知事定例記者会見
- 日時/令和4年3月24日(木)17:30~18:12
- 場所/記者会見室
- 記者数/18名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 令和4年第1回北海道議会定例会の閉会に当たって
- ウクライナ問題への対応について
- 新型コロナウイルス感染症対策について
記者からの質問
- 新型コロナウイルス感染症対策について(1)
- 新型コロナウイルス感染症対策について(2)
- 北朝鮮のミサイル発射について(1)
- 並行在来線について
- 水田活用の直接支払交付金について
- 日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震対策について
- ロシアとの漁業交渉について
- 札幌市の冬季五輪招致について
- 北海道・札幌市行政懇談会について
- ウクライナ問題への対応について
- 北朝鮮のミサイル発射について(2)
知事からの冒頭発言
定例の記者会見を始めさせていただきます。何点か私のほうからお話をさせていただきます。
まず北朝鮮のミサイルの発射についてです。本日14時33分ごろ、北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを発射し、渡島半島の西方約150キロの排他的経済水域内に落下したものと推定される事態が発生いたしました。海上保安庁では、航行中の船舶に対して注意を呼び掛けているところでございます。
北朝鮮は、今年に入って弾道ミサイルなどの発射を繰り返しています。ウクライナ情勢も相まって、道民の皆さまの不安が増している中、本道に近接した地域にミサイルが落下したことは、私としては、大変衝撃を受けております。そして道民の皆さまの安全、安心に対して、極めて深刻かつ重大な脅威であります。断じて容認することはできません。政府において、北朝鮮が、このような国連安保理決議に明白に違反した暴挙を繰り返すことがないように、国際社会とも連携し、適切に対処いただきたいと考えております。
知事からの話題
令和4年第1回北海道議会定例会の閉会に当たって
2月25日から始まった第1回定例会が本日終了いたしました。新型コロナウイルス感染症への対応をはじめとして、道政上の重要課題について議員の皆さまと活発な議論をさせていただきました。総額3兆2265億円の令和4年度一般会計予算、道が提出させていただきました22件の条例、全会派が共同提出されました「北海道スポーツ推進条例」など、議決をいただいたところでございます。今議会での議論を踏まえまして、感染を抑えることに努めながら、ポストコロナに向けた展望を具体化することなど、活力あふれる北海道の実現に向けて、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。
ウクライナ問題への対応について
次にウクライナ問題への対応についてでございます。
2月24日のロシアによるウクライナの侵略から1カ月が経過したわけでありますけれども、この間の一連のロシアの行動は、国際秩序の根幹を揺るがすものであります。断じて許されない行為であります。
さらに今月21日になりますが、ロシア外務省が平和条約締結交渉の継続の意向がないこと、ビザなし交流、自由訪問の停止、共同経済活動に関する協議からの離脱を一方的に表明したことは、極めて不当であり、断じて受け入れられないことから、道として22日に在札幌ロシア総領事館に対して抗議を行いました。
また、お手元にお配りさせていただいておりますが、本日付けで国に対して、避難民の方々に対する支援方策、原油・原材料価格の高騰対策、ロシア軍の活動に対する警戒監視の強化、北方領土問題の解決などについて、緊急の要請を行ったところであります。
昨日、ウクライナのゼレンスキー大統領が国会におきまして演説を行いました。ウクライナ支援に対する日本への感謝と、900万人のウクライナ人が国外に避難している窮状を訴えたわけでありますが、道としても避難民の方々のお気持ちに寄り添った支援が重要であると考えているところでございます。
ウクライナから避難された方々への支援につきましては、先週18日に本道に4名が避難され、道として受け入れを支援させていただく最初の例となりました。また、20日には、ウクライナ在住の樺太在留邦人の方が、そのご家族3名とともに帰国いたしまして、旭川市に到着されたところでございます。本道へ避難された方々には、市町村などと連携しながら、地域としてできる限りの支援を行っているところでありますが、避難された方々が新たな生活をスタートされるに当たっては、住居、生活物資はもちろんのことといたしまして、当面の暮らしを維持するための生活資金の確保が重要になります。今回、国に緊急の要請をさせていただいた中で、避難民の方々に対する支援方策ということも要請をさせていただきましたけれども、政府としては、受け入れる方針自体は決めているのですけれども、何ら方策が示されていないと。現在、既に入ってきているという状況に鑑みて、道としては国に先行する形で、既に受け入れの支援をやっています。ただ、国として受け入れると言った以上は、早く支援策を国として示すことが重要だと思っていますので、緊急の要請をさせていただきました。ただ、そうは言っても既に受け入れを行っているわけですので、生活支援の確保が必要だという考えから、国連協会北海道本部と連携いたしまして、北海道に避難された方を支援するために、「北海道ウクライナ避難民支援募金」に急きょ取り組ませていただくことといたしました。こちら、モニターにもございますけれども、ちょっと字が小さくて見えないかもしれませんが、受け皿として北洋銀行さまにご協力をいただきまして、道庁支店に口座を開設したところであります。早速、本日から受け付けを開始させていただきたいと考えております。受付期間につきましては、当面5月31日までやりたいと考えています。道民の皆さまの温かいご支援を、よろしくお願い申し上げます。
詳細につきましては、会見終了後さらに事務方のほうから、皆さまに詳細についてご説明させていただきたいと思います。
新型コロナウイルス感染症対策について
新型コロナウイルス感染症についてであります。
本日、新型コロナウイルスに感染され、6人の方がお亡くなりになったことが確認されました。お亡くなりになった方々に哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の方々に心からお悔やみを申し上げます。
3月21日をもって、まん延防止等重点措置が終了いたしました。全道の新規感染者数は、ピークに比べますと約6割減少しています。病床使用率もピークと比べますと約5割減少という状況になっています。道民の皆さま、事業者の方々をはじめ、多くの皆さまのご理解、ご協力によるものであります。心から皆さまに感謝を申し上げます。しかしながら、年度替わりのこの時期につきましては、感染の再拡大に対する強い警戒感を維持して対応していかなければならない時期になります。医療機関が休診となりました3連休明けという影響もあるのではないかと考えているのですけれども、本日は14日ぶりとなります2千人を超える感染確認という状況になりまして、本日は2048人という状況になっています。また、昨年の話なのですが、感染の確認の数も今は千人を超えていますからちょっと(状況は)違うのですけれども、やはり年度末、年度始めということで(新規感染者数が)増加に転じたという経験があります。ですので、そういう意味で警戒していかなければならないということでございます。このため、3月22日から4月17日までの約1カ月間でございますが、年度末、年度始めにおける再拡大防止対策を実施させていただいております。
(まん延防止等)重点措置が終了したということで、皆さんの中に安堵の気持ちが広がっていると思うわけでありますけれども、感染力の強いオミクロン株の広がりを念頭に置いて、基本的な感染対策を引き続き徹底していただきたいというところがございますので、ぜひ再拡大防止対策について、ご理解、ご協力をお願いいたします。お願いしたい内容ですけれども、特別なものではありません。皆さまにはマスクの着用、手指消毒、換気にこれまで取り組んできていただきました。こういったお願いについては同じです。オミクロン株は感染力が強いということがあるのですけれども、こういった基本的な対策は、オミクロン株についても有効ということがありますので、どうしても(年度末、年度始めは、感染の)リスクが去年の状況を見ても高いので、ここはやはり再拡大を抑えるために、皆さんお一人お一人には、引き続き基本的な対策を実践していただきたいと思います。
特に注意していただきたい部分を三つお話します。一つ目は歓送迎会の飲食です。これからそういった時期ですので、歓送迎会は増えてくると思うのですけれども、飲食の場面は、当然のことながらマスクを外して食事しますので、どうしても感染リスクは高くなるということがありますので、お店については第三者認証を取得しているお店などを選んでいただいて、食べるときは当然しょうがないのですけれども、会話が中心になるときはマスクを着けていただいて、お話を楽しんでいただきたいということ。このことをまず徹底していただきたいと思います。
二つ目が入学式などの行事ですね。この時期は人の集まる行事が増えます。そしてポイントは、普段会っていない方々が参加する行事が多くなるということですので、そうした行事での対策については、特に徹底していただきたいと思います。また、行事のときだけ注意していれば良いというわけではなく、行事の前後にみんなでご飯に行きましょうということもあると思うのですけれども、先ほど申し上げたように、飲食はリスクが高くなるということがありますので、食事をするときはマスクを外しますけれども、お話が中心になるときはマスクを着けていただくということについて、ご注意いただきたいと思います。
三つ目ですけれども、転勤などの人の入れ替わりですね。異動時期ですので、人が替わるということがあります。今まで職場で当たり前にみんなで気を付けてきた、取り組んできた感染防止対策があると思うのですけれども、例えば新しく会社に入ってきた方とか、違うところから異動で来た方というのは、その職場で注意していることは、説明しないと分かりませんというところも、正直あると思っています。ですので、そういったことをちゃんと引き継いでいくということが重要になると思います。例えば休憩室とかで、これまでもどうしてもマスクを外して長時間お話をするという状況などの中で、リスクが高くなりますねということがありましたので、例えばそういったところをみんなで、新しいメンバーになって確認していただくとか、そういったことを徹底していただきたいと思います。一つ目が歓送迎会などの飲食、二つ目が入学式などの行事、三つ目が転勤など人の入れ替わり、こういった点については特に注意していただきたい場面ですので、皆さんにご協力をお願い申し上げます。
また、ワクチンの接種促進も重要になってきます。現在、多くの皆さまのご理解、ご協力を得まして、道内においては7割を超える高齢者の方が3回目の接種を終えました。本当に市町村の皆さま、関係する方々のご理解、ご協力によりまして、こういう状況を生み出すことになっています。今後は、さらに幅広い世代で接種を促進していきます。また、春休みになってきますので、春休みの期間を活用させていただいて、学校などでお勤めの職員の方々などにつきましては、3回目の接種をぜひ進めていきたいということがありますので、学校などの皆さんに、職員の方が接種することに対する配慮をしていただきたいということを、道としてもお願いしていきます。道のワクチンの集団接種会場についても、4月以降についても継続してやっていこうということで決めましたので、4月1日から予約を開始します。これは(道内)すべての地域の方が対象になってきますので、道の接種会場もぜひ積極的に利用ということで、ご検討いただきたいと思います。
また、国の通知がありまして、道として、本日24日から、オミクロン株の特徴を踏まえた濃厚接触者の待機期間などについて、見直しを行うことにしましたので、皆さまにお知らせします。本日から見直します。まず、感染した方の療養期間でございますけれども、これはこれまでと同じです。症状がある場合は10日間、症状がない場合は7日間、これは変わらないということですので、あらためて10日、7日ということであります。そして感染確認された方と接触したという方の待機期間が変更になります。まず、感染された方と同居されていますという方でありますけれども、保健所が濃厚接触者として特定して、待機期間についてはこれまでと同様の7日間になります。ここまでは変わらないのですけれども、新たな取り扱いとして、濃厚接触者ですということで特定されたご自身が、検査で陰性を確認した場合、5日目から待機解除できますということで変更します。それと、感染された方と同じ職場で働いているという場合であります。この場合はマスクを着用していないなど、感染対策を行わずに、接触しましたという場合はこれまでと同じです。これまで同様7日間の待機期間となります。マスクとかをしていなかったなと、感染対策をしていなかったなという場合については一緒です。感染対策をしていましたという場合については、自宅での待機等を求めることはしないということとします。ただし、この場合にあっても注意いただきたいのは、7日間は重症化リスクの高い高齢者の方などとの接触、そして会食やイベントに参加することは控えていただきたいと思います。そして医療機関や保健所などにおける濃厚接触者ですけれども、こちらについては、他の従業者では代替が困難ということなど一定の条件の下で、毎日検査することによって陰性が確認された場合、施設の職員の方は業務に従事することが可能といたします。今までいろいろご説明してきましたけれども、ここ(モニター)に全部書いてありますけれども、これは基本、症状がない方です。症状があって具合が悪いという方については、かかりつけの先生に、具合が悪いのですということで診てもらう、または、かかりつけの先生がいないという方については健康相談センターにご相談するということになります。今お話したように変わりますということもあるのですが、そもそも具合が悪いという方については、かかりつけの先生にちゃんと相談する、相談センターにご連絡いただくということは変わりませんので、無症状、症状がない方の取り扱いということでご理解いただきたいと思います。今、いろいろと取り扱いについて、かけ足で説明しましたけれども、ちょっと分からないというところがあると思います。この点は、ホームページに掲載していますので、対応が今日から変わったということだけれども、どういうことなのだということについては、こちらをご確認いただきたいと思っています。事業所の皆さまの取り扱いも変わりますので、経済団体などと連携して、会社などにも周知しています。これからも、しっかりそれはやっていきたいと思っています。
最後になりますけれども、これは繰り返しでありますけれども、感染リスクが高まる時期になります。ぜひお一人お一人、今までも大変ご注意いただいてまいりましたけれども、基本的な対策がポイントになってきます。それと、三つの注意いただきたい点を今日お話させていただきましたけれども、(まん延防止等)重点措置は終了しましたけれども、ぜひ引き続き、基本的な感染対策の徹底に、皆さまのご理解、ご協力をいただきたいと思います。
私からは以上です。
記者からの質問
(HBC)
すみません、不勉強だったら申し訳ないのですが、今日、一番最後におっしゃっていた濃厚接触者の待機期間なのですが、これは基本的に国のものを踏襲しているという考え方でよろしいですか。
(知事)
はい、基本的にはそうですね。保育園とかの取り扱いは、各都道府県の感染状況を踏まえて決めますという形になっています。その部分については、基本的には従来通りの取り扱いということで対応はもう決定しています。いつからそれを適用させるかというところが都道府県によって違うかもしれませんが、北海道においては今日からやるということで、対応していきたいと考えています。
(HBC)
これに関連して、やはり何というかオミクロンの特性はあるにせよ、少しずつその感染があっても経済を回していこうということで、知事としては、これ評価をしているのでしょうか、この緩和については。
(知事)
オミクロン株の知見も積み重なってきた中で、議論もいろいろあって、(濃厚接触者の待機期間)7日、10日ということで推移してきました。さらに濃厚接触者の方で、先ほどから繰り返していますけれど、無症状の方、無症状ということは基本的には、ウイルス量がそんなに高くない状況なのだと思っていますけれども、そういう方々の感染の状況を踏まえた中で、この5日間というところが一つ出てきていると。また、毎日の検査によって陰性を確認されている状況であれば、(医療機関などにおける濃厚接触者は業務に従事できること)それは社会機能を維持する上で一定程度必要だろうというところがありますので、これは道としても、国の考え方に準じて、対応したいと考えました。
(読売新聞)
事業所での濃厚接触者の対応について質問させていただきます。国の事務連絡では社会経済活動への影響が大きくなる恐れがあるため、こういった対応を執ることも可能とするというふうにしているのですけれども、これまでよりも、外出制限もないということで大きな緩和の一つだと、私としてはそういうふうに捉えております。
知事としては、この感染対策と社会経済活動の両立というのを、一つ大きなテーマとしてずっと掲げていらっしゃると思いますけれども、今、この状況というのは、今回こういうふうに新しい判断をしたと思うのですけれども、どういう段階にあるというふうに知事としては捉えていらっしゃるでしょうか。
この感染状況というのが、ある程度オミクロンという特性もあって落ち着きつつ、それがさらに落ち着きつつあるという、社会を大きく回していく必要があるのか、それとも感染対策に舵を切るのかという、知事としての現在の状況についての考えをお聞かせください。
(知事)
新規感染者数、そして病床の使用率については、道民の皆さまや事業者の方々のご理解、ご協力の中で、まん延防止等重点措置が適用されたときと比較しても減少し、解除という状況になっています。
ただ一方で、感染の確認の数で言うと、千人(を超えており)、本日は2千人を超えるという状況になっています。ですから注意は必要だと思っています。さらにどうしても年度末、年度始めでリスクが高くなりますので、ここは警戒しなければいけない。その上で、オミクロン株の特徴なども分かってきました。ですので、警戒はしっかりしながらも、感染対策は徹底しながらも、社会経済活動の回復に向けた取り組みも進めていかなければいけないと思います。
また、感染が急激に拡大するという状況などがあった場合については、当然、適切な対応を検討していくことになるのですが、やはり当然のことながら、経済もしっかり対応していかなければいけない重要な話でもありますので、ここは何とか、両立は大変難しいのですけれども、しっかり取り組みを進めていく必要があると思っています。2年にわたって各事業者の方、道民の方もコロナとの闘いが続いています。さまざまな面で事業者の方、道民の方、飲食店でいえば利用者の方、お店の方、それぞれ双方で、いろいろ対策を講じながらやってきていますので、そういった対策も徹底しながらも、経済の回復に向けた動きもしっかりやっていかなければいけないと思っています。
(北海道新聞)
まず、北朝鮮のミサイルの関連で質問します。ロシア軍によるウクライナの原発への攻撃もありましたけれども、北海道には泊原発があるわけです。この国際情勢が不安定な中で、泊原発の安全性の確保について、知事としてどうお考えなのか、伺います。
(知事)
今の原発における安全確保に関する議論は、国において、今回の国際情勢を踏まえた中で、他県で既に原発が稼働している状況がありますので、議論されていると認識しています。こういった世界情勢の中で、安全、安心を確保していくために、そういった議論を注視していきたいと思いますし、道としても、原子力防災における対応に、これまでも近隣の自治体と連携して取り組んできましたので、必要な対応をしっかりこれからもやっていきたいと思っています。
(北海道新聞)
続けて別件で、並行在来線の小樽-余市間についてなのですけれども、余市町が条件付きでバス転換を検討しているとのことです。地元自治体が、鉄路を廃止してバス転換を選ぼうとしていることについての知事の受け止めを伺います。
(知事)
今ご質問のありました件につきましては、小樽市においては、まだ保留ということ。そして、余市町については、鉄道を維持したいという状況にございます。道としては、できるだけ早く結論が得られるように取り組んでいるところであります。
(日本農業新聞)
本日の(道議会)本会議で、米の転作助成となる水田活用の直接支払交付金の見直しに関する国への意見書が採択されました。このことも踏まえて、見直しに対する知事の対応方針をあらためて教えてください。
(知事)
今回の国の制度見直しでありますけれども、生産者の皆さまへの交付金の減少にとどまらず、地域の農業にさまざまな影響を与えると認識しています。道では、関係機関や団体で構成する連絡会議を立ち上げまして、地域が抱える課題の把握、その対応策についてオール北海道で検討を進めているところです。
国のほうでは、今後5年間で、現場の課題を検証しながら見直しを進めるということとしておりますので、道議会での議論、連絡会議での検討を踏まえて、道の実情に即した制度の運用、必要な予算の確保を国に求めるなど、水田農業が将来にわたって安定して発展していけるように、道として取り組んでいきたいと考えています。
(毎日新聞)
22日に政府が日本海溝・千島海溝沿いで起きる巨大地震について、対策について取りまとめたと思います。内容については新規性が大きくあったとは思わないのですけれども、中にはハード面での整備の他、防災教育の重要性についても言及されていました。ハード面、ソフト面両面において、道として今後、被害想定を出すですとか、減災目標を出すとか、今後動きがあると思うのですが、そういった整備についてどのように進めていくのかお聞かせください。
(知事)
22日に報告書として取りまとめて公表がありましたけれども、私はこのワーキンググループの委員として、これまで報告書の取りまとめに当たっての議論に参加してきました。その中では、寒冷地特有の事象を踏まえた対策に、結構な時間を割いて議論してまいりました。まずポイントとしては、南海トラフ地震と同等の法改正が必要だということ。これは最初に出席した場で申し上げました。また、積雪寒冷地特有の課題への対策ですね。専門家の皆さんからも、やはり積雪寒冷地において考え得るいろいろなリスクがあるということで、議論がありました。
私がポイントとして発言させていただいたのは、積雪寒冷地特有の課題の議論はいろいろあったのですけれども、それを進める上で、法整備、財政上の措置が必要不可欠だと申し上げてきました。自治体がこれから、この報告書、またその結果を踏まえてそれぞれ対応していくときに、どうしても財政上の問題が出てきますので、ここが不可欠だと申し上げてきました。この点は、報告書のほうに明確に反映されたと思っています。
こうした巨大地震への対策に対して、道では、市町村や関係機関の皆さまと連携して、実践的な防災訓練を実施しています。住民の方々に対する自助、共助の意識を醸成していく、このことに向けての防災教育・訓練などにも取り組んでいます。こうした取り組みは、一層充実、強化していく必要があると考えています。
また、現在、北海道防災会議のワーキンググループにおいて、有識者の皆さまからもご意見をいただきながら、市町村ごとの被害想定の策定、そして被害を最小化するための減災目標の策定などについて、検討を進めています。私としては、この報告書の内容も踏まえまして、国、関係機関、市町村と緊密に連携して、最大クラスの地震、津波から道民の皆さまの命を守るために、全力で取り組みを進めていきたいと考えています。
(読売新聞)
北方四島の関係なのですけれど、ビザなし交流とかちょっといろいろな動きが最近あった中で、サケ・マス漁とか今後、漁業関係のロシアとの交渉があると思うのですね。こっちは多分まだ事態が固まっていなくて状況が見通せないところもあると思うのですけれど、確か交渉には道庁とかも参加していたと思うので、知事として現状をどう見ているのかと、今後ちょっとどういう影響が懸念されるか伺うことはできますでしょうか。
(知事)
ロシアのウクライナ侵略により、今ご質問のありましたサケ・マス漁業、貝殻島昆布漁業などのロシアとの漁業交渉の開催日程が決まっていません。ロシア産の水産物の輸入量の減少も想定されるのではないかと考えていますので、漁業生産、水産加工業、水産物の消費流通などへの影響が懸念されると考えています。
道としては、漁業交渉を一刻も早く妥結して、例年通り、漁業者の皆さまの操業の確保が図られることが、何より重要であると考えています。日々、さまざまな動きがありますので、国際情勢を注視していきたいと考えていますし、交渉の窓口になる水産庁、関係団体とも緊密に連携しまして、交渉に関する情報収集、そして(情報)提供に努めていきたいと考えています。具体的な影響の把握なども行っていかなければならないと思っています。漁業者の皆さまが不安な思いを持っていらっしゃいますので、この不安が払拭されるように、道としても取り組んでいきたいと思っています。
(読売新聞)
別件で、札幌市がこの前オリンピックの調査で市民に関しては賛成が52パーセントぐらいだったという数字を出していたと思うのですね。知事のほうも議会などで理解促進は必要なのではないかという認識を示されていたと思うのですが、52パーセントぐらいが賛成だったという一方で、過去の招致活動時の五輪開催都市よりも低いのではないかという見方もできますし、知事として今回の調査の数字は十分な市民の支持を得られたと考えるか、そうではないのか、どういう認識を持たれているか教えてください。
(知事)
この調査は、札幌市のほうで、今後の招致活動の参考にしますということで、広域開催でもあるということも踏まえた中で、札幌市民の皆さまのみならず、道民の皆さまも対象とした意向調査を行ったところです。今回、公表されたものですけれども、速報ということで、賛成、反対、賛否のみの公表になっていますので、今後、賛成の場合は何でなのですかと、反対の場合は何でなのですかとか、いろいろ詳細な分析というのですか、そういうものが公表されるのではないかと思っていますけれども、賛否の割合のみではありましたが、郵送、インターネット、街頭という三つ実施された中で、そのいずれにおいても、賛成、または、どちらかといえば賛成ですよという方が過半数を超えているということ。この一方で、招致活動の主体になります札幌市、その札幌市民の皆さまの反対意見が一定数に上っているということが、私としてはあると思っていまして、この点については、さらなる理解促進に向けた取り組みが必要なのではないかと、私は認識しています。
(北海道新聞)
札幌オリンピック・パラリンピック招致に関してちょっと一つ質問させていただきたいのですけれども、札幌市の秋元市長が、4月以降に知事との行政懇談会を開催したいというふうな意向を示されていると思うのですが、道としては、札幌市との日程調整というのに入っていらっしゃるかというのをお尋ねしたいと思います。
(知事)
ここは報道とかもいろいろあったみたいですけれども、具体的には決まっていないという状況です。
(北海道新聞)
知事としては、秋元市長の発言を受けて、いつごろに行政懇談会というのを開催したいというふうにお考えでしょうか。
(知事)
まだ具体的なお話が市からも来ていませんので、市のお考えというのですか、そういうものもお聞きしながら、開催できればと思っています。今までもコロナ対策も含めて、秋元市長とは個別に、いろいろ連絡を取り合いながらやってきていますけれども、ただ、しばらく(行政懇談会を)できていないということもあるので、お互いのそういう時期ですね、あとは、内容も全然決まっていませんので、そういったところも含めて調整した中で、決めていければと思っています。
(北海道新聞)
聞き間違いだったら大変申し訳ないのですけれども、先ほどの読売新聞さんの質問に対して、知事は「ウクライナ侵略」という表現を使われたのですけれども、おそらく特別の定義というのはないと思うのですが、比較的、今回この一連のことは「侵攻」という呼び方をされているケースが多かったのに対して、「侵略」は土地や財物を奪うというようなちょっと強い表現かなと考えたのですけれども、これは何かウクライナに対しての意図ですとか、思いがあってのご発言なのか念のため確認させていただきたかったのですけれども。
(知事)
今の一連の行為は、侵略に相当すると考えています。確かに軍事侵攻が始まってから1カ月という意味で、時期的な言い方からすれば確かに、侵攻が始まってから1カ月という趣旨でお話をさせていただきました。
(HBC)
北朝鮮のミサイルの関係なのですけれども、知事の個人のお考えとして、北朝鮮のミサイルが、非常に技術もどんどん向上してきていて、防衛省がいざ発表したとなったら、実際はもうミサイルが本当に着弾しているみたいな状況に、既になっていると思うのですけれども、知事個人としては、主に北海道あるいは日本を防衛していくために、どういった取り組みが必要だというふうに考えておられますかというのと、あるいは国に対して、こういった取り組みを求めていきたいということがあれば教えてください。
(知事)
当然のことながら、ミサイルの発射のみならず、わが国を脅かすような危機に関連するような動き、兆候、そういったものが見られた場合については、当然、道民の皆さまの命、財産を守る観点から、防衛省や関係するところと、しっかり連携して対応していかなければならないと考えていますので、そういった状況を常時監視しているということが必要であると考えています。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)