知事定例記者会見(令和5年6月9日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和5年6月9日(金)14:31~15:02
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/21名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 令和5年度(2023年度)2定補正予算の規模について

記者からの質問

  1. 令和5年度(2023年度)2定補正予算について(1)
  2. 令和5年度(2023年度)2定補正予算について(2)
  3. 高レベル放射性廃棄物について(1)
  4. 泊発電所の再稼働について(1)
  5. 原子力発電所の運転期間について
  6. 泊発電所の再稼働について(2)
  7. 泊発電所の再稼働について(3)
  8. 高レベル放射性廃棄物について(2)
  9. 電気料金の値上げについて
  10. 「食料・農業・農村基本法」について
  11. アドベンチャートラベル・ワールドサミットについて
  12. マイナンバーカードについて
  13. 丘珠空港の利活用について
  14. 江差高等看護学院について

知事からの話題

令和5年度(2023年度)2定補正予算の規模について

 私から一点お話しさせていただきます。 
 6月22日に開会予定の第2回定例道議会に提案をいたします補正予算でありますけれども、私の2期目の公約として掲げた基本政策を実行に移すため、社会経済情勢も踏まえつつ、職員とも議論を重ねているところであります。現時点での一般会計の補正予算規模でありますけれども、2770億円程度を見込んでおります。これは前回、4年前の「肉付け予算」と比較いたしますと、10%プラスということとなります。改選後の2定補正予算の規模としては過去最大となる見込みであります。今後、さらに計数などの精査を進めまして、最終的な予算額や事業概要については、6月16日に私から発表させていただく予定であります。
 私から以上です。

記者からの質問

(読売新聞)
 細かい事業内容は来週(発表)とは重々承知しているのですが、過去最大の肉付け(予算)の規模になるということ、前回4年前から10%程度増えた要因というか背景と、その中でも細かいところは来週かと思うのですが、どういったところが今回ポイントになるかというのを教えていただければと思います。

(知事)
 (個々の事業などは)16日にお話しさせていただきたいと思いますけれども、今お話しさせていただいたように、2期目の公約で掲げさせていただきました。その上でご信任をいただいて、この基本政策を実行に移していくために必要となる議論を行った中で、規模としては肉付け予算として過去最大規模という状況であります。
 暮らしを守る、そして未来を創る、地域と共に進めるという三つの視点に立って、北海道の有するポテンシャルを最大限発揮しながら、北海道の価値を押し上げるということで、各職員と議論を積み重ねているところでありますので、しっかり今後も創意工夫を図りながら、北海道を前に進める予算を練り上げていきたいと思います。

(日本経済新聞)
 先ほど知事のご回答のところでも、その基本政策を進めていく予算ということですけれども、やはりこの公約にも掲げられた子育て政策であるとか、半導体推進であるとか、脱炭素とか、そういったところに重点配分するべく議論されているというそういう認識で問題ないでしょうか。

(知事)
 個々の事業などについては、16日にお話しさせていただきたいと思います。基本政策は、選挙などの中でもこれまでも繰り返しお話ししてきています。そういった内容を実現するためにさまざま議論をしているところです。

(北海道新聞)
 核のゴミ(高レベル放射性廃棄物)の問題についてお伺いしたいと思います。知事はですね、現時点で寿都町と神恵内村が概要調査に進む場合、反対するという姿勢を示されていると思います。現時点での考えとその理由を教えていただければと思います。

(知事)
 これは繰り返し申し上げておりますけれども、文献調査から概要調査に移行する場合はですね、現時点で反対の意見を述べる考えに変わりはありません。

(北海道新聞)
 その理由とか根拠としては、核抜き条例の話をされたと思うのですけれど、それも変わらないですか。

(知事)
 はい。考え方、そしてこの姿勢に変わりありません。

(北海道新聞)
 わかりました。今の一貫したお話だと、最終処分場の道内の受け入れには反対ということだと思うのですけれど、泊原発からもですね、もう既に放射性廃棄物が発生していて、全国的に高放射性廃棄物の処分というのをどのように行っていくべきなのか、知事のお考えを伺えればと思います。

(知事)
 これは国全体で議論すべきだとういうふうに考えています。道においては、幌延町の深地層研究を行うに当たって、最終処分場になるのではないかという懸念がある中で条例が制定され、現在に至っています。この最終処分に当たり、さまざまな取り組みを北海道が行ってきたということを、全国の皆さまには知っていただく必要があるというふうに思います。
 そして今、国として(最終処分場を)1カ所作るということでありまして、本道のみならず全国の使用済み核燃料を、この核のゴミを受け入れるという形に、当然のことながら入り口に立つような議論なわけでありますので、そういったことを鑑みたときに、私の考え方、これまで申し上げてきましたけれども、文献調査から概要調査に移行する場合について、現時点で反対の意見を述べる考えに変わりはありません。

(北海道新聞)
 ありがとうございます。関連してですね、泊原発の再稼働についてお伺いしたいと思います。北海道電力はですね、2026年の3号機の再稼働を目指しております。仮にですね、原子力規制委員会の審査に合格した場合、知事の任期中に再稼働の判断が求められる可能性もありますけれども、現時点で再稼働についてどのように考えていらっしゃるでしょうか。

(知事)
 これも繰り返し申し上げていますけれども、泊発電所については、現在、(原子力)規制委員会における厳正な審査が続いているところでありまして、仮定のお話としてのお話がありましたが、予断を持って申し上げる状況ではないと考えています。北海道電力は、これまでもこの規制委員会から誠意ある説明を求められているところでありますので、この規制委員会の審査については、真摯に対応していただきたいというふうに考えています。

(北海道新聞)
 関連して、先日、国会のほうで原発の60年を超える運転を可能にするですね、GX脱炭素電源法案が成立しました。福島第一原発(事故)後、政府の方針だった原発への依存度低減に幕を引いた形で、今後、活用する方向に舵を切った形になると思うのですけれども、知事は今回の法案成立にどのようなご認識をお持ちでしょうか。

(知事)
 これは以前の会見だったと思いますけれども、同じような趣旨のご質問がありました。原発については何よりも安全性、私は、その確保が大前提だというふうに考えています。そしてこの法案が成立したのですけれども、さまざま国会の中でも議論があったというふうに承知していまして、付帯決議の中においては、運転期間の除外期間の算定基準をわかりやすく策定するべきであるということが、付帯決議に盛り込まれている状況もありますので、原発の安全性、必要性について、国がまずは責任を持って、しっかりと丁寧に説明していく、そして今回の付帯決議も踏まえた中での説明も、しっかり行っていただくことが必要であろうというふうに考えています。

(北海道新聞)
 知事はですね、国全体で政府の方針どおり、積極的に原発は活用すべきだというふうに考えていらっしゃいますか。

(知事)
 安全性が確保されること、これが何よりも重要であるというふうに考えています。私の立場では、道内において今、泊発電所も審査しているという状況でありますので、そういった中で、予断を持って申し上げる状況にはないというふうに思っています。                     

(北海道新聞)
 今のお話では、安全性が確保されれば国全体で原発が活動していてもいいのではないかというふうに捉えられると思うのですけれども、その辺はいかがですか。

(知事)
 それは各地域ごとに(原発が)立地している中で、住民の皆さまの考え方や、また地域の首長、知事の考え方などもありますので、そこがしっかり尊重されるべきであろうというふうに思います。

(NHK)
 先ほどの質問に関連するのですけれども、泊発電所の再稼働に向けた審査で、今日、焦点となっていた基準地震動の審査項目について、原子力規制委の審査会合で、もしかしたら了承されるという可能性があります。了承されれば申請から10年越しでの決着となるのですけれども、それについての知事の受け止めをお願いします。

(知事)
 この点はまだ報告を受けていないところでありますけれども、今回、基準地震動の審査の判断ということでありますので、今後引き続き、地震、津波、火山等の自然現象、そしてこれらを踏まえたプラント施設の影響評価など審査が継続されます。予断を持って申し上げる状況にはないわけでありますが、先ほどから繰り返しで恐縮ですけれども、原発は安全性の確保が大前提であります。規制委においては、最新の知見を反映した基準に基づいて、審査、確認を行っていただくことが必要だと考えています。
 そして道としてなのですけれども、今、審査が長期にわたっているわけでありますが、今後の安全対策や審査の状況などについて把握するために、「原子力専門有識者会合」を開催し、道民の皆さまに対して、審査の状況など、専門的な言葉なども出てまいりますので、わかりやすい情報提供をしていきたいと考えてます。

(NHK)
 別件なのですれけども、核のゴミ(高レベル放射性廃棄物)に関係して、昨日、NUMO(原子力発電環境整備機構)が神恵内村の対話の場で、神恵内村において、文献調査の次の段階になる概要調査が実施できると思われるとの見解を示しました。そして寿都町においても、NUMOは既に、概要調査を実施することは可能だとの見解を示しています。調査が進んでいる状況だと思うのですけれども、あらためてそのことについてお願いします。

(知事)
 それはNUMOが、そのようなお話をされているのだと思います。最終処分法上、文献調査から概要調査に移行する場合については、知事の意見を述べることができることになっておりますので、そのように対応したいと思います。

(NHK)
 もう一点、電気料金の値上げに関連してお願いします。昨日、道内の商工会議所の方が道庁に対して、電気料金高騰への対策を求めるような要望書を提出するなど、やはりさらなる負担軽減策を求めるという声が根強くあります。例えば沖縄県では、電気料金の値上げ幅を圧縮するために、独自の負担軽減策を講じるなどやられているのですけれども、道としてこれから、今、補正予算を考えているところだと思うのですけれども、どのような対策を検討されているか、話せる範囲でお願いします。

(知事)
 まず、この度の値上げについては、認可当日に北電の副社長が来庁されましたので、副知事が報告を受けた際、副知事のほうから、北電においては道民の皆さまの厳しい声を真摯に受け止めていただくこと、あらゆる分野でさらなる経営の合理化、効率化に不断に取り組むこととともに、道民の皆さま、事業者の方々に対し、丁寧でわかりやすい説明を行い、理解を得るよう努めていただきたいと申し上げたところであります。
 現在、国においては、低圧、高圧電力の料金について、本年1月から9月までの間、電力会社に対する料金引き下げに向けた助成が行われている状況にあります。道としては、国の対策も踏まえ、特別高圧電力を利用する中小・小規模事業者の皆さまに対する支援、宿泊事業者に対する省エネ設備導入への支援、医療・社会福祉施設に対する電気料金高騰分の支援、低所得世帯や子育て世帯への特別給付金の支給などの予算について、先月の臨時会で措置し、迅速な執行に努めているところであります。まずはこういった取り組みをしっかり進め、影響の緩和に努めていきたいと考えてます。
 また、来週の中央要請において、電気料金の値上げによる影響緩和について、国にさらなる対策を講じるよう求めていきたいと考えております。今後とも国の政策動向を注視しながら、道民の皆さまの生活、道内経済への影響把握に努めて、適切に対応していきたいと考えてます。

(日本農業新聞)
 政府が「食料・農業・農村基本法」見直しの指針となる新たな展開方向を決めました。この方向について、知事の評価、期待することや課題などをあらためて教えてください。

(知事)
 今月2日ですけれども、食料安定供給・農林水産業基盤強化本部において、「食料・農業・農村基本法」の見直しの指針となります「食料・農業・農村政策の新たな展開方向」を策定されたところであります。この展開方向でありますけれども、食料安全保障の確立、環境等に配慮した農業への転換、人口減少下でも持続可能で強固な食料供給基盤の確立、この三つの柱に基づく政策の方向性がまとめられたところであります。その内容についてでありますが、わが国最大の食料供給地域である本道の農業、農村が、将来にわたり環境に配慮しながら生産力と競争力を一層強化し、食料自給率の向上と食料安全保障の強化に最大限寄与していくことができるように、これまで北海道がさまざま国に対して提案してきた内容が、概ね反映されたものであると認識しています。国ではこの展開方向に基づいて、令和6年通常国会への基本法改正案の提出に向けた作業を加速し、各施策の具体化を進めるとしておりますので、道としては、今後、国が開催を予定している地方意見交換会といった場などの機会を活用して、引き続き、提案活動、そして意見交換といったものを実施していきたいと考えています。

(HBC)
 先日、実行委員会の総会が開催されましたアドベンチャートラベル・ワールドサミットの件でお伺いいたします。開催が9月ということで迫っているかと思うのですが、対象者が事業者であったり、アドベンチャートラベル自体が欧米の富裕層がターゲットということで、なかなか一般の道民の関心が寄せられにくい案件ではあるかと思うのですけれども、開催までの気運醸成のために行っていく施策があれば教えてください。それとですね、具体的にサミットが開催されることでどれぐらいの、70兆円を超える市場規模という話はありましたけれども、どれぐらいの経済効果が道内では期待できるか、試算があれば教えてください。

(知事)
 このアドベンチャートラベル・ワールドサミットについては、コロナ禍の中でバーチャル開催ということで開催したわけでありますけれども、いよいよリアルでの開催という中で、世界60カ国ほどの国から約800人もの参加者の方が、やはりオンラインも非常に関心は高かったのですけれど、実際に北海道に来ていただいて、実際に体験や見ていただく機会というのは、非常に重要だと思っています。そしてこの参加者の方の属性ですけれども、多くの顧客を実際に抱えているバイヤーの方ですとかインフルエンサーなどでありますので、札幌市での商談会、そして各地でのエクスカーション(体験型の見学会)を通じて、強くこの北海道の魅力をアピールすることができると考えています。滞在費ですとかイベントそのものの経済効果ももちろんでございますけれども、やはり欧米を中心とする市場規模70兆円ともいわれるアドベンチャートラベルの市場に北海道を売り込んでいくことが、今、経済活動が世界中で活発になって誘客の競争が激しい中で、時機を捉えてこれを開催することが、非常に意味のあることだと思っています。
 ただ一方で、確かにご質問にあったとおり、一般の道民の方に対し、アドベンチャートラベル・ワールドサミットが何かとか、アドベンチャートラベルについてもそうなのですが、しっかり機運醸成を図っていくことがやはり重要だと思っていまして、先般、パートナー企業としてご協力いただく皆さまのご紹介をマスコミの皆さまにもさせていただいたところでありますが、例えば、SNSなどの道の広報媒体(の活用)はもちろんやっていくのですが、航空会社との連携の下で、機内誌などを活用した道内のアドベンチャートラベルの魅力、そしてガイドの方々の活躍といったものを紹介するなど、その発信については積極的に展開していきたいと思っています。いずれにしても、アジア初のアドベンチャートラベル・ワールドサミット開催になりますので、北海道というだけではなく日本(の魅力発信)というのも入っていますので、このチャンスを最大限生かして、機運醸成にも努めていきたいと思っています。

(HBC)
 今ちょっとお話にもありますけれど、2021年のネット開催(バーチャル開催)というのもある程度、やはり効果はあったものというふうに考えられていますか。

(知事)
 そうですね。やはりかなり皆さまから、当然といえば当然の話なのですけれども、映像を見ていたら「北海道にぜひ行きたい」と。実際に素晴らしい映像を作ったものですから、次につながったと。行きたいなという多くの声をいただいて、このリアル開催につながったと。さらにコロナが一定の節目を迎えた中で開催という形になったので、誘致活動の段階ではまだパンデミックの状況で、どういう状況になるかという中で、誘致なども地域の方と行ってきたので、ここは本当にチャンスだと思っていますので、マスコミの皆さまにも引き続き、ご協力いただければと思います。

(北海道新聞)
 マイナンバーカードの関係で伺います。河野デジタル担当大臣が7日に、マイナンバーを給付金などの受け取り口座と紐付ける際に、本人ではなくて家族名義の口座を登録したとみられるケースが約13万件あったと明らかにしました。国が進めるマイナンバー制度でですね、トラブルが相次いでいて、国民の不信も高まっています。都道府県もマイナンバーの普及促進を図る役割を担っていらっしゃいますけれども、現状、この状況について知事の受け止めをお願いいたします。

(知事)
 マイナンバー自体は、私は必要なものだと思っています。その上で各市町村も、マイナンバー(カード)の推進にあっては、その(取得)率が非常に強く国からも求められる中で、取り組みを鋭意進めてきたところです。自治体などに対して、国のほうからも、ヒューマンエラーも含めた中で確認いただきたいという通知が行われるなど、そういった対応にはしっかり自治体も努力していることは、まず理解していただきたいと思っています。しかしながら、全国知事会のほうでも話題になっているわけでありますが、やはりヒューマンエラーはどうしても生じることがありますので、これはシステム上、そういったものが起きにくい状況を作っていく必要がありまして、この点については、どうしても全国一律に運用する中で、国に改善などを求めていくという状況にあります。
 いずれにせよ、これだけ多くのニュースなどで取り上げられる中で、マイナンバーカードに対する不安、懸念の声が出ている事実をしっかり国として受け止めていただいた上で、説明も含めて迅速な対応をしていただきたいと思っています。われわれ都道府県、市町村は、マンパワーも含めてですけれども、しっかり短い期間の中で対応はしているのですけれども、どうしても人間が入力する中で、エラーが起きることも想定されますので、そこはしっかり、われわれもそうですけれども、国としても受け止めた中で、迅速に対応いただきたいと思います。

(HTB)
 二点お伺いいたします。まず、丘珠空港についてなのですけれども、3月にFDA(フジドリームエアラインズ)が名古屋便を就航しまして、昨日、延期が発表されましたけれども、今後はトキエアが新潟便の就航も予定しています。滑走路の長さですとかアクセス面での課題もありますけれども、道として今後、札幌市などとも協力して、丘珠空港の活性化をどのように進めていくのかお伺いいたします。

(知事)
 丘珠空港については、昨年の11月になりますけれども、札幌市が「丘珠空港の将来像」を策定いたしました。その実現によって、新千歳空港に就航していない道外路線の開拓、そして丘珠空港を結節点として、道内外の路線が接続することによる、観光やビジネスの新たな需要の創出が図られるほか、医療、防災機能の強化といったさまざまな効果が期待できると考えています。
 道としては、札幌市が目指す「丘珠空港の将来像」の実現に向けて、札幌市と共に住民の皆さまのさまざまな声に耳を傾けながら、国、経済界、北海道エアポートとも緊密に連携しつつ、一層の利活用と機能強化に取り組んでいきたいと考えております。さまざま動きが出てきておりますので、そういった点もしっかり注視していきたいと思います。

(HTB)
 続いてですね、道立看護学院でのパワハラ問題についてお伺いいたします。自殺の事案についてですね、知事はこれまでの会見の中で、調査結果を受けて、道としてはその責任をしっかり整理していくというようなお話をされていましたけれども、ご遺族からは、きちんと早い対応をしてくれていれば、うちの子は亡くならずに済んだというような言葉もありまして、対応の遅れが指摘されているところですけれども、あらためて知事は、道の責任についてどのように考えているのか、このあたりを具体的にお伺いできればと思います。

(知事)
 この調査では、亡くなられた学生に対するハラスメントが複数確認されました。また、学生をふるい落とすような学院の教育方針や、監督責任を有する道にも問題があるとされたところであります。学院の設置者である道として、この調査結果を大変重く受け止めているところであります。また、ご遺族に対してでありますけれども、ご遺族のご意向を踏まえまして、関係教員によります謝罪を行うほか、ハラスメントに伴う法的な責任につきましては、道の顧問弁護士にも相談の上で、丁寧かつ誠意を持って対応していきたいというふうに考えています。

(HTB)
 対応に遅れがあったというふうには感じられますか。

(知事)
 今申し上げたように、第三者委員会の調査結果におきましても、教員、そして管理職員のハラスメントに対する認識の欠如、また学生をふるい落とすような教育方針や、組織体制などに問題があったともされております。このことを真摯に受け止めなければならないと考えています。しっかり今後とも、誠意を持って対応していきたいというふうに思います。

(HTB)
 道立看護学院はですね、保健福祉部長ですとか、地域医療推進局長、看護政策担当課長の担当になるかと思うのですけれども、6月1日付けで道の人事異動もありまして、男子学生が亡くなった2019年の9月当時にですね、看護政策担当課長だった職員の方が、今回の人事で局長に、当時、地域医療推進局長だった方が今回の人事で担当の部長になっているのですけれども、当時、学生が自殺するという重要な事案が起きたにもかかわらずですね、警察の調査のみで道の調査を行っていなかったという事実もありまして、しっかりと対応してこなかったという道庁側の責任を追及されてもいい職員の方々だと思うのですけれども、この方々がですね、一緒になって昇進したという人事について、任命権者である知事のお考えをお伺いしてもよろしいでしょうか。

(知事)
 職員の人員配置などについては、適材適所の中で、それまで長年にわたり、道において取り組まれてきた仕事内容なども踏まえて、適切に今後も判断していきたいというふうに思います。また、道としての今回の責任などについては、先ほどから繰り返しで恐縮ですけれども、ご遺族の皆さまに、そのご意向も踏まえながら、しっかり誠意を持って対応していきたいと思います。
 また、組織としての問題点についても、再発防止の観点も含めてしっかり対応していくことで、信頼を回復していきたいというふうに思います。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

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