知事定例記者会見
- 日時/令和6年11月26日(金)14:30~15:41
- 場所/記者会見室
- 記者数/17名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 令和6年第4回北海道議会定例会の開会に当たって
記者からの質問
- カスタマーハラスメント防止条例について(1)
- カスタマーハラスメント防止条例について(2)
- 長谷川岳参議院議員との関係について(1)
- ヒグマ対策について(1)
- アイヌの方々に関する道民意識調査の結果について
- 宿泊税について(1)
- 宿泊税について(2)
- 知事公館について
- 高病原性鳥インフルエンザへの対応について
- 宿泊税について(3)
- ヒグマ対策について(2)
- 長谷川岳参議院議員との関係について(2)
- 全国学力・学習状況調査について
知事からの話題
令和6年第4回北海道議会定例会の開会に当たって
私から一点お話しさせていただきます。
本日から、令和6年第4回定例会が開会いたしました。このたびの議会においては、本年発生した災害の復旧に要する経費など、総額約44億円の補正予算案のほか、宿泊税条例、GX特区における道税優遇措置に係る条例など、17件の条例案を提案させていただいています。
このたびの新型コロナ臨時交付金等の返還事案に関し、国への返納金に係る補正予算案、そして、私自身の給与等に関する条例の改正案につきましても提案させていただきました。29日から一般質問が始まります。今申し上げたような予算案、条例案も含めて、この重要課題に対して真摯に議論を積み重ねていきたいと考えています。
私からは以上です。
記者からの質問
(NHK)
今日、道議会が提案したカスハラ条例が可決成立しました。この条例では、道のほうに今後具体的な対応などについて具体策を講じるよう求めていますけれども、来年4月1日の施行に向けて、今後、道としてどのように取り組んでいこうと考えていらっしゃるか、お考えをお聞かせください。
(知事)
まず今回、道議会においてプロジェクトチーム、そして超党派における検討会議を経て、この条例制定や議会提案という形で尽力されてきたことに対して、本当に敬意を表したいと思います。そして、道においては事業者等が行うカスタマーハラスメント防止に係る取り組みを促進するために、カスハラの事例、そして対処方法などを内容とする指針を作成するほか、情報収集及び情報提供、相談体制の整備、人材育成、啓発活動などの施策を講じることとしています。
今後、道としては、労働者や使用者、学識経験者で構成される労働審議会の委員の方々などから幅広くご意見をいただいて、年度内に指針を作成するということと、カスハラ防止に向けた各般の取り組みについて検討を進めていきたいと考えています。
このカスタマーハラスメントの防止に向けて、条例ができましたと、そして、どういう内容ですということを、広く道民の皆さまにまず知っていただくということが重要だと思うのですが、まずこれは、カスハラについては全ての方がそういった当事者になり得るという中で、そういったことをしないということはもちろんですし、させないというか、そういう観点でやはり整えていくということが必要だと思っています。
それと、北海道庁という意味では、知事部局とか、今回超党派でご提案のあった議会、また教育庁、警察、こういったものを(含めて)考えると、北海道最大の組織でもありますので、カスタマーハラスメントをしない、またさせない、こういう状況の中で、自らがカスハラの防止対策に取り組んでいくということが求められるし、重要だと考えています。ですので、カスハラの実態を、どういう形でやるのが一番いいのかということをご意見もいただきながら調査して、今後の取り組みに反映させてということが重要なのだろうと思っています。今回の条例については、道議会が超党派で議員提案して、本日成立ということでありますので、今後、道庁自らが道議会とも連携しながら、他の模範となるように、このたびの条例制定を契機に率先して取り組んでいかなければならないと考えているところです。
(HTB)
カスハラ条例に関連して一点お伺いしたいのですが、全国初の条例は東京都が提案して作りましたけれども、今回、本来なら道が提案してもいいのかなと思うのですが、議員提案になったことについては、知事はどのようにお考えでしょうか。
(知事)
そこは超党派で議会から提案があって、条例制定していくというのはすごく画期的なことだし、全国でもまだ法律の状況を注視しているところが多い中で、東京都に次ぐ形で、超党派で提案がなされて制定されることは素晴らしいことだと思っています。引き続き、議会と連携して、このカスタマーハラスメントの防止に向けては、まずはこの北海道全体に対する条例の制定の意義とか目的、また道庁そのものも北海道の中で最大の組織でもありますので、知事部局、議会また警察、教育庁などで、(カスハラを)しない、またさせないという中で率先して取り組んでいくということで、道議会と連携して取り組んでいくことが重要だと思っています。先行して、現在方針策定などを進めている東京都の状況なども、互いに共有しながらやっていくということが重要かと思っています。
(毎日新聞)
ちょっと古い話になって恐縮なのですけれども、長谷川岳さんのもとへの出張回数が多かったという件なのですけれども、出張して何を話していたかというのを取材させてもらうと、やはりかなりゼロカーボンですとか、洋上風力ですとか、あと水素ですとか、SAF(サフ、持続可能な航空燃料)ですとか、そういった今の道の主要政策みたいなところで、かなり相当のやり取りをされているなというのが分かってきているのですけれども、この点について、知事はどのように、長谷川岳さんと鈴木知事の道政の関わりというのはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
(知事)
国会議員または国の関係者の方々と、道が進める政策をどう実現していくのかという観点から、いろいろと協力をいただく、また要望などもさせていただく、また提案もさせていただく、そういう状況の中で、道の政策を前に進めていく。これは長谷川岳参議のみならず、多くの議員にもご協力をいただきながらやっている話ですから。また、それぞれの議員の方々も、いろいろ取り組んでいる中心的な政策というか、関心事項みたいなものもあるのだと思っていますので、そのことにわれわれが、それは良いとか悪いとかという立場ではないと思うのですが、ポイントは、道が進める政策をどう実現していくのかという観点から、国や国会議員に協力などもいただきながら政策実現していくことが大事なのだろうと思います。その上で、適正な関係を保ちながらやっていくということが大事だと思います。
(毎日新聞)
長谷川さんの方針と、鈴木知事の方針にずれはなかったのですかと、これは幹部の方ですとか、長谷川さんご自身とかにいろいろ取材させてもらったのですけれども、皆さんあまり、ずれはやはりなかったというふうにおっしゃっていて、昨年、政府の骨太の方針に北海道の存在を、エネルギーの位置付けというので北海道という文言を入れてもらうために、相当知事ともメールなり電話なりでやり取りされたというふうに聞いているのですけれども、そういった部分で長谷川さんというのは、だいぶ協力してもらったという認識はあるのでしょうか。
(知事)
私は、長谷川岳参議とあまりしょっちゅうメールするという感じではないのですけれども、電話で、今、国がどういう状況になっているのだということに対する情報提供があったりはしますし、また私のほうから、道として、今は政策として、こういう議論が道議会やいろいろな中で行われているということで、お話しする機会はあります。大事なのは、道として進めたいという政策に対して、できるだけ多くの方にご協力いただきながら政策実現をしていくということだと思っています。それは、長谷川岳参議と、この点はどうだとか、こちらの点はどうだとかということを一つ一つ、私とどこが考えが違うか、合っているかとか、そういったことを確認したということはないですけれども、ただ私の考えとしては、やはりエネルギーももちろんそうですし、食もそうですし、デジタルもそうですし、そういった観点で、やはり北海道が果たす役割は大きいと思っています。そしてまた、国としてそれを明確に位置付けた中で、北海道が日本に貢献する、また、わが国を牽引していく、そういう状況の中で位置付けることを考えると、一つは骨太の方針、また各政府における政策での位置付け、これをぜひ私はやるべきだと。先般も経産大臣にも言っていますし、いろいろなそれぞれの所管大臣、また副大臣、政務官、有力国会議員、そういったところには、私は全く同じことを言っています。ですから、そこは長谷川岳参議も同じで、そういう中でお話をしているということです。
(毎日新聞)
あと、幅広い国会議員の方とそういう関わりを持っていくということでしたけれども、結果から見るとやはり、出張回数ですとかは突出していたということで。
(知事)
出張(回数)はおかしいですよ。ご挨拶だけでということもありましたから。だからそこは改善するということです。
(毎日新聞)
そういう部分あったと思うのですけれども、知事が知事選に出馬する経緯とかを振り返ると、吉川さんが自民党の会長をされていて、長谷川さんが会長代行をされている時に要請とかがあったと思うのですけれども、そういった一連の選挙をやってきた経緯ですとか、そのエネルギー政策の方向性とかで、かなりやはり近い存在感なのかなという気はするのですけれども、その辺が、長谷川さんの存在が道政でかなり大きくなっているというところと関係はあるのでしょうか。
(知事)
そこは関係ないですよね。要は政策をどう実現するかということで、私の考えと長谷川岳参議の考えが一致することもあるのでしょうし、また、道として政策実現の際には、ある意味では一致しないところも当然あるわけです。ただ、そういう状況の中で、政策というのは前に進めていくということだと思います。ですから、知事として、道政を預かる者として、道民のために、今現在の皆さんとこれから先の未来に向けて、どう北海道をより優位に進めていくかという中で、この政策実現のために協力いただくという方については、より多くの方に協力いただきながらやっていくということが大事だと思います。
(毎日新聞)
ちなみに参考まで教えていただきたいのですけれども、昨年の中国の禁輸の問題があった時に、東電(東京電力)の相談窓口を作ってほしいということで国に要望されて、国がやはりなかなか動いてくれないということで、長谷川さんに相談されたというふうに聞いているのですけれども、これはどういった流れで。
(知事)
私がおかしいと思ったのは、当時、記者会見でも言いましたけれども、東電の窓口が仙台市にしかなかったのです。一番影響が大きいのが北海道なのに、なんで仙台市にしか東電の相談窓口がないのだということで、岸田総理に私は直接それを申し上げました。総理から東電に働きかけをするということで、総理から私にお話がありました。ですので東電に確認しました。そうしたら東電はそんなことは知らないということを言っているので、私はこれはおかしいということで、長谷川岳参議だけではないのですけれども、これはおかしいのではないかと。総理が東電にちゃんと言ったのに、東電が聞いていないというのは、これおかしいのではないかと。内閣総理大臣が東電に是正させると言ったのに、その対応がされていないことに、私はおかしいということで、それはあらゆる人に言いました。それで、道内にそういった相談の窓口を作る必要性があるということで、東電からも回答がありました。これは東電にも申し上げました。ですから、あらゆる皆さんが情報を共有した時に、働きかけをする議員もいたでしょうし、そうではない方もいたでしょうし。ただ、私はこれは会見でも言っていますし、おかしいというふうに申し上げて、結果としては速やかに東電が対応した。私はこれは必要な対応だったと思っています。
(毎日新聞)
最後にその件でも関連で伺いたいのですけれども、東電の相談窓口とかは、結果的に長万部町と紋別市にできて、その途中の経緯の中では札幌市でもいいのではないかみたいな話もあったというふうに伺っているのですけれども、結局地元の方に非常に近いところにできたということで、これは良かったと思うのですけれども、なんかその経緯を聞いていると、やはりなかなか動かないということで、長谷川さんもちょっと反省も込めておっしゃっていたのですけれども、やはりかなり強い口調とかで、首をくくる人が出てきたらどうするんだみたいなことを発言されて、そういう実現にも至ったみたいなことを説明されていたのですけれども、道政の出張の話とかも聞いていても、やはり長谷川さんというのはかなり遠慮なく国にも要望してくれて、結構実現するんだみたいなことをおっしゃっていて。それらをひっくるめて聞いていると、威圧的言動とまでは言いませんけれども、やはりかなり強い言い方とかによって、道政の目的が結構果たされている部分もあるのではないかという気もするのですけれども、その点は。
これまでの流れですと、札幌市の職員ですとか、道庁職員の方々が、威圧的言動を受けて(長谷川参議に)改善してほしいという話だったと思うのですけれども、その裏返しというか、道の要望がそういった部分にちょっと乗っかって実現していたのではないかなという部分もあると思うのですけれど、そこら辺って知事はどう見られていますか。
(知事)
そこは長谷川岳参議もおっしゃっていると思いますけれど、改めるべきは改めるということで、そういう発言、威圧的だと感じたという状況なども含めて、改善するということで、私からも何度も申し入れた中で、その都度言っています。ですから、そこはしっかりこれからもやられていくのだと思います。
ただ、やはり私も先ほど申し上げたような、東京電力が動かないということについては、総理にも申し上げたし、東京電力にも申し上げました。それは知事としてやるべきことをやるという状況の中で、その問題が、長谷川岳参議もこれは重要な問題だということで動かれたのだというふうに思います。ただ、その発言の言い方などには、全般的に改めるべきは改めるということだと思いますので、そこはしっかりやっていただいて。ただ、やはり道民の皆さんが困っていると。私もその賠償の関係だとか、皆さんが困っている中で、なんで宮城県仙台市にしかなくて、北海道が一番影響大きいのに、(相談窓口が)ないのだということについては、私も総理に対しても、これはもう絶対作るべきだということを申し上げましたし、東電にも申し上げました。そこは私は必要なことではないかなと思います。ただ、その言い方とか、そういったところについて、改めるべきは改めると本人がおっしゃっているわけですから、それでしっかりやっていただくということなのではないでしょうか。
(毎日新聞)
最後、確認なのですけれど、一連の問題が明らかになった段階で、道が(長谷川参議の)強い言い方とかにちょっとお世話になっていたと言うと変ですけれども、そういった部分はあったという認識があるのでしょうか。道の要望とか、知事がいろいろな人にお願いする中で、長谷川さんが結構強いあの言い方とかで何かを実現するというところで、道とか知事がお世話になっていた部分もあったのかなという気がするのですけれども。
(知事)
言い方については何度も申し上げていると思いますが、本人が改めると言っているという点は、今も改めているのだと思いますから。国会議員または国の関係者の方々に対しては、やはり北海道の政策、道民の皆さまのために何をすべきかということを考えた上で協力を求めて、ありとあらゆる協力を得ながら、道政を進めるというのは当然のことだと私は思っていますから。ただ、その状況の中で、何かそういう問題が生じた際には、その問題をしっかり共有しながら、関係者、協力者の方も含めて、政策を進めるということに尽きるのではないかと思っています。いずれにせよ、道民のためにしっかり仕事をするということが大事だし、また、その中で何か支障があった場合に、しっかり改めて対応することが大事だと思うので、その考えの下で取り組んでいくというのが大事だなと思っています。
(HBC)
ヒグマの駆除対応の件でお伺いいたします。昨日、北海道猟友会が三役会、役員会を開きまして、自治体からのヒグマ駆除要請を拒否するかどうかという部分を各支部の判断に委ねるという方針を決めました。この方針が決まったことについて、知事の受け止めをお願いいたします。
(知事)
これは会見でも、(質問が)当時ありましたけれども、11月14日に道猟友会が、ヒグマ駆除の拒否を検討しているとの報道がありました。この報道があったわけですけれども、同日、猟友会の会長の名前で、「従来から行っている市町村からのヒグマの駆除要請については誠実に対処することとしており、現時点でその方針に変わりはない」というコメントを出されて、その旨、報道機関にも申し入れを行ったと伺っています。そして、昨日開かれた猟友会の三役会でもヒグマ有害捕獲への対応にあたっては、今、申し上げた会長のコメントを基本に、道と警察と市町村との十分な共通理解を持って、(駆除は)不安のない状況で行うべきとする対応方針を、各支部に通知するということで事務方から報告を私は受けました。道としても、ヒグマ捕獲従事者の皆さまには、地域における安全・安心の確保に大変なご尽力をいただいていますので、こうした方々が安心して現場で捕獲活動ができるようにしていくということが必要だと考えています。このため、先週の18日には、猟友会の堀江会長と一緒に、小林環境副大臣のところにも行って、地域の捕獲体制の強化に向けた取り組みを進めていただきたいということで要望させていただきました。具体的には、今、鳥獣保護管理法の改正ということがありますので、どうしても法律を改正するということになると、道が法改正できるわけではなくて、法律を提案する担当省庁から国会に審議いただくべく、(法案を)上げていかなければないけませんので、ぜひ速やかに審議いただけるようにお願いしますということで、会長と要望させていただきました。また、道として何をやるのですかということについては、野生鳥獣対策を関係機関と連携の下、進めているということで、振興局ごとに、道、市町村、猟友会、道警察のメンバーで構成する鳥獣対策連絡協議会を設置していますので、私のほうから、この協議会を活用して関係者による意見交換、協議を行って、共通認識を図りながら連携を深めてほしいということで、各振興局長等に対して指示を出し、この指示を受けて現在振興局ごとに市町村のヒグマ有害捕獲に係る対応状況を確認しているほか、あらためて道警察にもご協力いただけるようにということで依頼するなど、関係機関が連携する中で、この三役会でもお話があったように、捕獲従事者の方々が安心して捕獲活動に従事していただけるように地域のヒグマ対策が着実に実行されるように取り組んでいきたいと考えています。
(HBC)
もし仮に、自治体とうまく共通認識を持てず拒否するような支部が出てきた際には、今のお話ですと、道として連絡協議会を通じていわば仲裁的な役割を果たしていくということでよろしいのでしょうか。
(知事)
この三役会の中でも、北海道と警察と市町村と猟友会で、やはりしっかり連携して、堀江会長も言っているのですけれども、うまくいっているところもあるのですよと。なので、うまくいくように、道が、その協議会を回していますから、そういう状況の中で、市町村、猟友会の支部、そして警察。このポイントは、警察に対する部分はやはり道警本部長をトップとして、そういう警察組織としての対応がありますから、そういったところに協力も依頼するなど、協議会ごとにしっかり取り組みを進めるということが大事だと思います。ですから、道としての役割をその中でしっかり果たしていきたいと思っています。
(HBC)
一点確認なのですけれども、先ほどおっしゃっていた、道として各振興局に、市町村と猟友会との対応を現在確認しているということだったのですけれど、これはどこかのタイミングでまとめて公表されるような形になるのですか。
(知事)
今、状況を今把握中ですので、それぞれの声、またどういったところに課題があるのか、そしてその課題を解消していかなければいけないわけですから、そういった状況などについて、まさに本日議会も開会しているわけですが、議会議論も踏まえた中で、道民の皆さまが安心できるような形での対応とともに、課題についても当然明らかにしながら、道議会での議論、また、対応を進めていければと思っています。
(HBC)
話が少し変わって恐縮なのですけれども、道民意識調査の結果についてお伺いいたします。先日、道が公表した道民意識調査の結果で、SNSなどを含むアイヌ民族への差別、偏見について、26.9パーセントが直接見聞きしたことがあると回答しました。昨年度のアイヌ生活実態調査でも29パーセントの人が差別を受けたことがあると回答しています。これは3割近い数字だと思うのですけれども、こういう数字が出てきたことについての受け止めをお願いいたします
(知事)
まず、アイヌであることを理由とする差別、これは決して許されないということです。そして道としては、フォーラムの開催とか啓発冊子の作成、配布などをこれまでも行ってきました。ただ、このSNSへの対策ですとか、また、若年層に向けた啓発など、やはり差別の解消につながるように検討して、アイヌの方々に対する正しい理解の促進にしっかり努めていかなければならないと考えているところであります。また、国においては、アイヌ施策推進法施行から5年後の検討の中で、これは私も大臣にも申し上げたのですけれども、道としては調査しますが、これは例えばSNS上で、偏見、差別、誹謗中傷につながる投稿などが道内で完結しているのかと言った時に、これはやはり全国で、どういう意識になっているのかということを、ぜひ確認してほしいということで(申し入れをしました。)北海道だけの問題ではないのに、道は(調査を)やるけれど国はやらないですということだったので、大臣にも直接これはやるべきだと申し入れました。法施行後5年なのですから、やるべきであるということでお話をしてきましたので、これはぜひ(国に)やってもらいたいと思います。ぜひ進めていただきたいと思います。まだ、実際にどういう形でやるとか、そういうことも出てきていないという状況ですが、道で調べた中でこういう状況なのですから、やはり全国で見た時にどういう状況なのかということをしっかり確認した中で対策というものを、やはり道内だけでいいのかということはあります。そういった観点からもぜひ、国ともまた関係機関の皆さまとも連携しながら、ここはしっかり検討していくということが大事かと思います。
(HBC)
道外の一部の自治体では、差別だとかヘイトを禁止する条例を設けているというような自治体もあると思うのですけれども、対策として条例の制定みたいなことも念頭にはあったりするのでしょうか。
(知事)
これはそもそもアイヌ施策推進法という法律があるのです。その中で、法における差別、誹謗中傷に対する実効性などの課題が指摘されています。これは(アイヌ政策推進)会議の中でも当事者の方々からも言われているわけですから、そういった法律がまずある中で、(国は)この実態をそもそも調査しないと最初に言っていたわけで、だから、私はそこがまず、おかしいと思いますし、ちゃんとこれは調査する方向で検討してくれているということなので、まずそれをしっかりやった上で、法律が施行されて5年なわけですから、それは全てが全てうまくいっているということではない中で、この問題というのは結構顕著に会議の中でも発言がありました。SNS上で、そういったものを見たり聞いたりする中で、心を痛めているということで、涙ながらに発言する当事者の方もいらっしゃったわけです。そこに大臣も同席して話も聞いていましたから。そういう状況の中で、これは道ももちろんしっかりやっていくけれど、国としても連携してやっていただきたいという思いです。ですから、そこはやはりご協力いただきたいと思います。
(HBC)
最後に関連してなのですけれども、今月の15日に札幌市でアイヌ民族をテーマにした講演会とパネル展というのが開かれまして、このイベントが差別に当たるとして、また市民団体が抗議のスタンディングを行ったのですけれども、同様のことが3月にも「かでる2・7」の前でありました。こうした事態が道内で頻発している状況について、内容はご存知ないかもしれないですけれども、どのように捉えられていますでしょうか。
(知事)
私はそこの詳細は報告も受けていないのですが、先ほど申し上げたようにやはり法施行後5年なのですから、そういった偏見、差別、誹謗中傷をはじめとして、さまざまな課題も指摘されています。ですから、そういったことをしっかりと今の法施行後、この法律の正しい理解が広がっているかについても、北海道内だけではなくて、やはり全国として、そういう状況を確認しながら必要な対応を取っていくということに尽きるのではないかと思います。道としてやるべきことをしっかりまずやることと、国としても法律を所管しているわけですから、その法律の実効性を上げるための取り組みというのをやはり検討いただく。そのために、われわれとしてもいろいろな提案もしていきたい、要望もしていきたいと思いますし、国とも連携しながら、また実際に声を上げていただいた当事者団体もいるわけですから、そういう方々とも連携して、対応していくというのが大事かと思います。
(朝日新聞)
ヒグマの駆除だけではなくて、北海道と市町村がそれぞれ協力し合って地域特性に応じて政策を行っていくことは当然のことだと思いますけれども、宿泊税についてお尋ねします。昨日、倶知安町長、それから町議会議長、観光協会代表理事、商工会議所の4名の方が道庁に来て道議会議長、副議長、それから各会派に、宿泊税に関する緊急要望を出されたことは当然のことながら知事のお耳にも入っていると思いますけれども、その中で、倶知安町が求めているのはやはり同じ税目である宿泊税について、倶知安町内で道税と町税により異なる二つの制度の徴収事務が混在しない措置を講じてほしいと。さらには、自治体、それから北海道との共存、共栄を可能とすべく、道内の基礎自治体地域ごとに定率制か定額制かを選択できる制度を構築してほしいとあらためて要望されました。知事は、先週の金曜日の会見で、それぞれの都道府県、自治体には課税自主権があるというふうなご説明をされていましたけれども、あらためて、昨日、倶知安町側からこういった緊急要望が出されたことに対する受け止めと、今後、調整といいますか、姿勢について教えてください。
(知事)
緊急要望については、報道で承知しています。これは、倶知安町から道議会に対して提出があった要望書であります。事業者の負担軽減や定率制と定額制を選択できる税制度のあり方を求めるというような主な内容であるということで、報道を通じて承知しているということです。道としては、町が求める制度の実現が可能かということで、倶知安町とともに検討を重ねてきたところです。検討を重ねてきたのですけれども、納税者や地域間の公平性を確保しながら、道の税制度において実現できないということで判断に至ったところです。一方、道におきましても、宿泊事業者の負担軽減を図っていかなければいけない、これが重要だという観点は倶知安町と同じです。ですので、道としては、倶知安町における宿泊税の運用の実績、地域の実態なども丁寧にお伺いしながら、引き続き負担軽減に向けた検討をしっかりと深めていくということが重要だと思っています。これからも倶知安町と、引き続き検討を深めていくということを進めていきたいと思います。
(朝日新聞)
市町村と都道府県、それぞれ課税自主権があるというのは、そのとおりなのですが、一方で、税金を払う納税者にとってみれば、これは同じ税目による二重課税にほかならないわけです。とりわけ、北海道内の観光客というのは道民が多いわけで、観光もあるでしょうし、ビジネスもあるでしょうし。一方で、東京都や大阪府のように、免税点が北海道の今の案ではありません。ですから、結果的に、道外から来る観光客から取ろうというふうに思っていても、結果的に道民が負担するというふうになるのは、もう火を見るより明らかなのですけれども、このあたり、道民の納税者にとって二重負担になるという批判に対して、知事としてどういうふうに説明されますか。
(知事)
いわゆる二重課税ではないかというお話ですけれども、この宿泊税、今、代表例として東京都を挙げられましたけれども、例えば、福岡県と福岡市とか北九州市、また、宮城県と仙台市とか、そういった意味ではある種同様の形で導入が進められ、または今現在も検討を進めているところがあるということは承知しています。その中で、道内においては今どういう状況かというと、北海道だけではなくて約20の市町村において、これは検討が進められているという状況があります。課税自主権に基づいて、広域自治体、都道府県というのは広域自治体ということですので、そういった広域観光を推進するという観点から、税を課していくと。また、基礎自治体である市町村においては、それぞれまた同じように課税自主権に基づいて各地域における観光振興の観点から課税していく、これはそういう意味では行政需要にそれぞれ対応して、税制度を検討しているということは、それぞれも行われていることです。観光立国北海道、観光で非常に大きな期待、また、既に多くの方々にご利用いただいているこの北海道においても、さらに多くの方にお越しいただくべく、この宿泊税を導入した中で、そういう好循環をしっかり生み出していくことが私は重要だと思っていますので、ぜひこの部分については、本日、条例提案しましたので、議会でしっかり議論しながら進めていければと思っています。
(朝日新聞)
いみじくも今、知事が言及された福岡県ですけれども、福岡県の場合は、県内でほぼ、一部あれはありますけれど、ほぼ同一な税額になるように、例えば福岡県、福岡市と北九州市については、福岡県税を減税するという仕組みにしています。いわゆる福岡県方式ですけれども。同じく現状、長野県が同じように市町村が独自の宿泊税を導入する場合は、県税を減税するという仕組みにしようとしています。つまり、福岡県や長野県のそういった仕組みというのは当然のことながら、宿泊者に対する負担感を軽減すると同時に、公平性という意味で、同じ都道府県の中で非常に幅があると、宿泊税で、これはやはり税の公平性の担保というところからも含めて、問題があるのではないかという意識から福岡県や長野県はしていると思うのですけれども、一方で、今のところ道税は全くそういった現状を考えていないようですけれども、そのあたりはいかがですか。
(知事)
それは福岡県、福岡市の話をはじめとして、例えば、(宿泊税の導入を検討している市町村の)宿泊(延べ数)は7割(強)ですか、札幌市が多くの宿泊施設を有しています。そういう中でもさまざまな議論がありました。そういう状況の中で、今のこの段階的定額制、それがそれぞれ今、例えば、札幌市においても、そういった考え方の下、道と同様の考え方の中で進めていると承知しています。それぞれの県、それぞれの市、住民が選んだ市長、知事、議会、それぞれの地理的背景、実情の中でさまざまな議論が行われて、現在の状況になっていると思います。大事なことは課税自主権に基づいて、それぞれの権限を有する市長、知事、または議会、そういった中で議論がなされて、しっかりと理解の下で課税を行っていくことが重要だと思いますから、そういった全国的な状況についても引き続き関心を持ちながら、しっかりと取り組みを進めていきたいと思います。
(朝日新聞)
最後にもう一点だけ。先週も同じような質問が出たようですけれども、倶知安町さんがこういった反対されていたりとかという状況の中で、条例案が出た、可決したとしても、総務省の同意が得られないのではないかというふうに指摘する専門家が実は多くて、これまでで言えば3カ月経てば同意を得られるというのが通例でしたけれども、やはり税の専門家から言わせると、いやそれはちょっと違うよねという人も複数いるのですけれども、そのあたりいかがですか。
(知事)
そこは課税自主権に基づいて、それぞれ市町村と都道府県が宿泊行為に対して目的税として課税しているということを、一つポイントとしては重要視した中で、さまざまな審議が行われて、判断がなされるのではないかと思っています。そこは、まだそういう意味ではこの条例を提案したという状況ですから、まさにわれわれの考え方を丁寧に説明しながら議会議論していく、さらには倶知安町においても、そういった定率と定額においての考え方の違いがある中で、どうやれば負担の軽減ができるのか、そういった点についても徹底して考えていく、こういう状況も引き続き続いていきます。そういう状況の対話をやはり重ねていく、このことはやはり大事だと思いますから、とにかく負担を軽減していく、対話を続ける、重ねていく、これが大事だと思います。まずは本日から議会が開会しましたので、道の考え方について、道民の代表である議会の皆さまに対して丁寧に説明していく、このことをやっていきたいと思います。
(STV)
同じく宿泊税に関することですけれども、今、知事は、今後も引き続き倶知安町のほうと議論を重ねていくということをおっしゃっていましたけれども、昨日出された緊急要望の中には、倶知安町のほうの言い分としては、道が制度的な議論を打ち切って条例案を提出した、というようなことが書かれてありましたけれども、これを今後、知事の考えの中では、議論を打ち切った中でどういうふうに引き続き議論を続けるというふうなことになるのでしょうか。
(知事)
前回(の記者会見の説明で)も(スライドを)使いましたけれども、そもそも倶知安町が2パーセントの定率制ということで、もう既にこれは(令和)元年度から導入されています。道のほうは、先ほどの質問にもありましたけれども、段階的定額制ということで、100円、200円、500円ということでやっています。この点について違うわけです。倶知安町は、(定率制と定額制を)選択できるようにしてくださいと言っています。そして、先ほど申し上げましたけれども、道の定額制というのは、今約20の市町村でも同じ方法でやろうということを検討しています。倶知安町では、道が定額制というのをやりますと(定率制と定額制の)二つになってしまうので、この負担を軽減してほしい、これは重要だよねということです。それと、先ほど言ったように、道も定率制にしてほしいということなのです。これは、前回もご説明したのですけれど、これができるのかということで、倶知安町が言っていることはどうやったらできるのだろうということで、町と一緒に検討したのですけれど、道の税制度においては実現できないということで判断しました。この点がやはり、倶知安町と道でなかなか折り合いがつかないというところです。ただこれは、実現ができないものですから、どうやったらできるのかということで検討したのですけれども、できないので、ではどうするのと言った時に、負担がやはり増えてしまうので、当然、倶知安町が負担が増えるということに対して、やはりこれは軽減しなければいけないということを徹底してやろうということで、今、道としては、協議をさらに深めていきたいと思っているのです。ですから、そういった緊急の要望書自体はわれわれに提出されていないので、報道で知るという状況ではあるのですけれど、基本的にはそこの部分、今申し上げたような、定率制と定額制のところ、ここがまさに折り合わないというところについて、強く言及されているというところで受け止めています。
(北海道新聞)
昨日の総務委員会で知事公館の大規模改修について、そういう方針が示されました。具体的に知事としてこの歴史ある建造物を、今後どのようにしていきたいと考えていらっしゃるのか、今のご意向というか、ご見解をお聞かせください。
(知事)
知事公館については、道民の皆さまの貴重な財産であります。歴史的、文化的価値を有するこの知事公館を適切に保存していく、そして次の世代に確実に引き継いでいくことが何より重要であると考えています。この知事公館については、前回は平成7年、8年に大規模改修していまして、早いものでその改修から約30年が経過しています。そういった意味では、再び改修が必要な時期を迎えているという状況です。この建物の重要性に鑑みて、必要な改修を行うことといたしました。知事公館については、皆さまご承知の方も多いと思いますけれど、緑に囲まれた静かな環境の中にあります。北海道にお越しいただいた多くの方々、海外の方とか、私も多くの方とそこでお話したりしたのですけれども、緑地もたくさんありますし、おもてなしに非常に対応できる、そういう歴史ある施設だと思っています。そういうところですので、改修に併せて応接機能の拡充を行っていくということと、緊急時における本庁舎のバックアップ機能ということで、今そういった会議機能がなかなか不十分だという状況があるので、こういったところも充実を図っていくということを進めていきたいと思っています。また、道民の財産なので、より多くの方々に、ぜひ訪れていただきたいと考えていまして、土日祝日の一般の方々への公開、そして北海道の歴史に関する展示の充実も進めていければと思っています。
(北海道新聞)
鳥インフルに関連してお聞きしたかったのですけれども、知事は議会答弁なんかで鳥インフルが家きん施設で発生した場合に、道職員の方がいろいろ作業されている、今一部外部委託しているのですが、今後も外部委託を拡大していきたいということだったのですが、例えば、殺処分だとか消毒作業とか、どこまで外部委託の業務というのを拡大していく方針なのかというのと、スケジュール感、今シーズンからも取り組んでいきたいのかちょっとお聞かせください。
(知事)
私も高病原性鳥インフルエンザの対応をしている中で、自衛隊に対して防疫措置の協力を要請したりだとか、職員直営で24時間3交代で対応しています。さらに複数カ所同時に発生するということなど、こういう問題というのは楽観的に考えるというよりは、まさかこういう事態があるとは思わなかった、というようなことにも備えていくということを考えると、職員が全て対応することが果たして合理的なのかということも考えた中で、この外部委託の可能性について検討して、可能だというものについては、民間の事業者の皆さんにもご協力いただきながら、段階的にでもやっていくという考えの基でこれまで取り組んできました。そういう意味では、今回の厚真町や旭川市の事例においても、防疫作業職員の送迎バス、食事の手配などの業務については外部委託でやりました。またその結果としても、発生翌日のバスの急な手配、また直前のシフト変更、食事の在庫が不足した際の機動的な調達、こういったところも、今まで職員が全部やっていました。なので24時間3交代でこの殺処分をはじめとする防疫措置にあたりながら、今申し上げたようなこともやっているという状況でしたから、こういう負担が軽減されたということは、本当にご協力いただいた事業者にも感謝申し上げたいと思いますし、私はこれからも重要だと思っています。ですから、さらに負担軽減できないのかということで、例えば、農場の清掃、消毒作業といったものも、場合にもよりますけれども、かなりの作業になります。ですので、こういった人材派遣などが委託可能な業務範囲と整理できるのかということについても検討して、これら業務に対応可能な民間企業との協議も行いながら、外部委託をさらに拡大していくことについても、検討していきたいと思っています。職員は当然のことですけれども、日常業務をやりながら、発生した時に、前回だと深夜1時過ぎとかに作業を開始して、翌朝まで作業して、3交代でこれをやると、そしてさらに本来業務に戻って仕事をするという状況です。これは本当に非常に大きな負担になっていますので、鳥インフルも常態的に発生するような状況なども出てきていますから、そういう意味では外部委託でご協力いただけるところについては、やはりしっかり整理、検討して、やっていくことが私は重要ではないかなと思っていますので、ここは多くの方のご協力もいただきながら、対応していければと思います。さらに、先般、国のほうでも緊急全国会議でほこりの侵入が懸念されると。ほこりですとかチリとか、散水・消毒を徹底するようにということで、これは11月21日に農林水産大臣出席で開催されましたので、これを受けて本日、各振興局、また家畜保健衛生所に対して、こういった点に注意いただきたいということについても、本日周知もいたしました。いずれにしても、そういった緊張感を持って引き続き対応していきたいと思っています。
(北海道新聞)
もう一点だけ、外部委託するに当たって、課題になるようなことというのは、どういうことが考えられるのでしょうか。
(知事)
発生するそれぞれの場所によって、ご協力いただける地域の事業者の方がいるとか、いないだとか、そういうところもあるかと思いますし、そもそも、そういう意味では外部委託として今まで整理していない中でお願いするので、実際、例えば清掃、消毒における協議の中で、どういった課題が事業者の皆さんとしてあるのかということについても教えていただきながら、そこは検討していくということだと思います。今まで全部職員がやってきましたから、業者さんの目から見たら、いやこういう点は課題だと、こういった点は契約の中で難しい点になるとか、そういうことも教えていただきながら整理していくということが大事だと思います。ただ、基本的方向性としては、やはりマンパワーにも限界があるのです。なので、多くの方々にご協力いただける体制を、平時からいかにつくれるのかということも大事だと思いますから、そこは段階的でもやれることからしっかりと整理して、職員の負担を軽減していくことが大事ではないかと思っています。それと、業者の方も当然ですが、安全に防疫措置をやっていただかないといけませんから、そういう点もしっかり状況をお聞きしながら、協議していくというのが大事かと思います。
(NHK)
細かい話で二点あります。一点目、宿泊税の関係で、さっきサイネージにも出ていたと思うのですけれど、いわゆる倶知安町との協議の中で、道の税制度では実現ができないというふうに書いてあったと思うのですけれど、ちょっと私が聞いた話だと、結局、今の道の制度で定率制を特例措置として設けるシミュレーションをやってみた結果、できなかったみたいな話があったと思うのですけれど、その実現ができないというふうに判断した根拠というのが、例えばどういうところに課題があったからできないというふうに判断したのかということが、もし知事の中で今お話しができるようだったら、ちょっとお聞かせいただけたらなと思います。
(知事)
かなりテクニカルな話になってくるので、後ほど事務方からも追加で説明させますけれども、今、ご質問にあったとおり、倶知安町のご意向を実現するために、要は、倶知安町だけが定率制の中でやるための、税法上の特例規定というのがありますから、その中で本当にできるのかということに関して、総務省などにもさまざまご助言もいただきながらシミュレーションを行った中で、これはやはり実現はできないだろうということで判断しました。ここはどういう考え方であるかということについても倶知安町とも共有させていただいています。その中でわれわれとしては、それでいいのかと考えた時に、やはり負担がありますから。そこをどうやったら解消できるのかということについては徹底的に考えていくという観点の下で今、深めていければと思っています。
(NHK)
そうすると、簡単に言ってしまえば、現行の税法上の特例規定の中で、なかなか対応するのがやはり難しいということに結論として至ったから実現できないということになったということですか。
(知事)
そうです。
(NHK)
あともう一点、ヒグマの関係で、さっき質問にもあったと思うのですけれど、振興局を通じて、今、いろいろな状況を確認して、対応状況を確認するということはあったかと思うのですけれども、これはつまりその、猟友会の71支部に対して、今の連携具合がどうなっているかということを確認していらっしゃるのかということがまず一点と、今後この結果を公表するかどうかということに関して言うと、例えば71支部に聞き取っていった結果、例えば、現状、既にわれわれの取材の中でも拒否する意向を示しているところもあると思うのですけれど、例えばその拒否する意向が例えばどのぐらいで、今この現状どおり応じるところがいくつというその具体的な数値も含めて公表しようという、今お考えでいらっしゃるのか、はたまたその聞き取ったざっくりとした結果として、例えばその拒否する中にはこれぐらいのこういうことを課題として指摘しているというようなことの、その課題の部分だけを公表しようと思っていらっしゃるのか、その辺もし知事のお考えもあれば。
(知事)
今、公表のあり方について、ここで申し上げるような状況まで整理ができていないのですけれど、まずは、振興局ごとに協議会があるので、協議会の中に構成する市町村がありますから、その状況をまず確認するというのは、われわれはやっています。それと、猟友会は71支部に対して状況を確認しようということで、会長もおっしゃっていました。ですから、猟友会の支部としての率直な考え方というのを多分、猟友会としても知るということをやられると思うのです。そういう意味では、猟友会も言っていますけれども、北海道と市町村と警察と猟友会がある意味ではしっかりと目線というものが合わないと、なかなか協力関係が構築できないというところが課題になっていますから、やはりそれぞれそういう、行政側で今聞き取っている話と、猟友会としても71支部に聞いているということも、もし教えていただけるのであれば、教えていただきながら、そこで課題をすり合わせていくということがどうしても必要になるのかなと。堀江会長もおっしゃっていましたけれども、いろいろお困りごとがあった時は相談を受けているのだけれども、猟友会として全ての支部に状況確認している状況にはないのだ、ということで言っていて、それをやはり確認しなければいけないということで、猟友会としてもおっしゃっていたので、率直なその支部としての思いというかそこの情報も大事なのだと思うのです。だから、そこをどういう形で共有いただけるかも相談しながら、いずれにしても、あとは警察ですね。警察の課題も結構言われています。だからそこも警察本部長をはじめ、皆さんにどういう協力をお願いし得るのかということも検討しながらやっていくということになるかと思います。
(読売新聞)
さっき長谷川さんの質問があって、ちょっと触発されて一つ質問があるのですが、長谷川さんは自治体の職員を動かすというか、直接やり取りするというのは、国会議員で比較的珍しいタイプなのかなと思うのですが、道から開示された黒塗りだらけの議事録を見ても、熱意は伝わってくるというか、すごい北海道のことを考えてくれているのだなというのは伝わってくるのですけれど、これを見ると、本来は知事がやるべきことをやらないから、この人はこういうふうに動いているのかなとか、あるいは、知事と長谷川さんがもっと意思疎通を図ることによって、知事が先導して、主導して道職員を動かしていけば、長谷川さんはここまで道庁に来ないのかなとか、いろいろ考えるわけですが、得意、不得意いろいろあると思うので、もしかしたら長谷川さんに任せているのかもしれませんし、おそらく普通の組織のトップだと、外部の方がやってくるのは困るような気もするのですけれど、うまくやっていこうと考えるのか、あるいはさっきの質問にあったように、政治家として借りがあって断れないのかとか、少なくともそう思われているという事実はあると思うのですね。3月にこの問題がいろいろ話題になってから、もう年も暮れなのですけれども、今後どういうふうに付き合っていくのかということと、そういう貸し借りとかですね、そういうことがないのかも含めて、もうちょっと何か説明してもらえないかなと思います。
(知事)
何を質問したいのかよく分かりませんが、先ほど申し上げたように、道の政策を実行するために、あらゆる皆さんにご協力いただきながら、それを実現していくということに、これからも、これまでも、そういう意味では変わりありません。国会議員の皆さんがどうあるべきかというのは、これは、国民が選んだそれぞれの代議士または参議院議員が、まさにそういった代表者としてどう仕事を進めていくべきかは、それぞれがお考えになることでありますし、長谷川岳参議においては、そういった課題が指摘される中で、改めるべきは改めるということで対応されているのだというふうに考えています。貸し借りがどうのこうのとかという話がありましたけれども、別にそういったことは一切ないわけですから、政策をどう実現するのかということで、それは、長谷川岳参議とも考えが違うことだって当然あるわけですから、そういう状況の中では、それぞれがそれぞれの考えの下でいろいろな行動をしていく。これが、それ以上でもそれ以下でもないということだと思います。
(読売新聞)
別件で、学力テストのことでちょっと質問があります。知事会側から昨日、学力テストのアンケートを公表していただいて、知事がどういうふうに回答したのかと問い合わせたら、総務課に行けと言われて、また黒塗りかなと思ったら、総合政策部総務課だったので全部出してくれたのです。ありがとうございました。それで、まず、2027年度からCBTというコンピューターベーストテスティングだと思うのですけれども、要するに、タブレットをみんな子どもたちは持っていますので、これを活用すればいろいろと工夫ができるのではないかということで導入されるのですけれど、これについて知事の考えを教えてください。
(広報広聴課長)
それは、事務方の教育部局からお答えさせていただきます。
(読売新聞)
いいです別に、次行きますので。知事の考えを聞きたいので別にいいです。
それから、学力テストはすごい難しいテーマで、そもそもその学力テストをやめろという人もいますし、やめろという人の中にも、宮城県の知事のようにコストの面からおっしゃる方もいれば、そもそもテストをすることがよくないみたいな人もいて、なかなか難しいのだなと思うところなのですけれど、知事はこの学力テストそのもの、あるいは、皆さん一斉に特定の学年の方を調査するわけですけれど、これを維持することについては特に反対はされていないという理解でいいのでしょうか。
(知事)
まずこれは、全国知事会で学力テスト(全国学力・学習状況調査)の件が議論になりました。私はこれは、知事部局と教育部局で、この知事とか市長が変わる都度、教育のあり方が変更になるということに対する政治の関与というものを、教育は、ある種の独立性を守るということで、そういった中でこれまでも教育行政というのは進められてきました。ですから、知事会がこの学力テストのあり方について、さまざまな考えを大胆に提案してやっていくことについて慎重であるべきだという立場です。これはやはり、一つは学力テストとして一定の役割を果たしてきたというところもあると思います。また、子どもたちがそういった環境の中で、教職員も含めた中で対応してきていますから、この知事というのは、直接選挙で選ばれてきていますけれど、その人が4年ごとに変わって、教育行政についてああだこうだと言って、その都度その都度考え方が変わっていったら、なかなかそれは、今、総合教育会議ということで首長が主催する教育のあり方全般に対する議論をする場というのは、いじめ問題とかいろいろなことがあったからできていますけれど、ちょっと教育の根幹に関することについて、本当にそういう議論でいいのかと考えたら、やはり私は、これは慎重な対応が必要ではないかと思います。ただやはり、時代とともにあり方についてはいろいろな議論があっていいというふうには思います。なので、そういう意味では、いろいろなやり方、また、手法などについてその負担が大きいとか、いろいろな話もあるということですから、そういうことを議論すること自体を否定するわけではないのですが、ただ、そういったある種、抑制的であるべきところでもあるのだと思います。そこは確かそういう形で回答するように言ったような気がするので、多分そういう感じで回答しているのではないかなと思います。
(読売新聞)
あと公表のあり方なのですけれど、調査するならしっかり公表してもらいたいというのが、少なくとも多分報道機関はみんな思っていると思うのですけれど、都道府県別の公表をしないほうがいいと言っている知事が14人ぐらいいて、ちょっとびっくりしたのですけれど、知事は都道府県、今しかも北海道においては、振興局別の数字まで出しているので、ほかの県よりもむしろ進んでいると思っているのですけれど、知事は都道府県別の結果公表については、どういうふうに考えていますでしょうか。
(知事)
これは、地域別公表についてもいろいろな議論があって、例えば北海道の場合においても、ミニマムな単位で言ったら、ある種、本当にもう児童生徒が限定的になって、そういう状況が可視化されることについての課題があります。ですから、そういう観点での課題でもあると思います。ただ一方でやはり、一定の単位で公表する中で、結果を受けての改善を進めていくということでの一定の効果はあるのだと思いますので、そこについては、そういう意味では、14のところがそういう意見ということですけれども、いろいろな意見を議論すること自体は否定するものではないのかなと思います。
(読売新聞)
最後にちょっとお答えいただけるかは分かりませんけれど、調査結果が非常に出るのが遅くて、すなわち4月とかにテストして、7月ぐらいに出ると、夏休みになってしまっていると。さっき(総合政策部)総務課さんに聞いたら、そういうコメントを出したと。要するに、結果の通知が7月になると遅くなるので、もう少し早めてもらえないかという趣旨の何か回答したそうなのですけれど、もし知事が覚えていらっしゃったらお願いします。
(知事)
事務的にそこは、対応しているのではないですか。
(学校教育局長)
回答の内容では、今お話のあったとおり、私立学校の意見として、調査結果が出るまでに時間がかかるので、振り返りの効果を高めるために、もう少し結果の通知時期を早めてほしいとありましたので、それを付して回答しているというところでございます。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)