知事定例記者会見
- 日時/令和6年4月19日(金)15:48~16:34
- 場所/記者会見室
- 記者数/19名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 知床遊覧船事故被害者追悼式について
記者からの質問
- 知床遊覧船事故被害者追悼式について
- 宇宙産業の振興について
- 函館駅への新幹線乗り入れについて
- さくらインターネットに対する支援について
- JR北海道と黄線区沿線自治体との意見交換会について
- 知事就任後5年間の振り返りについて
- 長谷川岳参議院議員の報道について(1)
- 長谷川岳参議院議員の報道について(2)
- 長谷川岳参議院議員の報道について(3)
- 長谷川岳参議院議員の報道について(4)
- 高レベル放射性廃棄物について
- 長谷川岳参議院議員の報道について(5)
知事からの話題
知床遊覧船事故被害者追悼式について
私から一点お話しさせていただきます。
知床遊覧船事故被害者追悼式についてでございます。あの痛ましい事故から、来週23日で2年が経ちます。20名の方々がお亡くなりになり、今もなお6名の方々の行方がわかっておりません。あらためて、事故の被害に遭われた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、ご家族の皆さまにお悔やみを申し上げます。
23日には、斜里町ウトロにおいて、町と地元実行委員会の主催によります、「知床遊覧船事故被害者追悼と知床観光の安全を誓う集い」が執り行われることになっております。昨年の追悼式に引き続き、私も参列させていただきます。
この2年を振り返りますと、道では、事故発生当日、災害対策連絡本部を設置し、国や斜里町、地元関係者の方々と連携して捜索活動、ご家族の皆さまへの対応に当たってきたところでございます。来週22日から24日まで行われる予定の海上保安庁による、行方不明者の集中捜索におきましても、道として必要なサポートを行ってまいります。また、国に対しては、安全対策の強化や、北海道観光の需要回復などの要望を重ねてきたところでありまして、国においては、こうした要望を踏まえ、旅客船の安全・安心対策や、本道における海難救助体制の強化に取り組んでいただき、観光の分野でもさまざまなご協力をいただいております。道としても、このような悲惨な事故を、二度と繰り返さないという決意を新たにし、今後とも国や関係機関、地域の皆さまと一層連携しながら、あらためて海難救助事案における通信連絡体制の確認を行うなど、安心・安全の確保に向け、各般の取り組みを進めてまいります。
私からは以上です。
記者からの質問
(HBC)
知床の観光業についてお伺いいたします。事故から2年経ちまして、コロナも明けたのですけれども、特にこの時期から夏にかけて観光客の方が地元では、まだなかなか戻ってきていなかったり、観光船の業者が廃業に追い込まれたりですとか、地元の観光業へのこの事故の影響がいまだにちょっと深刻に感じられる部分があります。なかなか事故というところで、難しいところではあると思うのですが、今後地元の観光業を支える、もしくは回復させていくという面で道として考えていらっしゃることを教えてください。
(知事)
今ご質問にありましたけれども、道が行っている観光の入込客数の調査では、昨年度の上半期の入込延べ人数は、感染症拡大前と比べて全道的にはコロナ前に近い水準まで回復しています。そういった中で、地域別で見ると、回復状況はさまざまでありますが、その中でも知床地域においては、いまだに回復に至っていないとも認識しています。
私も地域に訪問した際に、そうした声などもお聞きしてきたところであります。世界自然遺産である知床地域は、これまでも多くの観光客の皆さまを魅了してきた、そういった地域であります。また、昨年9月に開催されたATWSにおいても、世界各国の観光事業者から大変高い評価を得たアドベンチャートラベルの適地でもあります。道では、観光協会などが実施する取り組みに対する支援、メディアなどを活用したプロモーションなどに取り組んできたところでありまして、今後もこの知床の魅力を映像を通じて国内外に発信していくことなどによって、知床地域の観光の回復に向けて、道としても取り組んでいきたいと考えています。
(NHK)
二点お伺いさせてください。
まず一点目、先日、知事が総理と面会した時に、いわゆる宇宙に関する政策の話をぶら下がりでされたと認識しております。あらためてになりますけれども、昨今、アルテミス計画などで日本の宇宙産業に対する取り組みというものがフォーカスされる中で、今、北海道として宇宙産業に対する施策で、具体的に何か考えていらっしゃることとか、具体的に国の取り組みに対する北海道としての取り組み方についてのお考えがありましたら、あらためてお聞かせ願えればと思います。
(知事)
今ご質問いただきましたけれども、15日にホタテの消費拡大に関する要請のために、岸田総理にお会いしました。その中で、ホタテの関係(の要請)が終わった後に、日米首脳会談の場で、日本人宇宙飛行士を2名月面着陸させること、日米両政府の間で、ロケット技術に関する保護協定の協議を始めることが協議されたということもありまして、そのロケットの打ち上げについて話題になったところであります。
道においては、大樹町に北海道スペースポートの整備が進められています。発射場として地域的優位性もありますことから、私から総理には国家インフラであるこの発射場の整備について、関係道県と国が連携して、事務レベルで取り組みを加速していく必要があるのではないかという提案を申し上げました。
岸田総理からは、全体像を把握した上で、関係者と意思疎通を図りながら検討を進めることは大切であるという発言があり、その後、17日に内閣府の宇宙開発戦略推進事務局を訪問し、事務レベルでの検討を進めることについて、あらためて提案し、国としても、今後、関係する道県が連携する場の設定を検討する旨の発言があったところであります。道としても、北海道のポテンシャルが生かせるように国や道内関係者と連携して、北海道における宇宙産業の振興に向けた検討を進めていきたいと考えています。
(NHK)
二点目になります。
先日、JR北海道の綿貫社長が、新幹線の函館市乗り入れについて、本当に乗り入れ可能かどうか疑問符がつくと、さらに少し一歩踏み込んで、現状の函館市がこの前まとめた(調査報告に)疑問を呈するようなご発言をなされました。先々週の会見でも、少し(答えて)もらったのですけれども、あらためて先日のタイミングではJR北海道の見解を踏まえて、知事はご発言されていました。あらためて市議会でも議論が始まった中で、知事として現時点で、そこの乗り入れについては現実的に可能とお考えなのかどうか、もし考えがありましたら、ぜひお聞かせください。
(知事)
前回も申し上げましたけれども、やはり解決すべき課題があると考えています。今ご質問にもございましたJR北海道のほうで、綿貫社長が車両の確保、そして技術的観点での懸念、事業主体、新たな費用負担、新幹線の需要への影響といった問題点について発言されたと聞いております。また、質問の中でもありましたけれども、17日の同日、函館市議会の総務常任委員会においてもいろいろ議論が始められたと聞いていますので、まずは今後、函館市議会における議論の中でさまざまな課題の整理を進めていく段階だと思っております。JRから指摘されているような、こうした課題への対応など、解決すべき課題があると考えています。
(読売新聞)
本日、経済産業省が、生成AIとかのクラウドサービスの整備の補助で、国内の5社に補助金を出すと発表されたと思うのですけれど、石狩市にデータセンターがあるさくらインターネットさんにも最大で501億円の補助が出るという話なのですが、道内のデータセンターにそういったものの基盤が作られるということに補助が出たということに対する知事の受け止めをお願いします。
(知事)
これは、非常に期待できる動きだと思っていまして、さくらインターネットが本日石狩市のデータセンターにおいて、総投資額1千億円規模のAI開発用クラウド基盤の整備を発表し、このうち約半額の500億円が経済産業省から補助されることが決定したところであります。また、この石狩市のデータセンターでは、今後国内勢としては初めて認定されたガバメントクラウドの提供も計画されているところです。
これらの動きは、国の経済安全保障への貢献はもちろんなのですが、北海道内のデジタルインフラのさらなる強化、そして国内のAI開発の加速につながるということで、期待しているところであります。
道としては、同社の石狩市のデータセンターへの立地支援のほか、道内のデジタル化DXの促進に向け、これまでも同社と連携して、本道へのデータセンターの立地促進や、クラウドサービスの普及などに取り組んできたところであります。今後に向けては、同社並びに国と一層連携しながら、道内を起点とした国産の生成AIの開発、農林水産業といった地域産業などへのAIサービスの展開など、道内のAIクラウド基盤を最大限生かした形で、本道をAI・デジタルのチャレンジフィールドに発展させ、ひいては、国全体のデジタル産業の成長に貢献していきたいと考えています。
(北海道新聞)
JRの関連で、今日、道とJRと沿線自治体との意見交換会が開催されました。この間、監督命令を受けた中期経営計画で、JR北海道などが3年という短い期間で黄色線区の改善策を取りまとめる必要性が出てきたと思います。今後この短い期間での議論をどのように取り組むつもりかお聞かせください。
(知事)
今ご質問ありましたけれども、本日、JR北海道の綿貫社長をはじめ、関係の自治体の皆さまにもお時間をいただいて、中期経営計画についての計画の内容・考え方、黄線区における今後の取り組み方向などについて、直接ご説明いただきました。その後の意見交換では、各首長の皆さまから、路線の重要性をはじめ、利用促進の積極的な展開、そしてコストの削減の協力検討、これに加えて、持続的な鉄道網の確立に向けて、それぞれの線区も重要なのですけれども、ネットワーク全体として連携して、収支改善に取り組むといったさまざまなご意見がありました。
本日は、その場でも申し上げましたけれども、こうした意見交換を通じて、今後3年間ということで、質問の中で、非常に限られた時間の中でというお話はありましたけれども、今後3年間の取り組みのスタートに当たっての、JRと沿線自治体の皆さまがしっかり連携して、まずはこの利用促進を積極的に展開していくという方向性について共有が図られたものと考えています。今後、線区ごとの特性に応じた利用促進の取り組みを徹底して進めていくということとともに、事業の抜本的改善方策の取りまとめに向けて、JRと地域の連携をより一層深めていきたいと考えています。
(北海道新聞)
関連して、今日の議論の中では、知事がおっしゃったように利用促進の取り組みとか、JRの収支改善の話、説明は出たのですけれども、黄色線区を維持するに当たってどうしても必要となるであろう費用負担、沿線自治体とか道も含めた費用負担の話題は出ませんでした。加えて道庁に議論をリードするようなことを求めるような首長の意見もあったと思うのですけれども、今後、自治体が心配している費用負担についての議論はどのように取り組みを進めるつもりでしょうか。
(知事)
まずは、先ほど申し上げましたけれども、利用促進を積極的に展開していくということについてはJRも沿線の皆さまも、われわれも、そういった方向性について共有が図られたと思っています。そして、これは各首長の皆さまからもあらためて強くご発言があったわけですが、広域分散型の本道において鉄道ネットワークは、道民の皆さまの暮らしはもとより、観光・物流といった産業全般を支える重要な社会基盤であるということであります。地域としての協力・支援について、道議会や市町村をはじめ、地域関係者の皆さまのご意見を伺いながら、幅広い観点で検討を進めていく必要があると考えております。このほか、事業の抜本的な改善方策の取りまとめに向けて、JRと沿線地域の協議が円滑に進められるよう、道としての役割を果たしていきたいと思っています。
(北海道新聞)
知事は来週の23日で就任5年、2期目1年を迎えるわけなのですけれども、この5年間を振り返ってのご自身の仕事ぶりに対する評価、そして反省点などをお聞かせいただければと思います。
(知事)
評価におきましては、道民の皆さまがご判断いただくものであると考えておりますけれども、5年間さまざまなことがありました。
就任してすぐに、G20観光大臣会合もありましたし、民族共生象徴空間ウポポイが開業し、また、縄文の世界文化遺産登録といった国際的なイベント、国家的なプロジェクトが行われて、令和元年に(立ち上げた)ほっかいどう応援団会議に多くの皆さまに参加いただいて、また、北海道を応援するという形でふるさと納税をはじめとして、これは企業版、個人版、さまざまな形で応援いただいた中で、毎年、各市町村の努力もあって、北海道は日本一応援をいただいているという状況であります。また、やはり、就任まもなくコロナの戦いが始まりました。ですのでこうした中で、道民の皆さまの命、暮らしを守るということを最優先に、これまでも地域の課題などにも向き合いながら、本当に多くの方々にご協力いただきながら、取り組んでまいりました。
そして、コロナが5類に移行して、世界から多くの方をお迎えするというタイミングの中で、アドベンチャートラベル・ワールドサミットを開催し、天皇皇后両陛下のご臨席を仰いで、全国豊かな海づくり大会北海道大会を開催し、また、次世代半導体の製造に挑戦するラピダス、先ほど申し上げたような話もありますけれども、GX産業の道内集積の動き、再エネポテンシャルなども最大限活用しながら、取り組みを推進して、北海道を活性化していく、北海道の価値をやはり上げていくのだという取り組みについても多くの皆さまのご協力の下、取り組みをこれからも力強く進めていきたいなと思っています。
今年は、能登半島の地震もありました。道民の皆さまの命を守る、これはあらためて、道政における極めて重要な課題であると考えております。万全を期していきたいと思っています。今後もさまざまな乗り越えなければならない課題があります。地域の皆さま、そして道民の皆さまのさまざまなご意見を真摯に受け止めながら、しっかりと皆さんの命、健康、暮らしを守って、北海道の未来をつくるために、私の役割を果たしていきたいと考えています。
(北海道新聞)
ご自身が知事選に出られて、道庁として存在感を発揮していくということを出馬の会見などで、5年前におっしゃっていたわけなのですけれども、5年前にご自身が目指していた道政運営というのは、今できているとお考えでしょうか。
(知事)
それは、全て思いどおりにいくということは、コロナも当初想定していませんでしたし、そういった意味では、なかなか国際的な交流ができなかったりだとか、その都度その都度、どうやれば、現時点において、道民の皆さまにとって、また未来の北海道にとって最善なのかということを自問自答し、または多くの職員の方々と議論し、地域の方々のご意見もお伺いしながら道議会とも議論し、現在まで進めてきました。
その評価は、やはり道民の皆さまが厳しくご判断されることだと思いますが、大事なことは、一日一日、24時間、しっかり知事として、仕事を十分にできただろうかということを、絶えず自分に問いながら、しっかり365日、役割を果たしていくことを大切に仕事をしていきたいなと思っています。
(北海道新聞)
先ほど自民党の長谷川岳参院議員が昨年10月に参院地方創生デジタル特別委員長に就任した際に、鈴木知事を含む特別職6人と、部長職23人が祝電を送っていて、東京事務所で送付リストの作成や、祝電を送る日時とか台紙の種類などの事前協議を行ったという発表がありました。事実上、祝電の送付を催促しているのだと受け取れる対応なのですけれども、今回知事は、この案件についてどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(知事)
メールの時も申し上げましたけれども、昨日、私も聞きまして、適切ではないということで、その場で申し上げた上で、改めるように、またそれをしっかり周知徹底して、取り扱っていただきたいということで申し上げました。
(北海道新聞)
適切ではないというのは祝電を、知事以外は、全員私費で送っているのですけれども、祝電を送ること自体は適切だけれども、一連の送付者のリストを事前に部長級に共有したりだとか、送付日時だとか配布台紙を共有するということ自体が不適切だったと、そういうようなご認識なのでしょうか。
(知事)
そうですね。要は、お礼の時もそうですけれども、例えば、国会議員の方が大臣に就任されるとかそういう時は祝電とかを、知事としても送っています。この知事の取り扱いというのは、何も私が特別な取り扱いをしているとかというわけではなく、歴代知事が、そういった形で送っています。それぞれの職員も、例えば昔からお付き合いがあって、それで道議会議員時代から何か関係があるとかそういう中で、立場に就かれた時に、おめでとうございますということを祝電などで送ることは、これはあるのだろうと思うのですけれども、今回の件は、そういうこととは全く違って私もどういう形でメールを送っているのかという報告を受けましたけれども、これはある意味では、何か送らなければいけないのではないかとかですね、そういった思いに至るようなやり方でやっているわけですから、これは適切じゃないと思いますし、改めるべきものだと思っています。
(北海道新聞)
知事は公費で、長谷川氏以外にも祝電を送ったことがあるということですか。
(知事)
もちろんそれは送っています。要は大臣にご就任するとか、そういう時には、これは歴代知事が対応していて、一定のルールを作ってやっています。全部が全部送ったらもうきりがない話ですから。
(北海道新聞)
先ほどの説明ではこうしたメールを送る経緯として、長谷川氏に対して萎縮した職員が複数いたということが確認されて、祝電を送るタイミングだとかを揃える必要があるのだというような説明がありましたけれども、知事はこうしたメールを送った件について、どのように認識されていらっしゃいますでしょうか。
(知事)
その件も報告を受けました。ですから、やはりそういった威圧的だと感じる職員がいたわけですから、そこはやはり長谷川参議にはしっかりこれまでもさまざま改めていただくべく、お話をしてまいりましたけれども、本人も改めると言っています。そして、職員がそういった威圧的な形を感じてしまったわけですから、その点については、当事者が改めるのはもちろんのこととして、道としても今回こういった対応を行ったことはしっかり改めて、このような対応は今後しないということを徹底するということだと思います。
(北海道新聞)
今の話だと、やはり威圧的な言動というのが幹部職員中心に繰り返されていて、そうした部分がやっぱり職員の萎縮を招いてしまったと、やはりタイミングを揃えないと、祝電のタイミングとか、そもそも祝電を送らないと、長谷川氏から何かご指摘があるだとか、そういった恐怖心みたいのがあったために、こういうメールを組織的に送ってしまったと捉えていらっしゃいますでしょうか。
(知事)
そういった可能性があると考えています。
(北海道新聞)
分かりました。あと別件というか、国の予算成立時などに長谷川氏に対してお礼の連絡をするように依頼のメールを組織的に送ったという問題について伺いたいと思うのですけれども、先日この件に関して、担当課長がこのメールの発案をして、副知事や部長級には共有していたとの発表がありました。知事は以前の会見で不適切だというような説明もされていますけれども、副知事だとか幹部職員が事前に把握していたにも関わらず、誰からも異論がでなく過去3回にわたってこうして依頼するようなメールが送られたということについては、どう受け止めていらっしゃいますか。
(知事)
やはりお礼を一斉メールでやっていること自体が私は適切ではないと考えていますし、そこは改めます。私もどういう形で報告が上がっていたのかということで聞いたら(お礼のタイミング等を知らせることは)副知事にも報告が上がっていたということでありました。ですから、やはりそういった状況の中で、確かにご質問にあったようにこれが適切な対応なのかということについて、疑問を感じなければならなかったという点はあるのではないかと思っています。結果として改めると、こういう対応を今後取っていくわけですから。われわれが、通常で他の国会議員に行っていない、そういった対応でもあったわけでありますから、その状況についてはしっかり確認した中で改めていくべきだと思っています。
(北海道新聞)
知事は先週の会見では、こうしたメールはこの過去に送った三回以外ないというお話をされていましたけれども、今回、祝電の話が出てきてしまって、メールの案件が発覚して2週間経っているわけですよね。
(知事)
ええ。
(北海道新聞)
2週間の中でこういう祝電の話が出てきて調査がちょっと甘かったのではないかというような認識も私は持っているのですけれども、そこについてはいかがですか。
(知事)
そこはしっかり、当然出張の関係を含めてですね、かなりの件数、今(調査を)やっています。結構時間がかかるかなと思っていますが、そこは手戻りがないようにしっかり確認していく必要があると思っています。私も昨日、祝電の報告を受けました。ですからこれは、マスコミの方も関心が高いだろうとすぐに思いましたので、皆さんにもお時間をいただきましたが、説明する機会が必要だというふうに判断し、皆さまにもご説明させていただきました。しっかり、われわれ自体が改めるべきは改める、そして長谷川参議も、しっかり改めていただきたいと、そしてご本人もしっかりとやっていくのだということをお話されていますから、そこを実践していただきたいと思います。
(北海道新聞)
最後に一点だけ、相次いで長谷川氏の特別対応というのが今表に出てきているわけですけれども、いわゆる祝電の依頼だとか、そういった以外に今のところ、知事の把握した中では、ほかに特別対応をしていた事案というのはないということでしょうか。
(知事)
そうですね、今メールの関係、そして祝電の関係、また今調査中の出張の状況などについては、確認していますので、そういった状況の中で、整理をしっかりしていきたいなと思っています。今の時点で何か皆さんにお知らせをするような状況ということではございません。
(NHK)
今の他社さんの質問に関連して、先ほど事務方のほうにレクしていただいた内容で、個人的に少し一つ納得がいかないというか、腑に落ちないところがありまして、今回の祝電に当たって、先ほどの説明では、いわゆる副知事以下、部長級の皆さんはいわゆる私費で祝電を送ったと。別に、それ自体は私は否定するものではないと思いますし、別にやりたい方がやればいいと思うのですけれど、私費でやったことを、業務上必要なので、こうやった上で、しかもそれをそれぞれの部長級の人たちのお付きの秘書係の人にやらせたケースがあるかないかというのは、多分そこまで確認できていないという話だったのですけれど、仮にやっていたとした場合、各部長級などがプライベートで自分で自ら郵便局に行って、祝電を送るという行為だったら、極めて問題ないと思うのですけれど、若干説明に公私混同が混ざっているような感じがして、そこの部分について、知事のご見解というか、公費で、部長級とかも含めてやるのだったら、必要な業務として全部筋がとおって適切だというようなご説明だと分かるのですけれど、私費で個々の判断ですと言っているのに業務上必要で、場合によっては部下にも祝電を送らせる対応をするという行為が、本当に説明の中で適切だという主張がまかりとおるのかということについて、知事ご自身の今のご見解をどう考えていらっしゃるかということをぜひ伺いたいと思います。
(知事)
私はさっき言ったとおりです。今ご質問の中でもありましたけれども、やはり個人的な判断で行うべきだと思います。個人として、さっき言ったように、これはお祝いの言葉を贈りたいなということで送る、で、私は北海道を代表して送っているのですからね。知事として送っているわけですから。あとは、いろいろな関係がありますよね。人間関係だとか。お祝いを申し上げたいなという中でそういった形で対応するということが、基本というか、適切だと思っています。
ですから、今回のように、ある意味ではメールで、みんなが送る、送らなければならないのかなという状況を感じながら、対応する、これは適切ではないと思っています。
(NHK)
そうすると、一応確認になってしまいますけれども、今回の祝電の対応についても、まさにそのやり方として、道を挙げて各部長級にああいう形でリストまで作って、いわゆる半強制的な形で送らなければならないというようなことを感じさせる形でやったというその行為自体が、やはり適切ではなかったというご判断だったということですね。
(知事)
適切ではないので改めるべきだと申し上げました。
(NHK)
分かりました。
(HBC)
私からも関連して、長谷川参議の件でお伺いします。先ほど、知事が昨日の段階でこういった取りまとめのメールが送られているということを知ったというお話だったと思うのですけれども、取りまとめに関しては、昨日ということだと思うのですが、これだけの多くの幹部職員が長谷川参議に祝電を送っていたという事実に関してはご存知でしたでしょうか。
(知事)
知りません。昨日東京の出張中に、担当からそのメールを見せていただいて、こういう状況がありましたということなので、見た瞬間に、これは適切ではないから改めるようにということを申し上げました。
(HBC)
それは、人数を見てもかなり多いという、通常のケースは、どこまで知事が把握するか分からないですけれど、この23人と特別職6人というのは多いと思われますか。
(知事)
例えば大臣に就任した時に、正直誰が祝電を送っているかとかということは把握していません。それを把握するべきでもないのだと思いますし、ただ、私は自分が祝電を出すのは確認しています。自分の名前で出すのですから、そこは確認します。ただそれは、北海道を代表して知事として、出すわけですからそこは確認しますけれども、この職員一万何千人いて、誰がどういう関係で、おめでとうございますということをやっているかというのは、私は把握するべきでもなければ、把握していません。
(HBC)
知事ご自身が長谷川参議から祝電に関して、ご自身のもそうですし、職員さんのも含めて、そのお礼だとか、言葉でいただいたことはありますか。
(知事)
私が出した祝電に対して、ありがとうございますというのはありました。
(HBC)
それ以外の言及は、例えば職員さんからいただきました、ありがとうございます、みたいなものはなかったということですか。
(知事)
ないですね。
(朝日新聞)
二点、まず先に(長谷川参議)関連のほうでお伺いしたいのですけれども、今回の祝電にしてもメールにしても、送る人の名前の一覧表を作って、そして場合によっては空欄であったりとか、名前を受けていって、それを何回も回すごとに名前が増えていくというのは、これは受動的な攻撃性を帯びた行為だと思います。裏返せば、この道庁という組織が極めて空気を読みなさいよ皆さん、ということをやりながら業務をしているということになるかと思うのですが、この点、知事はどうお考えですか。
(知事)
私も添付ファイルなどを確認しまして、これは本当におかしいと思いました。ですので、これはすぐに改めてほしいと、こういうことで申し上げたわけであります。今、記者の方からお話ありましたけれども、これは送らなければいけないのではないかと感じた方がいたのではないかと思いますし、それは適切ではないと思います。
(朝日新聞)
あと今のことに関して言えば、要はその業務の完璧さという意味では、極めて多くのリソースをこういったことに使っていて、工数としてどのように捉えればいいか分かりませんが、日によってはずっと予算が成立することを待ち続けていると、変な話、われわれよりも注目しているのではないかと。その目標とか、貴重な道庁のスタッフの労力を使う先が少し違うのではないかなと思うのですが、今後どのように、今回の教訓を知事として改めていくべきだと、少なくともその方向性としてはどうお考えですか。
(知事)
やはり道民の皆さまから、道庁は道民の皆さまのために働く組織として、それは最大限皆さんの期待に応えていかなければならないわけでありますから、業務の効率性、また効果的な仕事のやり方、これは絶えず不断の努力をしていかなければならないと思っています。予算の成立などに関しては、これは国の法律改正や制度改正、またさまざまな情報をしっかりアンテナ高くキャッチして、道民の皆さまへの影響や道政における影響などもいち早く探知しながら仕事を進めていくという意味では重要な部分もあるわけでありますが、今回のメール対応などにおいては、これは適切ではない形で多くの方々が仕事として対応されたということがあるわけですから、この点についてはしっかり改めて、道民の皆さまの期待にしっかり応えていくべく、職員の皆さんと力を合わせて取り組んでいきたいなと思っています。
(朝日新聞)
二点目です。先日、経産省のほうでのぶら下がりで、核のゴミの関連で、またあらためてお考えを確認されたことがあったと思います。さらにそれに輪をかけてあらためてになるのですけれども、お考えとしては変わりがないということでよろしいでしょうか。
(知事)
はい、これは他の地域において、さまざまな状況の中で議論がされていることについて、私の立場からそれぞれコメントするということは控えなければならないと思いますけれども、他県がということではなくて、北海道としてさまざま対応していくべきことなわけでありまして、現時点で、文献調査から概要調査に移行するという場合は、反対の意見を申し上げるということについて、考えが変わったという状況にはありません。
(読売新聞)
長谷川さんの祝電の関係で、知事、昨日お知りになって、おかしいとすぐに思われたと、われわれも今日いろいろ説明を受けて、ちょっとびっくりした部分もあるのですけれど、こういうことが起こる時には、きっかけというか、経緯というものがあると思うのですけれど、お礼のメールの時とかも、あんまりそこをモヤっと教えてもらえなかったのですが、今回の祝電については、これがほかの先生方の時には、こういう対応をしていないわけですから、この10月のタイミングでどういう経緯があって、取りまとめが行われたというのは、知事はどのように承知していらっしゃるのか。
(知事)
そこは、具体的に一つ一つ申し上げることは控えるべきだと思っています。ただ、先ほどから申し上げているとおり、威圧的と受け止めたということが確認されていますので、やはりこういった対応につながった可能性は否定できないと考えています。
(読売新聞)
なかなかその一つ一つを言うことにすると、今度は長谷川先生に話が及んでいきますから、難しいのは承知しているのですけれど、やっぱり問題の実態というものをよく道庁で研究といいますか、反省して、次に生かしていかないと、例えば、若い職員、先日入庁式されていましたけれど、ああいう若い職員からすると、この組織は外からカスタマーハラスメントではないですけれども、そういうところがあった時に、自分の話を聞いてくれないとか、守ってくれないとか受け止める人もいると思いますし、最近就活でオヤカク(親確認)というのがあるのですけれど、保護者の方に内定受諾の確認をするとかというのもあるのですけれど、自分が親だった時に、そういう組織に自分の子供を入れたいか、そういうような厳しいことを言われる、外から言われた時に、それを守ってくれない、あるいはそれを甘受しているということは組織内でもそういうことが行われているかもしれないという疑念も生じるので、やはりこういう経緯とか、実態というのをもう少しよく調べて、公表の形をどうするのか分かりませんけれども、少なくともその一つ一つお話するのを控えるというだけでは、これだけ広く報道されて毎日のようにニュースになっていますので、もう難しいのではないかなと思うのですけれど、今後の調査とか公表の仕方について教えてください。
(知事)
今、ご質問さまざまお話ありましたけれども、私も今回の件もそうですが、これまでメールや祝電、また出張の関係だとか、この点は私も複数の幹部などにも直接ヒアリングしたり、また状況確認を行った中で、さらに広範に調査も行いながら、しっかりと内容を整理して、対応していきたいと考えています。
それはやはり、職員の皆が道政を一緒に前に進めていくに当たって、道庁も対応で改めるべきこと、先ほど申し上げたようなこともあります。そして、長谷川参議に対しても、これは改めていただかなければならないことがあります。これをしっかり、2度にわたって私もかなり強く申し上げたところです。これも長谷川参議が受け止めて、これはしっかり改めていくのだということで私にもお話がありました。
ですから、今調査も、まだかなりのケースがありますから、しっかりとここは整理した上で、それぞれ、われわれも、長谷川参議も、改めた中で対応していくということが大事だと思っています。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)