知事定例記者会見(令和4年4月1日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和4年4月1日(金)15:45~16:41
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/26名(テレビカメラ2台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. ヒグマ事故防止について
  2. 新年度に当たって
  3. 新型コロナウイルス感染症対策について

記者からの質問

  1. 道警ヤジ排除訴訟について(1)
  2. 国立大学法人の経営統合について
  3. 道警ヤジ排除訴訟について(2)
  4. 江差高等看護学院について
  5. 日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震対策について
  6. 並行在来線について(1)
  7. どうみん割について
  8. 冬季五輪招致について
  9. 並行在来線について(2)
  10. Smart道庁について
  11. 道警ヤジ排除訴訟について(3)
  12. 根室-留萌線について
  13. 道警ヤジ排除訴訟について(4)
  14. 北方領土問題について

知事からの話題

ヒグマ事故防止について

 定例の記者会見を始めさせていただきます。私から三点お話をさせていただきます。一点目でございます。
 昨日でありますけれども、札幌市西区の市街地に近い三角山付近で、札幌市の委託を受けてヒグマ調査を行っていた業者の方2名がヒグマに襲われまして、けがをする事故が発生いたしました。被害に遭われた2名の方に心からお見舞いを申し上げます。
 これにより、昨年度、ヒグマによる人身事故で被害に遭われた方が、過去最多となります14名となったところでありますが、特にこれからの時期は山菜採りなどで野山に入る機会が増える一方で、冬眠から目覚めたヒグマがエサを求めて活発に活動するため、ヒグマとの不意の遭遇による人身事故が発生しやすい季節であります。
 この度の事故発生状況を踏まえまして、市町村の皆さまにおかれましても、山林内の作業に当たっての安全確保などに十分ご注意をしていただきたいと思います。
 また、本日から5月31日までを「春のヒグマ注意特別期間」と定めまして、道民の皆さまに対して、ホームページなどのほか、こちらの職員二人に持っていただいていますけれども、のぼりと、こちらのテープになりますけれども、こういったものも活用させていただいて、注意の呼び掛けを開始いたします。
 また、昨日の負傷事故を受けまして、本日、ヒグマ注意報を初めて発表いたしました。こちら(モニター)ヒグマ注意報ということで、本日初めて発表を行ったところでございます。山菜採り等で入山する場合、道や市町村がホームページで発信しておりますヒグマの出没情報を確認していただくなどして、あらかじめ危険な場所を避けていただくようお願いいたします。
 また、野山ではヒグマに遭遇する恐れがあることを忘れずに、複数で行動する、野山では音を出しながら歩く、食べ物やゴミは必ず持ち帰るなど、ヒグマに出遭わないための基本的なルールを、皆さまには守っていただきたいと思います。
 道といたしましては、新年度、本日からヒグマ対策室を環境生活部に設置いたしました。対策を強化していきますので、報道の皆さまには、既にご協力をいただいておりますけれども、ヒグマによる事故防止の観点から、注意喚起につきまして、重ねてマスコミの皆さまのご協力をお願い申し上げます。

新年度に当たって

 二点目でございます。本日の定例の記者会見は、令和4年度では初めての記者会見になります。新年度におきましても、引き続き、新型コロナウイルス感染症への対応に万全を期していかなければなりません。感染症を取り巻く状況の変化に的確に対応しながら、感染対策の徹底を前提として、観光、飲食などの需要喚起策の実施など、社会経済活動の回復との両立に取り組んでいきます。
 また、今年に入りまして、札幌圏で記録開始以来の大雪となるなど、自然災害が頻発化、激甚化しておりますほか、ロシアのウクライナ侵略により、北方領土問題、ロシアとの交流事業に加えまして、暮らしや経済などにさまざまな影響が及ぶなど、感染症のみならず、内外のさまざまなリスクにしっかり対応していく必要があります。
 今申し上げた守りの視点を持ちながら、デジタル化、ゼロカーボンなど、中長期的な観点から、ポストコロナを見据えた取り組みを加速していくことも重要であります。
 皆さまにも取材いただきましたけれども、道自らも、このスマートフォンと各職場のパソコンも使って、どこでも仕事ができる環境ということで、こちらのスマホになりますけれども、これが1万6500台、本日から全職員に配付されているという状況であります。こういったSmart道庁の取り組みを推進して、ICTを活用した職員の働き方改革も進めていきたいと考えてます。
 また、北海道Society5.0の実現など、デジタル技術を活用した課題解決の先進地を目指していくということと、地域が潤うという視点を持って、ゼロカーボン北海道の実現を目指していくなど、将来を見据えた先進的な取り組みに挑戦して、活力あふれる北海道の実現に向けて、全力を尽くしていきたいと考えています。
 今年度も記者会見を開いていきますので、記者クラブの皆さまには、引き続きご協力お願い申し上げます。

新型コロナウイルス感染症対策について

 それでは新型コロナウイルス感染症についてお話いたします。
 本日、新型コロナウイルスに感染され、3人の方がお亡くなりになったことが確認されました。お亡くなりになった方々に哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の方々に心からお悔やみを申し上げます。
 本道においては3月22日から、年度末、年度始めにおける再拡大防止対策を実施してきているところでございますが、ここ数日間、新規感染者数が増加しているという状況にあります。こうした状況も含めまして、感染状況などについて皆さまにご説明申し上げたいと思います。
 本日の道内の新規感染者数は2033人という状況です。人口10万人当たりでは227.2人ということになりました。減少傾向が続いてきた新規感染者数でありますけれども、横ばいで推移してきたものの、これ(モニター)は1週間合計の数字なのですけれども、1週間合計で約1万2千人ということになっています。1日ではなくて1週間の合計ですね。先週と比較しますと約1500人増加という状況になっています。こうした状況は、全国で見ても現れてきています。これ(モニターのグラフ)は全国の代表的なとこを示しましたけれども、1週間で47都道府県のうち、44都道府県で増加という状況になっています。東京都、大阪府、福岡県、沖縄県ということで、東京都、大阪府は日本の大きなところですけれども、福岡県と北海道は似たような増加をしてきました。沖縄県が結構顕著に増えています。北海道は他のところと比べるとまだ低いという状況にありますけれども、増加となっているということがあります。
 一方で病床の使用率をご覧いただきたいのですけれど、病床の使用率についてはピークが40パーセントだったのですけれども、今15.5パーセントという状況になっています。これはこれまで数多く確認されてきました医療・福祉施設における集団感染が減少していることや、高齢者の方の感染が減ってきているという状況などがありまして、引き続き減少しているという状況があります。感染状況と病床使用率、病床の状況というのは、こういう動きになっているのですけれども、冒頭申し上げましたけれど、足元の新規感染者数の増加に注意が必要だと思っています。
 年代別に見ていきたいと思いますけれども、直近1週間の新規感染者数を年代別で見ますと、60代以上は1.0倍なのですね。30代以下が1.2倍という状況になっていますので、60代以上と比較すると30代以下が大きな伸びになっているという状況があります。さらに年代別状況を見ていくと、30代以下の感染確認の数が伸びていますよという話をしたのですが、割合としても71パーセントということで、7割を超える状況になっています。1月27日にまん延防止等重点措置が始まったのですけれども、そのときの割合はどうだったのかと見てみると、ちょうど同じぐらいの67パーセントということで、7割近い状況でありましたので、これも繰り返し確認してきたところですけれども、どうしても若い世代に感染が広がっていくと、それが高齢者などの方々に伝播していくと。そのことによって医療への負荷が高まってきたという経緯がこれまであったということがあります。
 ですので、こうした状況なども踏まえると、現在の感染状況、特に若い世代の皆さまの新規感染者の動向は注意が必要だと思っています。今この時期は、引き続き感染の再拡大を抑えていく重要な局面になっていますので、一層の警戒感を(持って)今の足元の状況を共有させていただいて、対応していかなければならないと考えています。4月17日までの間、年度末、年度始めの再拡大防止対策に取り組んでいきたいと考えていますので、道民の皆さまには、引き続きご理解とご協力のほどお願い申し上げます。
 本日4月1日ということで、新年度です。若い方々を中心に進学、就職、また転勤などもありまして、感染リスクが高まる場面が増えるという形になります。新しい人との顔合わせですとか、特に普段会わない方と接する場面が多くなる時期です。これからの再拡大を抑えていくため、繰り返しのお願いになりますけれども、感染力が強いオミクロン株を念頭に置いていただきまして、道民の皆さまお一人お一人に、感染しない、感染させない行動の徹底をお願いいたします。
 中でも人事異動などによって、普段会わない人と接する場合の健康管理、体調が悪くないかとか、マスクの着用など、基本的な感染対策を徹底していただくようにお願いいたします。また、歓迎会などが多い時期です。そういう時期になりますので、お店につきましては、第三者認証を取得しているお店を選んでいただいて、ご飯を食べるときはマスクを外しますから、会話が中心になるときには、みんなでマスクをしましょうということで、マスクを着用していただいて、会話を楽しんでいただくということで、飲食の場面から感染が広がることを、できるだけ抑える行動が大事になりますので、皆さんにはご協力をお願い申し上げます。
 次にワクチンの接種の状況ですけれども、皆さんのご理解、ご協力によりまして、現在、高齢者の方の79.3パーセントということで、8割近くとなる130万人以上の方々が3回目の接種を終えました。今後さらに幅広い世代で接種が進むように、市町村とも連携して取り組んでいきます。道の集団接種会場につきましても、本日から4月以降の接種の予約受付を開始させていただいております。4月24日分まで、今日から受け付けしておりますので、3回目の接種券をお持ちの18歳以上の方は、道内どこに住んでいらっしゃっても対象になりますので、3回目の接種を受けていませんという方については、ぜひ積極的に利用いただければと思います。私も3回目の接種をしていないのですけれども、札幌市から接種券が来ましたので、近く接種したいと考えています。
 こうした中で、感染対策とともに社会経済活動の回復に向けた取り組みを進めていくことも重要なります。3月22日から再開しています「どうみん割」は、多くの方にご利用、予約などをいただいているところでございます。1泊につき最大50パーセントの割引が受けられる制度になっています。ご利用につきましては4月29日のチェックアウト分までになっています。ぜひご利用いただければと思います。そして、本日4月1日からは、ビジネスと観光を両立するワーケーションも新たに支援の対象になります。こちらについては14泊まで利用することが可能になります。こちらについてもご検討いただければと思います。さらに東北地方にも対象範囲が拡大されます。これによりまして、北海道、東北各県で割引制度の相互利用が可能になります。まず岩手県、宮城県、秋田県、山形県の4県と相互利用が開始されます。青森県と福島県につきましては、両県のほうで今準備を進めていまして、それが整い次第開始という形になります。
 しかし、今回の(対象範囲)拡大について、ご利用に当たっては条件がございますので、あらためて説明させていただきます。道民の皆さまが道内を旅行される場合についてはこれまでと変わりません。変わらないのですけれども、今、東北地方に対象が拡大されますというお話をしましたけれども、東北地方への旅行で、各県の県民割を利用するという場合は、ワクチンの3回目の接種、または検査結果が陰性であることが必要になります。3回目の接種は、まだ多くの方が打っていないという状況があります。検査で陰性ということで、どこで受けるのですかという話になりますけれども、道内の無料検査の事業所で検査を受けることができますので、ご利用を検討いただきたいと思います。道民の皆さまには、旅行している間、マスクを着用するなどの基本的感染対策を徹底した上でご利用いただくことが、旅行を楽しむ上でも必要になります。観光関連事業者の皆さまも、感染対策に大変注意していただいていますが、旅行者の皆さんも感染対策を徹底していただいて、旅行をお楽しみいただきたいと思います。
 最後になりますけれども、本日から新年度になります。繰り返し申し上げますけれども、年度始めはどうしても感染のリスクが高まる時期でありますので、皆さまお一人お一人、これまでも注意してきましたというところで、大変なご協力をいただいていますけれども、基本的な対策が重要な時期になってきますので、引き続き、感染防止対策を徹底いただくことをお願い申し上げます。ご理解、ご協力をお願いいたします。
 以上です。

記者からの質問

(北海道新聞)
 北海道警察のいわゆるヤジ排除訴訟についてですけれども、道が本日、札幌地裁判決を不服として札幌高裁に控訴しました。控訴について、道警からどのような報告があったのか、また控訴に対する知事のお考えを伺います。

(知事)
 今回の事案については本日、道警察において裁判所に控訴状を提出したと承知しています。今後、控訴審におきまして、道警察としての考えを主張していくと報告を受けているところでございます。まずそのような報告を受けているということです。

(北海道新聞)
 続けてなのですけれども、道警が主張していくということだとは思うのですが、今回の控訴を受けて、原告と弁護団の方が抗議声明を出されたのですけれども、その中身についての知事のちょっとご見解を伺いたいのですが、中身で、鈴木知事はこの裁判の傍観者ではない。北海道知事として警察官によって市民の表現の自由が侵害された事態に対して、自身の見識を示さなければならない立場にある、などと声明を出されましたけれども、それに対する知事のお考えをお聞かせください。

(知事)
 まず本件につきましては、道警察が警察官の職務執行を管理し、事実関係を把握をしております。第一審でも訴訟を行っているものでありまして、道警察においてその方針を検討すべきものと考えているところであります。
 また、表現の自由についてでありますけれども、基本的人権として保障されているものであります。尊重されなければならない重要な権利であると認識しています。この係争中の個別の案件につきましては、コメントは差し控えさせていただくわけでありますが、一般論として、街頭演説については、聴衆の方々にとって、街頭演説の演説を聞いて、誰に投票するかということを決める大切な場であると思います。表現の自由を守りながらも、しっかりと演説を聞ける環境づくり。こういう両方を尊重する。このことが大切ではないかと考えております。一般論としてはですね。

(北海道新聞)
 すみません最後、別の話題なのですけれども、本日4月1日付けで、小樽商科大と帯広畜産大、北見工業大の国立3大学が経営統合しました。国立大で3大学が統合するのは全国で初めてのことです。これに対する知事の受け止めをお伺いしたいのと、統合により、地域振興や道内経済にどのような効果をもたらしてほしいと知事が望むのか。また、統合した法人と道が今後何らかの連携を検討するお考えがあるのであれば、その内容についても、併せてお聞かせください。

(知事)
 今ご質問にありましたけれども、経営統合された3大学でありますが、それぞれ歴史ある単科大学として、長きにわたって地域の経済、産業を支え、道内に多くの優秀な人材を輩出し、北海道の発展に大きく貢献されてまいりました。
 本日発足いたしました北海道国立大学機構でありますが、経営ビジョンに掲げる「3大学の結束と産学官金の連携」による商・農・工の相乗効果を発揮して、各分野において活躍できる人材の育成を図りますとともに、スマート農畜産業、防災、観光といった本道の産業振興、地域の安全に貢献する研究を進めていくのだと伺っています。
 3大学の経営統合は、大学間の距離を克服して、文理融合、異分野融合による連携を図る先進的な取り組みであります。実学の知の拠点の形成に、私としても大いに期待しているところであります。
 道といたしましても、地域課題の解決、そして新産業の創出などに向けまして、道内大学との連携強化を図るために、今年度、すなわち本日から産学官連携室を新設したところでございますので、さまざまな連携、協働を進めていきたいと考えています。

(HBC)
 先ほどの道警のヤジ排除問題、訴訟についてなのですけれども、まず、道警のほうから控訴状を提出したという報告があったということですけれども、この事実に対する知事の受け止めをお願いします。

(知事)
 今、これは道警察において対応しているものでありますので、私から、この個別、係争中の案件についてのコメントは差し控えたいと考えています。

(HBC)
 道警としての対応ではありますけれども、道としての問題でもあると思うのですけれども、その控訴の事実について、また、理由についてご説明いただけますでしょうか。

(知事)
 先ほど申し上げましたことの繰り返しで恐縮でございますけれども、道警察において警察官の職務執行を管理し、事実関係を把握しています。第一審でも訴訟を行っているものであります。この方針は、道警察において検討すべきものであると考えております。
 また、本件については先ほども申し上げたとおり、道警察において対応しているところであります。私からのコメントは差し控えたいと考えています。

(HBC)
 すみません、もう一言いいですか。お答えが難しいかもしれないのですけれども、今回、控訴としては、道警が控訴する方針を決めた、道としてもそれを認めたという理解でよろしいでしょうか。

(知事)
 繰り返し申し上げていますが、道警察が警察官の職務執行を管理しています。事実関係の把握をしております。第一審でも訴訟を行っております。道警察において、その方針を検討すべきものであると考えています。

(HTB)
 私から道立江差高等看護学院のパワーハラスメントを巡る問題について質問させていただきます。先月29日、副学院長を含む教師10人に懲戒処分が出されました。この問題が表面化してから1年がたって、ようやく処分ということになりましたが、今回処分が出たことに対する受け止めと、これまでの道の対応を振り返って、この対応が本当に、果たして良かったのかどうか、このあたり知事のお考えをお伺いさせていただければと思います。

(知事)
 3月29日付けで、江差高等看護学院等の教員のパワーハラスメントに対する処分を行ったわけでありますが、こうした事態に至ったことは誠に遺憾であり、あらためて重く受け止めております。今後ともこうした事案が起きることのないように、相談体制の整備、教員への研修などの必要な対策を進めながら、学院の運営の適正化に向けて取り組んでまいります。

(HTB)
 調査結果が出るまで1年という長い時間がかかりましたけれども、これについては知事は道の対応を振り返ってどういうふうにお考えでしょうか。

(知事)
 関係法令に基づく厳正な処分を行う上で、第三者委員会の調査書にはない情報も含めまして、事実関係をしっかり整理し、検討する必要がございました。今回の件では、昨年10月19日に第三者委員会の調査書を受け取った後に、速やかな処分が行われるように取り組んできたわけでありますが、ハラスメント事案が結果として53件、加害教員11人ということで、多数でありました。こういったことから結果として、時間を要することになってしまったという点があると思っています。

(HTB)
 道の対応について問題があったというふうにお考えという理解でよろしいでしょうか。

(知事)
 処分までの時間がかかった点については、今申し上げたような背景がございましたので、時間を要することになったと受け止めています。

(HTB)
 パワハラなのですけれども、昨年だけではなくて、われわれの取材では10年近く前にも一度問題になっているわけです。今回10人処分されましたけれども、この方々だけの問題ではないようにも思うのですよね。学校を管理している北海道のこれまでいろいろ訴えがあったと思いますけれども、それにしっかりと耳を傾けてこなかったことも一つ問題になっているのではないかと思いますけれども、一連の報道で知事も状況についてはご存知かと思いますが、この問題、あらためて知事はなぜここまで長期化して、これだけ多数の人がパワハラをしてしまうような状況に陥ったというふうにお考えでしょうか。

(知事)
 今ご質問の中にもございましたけれども、過去にハラスメント等の事案がありました。今お話のあったように、長い期間にわたって、その都度、教員への指導ですとか、管理職による謝罪などは行ってきたわけでありますが、本庁においては、道立高看全体の問題として捉えて、教員の再教育、相談体制の整備などの再発防止策を講じる機会があったにもかかわらず、十分な対策が講じられなかったことには問題があったと思っています。今ご質問にあった点だと思っています。ですので、これは道として、今回の問題というのをしっかり教訓として、実効的なハラスメント対策をしっかりと講じていくことが求められていると考えています。

(HTB)
 最後一点なのですけれども、4月になりまして、新学期がまもなく始まります。学院も新たな体制で再出発を図っているところかと思いますけれども、江差高等看護学院については新学期以降もパワーハラスメントをした教師というのが2人残ると聞いています。これについて学生からなぜ刷新ができないのかですとか、パワハラをした教師がいる限り普通の学校生活は送れないといった声も聞かれています。
 知事、これまで会見ではですね、安心して学べる環境を一刻も早くつくることが大切だと繰り返しおっしゃっていらっしゃったかと思いますけれども、まだ新学期になっても、学生から不安の声が上がっている状況についてはどういうふうにお考えでしょうか。

(知事)
 今ご質問にありましたけれども、江差高看の教員のうち2名の方については、第三者委員会からも、「ハラスメントはあったが、学院の正常化の観点から、引き続き勤務することを考えられたい」というご提言がありました。2名の教員につきましては、今回の処分をしっかりと受け止めて、自分が行ったハラスメントを反省しております。今後調整が整い次第、謝罪を行いたいということで、今調整させていただいています。また、学院としても教員の再教育、そして相談体制の整備を進めているところですので、こういったことなども勘案した中での対応ということで、取り組んでいるところです。
 また、学生の方などに対しましては、学院運営アドバイザーに同席いただいたもとで、授業の実施方法等について、親御さんも交えまして、今、話し合いをさせていただいておりますので、学生の皆さんが安心して学べる環境(づくり)を、しっかりと進めていきたいと考えています。

(北海道新聞)
 私のほうから、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震についてお伺いしたいと思います。知事もワーキンググループの委員として参加されていたと思うのですけれども、先日、3月、政府の中央防災会議が同地震に対する報告書を公表しました。道内では最大13万7千人の死者が出るとする一方で、避難意識の改善や避難路、避難施設の整備などによって被害を8割減らせるとまとめられていたと思います。
 ただ、避難路や避難施設などのハード面の整備には大きな財政負担が必要になるため、知事も国に対して、先行して対策が進んでいる南海トラフ地震と同等の財政支援を求められていて、今、自民党内でも特措法の改正案が検討されていて、南海トラフと同等の国の補助率、避難施設を整備する場合の国の補助率を現行の2分の1から3分の2に増やすということが軸になって検討が進んでいる状況だと思うのですけれども、ただ一方で、避難タワーなどの整備は、数億円単位でかかるとされていて、3分の1の負担だとしても地元の市町村なんかは、かなり財政負担がそれでも重いというような声が上がっています。
 ちょっと先行の事例では、高知県では県がさらに、国に加えて補助を上乗せするというような形で進めており、それで現状、100機を超える避難タワーが建設されているというような状況があるということでした。
 そこでですね知事にお伺いしたいのですけれども、今の高知県の事例と同様に、避難施設などのハード面の整備について、道が財政支援をするというようなお考えはありますか。お考えをお聞かせください。

(知事)
 今、ご質問の中でいろいろご説明いただきましたけれども、南海トラフ地震特別措置法におきましては、避難施設や避難路の整備に関しては、国庫補助率のかさ上げが明記されています。これまで全国知事会や国費の予算要望などを通じまして、この補助率のかさ上げも含めて、南海トラフ地震と同等の法整備を行っていただくように要望してきたところであります。
 また、巨大地震に対する避難施設の整備等に対して、国の財政的な支援は必要不可欠であると、私もこの委員として、南海トラフ地震と同等の法改正と、特に積雪寒冷地特有という課題がありますので、この対策についての法整備、そして財政上の措置が必要だということを、繰り返し強く申し上げてまいりました。この点については、国の検討ワーキンググループにおいて、先月22日ですけれども、取りまとめた報告書に反映していただいたというところです。
 今ご質問にもありましたけれども、こうした中で、法整備については、現在、議員立法による改正に向けまして、国庫補助率のかさ上げを含めた法律案について、今国会での提出を目指していくと承知していますので、まずは国において、財政支援に向けた法改正をしっかりとしていただきたいと考えています。こういった財政上の厳しさがあるということをしっかり認識していただいた上で、国にまずしっかり対応していただくということが必要だと思っています。

(読売新聞)
 ちょっと並行在来線について伺いたいのですけれども、小樽-長万部間について、並行在来線で、全面バス転換となるという見通しが立ったということで、これまでの札幌への北海道新幹線延伸に向けて、また一歩進んだのかなというふうに私のほうでは認識しているのですけれども、この方針の決定についてちょっと知事の受け止めを伺いたいです。

(知事)
 先月(3月)26日になりますが、余市-小樽間の個別協議が開催されました。経営分離後における地域交通の方向性について、小樽市長、余市町長、道の三者で協議を行いました。その結果として、バス方式とするということで合意がされました。
 また、翌日27日に開催されたブロック会議で、既に方向性が出されていた長万部-余市間と合わせて、後志ブロックの長万部-小樽間を全線バス方式ということで、確認がされました。
 今回、方向性を示されました小樽市長、そして余市町長におかれては、利用者の多い区間であります余市-小樽間について、地域住民の利便性の確保はもとより、地域の将来を見据えたさまざまな観点から、ご議論を重ねた上で、大きなご決断をされたと受け止めています。
 今後、道としては、協議会において沿線自治体の皆さまと連携を強めながら、バス事業者との協議を進めていくなど、新たな交通ネットワークの構築に向けて、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。

(読売新聞)
 「どうみん割」の対象拡大についてお伺いいたします。今回、東北4県との相互での「どうみん割」及びそれぞれの各県の宿泊割引事業の相互間の利用ができるということなのですけれども、これまでより観光促進に向けて大きな一つの起爆剤と期待される一方、今、感染者が増加傾向にあるので、感染対策と社会経済活動の両立、それを一つ、この今回の「どうみん割」の拡大を軸と置いた場合、知事としてはどういうふうなお考えがあるかお聞かせください。

(知事)
 社会経済活動の回復に向けた取り組みも、感染拡大防止を皆さんとともに徹底的に取り組みながらも、進めていく必要があると思っています。特に、観光関連産業の皆さんは、大変大きな影響を受けています。そういう状況の中で、道内における道民の皆さまが、感染対策を徹底した上で利用する「どうみん割」。それと今般、国において、東北とも相互利用できますよという形になりました。これは国のほうで、3回目のワクチン接種が終わった方と、終わっていない方は検査を受けてくださいねということで、道内の「どうみん割」とはちょっと違うのですけれども、感染対策を徹底的にやった上で、旅行を楽しんでいただく。こういうことを進めていく必要があると考えています。
 感染対策に関しては、宿泊事業者をはじめ、多くの観光関連事業者の方、多くの公共交通の事業者の方々も徹底して取り組んでくれていますので、ぜひ利用される皆さまにおかれましても、厳しい状況にある観光関連の事業者の努力もありますので、利用者の皆さんにも対策を徹底した上で、楽しんでいただきたいと思っています。

(読売新聞)
 あともう一点、お伺いします。「どうみん割」について、東北各県からも利用者が対象になったということで、これまで以上に広くPRというのが必要になると思います。道として観光産業のPRをさらに進めていく上で、知事としてお考えがあればお聞かせください。

(知事)
 東北の皆さまとは、特にいろいろな形で連携してきた地域になります。例えば、世界文化遺産に登録されました北海道・北東北の縄文遺跡群、こちらも関連遺跡がございますので、そういった側面での連携というのも可能になってくると思っていますし、また、比較的東北の地域は、感染者数の拡大を抑えてきた地域が多いのではないかとも思っています。
 万全の感染対策を講じた上で、相互利用のプロモーションというか、それぞれの県民割がありますので、そこら辺は担当者間でも、さまざま情報交換させていただいていますので、感染対策を徹底した上で、安心して相互の利用が図られるように連携していきたいと思っています。

(共同通信)
 札幌市が招致を目指している2030年の冬季五輪についてお尋ねいたします。知事は先週、JOC(日本オリンピック委員会)の山下会長と面会されたかと思いますが、そのときにどういったやりとりがあったのかというのが一つと、もう一点がですね、今後、札幌市とはどのように具体的に連携していくのかというのを教えてください。

(知事)
 山下会長については、札幌オリンピック50周年記念セレモニーが3月26日に開催されるということで北海道へ来られ、私は用務があったのでセレモニーに出られないという中で、会長も挨拶したいということで、秋元市長も同席して、ご来庁いただいたというところです。
 山下会長からは、北京大会でどさんこ選手が非常に大活躍したという、大会の様子などのお話がありました。それと2030年招致ですね。冬季オリパラの招致も話題がありました。私のほうからは、招致に関しまして、札幌市が公表した調査結果の速報がありますけれども、3種類の郵送、インターネット、街頭ということで、3つの手法でやった。このいずれも賛成意見が過半数を超えていますねと。その一方で、招致活動の主体となる札幌市の市民の皆さまの反対意見が一定数に上っていますと。これはさらなる理解促進に向けた取り組みが必要ではないかという認識を、山下会長に、秋元市長も一緒にいましたけれども、お話をしたということです。

(共同通信)
 もう一つ、札幌市とは今後どのように連携、具体的にしていくおつもりでしょうか。

(知事)
 今も連携はさまざましています。札幌市が今、速報ということで調査したものがありますけれども、これを今後、集計を進めて、あらためて今月中に詳細な結果、分析ということで公表するとお聞きしているので、これをまず注視したいと思っています。ただ賛成、反対というものを公表しましたけれども、結局、この判断に至った理由とか、何で賛成なのですか、何で反対なのですかとか、そういういろいろな分析を多分するのだと思うので、まずこれを注視したいと思っています。
 そして、札幌市がそういった結果ですとか、これまで行ってきた市民との対話も踏まえて、大会の招致について判断することになるということなので、その判断がされた際に、あらためて市と調整、協議を行いたいと考えています。

(時事通信)
 並行在来線について伺うのですが、後志の協議会などでは、バス転換の前倒しというような声もありまして、それに伴って財政負担をどうするかという話も出てくると思うのですが、そこら辺については、知事の考えですとか、道としてどのように進めていくのかというようなところで、お考えを伺えますでしょうか。

(知事)
 この点についても、さまざまな意見が出ています。経営分離後の地域交通の方向性が、バス方式ということで確認されたことを受けての発言として、小樽市からはバス転換を早めることでJRからバス転換に対する支援が考えられるのですかということや、また、倶知安町、長万部町からは、新幹線駅周辺のまちづくり整備に支障が生じないようにということで、バス転換の時期を早めることについて検討してほしいといったご意見がある一方で、余市町は新幹線開業までは鉄道が運行されるものという発言をしているということで、さまざまなご意見があるという状況です。このバス転換の時期については、さまざまご意見のある沿線自治体、そしてバス事業者、JRにおいて、前倒しに対してのさまざまな考え方があると思っていますので、この幹事会の場などを今後活用して、この点についてしっかり議論していくことが重要だと考えています。

(時事通信)
 分かりました。続けてちょっと別件なのですけれども、Smart道庁に関連して、業務内容ですとか、状況によって、知事ご自身も、例えばスマートフォンを用いてテレワークするですとか、在宅勤務を増やすですとか、そういったお考えというのは、状況が許せばですけれども、そういったお考えみたいなものはあるのでしょうか。

(知事)
 そうですね、若い皆さんからの提案をどんどん出してくださいということで、今、いろいろな意見も出てきているので、私としても何か試せそうな部分があれば、取り組んでいきたいなと思っています。いろいろな働き方が検討できると思っています。ただ、私もどうしても危機管理上とか、いろいろな理由で、道庁にいる中で意思決定などを行うところもあったりもしますので、そういうことも含めた中で、どういうことができるのかというのは、みんなと一緒に考えたいと思います。

(TVh)
 ヤジ問題にちょっと戻ってしまって恐縮なのですけれども、先ほど知事は、表現の自由を守りながら、演説を聞ける環境づくりというのが大事だと、一般論としながらも、というふうに言っていましたけれども、裁判の判決では、その演説を聞く自由みたいなのは侵害すると誰も、警察側も主張していないし、念のため検討したとしても、そういう指摘は当たらないというふうな判決があったのですけれども、それを踏まえて、先ほどの知事が、演説を聞ける環境づくりが大事だとおっしゃられた意図みたいなのがあれば教えてもらえればと思います。

(知事)
 係争中の個別の案件については、コメントを差し控えたいと考えています。私が申し上げたのは一般論として、私も街頭演説などを行ったこともありますし、選挙に立候補して戦ってきたということもありますので、この街頭演説については、聴衆の方々にとって、演説を聞いて、この政策は私と方向性が同じだなとか、違うなとか、そういうことを判断して、投票の参考にすると、そういう大切な場でもあるのではないかと、私としては思っています。
 ですから、当然のことですけれども、表現の自由、これを守りながらも、この演説を聞ける、そういう環境、こういうものも両方尊重するということが、一般論としては私は大切ではないかと考えています。

(TVh)
 つまり、あくまで今回の件とは関係なくという認識でよろしいのですか。

(知事)
 個別の部分については今、係争中でもありますから、また、道警察において対応しているという状況がございますので、私としてのコメントは控えたいというふうに考えています。

(HTB)
 JRの話にまた戻るのですが、並行在来線ではなくて、今日社長の会見がございまして、根室線と留萌線のほうの廃止の合意についても年度中に進めたいという発言があったそうなのですが、これまでお示しされていたかもしれないのですけれども、道としてこの2路線ですね、線区の維持についてどのようなスタンスなのか、お考えをお聞かせください。

(知事)
 それぞれ沿線の皆さまと協議していくことが大切だと。これは全ての沿線において同じことではありますが、その中でしっかり方向性を出していくことが重要だと考えています。

(HTB)
 今のところこの2線区沿線の市町村のほうでは、もう廃止の方向で説明等も進んでいるみたいなのですけれども、道としてはそれに倣うような形になってくるのでしょうか。

(知事)
 しっかり丁寧に協議をしていきたいと考えています。

(北海道新聞)
 重ねて大変恐縮なのですけれども、いわゆる道警のヤジ訴訟の関係なのですが一点だけ確認をさせていただきたいのが、つまり今回の控訴の判断というのは知事は全く関わっていなくて、道警が行ったということでよろしいのか、個別の案件については控えるということですが、内容ではないので、この点については明らかにしていただきたかったのですけれど。

(知事)
 私の説明が悪いのかもしれないですが、本件については、道警察が警察官の職務執行、これを管理しています。事実としてそうです。事実関係、これを把握をしています。第一審がありましたけれども、この訴訟を行っています。道警察において、そういう意味で方向性を検討すべきものであるというふうに考えています。

(朝日新聞)
 北方領土問題についてお尋ねしたいのですけれども、国の2022年版の外交青書で、原案段階ですけれども、北方領土についてはロシアの不法占拠という文言が20年ぶりに復活するという方向になりました。日本の立場を鮮明にするものではあるのですけれども、一方で、今後の返還交渉の停滞を招くのではないかという懸念もあるわけですけれども、この点について、知事のお考えについてお伺いしてよろしいでしょうか。

(知事)
 政府の考え方は今までも一貫して同じ考えである、こういうふうに考えています。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

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