知事定例記者会見(令和2年7月10日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和2年7月10日(金) 14:30~15:10
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/24名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 九州等での大雨災害について
  2. 新型コロナウイルス感染症対応について
  3. 中央要請について
  4. 夏の交通安全運動の実施について
  5. ウポポイ(民族共生象徴空間)PRの取組について

記者からの質問

  1. 東京都の新型コロナウイルス感染者数について
  2. 中央要請について
  3. 新型コロナウイルス感染症の検証について(1)
  4. 新型コロナウイルス感染症の検証について(2)
  5. ウポポイの年間来場者目標100万人の達成について
  6. 「どうみん割」について
  7. 新型コロナウイルスの感染拡大防止対策について
  8. 災害時の社会福祉施設等の避難確保計画について

知事からの話題

九州等での大雨災害について

 私からまず、お話しさせていただきたいと思います。先週からの記録的な大雨によりまして、九州などでは堤防の決壊や河川の氾濫のほか、土砂災害も発生するなど甚大な被害が生じているところでありまして、あらためて水害の恐ろしさを認識しているところでございます。亡くなられた方々に対し、心から哀悼の意を表するとともに、行方不明の方々が、一日も早く無事で発見されることをお祈りいたします。また、被災された方々に、心からお見舞い申し上げます。
 道といたしましては、全国知事会や関係省庁と連携を図りながら、現地のニーズ等を踏まえ、被災地における必要な支援に速やかに対応してまいります。北海道でも、2016年に未曽有の大雨災害を経験しております。昨年の台風による本州での広域的な被害も記憶に新しいところでございまして、大雨災害は決して他人事ではないわけであります。今回、被害の大きかったところでは、未明から明け方にかけまして洪水や土砂災害が発生し、亡くなられた多くの方々は、避難するいとまがなかったという報道がなされているところでございます。
 道民の皆さまにおかれましては、適時的確な避難行動を取っていただくため、平時からハザードマップで自宅や職場の危険性を正しく判断し、安全な場所への避難をあらかじめ検討しておいていただきたいと思います。また、今回も高齢者福祉施設で多くの被災者が発生していることから、高齢者等、避難行動要支援者の方には早めに避難していただくよう、事前に備えていただくことをお願いしたいと思います。
 報道の方々におかれましても、こうした注意喚起についてご協力いただければと思います。

新型コロナウイルス感染症対応について

 次に、新型コロナウイルス感染症の動向についてであります。6月1日以降の1週間の平均値を表にまとめてございます。昨日時点でございますが、こちら(モニターの表)のとおりでございまして、新規感染者数は1日1.1名、リンクなしの新規感染者数が0.4名、入院患者数は53名となっているところでございます。
 6月以降、札幌市や小樽市内で、昼間にカラオケを提供する喫茶店やスナックにおける集団感染事案が6件、札幌市内の高齢者施設における集団感染事案が1件発生いたしまして、1日当たりの新規陽性者の1週間平均値が10名近くに増加した時期があったわけでございますけれども、最近の発生状況は落ち着いてきているところであります。
 また、感染経路が不明な感染者、いわゆるリンクなしの新規感染者の発生状況は、1週間平均で1名程度で推移しているということでございます。こちらでご覧いただけるとおり、今0.4名でございますけれどもずっと推移していることがお分かりいただけると思います。このような新規感染者やリンクなしの感染者の著しい増加など、感染拡大の兆しが見られないため、予定どおり本日7月10日から、ステップ3に移行することといたしました。
 イベント等の開催制限についてでございます。こちら屋内・屋外イベントともに入場者数5千人以下に緩和いたしまして、これまで無観客で開催されておりましたプロスポーツなどの観戦も可能になるものでございます。一方で、大規模なイベントの来場者には他都府県からの参加も予想されるところでありまして、引き続き「見えない感染」を念頭に置いて対応していかなければならないと考えているところであります。ステップ3への移行に当たり、イベントの開催などにあって、国から留意事項が示されているところです。施設管理者やイベント主催者の皆さまにおかれましては、この留意事項を踏まえまして、発熱等の症状がある場合は参加を控える、国の接触確認アプリ「COCOA」や北海道コロナ通知システムの活用、マスクの着用、手洗いの徹底、三つの「密」を避ける、などの感染拡大防止対策に取り組んでいただくとともに、イベント参加者の皆さんに対しまして注意喚起を促していただきたいと思います。
 また、道民の皆さまもイベントに参加される際には、こうした感染拡大防止に向けた取り組みを実践していただきたいと思います。また、道においては、札幌ドーム、(北海道)日本ハムファイターズ、(北海道)コンサドーレ札幌と連携いたしまして、札幌ドームで開催されますプロ野球とJリーグの試合において、北海道コロナ通知システムと国の接触確認アプリ「COCOA」を活用した感染拡大防止対策に取り組むこととしたところでありまして、こうした取り組みも参考にしていただきながら、適切な感染防止対策の準備が整ったイベントから開催していただくということをお願いしたいと思います。
 東京都内における感染でございますけれども、報道でも出ておりますとおり、昨日、東京都の新規感染者数が224名。先ほど入ってきた情報によりますと、本日新たに243名の方の感染が確認され、二日連続で200名を超え、また本日は過去最高を更新したという状況でございます。昨日の説明の中では、3400件を上回る検査を行った中での感染者数であるということを、小池知事がお話になられておりましたけれども、政府、国としても、危機感を持って注視するという発言があったところでありまして、道内においては、東京都との往来が多いわけでございまして、この感染状況について注視していかなければならない、その必要があると考えています。道民の皆さまには、お出掛けの際には、これは東京都に限ることではないのですが、訪問先の感染状況、そして訪問先でそれぞれ知事などが呼び掛けを行っている、そういった状況などにも留意していただいて、感染防止対策が十分取られている、そういった店舗を選んでいただくなど、道外に行かれる際もこの「新北海道スタイル」の実践を徹底していただいて、一人ひとりの皆さまが感染リスクを低減する行動を取っていただくようにお願いしたいと思います。
 さらに、例年北海道においては、気候が良く過ごしやすい7月から9月、こちら(モニターのグラフ)をご覧いただきますと分かりますとおり、この7月、8月、9月というのは従来であれば最も北海道に多くの方がお越しいただく時期でもあるわけであります。この点がまずあります。さらに、国のほうでは「GoToキャンペーン」を開始する予定であると、本日、(赤羽国土交通)大臣からもお話があったようでございます。
 この期間を通じて、北海道にお越しになられる方が例年であれば多いわけでありまして、多くの方がお越しになるということが想定されるわけであります。「新北海道スタイル」をより浸透、定着させていくために、こういった時期の背景がある中で、空港、JR、フェリーターミナルと協力の上で、連携してこの取り組みの強化を行っていきたいと思います。「新北海道スタイル」をより浸透、定着させるための取り組みを強化していきたいと考えております。観光やお仕事、帰省などで北海道にお越しになる皆さまには、オール北海道でまさに今取り組みを進めている、感染拡大防止に向けた「新北海道スタイル」の実践にご協力いただくようにお願いいたします。

中央要請について

 次に中央要請でございますが、2月29日、緊急事態宣言を独自に出した翌日、新型コロナウイルス感染症に係る要請を安倍総理に行って以来でございますが、今年度に入って初めて上京させていただいて、国費予算要望などの中央要請を実施したところであります。実施に当たりましては、東京都などの感染状況を勘案し、例年より人数を絞る、日程を絞るなど、感染対策に配慮を行って実施させていただいたところです。
 中央要請は、8日水曜日から9日木曜日の2日間にわたりまして、来年度の国の概算要求、予算編成に向けて、内閣官房長官をはじめ、各省庁の大臣や北海道選出の国会議員の方々などに対しまして、道の提案・要望を行ったものであります。主な内容といたしましては、新型コロナウイルスの危機を乗り越え、強靱(きょうじん)な社会・経済の構築を目指した「国の施策及び予算に関する提案・要望」のほか、「防災・減災、国土強靱化対策に関する緊急要請」、さらには「北海道開発事業費の要望」などを要請したところであります。
 また、併せて赤羽国土交通大臣に対しては、JR北海道に関連し、持続的な鉄道網の確立に向けた提言、こちらを行ったところであります。
  道としては、引き続き、新型コロナウイルスに強い社会の構築を図りながら、本道が直面する喫緊の課題の克服に向けまして、国への提案や要望を通じて、国や市町村と一体となって取り組んでいきたいと考えているところでございます。

夏の交通安全運動の実施について

 次に夏の交通安全運動の実施についてでございます。道内では7月に入り、5日から6日までの2日間で4件の交通事故が発生し、6名の方が亡くなるという憂慮すべき事態であることから、7月7日火曜日より「全道交通死亡事故多発警報」を発表させていただきまして、道民の皆さまに交通事故防止の呼び掛けを行っているところでございます。
 また道では、7月13日月曜日から22日水曜日までの10日間、「夏の交通安全運動」を展開し、「飲酒運転の根絶」などの4点を重点事項として掲げて、全道各地での啓発活動を実施させていただきます。とりわけ7月13日月曜日でございますが、「北海道飲酒運転の根絶に関する条例」に定められた「飲酒運転根絶の日」であります。かでる2・7で開催する決起大会には私も出席しまして、道民の皆さまに飲酒運転の根絶、こちらを呼び掛けることとしてます。
 道民の皆さまには「飲酒運転をしない、させない、許さない」を合言葉に飲酒運転の根絶、交通事故防止にご協力をお願いしたいと思います。例年でありますが、マスコミの皆さまにも積極的な報道にご協力をお願い申し上げます。

ウポポイ(民族共生象徴空間)PRの取組について

 最後に、ウポポイのPRについてでございますけれども、いよいよあさって12日日曜日に白老町でウポポイ、民族共生象徴空間がオープンということでございます。新型コロナウイルス感染症の影響で、これまで二度にわたりまして開業が延期されたところでありますが、いよいよこの日を迎えられると思っています。ウポポイはアイヌ文化の復興・発展はもとより、本道の観光や地域振興にとって重要な役割を担うものであります。未来を担う子どもたちをはじめとする多くの方々に訪れていただきまして、アイヌの人たちの歴史、文化への理解を深めていただくとともに、全道各地の活性化にも結び付けていきたいと考えています。
 施設では、入場予約や体験プログラムの人数制限なども含め、きめ細かい感染症対策が講じられております。訪れていただく皆さまにも「新北海道スタイル」などを実践していただくことで、安心して施設を利用していただきたいと考えています。新たに道が行う誘客に向けた取り組みについて、お手元に資料を配らせていただいていますけれども、本日から、ウポポイのラッピングバス、こちらの運行が札幌市内で始まりますほか、13日からでありますが、札幌JRタワーの地下のデジタルサイネージでウポポイの魅力のPR、こちらをしてまいります。
 また、これまでも民間企業の皆さまにご協力いただきながら開設の機運醸成に向けた取り組みを進めてきておりますけれども、資料2にございますが、「どうみん割」の対象となる旅行商品や、北海道の食とアイヌ文化をからめた商品が発売されているところでございます。個別の説明については割愛させていただきますけれども、民間の方々による工夫を凝らした積極的なご協力に対して、この場をお借りして感謝申し上げたいと思います。ウポポイに、より多くの方々に訪れていただけるように官民連携して、これからも取り組みを進めていきたいと思います。
 私からは以上です。

記者からの質問

(HBC)
 東京でですね、二日連続で(新型コロナウイルス感染者が)200人を超え、また過去最多となる感染者が確認されている状況があるのですが、鈴木知事としまして、例えば東京との往来の自粛の呼び掛けですとか、何かそういったお考えはありますでしょうか。

(知事)
 一律の往来自粛ということを今の時点で直ちに呼び掛けるということは考えておりませんけれども、今日の(東京都の)感染状況、二日連続で200名を超えているという状況については、これは緊張感が高まってきていると思いますし、また検査件数が非常に多いという中で小池知事もご説明されていると聞いておりますけれども、今日どのようなご説明があるのかについても注目していきたいと思いますが、そういった積極的な検査で確認されている以外にも、やはり感染経路が分からない方が一定数増加傾向にあること、また東京都のみならず近隣においても感染が拡大傾向にあるという状況についても、これは注視していかなければならないと思っています。国や東京都、そして区においても対応を協議していると聞いておりますので、その動きも含めて適切な対応を北海道としても行っていきたいと思います。

(HBC)
 あとですね、4月、5月に感染者が全国的に増えた際に、東京の動きより1週間、2週間遅れて北海道でも増えたという動きがありましたが、その点についてはいかがでしょうか。

(知事)
 やはり東京都をはじめとして、本道においても人の動きが多いところでもございますので、滞在歴などがある中で必ずしもそれが感染の要因だったかどうかについてはまだ確認ができていないということはありますが、全国で首都圏などをはじめとする地域に滞在歴などがある方の陽性確認が相次いでいるということも、当時の状況に似ていると言えるのではないかと思っています。
 一方で、各都道府県が4月のときと全く同じ状況でもないのも事実でありまして、そういったところも踏まえて、どういった形で往来やまた道民の皆さまに対して注意喚起をお願いしていくのかということについて、しっかり考えていきたいと思っています。

(朝日新聞)
 中央要請お疲れさまでした。その中で、赤羽大臣とかに、JR北海道の問題で事実上の要望書のようなものを出されました。その中で、昨日の東京でのぶら下がりでもおっしゃっていましたが、コロナで打撃を受けるJR北海道というものと、もう長期的に経営が苦しいJR北海道という二つの側面があろうかと思います。知事とされては、まず今回の問題、とりあえずコロナにおいてどうにかJR北海道をどうにかしなくちゃいけないという考え方なのか、それとも、これまで積み重なってきた中長期的な問題を、もう今の時点で解決しなくてはいけないのだというスタンスで臨まれているのか、その辺りをまずお聞かせください。

(知事)
 今ご質問いただいた問題については、完全に切り離すことができないのではないかというのが私の認識であります。そういった認識の中において、これは提言書を提出する前の7月4日に赤羽(国土交通)大臣がウポポイの視察などで来道された際にも意見交換をさせていただく中で、やはりこの新型コロナウイルスの影響というのが大変大きいという状況になっていること。これはJR北海道だけではなくて交通事業者全体として、大変大きな問題になっているということについてはお話をさせていただきました。また、提言書の中には直接的な記載はないですけれども、(国土交通)大臣と中央要望でお話をさせていただく際も、重ねてその点はお話をさせていただいています。これは道としても先般道議会で予算措置した、そういった交通事業者に対する利用促進支援事業ですとか、「どうみん割」ですとか、そういったことはやっていくのですけれども、これはもう、とにかく速やかにやらなくてはいけないですから、国のほうでは「GoToキャンペーン」などを例示してお話をされておりましたけれども、これは国交省のみならず国を挙げてまずはこの対応をしっかりしていただきたいと思っていますし、また中長期的な対応についても、そういった意味では完全にこれが切り離せるのかと言ったら、今は短期的なコロナの状況というのは、ここ数カ月で終わるということではないということが主な見方の中で、そういった中長期的なあり方を考える上でも、重要な要素であると思っています。ですから、そういった両方の問題をいかにして考えて解決していくかを、問題提起させていただいているということで、ご理解いただければと思っています。

(朝日新聞)
 この点で1点なのですが、9月に概算要求、そして債務等処理法(日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律)が年度末という二つの大きな締め切りがあると思います。これらについて、どのようなスケジュール感で知事は今後、これらについて取り組まれようとされていらっしゃいますでしょうか。

(知事)
 まずは当面法改正に向けた議論というのを確実にやはり進めていくことになるのではないかと思っています。今、与党、または国会に当然提出していかなければならないという中で、おそらくJR北海道などの鉄道事業者に対して意見を聞く場や、また地元の知事や地域の状況を確認していくような場面も今後出てくると思いますので、そういったところでしっかりとした考え方やオール北海道で出していった提言なども踏まえて、しっかりと法改正を認めていただいて、安定的な経営ができるような取り組みを進めていく。これはもうスケジュールで国会提出というものがありますから、そこに向き合っていかなければならないと思っています。先ほど申し上げたような(新型)コロナ(ウイルス)の影響というのも現に生じていますから、この問題というのはもう日々絶えず対策を取っていかなければならないと思います。そういった法改正のスケジュールとともに、先ほど申し上げたような今後さらに中長期的な視点に立ったときの問題点というのも同時にやはりわれわれとしては議論というものをさせていただきたいと思いますけれども、この点については国ともしっかり緊密に連携しながら、実際に提言いたしましたが、これを実施していくということに進めていけるのかという観点で、われわれとしては話をしていきたいと思っています。

(朝日新聞)
 話は変わりまして、こちらから1点お伺いしたいのですが、本日、文藝春秋のインタビューのほう拝読しました。その中で、最後のところで道民との関係というものが重要なんだという点で締めくくられていたと思います。その点において、先般の道議会のほうでも検証についてさまざまな議論があって、なかなか厳しい指摘も道議会ではあったと思います。あの検証というあり方においては、例えばWHO(世界保健機関)についても、WHOが設置するけれども第三者で事実上独立したという点が強調されることが多いように思います。今度その有識者会議を設けられてということなのですが、道民への透明性を確保するという上では、今後どのような独立性のあるような検証をされるのかどうか、その辺りできれば最新の状況も含めてご説明いただけると幸いです。

(知事)
 検証の実施に当たってのメンバーとか、そういったものもまだ決定していない状況でありますけれども、皆さんそれぞれの立場で率直な意見をいただくことが重要だという点、それと透明性を高くということがあるので、率直な意見(交換)がなされているということを皆さんが分からなければ意味がないわけですから、透明性を高めるために、より開かれた形で率直な意見(交換)が行われている状況を見ていただく必要があると思いますので、できるならばそういったオープンな形での議論を進めるべきだと私は思っていますが、今後メンバーなども決めていく中でどういった形で議論していくのが最も期待に応えられるのかということについて、皆さんからも意見をいただきながら進めていくことになると思っています。そういった考え方でこれから進めていきたいと考えています。

(朝日新聞)
 1点だけ追加ですが、先般では秋口というちょっとぼやっとした表現を使われていたと思いますが、もうここにきましたらもう少し具体的に、9月末であるとか、10月までにとか、そういったスケジュール感をもう少しくっきり示していただくことはできないでしょうか。

(知事)
 現時点では、先ほど申し上げたとおりメンバーもまだ決まっていないのですけれども、どういった形で議論していくのがベストなのかとか、そういったスケジュールも含めて、当事者として参加いただく方々ともお話をしながら、皆さんには秋口ということで申し上げていますけれども、具体的な何月というものを早く詰めさせていただいて、そして皆さんにお伝えできるようにしていきたいと思っています。

(NHK)
 今の検証の話のところに関連してなのですけれども、オープンでの議論を進めるべきだと思っているとおっしゃいましたけれども、これは議論を公開の状態でやるというふうなお考えだということですかね。

(知事)
 私としてはそういう思いがあるのですが、参加いただく皆さんともどうやれば透明性が確保できるかとか、率直な意見が言えるのかということについても、当事者となる皆さんともお話をした上で、最終的に決めたいと思っています。

(時事通信)
 ウポポイの関係なのですけれども、率直に年間来場者目標100万人、この値について知事どう見ているのか教えてください。

(知事)
 この年間来場者100万人という目標ですけれども、政府のほうで閣議決定して、基本的にはこの目標は現時点で変えていないとお聞きしています。1年間というのは多分オープンしてから1年間なので、7月にオープンするわけですから来年の7月までにそれを目指すということなのだと思うのですが、今新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、入場についても上限設定をしたりだとか、そういった対応をしなければならない状況があります。ですからこの期間が長くなればなるほど、実際に来場いただく方というのはなかなか目標達成に厳しい状況になると思っています。ただ私は、これは国にも提案しているのですけれども、海外の方で言えば、例えばすごくウポポイに関心はあるのだけれども、現実的に行けないという方が結構いらっしゃるのではないかと思いますし、またそういった文化に対して関心は高いのだけれども、ウポポイがオープンしたことを知らない方とか、訪問したいという潜在的なニーズがどれぐらいあるのかや、また高めていく、そういう取り組みはやはりしていくべきなのではないかと思うのですね。ですから、バーチャル映像だとか、今いろんな技術がありますので、海外の方などは実際に来ることができないのだけれども、ぜひ行けるようになったら行きたいという思いを強くしていただくような、そういう取り組みを私はやっていくべきなのではないかということで国に提案しています。これはどういう形になるか分かりませんが、そういったことも踏まえて、100万人という現実的にお越しいただいた方、そういう目標も大事だと思うのですが、物理的に来れない中でこれだけ行きたいとおっしゃる方がいたのですということも、ちゃんと目標設定してやっていくべきなのではないかと思っています。

(北海道新聞)
 「どうみん割」について伺います。先ほど2次申請分の販売が始まったと思いますけれども、事業者には午前中からすでに多くの問い合わせが寄せられていたというふうに聞いております。1次販売の(6月)28日以降の「どうみん割」に対する道民や事業者の期待、反応について知事はどのような受け止めをされているか考えをお聞かせください。また、「どうみん割」の事業費について、予算の23億円をもっと増やしてほしい、枠の配分が少ないという声も依然として少なくないというふうに思います。この点についても、あらためて知事のお考えをお聞かせください。

(知事)
 このたび「どうみん割」という形で対応させていただいて、道民の皆さまから道内旅行について、これをきっかけにぜひ行こうではないかと思っていただいて、多くの方にお問い合わせなどをいただきました。この旅行需要の高まりというのは、われわれが想定している以上でありまして、多くの方々にそういった思いを持っていただけたことに感謝申し上げます。一方でそういった1次販売の部分が早々に売り切れるなどの状況がありまして、宿泊事業者などがその対応に追われるという状況にもなりました。この点についてご迷惑をお掛けしたと思っておりますけれども、一方で宿泊事業者の中からも、反響を超える多くのお問い合わせをいただいたことに対して率直にうれしい悲鳴だというような声も聞こえてきております。この1次販売の追加分、そして2次販売分ということで、本日15時開始ということで行わせていただきますけれども、まずはここをしっかり皆さんにPRして、ご利用いただくということを進めていきたいと思っています。それと実はインターネットですとか、直接申し込み以外のところはまだ余裕があるところもございまして、ですからそういったところもしっかり情報提供していくことが重要だと思っています。いずれにしても、道内で旅行しようという皆さんの思いにしっかり応えられるように適切に情報を伝えていきたいと思っています。
 それと支援額23億円ということに対しての、もう少し増やした方がいいのではないかというお話があるというところでございますけれども、今日、私どもも(赤羽国土交通)大臣の発言を受けて正確に承知したところですが、「GoToトラベル」、「GoToキャンペーン」が7月22日以降に開始する旅行の分から対象にされるということで、かなり大幅に対象を前倒しするようなお考えを、大臣が発言されたと聞いています。これは一泊2万円という上限で基本的には最終的に、(2分の1相当額を)助成するという枠組みでありまして、こういった「GoToトラベル」、「GoToキャンペーン」にしっかり切れ目なく連携してつなげていくという観点から、「どうみん割」を今後どう展開していくのかということを考える必要があると思っています。当初、8月からとお伺いしていたので、対象がかなり前倒しになると思っています。22日ですからもうすぐなのですね。ですからそういったところもしっかり考えた上で、道内の消費喚起、そして事業者の皆さんにしっかり受け入れができるような体制について考えていきたいと思っています。

(uhb)
 知事、実際に東京に行ってきたと思うのですけれども、例えば感染の対策の意識とかというところで、どうだったか、どう感じたかというのを伺いたかったのですけれども。

(知事)
 いや私ですね率直に本当に感じたのは、(上京したのは)2月29日以来と申し上げたのですけれども、2月28日に緊急事態宣言を出しまして、その翌日に総理のところに行った際には、私以外誰もマスクをしていなかったのです。例えば官邸に行ってもどこに行っても、そういう景色だったわけで、今回そういう意味では(2月)29日以来に(東京に)行って、どこに行っても多くの方がマスクを、今では当たり前のことですけれども、されていますし、ソーシャル・ディスタンシングと言うか、社会的距離を取ろうということが要望活動の中でも実践されている。これは当たり前のことなのですけれども、同じ場所で同じ人に同じように会いに来ているけれども、環境が大きく変わっているというのは、2月29日に上京して以来行っていなかったので、強く感じたところですね。しっかりそこはわれわれも要望、要請を時機を逸することなく、オンラインでできることは当然オンラインでやるわけですけれども、そういう要望、要請などに当たってもしっかり感染リスク対策をした上でやっていきたいと思ったところです。

(uhb)
 やっぱりその意識というのは、かなり全国的にもやっぱり高まっているとも感じたところですか。

(知事)
 そうですね、記者の方とも少し話したのですけれども、当時2月29日に首相官邸に行って、(話を終えて)出てきた後、総理と何を話したのですかと、ぶら下がり取材の記者の方がいっぱい来たのです。誰もマスクをしていないし、今考えると距離もすごく近かったのですけれども、この間官邸に行って出てきた時には、皆さんマスクをして一定の距離を取ってという姿を見て、非常にその変化というのを実感しました。

(北海道新聞)
 災害時の福祉施設などの避難体制について伺います。国の調査によりますと、避難時に手助けが必要な方々がいらっしゃる要配慮者利用施設、この施設に義務付けられている避難計画の作成が全国的に進んでいないという状況で、道内でも昨年3月末のデータではあるのですが、対象となる1355施設のうち約6割の施設で未作成となっているようです。先ほど知事もですね、話題提供で触れていましたように、今回の九州豪雨では特養施設(特別養護老人ホーム)で入所者の方が犠牲になっていますし、北海道でも先ほどありましたように十勝の連続台風による水害で、各地で被害が出ているなど、こうした施設の計画作りが、やはり急がれるべきなのかなと思うのですが、知事は施設の計画作成が進まないことについてどう認識して、どんな課題があると考えているのかということと、道としても今後、計画策定を促すための取り組みを強化するような考えなどはありますでしょうか。

(知事)
 この点は本当に大切なことだと思っています。基本的には、この避難確保計画を作成して、市町村に提出しなければならないということで、水防法などの関係法令に基づいてそういう形になっていますので、基本的には出さなくてはいけないことになっているのですが、今お話があったとおりなかなか進んでいない状況があります。今回の、例えば熊本県球磨(くま)村の特別養護老人ホーム、質問の中にもありましたけれども痛ましい被害が発生したわけでありまして、それを受けて7月8日付けで全ての社会福祉施設および市町村に対して、この非常災害時の体制整備の強化、徹底について通知を発出させていただいて、避難確保計画の作成について皆さんに要請させていただいたところであります。
 また医療施設についても、これまで避難確保計画の策定に関する通知ですとか、医療法に基づく立ち入り検査の機会を通じて、計画を策定していただきたいということで促してきたのですけれども、昨日あらためて避難確保計画の策定を促す通知も、医療機関に対しても発出させていただいたところです。実際に立ち入り検査や、保健所が開催する研修会など、そういう機会がありますので、この必要性などについて丁寧に説明などをしながら計画策定を促進していく必要があると思っています。全国平均よりは高いのですが、それでもそういった状況ですので、やはり策定しなければならない状況の中での計画策定をしっかりと促していきたいと思っています。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

カテゴリー

知事室広報広聴課のカテゴリ

cc-by

page top