつあるというご認識を知事はお持ちなのかどうかというまずそこを教えてください。
(知事)
第1波、第2波とよく言われますけれども、今、北海道を除く都府県でも第2波への警戒ということを言っていますが、われわれが言っている第1波、第2波というのは若干そのニュアンスと違うのかなと思っていまして、第1波、これは専門家会議でも言っていますけれども中国由来の第1波がありました。それを象徴的に受けたのが、ある意味北海道だと思っています。その第1波については、日本全体としても抑え込みが成功したと。しかしながら、第2波、欧米由来の部分について、かなり大都市を中心に大きな感染になったということだと思っていまして、ちょうどそこを第1波、第2波という形で受けたのが北海道ではないかと私は思っていまして、第2波の今の状況ですけれども、先ほど言ったように、一定程度抑え込めているという状況があり、終息に向かいつつあると思っております。先ほど申し上げたようないわゆる孤発事例が、リンクなしの、感染経路が追えないというところが増加傾向にあると非常に怖いのですけれども、そこも一定の水準以下に抑えられているということと、あとは最近、昼カラでの感染が多いのですけれども、そういった意味では特定のところに対して積極的に今呼び掛けを行ってPCR検査なども行っていますので、そこで一定の感染が確実に確認されているというところです。ですから胆振で突然リンクなしの方が二人出るということが、全道で出てきますと非常に警戒しなければいけないと思っていますので、注意喚起を早めに出していくということでそれを終息させていきたいと思っています。
(朝日新聞)
第3波と言いますか、次の波が来るかどうかというのは、まだ誰も分からないと思うのですけれども、ただ、知事は常々第3波が来るものとして備えをしておかなければならないというふうにおっしゃっていますけれども、何かシミュレーションとして、第3波が来るとすればいつどこから北海道にやってくるかみたいな想定はされているのでしょうか。
(知事)
具体的な想定というのは一般論として言われていることはあるかもしれませんが、この時期にこういった形でこれぐらいの感染が確認されるのではないかということは正直それは分からないのが多くの人の今の時点での知見だと思っています。ただ、このウイルスの特性として、やはり人との接触だとか、3密状態だとか、そういう中での感染拡大を繰り返してきたわけでありまして、これからどうしても社会経済活動を段階的に活発にしていくという中で、他の国においてもやはり一度終息した中でも感染が増加傾向に転じているような国もありますので、今まで言ったような北海道で言う第1波、第2波とそれは違って、おそらく第2波がまたぶり返すような意味での第3波なのだと思うのですが、そういったものも確認されております。また、日本、世界全体で治療法やワクチンが生まれていない中で、何かのきっかけで再燃するということになりますと、またそれは違った波ということになるかもしれませんが、今各都道府県で警戒しているのは、そういったぶり返しがまずあるのではないかということだと思いますので、当然、われわれはこういった孤発、リンクなしの感染者が確認されるということは、そこで複数の感染が見えない中であるということを意味していると捉えていますので、ここの確認が続いているということは、今はこの数字上は見えていない感染が広がっている可能性を絶えず念頭に置いていますので、そこをしっかり、このレベルでさらにこれ以下で抑え込んでいくということを全力でやっていかなければいけないと思っています。
(朝日新聞)
あと最後ですけれども、現在の感染症の専用病床ですけれども、これちょっと市町村などの協力も得ながら、どんどん増やしてきたかと思うのですけれども、道としてどこまで確保すれば、これは足りているというふうに認識されるのでしょうか。
(知事)
今、現在確保病床数として700床という数字と、感染拡大が広がった時のシミュレーション、要はみんなでそういった体制をどうやって作っていくかということを考える積み上げとして1500床という数字がありますけれども、国においても、感染拡大をシミュレーションした上で、各都道府県でこれぐらいいるのではないかということをやっているのですが、その病床数が妥当なのかどうかということも、国も恐らく今の状況を踏まえて、再検討するということも考え得るのではないかと思っています。いずれにしても今700床の確保病床に対して、現在97名の方が入院されていると。この他に宿泊療養施設で600室以上の部屋がありますから、そういうことで考えると今病床には一定の余裕がある状況です。今札幌市が患者数が多いですけれども350床というベッド数になっていますから、そこで見ても、一定の病床が確保されていると。ただ常に厳しい状況を想定していかなければいけませんので、そういったことを想定して地域における話を続けていくのと、あと宿泊療養施設ですね。これも今各圏域において議論しますので、こういったことも合わせてしっかりとした体制を構築していくということです。
(北海道新聞)
これまで三弾にわたって打ち出してきた緊急対策の検証、効果の検証についてなのですけれども、先日知事はその議会答弁で、専門家ですとか有識者からなるチームを作って検証することに前向きな考えを示されたかと思うのですけれども、そのチームはいつごろ設置してですね、いつごろまでにその検証結果をまとめたいのかというのと、あとそのチームの構成なのですけれども、道庁内部のチームに専門家を交えるような形にするのか、それとも有識者だけの第三者機関とか外部機関とするのか、その議論の進め方について教えてください。
(知事)
今のご質問なのですけれども、一部報道でその専門家チームを設ける方針を決めたような趣旨の記事があったというような報告を受けているところですが、そういった事実はございません。これまでも、道の(新型コロナウイルス感染症対策)専門会議というのがございまして、そういった専門家の皆さまにご意見をいただきながら取り組みを進めてきたところでありまして、これからも専門家にご意見をいただきながら適切に対応していきたいと思っております。
(北海道新聞)
今のところそういった何かこう有識者チームを作るお考えというのは今のところないと。
(知事)
一部報道でそういったことが記事になっているとお聞きはしておりますが、そういった事実はございません。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)