知事定例記者会見
- 日時/令和2年10月7日(水) 13:02~13:56
- 場所/記者会見室
- 記者数/22名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 新型コロナウイルス感染症対策について
- コロナ離職者に対するWeb企業説明会の開催について
- 「北海道高齢者運転免許自主返納サポート制度」について
記者からの質問
- 新型コロナウイルス感染症対策について
- 高レベル放射性廃棄物の最終処分場について(1)
- 高レベル放射性廃棄物の最終処分場について(2)
- 高レベル放射性廃棄物の最終処分場に係る取材対応について(1)
- 高レベル放射性廃棄物の最終処分場について(3)
- 高レベル放射性廃棄物の最終処分場について(4)
- 高レベル放射性廃棄物の最終処分場について(5)
- コロナ禍における農業施策について
- 道議会議員の喫煙について
- 高レベル放射性廃棄物の最終処分場について(6)
- 高レベル放射性廃棄物の最終処分場に係る取材対応について(2)
- 高レベル放射性廃棄物の最終処分場について(7)
- JR日高線の廃止について
- 知事のインスタグラムについて
- 高レベル放射性廃棄物の最終処分場に係る取材対応について(3)
知事からの話題
新型コロナウイルス感染症対策について
私から3点、お話をまずさせていただきたいと思います。
1点目は新型コロナウイルス感染症対策についてでございます。まず感染状況についてご説明いたします。医療提供体制の負荷の状況でございますが、昨日時点の入院患者数が110名という形になります。うち重症者の方は0名となっておりまして、いずれもステージ2の指標を下回っておりますが、入院患者数は引き続き増加傾向という状況でございます。
次に監視体制についてでございますが、直近1週間の検査数は3848件という状況です。陽性率は3.6パーセントとなっておりまして、横ばいという状況でございます。次に感染者の状況でございますが、直近1週間の感染者数は138名となっておりまして、こちらはステージ2の指標107人、こちらを上回っておりまして、増加傾向にございます。またリンクなし、感染経路が分からないという方の感染者数の割合ですけれども、こちらは直近1週間平均が46.4パーセントとなっておりまして、ステージ2の指標50パーセント付近の水準で推移をしているというところです。
また、新規感染者の年代別割合、こちらを見ますと、9月下旬から徐々に幅広い年代への感染の広がり、こちらが見られていたところでございますが、最近では再び若い世代を中心に感染が拡大し始めております。昨日時点では、30代以下が約7割を占めるという状況になっています。
これまでご説明したとおり、新規感染者数はここ数日30名を超える日もあるなど、感染が拡大傾向にあります。指標の中で特に重要であると考えております病床の状況についても、9月中旬から増加傾向にあるわけであります。こうした状況を総合的に勘案いたしますと、現時点において警戒ステージを上げる状況ではないのですが、このところの感染状況を踏まえると、予断を許さない状況にございます。
今後も感染動向の推移について緊張感を持って注意深くモニタリングしてまいりますが、このまま感染者数や入院患者数が増加し、医療提供体制の負荷の度合いが増した場合などには、警戒ステージを引き上げることも検討していかなければならないと考えています。こうした状況は、シルバーウィークなど人の移動が活発化したことも影響しているものと考えられます。今後も引き続き人の動きが活発になるということも考えられることから、社会経済活動との両立を図るためにも、道民の皆さまには次のステージに移行させないという強い思いをあらためて共有していただきまして、感染拡大防止に向けた取り組みの徹底、こちらにいま一度ご協力をお願いしたいと思います。
こうした中、道では飲食店の皆さまをはじめ、道内の事業者の方々に対し、この間、集中対策期間として「新北海道スタイル」の実践など、感染防止対策の取り組みをお願いいたします集中的なPR活動を展開してきたところでございます。その取り組みや事業者の皆さまの参考となる先進事例などを一部ご紹介したいと思います。
まずはじめに、飲食店などに対する働き掛けについてでございますが、ススキノ地区では、道と札幌市の職員延べ100人が8月上旬から下旬にかけての5日間、接待を伴う飲食店511の店舗を個別に訪問いたしまして、「新北海道スタイル」の実践などを依頼したところです。また、ススキノ地区の接待を伴う飲食店以外についてでありますが、全道の各振興局と商工会議所、商工会の皆さまにご理解、ご協力、連携いたしまして巡回訪問し、感染防止対策の取り組みポイントの説明、こちらに加えまして、先進事例の収集、事業者の皆さまの相談に応じたアドバイス、各種支援制度のご紹介などを行いまして、これまで5140店舗訪問いたしました。この取り組みについては、10月27日まで実施する予定でございます。
次でございますが、道では「新北海道スタイル」を実践しております店舗の皆さま、こちら5万855店舗にステッカーを配布させていただきました。また、感染防止対策に取り組んでおります店舗のうち、公表を希望する3437店舗の情報を道のホームページにおきまして公表いたしております。ステッカーとともに、お店を選ぶ際の参考にしていただきたいと思っています。
次に、感染防止に向けた先進事例について、一部ご紹介いたします。道では、ススキノ地区で感染防止対策を積極的に進め、取り組みのモデルとなる接待を伴う飲食店とテナントビルをモデルアクションとして選定しております。その積極的、先進的取り組みを他の事業者の皆さまにも参考にしていただくため、広く周知しているところであります。店舗での取り組みについては、(モニターの)写真を左からですけれども、ボックス席での接待はマスク着用に加えて、目からの感染を防止するアイガードの着用ですとか、窓がない店舗ではサーキュレーターで換気を徹底する、カウンター席ではビニールロールスクリーンで飛沫(ひまつ)感染防止、こちらの徹底といった、各店舗が特徴ある感染防止対策を実践していただいております。
次に、テナントビルでございますけれども、こちらも(モニターの)写真を左からでございますが、共用エリアの定時消毒、各階の非常口を定時開放いたしまして換気を徹底する、全テナントが管理者に「新北海道スタイル」の実践を確約するといった感染防止対策、こちらを実践していただいております。
次に、先ほどご説明いたしました全道における巡回訪問、こちらを通じまして、商工会議所や商工会から各地で行われている先進事例のご報告をいただきましたので、こちらも一部ご紹介します。まず、旭川商工会議所からのご報告でございますけれども、「緑橋ビル振興組合」、こちらでは独自に「新・緑橋スタイル」安心宣言ということで、のぼりの掲示、また商店街が一体となって感染防止対策、こちらに取り組んでいただいてございます。また、苫小牧商工会議所からでございますけれども、こちら「スナックらもう」では、こういったボックス席にぬいぐるみを置きまして、隣席との距離、これをさりげなく確保するということで店内の快適なそういった空間、温かい空間をつくり出すということで取り組んでいらっしゃいます。また、帯広商工会議所でございますが、「炉端の一心」では、店内のスタッフ全員の体温を掲示して、従業員の健康管理の徹底、こちらをするとともに、来店者の皆さまにも安心感をもたらす工夫ということで取り組みをされています。また、「ふじもり食堂」では、来店者の方に手作りのキッチンペーパーでマスクを製作、配布し、マスクの着用がなされていない場合に、着用いただくよう呼び掛けを行っているということであります。また、網走商工会議所では、「山下美容室」で、隣席との間にビニールシートを設置し、経営する5店舗全てで「新北海道スタイル」を実践するということで取り組んでいただいています。小樽商工会議所のほうから、「田中酒造亀甲蔵」では、受付前での密集を避けるための立ち位置のピクトグラム、これでソーシャルディスタンスの実践ということでありまして、これは一部ご紹介させていただきましたが、こういったいずれもちょっとした工夫をしているという取り組み事例のご報告がございました。これはさまざまな形態で店舗を経営されている皆さんにとって、参考になる事例ではないかと思っています。こうした感染防止の取り組みでございますけれども、全道各地の店舗などの事例を集めて発信していくということを予定しております。事業者の皆さまにもぜひ参考としていただきたいと思っています。
次に、交通事業者や宿泊事業者への働き掛けでございますが、こちらは事業者における感染防止対策の実施はもちろんといたしまして、旅行者や来道者の方が多く訪れます空港や駅、フェリーターミナルやホテルなどの目に留まりやすい場所で、サイネージ、ポスター、チラシ配布などを通じて、感染防止対策の実践の呼び掛けを行っているところでございます。
このように事業者の皆さまには、感染拡大防止に向けて、本当にさまざまな取り組み、ご協力をいただいているところでございますが、最近の感染傾向を見ますと、繁華街での会食の場などで感染拡大が見られるほか、特に若年層において感染経路不明の事例が増加しているという状況がございます。これ以上の感染拡大を防ぐためには、道民の皆さまお一人おひとりの行動が何よりも大切であります。特に若い世代の皆さまへのお願いとなるわけでございますけれども、先ほどご説明させていただきましたとおり、再び30代以下の若い世代を中心とした感染拡大、この傾向が見られます。若い世代の皆さまは、無症状の方、または症状が軽い軽症の方が多いということから、感染に気付かないまま普段どおりの行動をして、周囲はもとより他の地域への感染の拡大ですとか、重症化リスクの高い高齢者の方などに感染させる恐れがあることに注意が必要であります。このため、常日頃から自らが「感染しているかもしれない」という思いを持っていただきますとともに、周囲に対する配慮の気持ちを持っていただいて、日々行動を心掛けていただきたいということを重ねて皆さんにお願いしたいと思います。
若者の皆さんが特に注意が必要な場所としては、「飲酒を伴う懇親会」、また「仕事後の休憩時間」や「屋外での活動の前後」、この三つが挙げられると思っています。いずれも仕事後など、緊張が切れてほっとしたという際に、油断して3密になってしまったり、マスクを外したりして感染リスクが高くなると考えられます。こうした場面では、「人と人との距離を取る」、「大声を控える」などといった基本的な感染防止対策の意識を常にしていただいて行動していただくことで、十分にそのリスクを下げることができると考えます。
最後になりますけれども、道民の皆さま、事業者の皆さまには、先ほどご説明いたしました取り組みの先進事例などをご参考にしていただきまして、いま一度「新北海道スタイル」の徹底についてお願いしたいと思います。
道としては、次のステージに移行させないためにも、特に若者の皆さんに対する情報発信を強化いたしまして、これまで以上に感染防止対策に関する普及啓発、こちらにしっかり取り組んでいきたいと思っています。例えば大学や専門学校、事業所の皆さまに対する協力依頼や啓発パンフレットなどによる周知等を今検討しているところであります。
こちらがまず1点目です。
コロナ離職者に対するWeb企業説明会の開催について
2点目でございますが、道では、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして離職を余儀なくされた方々を対象に、10月15日を皮切りに、道内6地域で設置いたしました特設スタジオから配信する、Webによる企業説明会を順次開催させていただきます。本説明会は、オンラインサービスであるズームを使いまして、企業と参加者、双方向のやりとりが可能となっております。先月29日からオンラインで参加受付を開始させていただいております。参加企業の中には、来春新規学卒者を採用する予定の企業の皆さんも出展しております。就職活動中の学生の皆さんにも、そういった意味ではご利用いただきたいと思います。また、企業の参加についても応募受付中でありますので、ジョブカフェ北海道までご連絡をいただきたいと思います。
なお、ジョブカフェ北海道においては再就職に向けたカウンセリングが受けられるほか、離職者への支援情報をまとめた特設サイト、こちらも開設しております。詳しくは皆さまにお配りしたチラシ、(モニター)画面には出ていないのですが、チラシ右下のQRコード等で検索していただくという形になっています。コロナ禍で厳しい状況にある離職者の方々へ支援が行き届くよう、積極的な周知に対してご理解とご協力をお願い申し上げます。
「北海道高齢者運転免許自主返納サポート制度」について
3点目でございます。道では、高齢者の交通事故防止に向けまして、運転に不安を感じる高齢者の方が、運転免許証を自主返納しやすい環境づくりを行うため、「北海道高齢者運転免許自主返納サポート制度」を創設し、10月1日から運用を開始させていただいているところです。
制度は、道内に在住する65歳以上の方で、運転免許証を自主返納し、交付を受けた「運転経歴証明書」を協賛店等に提示いたしますと、さまざまなサービスが受けられるというものです。協賛事業者は、道内に事業所があり、本制度にご賛同いただき、お申し込みのあった事業者で、現在、道の包括連携協定締結企業をはじめといたしまして、15事業者、137店舗にご登録いただいております。
今後も協賛事業者を募集いたしまして、サービスを拡大いたしますとともに、多くの方々にご利用いただきたいと考えておりますので、こちらについても積極的な報道などにご理解とご協力をお願いいたします。
私からは以上です。
記者からの質問
(HTB)
警戒ステージの引き上げの判断についてなのですけれども、新規感染者数はもうすでにこの目安の値を超えていて、(感染)経路不明もほぼ50パーセントに近いところなのですが、これはもう病床が150を超えたら警戒ステージ2に当たるという判断になるのか、あるいはもう150まで達しなくても、どれぐらい近づいたらそういう判断になるのかというちょっとお考えをお聞かせください。
(知事)
これは警戒ステージの設定に際しても、すでにお知らせさせていただいているところでございますが、ステージの移行については、指標として掲げている全ての数値等が基準を超えた場合に移行することを原則としまして、医療提供体制等の負荷の状況を踏まえて、総合的に判断するとさせていただいているところでございます。先ほども申し上げましたけれども、このまま感染者数や入院患者数が増加し、医療提供体制の負荷の度合いが増した場合などには、警戒ステージの引き上げを検討していかなければならないと考えています。
この警戒ステージを引き上げる場合でございますけれども、これは新型コロナウイルス感染症対策専門会議、こちらがございます。会議のメンバーなど、専門家のご意見を踏まえながら、道の(新型コロナウイルス感染症)対策本部がございますから、こちらで速やかに決定していくという形になります。
(北海道新聞)
神恵内村議会が核のごみの文献調査を巡る請願を審議している件で伺います。今日知事は神恵内の村長と面談される予定ですけれども、知事は面談にどのような考えで臨まれて、村長にどんなことを伝える考えなのか伺います。
(知事)
神恵内村への訪問でございますけれども、私からは、村議会本会議の請願の審議前ではありますが、村長から直接お考えをお聞きいたしまして、率直な意見交換を行わせていただきたいと思っています。そして、これは繰り返し申し上げていますが、道と市町村の関係は独立・並列、イコールパートナーという認識の下で、道内に処分場を受け入れる意思がないとの考えに立つ条例(北海道における特定放射性廃棄物に関する条例)制定の趣旨をご理解いただき、その順守をお願いしたいということ。また、道議会で議論が透明性の高い形で行われることを求めるとする決議が可決されたということを踏まえ、村だけでなく北海道、後志の将来の大切な議論でありますので、慎重に検討いただきたい。こういったことなどを申し上げたいと思っています。
(北海道新聞)
関連で、核のごみの関連ですけれども、神恵内村と寿都町、二つの自治体が明日にも文献調査への応募意向を表明するというふうに見られております。今日知事が神恵内村に意向を伝えたにもかかわらず、神恵内村と寿都町が仮に文献調査に応募した場合、知事は具体的にどんな対応をされる考えでしょうか。
(知事)
先ほども申し上げましたけれども、道と市町村の関係は独立・並列、イコールパートナーという認識の下で、処分場を受け入れる意思がないという考えに立った条例の順守、慎重な対応、こちらをご理解いただけるように引き続き対話を重ねていくことを考えています。なお、最終処分法(特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律)では、文献調査については知事の意見は求められていないわけでありますが、仮に文献調査が実施され、さらに概要調査に移行するという場合については、私として、条例の趣旨を踏まえ、現時点で反対であるという意見を述べるという考えに変わりはございません。
(朝日新聞)
今日、神恵内村に赴かれる件で確認なのですけれども、前回寿都町長とのやりとりの際には全面公開でした。今回は向こうの意向ということですが公開ではない、その辺りについてご事情、知事が把握されている範囲で結構ですのでご説明いただけると幸甚です。
(知事)
この記者会見の場でもいろいろ申し上げてきましたけれども、やはり私はそういった場面はフルオープンでやっていくのが良いのではないかと思っておりましたので、村長のほうにも、そういった形で行うことはできないかとご相談申し上げました。その中で、村議会本会議での請願の審議、これを前に、村長としても議会の審議に影響を与える発言を控えているという状況があるということと、そうした中で忌憚(きたん)のない率直な意見交換を行いたいという状況がございまして、その点については重要だと思いましたので、頭撮りでの取り扱いという形で対応しようということで双方で了解したということです。
(朝日新聞)
寿都町の関係なのですが、お会いになられた片岡町長は民意の測り方として「肌感覚で」ということを再三強調されています。住民投票とかの要求に対しての応答の中で「肌感覚で」という発言が繰り返されているわけですが、民意の測り方、知事はどのようにお考えでしょうか。
(知事)
そういった点についても、町長が丁寧に住民の皆さまに対して、判断に至る考え方についても疑問があるのであれば、ご説明していくということが基本になるだろうと思います。そのご発言について多くの方から説明いただきたいという声があるのであれば、それは町長として丁寧にご説明されるのだろうと思います。
(朝日新聞)
最後に1点なのですが、弊社、今こちらの記者クラブの幹事社をしております。明日、先ほど別な記者の質問にもありましたように、2町村が手挙げをする、表明する可能性が高いわけです。本来であれば金曜日に記者会見をしていただいて、その辺りについて十分なご説明、ご見解をお伺いする機会にしたいのですが、今回その前倒しされました。残念ながら公式にはどういう理由かというのははっきりしていないので、この金曜日に一体どういったご予定があるのかご説明いただけると幸いです。
(知事)
記者会見については記者クラブの皆さまとの共催でありまして、今回このような形で本日会見についてご理解いただいたことに感謝申し上げたいと思います。さまざま公務がございますので、その内容につきましても然るべき時期に情報を共有することが当然であると思いますけれども、公務の関係上、協議をさせていただいて、記者会見について本日この時間で行わせていただくことにご理解いただき、感謝申し上げたいと思います。
(朝日新聞)
そうしますと、今度の金曜日につきましては、公務で記者会見をこの地において開くことができないという、そういう理解でよろしいでしょうか。
(知事)
公務でそのような形で対応するということであります。
(朝日新聞)
あと、もう1点なのですが、公務の内容については、いつ公表されるのでしょうか。
(知事)
情報を皆さんにお伝えできる時点でしっかりとお伝えしたいと思います。
(時事通信)
核のごみの関係です。今回は神恵内村と寿都町なのですけれども、自治体として挙手する形で、検討を自治体側で浮上しましたけれども、一方で国による申し入れ方式というのもあるわけですが、国によると、この申し入れ方式によるものは実績は今までないということなのですけれども、この処分事業を巡る問題の中にあって、こういう申し入れ実績はゼロであるという状況について、知事はどうお考えでしょうか。
(知事)
それは申し入れ方式にせよ、手を挙げる形にせよ、そういった意味では、国が進める事業についての丁寧な説明、理解を図っていくということがまず何より重要だと思いますし、その取り組みを今後とも行っていくのだろうと思います。
(HBC)
神恵内村ですとか寿都町を取材していますと、よく町民、村民の方から、これだけのことを私たち、この小さな町や村で決めて良いのかという声をよく聞くのですね。ということは、逆に言えばこの議論が今、全道で広まっていないというような、関心も広まっていないように受け取られるのですが、こういった状況を改善するために、道として、核抜き条例これも当然なのですが、核のごみをどうするかということに関しての議論というのも、全道的に広めていくために、道として、知事としてどう進めていくべきか、お考えをお聞かせください。
(知事)
これはまず、今文献調査の議論が行われているわけですけれども、かねてから私は申し上げていますが、処分地の選定についてでございますけれども、今の国が科学的特性マップということで900の対象自治体が、ある意味ではそういった特性の中では可能性がある所として挙げられているという状況ですが、やはり全国の適地と言われている所を調査して、この中から地盤の安定性ですとか、輸送適性だとかそういった観点により候補地を絞り込むことが私は必要ではないかと思いますし、また、今全道的議論になっていないのではないかというお話がありましたけれども、その上で都道府県や周辺自治体はもちろんでございますけれども、広く住民の皆さまに丁寧に説明をしてコミュニケーションを取って理解を得る。こういったことなど、国が主体となって責任を持って理解を得ることが私は望ましいのではないかと考えておりまして、この点については、梶山(経済産業)大臣にもお話をいたしました。今のやり方というのは、文献調査においては都道府県知事は意見を申し上げることもできない状況でございますし、今申し上げたような段取りにはなっていない。ですから、周辺の自治体もそういった意味ではなかなか声を伝えるルール上の設定がないという状況がございますので、こういったことが私は望ましいのではないかと思っています。そのことについては、大臣にもお伝えいたしましたけれども、これからもそういった考えというのは伝えていきたいと思います。
(朝日新聞)
今の質問にも若干関連するのですけれども、神恵内村や寿都町を訪れると、かなり風評被害であったりとか、誹謗(ひぼう)中傷がすでに集まっているというような現状をお聞きするのですけれども、まず知事自身がどの程度そういった声を把握されていらっしゃるのかということが1点と、あとそれに関連しまして、声に対して今後どのような対応というか、取れる範囲というのも限られるかもしれませんけれども、今、現状でお考えがあれば教えていただければと思います。
(知事)
そういった点も踏まえて、今日神恵内村にお伺いいたします。村長がそういったさまざまな声が寄せられているということも、記者会見といいますか、ぶら下がり取材の中でもお話をされていたと私は記憶していますので、そういった点についても、ぜひお伺いしたいと思いますし、また風評被害があるのであれば、それは国が責任を持って対応していくべき内容であろうと思いますので、そういった点が仮にあるのであれば、そこはしっかりとお話をしていかなければならないと思います。
(日本農業新聞)
コロナの関係の取材をさせていただきたいのですけれども、今、道内でコロナ禍を契機に、消費者であったり農家、異業種と農業が連携する動きというものが広がっている中で、こういった連携、つながりの重要性について、あらためて知事のご認識を教えていただきたいです。
あともう1点なのですけれども、6日に静内農高生が表敬訪問されましたが、農業高校がコロナ禍でも地域に根ざした活動を懸命に続けている中で、今月予定されていた農業高校の甲子園と呼ばれる全国大会などが中止になっていますけれども、その中で農高生にエールとかがあったら教えていただきたいです。
(知事)
コロナ禍における連携についてですけれども、新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、人々の暮らしや働き方に大きな変化が起きている中において、食の重要性、農村への関心、こういったものは高まっていると私は感じております。
道では、ホテルや航空会社など、休業中の企業の社員とその人手を必要とする農業とのマッチングということで取り組み、(ある航空会社の例では)従業員の方61名ぐらいが最終的にはマッチングになるなど、異業種と農業の連携を推進しているところでございます。こうした人々の変化を捉えて、北海道の農業や食の魅力を発信しながら、例えば副業として農業を始めるなど、職業の選択肢の一つとして農業をアピールする上では、好機であると考えております。農業団体、経済団体と連携しながら、幅広い方々に農業・農村に関心を持っていただく取り組みをしっかり進めていきたいと思っています。
それと、農業高校の皆さんでございますけれども、これは新型コロナウイルス感染症の影響で、全国レベルのさまざまな研究ですとか、実践の発表会などが中止ということになっておりますし、また日常の実習などにおいても制約が生じているという中で、地域の産業界とも連携しながら学習に励んでいるということでありまして、昨日も静内農業高校の皆さん、生徒5人が来てくれまして、8月開催のサマーセールで落札された競走馬について、生まれてから上場までの苦労だとか、思わず涙した話だとか、いろいろお話をいただいた中でも、コロナ禍における大変さということについても、私からもお伺いしました。農業高校は、本道の酪農、畜産、畑作などの担い手の育成ですとか、技術を継承する土台という大変重要なものだと思いますので、生徒の皆さん、大変厳しい状況にあるわけですけれども、日頃の学習を通してより一層成長し、本道の基幹産業を支えて、北海道の発展を担う人材として輝いていただけるように、われわれとしてもしっかりと応援していきたいと思います。
(北海道新聞)
道議会庁舎における違法喫煙の問題についてお尋ねいたします。道議会庁舎の施設管理者である道議会事務局が6月の時点でですね、複数の喫煙情報を把握しながらも具体的な調査を行っていませんでした。道議会事務局は情報を隠す、隠蔽(いんぺい)する意図はなかったというふうに説明しているのですが、問題発覚時のですね、私ども北海道新聞の取材に対しては喫煙情報がないと話していました。こうした道議会事務局の対応について、道議会庁舎を所有する知事としてどのように考えていらっしゃるか、お聞かせください。
(知事)
道議会庁舎における議会事務局がどのように対応したかについては、具体的な実務的なお話になりますので、その点については総務部から話しますが、いずれにしても、議会庁舎における受動喫煙防止、この取り組みについては当たり前のことですけれども、法令等を順守していただいて、ルールに基づいて適切に対応いただきたいと考えます。
具体的な話については、補足があったらお願いします。
(総務部次長)
議会におきましては、これまでも法令等の順守につきまして周知してきておりますが、先日、議長から一部会派に対しまして法令等を順守するよう注意し、会派におきましてもあらめて周知したとのことでありまして、また併せて、議会事務局からも全議員に対しまして、議会庁舎内は禁煙であることにつきまして周知を図っているところでございます。また法的には、改正健康増進法にも過去の喫煙者を特定する必要はないということを、議会事務局におきまして札幌市保健所に確認したと私どもは議会事務局から報告を受けているところでございます。以上でございます。
(HTB)
今日この後、神恵内村で村長にお話しされるのですけれども、1カ月前に寿都町でちょうど町長とお話しされたと思うのですが、それを踏まえてこの1カ月でどんなことができたとか、行ってこんなことが違ったなみたいな、何か感じているものがあれば、まず教えていただきたいと思います。
(知事)
当初、寿都町長が新聞報道などに対して、文献調査に応募することを検討しているお話があった際には、1カ月程度で判断されるというお話がございました。また、具体的な説明会の開催などについてのお話もないような状況があったのではないかと思っています。私は条例の順守、また慎重な検討についてお願いしてきました。その中で、町民の皆さんに対して丁寧に説明をしていただきたいということについては、直接町長にもお願いいたしました。また、隣接する3町村長からさまざまな心配の声がございました。その際にも、町長からは決定する前に、そういった隣接する皆さんには当然お話をしていくということを、私とお話をした中ではお約束してくださいました。町長は約束を守る方だと思いますので、そういった周辺に対する説明というのも行われるのだろうと思いますが、今後の動きをいずれにしても注視したいと思います。
(HTB)
そういう意味では、寿都町はその後、住民説明会であったり、産業団体との意見交換もされたわけですけれども、今日神恵内村に行かれるのですけれども、神恵内村はもうすでに住民説明会等終わっていて、十分な一定の議論はできていると思うのですが、その上で行かれることの意味合いというか、どういった意味があるのか、意義として感じていらっしゃるのかというのを、あらためて教えてもらえますでしょうか。
(知事)
先ほど申し上げたとおり、村長から直接お話をお伺いしていません。また、村長からも、知事から直接お話をお伺いしていないと、ぶら下がりの中でそういった趣旨のお話もされているわけでありまして、私としては、まだ(神恵内村)本会議での請願の審議の前でありますが、村長のお考えを直接やはりお聞きしたいと思いますし、率直な意見交換を行わせていただきたいと思います。また道としてのそういった考え方についても、しっかりと村長に直接お話をすることは私は意味があることであると思いますし、必要であるということから行わせていただきたいと思います。
(NHK)
ちょっとこれお願いベースの話になるのですけれども、明日ですね、ぜひ知事にですね、ぶら下がりの取材をお願いできたらなと思うのですけれども、仮に公務であっても公務先で設定していただければなと思いますので、ちょっとぜひ検討をお願いしたいなと思います。今回の件かなり大事な話なので、ぜひ顔を出してお話をいただければなと思ったのですけれども、いかがでしょうか。
(知事)
その点は、記者の皆さんからそういったお声があるということを受けて検討させていただきたいと思います。
(読売新聞)
処分場の選定の関係なのですが、知事がかねて選定のあり方ですね、手法について、もっと国が主導してやるべきだというようなことをおっしゃられていて、梶山経産大臣にもその旨お話をされたと。梶山さんは国はやり方を変えるつもりはないということをおっしゃり、先日菅首相に対するですね、読売新聞社などのインタビューでも菅首相もあのやり方を変えるつもりはないのだとのことをおっしゃっていましたが、このことについての受け止めはいかがでしょうか。
(知事)
これも繰り返しになって恐縮ですけれども、私としては処分地の選定に関しては、地域の理解、協力を得て合意形成を進めるに当たっては、国が現在の科学的特性マップなどを元に全国の適地を調査し、この中から地盤の安定性や輸送適性などの観点により候補地を絞り込む、このことを行うとともに、都道府県または周辺の自治体はもとより、広く住民の皆さまに丁寧にご説明し、コミュニケーションを取って理解を得るなどをこれは国が主体となって責任を持って理解が得られること、このことが望ましいと私は考えているということです。
(読売新聞)
引き続きそのお考えを変えるつもりはないということだと思うのですが、菅首相とのことで言うと知事はこれまでも近しいというか、いろいろなやりとりをされていますが、今後もし菅さんにお会いしたときも、やはり国のやり方を改めたほうが良いのではないかということは、申し入れ、おっしゃるつもりということでしょうか。
(知事)
国に対しては、この考え方について、梶山大臣にはすでにお伝えしているところでありますけれども、国に対する働き掛け、そういった点については続けていきたいと思います。
(読売新聞)
菅さんに対しても会う機会があればそれを伝えていくということでしょうか。
(知事)
担当の大臣である梶山大臣にはすでに伝えているわけですが、国に対する働き掛けについては続けていきたいと思います。
(読売新聞)
それとあと、それはそれで働き掛けを続けるのでしょうけれど、続けるとして、今回の処分場の選ばなければならないという話は、国策として国が推進しているということで、知事はそれに対してですね、ストップをかけようというのは条例があると。その条例を守る立場であるということをかねてからおっしゃっております。これまでの質問と重なるかもしれませんが、国策と矛盾するこの条例のあり方を見直すとか、ちょっと解釈を検討、再検討するとか、そういったふうな方向のお考えにはならないのでしょうか。
(知事)
今現時点で、考え方についてはこの場でも繰り返し申し上げてきておりますので、条例を順守していただく、また慎重な検討をしていただきたいということを今お願いしています。仮に、文献調査に応募する、これはまだ決まってないわけでございますけれども、仮にそういった文献調査に応募し、さらに概要調査に移行しようという場合については、知事の意見を申し上げることができるわけですから、その時点では反対の意見を述べさせていただくことについても、お話をしてきています。こういった対応についてしっかりとお話をしていくことに尽きると思います。
(読売新聞)
条例を守ってくれという立場に変わりはないと。
(知事)
変わりはございません。
(日本経済新聞)
話題変わりまして、昨日、日高線についてのJR日高線ですが、23日に廃線に向けた合意をするというふうな署名の話が出ました。受け止めを教えてください。
(知事)
これはこの場でも申し上げてきましたけれども、昨年の11月に7町の皆さまにとって苦渋の判断ということでバスを中心とする新たな公共交通体系を構築していくという方向性が決定されて以降、これまでの間、協議を続けてきた結果として、昨日の臨時町長会議において、JR北海道が廃線に向けた法手続きに入ることについて、容認をされたと受け止めております。これまでの間、長期間にわたりまして真摯(しんし)な議論を積み重ねてこられたことに敬意を表する次第であります。
道としては引き続き、来年4月からの日高地域における持続可能な交通ネットワークの形成、こちらに向けて情報提供、助言・調整など必要な支援を行っていきたいと思います。
(北海道新聞)
ちょっと話題また変わりまして、知事のインスタグラムのことでちょっと何点かお聞きしたいのですけれども、知事、今年の6月にインスタグラムを開設されましたけれども、すでにツイッターがある中で、どういった目的で開設されたのかというのと、ツイッターとの使い分けをどういうふうに意識されているのかというのが1点。
それから、こういったそのSNSを運用するに当たって、何か第三者のアドバイスとかは受けているのでしょうかというのが2点目。
3点目は、結構自宅での写真なども多く見られるのですけれども、これは奥さまが撮影されているのでしょうか。
(知事)
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、インスタグラムの活用については、記者発表させていただいた「HOKKAIDO LOVE!」プロジェクトというキャンペーンを今、北海道は北海道エアポート株式会社や、観光振興機構と一緒になって事業者の方と取り組んでいます。HOKKAIDO LOVEのハッシュタグ(検索目印)とともに、多くの写真を掲載しましょうということで皆さんにお願いをしている中で、私自身も北海道の魅力を発信するという観点から、新しくインスタグラムを開設したというのが背景にあります。ですので、できるだけ北海道の魅力が、どういった形で皆さんに受け入れていただけるのかということを考えながら発信しているつもりですけれども、写真についても、公務、仕事が終わった後の夜の遅い時間だとかそういった時に撮影することから、どうしても家で撮ることが多くなってしまいます。自分で撮れるのは自分で撮るのですけれども、なかなか自分で撮れない場合については、まあ妻に撮ってもらったり、そういった形で対応していますけれども、いずれにしても今、インスタグラムもそうですが、SNSを通して地域の魅力を知る方も多いので、そういった意味ではツイッターのみならず、そういったさまざまな手法というのが、今の時代は必要なのかなと思っています。
(北海道新聞)
第三者のアドバイスを受けたりだとかはしておりますでしょうか。
(知事)
妻からアドバイスをもらっていますけれども、そういう専門的な方に何か助言してもらってとかそういったことはないですね。
(北海道新聞)
奥さんからアドバイスされたこととか、何かありますか。
(知事)
硬い表情をするなとか、そういうのは言われますけれども。
(NHK)
明日の知事のご予定をもし公表できる範囲でお伺いできたらなということと、繰り返しで恐縮なのですけれども、明日はぜひ紙のコメントではなくて顔の見える対応をお願いできたらなと思います。
(知事)
たぶん質問しろと言われているのだと思うのですけれども、先ほどお話がございましたので、その点も踏まえて皆さんに対してどういった形で対応できるのかということについては調整したいと思いますが、一方で公務が入っていまして、時間的余裕がどういった形で取れるのかということについても、ご理解いただきたいと思います。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)