知事定例記者会見
- 日時/令和3年4月15日(木)17:30~18:29
- 場所/記者会見室
- 記者数/23名(テレビカメラ2台)
会見項目
知事からの話題
- 新型コロナウイルス感染症対策について
- ヒグマおよび山菜採りにおける事故防止について
記者からの質問
- 新型コロナウイルス感染症対策について(1)
- 新型コロナウイルス感染症対策について(2)
- 新型コロナウイルス感染症対策について(3)
- 政務活動費に関する訴訟について
- 江差高等看護学院を巡る諸問題への対応について
- 幾春別川総合開発事業について
- 高レベル放射性廃棄物の最終処分について
- 札幌市でのマラソンのテスト大会について
- 農業分野における温室効果ガスの削減について
知事からの話題
私から2点お話をさせていただきます。
1点目でありますが、新型コロナウイルス感染症についてであります。初めに本日5名の方が新型コロナウイルスに感染され、お亡くなりになったことが確認されました。お亡くなりになった方々に哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の方々に心からお悔やみを申し上げます。
先ほど開催いたしました(新型コロナウイルス感染症)対策本部、こちらで決定した内容について、まずはご説明させていただきたいと思います。まず昨日時点の各指標についてでありますが、先週と比べると、全道および札幌市では新規感染者数が増加し、入院患者数などについても増減しているという状況になります。これを長期的な視点で見てみますと、まず新規感染者数については、3月上旬から横ばいが続いていたわけでありますが、4月上旬から増加に転じております。4月10日には65日ぶり、2月4日以来となります、100名を超えるという状況になりまして、116人ということとなりましたが、本日につきましてもすでに公表させていただいておりますが、101人の感染確認という状況となっておりまして、予断を許さない状況にあります。入院患者数については、3月から増加しておりまして、重症患者数、こちらも大きく増加しているという状況にあります。
次に札幌市の感染状況についてでございますが、新規感染者数については3月から増加傾向が続きまして、4月に入りましていったん減少が見られたわけでありますが、直近では再び増加しているという状況にあります。感染経路不明の割合については、40パーセント前後の水準で推移しておりまして、引き続きこちらも注意が必要となっています。陽性率については約5パーセントということで、やや増加しているという状況にあります。続いて、札幌市の入院患者数との関係について見てみたいと思いますが、こちら11月の増加時と異なりまして、新規感染者数の増加以上に、この入院患者数および重症患者数、こちらが大きく増加しているという状況であります。こちら前回ご説明させていただきましたけれども、新規の感染者数がこういった状況にかかわらず、入院(患者数)と重症(患者数)が急激に増えているという状況がございます。特に4月6日には、市内の重症患者数、こちらが過去最多の人数となりまして、札幌市内では厳しい医療提供体制が続いているという状況にあります。新規感染者数の札幌市と札幌市以外で比較したいと思いますが、若干ちょっと(モニターの)色の濃淡が見えにくいかもしれませんけれども、これまでは札幌市が増加して、遅れて全道が増加する。例えばこちら、札幌市がこの黄色ですから、札幌市が急に増加して、その後遅れて他の分が増加するという状況が見られたわけでありますけれども、3月以降をご覧いただきたいと思いますけれども、3月以降については、札幌市がこう増加しているのですけれども、札幌市以外については、ここ一時期増えましたけれども、何とかこのラインで踏みとどまっていますよという状況がありまして、客観的に見ると、札幌市以外は比較的抑えられているということが言えるのではないかと思っています。
こういった状況の中で、明日16日をもって、現在行っている札幌市内での外出、往来自粛の要請期間が終了する(予定だったものが)、その後延長することが決まったわけですが、この間の感染状況について振り返ってみたいと思います。まず札幌市内の感染状況です。こちら外出、往来自粛要請を決定した日、3月26日から昨日14日までの20日間と、11月の感染拡大した際の同レベルの感染状況にあった日、こちら11月1日から同じ期間である20日間、11月20日までの新規感染者数を比較してみました。そういたしますと、11月につきましては、この20日間で3.7倍まで急激に増えているという状況に対して、今回の状況につきましては1.3倍と、増加しているのですけれども、11月と比較しますと、その増加に違いがあるということがございます。そして感染経路不明ですとか陽性率も、こちらも書いてありますけれども、この感染経路不明の実人数の増減については、3月は11月の3分の1、こちらちょっと見えにくいかもしれませんが3.6倍と1.3倍なので、3分の1という状況になっているということです。こちらを札幌市以外はどうなっているのだということで見ていきたいと思いますが、こちらがより顕著に現れていますけれども、こちらの場合も同じ期間で比較しますと、札幌市以外は11月は5.1倍に増加したことになります。今回につきましては、1.2倍という状況になっています。増加しているのですけれども、増加についてはだいぶ違いが出てきてということがあります。さらにこの感染経路不明の実人数についての増減で見ても、こちら2.9倍、約3倍近いですけれども、こちら1倍ということでありますので、3分の1に抑えられているという状況になっています。こちらは年度末、年度初めということで、人の移動が活発化する時期にかけて、道民の皆さま、札幌市民の皆さまに対しまして、大変なご負担をお掛けしてきたわけでございますが、皆さんのご理解とご協力をいただきまして、現時点におきましては、道内においては11月と比較したときに、11月のような急激な拡大には至っていないという状況にはあるのだろうと思うわけであります。
次に全国との比較はどうなのだということなのですが、こちら全国との比較になります。3月26日、これが外出、往来自粛を決定した日、そして昨日14日までの状況です。これは全国の10万人当たりの感染者数の平均です。当時、全国が8.5人、北海道が7.9人という状況でしたけれども、全国的に感染が拡大しまして、実に2.2倍の18.03人、これが全国の平均値になっています。ですからこのときに比べると2.2倍まで全国は増加している。北海道の状況ですけれども、7.9人だったものが1.3倍ということで、10.2人という状況になっているということであります。こういう状況でありまして、他県のように感染が急拡大している状況には至っていないと言えるのではないかと思います。この3週間の対策はどうだったのだということについて言うと、これは道民の皆さんのご理解、ご協力の中で、足元ではこういった状況になっているということであります。では大丈夫なのかという話ですが、決して楽観視することができないということをこれから話していきたいと思います。
その一つ目の要因、それが変異株です。変異株は感染しやすいとされておりまして、その確認数が増加しているという状況にあります。こちらご覧いただきたいと思います。PCR検査の実施数、最初国は5パーセントから10パーセントぐらいやればいいのではないかと言っていたのですが、北海道は9パーセントからだいたい90パーセント、80パーセント、70パーセントということで、かなりの割合でスクリーニングをかけて、変異株かどうかという確認を行ってきました。その中で、変異株の占める割合でありますが、こちら最初は少なかったわけですが、38パーセントとかそういう状況になって、直近で言うと41パーセントという状況でありますけれども、こういった形で変異株の確認が確実に捉えられているということであります。そしてこれは北海道全体の状況なのですけれども、特に札幌市で置き換えてみますと、変異株の8割以上が札幌市に集中しているという状況になっていますので、人の往来が活発な札幌市の都市構造を考えますと、予断を許さない状況であるということが言えるわけであります。
そしてもう一つの理由でありますが、それは全国的な感染拡大です。北海道は他県との往来が活発な地域であります。本日でいいますと、先ほど大阪府が感染者数を発表しましたけれども、3日連続で1000人を超えるような状況になっているわけでありまして、本日、大阪府は1208名という状況です。この11月のときは全国で一番感染者数が多かったのは北海道なのですね。大阪府や東京都より多かったわけであります。そこを何とかみんなで抑え込んで、その11月の波を抑えて緊急事態宣言を回避したわけですが、そういった変異株の状況などを考えると、決して大阪府の状況というのは他人ごとではないわけです。東京都でも729人という状況で本日確認されていますので、全国的な感染拡大に、北海道は関係ないですということではないわけですね。ですから十分な警戒をしていかなければならないという状況であります。そしてこういった状況を踏まえますと、引き続きまん延防止等重点措置、この適用がある宮城県、大阪府、兵庫県、東京都、京都府、沖縄県、こういったところとの往来を控えていただきたいということであります。大阪府での急激な感染拡大が起きる前から、大阪府、関西への往来について注意喚起を、われわれ呼び掛けてまいりました。引き続きお力添えいただきたいと思います。また今後、まん延防止等重点措置の適用の検討の動きがあります。県によっては、国のほうに検討要請すると言っているところもありますので、こういった状況についても、われわれとしてはしっかり注視していきたいと思いますし、感染が拡大傾向にある地域につきましては、行動制限などもありますから、そういった決定について、道民の皆さまには十分ご注意いただきたいと思います。
こうした状況を踏まえますと、今はこれまで以上に警戒レベルを上げて、対応していかなければならないというのが私たちの考えです。このため、本日、秋元札幌市長と意見交換させていただきました。17日以降の対応について協議させていただきまして、先ほど対策本部で正式に決定を行ったところであります。道民の皆さま、札幌市民の皆さまには、これまで本当に長い戦いとなっております。大きなご負担をお掛けしているわけでありますが、今ご説明させていただいたような状況を踏まえますと、わが国が直面している感染の再拡大、こういった危機を回避していかなければならない。そして、安心してワクチンの接種を受けられる環境を整えていかなければならない。このことを考えると、今が極めて重要な時期であると考えておりまして、そのことについてご理解いただきたいと思います。そこで今一度皆さまには、5月14日までの間、札幌市内においては、不要不急の外出の自粛、そして往来の自粛、このことについてご協力をお願いしたいと思います。皆さんに徹底した対策をとってきていただいたおかげで、何とか全国的な急激な感染拡大を回避しているという状況がございますので、ぜひ、この点について引き続きご協力をお願いしたいと思います。そして今後の状況ですけれども、感染状況に応じまして、これは毎日モニタリングをしていますが、基本、毎週対策本部を開きたいと思っておりますが、感染状況が改善してくれば、前倒しでの解除、こういったものを検討したいと考えていますし、反対にこれは絶対避けなければならないと思いますけれども、感染状況が急激に悪化するだとか、そういった予兆が感知された場合については、より強い措置を検討していかなければならないと考えており、必要な対策について機動的に対応していきたいと思っています。
そして記者の皆さまにお配りさせていただいておりますが、この度、秋元札幌市長と意見交換、会談をさせていただきまして、この今の状況を、例えば大阪府は3日連続1000人を超えている、東京都は700人を超えている、北海道は何とかまだまだ踏ん張っているのではないか、だからそこまでの対策はいらないのではないか、そういうことではないわけでありまして、そういった事態を避けなければならない。そして今どういう状況にあって、皆さまに3点お願いしたいことについて、札幌市長とともに共同のメッセージを発出させていただくことといたしました。先ほど申し上げましたけれども、非常に長きにわたって、この忍耐を強いられてきた、そういう状況の中で、自粛疲れと言われますけれども、そういった点もあるのではないかということであります。またかということだったり、これ以上何をすればいいのだという思いを持たれている方もいらっしゃるのではないかと思います。しかし、皆さんと共有させていただきたいのですけれども、昨年の11月、先ほど申し上げました感染拡大がありました。一時期、全国で一番感染が多かったのはどこですかと言ったら北海道だったのです。そういう状況の中で、大変皆さんにご理解、ご協力をいただいて、感染防止行動を実践したことによって、緊急事態宣言、そういう状況になる爆発的な感染拡大を回避して、感染者数も減少に転じさせて、何とか踏みとどまってきた、そういう状況が実際に北海道はあるわけです。そして今どういう状況かというと、全国で感染が再拡大しています。今まで以上の感染が見られる大阪府のような状況などもあります。これまで皆さんが感染リスクを回避する行動を実践していただいたことによって、回避してきたこの実績があるわけでありますから、道民の皆さまのこれまでのご理解、ご協力、ご努力、この経験を踏まえれば、必ずこの厳しい状況も北海道であれば乗り越えることができると私は思っています。今回お願いすることについては、新しい特別なこと、そういうことではないわけでありますが、どうかこれまでも皆さんと乗り越えてきたこと、これを振り返っていただきまして、危機意識をどうか皆さん一段引き上げていただきたい、高めていただきたいと思うわけであります。これまで日常生活の中で、皆さんが取り組んできていただいた対策をあらためて、こういった全国的な状況などを踏まえて徹底していただく、このことが極めて大事な時期だというところであります。そのことが感染の再拡大を防止することにつながるのだと考えています。先ほどお願いいたしました、不要不急の外出、往来自粛について言えば、この期間は、まずは外出する前に訪問先そして行動の内容、こちらをご確認していただきたいと思います。そして感染リスクを回避できるかどうかについて、お一人おひとり、慎重にご判断していただきたいということであります。皆さんはこれを実践し、そして北海道として感染を下方に転じさせ、乗り越えてきたわけでありますから、この点、あらためてご協力をお願いしたいということであります。
そして具体的な感染防止対策も、皆さんが普段取り組んでいただいている行動であるわけであります。感染しやすいとされる変異株ですが、対策については変わらないわけでありますが、ではどうすればいいのだということですけれども、お願いしたいのは、先ほどから申し上げている危機意識をもう一段高めていただいた上で、基本的な感染防止行動を徹底して実践していただくということです。マスクの着用、多くの方がマスクを着用していただいていると思います。しかしながら例えば手洗いや手指消毒の徹底、この点について言えば、感染が急激に拡大していたとき、またはこの新型コロナウイルスの感染が初めて確認されたときの警戒感から考えると、もしかしたら手洗いや手指消毒の徹底が、少し不十分だなということもあるのかもしれません。こういった手洗いや手指消毒の徹底、また咳エチケット、そして人との距離をとる、こういったことをこの機会にもう一度、皆さんお一人おひとりに徹底していただきたい。もうすでにやっているよという方についても、今一度、再点検していただきたいということであります。そのことによってこの変異株、対策は基本的には変わらない中で、意識をもう一段上げた中での対策を徹底することにより、再拡大を何とか回避していきたいということであります。
そしてあと2週間ほどでゴールデンウィークを迎えるわけであります。ゴールデンウィークの対応については、全国統一で対策を講じるべきであるということを私は全国知事会で提案しましたけれども、今のところそういった形にはないようであります。ゴールデンウィークにつきましては、われわれといたしましては、人の移動や会食の機会が一層活発化すると考えておりまして、全国的な感染拡大などを踏まえますと、最も注意しなければならない期間になると考えています。このため、移動の場面においては、繰り返しとなりますが、マスクの着用、手洗いなどの基本的な感染防止行動の徹底をお願いいたしまして、大人数での会食が避けられないという場合には、旅行を控える、または延期していただく、このことを検討していただきたいと思います。
また4月に入りまして、日ごとに暖かくなるこの北海道では、ちょうど桜の開花時期がゴールデンウィークと重なるという地域も多いわけであります。道内にも絶好の桜の名所があるわけであります。今回のお花見についてでありますけれども、お花を楽しんでいただくにあっても、混雑を避けていただく、また飲食を伴う宴会は避けていただく、このことを皆さんにはお願いしたいと思います。この時期に北海道でも、札幌市と連携した取り組みをしっかりと強化してまいります。明日16日そして19日、21日にかけまして、札幌市内6地域にある飲食店、こちらを無作為に抽出させていただいて、道と札幌市の職員が2人1組となりまして、20組に分かれて訪問させていただいて、啓発チラシを配布しながら、感染防止対策の徹底について、呼び掛けを行ってまいります。また、札幌市内にあります公共施設におきまして、利用者の皆さまに向けて感染防止行動の注意喚起を行いますほか、施設利用に当たっての利用人数の制限など一部制限を行わせていただきます。感染の再拡大防止に向け、人の移動の活発化を見据えまして、来道される方に対しても注意喚起を徹底して行ってまいります。旅行者の多くが利用する空港、駅、フェリーターミナルなどの交通拠点におけるポスターやアナウンスなどを徹底いたしまして、啓発を行ってまいります。そして、現在取り組みを進めております「新しい旅のスタイル」などによりまして、観光事業者、旅行者双方の感染防止対策の徹底、定着を図ってまいります。道内の教育機関も一丸となって対策を進めてまいります。校内でのマスク着用、手指消毒など基本ルールの順守、習慣化をあらためて図りますほか、体調・行動確認システムを活用した、児童生徒の主体的な感染防止行動の促進を図ってまいります。
最後に4月19日からになりますが、道庁でも「テレワークデイズ2021」ということで、テレワークや時差出勤を推進してまいります。現在の厳しい感染状況を踏まえまして、経済界の皆さまに対しても、テレワークや時差出勤の推進を呼び掛けることとしているわけでありますが、率先して道がテレワークを実践してまいります。こうした取り組みを通じて職員の感染リスクの低減など、感染抑止につなげていきたいと考えております。
最後になりますけれども、全国で感染が再拡大しているわけであります。他県との往来が活発な本道は十分な警戒が必要なわけであります。特に人の移動が一層活発化するゴールデンウィークを迎える中で、今後感染が拡大した場合には、交通事故ですとか、急病などの救命救急といった緊急時の医療への影響が強く懸念されるわけであります。札幌市での感染が拡大して病床の負荷が高まっているわけでありまして、こういったことが懸念されます。私たち道民にとっては、これから待ち望んだ春を迎えるわけでありまして、先ほど申し上げたお花見ですとか、旅行など、通常であれば気持ちが非常に開放的な時期となるわけでありますが、他県が感染爆発と言われるような事態に見舞われているという状況の中で、この1カ月が極めて重要な時期だと考えています。他県のような爆発的な感染拡大になりますと、これから本格化していくワクチンの接種にも大きな影響が生じるということになります。そういった感染がすごく増えている所と比べれば、まだ北海道はそこまでいっていないじゃないかと、そういうことではないのです。そうなってしまったらもう遅いわけですから、道内の再拡大を何としても食い止めていくために道民の皆さまお一人おひとりの感染防止行動の徹底、この点について、どうか皆さんにご理解、ご協力をいただきたいと思っております。
これが一点目です。
ヒグマおよび山菜採りにおける事故防止について
2点目はヒグマの関係と山菜採りの事故防止です。
厚岸町で山菜採りに入った男性がヒグマに襲われて亡くなるという、大変残念な事故が発生しました。お亡くなりになりました方に哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の方々に心からお悔やみを申し上げます。
この時期に山菜採りなどで野山に入る、そういった機会が増える一方で、冬眠から覚めたヒグマが餌を求めて活発に活動する状況の中で、ヒグマと不意に遭遇する、人身事故が発生しやすい時期であります。道では、4月1日から5月31日まで、ヒグマ注意特別期間と定めて、皆さんに注意喚起を呼び掛けてきたところでございます。山菜採りなどで入山する場合には、道や市町村がホームページで発信しているヒグマの出没情報、こういったものなどを確認していただきまして、あらかじめ危険な場所は避けてください。
また、野山でヒグマと遭遇する恐れがあるということを忘れないでいただきたい。その上で、複数で行動する、野山で音を出しながら歩く、食べ物やごみは必ず持ち帰るということで、ヒグマに出会わないための基本的なルール、これを皆さんに守っていただきたいと思います。
また、山菜採りに夢中になって、方向とかも分からなくなって遭難する、そういった事故も例年起きています。ですので、事故を未然に防ぐために、無理な行動は控えてください。そして、単独行動を避けていただきたい。天候の急変にも備えて、携帯電話といった通信器具、非常食の携帯ですとか、行き先、帰宅時間などを家族、知人に知らせるなどの事故の回避、これに万全を尽くしてほしいと思います。山菜採りですとか山歩きだとか楽しいこと、そういった中で不幸な事故につながることを避けていただきたいと思いますので、お一人おひとり注意して行動いただきたいと思います。報道の皆さまにもご協力いただければと思います。
私からは以上です。
記者からの質問
(日本経済新聞)
先週もこの場でお伺いしたので、ちょっとこの繰り返しになって恐縮なのですが、まん延防止措置の絡みで教えてください。先週の話ですと札幌市の感染にクラスターのようなものがあるので、現下の入院状況のひっ迫具合というのは、またちょっと考え方が違うのですよというお話があったかと思うのですが、一方で今日の朝のお話ですと8割来ていると、11月のピークに比べて、結構厳しいですねという話になっていると。ちょっと状況が変わっているのかなと思うのですが、その中において、まん延防止の基準10万人当たり15人といったような考え方の一辺倒で、引き続き国に要請していくのか、要請する間合いをはかるのか、それともまた、もうちょっと柔軟に数値を見直していくのか、その辺の考え方を教えてください。
(知事)
先ほど申し上げたように、感染状況を、また医療提供体制の状況も見ながら、この期間中は毎週、対策本部を開いて、モニタリングの状況についても皆さんと共有していきたいと思います。感染状況が改善していけば、この対策期間は非常に長いですから、前倒しの解除、これも検討していきますし、状況が悪化して、強い対策をとらざるを得ない、こういう判断となれば、そこはしっかりちゅうちょなく対策を講じていきたいと思っています。まん延防止等重点措置につきましては、10万人当たり15人という先行指標である新規感染者数と医療提供体制の状況などを見ながら、考えていきたいと思っています。今、全国的にも、その要請を検討すると言っているような地域なども出てきてまして、また一方でその要請を検討しているところが直ちにまん延防止等重点措置になっていないという状況などもありまして、これは全国知事会に対して私から提案して、こういった基準をどういった場合に国として認めていただけるのかなどについても、できれば明らかにしていただきたいのだということを全国知事会としても言っているのですが、なかなか明らかにならないというところはありますが、他の県がそういった要請をしている状況なども踏まえながら、ここはしっかり対応していきたいと思います。
(北海道新聞)
札幌市の外出、往来自粛要請の延長なのですけれども、この5月14日までと、ゴールデンウィークまでは続けたいという動機に基づく期間設定なのだろうと思うのですけれども、その14日とした理由とは何か明確にあるのでしょうか。例えば、5月9日までという考え方もありましょうし、なぜ14日なのかということと、この措置の継続によって、やはり事業者、飲食店などを中心に相応の影響を受けることが続くだろうということが考えられるわけですけれども、何かそういった事業者に対する措置というものが検討された経過というのはあるのでしょうか。
(知事)
まず期間ですけれども、これは全国的な感染再拡大が見られる中で、北海道としては、ゴールデンウィークというのは一つ警戒しなければならない期間であろうと思っています。この点についても、先般の全国知事会で、私から、北海道だけがゴールデンウィークになるわけではないですから、ゴールデンウィークについてもそろそろ検討するべきなのではないかということを、緊急提言に入れていただきましたけれども、そこがなかなか今、対策は出てきていないのですが、やはりそこの期間というのは、われわれとしては慎重に対応すべきだろうということ。今までだと3週間、対策を講じて分析してと言ってきたのですが、このゴールデンウィークの期間は、その3週間に1週間を加えて、4週間ということで一つ期間設定させていただきました。
さらには、その期間がやはり長期にわたりますから、その感染状況を毎週、対策本部を開く中でモニタリングしながら、改善が図られた場合については、前倒しして対策を解除する、また厳しくなってきたらより強い対策を講じる。この点についてはしっかり対応していきたいと思っています。
また、この間の本道経済への影響についての話でありますが、まん延防止等重点措置の対象地域が広がっています。さらに言えば、東京都や大阪府をはじめとして、大都市圏で感染が急拡大している状況がありまして、わが国、日本における影響も非常に大きいものがあると思っていますし、また、例えばですけれども、旅行需要だとかそういうものを考えても、北海道だけで完結するのではなくて、全国的な感染拡大の影響も当然、本道経済も受けますので、そういった状況でより厳しい状況になると思っています。
ただ、大変苦しい状況ではあるのですが、やはり感染拡大を防ぐ、例えば大阪府もそうですが、連日千人、千何百人を北海道で超えていくという状況になりますと、経済的影響が全くないかと言ったら、当然、より経済的に影響を受けるわけでして、感染拡大を防いで経済の影響の最小化を図っていくという意味で、極めて重要な時期ですし、そこはこの3週間の状況を分析した上で、対策を講じさせていただきたいというのが基本的な考え方です。
その上で、この全国的な感染再拡大を踏まえた、北海道や札幌市のそういったレベルだけの対策で、全ての経済的影響が乗り越えられるかというと、このまん延防止等重点措置を、例えば私や札幌市長が東京都はそうですとか、そういうふうに決めているわけではないですから、そういった全国的な影響なども考慮した中で、国にしっかり対策を求めていかないといけないと思いますし、われわれ道としても、今、(事業者の)足元の経営継続の対策に、国の施策なども活用しながらしっかり取り組んでいきたいと思いますし、今年度予算についても、必要な対策について、速やかに事業実施していくということなども考えながら、適切に対応していきたいと考えています。
(北海道新聞)
続けて関連の話題なのですけれども、この措置の延長に伴い、いわゆる「新しい旅のスタイル」というモデル事業ですか、これが札幌市を除外した状態が4月の後半も続くということに必然的になると思うのですが、この事業自体が4月いっぱいで終了する、このことに対する、札幌市へのいろいろな経済効果を考えると本当は入ったほうが良かったのでしょうけれども、札幌市を結局除外したまま終わってしまうということに対する、知事のご感想というかご所感と、それから、この事業に関して5月以降どうするのかと、併せてお願いします。
(知事)
「新しい旅のスタイル」のモデル事業についての制度設計は、そもそもそういった枠組みでスタートさせていただいて、札幌市とも協議させていただいた中で、こういった形でスタートさせていただきました。これは大変残念な状況ではありますが、感染が予断を許さない状況、さらには医療提供体制の負荷が極めて増加しているという状況などを踏まえると、ご利用いただくという状況にはなっていないと思っています。
この新たな「新しい旅のスタイル」で、アンケートですとか事業者の方からもさまざまな声をいただきながら、この事業の実施を4月いっぱい行ってまいりますから、そこをしっかりと検証した上で、その後の取り組みについては検討していきたいと考えています。
(北海道新聞)
最後に確認ですが、4月末日でいったん終わるわけですね。そこは変わりないですか。
(知事)
はい、基本的にそういった期間も最初から決めていますから、その中でしっかりアンケートだとか、いろいろなものを分析していかなければいけないと思いますし、基本的には、今、そういった枠組みで考えているということです。
(HTB)
確認になるのですけれども、もし万が一その感染状況が悪化してしまった場合の、より強い措置というのは、次のステップとしてはまん延防止等重点措置の要請ということになるでしょうか。
(知事)
どういった感染状況になるかということが大きく反映してくると思っています。例えば大阪府などは本当に垂直で立ち上がるような形で感染が急激に伸びていますから、そういう状況になったら、それは直ちにそういった状況になるのだと思いますし、感染が増減を繰り返すような状況だとか、いろいろな形があるのだと思うのですが、そこはまず毎週、毎日モニタリングもわれわれはしていますが、道民の皆さま、そして今日お集まりのマスコミの皆さまに対しても、今こういう足元の状況でこういう対策を継続していきますというのを、ちゃんと皆さんと共有しながら適切な対策を講じていきたいと思っています。ですから、当然その中にまん延防止等重点措置の検討、要請というのは入ってくると、排除するものではないということです。
(HTB)
自粛疲れというものがもしかしたらあるのではないかという指摘があった中で、今一度手洗いの徹底等を呼び掛けられましたけれども、その一方で明日からですけれど、飲食店のあらためての啓発も行われるわけなのですが、飲食店とかそういった事業者の中でも、そういった自粛疲れというか、ちょっと不備があるというような認識等はありますでしょうか。
(知事)
事業者の皆さまには、今までも本当にご協力いただいてきています。ただ、やはり長い期間、対策を取り組んできた中で、例えば手指消毒の部分で少し、お客様もそうなのですけれども、以前は結構皆さんほとんどが100パーセントやってくれていたのですけれども、少し利用する方が減ってきたとか、マスクはかなり皆さんも着用していることが多いのではないかと思っていますが、やはり長い戦いが続く中で、再度お互いに点検したりだとか確認したりだとか、そういう状況の中で、より感染防止対策の実践、徹底ということを図っていくことが必要だろうということがありますので、その点について、こちらからやはり足を使ってお伺いして、皆さんと引き続き協力しながらやっていくことが必要だろうと思っています。
(HTB)
基本的にはそういった事業者から利用者に対して呼び掛けていただきたいという、そういった形ですね。
(知事)
われわれも当然呼び掛けます。事業者の方はなかなか言いにくいことが結構ありまして、黙食を掲げていただいたり、掲示していただいたりとかいろいろな形で事業者の方も取り組んでいただいておりますけれども、今われわれも食事の場面、飲食の場面というのが感染リスクが高いとされていますから、例えば4人以内の少人数、短時間、そして深酒、大声を出さない、そして会話の際はマスクをしてくださいということについては、事業者の方というよりはわれわれがしっかり利用者の方に、繰り返し繰り返し、お願いしていかなければいけないと思っています。事業者の方も気づいたときに、お話しできる範囲でそういうことを呼び掛けていただくという、お互い利用者も事業者も行政もみんなが協力してやっていかないと、これはなかなか難しいと思っていますので、そこをしっかりやっていきたいと思います。
(読売新聞)
本日、札幌高裁で政務活動費の返還に関する控訴審の判決があったことについてお伺いします。一審と比べ、少し金額が減っているのですけれども、知事に対して自民、民主の両会派に返還を求めなさいという判決が出ましたけれども、この受け止めと今後どのように対応されるか教えてください。
(知事)
今回の受け止めでありますが、4月15日に札幌高等裁判所から平成28年度に交付された政務活動費について、道議会の会派であります自民党・道民会議および民主・道民連合に対して、総額2195万円余りを返還請求するよう命じた第一審の判決を変更し、返還請求の総額を1955万円余りとする判決が言い渡されたところでございます。この政務活動費でありますが、これまでも適切に執行されているものと考えているわけでありますが、今回の判決は第一審に続いて当方の主張が認められなかったものと認識しております。
(読売新聞)
今後の対応はどのように考えられますでしょうか。
(知事)
この点については、今、判決内容について精査させていただいている段階でございまして、弁護士の意見などもお伺いした上で、どのような対応をとるべきかということについて、検討してまいりたいと考えています。
(朝日新聞)
前回も江差のですね、(高等)看護学院のことをちょっと質問したのですけれども、今日もですね、知事あての、要請書に対する回答があったところです。これについて、さまざまな説明が局長からもあったところなのですけれども、ひとつ休退学者や留年者に対してですね、対応していくというお話がありました。これなのですけれども、具体的にはそのパワハラによるものという結論が出た場合にですね、看護師になりたいという希望を持っている留年者や、それから退学者、休学者に対して、学業を継続してあげるように、何らかのこう取り計らいをするという理解でいいのかどうかというのが一つ。
もう一つは、父母の方々からですね、知事への面会を望む声があったのですが、これに対して明確な答えはなかったように記憶しておりますが、知事として、今どんなお考えでどういうタイミングかでお会いする考えがあるのか、そのあたりを伺いたいのですが。
(知事)
まず、休退学、留年といった課題の対応というか、状況ですが、そういった休退学ですとか、留年に至った経過等について確認の作業を行っているところであります。今後、事実関係の聞き取りなども行った上で、教員の指導との因果関係、こちらをしっかりと確認させていただいて、必要な対応を行っていきたいと考えております。
それと要望書が提出されまして、本日回答させていただいているところでありますが、前回の会見でも、この場で申し上げさせていただいたのですけれども、学生の皆さんが、学業に集中できない状況になっていることについて、知事として、これは大変重く受け止めております。学生や保護者の皆さまの声については、今回いただきましたご要望、こちらも含めてしっかりと受け止めさせていただいて、この回答を代表の方にお届けさせていただいたところであります。
いずれにしても、この学院の運営の改善に向けまして、必要に応じて、この第三者の方々にもご協力いただきながら、関係職員の調査を進めますとともに、外部カウンセラーの配置などの相談環境の整備をはじめとして、各種の取り組みを速やかに進めていきたいと考えています。
(朝日新聞)
1番目のことなのですけれども、仮にですね、さまざまな調査の結果、明らかにその教員の側にですね、パワハラがあって、それによる結果としてその休退学、留年という事象が現れたという場合について、しかもその学生さんたちがですね、看護師になりたいという意志を持ち続けていらっしゃるような場合にはですね、その継続に対して、何らかの配慮をされる、復学を含めて配慮されるということなのでしょうか。
(知事)
その点については、やはり因果関係も含めてしっかりと確認させていただいて、必要な対応を行ってまいりたいと考えています。そういった仮定のお話に現時点において言及すること自体を差し控えたいと思っています。
(北海道新聞)
三笠市内の幾春別川流域に二つのダムを造る開発局の事業についてお伺いします。道の負担が今回70億円以上増額する4回目の計画変更について、先日、国交大臣(国土交通大臣)から知事のほうに意見照会されたと思うのですけれども、前回3回目の増額のときには、知事意見として今後一切の増額は認めないという条件で認めた経緯があるのですが、にもかかわらず今回増額になったということで、結果的に反故にされたような形になるのですけれども、今回の知事意見をまとめるに当たって、前回以上に強い姿勢で臨んでいくのか、それから開発局にどう増額させない対策を求めていくのかを教えてください。
(知事)
この点については、この会見の場でもお答えしましたけれども、前回の知事意見、これはさまざまなご意見や道議会でのご議論を踏まえたものでありまして、国において、その趣旨については真摯(しんし)に受け止めていただいたと考えているところであります。この度の変更については、胆振東部地震などをはじめとするさまざまな要因によるものと承知しておりますけれども、今後引き続き、国からその変更内容についてしっかりと聞き取りを行って、対応していきたいと考えています。
(北海道新聞)
寿都町、神恵内村での対話の場についてお伺いします。昨日、寿都町で高レベル放射性廃棄物の処分事業への理解を深めることを目的とした対話の場が開かれましたが、出席者からですね、処分場の建設ありきの議論になるという意見も出て、実質的な議論に入れずに終了しました。処分事業の理解を深めるためという、この設置目的で本当に対話が進むのかという疑問符がついた形になるのですけれども、知事としての所感を聞かせてください。
(知事)
この点については、私も担当部から報告を受けたのですが、寿都町で初めて開催された対話の場では、会の位置づけですとか進め方、会則についてさまざまなご意見が出されて、予定されていたワークショップには入らずに終了したということで報告を受けました。そういった状況でありまして、この対話の場のあり方ですけれども、やはり幅広い関係者の間で、客観的な根拠に基づく冷静な議論が行われていくことが必要だと考えておりまして、今後とも対話の場が、こうした議論の一助になるということを私としては期待しています。
(朝日新聞)
まさにゴールデンウィークの5月5日ですけれども、五輪マラソンテスト大会の一環としてですね、全国2500人の市民ランナーを募集して、マラソンコースを走るというイベントを道と札幌市がつくる実行委員会で計画されていると思いますが、先ほどの知事のご説明だとですね、まさに感染リスクを高める要因の一つではないかというふうに思えるのですが、現時点ではどういうふうに対応されるご予定でしょうか。
(知事)
これは実行委員会の形式でやっていまして、私も名誉顧問ですか。
(東京オリンピック連携局長)
名誉大会長です。
(知事)
名誉大会長という立場になっていまして、この実行委員会というものを、ちょっといつ開催するか、まだ開催は決まっていないのでしたっけ。
(東京オリンピック連携局長)
今、調整中です。
(知事)
調整中ということでありますが、今回、現下の感染状況、そして医療提供体制の状況などを踏まえて、対策本部会議で対策を決定して、このゴールデンウィークも含む期間について、ステージ4相当の強い措置を札幌市において継続する。また対策をより強化していくということで決めましたから、そういった状況なども踏まえて、実行委員会において、私としては慎重に検討していただきたいというふうに考えてます。
これは組織委員会も含めた中で議論するものというふうに思いますけれども、私としては、これは慎重に検討してほしいと思います。
(日本農業新聞)
農林水産省は、牛のゲップと排せつ物に含まれるメタンガスなどの温室効果ガス1370万トンの排出削減を目指しているかと思うのですが、畜産、酪農の一大産地である北海道で、この問題について知事どのようにお考えか教えていただきたいと思います。
(知事)
農林水産省において、今ご質問のあった牛のゲップを、例えば抑制する飼料を開発するとか、そういったことで環境負荷軽減をイノベーションにより推進するということで、戦略を策定して推進していくということでありますが、道内では、家畜排せつ物を貴重な有機質資源として捉えて、バイオガスプラントを整備したりですとか、エネルギーとして利活用して、そして発酵により生じた消化液も草地に還元するとか、そういった環境に配慮した中での取り組みというのは、ゼロカーボンの話が出てくる前から、かなりみんなで努力して取り組んできておりますし、ゼロカーボン北海道の実現に向けた中でも、そういった取り組みの重要性や、また地域としての取り組みということについてもいろいろ認識があるところであります。今後、国ともしっかり連携しながら、環境に配慮した中での農業を推進するということをしっかり取り組んでいきたいと考えています。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)