知事定例記者会見(令和3年4月30日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和3年4月30日(金)17:02~17:42
  • 場所/記者会見室
  • 18名(テレビカメラ2台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について

記者からの質問

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について(1)
  2. マラソン競技のテスト大会について(1)
  3. マラソン競技のテスト大会について(2)
  4. マラソン競技のテスト大会について(3)
  5. 新型コロナウイルス感染症対策について(2)
  6. 新型コロナウイルス感染症対策について(3)
  7. 道独自の緊急事態宣言の法的妥当性について
  8. 新型コロナウイルス感染症対策について(4)
  9. 今年度の北方四島交流事業等について

知事からの話題

新型コロナウイルス感染症対策について

 私から話題は一点、新型コロナウイルス感染症についてであります。
 本日4名の方が新型コロナウイルスに感染されまして、お亡くなりになられたことが確認されました。お亡くなりになられました方々に哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の方々に心からお悔やみを申し上げます。
 まず昨日時点の主な指標でございます。先週と比べますと重症患者数と感染経路不明の割合、こちらを除いて多くの指標で残念ながら改善が見られないという状況でございます。特に新規感染者数でございますが、28日には103日ぶり、1月15日以来の200人超えという状況になっております。特に札幌市内では連日170人を超える状況がございまして、厳しい状況が続いております。これをグラフで見てみたいと思います。新規感染者数や入院患者数等の増加が続いているところであります。新規感染者数でございますが、1月中旬のピーク時の水準に近づきつつあるという状況であります。入院患者は3月から一貫して増加傾向が続いているところであります。札幌市の新規感染者数は1月中旬の山を超えまして、増加が続いている状況にあります。感染経路不明の割合につきましても、40パーセント前後で推移しておりまして、極めて厳しい状況に直面しております。そしてこの感染者数は札幌市に集中しているところであります。全道の7割以上を占めているという状況となっておりますが、札幌市以外でも少しずつ感染が増加しているという状況がございます。こちら札幌市以外の部分については、抑えられているということを、この間お話してきましたけれども、ここ数日、札幌市以外についても増えてきているという状況がございます。札幌市以外の地域の感染拡大にも、細心の注意を払っていかなければならない状況にあります。そして変異株であります。引き続き変異株、こちらは増加しているところであります。変異株への置き換わり、こちらが進んでいる状況であります。この変異株の割合についても引き続き、約8割が札幌市となっている状況でありますけれども、こちらにつきましても札幌市以外の広がりにも警戒していかなければならないという状況でございます。このように道内、特に札幌市内の状況、これは極めて厳しい状況が続いております。現在ゴールデンウィーク特別対策ということで、皆さんのご理解、ご協力をいただきまして、実施しているところでありますけれども、あらためてこの対策を徹底していかなければならないという状況にございます。
 本日、4月24日から1週間が経過いたしましたので、この間の札幌市内における感染状況等を見ていきたいと思います。まず新規感染者数について見ていきたいと思います。24日から外出自粛、そして27日からは営業時間の短縮、この要請を札幌市内においては行わせていただいているところであります。一昨日、昨日と連日、先ほど申し上げたように170人を超える新規感染者の確認という状況になっておりますので、大変厳しい状況にございます。1週間の合計では、特別対策開始前日、特別対策が24日からですから、その前日の23日と比べますと1.25倍という形になっています。それでは人出の部分を見ていきたいと思いますけれども、札幌駅とすすきの駅での人出について見ていきたいと思います。23日以降、24日から特別対策をやっていますので、人出は増加しまして、昨日は休日による影響により減少していると考えています。要請の前日であります23日との比較で見ますと、札幌駅につきましては12パーセント減少と、すすきの駅では7パーセントの減少ということになっています。こちら9時の時間になっています。9時と15時と22時で見ていきたいと思いますので、次は15時の人出を見ていきたいと思いますが、9時とほぼ同様の傾向になっています。こちらは23日比で見ますと、札幌駅では5パーセントの減少なのでございますが、すすきの駅はむしろ4パーセント増えているという状況がありまして、ほぼ横ばいという状況と言えるのではないかと思いますが、15時時点でこういう状況になっています。そして22時の人出、こちらで見ていきたいと思いますが、こちら23日以降、減少傾向が続いてきているところでございまして、23日比で見ますと、札幌駅につきましては19パーセントの減少、すすきの駅においていうと23パーセントの減少ということでございます。こちらご覧いただいて分かりますように、日中においてはなかなか人流が減少していない、また一方で、夜間22時でありますけれども、こちらにつきましては、営業時間の短縮要請などに大変な中ご協力いただきまして、ご利用される皆さまにもご協力いただいていることによって、人出が減少している傾向が見られるということであります。こういった状況も踏まえまして、この1週間の人流、昨日、休日の影響を除くと、残念ながら日中では大きな減少が見られていないという状況でございます。感染を減少に転じさせていくためには、一人でも多くの方に外出を減らしていただく。外出を減らしていただき、人との接触を抑えていくことが必要でございます。
 このことを受けて、道としても日中の人流を抑えていくために、明日5月1日から、札幌市内の全ての道立施設を原則休館とさせていただきたいと考えています。この点につきましては、ご利用を予定されていた方々もいらっしゃると思うわけでありますが、今現在の札幌市内の大変厳しい状況などを踏まえまして、ご理解とご協力をいただければと思うところでございます。現在札幌市内では、けがや急病といった通常の医療にも支障を生じかねない状況の中で、お一人おひとりがご自身の命、健康、これはもちろんのことといたしまして、大切な人の命、健康、こういったものを守るためにも、本当に必要な外出かどうかについて、慎重の上にも慎重にご検討いただきまして、外出、そして札幌市との往来、これをできる限り控えていただくようにお願い申し上げます。特に今ご説明したとおり、夜間につきましては一定の減少が見られるわけでありますが、日中の外出、往来について、あらためてその必要性について見つめ直していただくようにお願い申し上げます。
 そして道においても、このゴールデンウィーク期間中でありますが、札幌市内で積極的な普及啓発を行ってまいります。経済関係団体の皆さまを通じまして、特別対策の徹底した周知や、経済団体の皆さまと連携しまして、実施率6割を目指すテレワーク、時差出勤の取り組みを進めてまいります。そして大勢が集まるような場所での普及啓発、札幌駅前、市内5カ所におきます街頭ビジョンを活用した注意喚起、チ・カ・ホ(札幌駅前通地下歩行空間)、地下鉄、駅、空港、さまざまな場面におけるポスターなどによる対策の周知徹底、百貨店、地下街のご協力をいただいた集中的な喚起も行ってまいります。また河川敷などにおける飲食の自粛の注意喚起、この看板の設置、道立公園で花見時期の宴会の自粛の周知、また道道の道路情報板を活用した往来の自粛の呼び掛けの徹底、これらを行ってまいります。
 そして、この連休中の受診相談でございます。この連休中、発熱などの症状がある場合、直接医療機関を受診するのではなく、これは年末年始のときも皆さまにご協力をお願い申し上げ、ご利用いただいたわけですが、発熱などの症状がある場合、直接医療機関を受診するのではなくて、かかりつけ医がいる場合、まずはかかりつけ医にご連絡していただきたいと思います。そしてかかりつけ医が休診の場合、またはいないという場合は、24時間連絡を受け付けておりますので、北海道新型コロナウイルス感染症健康相談センター、こちらにご連絡いただき、受診先をご紹介させていただきます。
 そして最後でございますが、札幌市内においては、まん延防止等重点措置、緊急事態措置、この対象となっている地域と同様の要請となる外出往来の自粛、このお願いをしているところでございます。これが徹底されないということであれば、感染拡大に歯止めをかけることが難しい状況がございます。繰り返しとなりますけれども、5月11日までの間、札幌市内においては通院や買い物など生活や健康に関わる場合を除いて、外出の自粛、往来の自粛、これを徹底してください。今後、人流が減少せず、感染の拡大が抑えられない場合には、連休中であっても速やかにまん延防止等重点措置、緊急事態措置の内容も含めた中でのより強い対策を検討していかなければなりません。今後の感染状況はもとより人流の動向等を慎重に見極めながら、札幌市、国との協議を加速いたしまして、あらゆる事態を想定して準備を今進めています。あらためてとなりますけれども、札幌市内におけるこれ以上の感染拡大を抑えて、全道への感染拡大を防いでいくために、道民の皆さま、事業者の方々、5月11日までこの特別対策の徹底について、皆さまにご理解とご協力を心からお願い申し上げます。
 私から以上です。

記者からの質問

(北海道新聞)
 今お話のあった、まん延防止等重点措置についてですが、先週から国に要請する方向で検討を始めていらっしゃいますが、もうかなり感染者数も、元々目安としていた部分から相当離れる形で増えてきていると、有識者の方々からも要請しなさいというような声が相次いでいる中で、なお今の段階ではまだ要請されていないわけなのですが、その要請されていない理由について教えてください。

(知事)
 まん延防止等重点措置を要請している県もあります。要請していて、追加になっていない県もあります。どういったときに、まん延防止等重点措置に国として判断されていくのか、必ずしも明確になっていません。ただ、われわれとしては、札幌市内、道内における厳しい感染状況について、国と日々情報共有を図っています。そして、道として必要な対策を講じつつ、その効果を見極めながら必要な対策が取れるように国とは協議を行っています。そういった状況にあります。

(北海道新聞)
 その要請をしても、国が受け入れてくれないような、そういう協議がなされているということなのでしょうか。

(知事)
 感染状況については国ともしっかり共有しています。そして、われわれは札幌市ともしっかり協議していますし、国と情報共有を図りながら、協議しているというのは事実です。

(北海道新聞)
 そういう中で要請をされないっていうのは、そういった国がやはり受け入れませんよというふうに言っているからということなのですか。

(知事)
 受け入れませんよと言いますか、その他の県の状況などもわれわれは見ていますけれども、例えば三重県や岐阜県が要請しています。要請しているけれども、状況の推移を見極めるということで、国としてお話されていて、今、この時点での状況を、私は確認できていませんが、三重県や岐阜県が、まん延防止等重点措置の対象になったというのは聞いていないところです。
 われわれとしては、まずは今の足元の感染状況の中で、まん延防止等重点措置、また緊急事態措置、その中である意味では緊急事態措置になったときにも求められるような内容なども含めて、必要な対策を打ちつつ、国とは協議するという状況であります。

(北海道新聞)
 若干話題がずれるのですが、先ほどの説明で道内全域に感染が、札幌市に集中していたものが、だんだん広がりつつあるというようなお話があったかと思います。そういう中で、おそらく今日のチェックインの分から、「新しい旅のスタイル」、これは札幌市を除いた、旅行代金の助成事業ですけれども、これは来月いっぱいまで延長することになりました。この道内に広がりつつある中で、延長するということに懸念する声もあるのかなと思うのですけれども、途中での、やはり解除するシステムというのもあるとは思うのですが、この感染状況が広がりつつある中で続けることについてはいかがお考えになりますか。

(知事)
 これは、いろいろな意見が正直、率直にあると思います。札幌市は除外です。それと対象については、同居している方、そしてお一人の方です。各圏域内におけるマイクロツーリズムで行っていただく。この4月にやった中で、やはり黙食、黙浴を徹底して求める中で、実際に注意とか、そういったことがなかなかできていないところがあるのではないかという課題もありました。その点について、事業者の方にお願いするという、さらなる対策を具体的に求めています。
 そして、ゴールデンウィークなのですけれども、今、(他都府県において)緊急事態宣言が出ていまして、また、まん延防止等重点措置も出ている中で、県を跨いだ移動は控えてほしいということをお願いしているのですが、そういった中でも感染拡大地域から北海道にお越しになるという状況を完全にゼロにはできないと、われわれは思っていまして、そういった中では、やはり宿泊事業者の方に、そのサービスを利用する方も、利用しない方も含めて、徹底した感染対策を取っていただく、このことをむしろゴールデンウィーク中にやっていただくことを前提として、この対策をより強くして継続する必要があるのではないかと思います。これは、いろいろなご意見があると思いますけれど、ゴールデンウィークに、緊急事態宣言が出ているところからの人(の流れ)はゼロになるということは、多分ないと私は思っていますから、いろいろな方が宿泊施設を利用します。この「新しい旅のスタイル」の方もいるし、そうではない方も、もしかしたら利用するかもしれません。そのときに宿泊事業者の方から、やはりしっかり注意喚起をしていただく。それは利用者だけではなくて、こういったことをしっかり取り組むことによって、札幌市は対象外ですけれども、感染が一定程度抑えられている地域においても、この対策時期にそういったご利用で感染が拡大することを避けるという観点から、事業者の方には大変申し訳ないですが、そこを徹底していただくということを求めて、この事業を行うということが必要だという判断です。

(北海道新聞)
 分かりました。あと、道有施設のほうを全て休館にするということなのですが、もちろんその立場が違うのですが、札幌市の施設のほうは、まだそういった発信が今の時点でないのかなと思うのですけれども、札幌市のほうもそういった休館にすることを検討すべきだとお考えでしょうか。

(知事)
 札幌市でいろいろ考えているところであります。これは、市立、道立の施設については、時間の短縮ですとか、休館ですとか、そこを順次検討していこうと、前回の対策の中で、市と道で共同してやっていこうということで、走ってきました。その中で今、先ほど申し上げたように、どうしても日中の人流が減らないという状況の中で、やはりこれはもう一歩踏み出して、皆さんに大変ご迷惑をお掛けするのですけれども、対策を講じようという判断です。札幌市においても、いろいろ対策については検討されているというところです。

(HTB)
 5月5日に行われますハーフマラソンについてお伺いします。このハーフマラソン自体、オリンピックのテスト大会という位置付けではあるのですけれども、一方、主催が実行委員会ということで北海道がトップを連ねています。こうした中、道民、(札幌)市民の皆さまに厳しい自粛を求める中、北海道が実行委員会のトップに立っているこのマラソンについて実施されるということについて、知事の受け止め。道民の方の中から、やはり矛盾しているんじゃないかという考えがかなり多いと思いますので、そこの受け止めですとか、道民に対する説明をお願いします。

(知事)
 まず、マラソンのテスト大会について一部誤解がある方もいらっしゃるのではないかなと思っているのですが、当初、一般の参加で2500人ということであったのですが、一般の参加は、もう中止になっています。それと、観戦といったものは自粛ということで、皆さんには沿道での観戦はやらないという状況になっています。やる中身というのはテストということで、最低限の人数にしていただいて、コースの確認を行うという形になりますので、そもそも札幌市内における外出の自粛を求められていますから、沿道での観戦の自粛や外出の自粛が求められた中で、皆さんにはそういった背景というのは十二分にご理解いただいた中で対応いただけると思っています。
 ですので、そういった必要最低限の対応になることがやはり求められるということをわれわれ、札幌市を含めて、感染状況を踏まえた中で、実行委員会の中でお話をして現在の状況になっているということにはご理解いただきたいと思います。

(HTB)
 重ねてお伺いしますけれど、市民感情的には見たい。外出の自粛と言いながらも、実際に身近な所で見に行きたいという方がいると思うのですけれども、見る側の方が増えた場合、やはり実行委員会の中に北海道が連ねている部分で、それはオリンピックがやっているからだということにならないと思うのですけれども、そういった部分での責任ですとか、道民に、まだ日程がありますけれど、どのように見ることを予防することを呼び掛けていきますでしょうか。

(知事)
 沿道での観戦の自粛ということで、徹底的に当日もやっていただかなければならないと思っています。そもそも外出の自粛が徹底して呼び掛けられていますから、そして沿道での応援の自粛が呼び掛けられていますので、その中で沿道で観戦しないということは、皆さんご理解、ご協力をいただける方が札幌市民、道民の方、多いと思っていますが、万が一、沿道で観戦するという事態に備えて、そこを徹底的に、沿道での観戦、例えば密が起きないようにということで、対策を徹底してもらうということになります。
 ただ、そもそもこの(5月)11日までの期間、外出の自粛、往来の自粛、札幌市民の皆さん、そして道民の皆さまには札幌市にお越しになるということを自粛してくださいというお願いと、このテストマラソンは一般の方は参加しないものです。テストですので、観戦の自粛をお願いしています。ですからそのことを、われわれもしっかり、各マスコミの皆さま、新聞だとかいろいろなところに積極的に発信してくださいと私のほうからもお願いしますけれども、その中で、そういった懸念する事項が起きないように徹底していただきたいと考えています。

(朝日新聞)
 今のご質問の関連で確認したいのですが、目の前で極めて魅力的なイベントが行われる中で、それに来ないでくださいということは、そもそも、これは一体誰のためのイベントだとお考えか、お考えをお聞かせください。

(知事)
 これは、皆さんに大変ご協力いただきまして、当日の模様は、テレビやラジオで誰もが見られる状況になっています。皆さんに、今回は外出を控えていただくゴールデンウィークになっていますので、家で普段一緒にいる方と、ぜひテレビで、またラジオで楽しんでいただきたいと思っています。
 今、札幌市の感染状況を踏まえまして、外出の自粛要請が出ています。また、沿道での観戦を控えていただく旨、お願いしておりますので、その点について、ご理解いただいて、楽しんでいただきたいと考えています。

(朝日新聞)
 もう一点だけ重ねてなのですが、そこまでして、やはり開く必要性がある大会であると、そういうイベントであるという、そういうご理解ということでよろしいでしょうか。

(知事)
 マラソンのテストをやるのですね。どういった課題があるかについては、テストをやらないといけないので、最小の人数でそれをやると。当初は、フェスティバルということで2500人の一般の方も走ると想定されていましたので、それは今の状況では、絶対に無理だということでありますから、そこはもうやめてもらうということでありますが、極めて限定的な人数が、オフィシャルコースと言いますか、認定されたコースを走ること自体は、私は今、いろいろな課題を整理する上で必要だと思っています。
 その上で先ほど申し上げたように、そもそもこの特別対策期間中は、外出自粛でありますので、沿道での観戦については控えていただく。見ることができないではないかということについては、テレビやラジオなどで、誰でもご覧いただけますので、トップの選手が走りますので、皆さんにはおうちで過ごしていただく中で、ご覧いただくということが適切ではないかと思っています。

(北海道新聞)
 同じ話題なのですけれども、マラソンのテスト大会ですね。そのまん延防止等重点措置が適用された場合に、これを実行し得るものなのでしょうか。

(知事)
 今言ったように、一般の方がこのマラソンを走らないのですね。必要最低限の人数がテストということでコースを走られるという状況であります。一般の方が参加して、2500人が走るということを当初想定されていましたが、それはもう無理だということだと私は思いますし、その点は見直していただいて良かったと思っていますけれども、万全の感染対策を講じた上で、想定されるコースをテストで走るという行為自体は、直ちに感染が拡大していくという状況と直結する話ではないと思いますので、万全の対策を講じた上で実施するという話なのだと思っています。

(北海道新聞)
 ちょっと前の話題に戻るのですけれど、やはり、まん延防止等重点措置について国との協議というお話です。今、北海道として独自のですね、ゴールデンウィークの特別対策をやっています。その対策の効果を見極めようと、そういうコンセンサスのもとに今、状況を注視しているという理解でよろしいでしょうか。

(知事)
 緊急事態措置、また、まん延防止等重点措置の中身が、新しくなった対処方針で出ました。そういったものも踏まえて、今回の対策は札幌市と協議した上で行っています。営業時間の短縮要請などについては、今はまだ始まったばかりでありますが、直近の人流などをわれわれは注視しています。こういった効果も見極めながら対応していくことになると考えています。
 また、この連休中に何も対策しないのかということについては、この連休中にあっても状況が変われば、当然、直ちに対応について検討していかなければいけないと思っています。国とも、そういった足元の状況などについては共有しています。

(北海道新聞)
 つまり、個別対策の効果を見ようね、という認識で国と道は一致しているという理解でよろしいのですよね。

(知事)
 国がどういう考えで、どう政策決定を判断しているのかというのは、詳細を私は分かりませんけれども、少なくとも道と(札幌)市の中で、今の足元の状況を慎重に見ているという状況です。

(読売新聞)
 冒頭と先ほどの対策本部でも、連休中も人流が減らず拡大した場合には、まん延防止、また緊急事態措置についても言及されていたかと思います。これまでは、まん延防止の検討を進めるという話だったと思うのですけれども、今回その緊急事態措置にも言及されたというのは、そのまん延防止を経ずに、そういうことは可能なのかどうかも含めてなのでしょうが、緊急事態措置というのを取るということも想定に入れながら検討されるということなのでしょうか。

(知事)
 前回出てきた対処方針が、まん延防止等重点措置と緊急事態措置とあるのですけれども、例えば、東京都と周辺の3県で、まん延防止等重点措置なのに緊急事態宣言と同じような対応が知事の判断でできるとなっていますよね。なので、まん延防止等重点措置があって、緊急事態宣言があってと、段階があったところが、対処方針上、少し曖昧になったのではないかと思っていまして、対処方針が新しくなった中で、どういった対策をより強い措置として講じることが適正なのかということを、しっかり考えなければいけないと思っています。
 緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が今、11日までの対策ということで全国的になっているのですけれども、12日以降はどうなるのだというのは、正直、今誰も分かっていないのですよね。ですから、そういった中でどういった強い対策が必要かということも含めて、考えていかなければいけないと思います。

(読売新聞)
 もう一点、事業者への支援金などについてですね、今日政府が予備費を使って5千億円支出すると閣議決定されました。その内、道分が130億ぐらいというのは決まったと思うのですけれども、先日知事と市長も国、大臣に要望されていた中だと思いますが、金額とか評価と、どういうふうに活用するのか、これまで支援金を出してきたものにこれを当て込むのか、もしくは今後新たに出すのかという、そのあたり、どのようにお考えでしょうか。

(知事)
 まずは、こういった形で総理が5千億円に言及した中で、その内の一部が臨時交付金の特別枠ということで、対応されると。この点は先般知事会で、私から、感染状況だけではなくて財政力も踏まえて、交付額について考えるべきということを申し上げて、知事会全体の緊急申し入れとしてもそういった形になり、また、札幌市と共に、道としても要請させていただきました。そういった状況の中で私の手元にないですが、全国で見ると多分4番目ぐらいの金額になると思っていまして、そういった意味では緊急事態宣言、また、まん延防止等重点措置の対象外の地域の中では一番多い額になっているのではないかと思いますから、こういったものを有効に活用して、今の感染状況、また対策を踏まえた中での財源として活用していきたいと思っています。

(朝日新聞)
 5月3日は憲法記念日ということで、それに関連した質問をさせていただきたいと思います。昨年の2月28日に道独自の緊急事態宣言を知事、出されましたけれども、そのとき、法的根拠があるのかどうかを問われて、ないというふうにおっしゃったかと思います。その後の新型コロナ対応の有識者会議の中でもですね、これ宣言の妥当性については概ね適切だったというふうなご意見が大勢を占めていて、そもそも論として、法的妥当性にまでは言及していなかったのではないかなと思うのですけれども、あらためてにはなるのですけれども、知事としては、この緊急事態宣言については、発出に当たっては法的妥当性について問題はなかったか。つまり、その宣言はですね、憲法が保障する私権を制限するものではなかったという、そういう認識でよろしいかどうかというのをお尋ねします。

(知事)
 昨年2月28日に緊急事態宣言ということで、北海道独自のものを出しまして、その後特措法(新型インフルエンザ等対策特別措置法)ですとか、緊急事態宣言と、その名前のとおりの対策が国の中で行われたということはあるのですけれども、あの時点では新型コロナウイルス感染症という、まさに未知の感染症の拡大が本道で先行してありまして、十分な知見、ノウハウがない中で、これは国内だけではなく、世界的にもそういう状況の中で、とにかく道民の皆さまの生命、健康を守る、これを最優先に考えた中で行いました。
 今ご質問のあったような点についても、有識者の中でどうなのだという話がありまして、有識者の皆さんから、これはいわゆる医療ですとか、教育ですとか、その法務だとか、そういったさまざまな団体の方に入っていただいた中で、ご議論いただいて、法的根拠がない行動自粛等の協力要請ということで、行政の裁量の範囲内で可能だということでございましたので、まずそういったところで受け止めています。

(朝日新聞)
 重ねてになりますけれども、この緊急事態宣言ですけれど、知事はあくまで要請でありまして、お願いベースであって、命令とか指示とか言ったり、その強制力を伴うものではないということを当時から繰り返し強調されていたかと思います。これは逆に言えばですね、その宣言を出すに当たって、憲法に抵触しないような内容にしなければいけないということをあらかじめ知事ご自身とか、それから道庁内で、その議論があった上での、その結果としてのああいうふうな出し方ということになったのでしょうか。

(知事)
 この緊急事態宣言の発出にあっては、当然、さまざまな議論をさせていただいた中で、週末については外出を控えていただきたいということをお願いすることが、やはり今必要だということを判断しまして、行政の裁量の範囲内で、それをやろうということを私自身が最終的に判断し、皆さんにお願いしました。この中で、われわれも当初、これは法的根拠が伴うものではないけれども、外出の自粛要請をさせていただくものですよ、ということで、背景も含めて、記者会見の場でご説明させていただいて、そして、道民の皆さまがその背景を踏まえて、ご協力いただけたと、こういう事例だというふうに考えています。

(朝日新聞)
 最後ですけど、今、特措法も改正されまして、まん延防止等重点措置など、都道府県知事がですね、罰則など、要請に従わない場合はより強い措置を講じることができるようになりましたけれども、この現時点でもやはり知事としては、なるべくそういった措置には踏み込まずに、あくまで協力をお願いしていくというのが、ベースであるという、そういうお考えでしょうか。

(知事)
 基本的には罰則などの議論の中でも、それは慎重にあるべきということで、国会の中でも議論が行われて、今回法改正が行われたわけですから、当然そういった精神の中で対応していくべきだと思います。今、営業時間の短縮を要請させていただいて、初日の27日の状況を確認させていただいているのですが、8割を超える、9割近い皆さんにご理解、ご協力いただいています。これは、(支援金の対象となるには、事業者の方に)遅くても29日(から協力いただくこと)とお願いしている中で、27日の時点で、8割以上の方々にご理解、ご協力いただいていますから、そういった対策の背景などをしっかりご説明しながら、理解を得ていくというのが基本的な考え方として必要ではないかと思います。

(時事通信)
 特措法が規定する都道府県知事の権限について、札幌市の秋元市長は、政令市に一部移譲すべきだというお考えを示されています。繰り返しになるかもしれませんが、そこら辺の部分について、知事のお考えをお聞かせください。

(知事)
 それは、政令指定都市の市長会というのがあって、多分、その中で行われている議論なのだろうと思っています。どうしても政令指定都市は感染者数も多い、また、保健所設置市などという状況もあって、それぞれの都道府県知事としっかり連携して取り組みを進めていかなければならないという状況の中で、いろいろな議論があるということは承知しています。札幌市とは、対策を実行するに当たって、事務レベルはもちろんとして、秋元市長とも直接、私も絶えず連絡を取りながら、札幌市内における対策を講じてきましたので、そこはこれからもしっかり連携を密にしながら、適切な対応を取っていきたいというふうに思います。

(時事通信)
 分かりました。もう一点、コロナから少し逸れるのですけども、北方四島交流事業について、実施主体が、5月、6月のこの交流事業断念を先日発表しました。知事は昨年、根室で、上空慰霊はもう今回限りの措置なのだというふうにおっしゃっていたかと記憶しているのですけれども、今後、北海道として、どういうふうにこの交流事業に向けて取り組んでいくか、今の時点でのお考えがあればお聞かせください。

(知事)
 これはまず、新型コロナウイルスの感染状況から見送らざるを得ないということについては、本当に元島民の皆さま、私も上空慰霊のときもそうですし、あらゆる場面でお話をしてますけれども、本当に皆さんの思いを受けますと大変残念だと思っています。
 この新型コロナウイルス感染症の世界的な感染状況などは当然あるのですけれども、やはりこれは国や実施団体と連携して、感染症安全対策マニュアル、この対策に基づく実施検証なども、われわれとしては早くやりたいということを申し上げているので、そういったことも、ぜひやっていく必要があると思っています。これは元島民の皆さまからも具体的な動きはないのかと、非常に心配だという声を寄せられてますから、千島連盟をはじめ、皆さんと国に対して、今回の見送りもありますが、しっかりと国に対して働き掛けをしていきたいと考えています。

 

この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

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