知事定例記者会見(令和5年2月10日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和5年2月10日(金)15:37~16:30
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/24名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

冒頭発言

  1. 横路孝弘元北海道知事の訃報に接して

知事からの話題

  1. 令和5年度当初予算等について
  2. 新型コロナウイルス感染症対策について
  3. 「G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合」の開催に向けて

記者からの質問

  1. 令和5年度当初予算等について(1)
  2. 令和5年度当初予算等について(2)
  3. 令和5年度当初予算等について(3)
  4. 令和5年度当初予算等について(4)
  5. 知事選挙について
  6. 横路元知事の追悼の会について
  7. 東京五輪における談合事件について
  8. 性的マイノリティへの理解促進について(1)
  9. 性的マイノリティへの理解促進について(2)
  10. 北電の電気料金値上げについて
  11. マスク着用について

冒頭発言

横路孝弘元北海道知事の訃報に接して

 はじめに、横路孝弘元北海道知事の訃報に接しまして、横路元知事に対して、心より哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆さまに衷心よりお悔やみ申し上げます。
 横路元知事でありますが、昭和58年から3期12年にわたって北海道知事を務められ、「一村一品運動」の推進などを通じた地域振興、北海道南西沖地震への対応などに力を尽くされ、国政におきましては、衆議院議長の重責を担われるなど、長きにわたってわが国の発展に多大なお力をいただいたわけであります。また、お父さまの関係で夕張市ともご縁がありましたので、私が夕張市長のときには、札幌市や東京都での夕張会というふるさと会が開催されていたわけでありますが、そういった場でお目にかかってお話しさせていただいたり、衆議院議長公邸にお招きいただいたということもございました。財政再生団体の夕張市を大変応援してくださったことが思い起こされます。北海道への深い愛情を注がれた、本当に懐の大きい方でございました。あらためて、これまでの多大なご尽力、ご功績に深く感謝を申し上げます。

知事からの話題

令和5年度当初予算等について

 私から三点、話題をお話しさせていただきます。
 まず一点目でございます。(令和4年度)補正予算および令和5年度当初予算について、その概要についてご説明申し上げます。令和5年度は、知事および道議会議員の改選期でありますことから、当初予算は道政運営の基本となる経費を中心とした、いわゆる骨格予算として編成したところであります。一方で、長期に及ぶ新型コロナウイルス感染症の影響と、このたびの感染症法上の位置づけの見直しによる社会経済活動への影響に加え、ウクライナ情勢に端を発した国際情勢の変化に伴うエネルギーや原材料等の価格高騰などにより、道民の皆さまの生活や事業者の方々の経営環境に大きな影響が及んでいることから、引き続き物価高騰などの影響緩和に取り組んでいくとともに、本道経済の活性化に向けて、令和4年度補正予算および令和5年度当初予算において、道民の皆さまや事業者の方々への支援策を盛り込んで、切れ目ない対策を講じることといたしました。
 まず、令和4年度補正予算についてでありますが、国の補正予算などに対応して、緊急に措置を要する経費等について予算措置を行うこととし、一般会計170億4800万円を計上したところであります。次に、令和5年度の一般会計の当初予算の規模でありますが、骨格予算としては過去2番目の規模となります2兆8507億円。前回の骨格予算は平成31年度でありますが、平成31年度と比較いたしましてプラス9.2パーセントとなります。
 次に、コロナ禍における価格高騰等緊急経済対策についてご説明いたします。昨年7月に道の緊急経済対策を取りまとめ、その後も状況の変化に応じて随時改定しながら、関連施策の推進に努めてまいりました。本道経済の先行きが見通せない中、価格高騰の影響を受ける道民の皆さまへの影響緩和、厳しい経営環境にある事業者の方々の事業継続に向けた支援に引き続き取り組んでいきます。(北海道議会令和5年)第1回定例会に提案する対策額は133億9000万円を計上いたしました。既決予算も含めた対策規模総額は1375億9000万円となります。これらの施策を年度の切れ目なく展開し、本道経済への影響緩和と活性化につなげてまいります。
 次に、予算計上の主な事業、取り組みについてであります。まず、電気料金や食料費などの価格高騰の影響を受ける子育て世帯への支援についてでありますが、所得制限を設けず、全ての18歳以下の子どもを養育する世帯に対して、8000円相当のおこめ券や牛乳贈答券を配付いたします。また、これに加えまして、今般、「エールを北の医療へ」に寄せられた寄付金を活用し、感染症患者の治療などに対応している医師、看護師など医療従事者の皆さまへ、道民の皆さまからの感謝の気持ちを伝えるため、寄付いただいた方々のメッセージとともに、チーズやお米など182品目の道産品からなる8000円相当のギフト冊子を来週13日から順次発送いたします。こうした取り組みにより、道産品の消費喚起を図りながら、物価高騰などで厳しい状況にある一次産業の皆さまへの応援にも取り組んでまいります。次に、国が新たに創設した制度に対応するため、妊娠期から出産、子育てまでの伴走型の相談支援に加えて、妊娠や出生の届け出を行った家庭に対して、計10万円相当の経済的支援を一体的に実施する市町村を支援いたします。いずれの事業も、多くの方々に申請していただけるよう関係機関とも連携しながら、丁寧な周知に取り組んでまいります。
 次に、本道の社会経済活動の活性化に向けた需要喚起の取り組みについてであります。皆さまからご好評を得ております全国旅行支援「HOKKAIDO LOVE!割」について、現在、実施期間は3月31日までとしておりますが、来年度においても、国の制度を活用し、引き続き事業を実施していく考えであります。4月以降のご旅行の計画を検討されているという方もおられると思いますので、販売開始時期など制度の詳細については、国から発表があり次第、道としても皆さまに速やかにお知らせさせていただきます。皆さまの旅が北海道を元気にすることから、ぜひこの「LOVE!割」をご活用いただいて、魅力満載の北海道を楽しんでいただきたいと思います。
 次に、新型コロナウイルス感染症対策についてでありますが、政府対策本部において、感染症法上の5類感染症への移行が決定されるなど大きな節目を迎える中、患者等への対応や医療提供体制、ワクチン接種のあり方など、位置づけの変更に伴う政策や措置の見直しについては、今後、3月上旬をめどに(政府が)具体的な方針を示すとされているところです。このため、令和5年度当初予算においては、道民の皆さまの命と健康を守るため、軽症者用宿泊療養施設の設置、自宅療養者への支援、ワクチン接種の促進などについて、現時点で見込まれる状況に応じ、当面必要となる額を計上いたしました。
 次に、ゼロカーボン北海道の実現に向けた取り組みであります。第1回定例会に「北海道地球温暖化防止対策条例」の改正を提案させていただくこととしております。脱炭素化に切れ目なく取り組んでいくため、条例改正に合わせて、情報発信などに必要となる関連経費を計上することとしています。具体的には、家庭向けアプリの運用により、一般家庭のCO2排出量を分かりやすく把握できるようにするほか、道自らの(CO2)排出量を削減するため、道有施設のLED化を推進いたします。また、事業者の取り組み促進のインセンティブとなるよう、中小企業総合振興資金貸付金に、ゼロカーボン北海道の実現に向け取り組む事業者に対する低利な融資メニューを新たに設けたところであります。4月には「G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合」が予定されているところでもあり、これらを契機として、脱炭素意識のさらなる向上と取り組み促進を図っていきます。
 次に、国際会議などの開催を契機とした情報発信等についてであります。令和5年度は、国内外から大きな注目が集まる、今申し上げた「G7(札幌)気候・エネルギー・環境大臣会合」や、「アドベンチャートラベル・ワールドサミット」、「全国豊かな海づくり大会」などが道内で開催されます。こうした好機を確実に捉え、本道の魅力や強みを国内外に向けて積極的に発信してまいります。
 私としては、5年度の当初予算は骨格予算という性質上、行政運営の基本となる経費を中心として編成いたしましたが、行政運営の継続的かつ円滑な推進を図る上で、また、価格高騰などの社会経済情勢の変化にも対応するため、道民の皆さまや事業者の方々の安心につながる、必要な経費が盛り込まれていると考えているところであります。道民の皆さまには、引き続き道の施策推進に向けまして、一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。

新型コロナウイルス感染症対策について

 次に、新型コロナウイルス感染症対策についてご説明いたします。
 道内の感染状況でありますが、本日の新規感染者数は956人で、人口10万人当たりでは134.6人と引き続き減少傾向になっています。先週との比較では18.2パーセントの減少となっています。また、病床使用率も17.8パーセントと減少が続いています。重症病床使用率は3.3パーセントと低い水準で推移しています。
 こうした中、インフルエンザの増加傾向が続いています。コロナ禍が始まった令和2年の水準を上回る状況となってきました。注意報が発令されている保健所は全道13カ所と、先週に比べ6カ所増加しています。学校の臨時休業も増えてきているなど、今後も注意が必要な状況にあります。詳細につきましては、道のホームページをご確認いただければと思います。
 国は、5月8日から新型コロナを5類感染症に位置づけることとし、医療提供体制等の段階的移行の具体的な方針を3月上旬に示すとしています。こうした中、本日、政府対策本部において、マスク着用の取り扱いについて考え方が決定される見通しになっています。
さまざまな報道が既になされているところでありますが、取り扱いの詳細は政府対策本部での決定後に通知されることから、その内容をしっかり確認していきたいと考えています。そして本日、岸田総理は会見で、卒業式においては、換気など感染対策を講じた上で、国歌等の斉唱や合唱のときを除き、児童、生徒と教職員はマスクを着用しないことを基本とする、着用を希望する子どももいると思うので、決して着脱を無理強いすることのないよう求めると発言されています。こうした内容が政府対策本部で決定されるのではないかと考えています。具体的な内容については、本日中に示す予定という通知の内容を確認して、対応していきたいと考えています。
 また、5類感染症への移行に関して、全国知事会は2月8日に日本医師会と意見交換を行いました。円滑な移行などを求める共同声明が出されたところであります。現在、全国知事会において、北海道の意見も含めまして、都道府県の意見を取りまとめているところであります。これをもとに、来週になりますが、国との意見交換を行う予定であります。引き続き、市町村や関係団体と積極的に情報共有を図っていきます。
 最後に、国の動向など、さまざまな状況変化がある中ではありますが、インフルエンザは増加が続いています。道民の皆さまには引き続き、基本的な感染防止行動の実践、ワクチンの速やかな接種の検討について、ご理解とご協力をお願いいたします。

「G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合」の開催に向けて

 最後三点目であります。
 今年、「G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合」が4月15日から16日に札幌プリンスホテルを会場として開催されます。このため、昨年12月に「G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合実行委員会」が設立されました。会合の成功に向けて、開催支援、機運の醸成、おもてなしのほか、北海道や札幌市の魅力PRなどに取り組むこととしています。
 まず、機運醸成の第一歩といたしまして、(札幌駅前通)地下歩行空間の柱巻き広告を1月下旬から実施し、カウントダウンモニュメントを2月1日に設置させていただきました。今後もJR札幌駅構内、地下歩行空間でのバナー、パネル設置、JR車内広告、地下鉄駅構内のポスター掲示などの開催周知および機運醸成を行う予定であります。
 また、ゼロカーボン北海道の実現に向けた取り組みをPRしていくため、道内各地の小学生を対象にした「ジュニア環境カフェ」や、179市町村によりますリレーメッセージの制作にも取り組むこととしています。大臣会合が行われます4月には、道民の皆さま向けに最先端の環境技術に触れていただく「環境広場ほっかいどう2023」を開催いたしますほか、来道された大臣等を歓迎する「地元主催歓迎レセプション」を開催し、会場ではアイヌ文化や縄文遺跡群、9月に開催されます「アドベンチャートラベル・ワールドサミット」などについて、情報発信をする予定であります。また、会合終了後に大臣会合関係者を対象としたエクスカーションも用意しております。
 なお、開催機運の醸成に向けまして、明後日12日から道内2カ所において、ゼロカーボン北海道の推進に向けたシンポジウムとして、「G7ゼロカーボンミーティング」を開催いたします。まず、2月12日日曜日、層雲峡で「ゼロカーボンとこれからのライフスタイル」をテーマとして、小泉進次郎元環境大臣をお招きした基調講演のほか、パネルディスカッションを実施し、私も出席する予定であります。次に、2月25日土曜日、洞爺湖で「未来に向けたゼロカーボンの可能性」をテーマにしたシンポジウムが開催されます。基調講演に丸川珠代元環境大臣をお招きするほか、デンマーク大使や先進事業者等を交えたパネルディスカッションを予定しております。さらに3月には、北海道大学とも連携の上、大臣会合のテーマに関連する脱炭素等に向けた取り組みをテーマにしたシンポジウムを開催する予定であります。
 こうした取り組みを進めながら、大臣会合の機運醸成を進めつつ、ゼロカーボン北海道の実現に向けて取り組んでいきます。報道の皆さまにも積極的な取材、報道をお願い申し上げます。
 私からは以上です。

記者からの質問

(北海道新聞)
 補正予算のほうでですね、物価高騰対策、道内の子育て世帯へのおこめ券ですとか、牛乳贈答券の配付については、特に道民の関心も高いと思いますので伺います。この財源がですね、コロナ対策の地方創生臨時交付金の執行残を充てると伺っているのですけれども、これまでこの交付金はですね、公共交通利用促進の「ぐるっと北海道」ですとか、また飲食店への応援クーポンなどに使われているケースが多かったのですけれども、こうした事業、今回は終了となるようなのですけれども、限られた財源の中で、こうしたおこめ券ですとか牛乳贈答券の配付に投じていく、力を入れる判断に関して、知事の思い、考え方をあらためて教えてください。

(知事)
 まず、この対策ですけれども、先ほどご説明させていただきましたが、国のコロナ対策の取扱いの変更などを踏まえまして、地域、そして業界団体の皆さまの声を勘案しながら、「HOKKAIDO LOVE!割」や子育て世帯への商品券の支援事業などの取り組みに係る所要の予算という形で、提案させていただくこととしたところであります。

(北海道新聞)
 物価高騰対策と、おこめ券と牛乳贈答券の部分についてちょっと伺いたかったのですけれども、全道で39万世帯が対象になるということで、かなりインパクトの大きい事業だと思っており、やはりこれは知事の判断というか、思いが入っているというふうに理解しているのですけれども、これについて、どうしてここに踏み切ったのかということを教えてもらいたいのですけれど。

(知事)
 これまでの対策の状況ですが、さまざまな厳しい状況にある事業者の皆さまに対する支援などもこれまで取り組んできました。そういった中で、子育て世帯の厳しい状況がございます。この商品券の支給事業については、子育て支援、そして道産品の消費喚起のために、所得制限などを設けず、18歳以下の子どもを養育する全ての世帯の皆さまに対して、8000円相当ということでありますけれども、おこめ券、牛乳券をお配りするということで提案させていただくものであります。まずは、道民の皆さまの生活への影響の緩和というものにつながるように、追加支援策として取りまとめさせていただいたものであります。

(北海道新聞)
 今お話があって、この所得制限がない政策なのですけれども、物価高の影響を受けている世帯というのは、まず子育て世帯だけでないということと、あと特に低所得者層であればですね、年代ですとか世帯にかかわらず影響が大きいと、こう言えるわけですけれども、もちろんこれをもらって喜ぶ家庭、世帯もあるのでしょうけれども、一方で、この子育て世帯になぜ限るのかですとか、また所得制限を設けないのかということについては、一定程度、説明責任が生じるかと思うのですけれど、これについて知事、教えてください。

(知事)
 緊急経済対策については、三つの柱を掲げて取り組んできました。今ご質問のあった生活に困窮されている皆さまへの支援、中小・小規模事業者の皆さまに対する支援、物価高騰、原材料価格高騰などに対応する支援、この三つの柱で、これまで対策を上乗せしながら、継続的に支援を行ってきました。
 今回は、これまでの取り組みの状況、また先ほど申し上げたようなコロナ対応の方向性が切り替わっていく状況も踏まえた中で、子育て支援と消費の喚起といった二つの効果を発現させたいという思いから、18歳以下のお子さまがいる全ての世帯を対象として、この事業を実施したいという考えから提案させていただいているところであります。

(読売新聞)
 新年度予算のゼロカーボン北海道の取り組みについてなのですが、これまでのゼロカーボン北海道の取り組みというのは、道が結構、何か事業をやって引っ張っていくというような形のものが多かったように思うのですけれど、今回の新年度予算ですと、新規で付けている「(脱炭素型)ライフスタイル・ビジネススタイル(転換促進)事業」とか、どちらかというと、企業とか道民と一緒に連携していくというか、そういうところかなと思うのですけれど、知事の中で、来年度のゼロカーボン北海道という政策というのは、どういうフェーズに進んでいくのかという、何か見通しみたいなものがあればお願いします。

(知事)
 まず、(北海道地球温暖化防止対策)条例を見直していくということがあります。地球温暖化対策を進めていく上で、道の役割をしっかりと担うことができるように、必要な財政上の措置を講じるよう努めるという旨、新たな規定を盛り込んだところであります。
 令和5年度当初予算案には、今ご質問がございましたけれども、ゼロカーボン北海道の推進に資する取り組みといたしまして、道民の皆さま、そして事業者の方々への情報発信、省エネ設備の導入支援をはじめとして、地域における再エネの活用および市町村の取り組みへの支援、道が行う事務事業により排出する温室効果ガスの削減、二酸化炭素の吸収源対策や気候変動への対応など、約140億円の予算を計上しているところでございます。骨格予算ではありますが、条例の新たな規定もある中で、道民の皆さま、事業者の方々、道庁自ら、また市町村とともに(取り組んでいくため)、こういった形で予算を計上させていただいているところであります。

(日本農業新聞)
 近年の厳しい北海道農業情勢に対する今回の予算の特徴や狙いについて教えてください。

(知事)
 本道農業が、国際的な穀物需要の増加や円安の進行などによる肥料や飼料などの生産資材価格の高騰によって、厳しい経営環境に置かれております。冒頭ご説明させていただきました、子育て世帯や医療従事者の皆さまへ牛乳券、おこめ券、または道産品のギフトをお贈りすることといたしましたが、これは関係団体の皆さまとも連携しながら、道産品の消費喚起にもつなげていくことを考えています。生産者の皆さまの応援といったものにもつなげていきたいと考えています。
 併せて、今定例会においては、こうした物価高騰の影響を受けております農業者等の資金需要に対応するため、農業用機械や施設などの導入を支援する、農業近代化資金の融資枠を拡大していくとともに、麦や大豆の国産化の推進や輸出の促進、新規就農者を支援するための予算などについて計上することといたしました。
 道としては、こうした予算を効果的に活用して、本道農業、農村の持続的な発展はもとより、わが国の食料自給率の向上と食料安全保障の強化に最大限寄与していけるよう、生産力や競争力の強化に向けて積極的に取り組んでいきたいと考えています。

(北海道新聞)
 新年度予算に関連して、道の財政状況についてお尋ねします。今回、骨格予算ということで、年度末の道債残高の見込み等は示されていませんけれども、直近で道のほうで出している数字では、道債残高が6兆円近くに上っていて、さらに実質公債費比率も全国で最悪の水準になっていると思います。今後も厳しい状況というのが続くと、道としても考えていると思うのですけれども、財政健全化に向けたですね、知事のお考えを教えてください。

(知事)
 今ご質問にございましたけれども、道財政は、今後も収支不足額が発生することが見込まれます。実質公債費比率は依然として高い水準で推移して、財政調整基金も、私が就任してからこの財調はしっかり積んできてはいるものの、少額となっています。厳しい状況が続くと想定されます。こうした状況の下で、私としては、令和4年3月に改定した「行財政運営の基本方針」において、歳出の削減、効率化や、歳入確保といった収支対策を策定いたしました。収支不足額の縮小を図っていくことと、実質公債費比率の改善に向けて、毎年度、当初予算で減債基金を計画的に積み戻すことにも取り組んでいるところであります。この中で、将来的な実質公債費比率の見込みは、(知事就任)当初に比べると、少しピークが減少している状況にありますが、いずれにしても厳しい状況が継続します。道としては今後とも、さまざまな道政課題に機動的かつ的確に対応することができるよう、財政健全化を進めていく必要があると考えています。

(北海道新聞)
 知事選についてお伺いしたかったのですけれども、先週の記者会見のときにも話題があったのですけれども、元立憲民主党の衆議院議員の池田真紀氏が、正式に2月4日に出馬表明をしまして、事実上、国政での与野党対決の構図が知事選でも固まったような形になるのですけれども、この女性候補が知事にとっての対立候補ということで、構図が固まったことへの受け止めとですね、それとまた、まさにこれから知事選が本格化していって、知事も道内各所をこれからも回って行かれると思うのですけれども、どういうふうに回って行くか。また、どういうふうに思いを伝えていくかということを、あらためて教えてください。

(知事)
 どなたが立候補するのかというのは、(北海道知事選挙告示日の)3月23日をもって確定するので、それは分からないわけでありますが、私としてできることはですね、一人でも多くの方に私の思いや政策をお伝えしていくこと、そして丁寧に取り組みを、1日1日を積み重ねていくこと、このことに尽きると思いますので、どういった方が出てくるのかは分かりませんけれども、自分自身、そういう思いで取り組んでいきたいと考えています。

(読売新聞)
 冒頭で話が出ました横路元知事なのですが、亡くなられて、道として何か追悼の場とか催しとかを、今後設ける予定というのはあるのでしょうか。

(知事)
 道では、これまで選挙によって選出された元知事を対象とした追悼の会、これを主催してきました。追悼の会の開催に当たりましては、まずは故人の功績、そしてご遺族のお気持ち、道議会におけるご意見などを総合的に勘案して、対応を検討するということで、これは議会の議論でもあったところなのですけれども、申し上げてきたところであります。今回、元知事のご遺族にご意向を確認させていただいたところでございます。追悼の会の開催につきましては、ご辞退したいという申し出がございました。道といたしましては、ご遺族のご意向を尊重して、追悼の会の開催は見送るということとしたいというふうに考えています。

(HBC)
 オリンピックの関係でした。(東京オリンピック・パラリンピック競技大会)組織委員会の元次長の逮捕を受けまして、北海道もテスト大会を含めいろいろ関係があった方でもあります。まずは受け止めのところをお願いいたします。

(知事)
 今回の件でありますけれども、公正であるべき組織委員会の職員から逮捕者が出たということであります。現在捜査中ということであるものの、仮に不正が行われたということであれば、サッカー、マラソン、競歩競技の開催地として大会に協力してまいりましたわれわれとしては、大変残念なことであります。
 札幌市の秋元市長が、先ほど会見でお話しされていましたけれども、大会に向けて携わってきた方々の努力を無にするような、踏みにじるような行為だということで、大変憤りを感じているという趣旨の発言をされたというふうに伺っています。
 私としては、この捜査を通じて事件の真相が解明されること、そして本日、スポーツ庁などによるプロジェクトチームが、今後開催される大規模な国際大会などの大会組織委員会のガバナンス体制などのあり方に関する指針の案ということで、議論されたというふうにお伺いしているところであります。同様の事案が二度と発生しない(ような)、そういった指針が策定されることが求められるというふうに考えています。

(HBC)
 引き続きもう一つオリンピック関係です。昨日、スウェーデンのほうが(2030年冬季オリンピック・パラリンピック)招致活動の表明ということで、まだ確定ではないのかもしれないのですが、そのような報道も一部ございました。こういった状況を、日本がこういう状況の中で手を挙げてきたという、こういうふうな流れを見ると、チャンスだというふうに思ったのかなというふうにも思わざるを得ないのですけれども、そういう動きに関しては、今の現状、札幌市の誘致の現状というのをどういうふうにご覧になっていますでしょうか。

(知事)
 他国において招致活動を行っていくこと自体はですね、われわれでどうこうという話ではないわけですから、そういった動きについては、引き続き注視していく必要があると思っています。
 ただやはり、先ほど申し上げたようにですね、公正であるべき組織委員会の職員から逮捕者が出たということがありますので、これは大変残念だと思いますし、何よりこのオリンピックだけではなくて、大規模な国際大会といったものを今後開催するに当たっても、本日議論された指針、これはまだ案なので、今後さまざまな議論が行われた上で、この案が取れた形で決定されていくと思いますが、こういった事案が二度と発生しない、そういったものにしていく必要があるというふうに思いますし、そのことを期待したいと思います。

(時事通信)
 先週末に当時の首相秘書官から性的少数者への差別発言があり、当該秘書官が更迭となりました。鈴木知事、この問題についてどう見ていらっしゃるか、また道として性的少数者の方が暮らしやすい社会の制度設計などについて、お考えがあれば教えてください。

(知事)
 今回の首相秘書官の発言でありますけれども、性的マイノリティの方々を深く傷つけるものであります。到底許されるものではないと感じております。道としては、こうした発言の背景であります、性の多様性への理解不足を解消していくことが重要な課題であると考えています。
 今、さまざま話題になっていますけれども、一昨年、超党派議員連盟で合意した「LGBT理解増進法案」で示されている自治体の役割があるのですが、知識の普及や相談体制の整備等を自治体の役割として、この案では整理されています。道としてはこれまで、職場向けの(性のあり方の多様性を理解し、認め合う職場づくりのための)「にじいろガイドブック」を発行し、LGBT当事者を講師に迎えた理解促進を図るセミナーを道内4ブロックで開催し、関連相談窓口の周知などに取り組んできたところでございます。LGBTの方々への理解を進めようとするこの法案について、国においてしっかりと議論していただきたいと考えています。また道としても、性の多様性についての理解促進に努め、適切な配慮につながるように積極的に取り組んでいきたいと考えています。

(北海道新聞)
 今のLGBTの関連で、道としてですね、パートナーシップ制度を作るようなお考えはないのでしょうか。

(知事)
 パートナーシップ制度については、基礎的自治体である市町村において導入が進んでいるところであります。基本的には、住民の皆さまの転出入などの窓口を担う基礎的自治体である市町村において、そういった制度が理解を得た上で進められているものと考えているところであります。道としては、先ほどの秘書官の発言の背景として、秘書官にお伺いしたわけではないので想像ではありますけれども、性の多様性への理解不足といったものも背景としてあるのではないかと考えているところであります。ですので、国会において法案の議論はされているのですけれども、法案で求められる役割については、道として、今お話ししたような理解促進に関する取り組み、さまざまな取り組みを進めているところでございますので、今後も適切な配慮につながるように積極的に取り組みをしていきたいと考えています。

(北海道新聞)
 関連で、積極的に取り組みを検討するということでしたけれども、道外を見るとですね、県単位でパートナーシップ制度を既に作っているところもあって、そういうところですと、基礎自治体はもちろんですけれども、県の、広域で、さまざまな保障が受けられるというか、そういうことを行っているところもありますが、同じ質問であれなのですけれども、道としてそういうものを作るというのは、現時点では検討していないのでしょうか。

(知事)
 例えば、パートナーシップ制度を導入する中で、(性的マイノリティの方が)道営住宅に入居を希望される場合の取り扱いについては、市町村ともご相談しながら、道としても対応の見直しなど、取り組みを進めてきたところであります。ですので、市町村の皆さまとも情報交換しながら、また、パートナーシップ制度導入を検討されている市町村とも情報共有しながら、広域自治体としての必要な役割について、今後も果たしていきたいと思いますし、(性の多様性についての)理解促進をはじめとする適切な配慮について、積極的に取り組んでいきたいと考えています。

(北海道新聞)
 電気料金の値上げについてお伺いします。北海道電力が経産省に申請した家庭向け規制料金の値上げについて、経産省側が今週、有識者会議で審査を開始しました。北電は値上げ幅のほうを34.87パーセントと求めていますが、この値上げ幅について知事はどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。

(知事)
 今日の経済対策推進本部でも、電力料金の値上げの影響について、多くの方々が非常に影響を受けるというご回答があった(と報告があった)ところであります。道民の皆さまの生活、中小・小規模事業者の皆さまをはじめとする事業者の方々への影響が大きいというところがあります。これから料金についての審査が行われます。国においては、厳正な審査を行っていただきたいと考えています。

(北海道新聞)
 関連して、北電の藤井社長が1月末の会見で、原発を再稼働した際には電気料金を値下げすると発言されています。原発を再稼働できなければ、電気代を値下げしないとも受け取れる発言ですが、道民の負担軽減に向けて、知事は北電側に、聖域を設けず最大限の企業努力をしてほしいと要請してきたと思います。再稼働が値下げの一つの手段になり得るというふうに知事は考えていらっしゃいますでしょうか。

(知事)
 社長の発言については、再稼働すれば値下げする旨の発言があったということであります。ただ、燃料価格は、例えば石炭だとかLNGだとかそういったものも価格が変動していきます。これから価格が下がっていくことも当然ながら考えられるわけですから、そういった場合については、私としては値下げをしっかりとしていただきたいと思いますし、そういった対応について、北電としても、燃料価格の低下にしっかり機動的に対応できるように取り組んでいただきたいと考えています。

(北海道新聞)
 電気料金の値下げについては、原発再稼働ありきで考えるのではなくて、本当さまざまな状況だとか、政策を踏まえて検討していくべきだと、そういうお考えでよろしいでしょうか。

(知事)
 当然そうしていくべきだと思っています。今、燃料価格が高くなっているので値上げしますということなのですから、調達(コスト)が下がれば前提が変わってくるわけですから、そこは利用者にしっかり、速やかに反映させていくというのが、私は必要なのではないかと思います。

(北海道新聞)
 繰り返しになってしまいますけれど、値下げについて原発再稼働というのは一つの手段というふうに知事はお考えですかね。

(知事)
 原発を再稼働する、しないということについて言えば、(原子力規制委員会による)審査が継続中なわけですから、電気料金が高いとか安いというのはもちろん、これは生活に大きな影響を与えているわけですが、やはり厳格な審査、これをしなくていいとかそういうことではないわけですから、ここはしっかり北電としても対応いただきたいと思いますし、審査、これを継続中なわけですので、予断をもって申し上げる状況にはないというふうに思います。

(HTB)
 マスクの着用についてなのですけれども、今後、このマスクの考え方については、政府のほうで考え方が示される見通しというところではありますが、知事ご自身は、卒業式でのマスクの着用について、どのような形でお子さんが(卒業式に)臨むのが適切であるとお考えなのかというところについて、現時点で知事ご自身はどのようにお考えなのか、お考えをお願いします。

(知事)
 今日、総理が会見でお話しされていましたけれども、児童、生徒、教職員はマスクを着用しないことを基本とするとお話しされていました。ただ一方で、(マスクの着脱を)無理強いすることがないようにというお話もありました。これまでの間、子どもたちは、マスクを着用するのですよと、学校で先生たちからも指導を受けながらマスクを着用してきたわけですから、総理のお昼のお話については、事実関係というか、考え方というか、基本的なものはお話があるのですが、これから学校現場では、先生が子どもたちに、こういう理由で、この場面ではマスクは外していいよと説明していかなければならないということがありますので、子どもたち、児童、生徒がしっかりと理解できるように説明していかなければならないというのが大事だと思っています。それとやはり、そういった理解と、その理解を前提とした共感ですよね。そういったものがないと、体制を変えていくときは、どうしても混乱が多少生じるということはあると思うのですが、それを最小のものにしていく。
 多分、今日の夜中に文科省から通知が来るのではないかなと思っているのですよね。ちょっと順番が前後しているのですけれど、総理が先に発言して、文部科学省の文書は多分、今日の夜中に来るということなので、その内容をしっかり見て、現場に混乱が生じないように、しっかり対応していくということが大切ではないかと思っています。

 

この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

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