知事定例記者会見
- 日時/令和5年6月2日(金)14:32~15:23
- 場所/記者会見室
- 記者数/18名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- デジタルインフラ整備に関する有識者会合の中間とりまとめについて
- 「第5回どさんこ北海道自慢サラ川(せん)」の募集について
記者からの質問
- デジタルインフラ整備に関する有識者会合の中間とりまとめについて
- デジタル関連産業の推進方向について
- 「第5回どさんこ北海道自慢サラ川(せん)」の募集について
- ラピダスの立地に伴う効果の波及について
- 令和4年の合計特殊出生率及び人口減少対策について
- 原子力発電所の運転期間について
- 札幌冬季五輪について
- 再生可能エネルギーについて
- お米・牛乳子育て応援事業について(1)
- 野球日本代表 栗山英樹監督の退任について
- 「海溝型地震対策室」の新設について
- お米・牛乳子育て応援事業について(2)
知事からの話題
デジタルインフラ整備に関する有識者会合の中間とりまとめについて
私から二点お話しさせていただきます。
まず一点目でございます。5月30日に国、経済産業省と総務省のデジタルインフラ整備に関する有識者会合において、「中間とりまとめ2.0」が公表され、北海道は九州とともに、東京圏、大阪圏を補完、代替するデジタルインフラの中核拠点に位置づけられました。このことは、本道へのデジタル関連産業の集積を一層加速するものであります。さらに、この中間取りまとめでは、中核拠点の整備に当たっては、令和5年度以降、4年間の国庫債務負担として措置されている総額455億円の予算額の範囲内で支援の重点化を図って、土地造成および電力・通信インフラなどの整備に加えて、データセンターの施設・設備等の整備についても、一体的に補助の対象とすべきであると提言されたと承知しております。
道では現在、道内自治体と協力いたしまして、再エネを活用したデータセンターとデジタル関連企業、デジタル人材の集積を図る「北海道データセンターパーク」を推進しています。その一環として、国内最大級のデータセンターの誘致を目指しているところです。今回の国の位置づけは、これまで道が繰り返し国に求めてきたものであります。この取り組みを大きく前進させるものになると期待しています。
また、データセンターに加えまして、今後、次世代半導体やAIなどとの相乗効果を最大限発揮して、本道でのさまざまなイノベーションの創出、道内外のあらゆる産業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進する上でも、強力な追い風になると考えています。こうしたことから、道では、国や市町村、経済団体などともしっかりと連携の上で、本道のデジタル関連産業の一大拠点を形成することで、本道経済の活性化、DX、ゼロカーボンを実現するとともに、国全体のDXやGX(グリーン・トランスフォーメーション)に貢献していく考えであり、デジタル関連産業の推進方向を、この夏をめどに取りまとめていきたいと考えております。
これが一点目でございます。
「第5回どさんこ北海道自慢サラ川(せん)」の募集について
二点目であります。
道と第一生命保険株式会社では、包括連携協定に基づく取り組みの一環として、令和元年度から今年度で5回目となります「どさんこ北海道自慢サラ川(せん)」を開催いたします。期間は本日から7月31日までになります。奮ってご応募いただければと思います。
第一生命保険株式会社では、昭和62年から36年間、毎年、サラ川ということで「サラっと一句!私の川柳コンクール」を開催しております。その地域版ということで「どさんこ北海道自慢サラ川」については、北海道を対象エリアとして実施するものです。テーマでありますが、「北海道あるある自慢」ということで、今年度は特産品、観光、食、地域イベントなど、北海道のPRにつながるユニークな作品を募集するということになっています。入賞作品は、記念品として道産品を贈呈するとともに、その作品を道のホームページや公式ツイッターで発信するなど、北海道のPRに広く活用させていただきます。昨年度は9570件のご応募があったわけであります。今年も多くのご応募をお待ちしております。報道機関の皆さまにも引き続き、幅広く周知のほうご協力いただければと思います。詳細につきましては、皆さんのお手元にチラシをお配りさせていただきましたので、そちらもご覧いただければと思います。
私から以上です。
記者からの質問
(北海道新聞)
先ほど知事がおっしゃったデータセンターへの経産省の補助決定についてお伺いしたいと思います。知事がおっしゃったように、かねてから知事は国に対して、北海道は再生エネルギーに恵まれていて、首都圏と同時被災リスクの可能性も低いということで、大型データセンターの誘致というのを訴えてきたと思います。こうした知事の思いというのは、今回補助の決定に至った成果とも言えると思いますが、あらためて今回の決定というのを、知事、今までいろいろ国に訴えてきた中で決まったということについて、どういうふうに考えていらっしゃいますか。
(知事)
これは大変心強く思っていますし、道の顧問であります村井純顧問は、まさにこの分野で日本をリードする方でありますが、村井先生とも常々申し上げてきたのは、これはわが国として、データセンターが首都圏などに集中していて、いざ災害などが発生したときには、日本全体で大きな課題に直面することになるという状況の中で、地方分散の必要性、さらには北海道のこの冷涼な気候、また再エネの活用の可能性、そして大規模な用地確保の部分、さまざま北海道のこの優位性については、セミナーなどでも繰り返し、国内外に発信してきたところです。
国に対しても、前年度、補助メニューを活用して公募されるというときにも、広く全国を対象にすると、地方分散を実現する上で、ニーズが現時点でもある首都圏などからの提案が引き続き集中することになって、結果としてその目標としている地方分散を果たすことが難しいのではないかと。国として、北海道、九州もそうですけれども、地方に分散していくという政府としての考え方といったものを整理すべきだということを主張してきました。昨年末のデジタル田園都市(国家構想)の考え方の中にも、地方分散については記載していただきました。
今回の「中間とりまとめ」では、さらに踏み込んだ形で、北海道という地域を指定する形で位置づけがなされた。これはわれわれがずっと求めてきたことなので、大変心強く思っています。ぜひこの流れを確かなものにしたいと思っています。
(北海道新聞)
今回補助が決まりましたけれども、今後、データセンターですね、北海道に誘致するために、国に対してどういうような動きを求めていきたいですか。
(知事)
今回、「中間とりまとめ」で方向性が出てきましたので、今後、われわれとしてもさらに動きを加速化していきたいと思っていますが、これは北海道にとって非常にプラスになるだけではなくて、日本全体でデータセンターの過度な集中のリスクを解消するという、国にとっても必要な事業にもなるということがありますので、しっかり経済産業省、総務省と連携して、スピード感を持って対応が図れるように取り組みを進めていきたいと思います。
(毎日新聞)
まず最初に確認させていただきたいのですけれども、デジタル関連産業の推進の方向性を夏までに示されるというところなのですけれども、これはそのデータセンターと半導体も含めてということでよろしいでしょうか。
(知事)
デジタル関連の方向性、ラピダスをはじめとする半導体のみならず、さまざまな部分についての方向性といったものを取りまとめていきたいと考えています。
(毎日新聞)
民間企業への何か支援メニューを示すみたいな形ということなのでしょうか。
(知事)
まだ方向性について、明確にさまざま皆さんにお話しできるような状況にはございませんけれども、専門家の皆さまなどにもご助言をいただきながら、どういった方向性を取りまとめることで、より具体的に北海道への集積などが図られるのか、この点についてはしっかり取りまとめをしていきたいと思います。
(毎日新聞)
あと関連で、今日は半導体の人材育成の協議会(北海道半導体人材育成等推進協議会)が設置されましたけれども、それに対する期待感、あらためて教えていただきたいのと、半導体の人材はすごい競争が激しい分野だと思うのですけれども、世界にいろいろ活躍していく時代も今後出てくると思うのですけれども、どういった形で道の経済発展につなげたいかというのを聞かせてください。
(知事)
今ご質問にあったように、世界で今、次世代半導体の製造、さらにはこの量産化に向けて、世界が大きな課題に向き合っているところです。当然、その開発に当たっては、研究者、技術者(が必要であり)、さらには、継続的に環境を確保するためには、人材を絶えず育成し続けなければならないということで、この人材の確保の課題は、まさに世界共通の課題であり、わが国でも経済安全保障上、次世代半導体でラストチャンスという総理の言葉にあるように、取り組みを進める上で重要な課題だと認識しています。
まさに今、まだ終わっていないと思いますが、第1回目となる「北海道半導体人材育成等推進協議会」が開催されています。現在進行形だと思っています。今日開催するわけですけれども、この協議会が、ラピダスとしては、当座(の目標の)2025年のパイロットラインの稼働、そして2027年の量産の開始に向けて、これからの半導体関連産業を持続的に支えていくための人材の育成、確保は極めて重要な課題でございますので、本日設立された協議会に求められる役割は非常に大きいものがありますし、また多岐にわたるものであると考えております。北海道経済産業局が音頭を取っていただいていますけれども、非常にスピード感を持って、本日、第1回目開催に向き合ってくださったことに対しては、大変心強く感じております。今後、道としても、この協議会を通じまして、北海道経済産業局をはじめとして産学官の関係機関との連携を強化しながら、道立高校、工業高校やMONOテク(北海道立高等技術専門学院)といった、道が有するネットワークや機関を生かした取り組みなど、各般の施策によって人材育成の取り組みに積極的に貢献していく、そして道内の半導体関連産業の振興につなげていきたいと考えています。
(時事通信)
私からはサラ川に関してです。道民の皆さまの応募に当たって、参考となるような一句があれば、知事からお願いいたします。
(知事)
しばらくこの質問がなかったので安心していたのですが、「『梅雨がない さわやか大地 北海道』にぜひ皆さんお越しください」をですね、「ぜひお越しください」までセットで言っていきたいと思っています。
恒例で、ご質問いただいた記者の方が発表するということになっていますので、ぜひ。
(時事通信)
拙作ながら失礼いたします。「コロナ明け 北海道へ もっかいどう?」
(知事)
いいですね、大賞が決まりました。ぜひマスコミの皆さんも、奮って応募いただければと思います。
(北海道新聞)
話題関連なのか、ラピダスの話が出ていたので、ちょっとラピダスについて伺いたかったのですけれども、5月下旬にあったプロジェクト説明会で、同社は千歳市を中心に札幌市、苫小牧市、石狩市の一帯で産業集積を目指す「北海道バレー構想」を打ち出しました。知事はこれまで、例えば3月の(北海道議会)定例会で、ラピダス進出の効果を全道に波及させるオール北海道での経済発展、確かな未来をつくるなどと述べたほかですね、知事選の遊説でも全道各地で進出をアピールしたりなさってきました。
一方で道内地方の関係者に取材しますと、どうしてもこの産業集積という観点からも、広大な北海道では札幌圏、道央圏以外からは遠い話に見えてしまって、どんな効果があるのかは見えないとの声も聞かれます。知事はどんな形、どんなスケジュール感で全道への効果を広げていくお考えなのかを具体的に教えてください。
(知事)
今ご質問があったように、このラピダス社の取り組みについては、今までないような大きなプロジェクトになっていますし、また次世代半導体という言葉を聞いて、なかなかどういったものなのかであったり、ついこの間、説明会もやらせていただいたり、2023年度の計画承認が、具体的に2600億円(の追加支援)と決まったのも、本当についこの間の話でありまして、まずはそういった皆さんの声に対しては、先般行いました説明会の中でも、こういった機会をきちんとこれからも設けてほしいという声でしたり、また詳細な状況などがわかった場合には、情報共有をしていただきたいという声も非常に多かったところです。ですので、ここはまず基本の話になると思いますが、まず次世代半導体とは何かということや、ラピダスはどういうことをまずはしようとしているのか、ということをみんなとしっかり共有していく、これが大切だと思っています。
そして今お話ししたとおり、2023年度の計画、予算が2600億円を上限に承認されて、いよいよ具体的な建設に向けての整備が本格化します。まずは今年度の部分においても、かなり大きな規模の建設に向けた動きになっていきます。ですので、建設工事はもとより、建設機械や資材などの調達、また多くの方がそこで働かれますので、宿泊や食事といった工事現場管理業務など、地元の業者の皆さんにご協力いただかなければ、こんな大規模なものは進められないので、そういった(地元業者の)活用、また理系人材をはじめとする雇用、これは新規ですので、雇用が当然のことながら生まれていくということで、まずはパイロットラインを作っていきましょうということで、この点においても幅広い効果について期待できると考えていますが、さらに量産化というのが次のステップになっていきます。総額5兆円規模の投資も見込まれているということもありますので、道としては、このチャンスを最大限生かしたいと思いますし、5兆円の話については製造の話なのですけれども、やはり先ほどの人材育成の話にもつながるのですけれど、製造に加えて研究と人材の育成が一体となった複合拠点の実現を目指していきたいと思っていまして、ラピダス社のほうも、やはりそういった思いを同じくしていますので、そういった機能がこの北海道に実現することによって、北海道全体で効果を非常に発揮することになると考えています。
また先ほどの質問にもありましたけれども、これは次世代半導体だけの話ではないのですけれども、今年の夏にデジタル関連産業の推進方向を取りまとめていきたいと考えていますので、こういった取りまとめの中でも、本道のデジタル関連産業の一大拠点の形成の中で、どういった効果を全道に波及させていきたいという思いをですね、皆さんと共有できるかという形で、取りまとめも進めていければと思っています。
(北海道新聞)
お伺いしたかったのが、札幌圏ですとか、道央圏以外、まさに道北、道南、道東とかですと、どうしても距離が遠いので、そういう方たち、そういう地域の方たちに、どんな全道への効果というのがあるのかというのがちょっとまだ見えないところで、これは今のお話ですと、これから具体的に見えてくるというふうに理解すればいいのか、まだ知事自身もですね、そのあたりどうなっていくのかというのはまだ見えていないという、そういうことなのでしょうか。
(知事)
北海道全体で世界に次世代半導体を届ける製造、研究、人材育成の拠点ができれば、その影響は当然のことながら立地している場所だけではなく、例えば、製造にあっても建物がある地域だけで雇用するわけでも当然ないわけですので、全体の雇用ニーズが新規で生まれますよね。また、今日行われている人材の確保(の協議会)にあっても、やはり半導体関連の人材を育成するにあって、何か一ヵ所の場所だけで人材育成が叶うのかというと、それはまさに北海道全体、さらには日本全体でやっていかなければいけません。さらには研究についても、確かに研究機関を道内179カ所作るということではないわけですけれども、世界の人材が北海道に集まる環境がつくられることは、立地している地域以外にも当然のことながら影響があります。ですから、こういったチャンスの機会をどうやって全道にプラスにしていけるのかを、しっかり考えていくことが大事だと思います。
大事なことは、まずはパイロットラインを作るという今年度の予算が承認されたという状況ですので、その部分だけでも、経済的な効果は確かにあるのですね。ですから、まずは今年度やること、これからやろうとしていること、こういった可能性があるのではないかということを皆さんと共有して、道としては、方向性をしっかり皆さんと共有するためにも、道自らがそういった推進方向でしっかりまとめていかないと、より良い議論も含めてしていけませんので、そこはしっかり夏にまとめていきたいと思っています。
(北海道新聞)
関連でですね、道内地方の関係者への取材では、皆さん、ラピダスのプロジェクト成功は願いつつも、ラピダス進出が札幌圏、道央圏のヒト・モノ・カネの吸引力を高めてですね、さらなる一極集中ですとか、北海道の地域間格差が進むのではないかという不安や懸念の声も聞かれます。知事はこうした懸念にどう応えるかということと、また知事ご自身もですね、こういう懸念というのは今お持ちでしょうか。
(知事)
さまざまな期待と、不安といいますか、そういったことは率直にあるのだろうと思います。ただ、やはりこの半導体の関係について言うと、日本だけの話ではなく、世界的に人材の獲得競争だとか、経済安全保障上のリスクを回避する観点や、これからさまざまな産業にイノベーションをもたらす意味でも、各国が開発を競っています。ですから、この最先端の半導体を製造、量産していくことによって、道内の人の取り合いというよりは、世界からそういった人材を獲得する前提なしには、持続的な製造、研究、人材の育成がそもそも難しいところがありますので、もう少し広い視野で、皆さんが中期的に見ても議論ができるようなことも含めて、さまざまな皆さんのご不安だとか期待に関して、こちら側から考え方、方向性とそういったものをお示しする、これが今の段階で大事なのかなと思います。今の時点で予算がついていて、これから始まるということと、これからこういうふうにしていきたいというところも、結構一緒になっているところもあるので、そこも各段階できちんと説明しながら皆さんとやっていければと思うのですが、まずは、広域自治体である道が、半導体だけではないのですけれども、有識者の方にもご助言いただきながら、方向性を取りまとめていくことが、皆さんの期待や不安に対して、さまざま議論を活性化する上でも、必要なのではないかと思っています。
(読売新聞)
合計特殊出生率の関係でご質問します。本日、厚生労働省が2022年の人口動態を発表しまして、合計特殊出生率は北海道は1.12となりまして、おそらくこれは全国でワースト3、東京都、宮城県に次いでワースト3となりました。この数字への知事の受け止めと、あと子育てとか育児の環境整備というのは、これまでも道もやってきたと思うのですけれど、その一方で、移住、定住であったりとか、あと関係人口の創出とかそういったところも力を入れてきたと思いますが、この間、地域おこし協力隊の話も定住であったりとか、その人たちが雇用とか起業を生み出して、活性化させていくという方向だと思うのですけれど、今後、人口とか出生率の対策として、知事の中で考えていることがあれば教えてください。
(知事)
これは本日公表ということでありますけれども、今ご質問にありました、合計特殊出生率の速報というか概数が発表されまして、全国平均が1.26でありまして、北海道については1.12ということで、全国で3番目に低い水準という状況にあります。これまでの状況を見ますと、婚姻率の低下、そして妊娠届出数の減少、感染症の流行が、社会経済情勢ばかりではなくて、結婚や妊娠、出産などの面に少なからず影響を与えたのではないかと考えているところです。
少子化については、都市部や地方でさまざまな要因があります。市町村では、それぞれの地域資源を生かした産業の振興に加えて、例えば出産祝い金の支給、住宅購入費などの助成、結婚、妊娠、出産、子育てといったライフステージに応じて、それぞれ市町村独自の取り組みに力を注いできております。そういった状況の中で、人口増加につながっているところもあります。
こうした中で、道においては、6月から子ども政策を一体的に推進するための「子ども応援社会推進監」を新設いたしました。組織体制の拡大を行いました。この新たな体制の下で、引き続き市町村の皆さまと連携して、保育料の無償化や乳幼児の医療費助成等による経済的負担の軽減を図っていくほか、妊娠期から低年齢児期の子育て家庭に寄り添った相談支援に着実に取り組んでいきたいと。こういった取り組みなどを進め、安心して子どもを産み育てられる環境の整備に努めていきたいと考えています。
また、北海道への人の呼び込み、定着ということについては、首都圏企業のサテライトオフィスの開設では全国1位の状況でありますけれども、地方への関心の高まりといった意識の変化、国際的な人の流れの変化の動きも的確に捉えて、全国1位の受け入れの実績、そして高い定着率を誇る、先日お話しした地域おこし協力隊の制度のさらなる活用や、多様な魅力を生かした観光の推進、そして先ほどもさまざま議論、質問がありました次世代半導体をはじめとするデジタル産業の集積に加えて、新たにデジタルインフラの中核拠点に位置づけられる方向性が示されましたので、こういったものなど、北海道の優位性を最大限生かして、各般の施策を総合的に展開して、対応していきたいと考えています。人口減少の問題については、本当に一朝一夕で解決することができる課題ではないわけですけれども、道民の皆さまと共に北海道の未来をつくる取り組みを進めまして、困難な状況にしっかりと向き合っていきたいと考えています。
(朝日新聞)
一昨日、国会でGX脱炭素電源法が成立しました。審査期間等を除外すればですね、最長で60年間の原発の運転が可能になりました。専門家の中には、そもそも原発そのものが40年というふうに部品や設計等がなされているといった指摘がありますし、そもそも世界的にも、60年間の延長というのは極めて珍しいわけです。
そんな中で、泊原発も現状3基ともいずれも11年から12年止まっているわけで、その期間を除いて、60年運転されるということになるとですね、やはり道民の中にも、大丈夫かなというふうに不安に思う方もいらっしゃろうかと思います。知事はこれまで泊原発の再稼働については、基本的には審査が続いているのでという形で明言を避けてこられましたけれども、今回こういった新しい法律ができたことを受けてですね、あらためてそのあたりのご見解を聞かせていただけませんか。
(知事)
GX脱炭素電源法案が可決、成立したわけでありますが、原発については、繰り返し申し上げてきましたけれども、何よりも安全性確保が大変重要であると、大前提であるということを繰り返し申し上げてきました。
今ご質問にあったように、国会で確かに可決はしたわけでありますが、この法案の審議にあって、国会でもさまざま議論があったところです。この法案が成立した後に、今お話のあった運転をしていなかった期間、除外期間の算定について、具体化をしていくということです。この点について、これは私もこの法案の付帯決議の内容を見ましたけれども、具体化するに当たっては、簡単に言えば、しっかり分かりやすく算定すること。そういったものを求める付帯決議が法案には付いていますので、まずはしっかり付帯決議にある内容についても、しっかり受け止めた中で(国は)対応していただきたいというふうに思っています。
そしてご質問にありましたように、大丈夫なのかという声があるではないかということについても、安全性などについて、そういった声があるのは事実だと思いますので、国が責任を持って丁寧に説明を行っていく、このことが国民の理解を得ることにつながっていくというふうに考えています。
(朝日新聞)
もう一点お願いします。私、直前まで札幌市役所の担当で札幌五輪の担当をしていたものですから、あえてお聞きします。現状、2030年の大会を札幌市が招致を目指しているわけですけれども、経済界を中心に34年大会への切り替え案というのが浮上してきました。知事は、プロモーション委員会のメンバーにも名を連ねておられますし、札幌五輪の会場には、帯広市とかニセコ町とかも含まれますので、そういう意味では、知事としても、何らかのコメントをする立場にあろうかと思います。
これまで知事は、いろいろな会見で五輪の問題が出るとですね、やはり市民の意見をきちんと聞くべきだと、丁寧に聞くべきだというふうに繰り返してこられましたけれども、現状この34年大会という切り替え案が浮上してきたことについては、どういうふうに受け止めておられるのかということと、あらためて北海道としてこの招致について、どういうふうにコミット、関与していこうというふうに考えておられるのか、その二点お願いします。
(知事)
まず34年の話が、確かに紙面や一部経済人の方がお話ししているような記事は拝見いたしましたが、札幌市としては、2030年を34年にというお話ではないというのが、私の認識でありますし、札幌市長、秋元市長も、これは直近の会見のほうでもですね、できることを今やっていくのだということで、30年の招致について、取り組みを進めていくという趣旨のご発言をされておりますので、私もそのような理解でおります。
ただ確かに、プロモーション委員会には入っていますが、機運醸成をするような状況ではないという中で、一切の活動を、基本的に新規のものはやっていないという状況でありますので、何よりも札幌市民の皆さま、そして道民、さらには国民の皆さまも含めて、理解を得ていくことがやはり重要だろうというふうに思っています。
この私の考え方については、一貫して札幌市にもお伝えしてきていますし、この記者会見の場でも繰り返し申し上げてきました。そういった状況の中で今、このような現状があるというふうに思っています。
(北海道新聞)
再生可能エネルギーについて伺います。小樽市と余市町にまたがる形で、大手商社が計画している風力発電事業について、小樽市が反対の方針を固めたことが北海道新聞の取材で明らかになりました。小樽市は知事あてに意見書を近く提出する方針ですが、これについての知事の受け止めと、道としての今後の対応を教えていただけますでしょうか。
(知事)
そういった報道があったということで報告は受けておりますが、まだ意見書などは、当然のことですけれども、届いていないという状況であります。また、具体的に小樽市のほうで何か決定されたということを、道としては今の時点で確認していないところであります。いずれにしても、これは一般論と言いますか、洋上風力、そして風力発電に言えることでありますが、北海道においては、わが国随一のポテンシャルを誇っているという状況があります。これを生かしていくことが重要だと考えております。しかしながら、自然環境、または景観への影響は、当然ながら十分に配慮しながら進めていくべきであると、私は考えています。
(北海道新聞)
最後のご回答と重なるかもしれませんけれども、小樽市、余市町のケースに限らず、太陽光や風力などの再エネ設備が道内で今増えている中で、事業者の計画に対して、地元の地域から、今、自然環境であったり、景観への悪影響であったり、土砂災害などについて懸念の声が上がるという事例が近年道内各地で出ています。「ゼロカーボン北海道」の実現に向けた再エネの導入拡大と自然や住環境の保護、これらをどのように両立すべきなのか、地域の不安を解消しながら、どう再エネ拡大を進めるのか、知事の考えを教えていただけますでしょうか。
(知事)
再エネのポテンシャルは、北海道は非常にあるのですけれども、それを活用していくにあって、地元、地域の皆さんの理解の下で、環境に十分配慮しながら、事業が進められていくべきであると考えていますし、そのことは非常に重要だと思っています。
(北海道新聞)
最後にもう一点、道外では県の単位で、再エネ設備の設置について県が規制区域を設けるなどして、再エネの規制に関する条例を独自に制定している県もあります。道は現状、環境アセスであったり、景観の条例で配慮している面もあると思いますし、ゼロカーボン北海道推進条例でも環境の保全に触れていますけれども、今後再エネの規制に関する条例などを道として検討する考えはございますでしょうか。
(知事)
現時点で直ちに条例を制定することを想定しているわけではありません。いずれにしても、地元の皆さまの理解、そして環境に十分な配慮の下で、再エネのポテンシャルを発揮した中で、環境を守りながらも、そのエネルギーを最大限生かしていく、そういった基本的な考え方の下、取り組みが行われるべきだと考えています。
(HTB)
知事に二点お伺いします。
先ほどレク(記者レクチャー)もあったのですが、「お米・牛乳子育て応援事業」のほうで、システムの不具合もありまして、今回トラブルがあったのですが、これに対する知事の受け止めをお願いします。
(知事)
まず、今日、報告のほうも受けまして、ご迷惑をおかけしていることを申し訳ないと思っています。状況をお伺いいたしますと、申し込みが集中した時期にアクセスが集中して、申し込みの完了メールが、完了してない方に届いてしまったという、簡単に言えばそういう状況が発生したと。その可能性がある件数が9400件に上るということでありました。
その後、電話などによりまして確認作業を進めて、今日現在で約260件まで対象が減ったということであります。そしてさらに今日報告を受けた中で、電話のみではなくて住所などもわかっていますので、郵便によって、そういった状況にある可能性があるということについて、こちらから確認を行うべきであると指示したところであります。いずれにしても、現時点で260件の確認ができていない状況がありますので、これは大変申し訳ないと思いますし、速やかにその確認を行って、皆さんにお届けをしていくということを進めていきたいと思っています。
(HTB)
もう一点なのですが、本道に縁が深いですね、野球WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)日本代表の栗山英樹監督が本日退任されたのですが、それについての受け止めをお願いします。
(知事)
栗山監督はですね、私は夕張市の市長もやっておりましたので、例えば日ハムの監督時代にですね、地域への貢献ということで栗山警察署の一日警察署長とか、栗山警察署って実は夕張市の管轄なのですよ。ですから、子どもたちに交通安全を教えるということで来ていただいたりだとか、栗山町にいらっしゃるということもあって、地域の皆さまに対してさまざま地域貢献の取り組みもされてきました。
そして、日本中が盛り上がりましたけれども、WBCの優勝、これはまさに3大会ぶり3度目の優勝を果たされた監督であります。世界一の奪還の偉業はもちろんなのですけれども、やはり選手を信じて送り出す、信頼関係に応えるべく選手も活躍し、共に称え合う姿は、北海道のみならず、当然のことですが非常に多くの全国の皆さんが感動を覚えたのではないかと思っています。
その後ですね、WBC優勝を踏まえて、エスコンフィールド北海道において、私から感謝状を栗山監督にお渡しさせていただいたところであります。栗山監督は「夢は正夢」を座右の銘としてお話しされておりました。まさに、私たちに夢を与えてくれたわけでありますし、大きな感動をいただきました。まずは本当にそのことにあらためて栗山監督にありがとうございましたと感謝申し上げたいと思いますし、そして本当にお疲れ様でしたという言葉をお伝えしたいと思います。
(HBC)
6月からの組織改正についてです。巨大地震への備えということで、「海溝型地震対策室」が設置されました。この対策室の設置によって、従来の地震対策から変わって、どういったことが可能になっていくのか。また今後どういうふうに活用していかれるのか、知事のビジョンを聞かせてください。
(知事)
昨年の5月になりますけれども、「日本海溝・千島海溝(周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する)特別措置法」の改正に伴って、国の特別強化地域に道内太平洋沿岸の39市町が指定されました。道においても、本年2月、津波被害などを軽減するための減災目標を策定しました。
道としては、この市町における緊急事業計画の策定の支援、これに基づく津波避難施設整備の促進など、巨大地震、津波への備えを一層加速していくために、今ご質問のあった「海溝型地震対策室」を新設いたしました。今申し上げたような取り組みを進めていくための体制強化を図ったところであります。
今後とも、道民の皆さまの暮らしを守るためには、国、市町村、防災機関等と緊密に連携、協力して、総合的な防災・減災対策に全力で取り組んでいきたいと考えております。市町への支援についても、今、補正予算編成において、具体化に向けて進めているところでありますので、こういったことも含めて、しっかりと支援していきたいと考えています。
(北海道新聞)
先ほど質問のありましたお米券給付事業の支給手続きミスについてお伺いしたいと思います。今回、道がですね、問題を把握してからホームページで一応案内文というのを出したようなのですけれども、詳しい経緯の説明の記載がありませんでした。実際にですね、今回生活が苦しい世帯に支援が行き届いていない可能性があって、しっかりと経緯を詳しく説明すべきだったのではないかという指摘もありますが、知事、今回の対応について、どのように受け止めていらっしゃいますか。
(知事)
これは私も今日報告を受けまして、課題があると思っています。ですので、是正すべきは直ちに是正しながら、何よりも今、260件の方がまだ確認できていませんので、そこをしっかりやらせていただきたいと思いますし、こういった厳しい状況の中、事業を実施するものでありますので、二度とこのようなことがないように、再発防止についても徹底したいと思いますし、同様の事例は起こしてはならないわけですが、今回の件を踏まえて、担当の部以外もこの事例を共有して、しっかりと気を引き締めて対応していきたいと思います。
(北海道新聞)
知事のお話だと報告が今日になったということだと思うのですけれども、もっと早く庁内で共有すべき事案であったのではないかという指摘もあると思います。その辺は、知事への報告がそもそも遅れたことについてどのように認識されていますか。
(知事)
これはもっと速やかに報告すべき事項であったと思いますし、その点も私から指示したところであります。多くの方にご迷惑をおかけいたしましたので、このようなことがないように対応したいと思います。
(北海道新聞)
先ほど、一部今後の善後策というのをお話しされたと思うのですけれども、あらためて再発防止だとかですね、まだ行き届いてない方に対して速やかに支給できるように、どのように取り組んでいくかお考えをお願いします。
(知事)
まずは約260世帯の皆さんが確認が取れていませんので、先ほど申し上げたように、電話での連絡のみならず、住所を把握している点がありますので、この経緯も踏まえてお伝えして、しっかり確認作業を行っていきたい思います。また、アクセス集中によるトラブルということがありましたので、多くの申請が想定される案件でありましたから、そういったことが事前に把握できなかったのかということも含めて、しっかり課題を検証した上で、再発防止を行っていきたいと思います。
(北海道新聞)
今回、知事の肝いり事業で、緊急対策事業として実施しているわけですけれども、今回、一連のトラブル、知事の責任についてどのように受け止めていらっしゃいますか。
(知事)
これは当然のことですけれども、道庁において行われているさまざまな道政推進に当たっての最終責任者が私ですから、そういう意味では責任を感じているところであります。皆さんにご迷惑をおかけしたことを申し訳なく思っています。まずやるべきことは、260世帯の方が確認できていない状況にありますので、そこをしっかり確認することを鋭意取り組むこと、そして二度とこのようなことがないように再発防止を徹底し、道民の皆さまの信頼に応えていきたいと思います。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)