知事定例記者会見(令和6年9月6日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和6年9月6日(金)14:30~15:10
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/20名(テレビカメラ1台)

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会見項目

知事からの話題

  1. 北海道胆振東部地震災害から6年を迎えるに当たって
  2. 「第3回ドローンサミット」と「北海道ミライづくりフォーラム2024」の開催について

記者からの質問

  1. 北海道胆振東部地震災害から6年を迎えるに当たって
  2. 若年女性への移住支援について
  3. 新型コロナ交付金に係る国への返還金発生事案について(1)
  4. 新型コロナ交付金に係る国への返還金発生事案について(2)
  5. 高レベル放射性廃棄物について
  6. 北海道医療大学の移転について
  7. 道内の米不足について

知事からの話題

北海道胆振東部地震災害から6年を迎えるに当たって

 私からは二点お話しさせていただきます。
 一点目でございます。9月6日に発生した北海道胆振東部地震から本日で6年を迎えるということでございます。震災でお亡くなりになられた多くの方々に、あらためて衷心より哀悼の意をささげますとともに、かけがえのない大切な方を失われたご遺族の皆さまに心からお悔やみを申し上げます。
 被災地におきましては、昨年度末までにインフラや農地などの復旧が完了いたしました。
その一方で、森林の再生、被災者の皆さまの心のケアについては、今後も継続した取り組みが必要です。今年の1月には能登半島地震が発生いたしました。また、先月の日向灘地震においては、南海トラフ地震臨時情報が発表されました。大規模地震の発生が相次ぐ中において、全国的にも地震に対する備えの意識が高まっています。
 こうした中、胆振東部地震の発災日であります本日、地震発生時の身を守る行動の訓練といたしまして、「北海道シェイクアウト訓練」を実施いたしました。自治体や企業、学校などで、10万人を超える道民の皆さまに、本日はご参加いただきました。ご協力いただいた皆さまに感謝申し上げます。道といたしましても、道民の皆さま一人一人に自分事として、地震をはじめとした自然災害に備えていただけるように、シェイクアウトの実施のほか、広報紙、SNS等を通じた情報発信を行ってきたところでございます。道民の皆さまにおかれましても、あらためて北海道やお住まいの市町村のホームページなどにおいて、備蓄品や避難場所など、日ごろの備えについてご確認いただくようあらためてお願い申し上げます。
 また、本日、厚真町長は、「『誰一人として取り残さない』を合言葉に、『強靭でしなやかなまち』『挑戦を諦めないまち』として、輝いていられるよう、町民一丸となって、未来創生と持続的発展に向けた歩みを着実に進めていく」旨、メッセージを出されました。道といたしましても、こうした厚真町をはじめとして、被災地域の皆さまに、しっかり寄り添いながら、復興・再生に向けた機運を盛り上げていくとともに、被災地域の皆さまの不安や課題を丁寧に受け止めて、国や関係機関と連携を図り、地域に寄り添った取り組みを進めていくということなど、震災の記憶を風化させることなく、未来につなげていけるように取り組んでいきたいと考えております。

「第3回ドローンサミット」と「北海道ミライづくりフォーラム2024」の開催について

 次に二点目でございます。「ドローンサミット」についてです。
 北海道では、10月1日と2日の2日間、札幌コンベンションセンターにおいて、北海道としては初めてとなるのですが、「ドローンサミット」を開催いたします。これは、経済産業省と国土交通省との共催として、北海道で初めて開催という形になります。また、この「ドローンサミット」と併せて、NTT東日本と連携して、DXや未来技術に触れることができる総合的なイベントであります「北海道ミライづくりフォーラム」も同時に開催させていただきます。北海道は非常に広いわけでありますけれども、広大で人口密度が低いという北海道の地域特性は、ドローンによる効率化・省人化の効果が高いと考えられています。北海道では、ドローンの実証事業など、利活用の促進にこれまでも取り組んでまいりました。こうした北海道内での取り組みや、北海道の可能性を広く発信するために、「ドローンサミット」の道内開催を国に働き掛けてきたところであります。今回、本年の3月に開催地として選定いただいたというところです。
 本イベントでありますけれども、ドローンやDXに関連する60社以上の企業、団体が参加する展示会のほか、ラピダス社の清水代表取締役の基調講演、ドローンや空飛ぶクルマに関するシンポジウムなどを行う予定でございます。そのほかにも、地域課題を抱える道内の市町村に向けて、企業が未来技術を活用した解決策をプレゼンさせていただくというイベント、また、DXをテーマとしたワークショップやセミナー、空飛ぶクルマのVRやドローン操縦体験、そして「知事杯」と冠した全国最大規模のドローンサッカー大会も行います。来場者が参加できる企画についても多く行う予定であります。
 ドローンをはじめとした未来技術の活用については、全道各地で進めていく必要があります。一方で日常で体験できる機会は限られていますので、今回のイベントは未来技術を実際に見ていただいて、触れていただいて、具体的な活用のイメージを持っていただけるという貴重な機会になるのではないかと思っています。また、自治体・企業・教育機関などあらゆる立場の人々が一堂に集まりますので、人脈を築くという意味でも絶好の機会になるのかなと思っています。本イベントを通じて、関係の皆さまが未来技術に関する理解を深めていただき、地域課題の解決のきっかけを掴んでいただく。道としてもそれをしっかりとサポートしていきたいと考えています。併せて、ドローンの利活用や実証に適した、「ドローンフィールド北海道」を全国に発信していきたいと、北海道を未来技術を活用した課題解決の先進地にしていきたいと考えています。私もこのサミットに参加したいと考えていて、現在調整中であります。
 多くの自治体・企業・団体・道民の皆さまにご来場いただければと考えています。報道機関の皆さまにもぜひご参加とともに、周知にもご協力いただければ大変ありがたいと思います。
 私からは以上です。

記者からの質問

(NHK)
 あらためて胆振東部地震から今日で6年ということで、鈴木知事のほうから道民に向けて、激甚化・頻発化する災害に対する日ごろの備えの部分を、あらためて呼びかけをお願いします。

(知事)
 これは6年を迎える中で、地域のインフラなどの復旧は完了したのですけれども、一方で引き続き今後も継続していくべき取り組みについても、被災地域からは、こういった大変大きな影響を受けたこの状況を忘れないでほしいということで、町長などもお話しされていますし、また、町民の方の思いとしても、風化させることなくということで、ご発言がございました。これはやはり道民としっかりこの教訓も含めて、受け止めなければならない。そして、この6年というのは、そういった節目の日に皆さんとしたいと思っています。
 そして、大規模な地震も全国で起きています。そう考えると、やはり日頃の備えが重要であります。道としても当然、道民の皆さまのために、行政としてやるべきことをしっかりと、これまでもこれからも行ってまいりますが、やはり、災害はいつ来るかわかりません。ぜひ自分事として捉えていただいて、先ほど申し上げたような避難場所をあらためて確認いただく、また、備蓄品なども、ご自身でもしっかりご確認いただくなど、ぜひ皆さんには日ごろの備えについて確認する機会にしていただきたいと思います。
 また引き続き、地域創生、そして未来に向かって取り組みを進めている厚真町をはじめとする地域の皆さまにも、引き続き、(マスコミの)皆さまにもお力添えをいただければ、大変ありがたいと思っています。

(時事通信社)
 一部報道によると、国が若年女性の地方回帰に向けて60万円を支給する結婚移住支援金について検討を進めていたところ、額ですとか対象が若年女性のみという点について批判が相次いで、これを先日撤回されたという話があります。これに関連して、知事として未婚の女性に地方に戻ってきてもらうこと、それからそれを支援するために国が施策を打つことの必要性について、お考えをお聞かせください。
 また、今後、国に何か求めることがございましたら、それについてもお聞かせください。

(知事)
 かねてから私が申し上げていることがあるわけですけれども、まず、今回の件については、担当大臣が政策は検討していないという発言があったと聞いておりますけれども、こういった国における政策検討にあっては、男女に関わらず、そういった視点のもとで、情報が二転三転するという状況になりますと、やはりこれは国民として非常に不安を覚えますので、政策検討のあり方については、今後とも国においては慎重に対応いただきたいと、まずは思います。
 その上で、これは全国知事会でも主要なテーマとして議論された人口減少、または東京一極集中に対する国の考え方、今、総裁選も行われていますけれども、これは単独の県とか、北海道でとか、また一部の市町村でこの国のあり方ということは、なかなか決められない状況があります。この自民党の総裁選というのは、自民党の総裁を決めるというだけではなく、首班指名を通して、わが国の総理を決めることにも関連する選挙だと思いますが、人口減少下における地域をどう活性化していくのか、また、一極集中に対してどういった考え方を持っておられるのか、そういったことについては、今の時点ではなかなか主要なテーマとして、各候補の方がお話しされていないのではないかと思います。ここはぜひ、地域としては待ったなし、また、岸田総理も最優先課題としている人口減少問題、こういったことを大いに議論し、国民の皆さんにもその議論の過程を明らかにしていただきたいと思います。
 また、例えば、北海道内でそういった若い世代をターゲットとして、厚沢部町などでの「保育園留学」などの取り組みもあります。北海道は、非常に自然環境が豊かで、移住体験といいますか、「ちょっと暮らし」ということで、釧路市なども北海道1位なのですが、そういった比較的年齢の高い方々がご利用いただけるという環境はあったのですけれども、子育て世代だと保育環境とか、また仕事もあるので、なかなか短期の滞在が難しいということがある中で、今、「保育園留学」という形で、お子さんも保育園で活動しながら、また、若いお父さんお母さんは、お仕事をオンラインでしながら、涼しい北海道で過ごすということが非常に人気で、大変申し込みが殺到しているということがありました。これは市町村の努力でやっている事業になるわけですけれども、全国でも今、広がりを見せていますので、例えばそういったことを国としてしっかり応援していくなど、地域が今、努力をしているが、国としてなかなか支援が行き届いていないことなども検討いただけると、まさにWin-Winの中で、都市部とそれ以外の地域も、また、子育て世代を応援できることにもつながるのではないかと思いますので、こういった国の制度面での支援もぜひ検討いただけることを期待したいと思います。

(北海道新聞)
 今週、新型コロナの臨時交付金の関連事業で、道の手続きミスで、国に7億3千万円返還したという記者発表がありました。これは2022年度の交付金で、その前の年の2021年度の事業でも同じミスがあって、これは6億5千万円ということで、今、国と協議中ということですけれども、返還する可能性もあると。これはすなわち本来受け取れるはずの交付金、これが受け取れなかったということで、道財政に結構大きな損失が生じるということになるわけですけれども、今回の事案に対する知事の受け止めをまずお聞かせください。

(知事)
 これは、今ご質問にあったとおりでございまして、事務手続きの誤りによって、国の交付金が受けられなかった、このことを重く受け止めなければならないと思っております。今回の件ですけれども、補助金、負担金について、国の交付金を活用した場合は、年度を超えて支払うことはできないわけでありますけれども、誤った認識によって、通常の補助金などと同様に年度を超えて支払ったというものです。そして、そうした誤認などについて、担当部署以外でも確認することができなかったということが原因として考えられるところです。このことについては、まずはこういった事実関係が、速報として5月10日に私に報告がありました。この報告がございましたので、なぜ、こういったことになってしまったのかという発生原因についてまずは把握してほしいということと、当該事業でほかの年度、また同種の事案、そういったものはないのかということ、また、この全庁で多くの、いろいろな契約業務が行われているわけですけれども、全庁において、このような事象、事案がないのかということで、調査してほしいと指示しました。今、全庁での調査も行っています。まずは前回、マスコミの皆さまにご説明したところについては、当該事業の他の年度において、まだ今、国と協議しているのですけれども、現時点においてわかった内容について、皆さんにお話しさせていただきました。さらに今、5年間、5万件程度に範囲を拡大した中で、徹底的に調査しています。これは若干時間がかかると思っています。そして、令和3年度分についても同様の事案があるということが判明しています。これも前回、お話しさせていただきました。既に国に返還を行った事案に関連する部分については、国と協議中のものも含めて、まずこれはマスコミの皆さまを通して、道民の方に分かっている情報についてしっかり公表しようということで、前回、その分も併せて公表させていただきました。今、5万件程度に範囲を拡大した中で全部チェックしていますので、取りまとめの時期がいつになりますということを申し上げることが今日の時点ではできないのですけれども、この結果や効果的な再発防止なども含めて、しっかり検討していかなければならないと思っています。そして9月2日には、国からの補助金等の間接補助事業等の適正な執行を徹底するようにということで、全庁に対して文章も発出しています。このことを重く受け止めて、しっかり対応していきたいと思っています。

(北海道新聞)
 つまり今、5月10日に知事に報告があったということで、その返金自体は4月にはしているわけなのですけれども、この事案が覚知されてから発表が5カ月間ぐらいかかっているわけなのですが、遅れた理由というのは、全容把握しようとしていたけれども、結局あまりにも膨大な量なので、ちょっと中途半端な状況ではあるが、まず1回発表してみようというような、そういう状況があったという理解でよろしいのでしょうか。

(知事)
 要は全件チェックして、ほかにも同じような状況がないのかということをしっかり調べてほしいということで、(5月)10日の時点でもお話ししました。まずは、当該事業の過去分、保存してある分、事業開始した年度、そういうものも調べるということで、当該事業の前の分とか、そういうところです。そこを調べた中で、まだ調整中なのですけれども、そこをどうするかという話がまずありましたので、そこは今、分かっていることを、マスコミ、道民の皆さんに説明しようと、協議中のことも併せてお話ししようということと、まだ調査継続中なのですけれども、対象の範囲を拡大して、今、調査もしているので、そのことも併せてお話ししようということで、まずはご説明させていただきました。今、鋭意(調査を)やっていますので、その内容が分かり次第、また皆さんにご説明の機会をいただければと思っています。

(北海道新聞)
 それで、この担当者が交付金の要件を誤認していたということが原因ということだと思うのですけれども、再発防止策とか、今、現時点ではどういうふうにお考えなのでしょうか。

(知事)
 ここは、今、調査していますので、そこも含めた中でしっかりと再発防止を検討していかなければいけないと思っています。これは、担当部署で確かに誤認したということが要因としてはあるのですけれど、それを要は確認、それ以外の方々もある意味では見逃してしまったということもあります。ですから、そういったことをまた今、範囲を広げている中で、これはあって欲しくないですけれども、ほかの事業などでもそういった誤認などが確認できた場合については、さらに原因をしっかり明らかにした上で再発を防止する、これを徹底してやっていかなければいけないと思っていますので、まずは今、この作業を進めさせていただいてるということを皆さんにも報告したいと思います。

(北海道新聞)
 最後になりますけれども、道財政に大きい損失を与えたという事案になるかなと思うのですけれども、知事ご自身がですね、この問題に対する責任、どういうふうに取るのか、同様のですね事案が起きた千葉県の佐倉市だそうなのですけれども、そこでは市長が給与を10カ月10パーセント減額しているということがあるようでして、まだ全容が判明していないという部分もあるのかもしれませんけれども、その関与した職員への処分も含めて、その辺の責任の取り方とかを、現時点での認識お聞かせください。

(知事)
 まずはしっかり全体を明らかにする。それは私も含めて、しっかり整理する。これがまず私としてやらなければいけないことだと思っていますし、またその全容をしっかり明らかにした中で、先ほど言った再発防止、こういったことなども含めて、やはりしっかりと適切に対処していきたいと考えています。いずれにしても、現段階で受けられるはずのものが受けられなかったこと自体、私として重く受け止めていることも申し上げたいと思います。

(北海道新聞)
 現時点においてはまだあれですけれど、道財政に対する大きな損失を与えたということについて、例えば道民に対する謝罪だとか、陳謝だとか、そういったところというのはまだ全容把握してからということなのでしょうか。

(知事)
 そうですね。しっかりまずは速報というか、今、分かっていることを記者の皆さまを、マスコミの方々を通して、しっかり道民の方々にまず状況をお伝えする。そしてしっかり原因を明らかにして、再発防止もしっかり考えた上で、皆さんにまた再度ご説明の上で、今、お話のあった内容なども含めて、適切に対処していきたいと考えています。

(朝日新聞)
 今のご質問に関連なのですけれども、知事としては、今回返さなくてはいけなくなった結構多額な金額について、これどうにかならないかと国に働きかける考えはないですか。というのは、多分こういう事務処理にものすごく長けている道の職員の方々が、単純に1人の方のミスではなくて、皆さんでもお気づきにならないということは、ものすごく仕組みがわかりにくいのか、もしくは膨大すぎて、コロナ禍の(事務処理が)膨大すぎて大変だったという、ちょっとそういう不可抗力というか、大変な事情があったのではないかなとも推測できるのですけれど、そういうのを踏まえて、あまりに多額な金額なので、これはどうにかなりませんかと働きかけるようなお考えはないのでしょうか。

(知事)
 これは担当部署の肩を持つとかそういうことではないのですが、先ほど申し上げたような、いわゆる年度を超えての支出行為という中で、出納整理期間とか、行政はいろいろな手続きがあります。そういった中で、誤解を生じやすい、そういったものであるということは一定程度あると思います。だからこそ、そうならないように、必要な通知など、国としても呼び掛けをしていたという状況もあるのだと思っています。ただ、今まさに国と協議している部分などもありますので、そういう状況の中では、頂けるはずであった交付金が得られないという状況について、まず重く受け止めるとともに、さまざま国などとも協議しながら、この取り扱いについては対応していければと思っています。

(朝日新聞)
 決裁とかいろいろな手続きが終わったのを蒸し返すのは大変だというふうには思うのですけれども、今、協議中というのも、その場合によっては6.5億、その他の事業もどれだけあるか見つかったら、大変な額になってしまうような気がするのですが、そういうところについては、これはこういうちょっとミスは認めるけれども、制度とかそういうところがどうなんだろうというのを提示して、働きかけるという、協議にはそういう要素は含まれてはいないのですか。

(知事)
 その取り扱いについて協議しているということで、報告を受けているところです。今後については先ほど申し上げたように、今、全体を調べているところですので、そういった状況の中で、また国とも協議をしていくということになると思います。

(北海道新聞)
 核のゴミの関係で教えてください。今週4日に道議会自民党会派の「エネルギー政策調査会」の勉強会があって、核のゴミの最終処分場選定に向けた文献調査が行われている寿都町、神恵内村の両首長と会派所属の道議が意見交換しました。勉強会の中では両首長が概要調査への移行について道議に理解を求めたというふうに聞いています。知事はこれまで、道議会との議論、意見も踏まえて概要調査に進むかどうか最終的な判断をするというふうに発言されていますけれども、道議会のこうした動きについてあらためて知事がどのように受け止めていらっしゃるか教えてください。

(知事)
 勉強会については、いわゆるマスコミ報道などで知る範囲でありまして、私としては勉強会が行われたということは把握していますが、どういったやり取りが具体的になされたのかということは承知していないという状況です。いずれにしても、これまでも、この文献調査から概要調査に移行するという場合の私の考えについては変わりない旨、申し上げているところでありますし、また、先月も、知事会を代表して、最終処分の問題については、原発の所在の有無に関わらず、国民的議論が必要であることや、また、このエネルギー政策の責任を持つ国が、最終処分事業の理解促進に、しっかり前面に立って取り組んでいくべきであること、そして、全国知事会の中でも福井県や青森県などからは、電力消費地である都市部も含め、全国において、こういった最終処分の問題の理解促進を図るべきだということで意見もなされ、私も知事会の(原子力発電対策特別委員会の)委員長として、そういった思いも含めて齋藤経産大臣にも直接申し上げたところであります。これは北海道だけの問題ではないわけであります。こういったことについてもしっかり訴えていきたいと思っています。

(北海道新聞)
 今回は道議会と両首長が意見交換したという形ですけれども、今後、知事として概要調査への移行について両首長と意見交換するお考えがあるかまず教えてください。

(知事)
 現時点でそういった予定はないわけであります。ただ、引き続き、両自治体の状況等については、振興局や担当などからも、常時、状況把握を続けているところでありますので、そこをしっかり丁寧に、これからもやっていきたいと思っています。

(北海道新聞)
 最後に自民党の一部道議からはですね、概要調査の段階で使用済み核燃料が道内に来るわけではないということから、受け入れの可否の判断は概要調査終了後でも遅くないのではないかという声も出ていますけれども、こういった意見に対する知事の考え方、最後教えてください。

(知事)
 当然、それは今ご質問の中でご発言を引用されたとおり、そのとおりなのです。実際にゴミが来るわけではないけれども、最終処分法(特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律)上のプロセスとして、文献調査、概要調査という具体的なステップが示されているわけですから、基本的にはそういった最終処分場の建設に向けたプロセスとして位置づけられた中で、そういった取り組みが行われているということもまた事実です。ですから、そういった状況も踏まえた中で、これまで条例、または、幌延町の深地層研究で一定の役割を果たしている中において、道として、それは受け入れる意思のないという状況で条例が制定されたことなども含めて、反対の意見を申し上げる旨、繰り返し発言してきたことも、一方で多くの方にご理解いただければと思っています。

(北海道新聞)
 当別町の医療大(北海道医療大学)の跡地について質問します。4日に当別町の後藤町長が、医療大の北広島市への移転後に、GXとかDXの人材育成の場として活用したいというお話をし、知事にも支援を求めたというふうに聞いております。知事の受け止めと、考えうる支援などあれば教えてください。

(知事)
 町長のほうから、今後のまちづくりの説明の中で、GX、DX人材が不足していますと、そういう状況の中で必要な人材の育成確保をしていくために、町としても役割を果たすことができればということで、そういった趣旨のお話がありました。私からは、大学の移転に伴う話として、町とこの跡地を所有する大学の法人が、やはりやり取りを重ねていくこと。どうしても跡地をどうしようかと考えた時に、跡地が町のものではないので、所有者が法人になっていますから。そことしっかりやり取りしていくことが大切ということと、私も夕張市で市長をやっていましたから、町として、今後のまちづくりをどう考えるのかということが大事ですよねという趣旨のやり取りをさせていただきました。そして、大学の移転後の新しいまちづくりとか、地域、経済、雇用への影響緩和、こういったものに向けて、町長のほうからも、さまざまなサポートをとっていただいていることの感謝ということでお話があったのですけれども、引き続きしっかり振興局や関係部でも、町と連携してサポートをしていきますということは申し上げて、町長からも、ぜひ、引き続きお願いしますというやり取りをさせていただいたという状況です。

(北海道新聞)
 まだ具体的なサポート内容というのは特段ないということでしょうか。

(知事)
 そうですね。町としても、今後いろいろ具体的に考えていくのだというお話のレベル感というか、そういう話ですね。

(日本農業新聞)
 米の需給に関して質問です。米の全国的な品薄に関心が高まっている中ですね、先日、ホクレンが決めた2024年の生産の概算金について、主要銘柄で過去最高水準となりました。さらに「ななつぼし」など一部の銘柄に関しては概算金を早期出荷に関して上乗せするという例年にない対応もとられました。こうした米の需給を巡る動きについて、知事としてどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。また、米の品薄に関して消費者への呼びかけたいことがあればお願いします。

(知事)
 まず、今ご質問にありましたけれども、先月の29日にJAグループ北海道において、生産者の皆さんに支払う令和6年産米の概算金の引き上げが決定されました。早期に出荷される分についての上乗せの措置についても決定されました。そういう状況については承知しています。あらためて、道民の皆さまというか本日記者の皆さんとも共有したいのですけれども、まず、今年の北海道米の収量ですけれども、これは平年よりも良い見込みです。ですから、平年より状況が悪いというわけではなくて、北海道米については平年よりも良い見込みであるということがあります。それと、各地で例年より早く収穫の作業が始まっているということもあります。そして、この生産者の皆さんのこういった収穫作業に対する努力、そしてお米の流通や販売に携わる皆さんも、今、少しでも早く新米を届けることができるようにということでさまざまな努力をいただいている、このことも皆さんと、まず、共有できたらと思っています。(生産者の皆さんに)収穫を早く行っていただくことと、流通や販売の皆さんにも一生懸命努力いただいていることが成果として(結びついて)、今後、新米が店頭に並び始まりますので、皆さんには必要な量をお買い求めいただくということ。どうしても、多めに買うということを多くの方がやりますと、店頭から早く無くなるという状況になります。間違いなく、まず収量は平年よりも良い見込みだということがありますから、全体のボリュームとしてはしっかり確保できそうだということがあります。ですので、ここはぜひ、必要な量をお買い求めいただく、こういう冷静な対応をいただくようお願い申し上げます。私も、明日、北海道一の米どころである空知管内に入りまして、生産者の方と一緒に収穫を行いたいと思っています。皆さんへの感謝、収穫をいただいている方々への感謝、それをお伝えするとともに、そういった状況などについても直接お話もお伺いしたいと思っています。ぜひ、道民の皆さまには、冷静な対応を引き続きご協力いただければと思っています。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)

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