知事定例記者会見
- 日時/令和6年2月15日(木)14:41~16:14
- 場所/記者会見室
- 記者数/21名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 令和6年度(2024年度)当初予算等について
記者からの質問
- 令和6年度(2024年度)当初予算等について(1)
- 令和6年度(2024年度)当初予算等について(2)
- 令和6年度(2024年度)当初予算等について(3)
- 令和6年度(2024年度)当初予算等について(4)
- 令和6年度(2024年度)当初予算等について(5)
- 令和6年度(2024年度)当初予算等について(6)
- 令和6年度(2024年度)当初予算等について(7)
- 令和6年度(2024年度)当初予算等について(8)
- 令和6年度(2024年度)当初予算等について(9)
- 令和6年度(2024年度)当初予算等について(10)
- 令和6年度(2024年度)当初予算等について(11)
- 令和6年度(2024年度)当初予算等について(12)
- 高レベル放射性廃棄物について(1)
- 高レベル放射性廃棄物について(2)
- 高レベル放射性廃棄物について(3)
- 障がいのある方の意思決定支援等について(1)
- 障がいのある方の意思決定支援等について(2)
- 市町村との人事交流について
- 人口減少問題について
知事からの話題
令和6年度(2024年度)当初予算等について
私から一点、お話しさせていただきます。
2月21日開会予定の第1回(北海道議会)定例会に提案を予定している、令和6年度当初予算に盛り込みました重点政策についてご説明を申し上げます。
このたびの当初予算につきましては、コロナ禍後初の通年予算となります。社会経済活動の本格化を踏まえて、1年を見通して、北海道をより一層前に進めるための具体的な政策を盛り込みました。
現在、北海道を取り巻く状況は大きく変化しております。こうした状況を踏まえながら予算の検討を行いました。元日に発生いたしました能登半島地震では、多くの犠牲者や住家倒壊など深刻な被害が発生いたしました。あらためて厳冬期への対応を含めた、災害への備えの重要さを再認識いたしました。
また、人口減少も続いております。2050年には、現在の約4分の3の水準となります382万人との推計も発表されました。少子化への対応は待ったなしの状況となっています。また、人口減少に伴いまして、一次産業をはじめ、製造業や建設業などさまざまな業種で人材不足に直面しています。地域においては、人材の育成、確保が大きな課題となっています。大きな環境変化の中で、持続可能な地域社会としていくことが重要となっています。
一方で、次世代半導体の製造拠点の整備に向けた取り組みも着実に進んでいます。日本最大級のデータセンターの立地の決定や、GX金融・資産運用特区への申請など、北海道のポテンシャルを生かした動きが加速しています。また、インバウンドはコロナ禍前の7割程度まで回復してきており、こうした動きをより確実なものとし、さらに大きく前進させていくことが重要となります。
こうした情勢を踏まえた来年度予算の概要について、お話しさせていただきます。まず、予算の規模についてであります。一般会計の予算規模につきましては、3兆215億円で、5年度と比較いたしますと、新型コロナウイルス感染症関連経費の減少などによりまして、減となるものの、4年連続で3兆円を超える規模となります。当初予算と前年度補正予算を合計した、実質的な予算規模につきましては、3兆2252億円となるものであります。また、第1回定例会提案には、国の総合経済対策等に伴う対応として、246億円の補正予算の提案を予定しています。先の定例会で議決をいただきました予算とともに執行し、足元の経済情勢に機動的に対応してまいりたいと考えています。
こうした全体予算の下、重点政策を取りまとめました。その基本的な視点について説明させていただきます。現在、新たな総合計画の検討を行っています。「北海道の力が日本、そして世界を変えていく」、そして「一人ひとり豊かで安心して住み続けられる地域を創る」といった将来の目指す姿をお示しいたしました。来年度は、そのスタートを切る重要な1年となるものです。目指す姿の実現に向けて、これまで議論を重ねてまいりました。このため、重点政策は「安心して住み続けられる地域を創る」、「北海道の魅力を世界へ発信する」という二つの視点の下で構成いたしました。
まずは、「安心して住み続けられる地域を創る」ための政策についてです。まず、能登半島地震における被害を踏まえまして、厳冬期対策など、災害から命と暮らしを守る取り組みを強化していくとともに、ヒグマやエゾシカなど野生鳥獣による被害や、道民の生活を脅かす犯罪を防ぐなど、安全、安心の確保に取り組みます。また、誰もが暮らしやすい生活環境をつくるため、喫緊の課題であります、子ども応援社会の実現を図る取り組みを加速し、地域に根ざした医療や福祉を確保していきます。地域を支える人材の確保に向けて、国内外から人材を呼び込むほか、産業人材の育成、潜在的な人材の掘り起こしなど、総合的な視点で取り組みます。こうした人材の確保をはじめとする地域が直面する課題を踏まえて、交通、物流の確保や、新たな産業の育成などを強化し、持続可能な地域社会の確立に向けて取り組みを進めてまいります。
次に、「北海道の魅力を世界へ発信」といたしまして、北海道の発展に結びつけていく政策であります。現在、次世代半導体の2025年パイロットライン稼働に向けて、スピード感を持って取り組みを進めております。国内外から半導体、デジタル関連産業への関心が寄せられるということなど、こうした動きを確実に捉えて、集積を図る取り組みを進めていきます。また、再生可能エネルギーのポテンシャルを生かし、ゼロカーボン北海道の実現に向けた取り組みを加速し、再生可能エネルギーの活用を促進し、エネルギー関連産業の拡大を図っていきます。また、国際情勢の変化を踏まえ、食料安全保障に対する関心も高まっています。一次産業の基盤強化を進め、カントリーリスクへの対応を踏まえながら、国内外での消費拡大を図り、日本を支える北海道の食を世界に広げていきます。
昨年、開催いたしましたATWS、アドベンチャートラベル・ワールドサミットでは、世界から高い評価をいただきました。ガイドの育成や魅力的なツアーの発信などを通じて、国内外からの観光客を呼び込み、観光立国北海道の再構築を図っていきます。また、世界遺産である知床や北海道・北東北縄文遺跡群、アイヌ文化など、世界に誇る自然や歴史、文化の魅力を高め、国内外に発信していきます。誰もがスポーツに親しむ環境づくりに取り組み、北方領土の返還に向け、若者をはじめ、多くの方々の参加を促す取り組みを進めていきます。
次に、個別の事業のうち、主なものについてご紹介させていただきます。まず、命と暮らしを守る取り組みについてです。交通が断絶した状況を想定した物資輸送訓練、そして厳冬期を想定した避難所運営の宿泊演習など、約3300万円を計上いたしました。また、市町村が整備する津波避難タワーへの財政支援など、約1億6千万円を計上いたしました。能登地震における甚大な被害も踏まえまして、こうしたソフトとハードの両面から、地域と連携した防災対策に取り組みます。
次に、子ども応援社会を加速していく取り組みについてであります。このうち、保育士確保は喫緊の課題となっているところであります。職を離れた方が安心して復帰できるように、新たにアドバイザーによるマッチング支援に取り組むため、約870万円を計上いたしました。また、将来の北海道を担う子どもたちの意見を、道の施策に反映する取り組みを進めるために、1千万円を計上いたしました。加えて、妊娠期から出産、子育てまでの伴走型の相談支援と経済的な支援に取り組むため、約6億2千万円を計上いたしました。
続いて、人材の受け入れや定着に向けた取り組みについてです。現在、本道ではさまざまな産業で、1万人を超える外国人技能実習生が活躍をされております。このたび、新たに育成就労制度が創設されることを受けまして、どのような課題があるのか検証するモデル事業を進めていくほか、北海道が外国人に選ばれる環境づくりに取り組むため、約2900万円を計上いたしました。また、関係人口の創出、拡大に向けて、メタバースでの交流会の開催をするほか、若年層の短期就労者を地域に呼び込む取り組みを行います。
令和6年度は、新たな総合計画を踏まえて北海道創生総合戦略の見直しを行うほか、地域振興条例に基づく施策の実施状況の点検を行うこととしています。地域の声をしっかりとお聞きして、検討を進めていきます。また、地域の課題解決に向けた自主的、主体的な取り組みを支援するため、地域づくり総合交付金を拡充して47億円を計上いたしました。
次に、半導体の製造、研究、人材育成などが一体となった、複合拠点の実現に向けた取り組みの推進についてです。道内企業の参入に向けたビジネスマッチングの実施、道内各地の小中高生を対象とした出前講座の開催など、約1億円を計上いたしました。次世代半導体の製造拠点の立地、データセンターの進出など、新たな動きを本道経済の活性化に着実に結びつけるため、産官学の地域ネットワークを構築するほか、欧米を新たなターゲットとして、豊富な再生可能エネルギーや、本道のビジネス環境の優位性などをPRするため、約3100万円を計上いたしました。
次に、食に関する取り組みについてです。食料安全保障への関心が高まる中、北海道の農林水産業が果たす役割は、これまで以上に重要になっています。そうした役割を、高校生のアイディアも活かしつつ、首都圏をはじめ、全国の消費者に発信して、本道の農業の理解を深めていくため、約2千万円を計上いたしました。また、飼料の輸入依存が課題となっておりますことから、新たに稲を自給飼料として活用する取り組みを推進するなど、経営基盤の強化を図っていく事業に約480万円を計上いたしました。
最後に、アドベンチャートラベルの推進についてであります。昨年9月に開催されましたATWS、アドベンチャートラベル・ワールドサミットにつきましては、関係者の皆さまに道内各地のポテンシャルを感じていただくとともに、今後の課題も把握することができました。来年度は、こうした成果を生かして、70兆円を超える市場規模を有する需要を取り込むため、専門知識を有する海外トップガイドによる研修などの人材育成や、ATツアー商品の造成などに向け、合わせて約2億円を計上いたしました。
以上、重点政策について説明させていただきましたけれども、こうした政策を着実に進めていくためには、限られた財源をより効果的、効率的に活用して、実効性を高めながら取り組んでいく必要があります。令和6年度は、歳入歳出のギャップ、いわゆる収支不足額が490億円と見込まれましたことから、360億円規模の収支対策を講じた上で、財政調整基金を活用して対応するという形となりました。また、これは重要なのですけれども、予算金利の引き上げということで、これを反映いたしまして、国の算定予算金利が、1.1パーセントが1.9パーセントということになりました。これを反映して、今後10年間の収支不足が拡大するという厳しい状況となったところでございます。令和6年から9年度の実質公債費比率は、減債基金への積み立て等によりまして、前回試算から改善いたしました。(モニターを指して)前回の試算がこの点線なのですね。今回がこういう線になっていますけれども、前回の試算で言っても、令和8年をピークに、早期健全化基準25パーセントに非常に近づくと、それが令和8年だということで、一生懸命頑張ってきたのですね。そのことによって、当初予定分は減じることができたのですが、もう既に確定してる分の金利が1.1パーセントから1.9パーセントということで、国が予算金利をやった(引き上げ)ことによって、(モニターを指して)ここ(令和6~9年度)はいいのですけれど、こっちのほう(令和10年度以降)がですね、実質公債費比率が悪化するという状況になります。ですので、これはですね、大変厳しい状況が予想できるということです。ただしですね、これは今申し上げたように、この金利も、今まで1.1パーセントだったのが1.9パーセントということで、国の予算金利が設定されているのですが、この金利についても、機械的な推計として置いていますから、当然、この金利の今の状況を考えたら、1.9パーセントという状況ではないのですけれども、こういった影響を大きく受けるという状況があります。
こうした状況を踏まえますと、やはり財政の健全化に向けた継続的な取り組みが重要だというふうに考えています。事務事業の精査、歳入のさらなる確保、そして減債基金への積み戻し、これを今、継続していますけれども、こういったものなど、これまで行ってきた取り組みを全庁一丸となって進めていかなければならないと思っています。さらに、財政健全化に向けた職員の意識の徹底につなげていくために、イノベーション推進監という形で、新たな職を設置して、ペーパーレス化もそうなのですが、さまざまな働き方改革といったものを進めるほか、これは新たに、振興局も含めて全庁的に全ての契約の業務を、積極的な一斉点検を実施したいと思っています。これは多分、今まで歴史上やったことがないと思いますが、全ての契約を点検していくといった道庁のイノベーションを推進していきたいというふうに思っています。こうした財政健全化の取り組みも進めながらも、実効性のある政策を効率的、効果的に推進していくために、道庁組織の充実強化を図っていきます。主なポイントはそちら(スライド)に記載をしていますが、具体的には、国際交流とプロモーション、これは今まで別だったのですが、これを一体的に推進していこうということと、外国人材の確保、定着の促進に向けて、新たに「グローバル戦略推進監」を設置すること。また、持続可能な食料システム構築に向けて「食の安全・みどりの農業推進監」の設置と、森林と海洋の環境変動への対応などを推進する「森と海の未来づくり推進監」を設置いたします。そして、先ほど申し上げたような「イノベーション推進監」、これは、業務改革等を分野横断的な視点で推進しようということで、新たに設置するというものです。このほか、地域振興や災害対応などの推進体制についても、強化させていただきたいと考えています。
以上、この政策は21日から始まる第1回定例会におきまして、ご審議いただくということとしてございます。私といたしましては、北海道をさらに前に進めていくために、こうした重点施策を着実に推進して、新たな総合計画が目指す確かな未来をつくっていきたいというふうに考えております。
私からの話題のお話は以上であります。
記者からの質問
(北海道新聞)
この重点政策の中で欧米でのプロモーションという項目の部分なのですけれども、これは知事自身がやはり、ニューヨークですとか、ベルギーとかに行きたいというふうに考えていらっしゃるのでしょうか。
(知事)
私が行くことも含めて、効果的に対応することを念頭に置いてですね、今後、相手のある話でもあったりもしますので、そこは考えていければというふうに思っています。
(北海道新聞)
行きたいというご自身の意思はあるのでしょうか。
(知事)
重要な取り組みだからこそ、重点的に政策議論の中でも議論させていただきました。私としては、そういった政策への思いをもって予算議論をさせていただきました。ただ、私が行けるかどうかというのは、さまざまな事情も含めてありますので、そういった思いの上でですね、今後も議論していきたいなというふうに思っています。
(NHK)
予算全体の話として伺いたいと思うのですけれども、コロナもこの間あり、去年は2期目となる統一選の選挙もありまして、事実上、コロナが終わった後の本格的予算というのが、今年の位置付けなのかなというふうに思っておりますが、一方で、私個人の率直な思いとしては、今回の当初予算案を見たときに、将来的な北海道のあるべき姿みたいなものというものが、いまいちはっきりと見えきれないところがあるなとちょっと感じていて、昨日の予算レクをしていただいたときにも、いわゆるいろいろなPRとか魅力発信とか、プロモーションというのを事業としてするのだけれど、そのプロモーションなどをやった後に、どういう政策効果として、北海道にこういう未来のビジョンが見えてくるとかという話ということが、なかなか聞かれなかったというところが、ちょっと残念だなというふうに思っていたのですけれども、知事として今後3年間、少なくとも知事としてお勤めになると思うのですけれども、今回の当初予算、最後の言及にもありましたけれど、今後10年間を見据えた1年目としてというお話もありましたが、今回の当初予算案で、将来的な北海道、どのような北海道の素地をつくっていきたいと考えているのか、その思いをぜひ聞かせていただければと思います。
(知事)
今お話がありましたけれども、この予算編成にあってもですね、コロナの影響をかなり受けた中での予算編成を、これまで複数年にわたって行ってきたわけでありますが、12カ月(通年の予算)ですね、そういったコロナの対応が変更された中での編成作業という形になりましたので、そこは各部局との議論、また視点においても、そこは非常に議論したところであります。社会経済情勢といったものに機動的に対応していかなければいけない。また、地域の課題も踏まえてですけれども、世界を含めた動きが急速にいろいろ変化している中で、対応していかなければいけないということがあります。さらに、まさに議論していますけれども、総合計画を進めていく1年にもなるわけであります。その中で、今、将来的に道民の皆さまが、何と言っても179市町村あるわけですけれども、安心して住み続けられる地域、このことに対する思いが、道民の方々からですね、そこに対する要請がやはり非常に強いです。ここの点。さらには、やはりコロナの状況も変わってきた中で、先ほどの他社さんのご質問にもございましたが、北海道の魅力を世界にしっかりとお届けしていくのだと、そういう二つの視点を持って、(予算編成)作業に当たらせていただきました。私も、知事の2期目に入りまして、北海道のポテンシャルを最大限発揮し、北海道の価値を押し上げていくのだということを、お訴えした中で、今日、仕事をさせていただいておりますので、そういった視点に立って、今後とも、予算の議論、さらには新たな政策、こういったものを進めていきたいというふうに思っています。
(NHK)
追加というか、一番最後にちょっと言及のあった、さらに前に進めて確かな未来をつくるという、キャッチフレーズ的なお言葉があると思うのですけれど、今、知事が考えている確かな未来というものの、何となく具体化しているイメージみたいなものはどういうものがあるのかというのが、もしあれば、教えていただけるとうれしいなと思います。
(知事)
私は、かねてから申し上げているのはですね、北海道は非常にポテンシャルがあるということで、全国の皆さんから、さまざまなお話をいただくわけです。今、急激に変化する世界の情勢や社会変化の中では、やはり食もエネルギーもデジタルも、北海道に対する期待、また実際の最近の動き、政府の決定の動きも含めてですけれども、今まで十分に果たしきれなかったポテンシャルが発揮される時代が、まさに今、訪れていると。ただ一方で、足元はさまざまな地域の課題もありまして、地域の皆さんとしっかり連携しながら、住み続けられる地域をつくりつつ、社会変化にしっかり対応して、今まで発揮しきれなかったポテンシャルをしっかり発揮し、まさに国内のみならず、世界からも北海道がより価値ある存在として、投資も含めてですけれど、北海道の価値が発揮される、そういった道政運営をしっかりしていきたいと思っています。その上で、各部局ともさまざま議論させていただきましたので、まずは今後、これから議会で審議いただく中で、さまざま議論させていただければと思っています。
(読売新聞)
今回の予算に関しまして、人口減少の観点からお尋ねしたいのですが、人口で言いますと主な施策の中に、関係人口の創出、メタバースとかスポットワーカーとか非常に興味深い取り組みだと思うのですけれども、あと地域おこし協力隊の話も多分、(令和)5年度の目玉だったと思うのですが、継続してやられるということで、そういった感じで人口に関する取り組みがあるのですけれども、例えば出生率そのものをこう伸ばすとか、移住、定住をより進めるという結構根本的な対策というのを、当然どの政策とか事業も最終的にはそこに絡んでくるものもあると思うのですけれども、その根本的なものを増やすためにどういうふうにやっていかなければいけないというか、今回、来年度、6年度どういうふうに進めていくのかという思いを聞かせていただければと思います。
(知事)
今のご質問は非常に重要なご質問だと思っています。まず、今年度、先ほど申し上げた新たな総合計画、そして(創生)総合戦略の策定に向けて取り組んでいます。人口減少については、この場でも何度かご質問などもいただいていますけれども、自然減と社会減ということでありますけれども、この両面から幅広い分野にわたって、粘り強く取り組んでいかなければならない重要な課題であるというふうに考えています。そして、この問題はわが国全体として、少子化をはじめとする人口減少問題は、まさに今、通常国会が始まりまして、大きなテーマになってくると思いますが、今、国では「こども未来戦略」という形で、全ての子ども、子育て世代のライフステージに応じて、切れ目なく支援するということなど、前例のない規模で少子化対策に取り組んでいくこととしています。道としても、児童手当の抜本的拡充、そしてこども誰でも通園制度ということで、取り組んでいくこととしています。その中で今、課題になっているのが、例えば保育士をどうやって確保するのかですとか、この誰でも通園制度ということをやるにしても、人がいりますよねということで、今回、保育士の関係も計上させていただいていますけれども、こういったものを取り組んでいきます。本格的な国の方向性というのも、財源も含めて、これからさらにまたいろいろ議論が行われていくというふうに思うのですが、道として今できることとして、まずはこの令和6年度の当初予算においては、子ども応援社会の実現に向けた出産・子育て応援事業に6.2億円を計上いたしました。そして、国内外から多様な人々を呼び込み、地域を支える人材の確保に向けたUIJターン新規就労支援事業に1.3億円、そして先ほど申し上げた外国人材の受け入れの定着の促進に3千万円を計上し、先ほどご質問の中にもあった関係人口の関係、地域おこし協力隊も4千万円計上しています。こういったいわゆる人口減少問題に向き合うための、安心して住み続けられる地域づくりなどの関連予算は、全体で644億円の措置をしているところであります。まず、こういった取り組みを粘り強くしっかりと進めながら、国の動きも注視しながら、道としてしっかり対応していきたいというふうに考えています。
(読売新聞)
追加で、ちょっとさっきの他社さんの質問とも、少し重なる部分があるのですが、これまで、どの都道府県もそうだと思うのですけれど、北海道も多分、コロナが明けて通年で初めての予算になると思うのですが、これまで知事、1期目も含めて、コロナの対応というか、そういったところに結構時間とか割いてきたということもあって、割と今までも結構、その課題とかに対応する守りというか、そういったもののウエイトが大きかったと思うのですが、知事の中でやはり今回の予算というのは、先ほど言っていたPRであったりとか、そういう攻めの部分も、5年度以前に比べたら、より大きくなっているのかなという印象なのですか。
(知事)
制約がそもそも多かったですから、人の移動とかに制約もありましたし、さまざま各部局も取り組みをしたい、またその予算として計上しながらも、条件付きの中で、なかなか当初予定していたような形の取り組みができなかったりだとか、そういったところも正直ありましたので、先ほど申し上げたような状況の中で、12カ月フルで行っていくに当たたっての検討をしていただきました。ですから、それは大きな変化だと思っています。そういう制約が、今、コロナがなくなったわけではないですが、ただ、対応が移行したことによって大変変化した状況を踏まえて、例えば国内外から人を呼び込もうといっても、今まではなかなか取り組みが難しかったのですけれども、先日終わった(さっぽろ)雪まつりでも、本当に多くの方がお越しになられていましたけれども、そういった呼び込みだとか、人の移動促進をしていくためのプロモーション。そして、交通機関の利用の部分も促進ということでも、なかなかそこが連動して難しさがありましたので、こういったことも取り組んでいくと。さらには、やはり国内のみならず、国内外から産業や投資を呼び込むということで取り組んでいくということ。そして、食や観光に加えて、やはり北海道のビジネスの優位性を世界に発信していく。今までは食と観光の部分がどうしても中心で、これもものすごく強みなのですけれども、やはりビジネスの優位性というものを、ぜひ発信していくことなどですね、この1年を、12カ月を見通した中での効果的な内容、そして時期というものを検討しながら、この政策をぜひ進めていきたいなというふうに思っています。
(日本経済新聞)
二点お伺いしたいと思います。まず一点目、半導体関連なのですけれども、令和6年度は1億円余りを計上され、複合拠点化事業ですね、企業誘致に向けた取り組みですとか、セミナー等やられますが、今年度の規模が1億円というのが、昨年度実額ベースで比べるとですね、昨年の令和5年度からややちょっと少なくなっているというところもあり、知事はこれまでもですね、国、北海道、また千歳市と役割分担をしながら、複合拠点に向けて取り組んでいかれるということをおっしゃっていましたが、今後ですね、道としての役割というのは、今回、この令和6年度予算に載っているような、やはりこのセミナーであるとか、出張授業だとか、こういったところが主体になっていくのか、もしくは今後、令和7年度以降ですね、工場が完成していく頃には、またさらに新しい役割というかインフラ整備ですとか、そういったものが道の役割として想定されているのか、今後の半導体産業の支援について、伺えればと思います。
(知事)
これはですね、今、予算上の話で、半導体関連で言うと、約22億8千万円を計上しているのですけれども、さらに、今ハードの話がありましたけれども、なかなかこれは見えにくさがあるのですけれども、まずは当然のことながら、2025年のパイロットライン、27年の量産開始に向けて、来年度は重要な年になります。インフラで、水の供給の部分で言うと、企業局で整備することになっていますが、こちらは約24億円の対応を行っていくという形になります。当然、費用は同社(ラピダス社)が負担するという整理をした上でやっていきますけれども、マンパワーも含めてですね、これもかなり対応していかなければいけません。また、千歳市の道路整備のうち、JR千歳線をまたぐ跨線橋と、その前後の道路につきましては、建設部のほうで受託工事で実施しますので、こういったハード面につきましては、それぞれ億単位の対応が当然のことながら必要になってきます。また詳細については別途、お話しできればと思っていますが、こういったハード面の取り組みがあります。国とラピダス、また千歳市、道の中で、関係者がしっかり連携して、必要なインフラを、非常に時間が短いわけですから、しっかり役割を果たしながらやっていかなければいけないというふうに思っています。
また、道として、ビジョン(北海道半導体・デジタル関連産業振興ビジョン)を策定していくところでありますので、このビジョンの下で、今回の当初予算におきましては、製造、研究、人材育成等が一体となった複合拠点の実現に向けた取り組みとして、これはソフト事業という話になりますけれども、半導体エコシステムを構築するための半導体に詳しいコーディネーターの配置をやっていきます。また、産学官関係者によるネットワークの構築、強化を図っていきます。それと、半導体関連産業の集積に向けて、今年度に引き続きでございますけれども、国内外の半導体関連の展示会への出展、そして道内企業の参入促進を図るビジネスマッチングセミナーも、回数を増やしてやっていきます。さらに、先ほどもお話ししましたけれども、高校生を対象にした出前講座に加えて、小中学生を対象とした半導体への理解を促す体験教室を新たに実施していきます。そして、14振興局全ての地域で、道民の皆さまの理解を深めるためのセミナーも開催していきます。これらのさまざまな半導体関連予算としての規模が、22億8千万円という状況でございます。
そして、海外のほうですけれども、海外企業等の進出につきましても、さまざまな動きが出てきています。そういった動きをですね、まさにプッシュ型でプロモーションを展開していくことが重要だというふうに考えておりますので、半導体関連では、台湾で開催される半導体関連の展示商談会にも初めて出展して、北海道の立地環境をPRしていきたいと思っていますし、道が目指す複合拠点の実現に向けた先進事例として、例えばIMEC(アイメック)やニューヨーク・クリエイツなどを訪問するということも検討していきます。今申し上げたようなソフト、ハード両面でですね、さまざまな取り組みを通じて、複合拠点の実現を進めまして、北海道全体の経済の活性化、そして持続的な発展につなげていきたいというふうに考えています。
(日本経済新聞)
今、知事がおっしゃったIMECやニューヨーク・クリエイツへの訪問というのが、先ほど他社さんの質問もあった、知事もそういったところに訪問されることも検討されているという理解でいいのでしょうか。
(知事)
これですね、ちょっとわかりにくいのですけれど、一応、別で計上しているのですよ。なので、当然、私もさまざまな形で考えていきますけれども、実務レベルというか、いろいろな形でも対応していきたいというふうに考えています。
(日本経済新聞)
二点目の質問に移ります。先ほど知事からもご説明があった、財政状況の点なのですけれども、おっしゃるとおりこの先、金利が上がっていく中で、実質公債費比率が上がっていくというふうなご説明でしたが、先ほどの資料にもありましたとおり、今年の財源の不足額が、最終的にマイナス130億円、これを基金のほうから、財調の基金から取り崩してというふうに説明を受けているのですけれども、財政調整基金ですね。取り崩されるとのことですが、財政調整基金も130億円が減るとですね、(残額が)230億円ほどになるかなと思いまして、元々400億円台、知事の1期目の前半の頃に積み上がっていた金額からすると、かなり減ってきたなという感じがするのですが、今後ですね、この財調がさらに減っていくリスクはないのか、また、おっしゃっていた財政収支の改善も含めて、基金をなくさないというかですね、そうするためにどのような取り組みを考えられているのか、今、お考えを伺ってもいいでしょうか。
(知事)
やはりこの財調は、500億を目標にわれわれは取り組んでいまして、私が就任したときが、確か財調は90億ぐらいだったのではなかったかな。これはまずいということで、それで財調をやはりしっかり積んでいくということで、今まで減債基金の積み戻しもやっていなかったので、そこは年度当初に30億円(積み戻しを)やりながら、やっています。実質公債費比率のさらなる悪化を改善するということで、もうみんなで懸命にやってきたのですけれど、金利が1.1(パーセント)から1.9(パーセント)になると、このインパクトがものすごい大きいです。さらにそれは、今のお話で過去にあった部分のトレンドが影響を受けるものですから、ただ、そうは言っても、この財調をきちんとやはり積んでいく、私も夕張市で市長をやっていましたけれども、やはりそうしないと、需要に対応できなくなってしまうのですよ。だからそこは、ちょっとやっていきたいなと思っていまして、その中で、やはり意識を徹底していく観点からも、今回、イノベーション推進監(設置)と、全ての契約を一斉点検していくということで、意識も変えていきたいなと思っていますし、また「行財政運営の基本方針」がありますから、そこをやはりしっかりと、全庁一丸となってやっていくことでですね、今ご心配いただいた点は、私は非常に重要なことだと思っていますので、今回の予算説明と、毎回ご説明しているのですが、結構なかなか不都合な真実というか、そういう話なのですけれども、やはり予算編成のたびに、これ(実質公債費比率)をきちんと皆さんに説明して、悪化したのですか、どうなのですかというのを、説明しながらやっているというのが大事かなと思っています。このトレンドが、すごく今までいい形で、右肩下がりになるように頑張ってきたのだけれど、金利の影響でこういう状況になっていますので、ここはやはりより意識してやっていかなければいけないなというふうに思っています。
(北海道新聞)
今の他社さんの質問に関連する形で伺います。契約業務の積極的な一斉点検を、道庁として初めて行うというお話がありましたけれども、これはどのレベルの契約業務まで見直すのでしょうか。
(知事)
点検は全ての契約を対象にやりたいと思っていまして、効果的な手法などについていろいろ検討しますけれど、本庁でやっている契約よりも振興局の契約件数が圧倒的に多いのです。ですので、全体で考えるとものすごい契約件数なのですよ、年間契約件数は。だからそこで、契約における課題もいろいろありました。そういうこともありましたし、基本的には予算を組んで、執行するときに契約するではないですか。契約してやっていく、そういう意味では、契約の全てをみんなで確認していく。今回、例えば契約にあってもですね、いろいろと価格高騰しています。人件費とかも上がってきたりとかして、適正な価格で役所として発注していかないと。それは民間も大変ですよという状況も当然あります。そういうこともやはり、みんな確認しなければいけませんし、あとは、効率的な契約のあり方とか、いろいろな形の部分で、契約件数が全体ですごく多いものですから、監査機能とか、いろいろなのがあるのですけれど、それぞれは点検しているのです。ですので、そこはやはり、一斉に点検というのは、今までやったことないものですから、そこはみんなで意識をしっかりと持ってですね、取り組んでいこうということで考えています。
(北海道新聞)
もう一点、実質公債費比率は、今回、試算が変わる前まで順調に減っていたと。先ほど知事もおっしゃった「行財政運営の基本方針」は、確か今年度までで一応区切りがあったのかなと思っているのですが。
(知事)
(令和)7年度まで。
(北海道新聞)
その後、今回の金利引き上げによってですね、令和15年ぐらいまで、ちょっと悪化する見通しなのですけれども、令和7年度以降も、新たなそういう方針等を定めるお考えはありますか。
(知事)
これは不断の努力をしながらも、基本方針に基づいてやっていますから、当然、6年度、7年度とやっていく上でも、不断の見直しをしていきますけれども、また新たなその後の方針も決めていくわけですから、その上で、いろいろな内容を点検していくというのが、やはり大事なのかなと思っているので、職員の皆さんにご協力いただきながら、これは大変な負担なのですよね。ですので、ご理解いただきながらやっていきたいなというふうに思っています。こういう状況にもあるよということをみんなで共有しながらですね、意識を持ってやっていきたいなというふうに思っています。
(共同通信)
鳥獣対策の個別事業についてお伺いしたいのですけれど、ヒグマ対策に7千万円、ハンター確保事業に1600万円盛り込んでいると思うのですが、この辺りについて知事の考えをお聞かせください。
(知事)
これは昨年末もいろいろな方からインタビューもいただいてですね、ヒグマについては(対策の)抜本的な強化を図っていかなければならないということで申し上げました。その中で、国も指定管理鳥獣に指定するということで、(環境)大臣がお話しされまして、その方向性が示されました。道としても、人とヒグマの軋轢の抑制、共存に向けた抜本的な対策を講じていく、そういう意味での大きな節目の年になるというふうに思っています。道としての予算の中で、ヒグマ対策費として、春期管理捕獲の経費に対する補助制度を盛り込むなど、今年度、令和5年度(当初)と比べると1.6倍の予算になりますけれども、ヒグマ対策推進費を計上いたしました。それとやはり大事なポイントは、まだ国として、なかなか手を打てていないところでもあるのですが、新たな狩猟者の育成、確保はですね、やはり道内だけではなくて、道外からも来ていただいて、さまざま鳥獣被害の対策を、ハーフライフル銃の関係でも議論がありましたけれど、2割の方が来ていただいていることを考えると、新たな狩猟者の育成、確保に予算を計上いたしました。これは1600万円計上しています。
さらにですね、今後、指定管理鳥獣の指定が具体的に展開されていくということがあるかと思いますので、こういったわれわれが独自に、国の動きの前に行っている春期管理捕獲をはじめ、生息実態調査、捕獲従事者の育成、北海道だけではなくて東北も含めてですね、さまざま取り組んでいますので、こういったことを支援いただけるように、この点は東北と連携して要請すると話していましたが、東北の皆さんと調整がついたということなので、明日にでも東北の各県の皆さんと、国に対して要請したいというふうに考えています。これは、ちょっと私は行けませんので、事務レベルの対応になると思いますけれども、これをやっていきたいと思っています。道としても、専門家の皆さまのご意見もお伺いしながら、ヒグマ管理計画の充実に向けた見直しも進めて、今申し上げたような当初予算、しっかり取り組んでですね、道民の皆さまの安全、安心確保に向けて、抜本的なヒグマ対策の強化に取り組んでいきたいと考えています。今申し上げたことは、この後、情報提供をいたします。
(広報広聴課長)
東北各県と調整の上で、あらためてお知らせいたします。
(知事)
岩手県があれだよね。
(広報広聴課長)
岩手県が(北海道東北地方知事会)会長県でございます。調整でき次第、お知らせいたします。
(北海道新聞)
半導体関連事業に関してお伺いしたいと思います。知事は昨年の知事選以降、ラピダスの進出の経済効果を全道に波及させていくと、道民に約束してきたと思います。今回の予算では、先ほどおっしゃったように、全道への波及の事業として、コーディネーターの配置などに留まっていると思いますけれども、全道に経済効果を波及させていく施策として十分というふうにお考えでしょうか。
(知事)
まず、これはビジョン(北海道半導体・デジタル関連産業振興ビジョン)の中の議論でもありましたけれども、今、ラピダスが、まだパイロットラインが稼働していなくてですね、2025年にパイロットラインを稼働して、2027年に半導体の量産をスタートする。これをまずしっかりやらなければいけないということがあります。その上で、ただそこを待ってどうこうということではなくて、人材の育成や、いろいろなことをやっていかなければいけませんから、先ほど申し上げたような全道でのさまざまな展開をしながら取り組んでいきたいと思っています。ビジネスマッチングセミナーも道内企業の関心が非常に高くてですね、自分も関連産業に取引機会が得られるかもしれないということで、興味を持っていただいている方々も多いですから、そういった点についても、回数を増やして取り組んでいくなど、全道でさまざまな形で波及効果を得るべく、取り組みをしっかり進めていきたいなというふうに思います。
(北海道新聞)
今の話だと、全道への経済波及というのは、パイロットラインの稼働後に本腰を入れていくというようなことをお考えなのでしょうか。
(知事)
それは、今申し上げたように、並行して当然やっていかなければいけないというふうに思います。ただ、産業として、まずラピダスがきちんとパイロットラインを稼働させるとか、量産を開始するというのが大事でして、周辺に製造にかかる集積も図られていくというのも、そこと同時に進行していきますので、そのスピード感と並行する形で、さらに波及効果を高めていくということが、まずは重要かなというふうに思っています。
(北海道新聞)
別の質問なのですけれども、今説明された重点政策のポイントの中に、知事が政策の柱に掲げているゼロカーボン北海道に関する項目が入っていなかったと思います。今後、GX(グリーン・トランスフォーメーション)の推進などを考えると、これは非常に重要な施策になると思うのですけれど、なぜこの政策のポイントに盛り込まなかったのか、理由をお伺いしたいと思います。
(知事)
ゼロカーボン北海道は、GX、またそういった投資という意味では、ラピダスをはじめとしてですね、さまざまな投資案件について積極的に取り組む、展開するという趣旨では、お話しさせていただきました。ゼロカーボン北海道という単独の切り口の中でご説明するというところが、時間の関係上もですね、十分ではなかったところはあるかもしれませんが、当然のことながら、ゼロカーボン北海道という大きな政策概念の中で、さまざまな事業が位置付けられていますので、今後とも取り組みをしっかり進めてですね、環境と経済の好循環を実現していきたいというふうに思っています。ちなみに、基金においてはですね、住宅分野の脱炭素化を進める住まいのゼロカーボン化推進事業ですとか、市町村や企業が連携して自立分散型エネルギーシステムなどの導入支援を行うゼロカーボン地域プロジェクト支援事業、藻場保全活動等をモデルとして吸収量の算定などを行う北海道ブルーカーボン推進事業、こういった合計29の事業に約18億円を充当して事業を実施します。また、新年度、札幌市などと共同で設置したいと考えているGX金融・資産運用特区準備協議会の事業等について、道として約6708万円を計上しています。こういった特区に係るGX関連産業の集積に向けた取り組みも進めてですね、環境と経済が好循環するゼロカーボン北海道は重要ですので、これをしっかり進めていきたいなというふうに思います。
(北海道新聞)
今の説明だと、時間がなかったから説明できなかった、説明しなかったということなのですか。
(知事)
そういうことではないのですけれど、ゼロカーボン自体はですね、先ほど申し上げたような半導体のGX投資も含めて、重要な取り組みだとは思っていますので、今後ともしっかりと議会の議論、また道民に対する理解促進、これはやっていきたいなというふうに思います。
(北海道新聞)
今ちょっと基金の話もあったと思うのですけれども、見た感じですね、前年と結構同じような事業も多いのかなと思ったのですけれど、今回、予算の中で、基金を創設したからこそ実現できた、盛り込めた事業というのは、この中にあるのでしょうか。
(知事)
まさに29事業、18億円ですね、基金で実施するという形でありますので、それぞれの中身などについては、それぞれ新たな提案などもある中で、取り組みを進めていきますので、そこは事業を実施する中で、道民の皆さまにですね、この基金の趣旨、また事業の効果、そういったものをしっかりご説明、ご理解いただきながら、共感を得ながらですね、取り組みを進めていきたいというふうに思っています。
(北海道新聞)
見た感じ、あまり前年と変わらない事業を盛り込むのであれば、基金を今回創設した必要性というのがいかがなのかなというふうに思うのですけれど、あらためて必要だったのですか、基金は。
(知事)
今申し上げたように、29事業、約18億円充当して事業を実施させていただいています。それは、基金を設置させていただいた中で、さまざまな地域の取り組みの提案だとか、いろいろなものがあって事業実施につながっていることを考えますと、条例の改正ならびにこの基金の創設による効果が、当然のことながらあってですね、事業実施の方向性が出てきているということであります。一部、ご質問のあったような疑問に対しては、しっかり事業実施の中身なども道民の方に説明しながら、理解と共感を得ながら進めていきたいというふうに思います。
(北海道新聞)
最後に一点だけ。先ほど契約業務の一斉点検の話があったと思いますけれども、今回、こういった取り組みをするというのは、昨年、電通とかシグマ社でですね、過大請求問題というのが相次いだということでの再発防止の措置ということでよろしいのですか。
(知事)
そういった点もあるのですよね。ただ、契約形態はさまざまあります。ですので、その全てを基本的には点検していきたいなというふうに思っています。
(北海道新聞)
今回の予算の中での人口減少政策について伺います。すでに道内各地で深刻な人口減少が進んでいる上ですね、先日公表された社人研(国立社会保障・人口問題研究所)の2050年の人口推計も引き合いにすれば、道内人口は380万人で、そのうち札幌市には46パーセントが集中するという状況が見込まれています。知事は夕張市長時代にですね、人口減少時代の新たな視点として、コンパクトシティですとか攻めの廃線を打ち出して、全国的に注目された経緯もあります。もちろん、夕張市は財政健全化団体であることですとか、過去の基幹産業である炭鉱の閉山など、道内他地域に即座に当てはまらないような課題を抱えていた部分はもちろんあるのですけれども、先ほど申し上げたような将来推計を考慮するとですね、決して北海道で夕張市だけが特別とは言えない時代が迫ってきているのかなというふうに思います。そこで伺いたかったのが、今回のこの当初予算の中でですね、知事が夕張市長時代に取り組んだような人口減少に適応していく、人によっては耳の痛いような、もしかしたら政策ですとか事業をですね、重点政策の中でなくても構わないのですけれども、何か特筆すべきようなものを、これからの時代に合わせて、こういうことをやっていくのだというものが、もしあれば教えていただきたかったのですけれども、何かしらありますでしょうか。
(知事)
これは、各市町村長、179市町村長が、非常に問題意識を持って取り組んでおられる共通のテーマです。例えば、コンパクトシティとかいろいろな言われ方がなされていますけれども、中心市街地を設定して、人口誘導を図っていくような政策というのは、(地方)自治を預かる総務省の中でもさまざまな取り組みをしたり、また、国土交通省でも立地適正化の取り組みをしたりだとかしています。まず、基本的には、基礎自治体である市町村の住民から選ばれた市長や議会の中で、自分たちのまちのありようというのは、やはりしっかり考えなければいけないという、当たり前のことなのですけれども、どうしても北海道は広いですよね。例えば広域で連携して、足らずを補っていったりだとか、そういうことが必要な点があります。私も市長のときにですね、夕張市としてはまちの中のことをやるのだけれど、例えば隣の町にこうするべきだとか、そういったことというのは、市長だとか町長さんとかというのは、なかなか難しいのですね。そのときに、やはり振興局とか道が、そういった広域連携のマッチングというか、議論をみんなでしましょうねとか、病院の関係で再編とかですね、交通の問題だとか、あとは防災関係だとか、そういうテーマ別によくやったりとかするのですね。「地域づくり総合交付金」の中にですね、そういった点の取り組みをお支えするメニューがあるのですが、なかなか活用が十二分に図られているかというと課題があります。ですから、この点についてはですね、今回、予算の拡充を全体としてしているのです、「づくり交付金」もですね。それプラス、条例の5年の中での見直しの議論もありますので、一つは職員を派遣してサポートしたりだとか、あとは「づくり交付金」を活用したりだとか、いろいろな形で地域のサポートを、北海道はしているのですけれど、そこはやはり、今回、「づくり交付金」増額をしているのですけれども、それと併せて、皆さんで必要な議論をし、ただ、なかなか自分たちでそれ全部を、なかなか話し合いも難しい中で、サポートしてほしいということに対して、道がですね、そういうメニューがあるわけですから、お支えするなど、そういったところはやはり積極的に役割を果たしていくためには、こちらからもこういうメニューがあるのだよというのをお伝えしていくことが重要かなというふうに思っていまして、そういう議論をした中で、今回、こういう取り組みもしています。ですから、予算上は出てこない人的なサポートとかですね、いろいろなところを、やはり市町村長の、市町村の意見も当然聞かなければいけないわけですけれど、その中で考えていきたいなというふうに思っています。それは来年度ですね、まさに。
(読売新聞)
一点、災害への備えというところでお伺いしたいのですけれども、今回の予算で防災訓練費等というところで組まれていますけれども、道路の損壊ですとか、あと厳冬期の避難所運営等、これまで当然、北海道が想定されているところかと思うのですけれども、あえてこの辺りを予算として計上されたところの狙いとですね、あと能登半島地震を受けて、知事として感じられた北海道の防災の取り組みの不足点、課題等をお知らせいただきたいと思います。
(知事)
今ご質問にもありましたけれど、能登半島地震を踏まえた対応として、庁内議論をしてですね、予算として対応していこうということです。道としては、これまで、市町村、防災関係機関などと連携した、地域における防災教育の充実強化を図るとともに、広域的な物資輸送、そして救助活動などの応急対策を円滑かつ確実に実施するために、今までも、冬期間を含めた実践的な訓練を実施するということなど、自助、共助、公助の観点から、さまざまな取り組みを行ってきました。今後ともですね、こうした取り組みを、不断の見直しを行いながらやっていきたいというふうに思っています。そして、今回の件も踏まえた中で、地域防災計画、避難所運営マニュアルといったものなどについても、適時、適切に不断の見直しを行っていく、そして防災力を強化していく、このことが重要だというふうに考えています。
いずれにしてもですね、多くの方々も、今回の能登半島地震を踏まえた中で、(災害対策の)必要性に対する理解が非常に高まっている中でですね、予算としても計上して、実践的な訓練を実行し、多くの方とその課題も共有しながら、防災力を強化していきたいというふうに思っています。
(HBC)
いわゆる核のゴミの最終処分地選定の件でお伺いいたします。先日13日に、NUMO(原子力発電環境整備機構)のほうが文献調査の報告書案を公表いたしました。知事のほうからもペーパーベースでコメントをいただいているのですが、あらためまして、公表されたことと、内容について受け止めをいただけますでしょうか。
(知事)
文献調査の報告書案ということで公表されました。道としては、高レベル放射性廃棄物の最終処分事業については、原発の所在の有無に関わらず、国民的な議論が必要な問題ということであり、全国の、できるだけ多くの地域において、理解と協力が得られるように、文献調査報告書の内容に関する説明会については、道内だけではなくて、全国で展開するべきであるということを、国やNUMOに求めてまいりました。その上でですね、(説明の)期間などについても、国のほうで対応を変更されたということです。そして、これは繰り返しですけれども、今回、文献調査報告書案が公表された中で、各テレビだとか新聞だとかで、このニュースが取り上げられていますけれども、ほとんどの皆さんがですね、取り上げていただけないのですけれども、幌延町においては、全国で唯一、深地層研究を受け入れているのです。そして、北海道は受け入れにあってですね、さまざまな議論があった上で、道内に処分地を受け入れる意思がないという考えに立って、条例が制定されているということがあるのです。この点、なかなか十分に全国の方々に、まずその前提をですね、ご理解いただく、そういった報道がなかなか難しいという状況もありますので、ここはやはり重要なことだと思っています。そして、この条例制定の趣旨を踏まえて、仮に概要調査に移行しようとする場合は、現時点で反対の意見を述べる考えということでコメントさせていただきました。
そして、報告書案ですけれども、私、記者会見で、そういったことはどう盛り込まれるだろうなということで申し上げた中でですね、幌延町で深地層研究を受け入れているということと、その受け入れにあって、不安と懸念があって条例が制定されたと。それと、(寿都町と神恵内村で)対話の場が開催されているということもですね、記載されるかわからないということでしたから、それはどうなのだということを申し上げましたけれども、対話の場が開催されて、多様な対話が重ねられているという記述がありました。この深地層研究と条例に関しては、注意書きというか説明みたいな形で、「はじめに」の本文のところ、この条例はこういうことですということで、注意書きに記載されていたので、もっとわかりやすく記載してほしいなというのは、私も読んで思いましたけれども、そういった(形で)書いてありました。それで、これはどういうことで書いてくれたのですかということで聞いたらですね、私が記者会見で発言したから、それを踏まえて書いたということなので、私が言うまでもなく、それは書くべきであってですね、そういうことは率直に思いました。
そして、私としては、報告書の説明会を通じて、全国の方々に、やはりこの北海道の状況と、地域のさまざまな意見などを知っていただくということを、やっていただきたいなというふうに考えています。例えば、仮に概要調査に移行しようとする場合は、条例制定の趣旨を踏まえてですね、道としては、現時点で反対の意見を述べる考えであるということで、知事が、私が繰り返しここでも言っているし、いろいろな場面で言っているのですけれども、そういったところは一切書いていないですね。ですから、例えば、文献調査の(報告書)案では、説明会に参加された方は、北海道がどういう状況で、そういう議論が行われているのかということがわからないですね。ですから、そういうことをわかった上で、その説明を聞かないと、例えば、エリアとしてはここが可能ですという、そのことだけを説明したら、では北海道でやればいいではないですかという話で、ですから、やはり、きちんと客観、中立、公正な内容を、ぜひ説明していただきたいなというふうに思っていますし、これは、しっかり伝えていきたいと思います。私の会見を見てくれているみたいですから、多分、また見てくれているのだと思いますので、それを盛り込んでいただきたいというふうに考えています。
また、先日のワーキンググループでですね、報告書の内容に関して、具体的審議が行われなかったということで報告を受けているのです。今後、ワーキンググループのほか、さらなる幅広い分野の方々で構成される特定放射性廃棄物小委員会というのがありまして、こちらでも審議されるというふうにお伺いしていますので、このワーキンググループと小委員会では、地域で対話が行われて、まさに2年以上やってきたわけで、要はそれが何も書いていないのでは、それは多分、地域の人にとっても、何のために議論してきたのだろうなということになってしまいますし、私も繰り返し、考えも述べてきているけれども、それも一切入っていないのであれば、議論する上での基礎的な(記載が無ければ)、なかなか中立、客観、公正なディスカッションができなくなってしまう可能性がありますからね。ですから、そういったことを記載していただくということが大事かなというふうに思っています。
(HBC)
全国での説明会という部分に関しては、知事は、道からの要請もあって、報告書案の「はじめに」の文にも、全国での説明会というのが記載されている部分があったと思うのですけれども、僕のほうでも国の担当者に尋ねたのですが、頻度ですとか時期、場所、どこでどれぐらいやるかということは、まだ決まっていませんというお話だったのですが、知事としてはこの辺り、例えば、どういった、どれぐらいの箇所で、どういったスパン、期間でやるべきであるとお考えでしょうか。また、先ほどのお話にもありましたが、その説明会の中でどういうことに触れてほしいというのも、あらためてあれば教えてください。
(知事)
これは以前もお聞きしましたけれど、当然、説明会をどういった規模でやるのかというのは、まずはNUMOや国のほうのお考えの中でですね、どういうものが考えとして示されるのか、それを踏まえて、必要な対応はしたいなというふうに思っています。そして、話してもらいたい内容というのは、先ほど言った点ですね。やはり対話の場があったわけですから、そこでどういったことがあったのかとかですね、また、日本で初めて文献調査が北海道で行われた中で、いろいろなご意見がありました。ですから、そういった状況について、やはり皆さんにお話ししていただかないとですね、ここの部分が文献で調べたら大丈夫そうですよと、それだけ説明すると、ちょっとそれは客観、中立、公正な中で、事実関係を背景として、みんなで議論するということになかなかならない可能性がありますから、そこは非常に重要だということで、多分、(国で)受け止めた上で、今回の案に少し記載されたのだと思いますから、そこは引き続き、私は注視していきたいなと思っています。
(北海道新聞)
関連して、先ほど、知事は対話の場で出た意見というのを、報告書に盛り込むようにという形で、先週の会見でもおっしゃっていたと思うのですけれど、実際に多様な対話が重ねられていると、対話の場で、そういう記述はあったと思うのですけれど、その意見の中身というのが含まれていなかったと思うのですよね。そこについては、やはり、報告書の中には盛り込むべきだというようなご認識なのでしょうか。
(知事)
さまざまな意見があったというか、そういうような趣旨の表現は、確か入っていたと思うのですが、それはどういう中身なのかというのは分からないですね、あれだと。あともう一つは、現時点で反対の意見を述べると、私、繰り返し申し上げているのですけれども、それも何も書いていないのです。ですから、どういう状況でこの文献調査というのが行われたのかというのが分からないと、小委員会もワーキンググループだって、確かに地層とかそういうことで、専門的にやるのだけれども、結局、住民の理解がどういう状況なのかとか、次(概要調査)に行くときには、知事の意見を聞くということになっていますから、それがどういう状況になっているのかというのを、みんなで共有しないと、そこはなかなか議論ということは、難しいのではないかなと私は思うのですよ。だから、そこは一定程度そうだなと思ったから、この案に多分書いたのだと思います。今、ワーキングで具体的には議論されていないのですよ。だから、これからそういう議論がされるのだと思いますけれども、あと小委員会のほうがありますから、これはいろいろな分野の方が入っていますから、そういうところでの議論をどう進めていくのだろうというところは、やはり注視していかなければいけないなというふうに思っています。
(北海道新聞)
これは成案化されるまで、まだいろいろと議論が重ねられてくると思うのですけれども、今回の案が出たことで、先ほど知事が言ったように、知事が現時点で反対しているということだとかが盛り込まれていないということを踏まえて、経産省のほうに何か要望を出されるようなお考えは、今あるのでしょうか。
(知事)
これはもう、今さまざま言っていますよ。今、私が言ったようなことは、会見でも言っていますし、事務的にも言っていますし、これはしっかりまた言っていきます。
(北海道新聞)
要望を出すとかではなくて、今おっしゃったことを口頭で。
(知事)
要望も出しますよ。それは当然。
(北海道新聞)
要望書みたいな形で。
(知事)
こうやって公の場で言っているわけですし、事務的にもやっていますし。またきちんと正確に、私の言葉足らずもありますから、きちんと事務的にも整理してですね、お伝えしなければいけないと思いますから。
(毎日新聞)
文献調査の報告書案のことで伺いたいのですけれども、今回というか、最終処分地で避ける場所として、比較的新しい年代の断層とか火山が挙げられていたと思うのですけれども、そういった新しい年代の火山や断層に該当するかどうかということで、そもそも専門家の方の意見が分かれている場所というのが何カ所かあると思うのですけれども、今回の報告書案を見ると、意見が分かれているところも候補地として残ってはいるのですけれども、この点について、専門家の方というか慎重な方ですと、やはり安全性を重視する面では、やはり残すのではなくて、除外する方向のほうがいいのではないかという意見もあるのですけれども、この点について知事はどのようにお考えでしょうか。
(知事)
だから、そういった両方の意見があるというのを、きちんとやればいいのではないですか。だからそれをやってほしいですよ。いろいろ意見があるわけですから。一様ではないのですね。ですから、そういうことをきちんと対話の場とか、いろいろな場で(共有する)。唯一、文献調査をやった中で、いろいろな意見がありました。だから、それをきちんとみんなで共有した上で議論しないと、情報が限定的な中で、皆さんがワーキンググループとか、小委員会でお話し合いをしてもですね、そこは客観、中立、公正に、やはりやっていかなければいけないと思うのですよ。だから、さっき申し上げた、一応(報告書案の)「はじめに」のところだと思いますけれども、そういう記載が一部入りましたけれども、ただやはりそこに、私が言ったような、繰り返しこの会見の場で申し上げているような、そういう話は入っていないわけですから。ですから、そこは入れるべきだと思うし、今お話のあったような、いろいろな意見があるわけです。いろいろな意見があることを、やはりみんなで受け止めて、この問題どうするのですかと。
あとはやはり、これは北海道だけの問題ではないのです、何回も言っているけれども。北海道がそういうふうに言っているから、北海道でいいのではないかとか、例えば本州の方は思うかもしれないけれど、でも、これは日本中のものを1カ所でやるのですよ。だから、この間いろいろな意見が北海道であったのだというのがわからないと、この間の苦しみもわからないでしょう。それで、ほかの地域の人は、北海道でやればいいのではないかとなってしまいますよね。ですから、そこは非常に難しいけれども、やはりきちんとフェアにやるというのが、私は大事ではないかなと思います。
(毎日新聞)
あと一点だけ確認なのですけれども、先ほど、いろいろ申し上げて伺った中でですね、幌延町の注釈の部分については、一定程度、評価されているという受け止めでいいのでしょうか。
(知事)
だって私が言わなかったら、入れなかったと言っているのですからね。それは私が言わなくても入れるべきだし、(先週の)記者会見を見て入れてくれたらしいですから。それは多分、非常に大変だったと思いますよ。だって急遽入れるとなったら、大変だったと思いますけれども、やはりそこがあるわけですよ。深地層研究を受け入れるにあって、不安の声があって、条例ができて、今、日本で唯一、文献調査が行われている。これはもう事実です。だから、そういった事実をきちんと記載するというのは、私は大事だと思うのですよ。そうでないと、ここが適地ですとか、ここがいいのではないですかという、それだけの情報でどうですかと言われても、その前提とか分からないではないですか。だから、そこは私は本当に大変だったと思いますよ、入れていただいたというのは。それはありがたいなと思う一方で、でも、であるならば、やはりきちんと、そういう事実関係を入れた上で、まだ議論されていないですけれど、これからワーキンググループとか小委員会では、やってほしいなと。北海道でいろいろな意見があったのだな、やはりこれは大変な問題だなというのを、みんなで共有しながら議論していただくというのが、私は必要ではないかなというふうに思います。
(共同通信)
先週の障がい者施策推進審議会の関係でお伺いしたいのですけれども、グループホーム入居者の結婚、子育て、出産について、北海道が年度内にまとめる対策の方針案が示された件で、国への要望など、そういった内容が盛り込まれていたかと思うのですけれども、あらためて北海道がこの対策を取りまとめる意義というかですね、その辺りをお伺いしたいなと思います。
(知事)
これは本当に北海道でさまざま問題提起が行われた、重要な課題だというふうに思っています。障がい者施策推進審議会において、障がいのある方の結婚、出産、子育てに係る対応について、検討を重ねていただいたというところであります。そして、今お話がありましたけれども、先週9日金曜日にですね、対応の方向性をお示しした上で、各委員の皆さまからご意見を頂戴したところです。今後、この審議会でいただいたご意見を踏まえて、年度内に、グループホームにおける意思決定支援の推進、地域で結婚、出産、子育てを支える体制づくり、こういったことなどを盛り込んだ対応策を取りまとめて、必要な制度改正について、国に要望するなどしていきたいというふうに考えています。結婚、出産、子育てを含めてですね、障がいのある方の希望が最大限尊重される、そういった地域共生社会の実現に取り組んでいきたいと考えています。
(北海道新聞)
今のグループホームの支援の関係で、お答えの中で、年度内に意思決定支援などの対応策を取りまとめ、必要な制度改正を国に要望するというお話だったのですが、国への要望も年度内に行うというお考えなのか、細かいのですが教えてください。
(知事)
年度内に要望するということでいいのですよね。
(保健福祉部障がい者支援担当局長)
(対応策の)内容をまとめまして、要望すべき中身はこうですということで、それを要望していくことになるので、年度内の要望という意味では、ちょっとそこは正確ではないかと。
(知事)
要望時期は年度を越えてしまうかもしれないということですか。
(保健福祉部障がい者支援担当局長)
可能性もあります。
(十勝毎日新聞)
先ほどの人口減少に関わる他社さんへの回答に関連するかと思うのですけれども、道と市町村との連携、中でも市町村への職員派遣について伺います。さまざま区分があると思うのですけれども、その機会ですとか、全体の職員派遣人数が減少傾向になっていると思います。中でも、相互交流の減少要因が大きいと思うのですが、過去5年間で2割ほど減少している現状があると思いますが、この現状への受け止めと、今後の改善策に対してお考えがありましたら、お伺いします。
(知事)
これはですね、まず一つ、背景として、双方向での派遣というのは、道が派遣するだけではなくて、市町村側も派遣しなければいけないのですよ。だから、一対一で、行って来いでやるのですけれど、大体、例えば年齢でいうと30代とか40代とか、そういった世代の職員が、研修で双方に行ってということを繰り返してきたのですけれど、年代層でいうと、そこが細っているのですね。採用抑制していた時期とか、そういうのが重なっているので。だから、そもそも対象のパイ(全体に占める割合)がそれぞれ減少しているので、そういう部分の影響があるというのもあります。それと、行政のスリム化で、結構それぞれの組織も、かなり定数を縮小してきたりとか、そういう状況もある中で、数字上はそういう状況もあると思っています。基本的には、市町村のニーズをお伺いしながら、対応を検討しているのですけれども、道のほうもですね、希望する年代の皆さんの全体のパイも限られているので、そこは市町村とよくよく相談しながら、今、対応しているという状況があります。いずれにしても、お互いではありますが、市町村もそうですし、道もそうですし、双方向に必要な人材の確保や協力をしながら、広域自治体の状況や基礎自治体の市町村の状況を、お互いに理解しながら、道政を推進していくというのは、すごく重要なポイントだとは思うので、先ほど申し上げたようなさまざま見直す際にもですね、現在の実情をしっかり把握した上で、より皆さんに期待いただけるというか、北海道庁と一緒に、ぜひ人事交流していきたいなというふうに思っていただけるようにですね、そこは考えていければなというふうに思っています。
(十勝毎日新聞)
関連してなのですけれども、市町村との連携について、このほかに知事が考える連携強化に向けた取り組みというのはありますでしょうか。
(知事)
やはり、市町村から非常にニーズが高いのが、先ほど申し上げたような「地域づくり総合交付金」なのですよね。その点についても、使い勝手をより良くしてほしいだとか、いろいろなオーダーが来ています。今ご質問いただいた人の交流は、いろいろな形で市町村の役割が増加しながらも、人の確保に苦慮している、これは北海道庁もですね。人の確保は民間のみならず大変な状況もあります。そういう共通の課題を、市町村と道も抱える中で、互いに連携をどう強化していけるのかとか、あとは、今、既存で措置している、皆さんの期待の高い「づくり交付金」についても増額しましたけれども、使い方の点でも、いろいろなご意見をいただいていますので、そういったところについても、引き続き議論しながら対応していくというのが、今、私も地域訪問してもですね、地域も結構、首長の方とか、かなりそういった期待と課題というところもありますので、そこはしっかり、先ほど他社さんの質問にもありましたけれど、広域自治体としてできることというところを、しっかり考えていきたいなというふうに思います。
(十勝毎日新聞)
最後に、知事の認識を伺いたいのですけれども、知事は2019年の道議会で、人口減少問題は、道政最大のピンチだというふうにおっしゃっていたのですが、この認識というのは、5年経ちまして、道内推計人口も382万人というのを示されて、この認識の危機感ですとか、ご認識はどのように変化していますでしょうか。
(知事)
そこは本当に、毎年この予算編成とか、この道政課題にあっても、引き続き極めて重要な課題です。今まさに、行政の人の確保の話をしましたけれども、今、社会経済活動も活発になる中で、例えば、観光需要も回復する一方で、人を確保することが難しい中で、その需要を完全に取り込めないという声や、さまざまサービスを維持、提供していく上での課題として、人の確保の点が年々、課題として非常に大きくなっているのも事実だと思います。当然、生産性を上げたりだとか、いろいろな取り組みを実施していくわけでありますが、日本全体がそういった人口トレンドにある中で、とりわけ北海道は、より先んじて人口減少が進んでいることから、その課題の深刻化が進んでいる。これをしっかり受け止めた上でですね、粘り強い対策を講じていくことが必要だというふうに思っています。今後とも、重要課題であることに変わりはありません。一方で、先般、公表された社会増減にあってはですね、北海道は社会減でありまして、北海道に来る方より、北海道から出て行ってしまう方のほうが多いという状況でありますが、一方で、外国人の方を入れますと、これは社会増という形になりまして、47都道府県あるわけでありますが、こういった外国人の方が活躍されているという特徴も北海道はあると思っています。昨年はそういう意味では社会増という、トレンドが継続するという状況なのだろうというふうに思います。ですから、そういった外国人の方々がさまざま活躍していただく中にあって選ばれる地域であるということも、同時に重要な取り組みになってくるというふうに思います。新制度のモデル事業も、そういった観点から今回、予算を議論させていただきました。そういったさまざまな取り組みを総動員して、対応していかなければならないというふうに思います。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)