知事定例記者会見
- 日時/令和7年3月18日(火)16:32~17:27
- 場所/記者会見室
- 記者数/19名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 令和7年第1回北海道議会定例会の閉会に当たって
- 北海道新幹線の整備に関する有識者会議報告書について
記者からの質問
- 令和7年第1回北海道議会定例会の閉会に当たって
- 北海道新幹線の整備に関する有識者会議報告書について(1)
- 北海道新幹線の整備に関する有識者会議報告書について(2)
- 北海道新幹線の整備に関する有識者会議報告書について(3)
- 北海道新幹線の整備に関する有識者会議報告書について(4)
- 北海道新幹線の整備に関する有識者会議報告書について(5)
- 次世代半導体について
- 泊発電所について
- 石破事務所による商品券の配布について
知事からの話題
令和7年第1回北海道議会定例会の閉会に当たって
私からは二点お話しさせていただきます。
まず一点目でありますけれども、定例会の閉会に当たりまして、このたびの議会では、地方創生、子ども施策、GX、観光振興、さまざまな道政上の課題について、議員の皆さまと活発な議論をさせていただきました。令和7年度一般会計予算や、32件の条例案などについて議決いただいたところです。このたびの議会での議論を踏まえて、今後とも道政の推進に全力で取り組んでいきたいと考えているところです。
また、1月の臨時道議会で予算を議決いただきました物価高緊急経済対策につきましても、早急に支援をお届けするために、今定例会中におきましても準備を進めてきたところでありまして、取り組めるものから、速やかに実施していくというところであります。その中でも、今、お米の値上がりがあるわけですが、子育て世帯を対象にお米の券と牛乳の券を配る「お米・牛乳子育て応援事業」については、できるだけ早くお届けするということで、契約事務などの必要な準備が整いましたので、4月4日金曜日から受付を開始するということで考えています。前回の支給を受けた方で今回も対象となる方には、今月末から順次ご案内を郵送させていただくと、これはプッシュ型で郵送させていただいて、確実に申請につなげるということで、今月末に順次ご案内するという形ですので、4月4日金曜日から受付が始まったら申請できる状況になります。
コールセンターなども開設準備が整い、お米も高い状況になっていますので、何とかできるだけ早くお届けしていきたいと思っています。
これが一点目です。
北海道新幹線の整備に関する有識者会議報告書について
二点目です。新幹線の整備に関する件です。
北海道新幹線の整備については、先週14日になりますけれども、国の有識者会議の座長から国土交通大臣に対して、有識者会議の検討結果を取りまとめた報告書が提出されました。このことについて一言申し上げたいと思います。
まず、経緯でありますけれども、これは振り返りになりますが、令和6年5月、鉄道・運輸機構が、2030年度末の完成・開業は極めて困難ということで、国土交通大臣に報告されました。国土交通省におかれては、大臣の指示を受けて、「北海道新幹線(新函館北斗・札幌間)の整備に関する有識者会議」、有識者会議と呼んでいますけれども、こちらにおいて今後の開業見通しなどについての検討を進めてきたというところです。さる3月14日にこれまでの検討結果を取りまとめた報告書が公表されました。報告書では札幌延伸について、2030年度末の完成・開業は困難とする鉄道・運輸機構の報告内容は合理的であるということ、現時点での完成・開業は概ね2038年度末ごろを見込み、今後の工程への影響が大きい更なるリスクが生じた場合、さらに数年単位で遅れる可能性があることが示されたものとなっています。報告書の内容を踏まえまして、国土交通大臣からは、鉄道局、そして鉄道・運輸機構に対して、現時点での開業見通しには相当程度の不確実性が残るため、トンネルの貫通に一定の目処が立った段階で、あらためて全体工程を精査するように指示があったということで承知しているところであります。
このことに対する受け止めでございますけれども、このたびの結果につきましては、まずは有識者の皆さまの真摯な議論の結果でありますから、この点については重く受け止めるということなのですが、2030年度末の新幹線の札幌開業については、道民の皆さまの悲願であります。地元自治体、関係者の皆さんが一丸となって、まさに積み重ねて取り組んできたものでありますので、完成・開業が大幅に遅れるということは、にわかに受け入れられるものではないということで、コメントも出させていただいたところであります。
中でも申し上げたいのは、開業の時期の早期明示を、これは地元の総意として求めてきたにも関わらず、明確に示されなかったということがあります。この点は誠に遺憾であります。できる限り早期に示していただく必要があると考えています。ですから、有識者会議は2030年度末が困難であることは合理的だと、2038年度末プラスアルファ数年単位で遅れるということを、有識者会議の報告書は言っているのですが、大臣としてはその有識者会議の2038年だとかそういったところに対しては言及していないわけです。トンネルの貫通状況も含めて、もう1回再度やりますと言っているわけですから、何か非常に宙に浮いているという。報道などでは2038年と出ているのですけれども、それは有識者会議の報告書ですから、国土交通省としては2030年度が無理だというのは合理的だということは踏襲しているのですけれども、開業見込みがもう完全に浮いているという状態になっていますから、これはマスコミの報道に若干の違和感を感じるのですけれども、国として示すべきだというのは言うべきだと思います。そういう状況です。
また、開業が遅れることによって、沿線自治体のまちづくりはもとより、民間の投資、そしてJR北海道の経営といったさまざまな分野にわたる多大な影響が懸念されます。ですので、その影響を最小限にとどめていく必要があると考えていますので、これは大臣のほうとしては、鉄道局に指示しているのですけれど、これは鉄道局だけの問題ではないのです。2030年度の合意も、政府と与党が合意して2030年度でいきましょうということになっているのですけれど、開業がこれだけ長期に、仮に延びる場合については、かなりの影響があるわけですから、それは鉄道局だけではなくて、国土交通省全体、または政府全体として、この影響をしっかり把握した上での対策を講じていかないと、鉄道局だけの問題にとどまるのかというと、私はそれは違うのではないかと思いますから、鉄道局のみならず、国土交通省全体として、この対応に当たっていただきたい。さらに言えば、政府全体としてこの問題に向き合っていただきたいと思うわけです。
私としてはそういう思いもありましたので、15日に公明党の西田幹事長が来られましたので、急遽時間を欲しいということでお願いして、札幌市の秋元市長と一緒に面談させていただいて、緊急の要望をさせていただきました。まずは、この開業の遅れに伴う影響をしっかり把握してほしいということと、把握した上でその影響を最小限のものとする分野横断的な支援パッケージをしっかり検討していく必要があるということで、幹事長に申し上げ、西田幹事長からは、これはオープンの場でお話されていましたが、公明党は国土交通大臣を出しているのですけれども、「公明党だけではなくて自民党、与党として、影響の最小化をして、より良くなったという形でできるような支援パッケージを提示できるように努力したい。また、中野国土交通大臣にもしっかりとこのことを伝える」ということで、ご発言もあったところでありますから、これは与党として、ぜひしっかりと対応いただきたいと思っています。
今後の道としての対応ですけれども、国による影響の把握、そしてそれらの最小化に向けた対応の検討につきましては、これは緊急の要望を4月上旬に沿線自治体の皆さま、そして経済界の皆さまにもご理解いただいた中でのオール北海道で、ぜひしたいと思っています。国土交通大臣は国会対応で大変お忙しいと思いますけれども、これは重大事項ですから、ぜひ時間をとっていただいて、対応いただきたいということで今、調整しているところです。さらに、北海道新幹線札幌延伸推進会議がありますので、こちらについても可能な限り早期に開催して、有識者会議の検討結果などにつきましての詳細な説明については、この場でもしっかり受けて、関係者間における認識の共有、連携の強化を図っていきたいと考えています。何より、道民の皆さまも非常に関心の高い事項ですから、道民の皆さまに対する分かりやすい丁寧な情報の発信に取り組んでいきたいと思いますし、これは道としても、早期に開業の遅れに伴う影響の把握は当然やっていかなければいけないと思います。対応について検討していくということです。いずれにしても一日も早い完成・開業に向けて、引き続き、多くの関係者の方と一丸となって取り組みをしていきたいと思っています。
私からは話題としては以上です。
記者からの質問
(NHK)
新幹線の質問もこの後したいのですけれど、まず一番最初に、今日の予算の話で恐縮なのですけれども、あらためて新年度予算案が成立したことで、来年度に向けて、どのような北海道を目指していこうと思っていらっしゃるかという点と、併せて特別職人事で今回、加納環境生活部長が同意されましたけれども、加納氏を起用した理由についてお聞かせいただければと思います。
(知事)
まずは先ほど、冒頭申し上げたように、臨時会でも予算を議決いただいた物価高緊急経済対策、こちらについては本当に道民の皆さまへの影響がさまざま出てきている中で、速やかに、先ほど代表的な例としての子育て世帯に対するお米券などの事業、これはスピード感を持って、皆さんにお届けしていく。お米も今非常に高い状況にもなっていますので、できるだけ早く申請できるように、またお届けできるようにやっていくということです。
それに加えて、生活困窮者の方々の自立支援、そして非正規雇用労働者の皆さまの処遇改善などの当初予算としての施策も補正とともにしっかり推進していく。何よりこの長引く物価高の影響緩和に向けて、まずはしっかりやっていきたいと思います。
また、災害そして鳥インフルエンザなどの危機への備えをしっかりやっていかなければならない。医療、福祉、交通など地域にとって必要な政策もしっかり進めていきたいと思っています。また、新たな地方創生2.0ということですけれども、地域の強みを生かして産業、人、投資を呼び込んで北海道の創生を進めていく。さらには、今回の議会でも大きな議論にもなった、こどもまんなか社会の実現に必要な条例など子ども・子育ての取り組みも着実に進めていく必要があると思っています。
そして北海道は、世界の状況の変化などもある中で、脱炭素、またデジタル、半導体の話もそうですけれども、そういった世界的潮流を見据えた中での北海道の経済、そして食の安全保障の面において大きく貢献しうる地域なのだということで言ってきました。これがまさに国の政策としても、われわれの主張も受け入れられ始めていると思っています。
新たな国家戦略にも位置付けられる中で、エネルギー、食、観光こういったポテンシャルを具体化していく取り組みを、今回議会でご理解いただきましたので、しっかり新年度、着実に進めていきたいと思っています。179ある市町村としっかり連携して対応していきたいと思っています。
また、特別職人事の関係でいいますと、本日、加納環境生活部長が副知事への起用ということで、議会にご理解をいただいたところであります。道政にはさまざまな課題があります。その中でも人事は当たり前のことですけれども、適材適所でしっかり登用していくということが重要だと考えています。副知事の今回の人事においていえば、地方創生、危機対応、総合計画、こういった重要ポストを歴任し、また、人権問題、野生動物対策、こういった喫緊の社会的課題にも対応してきた加納環境生活部長が適任であるということで、新しい副知事として選任させていただいたところです。3名の副知事、それぞれ担当部がありますけれど、そういう中で、新しい体制のもとで、しっかり対応していきたいと考えています。
また、今回、浦本副知事が約6年間の長きにわたって、鈴木道政スタートと共に副知事として、私を支えていただきました。本当に心から感謝しています。また、副知事になる前に公営企業管理者としても2年間努めていただきましたので、特別職としても長きにわたって重責を担われました。まだ任期はあるのですけれど、ただ本当に今、感謝したいと思っています。
また、同じく鈴木病院事業管理者についても8年間担っていただきました。初代の病院事業管理者です。医師として、コロナ対策もありましたから、そういった意味では本当に厳しい環境の中で、陣頭指揮をとっていただきました。鈴木病院事業管理者にも、本当に感謝を申し上げたいと思います。お二人とも、またさまざまな立場でご活躍いただいて、かつ北海道の未来についても、いろいろな形でこれからもご指導いただけたら大変ありがたいなと思っています。狙いとしてはそういった考えであります。
(NHK)
二点目の新幹線の件ですが、今日、中野国土交通大臣が、今日午後から地元に説明に回るようにということで、道や札幌市にも来ているかと思いますが、いわゆる説明の状況と、例えば道として、今日もし説明に来ているのであれば、どういうことを要望しているか、また、先ほど知事のほうからは、今回、国が明示的に開業時期を示さなかったことが、完全に宙に浮いているという発言もありましたけれども、このあたり、有識者会議の判断を少なくとも追認するとか、有識者会議の見込みというか判断を国としてどう考えているかという意思表示を少なくともするべきだという考えなのかを併せてお聞かせ願えればと思います。
(知事)
私はそれは、そうだと思います。というのは、まず事の発端というのは、鉄道・運輸機構が2030年度が極めて困難ですと大臣に言いに行って、(国土交通省が)それは本当に妥当なのかということで有識者に技術的にも検証してくださいと(検討を依頼した)。有識者のほうは報告書をまとめて大臣に提出したのだけれども、概要をご覧になっていると思うのですが、その中では2030年は困難という機構の言い分は合理的だということは言っているのです。それで、その点は大臣もそうだよねとなって三者一致しているのです。それで、有識者のほうは、2038年度末というのを一つの見込みとして出しています。さらには数年単位で遅れるということも言っています。そこについては、大臣は直接的言及はないのですけれども、一方でトンネルの貫通状況を見て再度(精査)すると言っていると。そのトンネルの貫通状況を一定程度見た上でというのは、有識者のところでも指摘しているのです。だからその一定のというところの解説も有識者の中に入っていて、そこは見通すことは困難となっているのです。だから結局、何も明らかになっていないわけです。マスコミの皆さんが2038年と書いてるのですけれども、それというのは有識者が判断することではなくて、政府とか大臣として判断することでしょう。だからそこが結局、何らなっていないというところが、私は少し課題があると思っています。ですから、そこはどう考えているのですかとやはり大臣と直接話したいのだけれども、国会が忙しいということで、なかなか今、お話ができていないのです。だから、ぜひ国土交通省の記者クラブとか、みんながこれどういうことなのですかと聞いていただいたほうがいいのではないかと思っています。
それと今日大臣が、これは会見か何かで、今日すぐ(鉄道局および鉄道・運輸機構から沿線自治体等の関係者に)説明に行けということで、それで今説明が終わったのですか。(道の後に)札幌市に行かれるのですよね。
(交通政策局新幹線担当局長)
17時から札幌市に行って説明する予定と聞いてございます。それで、今、鉄道・運輸機構の木村副理事長と、鉄道局の岡野次長が浦本副知事のところに、今日、先ほどの大臣の指示事項であったり、有識者会議の報告書について事務的な説明をしていただいたと。同じく札幌市さんにおかれても同様の説明をされるというご予定で聞いてございます。こちらにつきましては、大体18時ぐらいを目途に、札幌市役所においてぶら下がり取材をお受けするということで聞いてございますので、札幌市の広報のほうでそのあたり対応すると聞いてございますので、取材のほうよろしくお願いいたします。
(知事)
ですので、申し訳ないのですけれども、まだ詳細のやり取りの説明は今の時点で私は受けていないので、もしご希望の方がいたら、副理事長と鉄道局の次長さんが対応するということで札幌市政クラブなのか道政記者クラブが一緒にやるのか分からないですけれども、そこはぜひ聞いていただきたいと思います。いずれにしても緊急の要望もしたいと思っていますが、その日程は国会対応とかいろいろあって調整中です。要望事項についても、今、私が冒頭申し上げた内容については、事務方から鉄道局にはもうこれ何度も伝えています。これはどうなんだということを。ですからそこは今回の議会議論などいろいろなお話もありましたから。沿線の声もありますし。そういうことも踏まえて内容を調整して、できるだけ早く、来月の上旬、大臣はお忙しいと思うのですけれども、お時間いただいて、対応いただきたいと思っています。
(毎日新聞)
新幹線なのですけれども、一昨年の秋ぐらいまではですね、冬季五輪もあって、新幹線も開通してという共通の将来像みたいなものを、民間の方とか広い道民の方が持って、それに向けてその民間投資とかも進んできたと思うのですけれども、そういったものがこの1年2年でだんだんぼやっとしてきてですね、2038年度になるかどうか分かりませんけれども、ある程度の目途みたいなのが一応出てきてですね、今後、新たな将来像というか、新幹線と同時に在来線の廃線でですね、バスもどうするかみたいな話もずっと進んできたと思うのですけれども、その政府与党がどんな時期を示すか分からないですけれども、一定程度の将来像、一定程度の延伸時期が示された後にですね、どういったその道民ですとか、関係者がこの将来像を共有していくのか、その枠組みですとか、あとそのスケジュールですとか、あとそういった中での道の役割というのを知事がどう考えていらっしゃるのかというのを教えてください。
(知事)
2030年度末の札幌延伸に向けては目標がまず明確にあったではないですか。トンネルの遅れなどもあって、これは沿線の首長もみんな同じこと言っていますけれども大丈夫なのですかと、そのトンネルが数年にわたって遅れているけれども、大丈夫なのですか、遅れるのではないのですかということに対しては、相当程度の期間がまだ2030年度末まであるので、それは大丈夫なのだと(機構は)言っていたのです。ところが、ちょっと時間が経った時に、やはり機構としては(2030年度末は)困難ですよと国交大臣に言いに行ったわけです。ですから、そもそも、今回のその2035年というのを2030年に前倒ししているのですよ。あの当時、政府と与党で。今度は、相当程度の期間があるから大丈夫ですよと言っていたのが、建設主体のほうから無理ですと言って、今度は合理的な理由だとなっていますよね。では、そもそも2030年度というのは、設定として、結果論からして妥当だったのかという話もあるのだと思うのです。それは有識者会議の中でも、正確な文言はこの場で無いけれども、結局その開業時期を見通すにあたっての、時期を明示する前の調査とか、当然2030年度に前倒しする時もやったのです。2030年度でいけるよねということで、やったのだけれども、その工事の期間中の、工程上出てきたことというのがなかなか不十分だったのではないかということで、簡単に言えばそういう趣旨が指摘されているのですよ、有識者の中で。だから、そういうことを踏まえて、どういうふうに今回のことというのを、これだって、兆の単位の事業ですよ。それで、例えば2038年です、はいそうですかということにはならないですよ。やはり今の時点で何でこういうことになっているかということを、冷静に政府与党として決めた中で、整理することも必要だと思います。その上で、先ほどから申し上げているように、要は、まず影響を把握しなければなりません。まずその前に開業時期を決めなければいけないのですけれども、有識者会議はそう言っているけれど、国としては、トンネルの開通状況を見てもう1回再精査すると言っていますから。だから要は、そのトンネルの進捗というのが3年なのか、4年なのか分からないけれども、その時までは本当にずっと宙に浮いたまま、38年というわけでもなく、ずっとこの宙に浮いた状況でいくのかというところが今の時点では分からないではないですか。だから、そういうことをまず決めて、その影響が当然出ますよね。発現する効果が期待できなかったり、JR北海道の問題とかいろいろなのがでてきます。ここに対する影響の最小化をやっていく中で、例えば、期待できた観光の効果だって、札幌市から倶知安町だったらものすごく近くなる予定だったわけですよね。そういうことが発現するのがすごく遅くなってしまうと、そういうことを見越していろいろな投資計画とかを考えていた人たちは困ります。だからそういうことはちゃんと影響を把握して、どうやれば最小化できるのだということをまず考える。その中で、みんなの共通認識というのを作り上げていかなければ、少し今、取っ散らかってしまっているというか、そういう状況なので、そこをちゃんと整理するということが私は大事だと思います。だから、こんな政府とか与党で決めた重大プロジェクトが、そういうふわふわした状況になっているということを、やはりちゃんと考えなければいけないと強く思っています。そのことをやはり地元として言っていかないと、なかなか(国では)空気が違うのですよね。前もこの場で言ったけれども、地方創生で、田中角栄先生の列島改造で、高速道路と新幹線はもうある程度通ったから、だから、今度は令和の列島改造ということでやるのだと言っているけれども、北海道はまだ高速道路も、新幹線だって来ていないけれど、(地方創生)2.0と言っているわけですよね。2.0の代表選手はどこなのですかと言ったら北海道ですと言ってくれているのです。だから、これは政策上の矛盾があると思いますよ。だから、やはりそこはしっかりやっていっていただきたいし、それを求めていきたいと思います。
(毎日新聞)
政府与党が、与党、政府として、その工期を示すタイミングというか、それは何かいつ頃までには示してほしいというような知事としてありますか。
(知事)
それは本当は今回示すべきだったのです。先ほどご質問にもありましたけれども、有識者が2038年の見込みと言っているから、例えばそれを政府としても、2038年の見込みという有識者の意見をまずは目標にしますと。ただ、数年単位の延長もあり得るというのを同時記載されていますから、そこに注釈も入れつつ、2038年で国としても行くというのはひとつは考え方としてあるではないですか。でも、そういうわけではなくて、トンネルの不確実性が高いということで、トンネルの貫通状況を見て再度(精査)すると。そのトンネルの貫通状況を見るというのは何なのですかと言ったら、その報告書に、それを見通すのが困難だと書いてあるのです。だから、記者の方にぜひ聞いていただきたい。霞が関文学的な(言い回しで)、何を言おうとしているのか分からないと。
(北海道新聞)
今の質問の繰り返しになってしまうかもしれないのですが、知事は14日のコメントで、地元の総意として開業時期の早期明示を求めてきたにもかかわらず、示されなかったことについては極めて遺憾だとおっしゃっていまして、今回出てきたのはあくまで有識者会議からの報告書であって、それを受け取った国交省、政府が開業時期をどうするのかということについて早期に示してほしいということは、これからも中央に要望し続けていくということでよろしいのでしょうか。
(知事)
そうです。開業時期が分からなかったら、いろいろなことが決まっていかないではないですか。だからそこは、有識者会議の報告書を受け取りました、鉄道局と運輸機構に説明しに行きなさいと(国土交通)大臣は指示しているのですけれども、説明しに行く内容が、判然としないのです。今日、(国土交通省と鉄道・運輸機構が)説明に来ているみたいですけれども、今日の説明のやり取りは後で聞きますが、多分、(開業時期は)分からないという説明をしに来ているのだと思うのです。でもそこはやはり、これだけの大きな公的なお金を使ってやっている事業ですから、やはりちゃんと目標を明確にした中でやっていかないと、なかなか成立しない話なのではないかとは思います。
(朝日新聞)
少し、しつこいようで恐縮なのですけれども、今の新幹線のところなのですが、確かに知事がおっしゃるように、開業時期が分からないといろいろなことが進まないと、つまりまちづくりなり経済効果が。そこは非常によく分かるのですけれども、一方でご承知のように、新函館北斗から札幌までのルートというのは、およそ8割がトンネルだと。非常に極めて全国的にも稀なトンネル工事になっていて、ゼネコン関係者とかに聞くと、やはりこの新第三紀という地層があって、この地層が非常に柔らかくて掘削するときに崩れやすいと。これまでもこの羊蹄山のトンネルとか、渡島トンネルとかでそういった岩盤にぶち当たって、何度も何度も失敗してきていると。一方で火山とか、活断層とかの問題もあると。さらには対策土の問題もあると。かなり要するにゼネコンの肩を持つわけではないのですけれども、逆に何年度というふうに示して、前回みたいにまたずれるというのもそれはそれでちょっと無責任という気もするのです。特に科学的に分からないといった要素が、つまり不確定要素と先ほど知事はおっしゃったけれども、というのが多い中で、その経済のほうを優先するというのも、どちらを天秤にかけるかという話かもしれませんけれども、そのあたりはいかがですか。
(知事)
そこを総括するべきなのではないですか。だから、有識者会議ではそういう主張をしているわけです。でも2030年度と決めたのですよね。政府と与党で。ではその決め方に課題があったということを認めるのかどうかというのもあるのではないですか。だってそこを目指していろいろなことが動いてる中で、今のお話というのは事実としてあるわけではないですか。結果論として、それは2030年度というのは無理だったということなのではないですか。では誰がその決定した責任というものを負っていくのですかという話があります。今後、同じような形を繰り返さないような、そういう意味では、私は目標設定のあり方というのも検討されるべきだと思いますし、北陸(新幹線)の場合は1年遅れました。その中では、その1年前ではなくて、もっと早く開業の遅れなどは明示すべきではないかということも指摘されました。だからそういう意味では、今回は2030年度の1年前とかではないですから。早い時期に公表されたというのは、一つそういう意味ではあるかもしれません。ただ、実際に難しい工事の中で、そういったそれぞれのトンネルなどについても状況がある中で、そもそも設定のあり方ということは何ら課題がなかったのかというのはありますよね。有識者もそれは指摘しています。だからそれをどうやって政府として受けるかということは何も書いていないのです。何も言っていない。だから、目標を明示するというのは、そういう注釈を入れてやればいいだけの話なのです。それぞれの工区というのは目標を持っています。工事によって遅れも生じます。ただやはり、当然事業者に発注して、いつまでにどういうことをやってくださいということをやっていますから、何かそういったいろいろなリスク要因というのを可視化した上で、今はこういう形で進めていますとか、そういうことをちゃんとリアルに共有していくということが私はまず必要だと。でも、その開業時期の遅れについて明らかにするまで、完全にブラックボックスだったのです。機構の理事長から国交大臣に無理ですと言いに行ったことがきっかけとして、2030年度が極めて困難というところでスタートしていますから。だからそういう意味では、そういう検証も必要なのではないかなと思います。ただ、やはりそれぞれ工事をやっているわけですから、いろいろな注意書きは出てくるかもしれないけれど、目標としてはこれを持って、目指していくのですというのは必要だと思います。ただ、それが今までと違って、今までは2030年度(までに)やるのです、トンネル遅れているけれど大丈夫ですか、いや相当の期間があるから大丈夫です、と言っていたのですから。結果として大丈夫ではなかったということです。だからそれは情報が可視化されていないから、同じ情報を見てこれは難しいのではないかという判断ができなかったではないですか。だから、そういうことも含めて、これは北陸の時もそうですけれども、今回の件をやはりちゃんと有識者も指摘していますので、それを政府としてどう受け止めるのかというのが、私はある意味スタートでもあるのかなと思います。ただ、目標が何もないというのはおかしいですよ。だって、それぞれの単位でこの工事をいついつまでやってくださいと発注するわけですから。その中で不確実性があるものが出てきます。それが出てきたら公表するということで、今はわれわれが推進会議でも言ったから、公表するようになりました。自治体にも共有するようになりました。これは今までなかったのですから。だから、そういうことをちゃんとやっていくということが大事なのではないかなと思います。これは、個人でやっているのではなくて、国民の皆さんの税金でもってやっているわけですから。だからそこはやはりちゃんとやっていくべきではないかと思います。
(北海道新聞)
知事の先ほどのお話の中で、秋元市長と一緒に公明党の西田幹事長に緊急要望されたというようなお話しがありました。この中で、分野横断的な支援パッケージを求めたということで、あと4月上旬にも緊急要望を行うという、ここでもおそらくその分野横断的な支援パッケージを求めていくことになると思うのですけれども、この分野横断的な支援パッケージというのは具体的にどういうものを想定されているのかというのを教えてください。
(知事)
札幌市や沿線の皆さまとも調整した上で、当然、緊急要望にあたっては項目立てしていきますけれど、先ほど私も会見の冒頭の中でお話させていただきましたが、単に札幌延伸が遅れるというその工事上の話だけではなくて、そのまちづくり全体の話であったりとか、あとは駅ができる予定の沿線の地域からすると、駅ができることを前提とした地域としてのまちづくりのあり方を議論して、そこに対して参加すると言っている民間の方々とも連絡を取りながらやってきているのです。また、新幹線が通ったときに発現する効果としては、やはり観光とかも今、コロナが明けてインバウンドの方とかも多く来ていただいて、北海道の経済もそういう意味では恩恵を受けていますけれど、当然効果発現まで伸びてしまうからそういうことも含めて限定的になるわけですね。国土交通省の中には観光庁というのもあって観光もやっています。また、道路も今回は鉄道がなかなか難しいと言っているけれども、高速だって全然つながっていないのです。だから、そういう高規格幹線道路はやはりしっかりやっていかなければいけない。鉄道局ではないけれど道路局としては、そういうことをちゃんとよりやっていかなければいけないよね、だって新幹線が遅くなってしまうのだしということとか、そういう今申し上げたのは一つの例示ですけれど、要は鉄道局だけではなくて他の国土交通省を挙げて、どうやれば影響が少なくできるのかということを考えてほしい。これは(札幌市の秋元)市長とも話していても、いや全くそうだねと(言っている)。だから、もっと言えば、先ほど言ったように国交省だけではなくて政府としてプロジェクトを進めているわけですから、だからもう国土交通省だけではなくて、これは政府として、やはり対応して(いただきたい)。有識者が言っている2038年見込みはありますけれど、これだけ当初計画から後ろに倒れるというのは今までないわけですから。だから前例がないわけで、そういう意味では前例のない形で影響を最小化するための取組の検討というのが私は必要だと。だから国会とかでもそういう議論をするべきだと思います。
(北海道新聞)
もう一点、ちょっと開業時期がいつになるか分からないということで、沿線自治体からは、開業と同時に経営分離が決まっている並行在来線のあり方についても、ちょっと議論が停滞するのではないかというような懸念の声が出ています。北海道は、後志ブロック、渡島ブロックで並行在来線の議論をやっておりますけれども、ここの並行在来線については、どのような形になるのか、道としてどういうような想定で今後議論を作っていきたいかというふうに考えていますでしょうか。
(知事)
これはそれぞれ、今、お話があったように、ブロックごとに協議継続しているという状況です。そのような中で今回、この報告書の中では2038年度末頃の見込みだとかそういったものが出ていますので、この協議にあたっては、これは今までもそうなのですけれども、地域の実情を考慮しながら、沿線との協議を進めていきたいと思っています。ただ、いずれにしても、また繰り返しというか戻ってくるのですけれども、開業時期が明らかではないので、こういう協議においても、そういう影響があるということです。だから、そこは難しさは分かるのだけれども、しっかり方向性を示すということがやはり国としては必要だし求めていきたいと思っています。それは沿線の皆さん、並行在来線の皆さんもそうだし、必要だと言ってきましたから。ここは緊急要望の中でも求めていくことになると思っています。
(北海道新聞)
確認なのですけれど、今のところ山線のほうは、バス転換がまずという方針が決まっているわけですけれども、この方針について特に変えたりとかということではなくて、とりあえず、まずその開業時期が示されるのを待ってということですかね。
(知事)
いや、これは今まで協議を積み重ねてきていますから、そこの地域の実情とか、地域のこれまでの議論の積み重ねというのを、基本的には丁寧に対応していくことに変わりはないということです。ただ、この見込みが今、宙に浮いていますから。そこの情報というのに、関係者と共に状況をしっかり確認していくというのが、より重要になってくると思っています。
(日本経済新聞)
話題変わって半導体関連について伺います。もう数週間後の4月に千歳市で工場建設が進むラピダスさんの試作ラインが稼働するかと思いますが、同じタイミングで、道としても進められてきた税優遇だったりとか、助成金の引き上げだったりとかもスタートするかと思います。この1年、知事は稼働に向けて大事な、重要な年だというふうにおっしゃってきたかと思うのですけれども、来年度も実際に稼働していく1年になっていくかと思いますが、どのように位置付けて、道としてどのように半導体関連の施策を進めていくか教えてください。
(知事)
これは、この記者会見の場でも多くの記者の方々とお話してきましたけれども、誘致から現在に至るまで、さまざまな課題があって、これからも量産に向けての課題はあるのですけれども、今、工場の建設工事については、スケジュール通り進捗していますので、この重要なマイルストーンとなるパイロットラインが予定どおり4月1日から順次稼働して、次のマイルストーンである2027年の量産の製造開始に向けて、今後、産業集積に向けた動きがさらに活発になっていくと。関連企業の進出、そして道内企業の参入、雇用、関係人口の拡大といった効果が期待されます。
国のほうでも、2030年度までに10兆円以上の公的支援を行う「AI・半導体産業基盤強化フレーム」を策定して、技術開発、設備投資計画を重点的に支援するということにしています。また、本日、新年度予算の議決をいただいたわけですけれども、昨年の3月に策定したビジョンのもとで、来年度も引き続き必要なインフラ整備等への支援、そして半導体関連の展示会の出展や参入促進のセミナー、そして小中高生向けの体験教室、出前講座といった半導体人材の確保、育成に取り組んでいきたいと思いますし、またさらに、中核的事業として札幌市と千歳市と連携した北海道大学、公立千歳科学技術大学のリソースを活用した半導体人材の育成と研究開発を一体的に進めていく。この取り組みも、本日、議会閉会しましたけれども、進めていけるということになりました。具体的には、この事業では、半導体の主要な製造工程について、デジタル仮想空間でのシミュレーションと、実際に手を動かす実体験を組み合わせた実習が可能な「半導体プロトタイピングラボ」ということで、これは国内で初めて、北海道大学内に整備するものです。なぜ半導体人材が北海道を選んでいただけるのかという時に、国内で唯一、こういった「半導体プロトタイピングラボ」が北海道に整備されて、他の大学、高専にもそれが提供されるということです。北大だけではなくて、高専とか、他の大学にもこの国内唯一のラボが提供されます。ですから、半導体の製造、研究現場で、高いスキルを身につけたいという方には、日本中探しても北海道にしかないのだということで、人材を集めて育成していくということです。さらに、高校生などを対象にした、こういった動きがあることなどをしっかりお伝えしないと、そういった情報を知らなかったということがあってはいけないので、しっかりと広く情報発信するポータルサイトについても、近く開設していきたいと思っています。いずれにしても、重要なこの来年度、大きな動きがありますから、これまで準備してきたこれら政策をうまく相乗効果をもたらして、複合拠点の実現、そして全道への波及というものを実現するべく取り組みを加速していきたいと思っています。
(建設新聞)
泊原発の件でお伺いします。北電が先日、設置変更許可申請書の補正書を原子力規制委員会に提出されました。問題がなければ来月にも設置変更許可が出されます。今回の補正書では、防潮堤の設計方針なども示されましたが、今回の一連の動きに関しての知事のお考えと、また今回の議会で視察する必要があるというご答弁もありました。時期など詳細は検討ということでしたけれども、例えばいつまでに視察したいとか、今回の視察の目的などそういったお考えを教えてください。
(知事)
これは議会でも議論になりましたけれども、先週14日に、これまでの適合性審査における審査内容を反映した補正書を原子力規制委員会に提出したということで承知しているところです。このことについての受け止めでありますけれども、審査が一定程度進んだものと受け止めているところでありますが、これは規制委において、今後も審査書案の取りまとめ、そしてパブリックコメントといった審査が継続するということでありますので、道としては、当然のことですが引き続き、その状況を注視していきたいと考えているところであります。なお、この泊発電所については、今、申し上げたとおり規制委における審査が継続中でありますので、予断をもって申し上げる状況にはないというところであります。 そして視察、これも道議会における議論の中でもございまして、今、申し上げたような状況でありまして、現地の状況などについては事務方のほうから適宜報告は受けてきたところでありますが、私はこれまで原子力防災訓練などの際には、後志地域におけるオフサイトセンターとのやり取りとか、そういったことで、原子力防災の形では取り組んできたのですけれど、泊発電所については訪れたことはないという状況ですから、私は災害発生時における災害対策本部長としての立場にあるわけですので、この原子力防災対策を進めていく上でも、現地を視察する必要があるということで、議会においてもその旨、答弁もさせていただいたということです。その時期については、これは相手もあることでもあるのですけれども、調整の上、決定次第、マスコミの皆さまにもお知らせして、実現できたらと思っています。今の時点で決まってはいないということです。
(HTB)
石破総理が新人議員に10万円分の商品券を配ったという問題がありまして、現在、予算委員会が佳境を迎えている中で、予算が遅れると地方にも大きな影響があるわけですが、その中でのこのような政治とカネの新たなスキャンダルについて、知事としてどのように受け止められますでしょうか。
(知事)
これは、石破総理が政治とカネの問題などについても、今とは違う立場の中でも、やはり政治家は自らがしっかり説明責任を果たすべきだと、国民の理解が大事なのだということを、総理になられる前から一貫してご自身が発言されてきたことだと思います。ですからそこは、ご自身の言葉として、しっかり説明していただく必要があるのだと思いますし、これはご自身でもおっしゃっていますけれども、当選された議員の方に、ポケットマネー150万円ということですけれども、お配りするということは、社会一般的な感覚からすると、なかなかその感覚が理解できる方は、やはり少数なのではないかと思います。ですからそれは、違法性とかそういうことではなくて、どう社会にその行動が受け入れられるかということは、やはり国のトップである総理として、非常に重要なことだと思います。法律を守るのは当然のこととして、自身の行動がどう国民に受け取られるかということがすごく重要な立場だと思っていますので、そのこともご自身、国会でも十分理解された中で発言されているのだと思いますけれども、ぜひ総理としての役割、説明責任を果たしていただきたいと思います。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)