知事定例記者会見
- 日時/令和5年12月20日(水)15:06~15:49
- 場所/記者会見室
- 記者数/17名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 「こどもまんなかアクション」リレーシンポジウムin北海道について
- 年末年始におけるくらしの安全・安心の確保について
- 「年末年始リフレッシュ期間」について
記者からの質問
- 「年末年始リフレッシュ期間」について(1)
- 「年末年始リフレッシュ期間」について(2)
- 冬季五輪招致について(1)
- 冬季五輪招致について(2)
- ライドシェアについて
- 政党の政治資金に係る問題について(1)
- 道の委託事業について(1)
- 道の委託事業について(2)
- 政党の政治資金に係る問題について(2)
- ラピダス社誘致について
知事からの話題
「こどもまんなかアクション」リレーシンポジウムin北海道について
私から三点お話しさせていただきます。
まず一点目ですけれども、道では、来年1月22日に、札幌エルプラザにおいて「こどもまんなかアクション」リレーシンポジウムin北海道を開催いたします。このシンポジウムは、子どもや子育て世代に優しい社会づくりが全国で広がるよう、地域の自治体がこども家庭庁との共催で開催するものです。道といたしましても、子ども応援社会の実現に向け、こうした取り組みが重要と考え、国に手挙げし、このたびの開催に至ったというものになります。テーマは「こどもまんなか社会の実現のために~親も子も共育ち」とし、子どもや子育てに関わる全ての人が、共に育ちあう地域を創出し、社会全体で支える気運の醸成を図るということとしています。お手元に資料をお配りさせていただきましたが、当日は、保育や子育て支援などの研究を行い、メディアなどでもご活躍されております玉川大学の大豆生田啓友教授に基調講演いただくほか、トークセッションでは、自治体や地域で活躍する子育て支援団体などの皆さまから事例発表をいただきます。本日から専用のウェブサイトなどで参加募集を開始させていただきます。子育て世代の方をはじめ、多くの皆さまにご参加いただきたいと思います。
報道機関の皆さまには、子どもや子育て世代を社会全体で支える気運の醸成につながるよう、積極的な報道についてご理解とご協力をお願い申し上げます。
これが一点目でございます。
年末年始におけるくらしの安全・安心の確保について
二点目であります。
道民の皆さまの安全・安心に向けての内容であります。これから、新型コロナウイルス感染症の5類移行後初めての年末年始を迎えて、今年は例年以上に、帰省や旅行等で人の移動が活発化します。不測の事件や事故の発生も懸念されるというところでございます。
まず、防犯についてでありますけれども、今年の道内における刑法犯認知件数については、11月末現在で、2万771件となっております。前年と比べまして2667件増加という状況になっていまして、その多くは窃盗犯となっています。これからの時期、家を空けるという機会も多くなるというふうに思いますので、道としては、SNSなどを活用した防犯意識の醸成に一層取り組んでいくわけでありますが、道民の皆さまには、ご家族やご友人との間で、いつもより多く注意の声かけ、皆さん集まる機会が多いと思いますので、コミュニケーションを取っていただいて、お一人お一人が安全・安心への意識を高めて、こうした犯罪に遭うことがないよう、十分にご注意いただくようお願いいたします。
次に、交通事故についてです。残念なことに、今年の本道の交通事故による死亡者数は、昨日現在で、昨年に比べて12人の増加となっております、11月以降、歩行者が犠牲となる交通事故が多発しているという状況にあります。道といたしましても、交通事故を抑止するため、道民の皆さまに対して、今後ともさまざまな機会を通じて注意喚起を行っていくわけでありますが、冬に入りまして、日没が早まって歩行者の発見が遅れてしまうということが考えられます。ドライバーの皆さまには、安全な速度で道路の両側に十分に注意を払っていただいて、歩行者の存在に注意して運転していただくことをお願い申し上げます。そして歩行者の皆さまには、道路を横断する際は左右をよく確認いただいて、無理な横断は絶対にしないということをお願い申し上げます。
また、年末年始ということで、飲酒の機会が増えるということがあるわけでありますが、「飲酒運転をしない、させない、許さない」ということを合言葉に、年末年始は特に強くお願い申し上げたいというふうに思います。
コロナの5類移行後初めての年末年始でございます。道としては引き続き、道警察、市町村、団体などと連携して、地域での防犯、交通安全意識の醸成へ一層努めてまいります。道民の皆さまにも、クリスマスや年末年始は外出する機会が多くなるというふうに思いますので、今一度、安全・安心の意識を高めていただいて、事件や事故に巻き込まれず、このシーズンを楽しく過ごしていただくことを願っているところでございます。
報道機関の皆さまには、年末年始を安全・安心に過ごすことができるよう、啓発につきましても、引き続きお力添えのほどよろしくお願い申し上げます。
「年末年始リフレッシュ期間」について
そして最後です。
「年末年始リフレッシュ期間」についてであります。道では、働き方改革の一環として、この1年の職員への慰労や、遠方へゆとりを持った帰省ができるようにということで、休暇を取得しやすい職場環境づくりを目指して、「年末年始リフレッシュ期間」を設定いたしました。1週間以上の連続した休暇につながるように、長期休暇の積極的な取得を呼び掛けることといたしました。緊急案件や危機管理への対応などに支障が生じないということが当然、前提でございますけれども、その範囲でありますが、重点日につきましては、12月28日、1月4日、5日の期間には、会議や行事等を行わないなどの取り組みを実施して、例年28日の仕事納めに庁議を行っていたのですけれども、今年は1日前倒しさせていただいて、27日に行うということとしています。記者クラブの皆さまにもご理解、ご協力いただきまして、年末年始の会見日程などにご配慮いただきました。皆さまに感謝申し上げます。
年末年始は、身体を休めるというだけではなくて、学校の冬休み、帰省などを通じて、ご家族、友人、そして親族等と触れ合って英気を養っていただくという、とても大切な機会であります。今後も、こうした取り組みにつきましても積極的に進めていきたいというふうに考えています。
私から以上です。
記者からの質問
(毎日新聞)
リフレッシュ期間なのですけれども、今年から導入されようと思ったきっかけですとか、理由とかありましたら教えてください。
(知事)
道庁においては、年休などの取得も、皆さん、平均で見ると、計画的に取っていただいている方も多いのではないかと思うわけでありますけれども、やはりライフ・ワーク・バランスとして、先ほどいろいろ申し上げたように、年末年始というのは大切な機会なわけですけれども、休みを取りたくても、会議だとか、日程が入っていますと、当然出勤しなければいけないということで、道内のみならず、帰省に一定程度日数が(必要で)、ゆとりを持って(休暇を)取りたいということもある中で、家族と過ごす時間は大切な時間ですから、コロナが5類に移行してですね、そういった活動も活発になるという状況の中で、呼び掛けることによって皆さんが(休暇を)取得しやすくなる状況があるかと思いますし、さらには、具体的な重点日を設けた中で、行事を入れないことで皆さんの取得が促進されるのではないかという考えから、全国的にも、まだあまりやっていないのかなと思うのですけれども、今回、実行していくということであります。また、結果をですね、取得状況なども踏まえて今後に生かしていければというふうに思っています。
(NHK)
今の質問に関連して、長期休暇の取得というのは、具体的に例えば何日以上というような日数の目標があるのかということと、これは今年からということだと思いますけれども、来年度以降、暦の上では、例えば、今年は割と(休暇を)取りやすい部分はあるかと思いますが、来年以降も継続してやっていくようなお考えが、今の時点で知事におありかどうか確認させてください。
(知事)
まず、初めてやることなので、どの程度、皆さんに(休暇を)取得いただけるのかなというのは、やった後に確認したいと思いますけれど、基本的には、やはり年末年始はご家族やご友人と過ごす大切なタイミングでもありますし、本当に懸命にですね、職員は頑張ってくれています。そういう時間を取ってですね、リフレッシュしていただいて、また年が明けて頑張っていただく、これは大事な視点だと思うので、基本的には今年限りというよりは、検証もしながら、続けていけたらいいのではないかなというふうに思っています。
それと取得については、先ほど申し上げましたけれども、1週間以上の連続した休暇につながるようにということで、元々、年末年始の休みがありますので、そこにつなげるような形で、そういった取得につながるとですね、少しゆっくりと、皆さん、時間もとれるのかなというふうには思っています。今後も検証しながら進めていければなというふうに思っています。
(読売新聞)
札幌市の冬季五輪招致に関するご質問なのですが、昨日、知事も出席された会議で、札幌市の秋元市長が招致活動の停止というのを明言されたと思うのですが、その中での知事の発言で、スポーツに親しめる環境を今後つくっていくのが大切なことというような発言もあったと思うのですが、この前の議会の総括質疑でも、アスリートの育成であったりとか、道立の真駒内の屋内競技場を活用する方法とかも言及されたと思うのですが、あらためて今後の冬季スポーツであったりとか、アスリートの育成とかに向けて、こういう方向性がというのがあれば教えてください。
(知事)
これは昨日も申し上げたのですけれども、北海道で生まれ育った選手が、世界的な、国際的な大会で活躍する姿は、私達道民に、やはり夢と感動を与えてくれるということと、次世代を担う子どもたちにとっても大きな目標、励みになるというふうに考えています。これは、オリンピック・パラリンピックはもちろんなのですが、やはり国際的な大会という意味では、そういったものだと思っています。ですので、オリパラの招致といったものに関わらず、引き続き競技団体などと連携、協力して、国際大会で活躍できるように取り組むということが大事だと思っています。また、パラリンピックの話もそうですが、障がいの有無に関わらず、誰もが日常的にスポーツを親しめる環境づくりも進めて、スポーツの持つ力を最大限活用して、地域の活性化につなげていくことが大切だというふうに思っています。
それと、昨日も申し上げたのですけれども、今回、(招致活動の)停止ということではあるのですけれども、北海道、そして札幌市が、世界的に見ても非常に優れた価値のある地域であるということは、これは間違いないことだというふうに思っていますので、そういった価値を、あらゆる機会を捉えて、世界に向けて発信していくことも大切だというふうに思っています。
(読売新聞)
追加で、今の関連なのですが、昨日、知事は発言で結構JOCに、五輪への信頼を回復させる取り組みをしてほしいとか、JOCに対しちょっと説明を求めるようなシーンもあったように記憶しているのですが、これまでも、この五輪に関して知事は、道民とか自治体とかへの説明とか、そういうものをしてほしいというふうに求められてきたと思うのですけれど、JOCに対する要望とか、昨日の発言は、どういう思いであらためて言われたのかを教えていただければと思うのですが。
(知事)
JOCのほうからのご発言として、停止のご提案といいますか、方向性についての冒頭発言がありました。しかしながらですね、ほかの皆さまの発言もさまざま聞いておりましたが、やはり東京大会が与えた影響というのは、私は大きかったのではないか、東京大会の一連の事件が与えた影響は大きいのではないかと。そのことに関する信頼回復に向けた発言、JOCの発言を、みんなで方向性を共有するという大切な場面だったので、全くその発言がないという中で終わるのはどうなのだということで、私が隣にいた秋元市長にお話ししたら、私は前々からその問題認識を伝えていたのですが、秋元市長がお話しして終わるという予定だったから、そうしたらJOCが最後に話すということだったので、そこでお話しいただいたので、それで私の問いに対する答えが返ってきたので、それは大事なことだったかなとは思っています。
(HBC)
今の質問に関連して、冬季オリンピックの件なのですけれども、今回、招致活動を撤退ではなく停止という表現をされました。これ自体に関して、知事としては撤退ではなく停止であるということに対してはどのようにお考えでいらっしゃるかと、あと、この停止がいずれ再開になるタイミングというのは、どういうタイミングだと知事のほうはお考えでしょうか。
(知事)
停止という言葉を使われたということは、意図とか、考え方というのは、また(札幌市に)確認していただければというふうに思いますが。私が確認したかったのは、2038年の大会が、スイスが(IOCと)優先的に交渉するのが2027年末までなので、そこをターゲットに入れるのかどうかということが、27年というのが結構すぐなので、重要なポイントだなと思っていたので、そこの部分はどうなのですかということについては、2038年も困難ということで、それも踏まえた中で停止ということでお話しされたので、それでは38年もないという中での、札幌市としてのお考えなのだということが、あの場でわかったので、38年に含みを残すのかどうかというところはわからなかったものですから、あの場でそれも踏まえて停止するのですというお話だったので、さらにそこから先の話になりますと、これはもう正直、今の時点でどうこうという話ではないのではないかなと思っています。まさに市長も、見通すことが難しいというふうにお話しされたということでありますが、そういった状況なのではないかというふうに思います。
(HBC)
知事としては、先ほどもありましたけれど、五輪に限らず、国際大会というもので通用していくようなスポーツ選手を道内で育てていく、その手助けをしていくというような考えですか。
(知事)
そうですね、そこはオリパラ招致に限らず、やはりしっかりやっていかなければいけないことだと思いますし、また、冬季スポーツもそうですけれども、国際的な大会で活躍できる人材を数多く輩出してきたのが、北海道のやはり強みでもあるわけですから、そこはしっかりと取り組みを進めていくことの重要性は変わらないし、むしろしっかりやっていかなければいけないというふうに思います。
(毎日新聞)
本日のデジタル行財政改革会議で、ライドシェアの議論で、一部限定解禁みたいなことで報道が出ていますけれども、現状、報道ベースですと、タクシーが不足する地域ですとか時間帯に、タクシー会社が運行管理する形で解禁するということで、報道で出ていますけれども、これについての知事の受け止めを聞かせてください。
(知事)
これはちょうど本日、ちょうどこの会見と重なっているみたいなのですよね。ですので、このデジタル行財政改革会議がどのような形で(方針を)出してくるのかというのは、非常に高く関心を持って注視しているところです。いずれにしてもですね、北海道運輸局だとか、北海道ハイヤー協会などと連携、協力して、道内での活用も含めて、地域における移動手段をしっかり確保していかなければいけませんので、そういう地域における移動手段の確保に取り組んでいきたいというふうに考えています。正式なもの(方針)が多分、今日出てくるのだとは思うのですけれども、まずはそこをしっかり確認したいなというふうに思っています。
それと、今、事業者の皆さんがライドシェア全般に関して反対の声も上げられていますけれども、やはり、現に皆さんの足を担っていただいてる方々と連携、協力していくことが重要だというふうに、私は思っているところでありますので、そういった観点から、運輸局やハイヤー協会などとも連携、協力してですね、取り組んでいきたいというふうに思っています。
(毎日新聞)
今のお話ですと、今回示されている方式というのは、だいぶ海外の配車アプリを使ったライドシェアと形が違うと思うのですけれども、現状、示されているほうが、知事としては評価されているみたいな受け止めでよいのでしょうか。
(知事)
今日、正式に出てくる内容をまだ確認していないところがあるのですが、いずれにしても、マンパワーがですね、わが国はかなり人材確保の難しさもある中で、現にハイヤー協会、タクシーとかさまざまな形でですね、移動手段を確保していただいている方々と連携、協力をしながら、どういった新しい形があるのかということ自体は、考えていかないといけないというところはあるのかなと。結果として、移動手段をしっかり確保するという、目標はそこなのですから、そこに向けて、国においては、今後も議論していただくことが基本なのかなと思っています。今日、この後ですね、内容が多分ホームページに掲載されると思うので、そこはしっかり確認したいなと思っています。
(NHK)
ちょっと話が変わりまして、自民党安倍派と二階派の政治資金関係のことでお尋ねさせていただきます。先週の会見でも知事のお考えについての言及があったかと思いますが、あらためて、昨日、強制捜査が入ったことに対する受け止めとですね、あと、知事ご自身、政治家として政経セミナーを開いていらっしゃるかと思いますけれども、ご自身の政治資金収支報告書について確認を行われているのかどうか、問題がないかどうかというご認識を、ちょっと現時点で伺えればと思います。
(知事)
私の政治活動に関するさまざまな報告については、当然のことながら適切に対応しているところであります。そもそも、派閥に属する国会議員、各都道府県知事、またこれは違ったものでありますので、そういった中でですね、適切に対応しているということであります。
また今回、派閥への強制捜査ということで行われました。まさにこれは前代未聞のことだというふうに思っています。関係者はしっかりとこれを重く受け止めるべきことだと思います。いずれにしても、政治に対する国民の皆さまの不信感が高まっている、日に日に高まっていると言えるのではないかというふうに思いますので、前回も申し上げましたけれども、徹底かつ速やかに事実関係を明らかにしていただきたい。これは国民の皆さんが望んでいることだと思います。そしてその中でですね、国会議員の職責があるわけですから、説明を果たしていくのも、その職責があるわけでありますので、そこをしっかり果たしていく、このことが大事だと思っています。
(北海道新聞)
道庁関連事業の過大支給ミスと不正受給についてお伺いしたいと思います、一昨日に低所得者向けの給付金事業での支給ミス、昨日にはコロナ対策で実施した「どうみん割」などの旅行支援割を悪用したホテルの元従業員による不正受給が発生したとの説明が、道の担当者からありました。今年1年間で、電通北海道とその関連会社によるコロナ関連事業だとか、あとシグマ社による介護人材事業の過大請求、ふるさと納税リストの漏えい、お米・牛乳券の支給手続きミスなど、道が実施する事業でトラブルだとか不正が相次いでいるような状況になっていると思います。知事はこうした不祥事が続いている状況というのを、どのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。
(知事)
まず、今回の低所得世帯臨時特別給付金の件でありますけれども、123世帯に対し、合計4156万8千円を過大に振り込むという事案が発生いたしました。まず、過大に振り込まれた世帯は大変驚かれた中で、わざわざ道にご連絡いただきました。そして、15日に支給を予定していましたけれども、今回の件を受けて、状況を確認するために(手続きを)停止したことによって、12月15日の支給を予定していた皆さんに振り込みができなかったということがあります。多くの皆さまにご心配とご迷惑をおかけいたしました。給付の実施主体である道として、大変重く受け止めているところでございます。お詫び申し上げます。
今、この状況といたしましては、支給予定日に支給できなかった世帯の皆さまには、本日付けで支給を行ったところであります。そして、過大に振り込みをしてしまった方々に対しましては、ご本人のご負担がかからないように、金融機関が振り込みを取り消し、口座から返金いただく組戻しの手続きという形で、連絡を取れた世帯から順次、今、(返金を)始めさせていただいているところでございます。本日11時、現時点におきまして、113世帯の皆さまと連絡することができまして、返還について合意いただいておりますが、連絡がついていない世帯が10世帯ございますので、こちらは電話のみならず封書で、昨日ご案内させていただいているところでございます。引き続きしっかりと対応していきたいと考えております。
また、「どうみん割」の件もございました。こちらも昨日、公表させていただきました。この旅行割引事業は、コロナ禍で激減した観光需要や消費を喚起して、地域経済の影響を最小限に食い止め、厳しい状況にあった事業者の皆さまの経営を支援するためのものでございます。こうした中で、不正が行われたということに対しては、大変遺憾であります。道として、昨日、事業者に対し、不正金額の返還の請求を行いました。また、これまで旅行割引事業に参加された道内の宿泊事業者の皆さまに対して、これまで受給した支援金の自主的な点検につきましてお願いをして、不正、不適切な取り扱いなどがあれば申告いただくよう、この点については年内にご依頼したいと思っております。また、事務局の審査が適切に行われていたのかということについて、あらためて確認していきたいというふうに考えているところでございます。
このような報告を皆さまに申し上げることとなりました。しっかりと、今後このようなことがないように対応していきたいと考えています。
(北海道新聞)
今年に入ってトラブルだとか不正などが相次いでいる状況については、異常な事態だと思うのですけれど、ここまで相次いでいるというのは、どうご覧になっていますか。
(知事)
それぞれの事案に対して、やはりしっかりと、なぜこのような状況になってしまったのかということを確認した上で、しっかり再発防止策を講じていく。道が、こういった事案を防ぐことができなかったのかという視点はもちろん、しっかりやっていかなければならないわけでありますが、なかなか事業者そのものが、想定していないような形で不正な受給を行うという状況などもございましたので、この点についても引き続き、さまざまな観点から確認していく必要があるというふうに考えています。
(北海道新聞)
関連して、旅行支援のことでお伺いしたいのですけれども、昨日の会見でですね、旅行支援を悪用した疑いのある事例というのは、ほかにもあるとの説明が担当者からありました。こうした旅行割引については、道が現在、導入を検討している宿泊税の使途の中でも、基金を積み立てて、感染症や大災害など不測の事態が発生した場合に実施する案を示していると思います。宿泊税の使途に旅行支援みたいのを掲げるのであれば、不正を見抜けなかった事務局のあり方や、不正防止の具体策をより一層検討していく必要があると思うのですけれども、この辺りどのようにお考えでしょうか。
(知事)
それぞれ、先ほど申し上げたように、事務局の審査が適切に行われていたかどうかについてのあらためての確認など、必要な確認をしっかり行っていきたいというふうに思っています。不正な受給につきましては、これは当然、取り扱い上、事業者に対しては昨日、返還請求もしたわけでありますが、こういったありえないことといいますか、事業者がですね、偽装するという状況がございましたので、そういった状況についてもしっかりと確認の上で、こういったことがないような対応はしていかなければならないとは考えています。
(朝日新聞)
関連してなのですけれども、今回のことに限らず、今、他社の記者さんが挙げられた中、大体、事務局というのがプロポーザル方式の随契(随意契約)で選ばれている場合があって、重複する事業者が入っている場合も多いと思います。対象は違っても。ということは、その事務局を選ぶプロポーザルを出してもらう過程、もしくは、プロポーザルを審査する過程、そして、検証する過程、いろいろあると思うのですけれども、それが機能していないから同じようなことが続くのではないかと思います。原因としてはやはり、東京都などとは違って、北海道ではそもそもプロポーザルを出す量もそんなに多くないというふうに私は理解しているのですけれども、この辺り、事務局をまず選ぶというこの作業において、道の今の仕組みに問題があるのかないのか、知事のご見解を伺います。
(知事)
事実をしっかり確認するという作業については、引き続き、当然のことながら続けていく必要があると思っています。先ほど申し上げたような、あらためての確認については行っていきたいというふうに思っています。
今般のキャリアリンクの件に関して申し上げれば、現在、対象の方々への連絡といった対応を行っているところでありまして、今後、原因究明とともに再発防止に向けた検討は当然、行っていきます。
また、これまでの過請求事案でありますけれども、事業者におけるコンプライアンス意識の欠如が要因の一つであるというふうに考えられることから、プロポーザル方式による事業者の選定に当たっては、今後、履行能力の十分な確認に加えて、当該事業者のコンプライアンスに関する規程、推進体制の確認、法令遵守に係る誓約書の提出などといった手続きにつきましても、検討していく考えであります。こういった対応などを進めながら、適切な取り扱い、取り組みを進めていきたいと思っています。
(朝日新聞)
関連してなのですが、プロポーザル方式という、一つのテーマに対してプロポーザルをもらうというのは、合理的なようであるのですが、一方で、道庁のそもそもの政策立案能力と、一定水準までの実行能力というものが、以前と比べて落ちているのではないかと思われる節を感じます。他の省庁なども担当しておりましたので、特に北海道庁はそれがひどいのではないかと個人的には思っていますが、この道庁の政策立案能力、そして管理能力、この辺り来年に向けてですね、特に来年度に向けて知事としてどのように改善していきたいのか、お考えをお伺いします。
(知事)
そこは当然、道庁の職員全体としてですね、今回の契約行為に関する問題のみならず、時代の変化が非常に速い中で、政策の立案能力をはじめとした行政実務全般に当たっての能力を絶えず磨いていかなければならない、これはしっかりと取り組みを進めていかなければならないことだというふうに思っています。
今回起きたさまざまな問題に対して、しっかり向き合いながらですね、反省を生かしながら取り組みを進めていきたいと思っています。
(朝日新聞)
あと、最後に一点、別の件なのですけれども、昨今の政治資金の問題なのですけれども、安倍派と二階派と、道内でも選出の国会議員の先生方の数は多いと思うのですけれども、道にとってのさまざまに重要な方、中央にいてですね、知事も上京された折等には陳情等もされていると思います。そういった実務の面から、今回の事件が与える影響はどうなのかというのをお伺いしたいと思います。というのがですね、以前、吉川貴盛氏の事件があった際にもですね、知事はやはり、中央での道への貢献という意味では、評価するべき点があるというような趣旨のことをおっしゃっていたと思いますが、今回のことを受けてですね、新たに道として、実務面で特にですね、どういう影響が心配されて、道としては、どのように今後取り組んでいくのか、お考えをお伺いします。
(知事)
まず、今、非常に重要な時期であり、時代の岐路とも言われるときの中でですね、今、先ほど申し上げたような強制捜査が行われるなど、前代未聞の事態に陥っているわけであります。ですので、しっかりと政府、また政党においても、こういった重要な局面の中で影響が生じることのないように、まずはしっかりと対応していただくということが、大前提として求められることだというふうに思っています。
今後、捜査などの進み具合によってはですね、さまざまな影響が出かねないような事態、そういったことになるかもしれません。そこは、私も報道以上の情報がわかりませんので、この場で何か軽々に発言することは控えるべきだというふうに思いますが、いずれにせよ、重要な立場にある国会議員の皆さんなわけでありますから、政府を挙げてですね、まさにこういった重要な局面の中で、国民生活に影響を与えることがないよう、また、もちろん北海道、道民に影響を与えることのないよう、しっかりと対応していただくことが重要だというふうに思っています。私自身も当然、そういった影響がないよう、知事として仕事をしていきたいと思っています。
(北海道新聞)
道によるラピダス誘致の過程について伺います。知事は2月16日に、同社本社でトップセールスを行い、その12日後、同社が千歳市進出を表明しました。知事は4月の知事選遊説で、このトップセールスをアピールしましたけれども、弊社の取材ではですね、同社が昨年11月時点で千歳市と交渉に入っていたことがわかっています。知事自身も知事選中の3月23日の千歳市での個人演説会で、山口(千歳)市長を先頭に市役所や関係者の皆さまの懸命な努力によって千歳市を検討いただく状況になった、駄目押しで私がラピダス社長のところに行ったと述べていまして、この発言を額面どおり受け取ると、千歳市の誘致活動というものの後からですね、道が加わったようにも聞こえるのですけれども、知事はこの1月に庁内の打ち合わせでトップセールスを決めたと聞いているのですけれども、2月に実際にこのトップセールスをしたりする前から、千歳市がラピダスの交渉ですとか誘致活動をしていたという事実を知っていたのでしょうか。
(知事)
まず、個別企業が自治体とどのようなやり取りをしていたかについては、まさに個別企業、市町村とのやり取りの状況でありますから、その点を申し上げることは控えたいというふうに思います。
(北海道新聞)
そうなりますと、実際に千歳市進出が決まりそうだですとか、そういう方向性がありそうだということはご存知なかったというか、今のご答弁だと、知っていたり知っていなかったとしても、それは答えられないと、そういう趣旨ですか。
(知事)
個別企業とですね、いろいろ市町村はやり取りをされていますし、また、そういった場合については、秘密保持を約束した上でやり取りをしたりということはあります。そういった内容については、まさに申し上げることを控えるべきものでありますので、私から申し上げることは控えたいと思います。
(北海道新聞)
そうしたら、違う観点から伺いたかったのですけれども、道と市町村とのやり取りについて伺います。広域自治体として、ラピダスという大きな誘致案件について、道庁内で具体的に立地先をどうするかですとか、そういうことを想定しなかったり、また具体的な市町村と全くやり取りをしたり連携をしないままに誘致活動を行ったとすれば、ちょっとそれは考えにくいかなと思うので、確認させていただきたいのですけれども、道は1月にトップセールスを決めたりですとか、2月に実際に実施する前に、この千歳市なのかどこかわからないですけれど、どこかの市町村とですね、何か誘致に関してやり取りをした事実というのはありますでしょうか。
(知事)
トップセールスの時点では、当然のことながら立地場所を含めて決まっていない中で、北海道全体の立地優位性だとか、道の政策などを、私はお話しさせていただきました。また、個別企業におけるやり取りについては、先ほど申し上げたように、具体的な内容は控えたいと思います。
(北海道新聞)
確認ですけれど、北海道進出を求めてトップセールスを行った時点では、どこに呼んでくるかですとか、どんなところに来たらいいかとか、そういうことも一切考えないで、知事はラピダスへのトップセールスを行ったと、そういう理解でよろしいでしょうか。
(知事)
決まっていないのですね、どこに立地するかも当然、決まっていない中で、北海道全体の優位性などをトップセールスでお話しさせていただきました。
(北海道新聞)
もう最後にしますけれど、決まっていないのですけれど、(トップセールス)する側としては想定は、どこかに来たらいいなとか、どこだったら一番いいなとかということは、全く想定しないまま誘致した、そういうことに今の答弁だとなるのですけれど、それでよろしいでしょうか。
(知事)
北海道全体をあくまでPRさせていただきました。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)