知事定例記者会見
- 日時/令和7年1月10日(金)15:05~16:01
- 場所/記者会見室
- 記者数/18名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 年頭に当たって
- 経済対策について
記者からの質問
- GX2040ビジョンについて
- 部課長会によるパーティ券購入について
- 被災者生活再建支援法について
- 宿泊税について
- 北海道新幹線について
- インターステラテクノロジズ社への出資について
知事からの話題
年頭に当たって
私から二点、お話しさせていただきたいと思います。
まず、年が明けて初めての定例の記者会見になります。道民の皆さま、そして記者クラブの皆さま、また今年1年よろしくお願いいたします。
今年は北海道にとって大きな転機となる1年になると考えているところです。1月6日に行われた石破総理の年頭の記者会見において、石破総理から、「令和の日本列島改造」と位置付けて、「地方創生2.0」を強力に推し進めるということ、再生可能エネルギーなどの供給拠点を拡大し、その周辺に新たな産業集積を進めていくことが、「地方創生2.0」の重要な柱である旨のお話がございました。年末に示されました国の「GX2040ビジョン」の案の中でも、グリーンエネルギーが豊富な地域で産業集積の構築を目指すとされました。その中で、北海道については、既に企業投資の動きがあり、GX型の産業構造の転換につなげていく地域の一つに挙げられました。グリーンエネルギーが豊富な地域は、まさに北海道であります。国家戦略として、産業集積の方針が示されたことは、大変、大きな意義があると思います。また、春には次世代半導体のパイロットラインが動き出します。爆発的な増加が予測される電力消費を抑制するキーテクノロジー製造に向けた準備が着々と進んでいます。さらに、四半世紀ぶりに食料・農業・農村基本法が改正され、国では新たな基本計画を3月までに策定する予定になっています。本道農業の実情を踏まえた内容としていかなければなりません。これまでわが国の食料供給を支えてきた北海道が、計画にしっかりと位置付けられるように引き続き働きかけていかなければなりません。国内外の情勢の変化とともに、食料、経済の安全保障など、北海道のプレゼンスは急速に高まっています。日本を牽引し、そして世界をリードしていく、そういう気概を持って、北海道の価値を高め、チャンスを掴み、そして生かし、引き続き、北海道の創生に向け取り組んでまいりたいと考えていますので、本年もよろしくお願い申し上げます。
経済対策について
二点目でございます。
記者の皆さまには昨日ご説明させていただきましたけれども、この記者会見につきましては道民の皆さまもご覧いただいておりますので、記者の皆さんには重ねての説明になる部分があるのですが、物価高緊急経済対策の案について説明させていただきます。本道経済は、エネルギーや食料品等の物価高が長期化しています。道民の皆さまの生活や事業者の方々の経営環境に大きな影響が生じています。昨年11月に決定された国の総合経済対策の趣旨に鑑み、道といたしましても、可能な限り早急に対策の具体化を図るべく検討を進めてきたところであります。今般、道民の皆さま、事業者の方々からの声を踏まえ、秋冬期の対策も念頭に置きながら、総額189億2千万円の物価高緊急経済対策の案を取りまとめたところでございます。対策は「道民生活への支援」と「事業者への支援」を両輪で進めていくということであります。国や市町村とも連携しながら、物価高の影響緩和につなげていきます。
まずは道民生活への支援についてです。ここ(モニター)に書いてあるのは、市町村、道、国、それぞれがやることということです。お米券、牛乳券を道民の皆さまにお配りしますと言った時に、それ以外はどうなっているのだという話がよく言われるのですけれど、色々な対策が市町村とか国で行われるので、こういった全体を見やすくしたほうが、こういう全体像なのだというのが多分分かると思うので、記者の方は十分ご存知だと思いますが説明します。まず、住民税非課税世帯の皆さまに対しては、各世帯3万円、子ども1人当たり2万円の給付が行われるということです。そして、支援はこの非課税世帯だけなのか、という状況の中で、子育て世帯に対して、これは所得制限なしですけれども、お米券、牛乳券の配布、これは北海道がやるということです。それと、これは市町村と道がやることなのですけれど、給食の食材費とかが上がっています。そうすると、おかずが減ったりとか、給食費が増えたりとか、そういうことになってしまうので、そうならないようにということで、幼稚園、保育園、小学校、中学校、高校などの給食、原材料費への支援をやります。ここは子育て世帯ということですね。さらに、非課税世帯ではない子育て世帯でもない、われわれはどうなるのだということに対しては、全ての世帯に対して、電気代、ガス代、これは国が支援しているのですけれども、LPガスが(国の支援の)対象外なので、LPガスについては、全ての世代に対して2千円の負担軽減を北海道がやるということです。そして、低所得者の方に対する灯油、これからも使うわけですから、こういう灯油の支援というのは市町村と連携して、道がこの福祉灯油と言っている支援をやっていきますよということです。そして、特にこの子育て世帯がちょっと手厚いのではないのという話が、昨日も質問が出たのだと思うのですけれど、実際そうしているのです。それは何でなのですかと言ったら、子育て世帯の方のうちやはり生活が苦しいという回答をされている方が全世帯に対して割合が高い状況になっています。国の基礎調査の中では、全世帯も大変なのだけれども、特に子育て世帯については65%の方々が生活に苦しいというふうに回答されていまして、全世帯よりもさらに厳しいと回答されている方の割合が高いという状況になっています。これはまず一点目。それとやはり子どもを育てるということで、どうしてもなかなか削減できない子育てに関する経費があるので、そういうのが多い。今、食費などがどうしても物価上昇などで上がっています。そうすると、支出割合というのがどうしても高くなってきます。その中でお米も高くなっているのですけれども、そういった観点からの緊急的な支援。そして道産品、これも消費していただいてということで、道産品の振興を図るために子育て世帯に対する支援をやっていくということです。3年連続やっているのではないかという話についても、中身がちょっと変わってきていて、対象の期間についても、国の対策自体も短くなっています。でも一方で、この支援は増えています。金額ですね。お米がやはり上がっているのです。だから、お米の金額も増えています。一方で、牛乳は減っています。牛乳は今、調整しているとかそういう状況にもない、価格が急激に上昇している状況でもないのですけれど、消費は減退しますので、そういうところで、金額の強弱をつけていますということです。
ちょっと個々に見ていきたいと思うのですけれども、子育て世帯の部分については約5千円のお米、牛乳の商品券を支給するということです。申請期間は4月から6月を予定しているということです。先ほど言ったようなこの給食は、市町村のほうと道とで、幼稚園、保育園、小学校、中学校、高校など、そういったところでの保護者負担の軽減ができるように原材料費を支援するということです。
次が、この低所得者世帯に対する支援ということで、先ほど最後に申し上げた福祉灯油。基準額を1.5倍に引き上げて、市町村と連携して福祉灯油事業に取り組んでいくということです。
そして次が、これは全ての皆さまに対する支援として、国の対象にならないLPガス、これを1契約当たり2千円値引きしますというものです。
ここから先は道民の方ではなくて事業者の方、道民の方に対する支援と事業者の方に対する支援で、今、話したのは道民の方で、これからが事業者の方への支援です。事業者の方への支援については、医療・社会福祉施設、そして農林水産業、中小企業、地域交通・運送、観光業、こういった幅広い事業者の方々のニーズを踏まえて支援を行うということです。
まず初めに、物価高の影響を価格に転嫁できない病院、介護・障がい福祉施設などへの支援です。こちらについては、光熱水費などについて、病院1床当たり9500円、介護・障がい福祉施設のうち入所施設は1人当たり6600円、通所施設は1人当たり3800円、こういうものを支援するということです。食材料費については病院は一床当たり5400円、介護・障がい福祉施設のうち入所施設は1人当たり5400円、通所施設は1人当たり1800円をそれぞれ支援するというものです。
次に、酪農・畜産経営への支援です。配合飼料価格安定制度に加入している畜産農家を対象として、配合飼料1トン当たり800円を支援するというもの。また、酪農、肉用牛経営を対象として、経営コストの削減等の取り組みに対して、飼養頭数の規模に応じた定額の支援を行うというものです。
次が漁業者への支援、こちらは国の漁業経営セーフティーネット構築事業における漁業者の積立金相当額の2分の1の補助、また、林業・木材産業事業者への支援、こちらは省エネ機械の導入等に取り組む林業・木材産業事業者を対象に経費の2分の1を補助するものです。
次に、中小企業に対する支援です。まずは国の支援の対象とならない特別高圧電力利用者に対して、令和6年8月から10月、本年1月から3月の利用分について、1キロワットアワー当たり0.7円から2円を支援するというものです。
次に、デジタル技術を導入して、生産性向上に取り組む企業に対して200万円を上限に対象経費の2分の1の補助。一定の賃上げを実施した企業の皆さまには上限300万円、補助率を4分の3に引き上げるということです。
また、建設や介護などの人材不足分野に就労された方に対する奨励金10万円と、移動費を支給するほか、採用する道内企業には支援金10万円、さらに賃上げや離職期間1年以上の者を雇用した場合には10万円を加算して、最大20万円を支給するものです。
次に、地域を支える交通・運送事業者への支援です。こちらについては、車両維持に要する経費を支援することとして、地域公共交通事業者に対して、1台当たり、バスは2万円、タクシーは1万3千円、フェリーは300万円から900万円を支給するというものです。また、運送事業者に対しては1台当たり、トラック1万4千円、トレーラーは6千円を支給します。
最後に観光業に対する支援です。観光産業の繁閑差の改善のため、秋から業界が行っている対策を中心とした道民向けの需要喚起の取り組みを後押しするということで、観光関連事業者などが行う道民向けの旅行割引等の取り組みを紹介するサイトを構築する、対象サービス利用時の抽選キャンペーンなどを実施するというものです。
主な事業については以上です。これらの施策を含む補正予算案を16日に開催される道議会臨時会に提案させていただいて、ご審議いただいた上で、議決を得られた暁には、できるだけ早く皆さんにお届けできるように取り組んでいきたいと考えております。
私からは以上です。
記者からの質問
(毎日新聞)
「GX2040ビジョン」の案の件で伺いたいのですけれども、産業集積の部分で、北海道と札幌市が昨年11月に政府提案されている時に、ウェルカムゾーンというのをつくったらどうかという話をされていて、系統の増強とかを提案されていたと思うのですけれども、今、政府でもそういうふうに、産業集積を進めるという方向が出てきた中で、今後、北海道で産業集積を進めるにあたって、どういう形で進めていくのか、知事の今の現状の考えというのを聞かせてください。
(知事)
「GX2040ビジョン」の案が示されて、脱炭素電源に近いところで産業集積させる代表例として北海道ということで記載もいただきました。これはわれわれがその必要があるいうことで提案してきたので、大臣にも秋元市長と一緒に提案させていただいて、明確にその方針を記載いただいたということは大変ありがたかったなと思っています。ただこれは、今後、パブリックコメントなどを踏まえた中で成案になっていくということなので、そこは引き続き注視したいと思っています。
まず、道内の状況としては、今年、ラピダスのパイロットラインが春に稼働するという状況などもありますし、また、日本最大級のデータセンターの立地表明などもあったのですけれども、道央圏を中心にそういった企業進出の動きが出てきているということに対して、やはり全道域でGX投資を呼び込んでいくべきだということで、議会議論やこの記者会見でも、記者の皆さまからも、そういった視点からご質問などもいただいてきました。道内においては、道北から道南にかけての日本海側においては風力がありますし、太平洋側の太陽光だとか、畜産業、林業が盛んな地域における、畜産・木質のバイオマスとか、またさらには地熱などのさまざまな再エネ電源が各地に存在しています。この再エネ電源というかエネルギーという意味では、道央圏というより、むしろそれ以外の地域にそのポテンシャルがあると思っています。道内のそういった高いポテンシャルを有する、再エネを活用する、その中で企業立地集積を進めていくということでありますので、道央圏への集中から全道へのという観点でも、このビジョンというのは後押しになるのではないかと思っています。
道としては、やはりこの「GX2040ビジョン」もそうですし、この「令和の日本列島改造」もそうなのですけれども、こういった背景や狙いなどについて国にもしっかり説明していただく必要があるのですけれども、例えば、市町村の企業誘致の担当者の方だとかとも、こういった国家戦略の方針が変わって、そういう形になってくるのですよとか、そういったことも情報共有するということが大事かと思っていますので、そういう情報共有もしつつ、事業者のニーズを踏まえながら、今、拡充検討しています企業立地補助金やGX金融資産運用特区の中で、先般議決いただいた税の優遇、そしてこの戦略特区制度を効果的に活用して、国、そして市町村とも連携しながら、道内各地域で産業の集積に向けて、都道府県だけではなくて、取り組んでいく、これが重要であると思っていますし、今般の国のある種の考え方はそれを後押しするものにもつなげていければと思っています。
(毎日新聞)
そうなると、例えば道内の数カ所に工業団地みたいな拠点を設けるというわけではなくて、もう再エネの電源があったところには、もう満遍なく誘致できるような形を目指すという感じでしょうか。
(知事)
例えば、今、ラピダスの関係で言うと、工業団地はもう足らなくなって、千歳市とか恵庭市だとかいろいろなところが、さらなる企業進出を受けるための議論も行われています。ただ、そういった地域ばかりではなくて、再生可能エネルギーが豊富だけれども企業進出が相次いではいない地域や、かつて企業が進出していたところが逆に今、未活用な地域になってしまっているというところもあるので、そういう意味では再エネに近いところで産業集積するといった時に、既にそういった利用の可能性のある工業団地等を活用できる形で持っている、そういう地域はかなりあると思っていますので、そういう情報をしっかり把握、お伝えしていくということも、これは極めて重要になってくると思います。
いずれにしても、市町村の企業誘致担当の方々が、熱心に企業誘致に取り組んで、成果も出してきているわけですが、大事なのは国家戦略として、北海道にもそういった産業集積を図っていこうという方針を決定したという、このチャンスをどう生かして(いくか)。今までも企業誘致は、市町村が頑張っているのです。だから、そういう魅力ある北海道内の市町村をしっかり支援する意向のあるところや、その可能性のあるところに営業していく。営業のツールとしては税制の優遇とか、進出補助、進出に対する支援をそれぞれ市町村も持っていますから、そういうものも活用しながら。ですからそういうものをやはりしっかり連携しながら、これはチャンスですから、そこをしっかりやっていくということが大事になるかなと思います。
(毎日新聞)
関連で、脱炭素電源で、原発も含まれているという部分なのですけれども、知事は原発については現段階でかなり慎重な考えを示し、発言も慎重なので、また繰り返し聞くのもあれなのですけれども、地元自治体としては、やはり国のこういった方針が出ると、当然、期待感はあるとは思うのですけれども、その道政が今その再エネということですごいアプローチされているので、ちょっとともすれば出遅れてしまうのではないかとか、そういった不安とかもあるのではないかと思うのですけれども、そういった中で、知事が現時点で、脱炭素電源に原発が含まれていることで、産業集積で、原発の周辺というのはどのように考えていらっしゃるのかということについて、何か言えることはありますでしょうか。
(知事)
これはエネルギー基本計画の原案が出て、「GX2040ビジョン」についても案が出ました。その中で、再エネについては4割、5割ということで、まず、この電源構成の中では最も割合の高い電源としてやっていきましょうと(されています)。例えば、洋上風力を考えた時には、エネルギー賦存量でいうと、45ギガワットのうち、15ギガワットぐらいが、北海道のポテンシャルへの期待があるという計算になってくるのです。でも、この原発の8パーセントから20パーセントについては、再エネと違ったどういった内訳構成や考え方になっているのかについては、これはまさに国がこれから説明されていく、または、パブリックコメントなどで、国民の声も踏まえながら、検討されていくという段階なのだろうと思います。道内において原発といった時には、泊の話になりますから、そこは厳正な審査という状況なので、そこは予断をもって申し上げる状況にはないと思っています。
いずれにしても、産業集積していくという方針自体は、これは、私は重要な判断だと思っていますから、われわれはぜひそういったことを盛り込むべきということを主張してきた立場なので、ぜひこのチャンスを生かして、産業集積に向けた取り組みを市町村や国と連携しながら進めていきたいと思っています。ですので、このエネルギー基本計画の原子力の考え方については、われわれが説明するというような話では、これは当然ないのだと思いますから、そこはしっかり国が前面に立って、その必要性、また考え方を説明しながら、国民のパブリックコメントを踏まえてご意見、そういうものを聞いていくという段階だと思っています。
(北海道新聞)
道の幹部職員らでつくる親睦組織の部課長会に関する質問です。この部課長会のほうで集めた会費のほうから、部長らがメンバーの同意を得ない形で、国会議員の政治資金パーティーの券を購入したことがつい先日判明しました。政治資金規正法では、意思に反してパーティー券の購入費を集める行為とかを禁じてまして、専門家はこの法に抵触する可能性というのを指摘しています。この事態について、どう受け止められるか、まず所感を教えてください。
(知事)
北海道新聞さんの記事を、あれは1月1日ですか、拝見しました。それで、これは道民の方も見ているので、部課長会とは何というところがそもそも分からないと(思います)。私も詳細が少し分からなかったところがあったのですけれども、この部課長会については、民間の企業でもあると思うのですけれど、私費でみんなが毎月いくらかを集めて、例えば懇親を図ったりとか、何かお祝い事があった時に、子供が生まれたとか、結婚したとかのそういうお祝いとか、あとは残念なことだけれども、ご家族が亡くなったりとか、そういう慶弔の費用、そういうものに対応するということでありました。なので、これは別に道庁だけがそういうことをやっているとかそういう話ではなくて、普通に多分皆さんのところはあるのかどうか分からないけれども、そういう会だということでお伺いしたところです。
そういう状況の中で、今回の記事が、1日に出たので、私もこれはどういうことなのですかということで確認して、部課長会というのはそういうものですという話があって、この一部の部課長会によっては、パーティー券を数枚程度購入したということでした。このパーティー券の購入については、どうなのだというところについても聞いたのですけれども、直ちに法に抵触するものと認識していないものの、誤解を招かないよう今後、部課長会では購入しないこととしたということで聞きました。部課長会としてはそういう考えにしましたということです。私からは、今、申し上げたような私的な親睦の団体だということでありますから、本来ここで喋るのもちょっとおかしいのですけれども、私的な親睦の団体であったとはいえ、報道が出ましたので、公務員としては、それは公私問わず、法令等に違反するとの疑念や誤解を招くことのないように、適切に対応してほしいということで、申し上げたところです。
部課長会は、私的な親睦団体ということなので、ここでお答えすることがそもそも何か異例というか、そういう感じではありますが、なお、取材などがあれば、総務部の部課長会というのがあるということなので、そこでお受けするということを聞いていますので、それも申し添えたいと思います。
(北海道新聞)
購入は、法に直ちに抵触しないと認識しているけれども、購入しないことにしたというのは道庁として購入しないことにしたということですか。
(知事)
これは道庁として何か組織しているものではなくて、自分たちの私費で、みんながお金を出し合って、別に公務で何かやっているとかそういうことではなくて、皆さんの会社にあるかどうか分かりませんけれども、さっきから言っているように懇親を図ったりとか、何か慶弔で、誰かが結婚したとか、誰かの親が亡くなったとか、そういう時に対応したりだとか、そういうことをやっている団体なのです。
(北海道新聞)
この団体は分かっているのですけれども、その購入しないことにしたというのは、誰が購入しないことにしたというのは、組織としてですか。
(知事)
それは、私的な団体として、部課長会があるわけですから。
(北海道新聞)
1日に確認されて、知事の方で、パー券は一部の部課長会によっては数枚程度購入したところがあると、直ちに法に抵触するものとは認識していないと、ただ購入しないことにしたという、その購入しないことにしたというものの主語は誰なのですか。
(知事)
部課長会です。私が(購入しないことに)するとかではないです。部課長会がやっていることですから。
(北海道新聞)
部課長会というのは各部ごとにあるものですよね。
(知事)
あるのではないですか。
(北海道新聞)
それを取りまとめている組織というのは。
(知事)
それはないです。それぞれの部課長会がいろいろなルールの下で、その必要な私費からいくらということで、その金額もバラバラみたいですし。
(北海道新聞)
知事に対して、1日のその確認作業で、購入しないことにしましたというふうに説明されたのはどなたが説明されたのですか。
(知事)
1日には説明はないです。1日は私は道新の新聞を見て、どういうことなのだということで、秘書課のほうにそれですぐに電話して。
(北海道新聞)
その購入しないことにしたという説明をされたのは誰ですか。
(知事)
昨日、総務部の部課長会からです。
(北海道新聞)
総務部の部課長会に、その確認作業をしたということなのですね。
(知事)
昨日、聞いたのです。
(北海道新聞)
一応、各部ごとに部課長会があるのですけれども、ほかの部はそういった確認作業はしていないという状況ですか。
(知事)
それはどうなっているか、部課長会に聞いてもらったほうが。
(広報広聴課長)
後で総務部部課長会からご説明しますので。
(知事)
そういうご質問が、本来ここで受けるのが妥当なのかという話もあったのですが、ただやはり質問があったら私は答えるべきだと思ったので、ここであえて私は関係ないとかではなくて、お答えさせていただいていますが、あくまでこの私的な個人のお金で、親睦を目的とした形で、公務としてやっているわけではなくてやっている話です。なので、ただ取材があれば、それは部課長会としてはお受けするということも申し添えてほしいということだったので、私から今、申し上げたということです。
(北海道新聞)
公務ではない私的な部分ということに関する認識に関わる質問なのですけれども、昨日、共産党の道議団のほうがですね、この件に関する実態調査をするようにという要請を道側に対してされたのだけれども、その今言った公式の組織ではないというようなことで、拒否されました。ただ、この件に関して専門家の方から、その実態調査は必要ではないかということを認識、道としてですね。つまりどういうことかというと、こういった公式の組織ではないということを理由にやらないというのは、あくまでこれは道庁の組織なのであって、何も親睦組織だったら対応しないことになってしまうと。やはり道庁はこの問題から逃れることはできないのではないかという、要は道庁の組織内で行われていることなので、道の私の知っている複数の幹部の方もですね、やはり関係ないとは言い切れないだろうというようなことはおっしゃっています。こういったことを受けて、やはり調査すべき、もしくは共産党の要請を受けるべきという考えはないですか。
(知事)
いろいろな意見があると思うので、それは受け止めたいとは思いますけれども、先ほど申し上げたような団体ですから、それぞれの団体において、私から申し上げたような、公務員としてはそれは公私問わず、公だけではなくて、公務が終わった後も含めて、公私問わず法令等に違反するような疑念または誤解といったことを招かないように、適切に対応してほしいということもお伝えした上で、各部課長会ごとに、直ちに法に抵触するものと認識していないということであったり、今後購入はしないということとしたということでありますから、それぞれの部課長会において、適切に対応していただきたいと思っています。
(北海道新聞)
それと、部課長会費による政治家のパーティー券の購入に関しては、今からもう30年前になるのですけれども、1995年に発覚した道庁の不正経理、この問題を踏まえてですね、当時不祥事を再発防止するための改善プログラムというのが策定されたようなのですけれども、当時の弊社の記事などを見ていますと、その中でですね、職場でのパーティー券の購入、斡旋は個人的なもの、部課長会費も含めて一切禁止するものというふうに定められているそうなのです。結果的にこの内規が形骸化してしまって、このある意味悪い風習というのが復活したことになるわけなのですが、この30年前の方針にも関わらずこういうふうになってしまったということは、どう感じになりますか。
(知事)
それは、職場に(パーティー券を)売りに来るというのはちょっとやめてほしいですよね。それはなかなか職員側からは言いにくいのかもしれないけれども、それは各政治家の方々も十分認識する必要があるのではないですか。
(北海道新聞)
郵送にしても、公務員に対して販売する行為というのを控えてほしいということですか。
(知事)
郵送で来ているのか、手持ちで来ているのかはよく分かりませんけれども、公務として仕事しているわけですから、そこはそうあるべきなのではないですか。
(北海道新聞)
つまり、公務員である道職員に対する政治資金パーティー券が。
(知事)
私は職員がどんどん持ってきてくださいと言っているのではないと思います。だからそこは、政治家側がやはりそういう認識を持つべきなのではないですか。
(北海道新聞)
つまり、あらためてお聞きしますけれども、公務員である道職員に対する政治資金パーティー券の販売という行為に対する知事のご認識というのをあらためてお聞きできれば。
(知事)
それは、政治活動全般として、選挙期間中における特定の地位を利用した形でのそういう活動は禁止されたりだとか、法令は遵守しなければいけないけれども、その政治活動自体は、これは何人たりとも制限されるものではないわけですから、そういった意味では職員であっても、しっかり法律上のルールを守って行うことというのは、法律で許されているわけですから、それは適切にその権利を執行するというか、それはあるのだと思います。ただやはり、分かりませんけれども、パーティー券というものをどんどん持ってきてくださいとやっているわけではないと思いますけれども。そこは政治家自体が考えるべきことなのではないでしょうか。
(北海道新聞)
最後にあらためてお聞きしますけれど、この部課長会費による購入をやめたということですけれども、こういう購入が一部の部でも数枚とはいえ行われていた、このことに関して、知事のご認識をお聞かせください。
(知事)
個人で買うということまで規制されるべきではないと思います。それは個人の自由意思ですから、いくら私が上司であっても、それぞれの政治信条とか政治活動について制限するというのは、これはおかしい話ですから。ただそれが、役所にどういう形態なのか分かりませんが、郵送なのか、持ってくるのかとか。職員が何か断りにくいような環境の中で、そういうものにさらされているのだったら、やはりそこは是正してほしいなと思います。
(北海道新聞)
国の被災者生活再建支援法についてお伺いしたいのですけれども、これは自然災害で住宅とかが損壊した世帯を対象にした制度で、法整備のきっかけとなったのが阪神淡路大震災で、今月で30年になるのに合わせて、共同通信のほうで全国の都道府県知事にアンケートを実施して、その中で29人の知事の方が、現在の支給上限額の300万円の引き上げを求めたいというふうに答えていて、鈴木知事もその一人なのですけれども、そう回答された理由についてお聞かせいただけますでしょうか。
(知事)
これは300万円というのを上限として支給されるという枠組みになっています。北海道として、知事として、これは見直すべきだということでアンケートに答えさせていただきました。これは全国知事会としても、やはり近年の物価高などを踏まえて、支給額の増額も含めて内容の充実強化を図るように、継続して国に対して要望してきています。なので、そういう意味では、全国知事会の共通事項として要望を継続して行ってきた案件だということがまずあります。
また、この金額については、災害による負傷や疾病でかかった者の医療費、そして住宅を賃借する場合の家賃、住宅の建設、購入、補修などに要する経費などを考慮して設定されたということですから、そういう意味では時代が変わる中で、この金額の根拠として構成されてきたそれぞれの負担が、例えば増加してるということであれば、設定当初から比較して現在の状況に変化があるということですから、それは議論する必要性というものはやはりあるのではないかと思っています。そういった思いもあった中で回答させていただきました。
(北海道新聞)
物価高を考慮してお答えになったという点に加えて、例えば能登半島地震もそうですけれども、災害が頻発化している、もしくは甚大化しているというような点も踏まえて回答されたということではありますか。
(知事)
内容の充実強化の中には、柔軟な運用などいろいろな提案が入っています。金額をただ単に上げてくれというだけではないので、入っています。ただ金額というのが一つの象徴でもあると思うのですけれど、その300万円の設定根拠を構成する状況に変化があるのであれば、そこは今の103万の壁じゃないですけれども、そういう状況の中で議論するということが必要ではないかと思います。
(北海道新聞)
国会の議論のほうでは、一部野党から倍の600万円に法改正したらいいのではないかというような意見も出てるのですけれども、知事として、その引き上げ幅がどれぐらいが望ましいかというようなお考えは、今現時点でお持ちですか。
(知事)
しっかり根拠を持ってやるべきなのではないですかね。600万円の背景、根拠を今、私は承知していませんし、自分としてこの金額がいいというだけのバックデータも整理できていないので、ここで軽々に申し上げることは控えたいと思いますが、少なくとも、今、申し上げたような300万円の構成の属性であれば、300万円以上に設定する、それを基本に議論すること自体は必要ではないかと思います。
(朝日新聞)
宿泊税のことでお尋ねいたします。昨年、条例が成立しまして、今、総務省との協議といいますか、合意に向けた協議がなされていることかと思いますけれども、まずその進捗状況を教えていただけますか。
(知事)
これは年末もお答えしたかと思うのですけれども、あの時点からの進捗という意味では、まず、条例が通りましたということで総務省に事前相談というか情報提供を行いました。その後、昨年の12月25日付けになるのですけれど、総務省に対して法定外目的税新設協議書というもので正式な手続きといいますか、そういう形で提出させていただいたところでございます。現在、その提出以降、この同意が得られるよう必要な手続きを進めているという状況でございます。
(朝日新聞)
話は飛びますけれども、2018年に宿泊税を導入した京都市で、今、6年経って見直しの作業が進んでいて、報道を知事も読まれていると思いますけれども、1万円と。10万円(の料金で)宿泊した場合は1万円というふうに、非常に高額な税の検討が始まっていますけれども、まず、どうなんでしょうこの1万円という金額の受け止めとですね、それから当然のことながら、現在、道は上限が500円ですけれども今後、当然のことながら、見直し等の段階においては、また上がってくる可能性もあろうかと思うのですけれども、そのあたりも含めてお願いします。
(知事)
まずは条例を議決いただいた中で、総務省協議も、協議書を提出した中で手続きを進めていますので、まず、予定されているそういった手続きをしっかり丁寧に進めていきたいと思っています。
京都市の内容については、報道で承知していますけれども、それはそれこそ京都市においても、さまざまな事情背景そういう状況のもとで、課税自主権に基づいてさまざまな熟慮を重ねた中での自治体の判断ということですから、私の立場でそのことに対して言及すること自体は控えるべきではないかと思っています。
(朝日新聞)
道のほう(の上限額)を上げる可能性といいますかね、さっきの物価だけじゃないですけれども、当然のことながら、状況は5年10年経てば物価水準だって変わってくるわけですし、また、オーバーツーリズムが今後増えてくれば予算も必要になろうかと思うのですけど、そのあたりはどうなのですか。
(知事)
そこは有識者、専門の方々からも、金額設定の際にもさまざま議論があって、その中で変更した中で100円、200円、500円という形での対応にもなっているという状況が、この5年の中で行われました。さらにこの条例案に行き着くまでにも、そういった5年という状況を待たずに、しっかり進捗状況も確認しながら、そういった議論が行われるべきではないかという発言もあったということもございます。ただしかしながら、まずは条例を議決いただいた中で、その内容をしっかり進めていくということを、今、進めているところでありますから、まずはしっかり丁寧に進めていきたいと思っています。
(北海道新聞)
北海道新幹線に関して伺います。国交省が札幌延伸について、2038年度前後で調整しているということが弊社の取材で明らかになりました。今後の工事の進捗にもよりますが、当初予定の30年度から大幅に遅れることが予想されています。まず、このことに関して知事の受け止めを教えてください。
(知事)
これは報道で私も記事を拝見させていただきました。そして、国土交通省に事務方のほうから問い合わせさせていただきました。国土交通省のほうからは、開業の見通しにつきましては、有識者会議において科学的、技術的に検討しているところであり、現時点で2038年度を軸に調整しているわけではないということでありまして、まだ結論が得られていない旨、回答があったところでございます。ですので、われわれとしてはそういう認識でおります。
(北海道新聞)
道などでつくる北海道新幹線札幌延伸推進会議では、知事も出席されたと思うのですけれども、沿線自治体から開業時期を早期に示してほしいという要望が相次いで出ていたと思います。今、お話にあったように、国交省としては、今後の有識者会議の議論を基に結論を出すということを、この間ずっと説明していますけれども、年も明けて、発表がどんどん遅れれば、各自治体のまちづくりに影響が出ると思うのですけれども、知事としては現時点でいつ頃までに、例えば年度内までにとか、新たな開業時期を示してほしいというような考えはあるのでしょうか。
(知事)
これは、北海道新幹線札幌延伸推進会議の場においては、私のみならず、参加する多くの方々から、とにかくまずは大前提としては1日も早く開業してほしいというのがあるわけです。今回はその30年度末が困難という状況の中にあっては、その見通しをまず早く示してほしいと。なぜならばこれは、札幌駅前再開発とか、また、駅ができる予定だった町からは、まちづくりそのものに大きな影響があるのだという切実な声や、また投資を考えていらっしゃる方、また観光関係者、本当に多くの方々からそういった懸念の声も直接、鉄道運輸機構、また鉄道局にもご出席いただいて、お伝えしてきております。ここは、われわれ共通の思いでありますから、ぜひ、できるだけ早期に開業の見込み、いついつということを教えていただきたいと思っていますし、これからもそこはしっかり働きかけていきたいなと思っています。
(北海道新聞)
働きかけていくということなのですけれども、今できるだけ早期にということで、時期はお話になりませんでしたけれども、働きかけする上でも、例えば年度内とか、今年の夏とか、ある程度時期を区切って要望しないと、向こうとしても具体的な要望としてなかなか受け止めづらいのではないかなと思うのですけれども、そのあたりについては、あらためてどうお考えでしょうか。
(知事)
そこはできるだけ早くやってほしいとしか言いようがないと思うのです。これは、結局、科学的、技術的検討をしているということでありますから、この有識者会議をいたずらに遅らせることなく、最短のスケジュールでやっていただいて、しっかりしたその時期を明らかにするだけではなくて、なぜその時期になるのですかということも、みんな聞かないと納得できないわけです。だから、そこに対しては、できるだけ早くやってほしいのだけれども、決して科学的、技術的に適当なことをやれと言っているわけではなくて、そこはしっかり有識者で議論していただくことは否定しません。ただ、そこはできるだけ早くやってほしいと。そして、その内容についてもわれわれは、工事進捗だとかいろいろなその有識者の議論内容について共有してくれということで、新たにそういった枠組みも提案して今やってくれていますから。そこもしっかり丁寧に引き続きやってほしいなと思っています。
われわれからそういったお話を受けて、やっとその内容とかもホームページに掲載したりとか、いろいろな形で若干の改善は見られていますけれども、そういったことも含めて、この推進会議の中でも引き続きそういう声を届けながら、早期の見込み、これを出してもらうと、こういうことをやっていきたいなと思っています。
(十勝毎日新聞)
宇宙産業についてお伺いします。7日に発表されました、十勝・大樹町の宇宙ベンチャー、インターステラテクノロジズに、トヨタグループのウーブン・バイ・トヨタが70億円を出資することについて、大樹町の宇宙産業にとっては大きな話で、今後、宇宙産業の集積が加速することが期待されますが、知事の受け止めをお聞かせください。加えて、現状、道では半導体産業に力を入れていますが、宇宙産業の振興についてはどのように進めていきますか、あらためてお考えを教えてください。
(知事)
今、ご質問にありました点については、報道で私も承知しているところであります。地元の大樹町のほうからも、約70億円という多額の出資、このほか自動車産業の知見を生かしたさまざまなご協力をいただけるということで、大変歓迎しているということで、受け止めを伺っているところです。私といたしましても、今後、インターステラテクノロジズ社が進める小型ロケット開発、衛星通信事業にさらに弾みがつき、道内の宇宙関連産業の活性化につながることを期待しているところであります。
道内では、大樹町で北海道スペースポートの整備が進められています。インターステラテクノロジズ社のほかにも、気球による宇宙遊覧を目指す企業や衛星部品の開発に取り組む企業など、今後の成長が期待される宇宙のスタートアップが生まれているというところです。道としては、宇宙関連産業が本道における新たな成長産業として発展が期待できる分野であるということから、これまでも道内宇宙スタートアップへのビジネス機会の提供や人材確保支援など、さまざまな取り組みを進めてきたところであります。今後とも、宇宙関連産業の道内への集積による経済の活性化に向けて、このたびの非常に前向きな動きもありましたけれども、取り組んでいきたいと思っております。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)