知事定例記者会見
- 日時/令和5年9月12日(火)15:07~15:57
- 場所/記者会見室
- 記者数/17名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 「第42回全国豊かな海づくり大会北海道大会」について
- 秋の全国交通安全運動について
- 令和5年第3回北海道議会定例会の開会に当たって
記者からの質問
- 道南いさりび鉄道について
- LGBTQの理解促進について(1)
- 高レベル放射性廃棄物について(1)
- 元道職員の同性パートナー扶養手当等不認定訴訟について(1)
- ふるさと納税について
- 元道職員の同性パートナー扶養手当等不認定訴訟について(2)
- 高レベル放射性廃棄物について(2)
- LGBTQの理解促進について(2)
- 次世代半導体について(1)
- 知事公館・近代美術館エリアの活用について
- 「北海道ゼロチャレ!家計簿」について
- 次世代半導体について(2)
- 道政運営について
知事からの話題
「第42回全国豊かな海づくり大会北海道大会」について
私から三点お話しさせていただきます。
いよいよ今週末16日から17日の2日間、「第42回全国豊かな海づくり大会北海道大会」が開催されます。両日は釧路市、厚岸町で関連行事を、17日日曜日は厚岸漁港において、天皇皇后両陛下の御臨席の下、式典行事、海上歓迎、放流行事を開催いたします。大会には、全国各地から多くの招待者が参加されますが、道産水産物をはじめとした世界に誇る「北海道ブランド」の魅力を満喫できる多彩な催しとすべく、開催地である厚岸町をはじめ、関係機関のご支援、ご協力もいただきながら、おもてなしの心を持って皆さまを歓迎いたします。関連行事は釧路、厚岸両会場とも、一般の方も参加することができます。各会場では、さかなクンのトークイベントや、子どもたちが学べる企画展示のほか、道産ホタテガイなどの物販を行い、「食べて応援!北海道」のロゴの掲示など、道産水産物の消費拡大をPRする予定であります。皆さまに足を運んでいただければと思います。
全国から多くの報道機関の皆さまにも取材をいただける見込みでありますが、報道機関の皆さまには、本道の豊かな海の魅力を全国に発信いただくように、ご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
秋の全国交通安全運動について
二点目でございます。
今月21日木曜日から30日土曜日までの10日間、秋の全国交通安全運動を実施いたします。初日の21日には、道庁赤レンガ庁舎前庭で決起大会を実施いたします。これを皮切りに、道内各地で広報啓発活動を実施いたします。
今年は、若年運転者による交通死亡事故が多発しているという傾向にあります。その要因といたしましては、レジャーや旅行目的で移動中の速度の出し過ぎや、前方不注意などによるものが多いということであります。旅行などで長距離を運転する場合は、制限速度を遵守し、こまめな休憩をとるなど、留意いただくようお願いいたします。
加えて、これからの時期は日没が早まり、子どもや高齢者などの歩行者が被害者となる交通事故の発生が懸念されますことから、子どもと高齢者をはじめとする歩行者の安全確保などを運動の重点として取り組むこととしています。道民の皆さまには、横断歩道や交差点などの安全確認の徹底、歩いて外出される際は、反射材のご活用を心がけていただくようお願いいたします。
マスコミの皆さまにも、交通安全の呼び掛けにつきまして、積極的な報道などのご協力をお願いいたします。
令和5年第3回北海道議会定例会の開会に当たって
三点目、最後です。
今日から令和5年第3回(北海道議会)定例会が開会いたしました。このたびの議会では、価格高騰等経済対策関連や、中国における日本産水産物の全面輸入停止措置への緊急的な対応、本年発生した大雨災害などの復旧に要する経費など、総額約397億円の補正予算案と4件の条例案を提案いたしました。19日火曜日から代表質問が始まりますが、こうした予算案をはじめ、道政上の重要課題に関し、議員の皆さんと真摯に議論を積み重ねてまいります。
以上です。
記者からの質問
(日本経済新聞)
昨日公表されました道南いさりび鉄道の経営計画に対する検証結果について、関連してお伺いしたいと思います。昨日公表された検証結果では、道と沿線の市町が協議会を開いてですね、今後の経営の方向性について、2023年度中、令和5年度中を目途に、令和8年度以降の経営の方向性について判断するというふうに明記されておりました。道南いさりび鉄道は検証の結果のところでも、収益の改善がなかなか見込みにくい路線である一方で、貨物鉄道など公益性のところも十分に考慮するというような趣旨の部分も明記されておりましたが、今後の道南いさりび鉄道の経営のあり方について、存廃も含めてですね、現時点での道の考えを伺えないでしょうか。
(知事)
今般、道および沿線市町で構成する沿線地域協議会において、会社自らが実施した開業5年間における収支動向などに関する点検評価に基づく検証作業を進めてきたところであります。その結果として、想定を上回り鉄道施設の維持管理費の増加が顕著であることや、新型コロナウイルス感染症の影響による人流の抑制などによって、経営計画と実績に大きな乖離が生じているという考えの下、現経営計画期間中は厳しい経営環境を踏まえた減便、減車などを実施するなど、コスト削減を念頭に置いた効率的な事業運営を図りつつ、令和7年度までの安定的な鉄道運行の維持を最優先といたしまして、鉄道運行に必要不可欠な安全への投資に対する臨時的な支援の検討が必要であるといたしまして、本日、関係する予算を定例会に提案させていただいたところであります。まずは令和7年度までの安定的な鉄道運行の維持を最優先とし、その後の方向性についても、検討していくという考えです。
(日本経済新聞)
今後の方向性の検討というのは、現時点では基本的には路線を維持していく方向で道としては検討していくのか、それとも廃止という選択肢、もしくは例えば、函館-長万部のように貨物専用にするとかですね、そうしたオプションも現状ではあり得る選択肢なのか、その辺はいかがでしょうか。
(知事)
まずは令和7年度までの状況を最優先としながら、令和8年度以降についても、方向性については議論していきたいというふうに考えます。
(日本経済新聞)
現時点では、どれが有力ということは特にないという理解でいいのでしょうか。
(知事)
繰り返しですけれども、令和7年までをまずは最優先としながら、その後については考えていきたいと思います。
(NHK)
二点伺います。まず一点目なのですけれども、昨日の札幌地裁で、元道職員の女性ですかね、同性の扶養認定についての裁判の判決がありまして、そこで原告側の訴えを棄却しました。この件に限らずなのですけれども、国では今年に入ってLGBT法案で、理解促進の法律が成立するなどそういった動きも広がる中で、札幌市でもですね、条例の制定に向けた動きが出てくるなどの状況があります。これについてLGBTの方々に対する理解促進について、道として、現時点でどのように考えていらっしゃるかということをまずお聞かせ願えればと思います。よろしくお願いします。
(知事)
道では、「(北海道)人権施策推進基本方針」を令和3年7月に改定いたしました。新たに性的マイノリティを対象項目に加えて、理解促進などの施策を進めてきたところであります。本年6月に国において、いわゆる「LGBT理解増進法」が成立いたしました。道としては、法で示された地方公共団体の役割なども踏まえながら、引き続き、職場向けの「にじいろガイドブック」の発行や、当事者を講師とした理解促進セミナーの道内各地での開催など、性の多様性に関する知識の着実な普及を進めていくとともに、さまざまな生きづらさを感じておられる当事者の方々のために、多様な相談窓口をお知らせしていくといったことなど、性的マイノリティの方々が暮らしやすい環境づくりに向けて、理解と適切な配慮の輪が広がるように取り組んでまいります。
(NHK)
ちょっと今の質問に関連してなのですけれども、条例の例えば制定についての動きなどについては、今のところ具体的な何かを考えているものはありますでしょうか。
(知事)
国では、「LGBT理解増進法」が成立し、性的マイノリティに関する議論が進められていると認識しています。性的マイノリティの方々の暮らしやすい社会の実現におきましては、今、基礎自治体でパートナーシップ制度などがありますが、国において、やはりしっかり議論を進めていただく必要があるのではないかというふうに考えています。
(NHK)
二点目の質問になりますけれども、今日、いわゆる核のゴミを巡ってですね、長崎県の対馬市議会で、先ほど文献調査を促進するための議会としての請願が10対8で採択されたということになりました。北海道においても、今後、寿都町と神恵内村というものが今ありますけれども、あらためてですね、核のゴミ、いわゆる高レベル放射性廃棄物の処理について、再三知事も多分おっしゃっていらっしゃるかと思いますけれども、選定のあり方についての今のお考えですとか、その辺についてもしお考えありましたら、ちょっとお聞かせ願えればと思います。
(知事)
今、対馬市における請願のご質問がありましたが、他の地域の取り組み内容につきましては、私の立場でコメントすること自体は控えたいというふうに思います。
道においては、現在、幌延町において、全国で唯一、深地層研究を受け入れております。国の原子力行政において具体的な役割を果たしているわけであります。このことをまずは全国の皆さまにあらためて知っていただきたいというふうに思っています。そして、高レベル放射性廃棄物の最終処分の問題については、原発の所在の有無に関わらず、国民的な議論が必要な問題であります。道では、これまで、全国において最終処分事業の理解促進に向けた取り組みを一層加速させるように、国には要望してきたところであります。決してこれは北海道だけの問題ではありません。また、先月、全国知事会の原子力発電対策特別委員会の委員長という立場で、最終処分事業の理解促進を西村経済産業大臣に対して直接求めたところでもあります。引き続き、これらについては、国に働き掛けをしていきたいというふうに思います。
(北海道新聞)
今の他社さんの質問にちょっと関連するのですけれども、同性パートナーの扶養を認めないことを巡る元道職員の訴訟に関連して伺うのですけれども、そもそもこの訴訟の発端はですね、道の条例解釈で、同性パートナーの扶養を認めないということがきっかけで始まっている訴訟なわけですけれども、先ほど知事、答弁にもありましたけれども、LGBTの理解を促すような法案の成立ですとか、さまざま社会情勢が変化している中で、現状、道として、この条例の解釈を変えてですね、今回の訴訟はあれですけれども、今後どういった事例があった場合に扶養として認めるような考え方があるか、また検討する考え方があるかどうか教えてください。
(知事)
職員の扶養手当等についてでありますけれども、これは国における取り扱い、こういったものを踏まえて、道として適切に対処しているところでありますので、今後とも、そのように対処していきたいと考えています。
(北海道新聞)
こうした条例の解釈を巡ってはですね、報道などによれば、東京都ですとか三重県ですとか佐賀県など、全国で11都県でですね、同性パートナーがいる職員にも扶養手当を支給できるというような解釈をしているようなのですけれども、道は、これを特段行っていないようなのですけれども、こういうような自治体がある中で、道がやっていない理由というのはどういうことなのでしょう。
(知事)
今ご指摘のあったようなですね、一部自治体において、そういった支給できるとしているところがあることは承知しております。これは国における取り扱いなども踏まえて適切に対処していくという、道としての考え方であります。
(北海道新聞)
道はですね、昨年3月に作成した性の多様性を認める職場づくりのための啓発集「にじいろガイドブック」にですね、異性間、同性間を問わず、婚姻関係のないパートナーがいる従業員についても、扶養手当などの対象とする企業もあると明記してですね、こうした先進事例として紹介をしているわけですけれども、道内の企業にはこうした扶養の取り組みを促しつつも、道庁自らはこうした職場環境の整備に踏み切らないというのは、ダブルスタンダード、矛盾にも見えるのですけれども、この整合性についていかがでしょうか。
(知事)
これは地方自治体において、国の方針を踏まえた中で、取り扱いについて対応しています。確かに一部地域において、そういった支給できるとしているところについては、その存在を承知しておりますが、多くの地域において(道と)同様の取り扱いで対応している状況にあるというふうに考えています。
(北海道新聞)
そうしたら、どうしてこの「にじいろガイドブック」には、そういうものを先進事例のようにして書いているのでしょうか。これを真似して欲しいということではないという意味なのですかね。
(知事)
私はその詳細、背景などについて、ちょっと今この場で承知していないので、正確な理解を得た上でお話ししたいと思いますが、さまざまな取り組みを民間事業者が行っていただいている、そういう情報を共有する意味から記載しているのではないかというふうに考えています。ちょっと後ほど(担当者に)聞いてみたいと思います。
(北海道新聞)
続けて別の話題なのですけれども、道が道内市町村のふるさと納税返礼品リストを漏洩していた問題について伺います。昨日ですね、追加で発表がありまして、道が振興局を通じて2020年度から23年度までの4年間、毎年およそ100市町村、延べでいうと117市町村にリストを流出させていたことがわかりました。また、このリストを受け取った市町村のうち、延べ18市町村がですね、業者などにリストを渡していたことも明らかになりました。この問題を巡っては、既に複数の道内市町村から情報管理の甘さへの苦言が道に届いているというほか、先日の道議会総合政策委員会でも、自民会派から市町村との信頼関係を損なうと厳しい指摘が出ました。知事のこの問題の受け止めをあらためてお聞かせください。
(知事)
今ご質問にあった声が出ていることを、しっかり受け止めていかなければならないと思っています。まず、道内の市町村がですね、懸命にふるさと納税を活用し、取り組みを進めている中で、道のこの不適切な取り扱いについて、遡って調べましたらですね、令和2年からこういう状況があったとわかりましたので、このことを大変申し訳ないと思っています。
信頼をしっかり回復していく。このことを受けてですね、二度とこのようなことが起きないように、全庁において情報管理、取扱注意文書の適切な処理について、注意喚起を行ったところであります。再びこういったことがないように、しっかり取り組んでいきたいというふうに考えています。
(北海道新聞)
この問題の経緯に関してはですね、4年間にわたって本庁や全道振興局の一定数の道職員が関わっていたにもかかわらず、組織としてこれに疑問に思わずですね、漫然と非開示情報を漏洩し続けていたということになると思いまして、総務省という外部の指摘を受けるまでは、特段の対応をしてこなかったということになります。知事はこの道庁組織のガバナンスが問われるような、かなり根本的、深刻な問題というふうな認識が、この件に関してあるかどうか最後にちょっと教えてください。
(知事)
やはり役所の課題の中に、そういった前例踏襲だとか、そういう弊害などを指摘をされているわけですが、私も直接、担当に詳細にまだ聞き取りが、過去の分も含めてできていないところはあるのですが、そういった前年と同じようなやり方を繰り返していた中で、そういった問題に気づき得なかったところがあったのではないかというふうに思っています。そういった意味では、関係する上司も含めてですね、しっかりと是正が図られないで、複数年にわたってこの状況が繰り返されたことを、しっかり受け止めなければいけないと思いますし、このことは、ほかの仕事においてもですね、当然注意しなければならないことでありますので、全庁でしっかりこの問題を共有した上で、これと違った仕事においても、(同様のことが)起きないようにしっかり取り組んでいかなければと思っています。
(毎日新聞)
先ほどの札幌地裁の給与条例の関係で追加でお尋ねしたいのですけれども、国の取り扱いを踏まえて適切に対処していくということは十分理解したのですけれども、それとは別にですね、一部の自治体では、たまたま好きになる人が同性であるということを理由にですね、結婚ができないというのはちょっと社会的にどうなのかということで、補う形でパートナーシップ制度みたいなものがどんどん進んできていると思うのですけれども、こうした動きに対して、知事自身はどのような政治信条を持っていらっしゃるのかというのを聞かせてください。
(知事)
先ほど申し上げましたけれども、やはりそういった理解を促進していく必要性についてはですね、国の増進法が成立する以前から、広域自治体として、その役割を果たすべく、「人権施策推進基本方針」を改定し、性的マイノリティを対象項目に加えた中で、さまざま施策については進めてきたところであります。今後とも、性的マイノリティの方々をはじめですね、生きづらさを感じておられる当事者の方々のために、暮らしやすい環境づくりに向けて理解と適切な配慮の輪が広がるように、道としては取り組んでいきたいというふうに考えております。
(毎日新聞)
その暮らしやすい環境づくりのためにですね、一部の自治体のトップの政治家の判断ですとか、議会の判断で、制度をつくり変えていっているというのが現状としてあるのですけれども、それを道が現時点で取り組まないというのは、知事としてそれを取り組む必要がないと考えていらっしゃるのか、それとも国との、民法ですとかとの整合性を重視して、国の動きに合わせて取り組んでいくというお考えなのか。
(知事)
扶養手当に関してですね。
(毎日新聞)
扶養手当、はい。
(知事)
やはり扶養手当などに関しては、国における取り扱い、これを踏まえていきたいというふうに思っています。
(毎日新聞)
それは扶養手当のみの話なのですかね。
(知事)
全般に関しては、前段でお答えした考えの下で理解促進に努めていきたいと思っています。扶養手当等については、国の内容を踏まえて、適切に今後も対処していきたいというふうに考えています。
(毎日新聞)
そこでちょっと、扶養手当ではちょっと一歩とどまっているというのは、どういった理由からなのでしょうか。
(知事)
(扶養手当等については、)国の状況を踏まえて、われわれとしては対応していきたいと考えていますし、そのことが私は妥当だというふうに考えています。
(朝日新聞)
寿都町のほうで、まもなく町議会選挙があります。先ほど一部お答えになったかと思うのですが、(文献)調査を彼ら(寿都町)が受け入れて、さらに、場合によっては次の段階にも進んでいくというようなこともあろうかと思います。まず、寿都町もしくは寿都町に関わらず道内の自治体が、文献調査、概要調査といった、そういったステップを踏んでいく中で、知事はこれまでお考えを示してこられました。最新の状況でそのあたり、これまでと判断が変わらないのかどうか、まずお伺いしたいと思います。
(知事)
そこは、繰り返し、この会見の場でも申し上げておりますけれども、現時点においても、なんら考え方は変わらないということを申し上げたいというふうに思います。さまざま地域で選挙なども行われるということがあるかもしれませんが、それは町民の皆さんがご判断されることだと思いますので、個別の選挙のコメントは控えたいというふうに思います。
(朝日新聞)
考えは変わらないということはですね、例えば概要調査には反対であるというお考えが変わらないのか、全体としての考え方、そのあたりも、再三になって恐縮なのですけれども、ややちょっと、言葉でいただければと思います。
(知事)
これも先ほどのご質問とちょっと繰り返しになってしまうところもあるのですが、特定放射性廃棄物の処分、これは全国的な課題であります。道では現在、幌延町において、全国で唯一、深地層研究を受け入れております。国の原子力行政において具体的な役割を果たしている、このことをぜひ多くの方には、まずは理解していただきたいというふうに思います。道の条例は、道内に処分場を受け入れる意思がないとの考えに立ち、制定されたものであります。概要調査は、最終処分場の建設地選定のプロセスの一つの段階であります。このことから、条例を制定した趣旨とは相いれないと考えております。私としては、寿都町、神恵内村における文献調査終了後、仮に概要調査に移行しようとする場合には、条例の趣旨を踏まえて、現時点で反対の意見を述べる考えであります。
(朝日新聞)
条例の問題なのですけれども、解釈の問題とかさまざまにあると思います。受け入れ難いとする条例が既にあるわけですけれども、この条例についてですね、何らか変えるべきであるとか、変えないべきであるとか、特段、今お考えがないのか。まず、条例に対する知事のお考え、態度というのは今、いかがでしょうか。
(知事)
私は、この条例については、道内に処分場を受け入れる意思がないとの考えに立ち、制定されたものだと考えていますので、そのように受け止めております。
(朝日新聞)
最後になのですが、先ほどから縷々出ていますLGBTの関係で、先ほど他社さんがお伺いされた点で、当方ちょっと気になった点なのですが、つまり、ちょっと違う聞き方をさせていただきますと、知事、個人的な体験の中で、LGBTであったりとかLGBTQであったりとかですね、そういった方々についての知事ご自身の体験として、どのように向き合ってきたか、そして、その上で、国とか制度の問題は別としてですね、知事個人、政治家として、LGBTQなどの問題についてどのように携わっていきたいか、少なくとも今、方針は示せなくてもですね、政治家鈴木直道として、この問題をどう認識してどう進んでいきたいのか、制度とは関係なしに、まずお考えをお伺いしたいと思います。
(知事)
私はまず、理解を促進していくことが重要だというふうに思っています。また、さまざまな考えがあるのも事実だと思いますので、その議論自体は行っていく必要があるのではないかというふうに思っています。
(朝日新聞)
とすると、知事ご自身の考えであるとか受け止め方であるとか、ご自身の接し方というのは、今の段階で公の場では表明できないという理解でよろしいですか。
(知事)
今お話ししたとおりです。私自身の考え方です。
(北海道新聞)
大きく二点お伺いいたします。まず、ラピダスに関係してお伺いします。工場で使う水に関して、その水源については今、有識者会議で検討中だと思いますが、工場で使った後の水、下水について、現在の千歳市の施設では処理しきれないという情報があります。施設の状況を含め、下水に関しての道の対応方針を教えていただけますでしょうか。
(知事)
ちょっと細かい話になるのですが、まず、ラピダス社からの工場排水量でありますけれども、2025年の試作ライン稼働時には、1日あたり4千立方メートルの見込みであります。千歳市の既存の下水処理場で処理する計画であると承知しています。
熊本県のTSMC(台湾積体電路製造)が立地するエリアもあるのですけれども、よく熊本県と北海道が比較されることがあるのですが、熊本県の場合についてはですね、熊本県が管理する流域下水道の計画区域でありますので、北海道とちょっと状況が違うということがあるわけですが、北海道においてはですね、千歳市が管理する公共下水道の区域内で、今、整備を進めていくという状況にあります。まず、2025年の試作ラインの稼働については、今申し上げたとおりであります。
2027年の本格稼働時でありますけれども、下水道施設の整備計画については(千歳)市が主体となって検討を進めているところであります。今申し上げたような背景の中で、市が主体となって検討を進めているというところです。さまざま報道の中では、例えば1日当たり4万立方メートルという数字が、一部報道であるわけでありますが、ラピダス社から正式に示されたものではないと承知しております。必要となる処理場や下水管の規模、処理能力などについては、現在、市と協議を行っているところであります。
いずれにいたしましても、道としては、巨額な費用負担が見込まれ、千歳市のみでは対応が困難という状況がありますので、財政支援については、国に要望しているところです。千歳市とも要望しております。引き続き、千歳市と協議を進めまして、技術的な助言、財政支援も含めた国との調整といったものを行っていく考えです。
(北海道新聞)
もう一点、別件で、知事公邸跡地の活用についてお聞きします。今、知事の公館や近代美術館を含むエリアの一体整備を視野に、来年度にも活用の構想策定という状況だと認識していますが、現在の検討状況と、知事としてこのエリアをどうしていきたいのかというお考えをお願いいたします。
(知事)
これまでの道議会でのご議論、近代美術館のリニューアルに向けた検討状況なども踏まえて、庁内関係部局の連携の下で、このエリアの魅力向上を図る活用策などについて検討を進めています。
このエリアは、長い歴史の中で築き上げられてきた大変魅力的な場所であります。このことから、多くの道民の皆さまにこのエリアを知っていただいて、関心を持っていただきたいと考えています。道では、10月7日からの3連休に、道教委と連携して、エリアの魅力や施設の現状などを知っていただくイベントを開催することとしています。マスコミの皆さまにも取り上げていただいたわけでありますけれども、多くの皆さまにご来場いただけるように、報道の皆さまには、あらためて周知のご協力をいただければと思います。
道としては、このエリアをこれまで以上に魅力あふれる文化、芸術、歴史の発信拠点として活用するために、今後とも道民の皆さまからのご意見をいただきながら、さらなる検討を進めて、来年度にも活用構想が策定できるように取り組んでいきたいと考えています。
(北海道新聞)
知事が公邸を退去されたのが2019年10月で、もうすぐ4年となりますけれども、まだ具体的な跡地の活用方法というのは見えていない状況だと思います。これまで有識者の研究会ですとか、サウンディング調査ですとか、いろいろ道としても実施されて、この間、コロナ禍なんかもあったとはいえ、少しちょっと検討に時間がかかっているように映るのですが、その原因について、知事はどういうふうに考えておられますでしょうか。
(知事)
さまざまなご意見もありますし、大変魅力的なエリアでありますので、しっかりですね、時間をかけるべきところは時間をかけながら、コロナの状況の中というのも当然あったわけでありますけれども、まずはこの場所の魅力も知っていただこうということで、イベントなども行っていきますけれども、来年度に活用構想を策定できるようにという目標は立てつつも、しっかりそういった議論を進めながら、取り組んでいきたいと考えています。
(北海道新聞)
知事としては、公邸の機能は民間の住宅が担うことにして、道としては、今後も公邸という施設を持つ必要はないという考えなのか、あるいは今の老朽化した公邸とは違う形で施設や機能を道として持っておいたほうがいいというお考えなのか、他の道外の都府県を見ても判断は分かれているのかなと思うのですが、知事として公邸の今後の必要性についてはどういうふうにお考えでしょうか。
(知事)
私は公邸の機能自体は必要だと思っています。今、民間のところにいますけれども、いずれの場合についても、公邸の機能をどう持っていくかということは、やはりこれは必要かなというふうに思っています。それをどういった形で実際に落とし込んでいくのかということについては、今、私は民間を活用して住ませていただいていますけれども、現状における課題なども踏まえながら、議論して決めていくことだろうというふうに思います。
(北海道新聞)
最後に、知事の公邸の周辺には札幌市の文教関連施設も多く立地しています。まちづくりや周辺との一体感という観点から、活用策を考えるに当たって、札幌市との連携を今後、強化していくお考えはございますでしょうか。
(知事)
現時点においても、札幌市において、今後のまちづくりの計画や取り組みの方向性など、必要な情報などについては、当然、状況もお伺いしながら、さまざまな政策を進めていますので、札幌市(内)に今、機能があるわけですから、そういう意味では札幌市の状況も引き続きお伺いしながら、考えていく必要があるのではないかというふうに思います。
(北海道新聞)
北海道の脱炭素化に向けてですね、7月下旬に運用開始したアプリ「北海道ゼロチャレ!家計簿」についてお伺いします。知事は7月の記者会見で、アプリの普及方法について、まずは道職員の皆さんにご協力いただくことになっているとお話しされました。一方で、現在、ダウンロード数が1600件にとどまっていて、道職員の中でも利用が広がっていない状況です。これは道職員の方がですね、率先して利用しないと、なかなか道民のほうに広がっていかないと思うのですけれども、現在の利用者数をどのように受け止めているかということと、あと、もし利用が低調との認識であればですね、その理由と、今後どのように利用者数を増やしていくのか、お聞かせください。
(知事)
7月28日にこれ(アプリ)を公開したのですけれども、今ご質問にあったとおり、1600世帯の方々がご参加いただいています。まずはご参加いただいた皆さんに、本当に感謝を申し上げたいと思います。個人情報保護の観点から、職業等の入力を求めていない状況もありますので、その内訳で道職員がどれぐらいになっているのかということの把握は、なかなかできないという状況はあるわけですけれども、全体で1600(世帯)という状況になっています。
このアプリを利用して、自らの(CO2)排出量を実感していただいて、省エネ行動につなげていくということ、そして地域の排出量の傾向が把握できるというふうに考えていますので、地域の傾向という意味では、例えば、ゼロカーボン(シティ)の宣言をしている市町村ですとか、脱炭素先行地域などにとってはですね、政策の取り組み状況の一つの指標にもなるので、ぜひ積極的にご利用いただきたいと考えています。
これから何をするのかということですけれども、やはり1600世帯でおしまいということではなくて、もっと増やしていきたいと思っていまして、道の広報紙がございますので、こういったものなどを活用して、各種広報媒体におけますPRをやっていきたいと思っています。
また、今後、市町村を対象として地球温暖化対策に関する研修会をやっていきます。今後、計画を策定するというタイミングなどもありますので、非常に効果的なタイミングになるのではないかと思っていますので、そういった研修会において、このアプリの内容、また効果などについて説明して、市町村の皆さんのさらなる参加の呼び掛けや、市町村からさらに住民の方に呼び掛けていただけるように、そういった取り組みをしていきたいと思っています。また、さまざまなイベントがあります。今、気候変動や地球温暖化の問題など、さまざま顕在化してくる中で、関連するイベントなどもありますので、道民の皆さまに、家庭からのCO2排出量ですとか、エネルギー消費量の推移を把握していただくということで、道民の皆さんの省エネ行動、そして市町村の排出量の把握につながるメリットがあるのですよということを、PRしていきたいと思っています。
また、このアプリの公開と合わせて募集したサポーターに登録いただきました54の市町村や団体・企業の方がいらっしゃるので、こういった皆さまと連携して、周知をさらにしていきたいなというふうに思っています。
(北海道新聞)
関連してですね、利用者数を増やすための方策として、何らかのインセンティブを付けていくという考え方もあると思います。道庁としてもですね、知事が立ち上げたほっかいどう応援団会議で、昨年10月からアプリのポイント還元の取り組みに協力してもらえる事業者のほうを募っていると思います。ただ、1年近く経過してもですね、担当者に聞いたところ、応援団会議を通じた問い合わせはゼロだと聞いています。今後も応援団会議を活用して事業者を募っていく考えなのか、それとも別の方法でインセンティブへの協力というのを募っていくのか、知事のお考えをお聞かせください。
(知事)
応援団企業も、本当に日々、むしろ拡大していっているところもありますので、応援団会議にご協力いただいている企業の皆さまで、ご協力いただける皆さまには、今後ともご協力いただければと思うわけですけれども、必ずしもそこに限ってやるということではなしに、ポイント付与サービスを展開している事業者の方もいらっしゃいますので、そういった方々との連携を含めて検討していく必要があるというふうに思います。
(北海道新聞)
一応確認なのですけれども、こういった形でインセンティブ、ポイント付与の募集をしているということは、何らかのインセンティブ、特にポイント付与のインセンティブというのは必要だというようなご認識でよろしいのでしょうか。
(知事)
ポイント付与だけが全てではないと思うのですけれども、やはり参加して(数値の)入力などをしていただいた方が、継続してこのアプリなどを利用していただけるためのインセンティブがやはり必要だというふうには考えていますので、ポイント付与のみならずですね、皆さんが参加して楽しいなだったり、非常にメリットを感じていただけるというような内容については、検討していきたいというふうに思っています。
(北海道新聞)
今、気になったのですけれど、ポイント付与だけが利用者数を増やす取り組みではないとお話しされていましたけれど、だとしたらなぜ、このほっかいどう応援団会議でポイント付与に限って事業者を募っていらっしゃるのか、ちょっと疑問に思ったのですけれど。
(知事)
ポイント付与だけではなくて、いろいろとご協力いただける内容などについては、さまざまお話ししておりますので、そこは今後、状況が見えてきたら、皆さまにも、取材もいただいていると思いますけれども、お話ししていければというふうに思います。今、検討している段階なので、なかなか具体的に申し上げることはできないのですけれども、ポイント付与のみならず、要は皆さんが参加して喜んでいただける、継続して関わっていただけるような、そういうインセンティブを付与するような内容にできればと考えています。
(読売新聞)
先ほどの半導体の関係で、ちょっとジャンルは違うのですがお伺いしたいのですが、先週の土曜日に、道内の4つの高専が共同事業として、半導体人材の育成に関するカリキュラムも作っていこうということで、設立の会見を開かれたのですが、道内で半導体の人材、若い人材の育成の動きが出てきているということの受け止めと、あと一方で、半導体関連の、道のいろいろな有識者懇話会とかの中で、半導体がそもそも何に役立つのかとか、どういうふうに使われているかということを、もう少し広く伝えたほうがいいのではないかという意見も確かあがっていたと思うのですが、例えば九州とかでは、地元の工業高校とか高専とかに、集積している半導体関連の関係の社員さんとかが行って、出前授業をしたりみたいな取り組みをやったりしていると思うのですけれど、知事本人は多分、この半年見ていますと、選挙のときとか、この間のセミナーとかでも、半導体はこういうものに使われているという説明とか、あと2ナノにすると電力が減ってとかという説明を結構されたりしていると思うのですけれど、こうしたものを若い層に、道だけでやるのかわからないのですけれど、どういうふうに伝えていくとか、何かそういう構想があれば教えていただければと思います。
(知事)
まず、4高専で9日に記者発表を行ったと。そして、各校独自の半導体人材育成を強化するということであります。こういった人材育成を強化する方針を打ち出されました。こうした教育機関の主体的な取り組みについては、半導体人材の育成確保を図っていく上で大変重要な取り組みであると認識しております。先ほどさまざま、出前授業ですとか、半導体の基本的な知識をはじめとした理解を促進していくべきだというお話がありました。まさにそれは、われわれも必要だと思っています。このプロジェクトは国家プロジェクトである一方で、理解と共感を得ながら進めていくべきであると繰り返し申し上げてきました。さまざまなレベルに応じて、そういった理解を広げる取り組みをしていきたいと思っています。ですから、いわゆる小さいお子さま、大人、また半導体に関する知識を持っていらっしゃる方、さまざま聞きたいことや知りたい内容が異なるという状況があるというふうに思いますので、そういったさまざまな道民の皆さまの関心に応えられるように、取り組みを進めていくべきだと考えています。
(北海道新聞)
先週の記者会見で伺いました知事の政治姿勢について、重ねて伺いたいのですけれども、知事は6月の定例道議会の代表質問で、民主会派から賛否の分かれる課題に明言を避け、国に判断を委ねているのだと指摘されたことに対して、私は賛否の分かれる課題をはじめ、本道の課題にしっかりと向き合い、道政運営に取り組んできたと答弁しています。これに関して、では知事にとって賛否の分かれる課題とは何を指して、どんな決断をしてきたのかということを先週の会見で伺ったところ、知事はどのような政策にも、賛成の方もいれば反対の方もいるというふうに答えてですね、具体的な内容について念頭にあったわけではないような説明をされました。もし、そうした趣旨の議会答弁だったとするとですね、これは議会質問への論点のすり替えとも言えるのかなと思って疑問を感じましたし、また確かに知事の言うように、どのような政策にも賛否はつきものですけれども、それが総論賛成、各論反対レベルの賛否なのか、先ほど来話題に上っているようなLGBTの件のように、世論が二分するようなレベルの賛否なのか濃淡があると思うのですけれども、ここで問われたのは、世論を二分するような課題にどう向き合ってきたかということだと思うのですけれども、あらためて伺いたいのですけれども、知事は就任して約4年半ですね、世論を二分するような賛否の分かれる課題に向き合い、決断してきたとの認識があるかということと、またあるとすれば、具体的にどのようなものなのかというのを教えてもらいたいのですけれど。
(知事)
それは、マスコミの方々をはじめ、例えばラピダスの話だとか、要は話題としていろいろご質問もいただきますし、皆さんが関心の高い事項もあるとは思いますけれども、行政を運営していくにあっては、さまざまな執行をしていくに当たってですね、道庁内の各部局と打ち合わせをしながら、道民の皆さまがどう思われるか、または、どのような政策効果があるのかということも含めて議論しながら、さまざま道政を進めています。ですから、そういった意味では、確かに皆さんにとって非常に目につくような関心の高いことから、皆さんとつぶさに共有するような状況ではない行政運営上必要な判断もそうですし、いろいろな判断のレベルがあります。これは、今ご質問にあったとおりです。ですので、私は、道民にとって何が、北海道の将来にとって何が本当に必要かという観点で、私のところにきた場合はもう答えを出すしかないものですから、例えば事業だったら、やるとかやらないとか、修正するとか、そういうことを日々、判断しています。ですので、2期目に入ってですね、この間もそういった考え方の下で、日々仕事をさせていただいているということを、前回も申し上げたところです。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)