知事定例記者会見
- 日時/令和5年6月22日(木)15:36~16:37
- 場所/記者会見室
- 記者数/17名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 令和5年第2回北海道議会定例会の開会に当たって
- 全道交通死亡事故多発警報について
- 「こどもまんなか応援サポーター」について
記者からの質問
- 交通死亡事故に関する今後の対応について
- 高レベル放射性廃棄物の最終処分について
- 「Team Sapporo-Hokkaido」の設立について
- 道警ヤジ排除訴訟について
- ヒグマ対策について
- JAグループ北海道の役員改選について
- あすなろ福祉会に対する監査結果について
- グループホームに係る実態調査について(1)
- ドローンの利活用について
- グループホームに係る実態調査について(2)
- 道議会での答弁準備について
- 次世代半導体について
- 風力発電計画の中止について
- 渡島平野土地改良区管内における取水停止について
- グループホームに係る実態調査について(3)
- グループホームに係る実態調査について(4)
知事からの話題
令和5年第2回北海道議会定例会の開会に当たって
私から三点、お話しさせていただきます。
まずは、本日から令和5年第2回定例会が開会いたしました。冒頭、道政執行方針として、道民の皆さまの命と健康、暮らしを守り抜き、北海道の確かな未来を創っていく、この決意を述べさせていただいたところであります。道民の皆さまから託された思いを踏まえて、私が掲げた政策を推進するため、総額2776億円の補正予算案と、「ゼロカーボン北海道」の実現に向けた基金の設置をはじめ、私の給与等に関する条例の改正など、12件の条例案を提案させていただきました。このたびの道議会は、私にとって2期目の公約として掲げた基本政策を実行に移すための政策予算をご議論いただく議会であります。来週27日火曜日から代表質問が始まるわけでありますが、こうした予算、条例をはじめ、道政上の重要課題に関して、議員の皆さまと真摯な議論を積み重ねてまいりたいと考えております。これが一点目です。
全道交通死亡事故多発警報について
二点目でございます。
6月18日日曜日、八雲町内で5人の方が亡くなられる交通死亡事故が発生いたしました。そして、室蘭市内でも1人の方が交通事故でお亡くなりになりました。謹んで哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆さまに心からお悔やみ申し上げます。とりわけ、一度の事故によりまして、5人もの尊い命が失われました。5人以上の方がお亡くなりになるという重大な事故につきましては、平成5年以来となります。非常に深刻な事故の発生と認識しております。
道では19日月曜日に「全道交通死亡事故多発警報」を発表し、6月25日日曜日までの7日間を警報期間として設定させていただきました。期間の初日には緊急に、道、道警察のほか、関係機関、団体による会議を開催し、事故の概要について情報共有を行い、今後、より一層の連携を図り、道民の皆さまへの注意喚起、広報啓発、街頭啓発などを強化することとしたところであります。また、6月19日付けで、北海道トラック協会および北海道バス協会など関係団体に、今後の安全対策と事故防止の徹底などをお願いしたところでございます。
自動車を運転される際には、体調管理の徹底、こまめな休息、脇見運転や運転中にスマートフォンを注視しないこと、スピードダウン、シートベルト着用の徹底を行い、安全運転を心がけていただくよう、あらためて皆さまにお願い申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の5類移行から、初めての夏を迎えるわけであります。社会経済活動が活発になり、観光客の増加、学校の夏休みによる交通環境の変化や人流の増加が予想されます。事件や事故の発生が懸念される中、事故防止に向けた対策が必要であると考えます。道としては、25日までの警報期間後も、夏季に向け関係機関、団体と連携しながら、継続して注意喚起を行っていきたいと考えています。皆さまのご協力をよろしくお願い申し上げます。
「こどもまんなか応援サポーター」について
三点目でございます。
こども家庭庁では、子どもや子育て中の方々を応援する企業、個人、自治体など、幅広い皆さまに「こどもまんなか応援サポーター」になっていただいて、それぞれの取り組みをSNSなどで発信していくプロジェクトが開始されました。こうした取り組みは、道民の皆さまの気運醸成に大きくつながるものであります。
本日、「こどもまんなか応援サポーター」になることを宣言いたします。
また、北海道日本ハムファイターズ、北海道コンサドーレ札幌、レバンガ北海道の3団体に「こどもまんなか応援サポーター」になっていただけるということであります。本日以降、選手の皆さまなどからSNSで発信いただくことを予定しております。道民の皆さまをはじめ、市町村、民間企業などにおかれましても、「こどもまんなか応援サポーター」の趣旨にご賛同いただきまして、積極的なご参加を、皆さまにお願い申し上げます。
また、こうしたムーブメントを広げるために、国は、妊娠中の方や子ども連れの方が窓口で並ぶことがないように優先窓口を設置する「こどもファスト・トラック」の取り組みを進めていますが、道としては、この取り組みを幅広く捉えまして、優先窓口のみならず、優先駐車場、授乳室やオムツ替えの場所の確保など、すべての道立施設で取り組んでいくことといたしました。現時点で137施設におきまして、先行して「こどもファスト・トラック」を実施しているところでございます。道のホームページで公表してまいります。
今後は、「こどもまんなか応援サポーター」の拡大、「こどもファスト・トラック」の全道展開、子ども応援企業の募集などを実施しまして、SNSなどで情報発信もしてまいります。こうした取り組みを道が率先して進めることで、社会的な気運醸成を図り、オール北海道で子ども、子育てを応援する社会づくりを進めていきたいと考えております。皆さまのご協力をお願い申し上げます。
私から以上です。
記者からの質問
(NHK)
八雲町の事故のことについて伺います。今回事故があった道路なのですけれども、国道ですけれども、過去にも重大な事故が何件か起きていたということがわかっております。今後、そうしたことも含めた道としての対応だとか、あるいは何か国に対して求めていくことだとか、何かお考えありましたら教えていただければと思います。
(知事)
国道でもありますので、国に対して、本件事故を踏まえたしっかりとした必要な対応は、しっかり求めていかなければならないと考えております。何よりも多くの尊い命が失われました。二度とこのような事故が起きないように、関係者が皆で思いを一つにして、取り組みを進めていきたいと思っています。現在、「全道交通死亡事故多発警報」を発表して、取り組みを進めているところであります。今後、夏に向けて、5類移行後、初の夏を迎えますので、さまざまな事件、事故のリスクも高くなる可能性が懸念されますので、継続した取り組みを進めていきたいと思います。
(NHK)
核のゴミ(高レベル放射性廃棄物)のことについて伺います。今日ですね、国の専門家会議で、文献調査の評価要件がまとまりました。今後ですね、NUMO(原子力発電環境整備機構)が報告書を取りまとめる作業に入ると思うのですけれども、概要調査に移行するに当たっての知事のお考えを、あらためてお願いします。
(知事)
本日の午前中に開催された、今お話がございました国の「放射性廃棄物ワーキンググループ」において、文献調査段階の評価の考え方について、審議が終了して、今後、パブリックコメントなどが行われるということであります。この説明があったと承知しているところです。
道の条例におきましては、道内に処分場を受け入れる意思がないとの考えに立ち、制定されたものであります。概要調査については、最終処分場の建設地選定のプロセスの一つの段階であります。条例を制定した趣旨とは相いれないものだと考えています。私としては、寿都町、神恵内村における文献調査終了後、仮に概要調査に移行しようとする場合においては、条例制定の趣旨を踏まえて、現時点で反対の意見を述べる考えであります。
(NHK)
もう一点関連してお伺いします。長崎県の対馬市で、文献調査の関係で、受け入れを巡って動きが出ているところですけれども、知事はこれまでも全国的な議論が必要だという考えを示されてきたかと思いますけれども、そのあたりのお考えもあらためて伺ってもよろしいでしょうか。
(知事)
北海道だけで、最終処分の問題は、考える問題ではないというふうに思っています。また、これも繰り返しでありますけれども、幌延町で深地層研究を受け入れております。そういった意味では、全国で唯一、深地層研究を行いながら、ある意味で北海道は役割を果たしている地域であることを、全国の皆さんには、まずは知っていただきたいと思います。その上で、最終処分場になるのではないかという議論を経て、条例が制定されているところであります。この点、まず皆さまに知っていただきたいと思っています。
今回、長崎県の対馬市議会においてですね、特別委員会が設置されて、文献調査に関する請願についての審議が行われるということで、これについては、報道で承知しているところであります。全国で考えるべき課題であるということを申し上げましたが、この件については、他の地域の個別の案件でありますから、コメントすることについては控えたいと思います。
(NHK)
となりますと、全国的な議論が必要だという考えにはお変わりありませんでしょうか。そのあたりいかがでしょうか。
(知事)
今申し上げたとおりであります。これは北海道だけの問題ではございません。また北海道がその役割を果たしてきたことについても、しっかり皆さんには理解をしていただきたいというふうに思います。
(日本経済新聞)
明日、「Team Sapporo-Hokkaido」の設立の記者会見とシンポジウムを予定されておりますけれども、北海道、札幌市に環境金融を誘致していく、そういう国際金融都市を目指していくというプロジェクトというふうに現段階で発表されておりますけれども、今回、北海道も参画されているということで、道として、このプロジェクトにどういうふうに関わっていくのか。また、北海道として、国内外から環境金融の資金を誘致していくに当たっての具体的な取り組み等をですね、現段階で知事がお考えになっていることを伺えればと思うのですけれども、いかがでしょうか。
(知事)
明日、その設立ということで、皆さまにお話しさせていただくこととなります。その点、ご理解いただければと思います。札幌市の秋元市長が、19日に市議会において、札幌市が環境金融の先進地となり得るよう、産学官金連携のコンソーシアムを立ち上げる旨の答弁をしたことについて承知しているところであります。道といたしましても、北海道全体でGX(グリーン・トランスフォーメーション)投資の機運を高めていくべきであると、本コンソーシアム、「Team Sapporo-Hokkaido」に共同代表として参画をしてまいる考えであります。「ゼロカーボン北海道」やわが国のカーボンニュートラルを達成するためには、産学官金が協力し、国内外からの環境投資を呼び込みながら、北海道が有する国内随一の再エネのポテンシャルを最大限活用することが重要であると考えております。このため、「Team Sapporo-Hokkaido」と一丸となって取り組みを進めていきたいと考えています。取り組みの具体的なお話につきましては、明日、発表させていただきたいと思います。
(HBC)
二点ほど質問させていただきます。まず、一点目なのですが、先ほど札幌高裁で、いわゆる道警のヤジ排除訴訟の控訴審判決が出ました。判決が、男性の原告の一審判決を取り消すというものと、女性の原告の一審判決を維持し、控訴棄却するという分かれた判決だったと思うのですけれども、まずこの控訴審判決の受け止めをお伺いできますでしょうか。
(知事)
本日、判決が出されたということで、今、メモをいただきました。今ご質問にあったようなことであるということであります。その点について承知しているところでありますが、その詳細につきましては、今、この時点で把握していないところでございます。
本件については、警察官の職務執行を管理し、第一審から一貫して訴訟を行っております道警察が、このたびの判決を踏まえた対応についても検討すべきものであると考えています。
(HBC)
今もありましたけれども、道警察が検討するべきことということで、今後の道としての方針というのは、道警察のほうでいったん考えるということなのか、知事として、その決定のプロセスにどの程度関わっていかれるものなのか、教えていただけますか。
(知事)
まず、まだ詳細について把握しておりません。この詳細の把握は、しっかりしていきたいというふうに思います。しかしながら、本件につきましては、警察官の職務執行を管理し、第一審から一貫して訴訟を行っております道警察が、このたびの判決を踏まえた対応については検討すべきものであると考えています。
(HBC)
もう一点がクマの関係でございました。近日中も札幌市南区真駒内のほうでクマの出没が相次いでいまして、道のほうでも真駒内公園と、隣接する藻南公園が閉鎖という形になっておりますが、市街地のクマの出没が相次いでいますが、これに対して何か知事のほうで緊急で対策を考えるということですとか、考えがございましたら教えてください。
(知事)
まず、今ご質問にもございましたけれども、各地の人里やその周辺でヒグマが目撃されております。こうした情報は道警察や市町村とも出没情報を共有して、目撃情報のあった地域の皆さまへ、ツイッターやヤフー防災などで随時発信をするなどして注意喚起を行うとともに、関係者へ情報提供を行って、通学児童の安全確保などに努めているところでございます。
札幌市西区や小樽市東部地域では、(ヒグマが)住宅地周辺で頻繁に出没しているため、警戒心が薄い個体である可能性があります。特に注意が必要と考え、両市と協議の上で、6月15日にヒグマ注意報を発出したところであります。さらに昨日、(札幌市)南区の真駒内公園周辺などで相次いで目撃されました。注意報の対象地域を、南区や中央区にも拡大し、幅広く注意を呼び掛けているところでございます。これらの地域では、市街地の中という難しさがあるわけでありますが、現在、専門家の意見もお聞きしながら、関係機関で協議の上、問題のある個体については、有害捕獲を含めた対策を検討しているところであります。周辺地域の皆さまには、クマを誘引する生ゴミなどを屋外に置かない、薄暗いときはなるべく出歩かないことなどのご注意を、引き続きお願い申し上げます。
(HBC)
関連してなのですけれども、人里のクマ抑制ということで、今期から春期の管理捕獲が行われたと思うのですけれども、この5月まで行った結果とですね、これがどの程度効果のあったものなのかというのをお聞かせ願えますでしょうか。
(知事)
これは、5月20日に捕獲期間が終了いたしまして、捕獲申請数は27件であります。捕獲数は20頭となったところであります。今後、課題などについて精査いたしまして、より良い制度の構築を検討することとしています。この春期管理捕獲の期間は終了したわけでありますが、今後も引き続き、先ほど申し上げたように、問題のある個体については有害捕獲を行っていくなど、地域の関係者と連携して、ヒグマの出没対策にしっかりと取り組んでいきます。
(日本農業新聞)
今週、農業団体のJA北海道中央会、JAグループ北海道の役員が大幅に交代しました。道とか政府とかの間で、調整が今後いろいろ求められていくと思うのですけれども、新体制を契機に、JAグループとの連携などについて、知事の所感を教えていただきたいです。
(知事)
今ご質問にありましたとおり、6月20日、21日に開催された各連合会の総会において、JAグループ北海道の会長、副会長などが決定されたと承知しております。JAグループ北海道は、農畜産物の販売、金融、共済、生活物資、医療の提供、さまざまな事業を通じて、農業者だけではなく、地域の皆さまの生活基盤を支えていただいております。本道農業・農村を取り巻く環境が大きく変化する中で、今回選ばれました役員の方々がリーダーシップを発揮され、JAグループ北海道のかじ取りを担われていくことに、大いに期待しているところでございます。
(樽井)新会長は、「生産資材が高騰し、生産者が不安を抱える中、難局を乗り越え、次代の担い手の皆さんが自信と誇りを持って営農を続けてもらえるよう力を尽くしたい。」と述べられております。道といたしましても、JAグループ北海道との緊密な連携、そして本道農業・農村が抱えるさまざまな課題に対応しながら、国内最大の食料供給地域としての役割をしっかりと果たしていきたいと考えています。
(共同通信)
昨日公表された、あすなろ福祉会に対する監査結果についてお伺いしたいのですけれども、まず文書指導とのことですが、知事ご自身の受け止めをお願いします。
(知事)
まずは、この監査結果でございますけれども、昨年12月より監査を実施してまいりましたが、グループホーム入居条件として避妊処置を求めた事実や、避妊処置を強制するなど、入居者の意思および人格の尊重に反する事実は確認されなかったものの、入居者の意思決定支援への配慮が十分ではない例や、保存期間内の資料において、入居者の相談や対応の記録がないものがありました。これらの改善が必要なため、昨日21日になりますが、文書で指導を行ったところでございます。今回の監査によりまして、障がいのある方が、自ら意思決定をするための支援の重要性が、あらためて明らかになりましたことから、道としては、この事業者に対する改善状況を今後の実地指導で確認していくことはもとより、全道の障がい福祉サービス事業所に意思決定支援の徹底を図るなどして、利用者本位のサービスが確実に提供され、障がいのある方の権利が最大限に尊重されるように取り組んでいきます。
(共同通信)
もう一点お伺いしたいのですけれども、同種事案防止のために、道として今後、何か考えている対策等というのは、今説明があったようなことになってくるのですか。
(知事)
そうですね。今後の取り組みについては、実地なども踏まえてですね、(この事業者の改善状況を)確認するということ、そして、全道の障がい福祉サービス事業所に意思決定支援の徹底を図るなどして、障がいのある方の権利が最大限尊重されるように取り組んでまいります。
(毎日新聞)
あすなろ福祉会の関係で伺いたいのですけれども、この事案が発覚した後、知事が昨年12月にですね、同様の事案がないかということを全道の施設を対象に調査されるということを表明されたと思うのですけれども、今回、グループホームの結婚等の調査では、避妊処置を実施しているかどうかというのを直接聞いていなくてですね、結果的にあすなろ福祉会というのが特異な事例だったのか、それとも全道的にも同様なことが行われているのかどうかというのは、結局わからないままなのですけれども、この点について、知事は調査が十分だと思っていらっしゃるのかというのを聞かせてください。
(知事)
この調査の実施に当たりましては、幅広く、交際や結婚、出産や子育てに対する入居者の思い、そして考えについて、実態をしっかり把握することが大切であるという考えの下で、今後の対応の検討などにも生かしていけるように調査項目を決定いたしました。ご質問のありました避妊処置についての直接的な問いではありませんが、施設側に対しては、「条件付きで同一の住居に住むことを認めていますか」の項目におきまして、避妊を条件としている回答はあったわけでありますが、避妊処置を条件としている回答がなかったことから、虐待がなかったものと認められましたが、各施設の調査結果を今後フィードバックしていきますので、フィードバックする際には、避妊処置の有無をあらためてお伺いするなどの検討をしていく必要があるのではないかというふうに思っています。また、入居者の方に対して、避妊処置の強制など虐待と感じるようなことがあった場合、相談できる窓口をあらためて周知していくことも取り組んでいきたいと思います。
(毎日新聞)
その虐待という部分についてちょっと伺いたいのですけれども、今回、同意があったということで、虐待に当たらないというふうな判断になったと思うのですけれども、そもそも知的障がいを持った方に、施設側が避妊処置を提案すること自体が人権侵害に当たるのではないかという指摘もありまして、これに対して道の方は、避妊と合わせてですね、避妊処置を提示するということ自体は問題ないという見解を示されているのですけれども、知事も同様の考えをお持ちなのでしょうか。
(知事)
これはいろいろなご意見もあるかもしれませんけれども、やはり交際ですとか結婚、出産、子育ても含めまして、どのような生活を送られるのかということについて、本人の希望を叶える、これが大事だと思うのですね。ご本人の希望を叶えるためにさまざまな選択肢を、ご希望を叶えるためにお示しする、相談を受けてですね。こういったことは私は重要ではないかというふうに思っています。その一つの提案としては、あり得るのかなというふうには考えます。
(毎日新聞)
実際問題、一般の方がですね、子どもを持たないというふうに選択したときに、避妊処置というものを誰かに提案されるということは、あまりないと思うのですけれども、今回、知的障がいの方が一緒に住みたいということになったときに、やはり避妊処置ということを提案されてしまうという、そういう社会というのが知事としてどう思われている。そういう社会もありというふうに見ていらっしゃるのですか。
(知事)
とにかく大事なのは、ご本人の希望を叶える上で、しっかり相談に乗ることだと思います。今回の調査の中でも、一部記録が残っていない状況もあったのですけれども、配慮が必要であったというふうに見られるような例もありましたので、そこはしっかり、やはり再発防止、これを図っていかなければならないと思いますし、今回、本道においてこういった課題がさまざま議論されましたけれども、これは北海道だけの問題ではないというふうに思いますので、この点については、国も含めてさまざまな問題提起、こういうものをしていくことも大切だというふうに思います。
(読売新聞)
ドローンの利活用についてご質問させていただきます。航空法の改正で、住宅地の上でも目視外でドローンが飛ばせるようになりまして、物流とか観光とか防災とかで、利活用が広まっているところだと思うのですが、道も冬季の使用ガイドラインの策定とか、道有の施設の廃校とか、使えるところをフィールドとしてホームページで公開とかはしていると思うのですが、今回の政策予算でもドローンの利活用というのは予算に含まれていまして、知事は、結構広い北海道で、ドローンの利活用のポテンシャルというのをどう考えているのかというのと、どういう課題を解決していかなければいけないのかという、この二点を教えてください。
(知事)
ドローンの活用については、北海道は広大で人口密度が低いという状況もありますので、ドローンの活用にあっては、やはり全国の中でも適地であると考えています。地域の活性化や産業の生産性の向上など、ドローンを課題の解決に生かしていけるように取り組んでいるところであります。今ご質問にもございましたけれども、昨年度につきましては、ワンストップ窓口を設置し、ドローンフォーラムといった啓発のイベントを開催いたしました。そのほか、寒さに弱いとされますドローンを、厳寒期に飛行させる実証を行いまして、安全に飛行するためのガイドラインを取りまとめたところです。
今年度につきましては、農業や建設業に比べますとドローンの利活用が進んでいない、物流や防災、そして観光といった分野での新たな活用策について検証する考えです。例えばですけれども、北海道の豊かな自然やアクティビティを体験していただく際に、これまでにはない、臨場感ある形で映像を残すといったドローンの新たな可能性についても、検討していきたいと考えています。道としては、こうしたドローンの実証を積み重ねていくこととともに、成果や活用事例を発信していくことによって、道内各地のさまざまな分野での利活用の拡大を進めていきたいと考えています。
(北海道新聞)
毎日新聞さんからも質問がありました、あすなろ福祉会を巡る全道への実態調査について伺います。一般的に考えると、このあすなろ福祉会の問題の発生した核心としてはですね、障がい者への避妊処置の実態がどうだったかを調べる実態調査だと思っていたのですけれども、調査としてこの項目がなかったというのは、不十分だったとは思われないのかということと、再調査をするお考えというのはないのか教えてください。
(知事)
先ほどもお話ししたことと重なってくるので恐縮なのですが、調査の実施に当たりましては、幅広く、交際や結婚、出産、子育てに対する入居者の思いや考えについて、実態をしっかり把握することが大切だという考えの下で、今後の対応の検討などにも生かしていけるように調査項目を決定させていただきました。避妊処置についての直接的な問いはないのですけれども、先ほどと繰り返しで申し訳ないのですが、施設側に対しては、「条件付きで同一の住居に住むことを認めていますか」の項目があるのですけれども、この項目において、避妊を条件としている回答はあったわけでありますが、避妊処置を条件としている回答がなかったところであります。虐待がなかったものと認められたわけでありますが、各施設のこの調査結果を今後フィードバックしていきますので、その際に、避妊処置の有無をあらためてお伺いするなどのことを検討していきたいというふうに考えています。また、入居者の方に対しましては、避妊処置の強制など虐待と感じることがあった場合、相談できる窓口について、あらためて周知していく、このことでしっかり対応していければと思います。
(北海道新聞)
質問に答えていただきたいのですけれども、まず調査は十分だったのかということと、再調査をするお考えがないのかという質問だったので、これについて答えてください。
(知事)
まずですね、調査については先ほど申し上げたような考え方の下、調査をさせていただき、一定の回答を得たと思っています。調査を実行したとして、どれぐらいの方がご回答いただけるのかということは、結果がまとまらないとわかりませんけれども、6割を超える回答がございましたので、一定の回答がいただけたのではないかというふうに思っています。しかしながら、ご質問もいただきましたけれども、今後、その調査結果をフィードバックしていきますので、その際に、避妊処置の有無をあらためて伺うなどについては、今後検討していくということを申し上げたところであります。
(北海道新聞)
全道の施設への調査というのは考えてはいない、再調査の考えはないということを、まず前提として確認させていただきたいのですけれど。
(知事)
そうですね。調査という形では考えていません。
(北海道新聞)
わかりました。重ねてすみません、知事は昨年12月にですね、この調査の表明をした時点の議事録を拝見したのですけれども、あすなろ福祉会の事案を契機として、各施設の状況や課題を把握する全道での調査を実施するとおっしゃっているのですけれども、今の知事の説明ですと、今後の対応に生かしていく調査項目を決定したとの話になって、12月の時点で述べていらっしゃるのは、つまり状況や課題を把握する調査なので、普通に考えると一番、課題や状況を把握するのに調べるべきことというのは、避妊処置がどうだったのかというふうに思うのですけれども、何か12月の時点の話と、途中で目的が変わっているように感じるのですけれども、これについて教えてください。
(知事)
いろいろな受け止めがあると思うのですけれども、その趣旨は変わっておりません。先ほど申し上げたような考え方の下、調査を行いまして、この項目が直接的には入っていないのですが、施設側に対しては、虐待が認められるかどうかにおいて、必要となる(条件があるか)、住居に住むことを認めているかの項目の中でですね、お伺いしています。回答について、入居者の方すべてにですね、避妊処置をしたのかどうかということを直接お一人お一人にお伺いすることもですね、それはあり得るのかもしれませんけれども、皆さんさまざま、そこに回答することに対する思いもあるということは、一定の配慮をするべきであろうというふうには思います。
(北海道新聞)
関連ですみません。昨年12月に知事が表明を、全道への実態調査をされると表明した時点では、避妊処置の有無をですね、調べるお考えがあって表明したのか、それとも、今おっしゃっているようなことを既に念頭に置いて、このとき表明していたのかの確認だけさせてください。
(知事)
当初、問題が発生したときにですね、私も、施設とその利用者の方すべてに聞いていくということもあり得るのではないかというふうに思いましたけれども、やはり何人の方が、そういった処置をご希望されたり、受けるかどうかというのは、さまざまな思いがある話だと思います。施設においてですね、そういった取り扱いがどうなっているのかということを確認する必要性、これがやはりあるのではないかというふうに思っています。それは虐待にもつながる状況もございますので、そこは把握する必要性があると思います。また、こういった避妊処置のみならず、交際や結婚や出産、子育てに対するお話をですね、お聞きすることもやはり大切なことだと思います。皆さんにできるだけ回答していただくことも考えなければいけません。100%回答いただいているわけではありませんので、各団体などにもお伺いしながらですね、より多くの方にご回答いただけるように調整しながら、取り組みを進めていくことが大切なのかなというふうに思います。
(北海道新聞)
別のテーマで申し訳ないのですけれども、知事が2期目の当選後初の定例道議会が開会したということでですね、議会について伺います。道議会と道が事前に質疑の文言を細かくすり合わせる、いわゆる答弁調整についてなのですけれども、知事は19年の知事選で、自身の夕張市長時代と比較して、道議会の答弁調整に違和感があるとの認識を示して、当選後、議会活性化を理由に見直しを表明、道議会側との簡便な答弁要旨のやりとりにとどめるということを再確認されています。その後、今年1月、この場の記者会見で、私たちの取材では答弁調整が続いているとの証言が複数あると指摘させていただいたところ、知事は、細かく調整している部局があるなら適切なやり方にすると、あらためて徹底を表明されました。現在はこの見直しというのは遵守されているという認識でいらっしゃいますでしょうか。
(知事)
この場で、確か北海道新聞さんのご質問に答える形で、今お話ししたようなやりとりをした記憶があります。その上で、令和元年6月に、議会においても各派と、答弁準備に関する考え方については議会としても対応を決定していますので、そこをしっかり理事者側も遵守していきましょうということで、各部局にお願いしているということです。
(北海道新聞)
そうしたら現在、見直し事項というのは確認されていて、当然これからの、今日開会した道議会でも、その見直し事項を遵守されていくお考えということですか。
(知事)
それは議会側もそうだと思いますし、われわれ理事者側も考え方が何か変わったということではありませんので、そのように対応していくことになるということです。
(北海道新聞)
ただ少なくとも取材しているとですね、今年1月に知事が見直しを表明されて以降も、どうもかなり細かな答弁調整が続いているというのが、職員側からも道議側からも、伺うのですけれども、知事が指示をこういうふうにされても、表明されても、どうも実態がそうなっていないというのは、見直しへの本気度の問題なのか、それとも知事がそういうふうに号令をかけても、職員さんのほうが、そのとおりにしてくれないということなのでしょうか。
(知事)
私はそのような報告は受けていないので、もし差し支えなければ、後で教えていただければと思いますけれども。
(北海道新聞)
細かなすり合わせをしていないということであれば、やはりちょっとお願いなのですけれども、知事が見直しの実績としてですね、簡潔な答弁要旨というものを公開していただけると、非常に私たちは納得がいくのですけれど。公開していただけないでしょうか。
(知事)
それはどういうことですか。
(北海道新聞)
どのようなやりとりをされているのかというのは、答弁が終わった後でもいいのですけれど、つまり文書みたいなものになっていない、しないということを確認されているわけですから、文書ではないのですよということを言っていただければ、見直しがされたのだなというふうに、非常にわかるのですけれど、どうも担当の方に聞くと、手控えメモなので情報公開請求をしても見られないと言うのですけれども。
(知事)
個別の質問に対するものを、毎回ご提供することは当然できないのですけれども、こういったイメージですよということについてはお渡しできるのではないかなと思います。(質疑は)400問ぐらいありますから、それを当然やりとりするということは想定していないのですが、こういった箇条書きでですね、大まかな趣旨が書いてあるのですよね。ですので、こういうイメージですよというのは、お渡しできるのではないですかね。
(広報広聴課 鞠子課長)
そうですね、ちょっと検討いたします。(担当の回答は)情報公開のルールに則ってお答えしていると思います。
(知事)
具体的なものをお見せするわけにはいかないのですけれど、こういうイメージとか、そういうものは、見せられるかもしれないですね。
(北海道新聞)
ただイメージ通りやられているかどうかが、それだと検証ができないということなのかと思うのですけれど、それはどうなのでしょうか。
(知事)
検証ができない。
(北海道新聞)
私たちが。
(知事)
そうなのですか。それはちょっと取材の話なので、ちょっと私はわかりませんけれど。
(北海道新聞)
ラピダスの進出に関してお伺いしたいと思います。今月18日ですね、ラピダスの工場建設予定地を視察された西村経産大臣に、知事と千歳市長が連名で、ラピダスのインフラ支援の要請をしてですね、西村大臣からも前向きに検討するというような表明がありました。これに対し、受け止めをお伺いできないでしょうか。
(知事)
今回は、西村大臣に、建設予定地を目の前に、工場の模型ですとかパネルもご覧いただきながら、プロジェクトの概要について、ラピダス社の小池社長からご説明いただきました。緑あふれる工場をイメージして、そのスケールの大きさについても実感いただけたのではないかなと思います。次世代半導体の量産化に向けて、必要不可欠な用排水施設等のインフラ整備について、巨額な費用負担が見込まれ、自治体のみでの対応は困難でありますので、私と横田千歳市長のほうから、国からの支援について要望させていただきました。ご質問にもありましたけれども、西村大臣からは、経済産業省として、しっかりと支援について検討するとのご発言があったところであります。
このプロジェクトに関しましては、既に3300億円を支援上限といたします事業の計画が承認され、支援が決まっているところです。また、昨日の総理会見におきまして、これは北海道新聞さんのご質問に総理が答えるという中で、岸田総理が、「北海道は自然が豊かで広大な土地を有しており、シリコンバレーのような世界最先端の研究者を呼び込める大きな可能性を持っており、経済安全保障やレジリエンス(強靱化)の観点からも地理的優位性は高い」ということで、総理から認識が示されました。また、「ラピダスプロジェクトを起点に、国内外から北海道へ世界最先端の半導体関連企業やデジタル産業が集積することを期待し、政府として必要な支援を講じる」と述べられたとお聞きしております。
こうした西村大臣、そして総理の発言は、このプロジェクトの成功はもとより、本道へのデジタル産業の集積に向けて、大きな後押しになるものであると考えて、大変心強いものです。道としても、国、千歳市など関係機関と連携を一層強化して、北海道一丸となって取り組んでいきたいと考えています。
(北海道新聞)
ラピダス関連でもう一点ですね、現在、ラピダスの2027年の本格稼働時の水の確保というのが課題に上がっています。現時点で、苫小牧第2工業用水道の活用だとか、千歳川から取水するなど複数の案が出ていると思いますが、知事としてですね、取水方法というのをいつまでに絞り込むべきだというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。日程感をちょっとお示しいただければと思います。
(知事)
まずは2025年のパイロットライン、その先の2027年の量産化に向けた、今お話のあった用排水施設などのお話であります。非常にスピード感が求められるプロジェクトでありますけれども、一方で、水源や取水方法、事業形態などについては、このスケジュールの達成は当然、最優先にしなければならないのですが、千歳市も含む関係機関と協議、調整をしっかりしていかなければならないという点もあります。まさに検討を今、進めているところであります。一方で、この用水の確保に向けましては、必要なインフラ整備の準備はもとより、水利権の調整など多くの関係者の理解が必要となるところもございます。いずれにしても、スピード感を意識しつつ、慎重に進めているところであります。
国、立地自治体であります千歳市、そして広域自治体である道が、共有するスケジュールの中で、それぞれの役割をしっかり果たしながら取り組んでいくことが大事であると考えております。マスコミの皆さまにも、そういった内容をお話しできる段階で、お示しできればと思っています。
(北海道新聞)
また話題を変えてですね、先日、大手総合商社の双日が小樽市と余市町で計画していた風力発電事業を中止すると表明しました。これに小樽市が反対してですね、知事もご意見を求められていましたけれども、今回のその双日側の対応の受け止めをお伺いできればと思います。
(知事)
小樽市からは、再エネを推進する立場ではあるものの、本事業については是認できないという意見書が提出された中で、前回の会見におきましても、そういった状況を踏まえて、地域の皆さまの理解が進んでいないため、事業者のほうには、より一層、地元の理解に努めていただく必要があるのではないかということで、私から申し上げたところであります。
そういった状況の中で、6月21日に事業者であります双日株式会社のほうから、昨今の資材価格の高騰を含め、さまざまな観点によって、事業計画の再検証を行った結果として、同社の投資基準に合致しないことから、事業計画を中止する判断に至ったということで報告を受けました。
いずれにいたしましても、わが国の2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、本道の、国内随一の再エネポテンシャルを活かしていく、このことが重要だということは変わらないものであります。しかしながら、この風力発電の導入に当たりましては、地域の理解の下で、環境に十分配慮しながら、事業を進めること、このことが重要だと考えています。
(北海道新聞)
もう一点、ちょっと話題を変えてですね、道南の七飯町の水力発電所の設備故障で、周辺の田んぼなどにですね、かんがい用水の供給が停止している件でお伺いしたいと思います。道としてはですね、水田などにどの程度の範囲でどんな影響が出ているのか、現状で把握していることを教えていただければと思います。
(知事)
これは今月17日に、北海道電力株式会社七飯発電所内のかんがい用水を供給する導水管の破損によりまして、漏水が発生し、取水を停止したというところであります。渡島平野土地改良区の中の水田約2000ヘクタールが通水できない状況に至っております。北電では復旧の見通しが立たないため、施設を所有する函館開発建設部は、地域内の河川から取水を検討しています。現在、渡島農業改良普及センターを中心に、速やかに圃場の見回りを行っています。農業者の皆さまに対しては、現在たまっている水を流さないといった営農指導も行っているところであります。
また本日、北電に対しまして、副知事から、地域の農家のためにも最大限の努力をしていただくように申し入れを行い、誠心誠意対応する旨の回答を得たところであります。そして道では、明日になりますが、関係機関、団体との緊急対策会議を開催いたします。北電からこれまでの経緯と今後の対策についての説明をしていただきたいと考えております。早期の農業用水の確保に向けまして、関係機関と密に連携を図りながら、随時、水田の状況を確認し、適時適切な農業技術指導を行っていく考えです。
(北海道新聞)
もしわかれば教えていただきたかったのですけれども、2000ヘクタールの中に農家は何戸ぐらいあるのか、もし把握しているのであれば教えていただけますか。
(知事)
それは今、手元にございませんので、後ほど、情報を把握していた場合はご提供いたします。
(NHK)
再三で申し訳ないのですけれども、あすなろ福祉会の全道調査の関係で二点だけご質問させていただきたいのですけれども、昨日、担当部署からの記者レクもありまして、そこでも少しやりとりが紛糾してしまったのですけれども、施設側へのアンケート項目に、不妊処置があったのかどうかというストレートな質問が、施設側にも入居者側にもどちらにもなかったということなのですけれども、それを他社さんが質問したときに、ストレートな質問をしても、正直に答えてもらえるかどうかわからないみたいな答えがありまして、それで言うと、今、知事もお答えいただきましたけれども、結婚だとか同居する場合、条件付きでというところの自由記述を設けていて、そこに不妊処置を条件としているという記述はなかったので、そういった実態はなかったと判断するのは、その理論から言っても少し弱いのではないかなと感じるのですけれども、知事としては、まさにその項目で不妊処置という提案を条件としていた記述がなかったということで、(他の施設で不妊処置は)なかったと判断されたということでよろしいでしょうか。
(知事)
いわゆる虐待がなかったとういうことは認められたと考えておりますけれども、処置の有無については、今後フィードバックしていきますので、その際にあらためて伺うことを検討するよう、私のほうから指示しました。
(NHK)
二点目で、まさにそのフィードバックについては、施設側なのか当事者側なのか、誰を対象に、どのような方法で、どういう規模で行うお考えでしょうか。
(知事)
今、検討を指示したところでありますので、今後どのような形で進めていくべきなのかについては、決まりましたらまたお知らせさせていただきます。
(毎日新聞)
ちょっと同じような質問で、あすなろ福祉会のところでもうちょっと確認させてもらいたいのですけれども、あすなろ福祉会の場合においてはですね、虐待はなかったと、強制もなかったということで、ただ不妊処置は行われていたということなのですけれども、こういう事例が道(所管)の他の施設で行われていた場合に、これは知事としては問題ないというふうに思っていらっしゃるのかという確認をさせていただきたいのですけれども。
(知事)
問題はあるのではないでしょうか。というのは、説明が不十分であったりだとか、今回の監査結果を受けた中で改善を求めていますので、本当に同一の内容があれば、それは同様の内容を改善いただくべく、求めることになると思います。
(毎日新聞)
ちょっと質問が悪かったのですけれども、その細かい文書の不備ですとか、あと説明の不備という問題とは別にですね、今回の問題というのは、旧優生保護法みたいなものを皆さんが連想されて、障がい者という弱い立場の方に対してですね、そういう不妊処置というのを提案されて、本当に合意してやっているのかちょっと疑問を持たれている方が、やはり多いのではないかなというふうに思っていまして、こういうあすなろ福祉会と同様の事案というのは、その細かい不備の話ではなくて、ほかの道内、全国もそうかもしれないですけれど、ほかの障がい者施設で、要は知的障がい者の方が一緒に住みたいとなったときに、不妊処置の提案をされて、ほかの施設でも似たようなことがいっぱい行われていると、ただそれは強制ではないとか、虐待ではないというふうになった場合にしても、これが本当に問題がないというふうに知事は思っていらっしゃるのか。それとも、人権の観点からして、やはり知的障がい者の方にそういったことを提案するですとか、福祉施設内で当たり前のように行われているということが、本当に問題ないと思っていらっしゃるのか、そこを本当にちょっと、1回確認させもらいたいのですけれど。
(知事)
そこは、本人の希望を叶えるという視点に立った上でですね、施設側がさまざまご相談に乗りながら対応することについては、やはりこれは全て否定されるべきことではないというふうに思います。そこはしっかり説明を十分に果たしながら、当事者であるご本人がですね、その希望する形で、これは避妊処置だけの話ではないですけれども、結婚ですとか出産ですとか、子育ても含めてですね、そういった希望を叶えるという視点での施設側の配慮が、今後も求められるというふうに思います。
この避妊処置に関する全般的な話でいうと、先ほども近いようなご質問がありましたけれども、これは北海道だけの問題なのかという課題もありますので、そこはやはり国全体として、その課題提起を道としてもしながらですね、とにかく障がいの有無などに関わらずですね、皆さんがやはり、自身で希望する生活を営むことができるように、どうすれば多くの支援者と協力しながらできるのだろうということは、絶えず考え続けなければいけない課題だというふうに思います。
(毎日新聞)
あと一点、ちょっとその関連でですね、本人の希望という部分なのですけれども、こういう言い方がいいかどうかわからないですけれども、知的障がいを持っていらっしゃる方の、どこまでそこを理解しているのかというところが、ちょっと疑問を持たれる方もいらっしゃるのではないかなと。
(知事)
いろいろな思いの方がいらっしゃると思います。この件については、もし、この後質問があれば、前回、記者の皆さんにご説明をした中で、引き続き疑問があるということのようですので、(担当課から)また必要な説明を行っていただければというふうに思います。私に聞くべきことについては、引き続き聞いていただければと思います。
(毎日新聞)
知事の考えで、知的障がい者の方のその合意というか判断能力において、どれだけ不妊処置という行為というものが、人によって違うと思うのですけれど。
(知事)
そうですね、状態によって違いますし、生活されている中でケアに当たられている、利用者と普段向き合っている方々がですね、個々の障がいの度合いや生活の状態も含めた中で、適切にそこは考えるべきことであろうというふうに思います。それとともにですね、今、記者の方からいろいろなご質問もありましたけれども、今後もご本人の希望する生活のあり方について支える、みんなで努力していかなければならないということが、ここでゴールということはないと思いますから、そこはしっかり、ご本人の希望を実現するためにはどうすればいいのかと、こういうことはしっかり考え続けなければいけないと思います。
施設の皆さまもですね、さまざまな状態に配慮しながらサポートをしているということも、ご理解いただく必要があるのではないかというふうに思います。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)