知事定例記者会見(令和7年4月11日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和7年4月11日(金)15:34~17:08
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/20名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 令和7年度ホッカイドウ競馬の開幕について
  2. 赤れんが庁舎の施設予約の開始について

記者からの質問

  1. 報道機関による世論調査について
  2. 泊発電所の再稼働について
  3. JR宗谷線普通列車の脱線について
  4. 北海道新幹線について
  5. 米国の関税措置に対する道の対応について(1)
  6. 静内対空射撃場における地対艦ミサイルの発射訓練について
  7. 道南いさりび鉄道について
  8. 米国の関税措置に対する道の対応について(2)
  9. 新たな「食料・農業・農村基本計画」及び「酪農及び肉用牛生産近代化基本方針」について
  10. 大阪・関西万博について
  11. 米国の関税措置に対する道の対応について(3)
  12. ノースサファリサッポロへの補助金などの支給について(1)
  13. ノースサファリサッポロへの補助金などの支給について(2)
  14. ノースサファリサッポロへの補助金などの支給について(3)

知事からの話題

令和7年度ホッカイドウ競馬の開幕について

 私から二点、冒頭お話しさせていただきます。
 来週4月16日の水曜日に、令和7年度のホッカイドウ競馬が開幕いたします。本日は、ホッカイドウ競馬のマスコットキャラクターであります「ホクトくん」が駆け付けてくれています。皆さんのお手元に、ホッカイドウ競馬のレーシングガイドと日程表をお配りさせていただいております。ぜひご覧いただければと思います。今年度につきましても、日高町の門別競馬場で「グランシャリオナイター」ということで、11月13日までの計85日間をナイトレースを開催させていただく予定としております。開幕日には、ホッカイドウ競馬公式アンバサダーの元日本ハムファイターズの杉谷拳士さんによる開幕セレモニー等を予定しております。また、先着で、ご来場いただきました皆さまに対するプレゼントもございます。日高町の特産市なども開催いたしますので、ぜひ皆さん会場にお越しいただければと思います。昨年度の販売額につきましては過去最高となる543億円を記録いたしました。日頃から応援いただいている皆さんのおかげであります。心から感謝を申し上げたいと思います。今年度の新たな取り組みについてご紹介申し上げます。現在2つある公式YouTubeチャンネルを「ホッカイドウ競馬チャンネル」として統合させていただいて、リニューアルするほか、注目馬情報などを公開する特設サイトを開設する予定であります。情報発信をさらに強化してまいります。これから関係者一同、ホッカイドウ競馬を盛り上げていきたいと考えていますので、PRにつきましては、これまでも報道の皆さまにご協力いただいてまいりましたけれども、今後とも、今シーズンについてもよろしくお願い申し上げます。
 

赤れんが庁舎の施設予約の開始について

 二点目でございます。
 赤れんが庁舎の施設予約の開始についてでございます。令和元年10月から、改修のため閉館しておりました赤れんが庁舎でございますけれども、本年7月25日にリニューアルオープンということであります。北海道では、施設の魅力向上を図るために指定管理者制度を導入し、4月から、北海道新聞社を代表とする「北海道赤れんが未来機構」による管理が開始されたところであります。4月16日にリニューアルオープン100日前を迎えます。その日に指定管理者によるホームページが開設されます。施設の予約も開始されることになります。入館料につきましては、一般の方が300円、高校・大学生が200円、中学生以下は無料となります。また、これまで公開してこなかった、八角塔や展望バルコニーなどを見学できる「特別観覧エリア」への入場料につきましては、1200円に設定されています。なお、会議やレセプションが開催できるホール、屋外イベントが開催できる前庭も貸し出すこととし、平日限定で3割引とする「道民割」も導入されます。先日、私も視察させていただいたところでありますけれども、より魅力的に生まれ変われるよう、現在、展示物の整備、そして、飲食・物販コーナーの整備を急ピッチで進めているところを視察させていただきました。こうした準備状況につきましては、今後順次、皆さまにお知らせしていくこととしています。まずは、16日からホール、前庭の予約が始まりますので、このホールは歴史を感じられる趣のある空間となっています。会議の皆さまにも喜んでいただけると感じました。多くの皆さまにご活用いただければと考えておりますので、ウェブサイトを通じて予約する形になりますので、よろしくお願い申し上げます。
 

記者からの質問

(北海道新聞)
 弊社が先週末に実施しました道民意識調査で、鈴木知事の道政運営の支持は62パーセントという結果になりまして、依然として高い水準が続いていますけれども、去年の4月に行った前回調査からは10ポイント低下しました。知事の数字への受け止めをお願いします。

(知事)
 道政運営については、さまざまなご意見があると思っておりますので、大事なことはそれをしっかり受け止めていくことだと思っています。皆さんの声を、しっかり受け止めた中で、これからも知事としての役割を果たしていきたいと考えています。

(北海道新聞)
 意識調査で知事に力を入れてほしい分野という質問もありまして、その中で食や一次産業、高齢者福祉、観光振興、雇用対策、人口減対策などを挙げる回答が多く見られたのですが、知事は23日で任期2期目の折り返しを迎えられますけれども、任期後半に向けた道政運営の課題というのをどのように認識されていますか。

(知事)
 今ご質問の中にあった項目については、いずれも重要な道政上の課題であり、取り組みであると認識しています。公約で掲げさせていただいた基本政策については、総合計画と一体的に推進して、公約に掲げた全ての政策に着手しているという状況であります。
 また、近年、自然災害が頻発、激甚化しております。これは北海道のみならず、全国各地域において大きな被害をもたらしている災害なども、残念ながら発生しているという状況の中で、道として、こういった災害への備えを万全なものにしていくべく、これまでの間も取り組んできたところであります。また、長引く物価高においても、道民生活に大きな影響を及ぼしています。現在、子育て世帯に対するお米券や牛乳券、この申請も始まっているところでありますけれども、緊急経済対策に取り組んでいるところでありますが、今後しっかり取り組みを進めていかなければならないと思います。また、今、ご質問の中にあった人口減少、そして少子高齢化が進んでいる中における担い手不足、これが深刻化しています。また、交通、医療、福祉といった、安全・安心な暮らしに必要なサービスを維持していかなければならない、このことも重要な課題だと受け止めています。いずれにしても、今後とも道民の皆さんの命をしっかり守っていく、そして皆さんの暮らしを守っていく、このことを最優先としながら、誰もが安心して住み続けられる北海道をしっかりと皆さんと共につくっていきたいと考えています。
 一方で、これまでになかったようなさまざまな動きも出てきていますので、脱炭素化、デジタル化、不確実性のある中での国際情勢の変化、こういう状況の中で私は北海道こそ、経済、食料の、安全保障上、重要な役割があり、大きく貢献できると考えています。これまで積極的に働きかけてきた中で、国家戦略上も北海道の位置付けが明確になってきていると思っています。こういった取り組みなども、これからもしっかり進めながら、命、暮らしを最優先に守りつつ、こういった役割が大きく発揮される日本の未来、そして世界の中で一層輝く北海道、こういうものをぜひ、知事として全力を尽くす中で実現していきたいと考えています。

(北海道新聞)
 最後もう1問だけお願いします。任期後半の、今後2年間の間で、泊原発の再稼働問題というのも出てくるかと思います。早ければ今年の夏にも規制委員会の正式合格が出るとも言われていますし、北電は27年早期の再稼働を目指すという立場をとっていまして、一方で港外港の整備であるとか、核燃料を陸上輸送するというような多くの論点があるわけですけれども、知事としては、その2期目の任期中に地元同意について、ご自身の判断を示す必要があるというふうにお考えでしょうか。

(知事)
 原発については常々申し上げていますけれども、安全性が確保されることが大前提であるということであります。再稼働については、規制委員会において、最新の知見を反映した基準に基づく審査・確認を行っていただくことが重要であります。
 泊発電所は、現在、規制委員会における安全審査が継続中でありますので、予断をもって申し上げる状況にはないわけでありますが、具体的な内容が示された場合については、道議会でのご議論などを踏まえながら、適切に対応していきたいと考えています。

(HBC)
 JR北海道の安全対策についてお伺いいたします。先週の会見でもJR北海道の安全対策に対する質問があったばかりかと思うのですけれども、8日にJRの宗谷線で再び脱線事故が起きました。JR北海道としては、運輸局からの業務改善指示を受けて、安全対策に取り組むと誓った直後の事故だったと思いますが、本件の知事の受け止めをまずお願いします。

(知事)
 私は、夕張市長時代に、石勝線夕張支線が、宙吊りになって、崩落して、そういう状況になった時に、市長として対応もした経験もあるのですけれども、やはりこの融雪期というのは注意しなければならない、そういうことがまずあると思います。これまでもそういう意味では、そういったリスクの高い箇所については、JRとしては当然点検などを行ってきたのだと思いますが、今回のような事例になっているということでありますから、やはりここは安全第一ですので、そういった点検なども、全道においてしっかり再点検していただくということが重要ではないかと思います。詳細については、JRと運輸安全委員会において調査中ということでありますけれども、いずれにしても今申し上げたような安全・安心、これが第一であるということで考えております。
 道としては、このJR北海道が安全対策に必要な取り組みを徹底していくことが重要であると考えておりますので、8日に鉄道担当局長のほうから、早期の原因究明と再発防止をJRに対して求めたというところであります。JRは、先日3月31日に北海道運輸局から安全管理体制の見直しなどの改善措置を講じるようにということで指示を受けております。4月30日までに講じた措置を報告するように求められているところでありますけれども、今回の脱線事故も含めて、安全管理に関する取り扱いの不備、虚偽報告、こういったことが相次いでいると。こういう事案が相次いでいるということは、道民の皆さまが、利用者でありますので、不安が広がっているというところがあると思います。
 JRにおいては、この安全確保の取り組みなどについては、道民利用者の皆さまに対してしっかりご説明いただくとともに、先ほど申し上げたような点検などをしっかり行いながら、信頼回復に努めていただきたいと思っています。

(HBC)
 昨年来、これだけ相次いでいるということで、これだけ相次ぐと例えばマンパワーの不足ですとか、資金不足ですとか、何か物理的な抜本的な問題があるような感じもするのですけれども、何か抜本的に見直さなくてはならない形も、考えもありますが、知事としてはどういう対策を打っていくべきだというふうにお考えでしょうか。

(知事)
 まずは、監督官庁に対してどのような報告を行っていくかについて、しっかり注視していきたいと思います。当然、JRがこの経営の厳しい状況になった契機としても、こういった安全対策上のさまざまな課題がある中で、そこに向き合うことになかなか十分な対応ができていない中での、今の現状におかれているということがありますので、そこはやはり利用の前提として、安全・安心は大前提ですから、そこを総点検していただいた中で、しっかりこの報告を行っていただくことは、何より重要であると思います。
 道としては、この利用促進の取り組みについて、沿線やJRと一緒になって取り組んでいるところでありますけれども、やはり皆さんに利用していただくにあっては、利用する皆さんも、この安全・安心の中で、鉄道を利用いただくということを当然前提として、ご利用いただくわけでありますので、こういった利用促進を呼びかけるにあっても、課題になりかねない、こういう問題についてしっかり向き合った中で、対応策について十分検討の上、報告いただきたいと思っています。

(HBC)
 JR関連でもう一点だけ失礼します。新幹線札幌延伸の対応に関してです。4日に知事が沿線自治体のトップらと、国に緊急要望に行かれたと思います。この際、この席にJR北海道が同席していなかったと思うのですけれども、JR北海道がいなかった経緯についてまず教えてください。

(知事)
 これは、オール北海道での要望という状況の中で、JR北海道も含めて、呼びかけたところではあったのですが、JR北海道としては、日程調整がかなわないという状況でありまして、欠席するというご連絡をいただいたという状況でございます。

(HBC)
 知事も常々、オール北海道で取り組むということをおっしゃられていて、今回の要望も重要視されていると思うのですけれども、JR北海道が日程調整がかなわなかったということなのですが、代理でも立てられたのではないかなと、はたから見てて思うのですけれども、営業主体であるJR北海道が、この場にいなかったことに関して、知事としての受け止めをどのように感じてらっしゃいますか。教えてください。

(知事)
 JR北海道の経営にも大きく影響しますし、JR北海道としても極めて重要な案件であるということだと私は思っております。そう考えると、どういった日程があったのかについては、私は承知しておりませんけれども、今、質問の中にもございましたように、社長がお忙しいということであれば、代理の方にご出席をいただくなどについても、検討いただくことは、可能ではなかったのかということについては、私も少し疑問に思うところがありますが、いずれにしても、13日に、またこの(北海道新幹線札幌延伸)推進会議を行いますので、その場にはJR北海道の方が参加されるとも聞いておりますので、そこには鉄道局、鉄道・運輸機構も参加されますので、しっかりこの、JR北海道が求める内容についてご発言いただきたいと思っております。13日については、参加される意向であると報告を受けています。

(毎日新聞)
 ラピダスとアメリカの関税の関連についてお伺いします。半導体は相互関税の適用外になりましたけれども、アメリカの大統領の一存でラピダスの事業がうまくいくのかどうかというところが左右されてしまう、そういうことが今回明らかになったかと思います。
 相互関税にも猶予期間というものも設けられていますけれども、この終了後にトランプ大統領がどのような対応を取るかというところは、誰も予測できないような状況です。関税の対象になることも考えられますし、そもそも現状でさえも半導体の価格の高騰というところも指摘されています。ラピダスの工場の誘致に動いて、なおかつ億の予算をかけられて、道としても、半導体関連の事業に注力されてきている知事として、現状をどう受け止められていますか。

(知事)
 ここはまず、関税全体の、これは半導体だけではなくてですね。非常に世界各国が大きな影響を受けるということであります。中国を除く国に対する発動の延期が発表された中ではありますが、そういった意味では半導体のみならず、本道においても大きな影響が懸念される事態でありますから、これは先般、北海道経済産業局主催の、全都道府県の中で最も早く開催された(北海道米国関税対策)会議においても、その懸念をお話しした上で、これはしっかり政府、国において受け止めていただくべく、発言もしたところであります。
 半導体の分野への影響ということで考えると、これもちょうど先日の衆議院の経済産業委員会においても質疑が行われたというところでありまして、国は、半導体関税についてはいまだ詳細が発表されていないということ。そして今後、発表されたものを踏まえて、影響を精査していく必要がある旨の答弁をされています。
 この次世代半導体については、経済安全保障上重要な物資であります。また、わが国における産業競争力を強化する上でも、必要不可欠なキーテクノロジーであるということがあります。これはアメリカの関税政策の動向にかかわらず、今申し上げたような状況がある中で、このラピダス社のプロジェクトは確実に推進していくことが重要だと考えておりますし、国としても、このラピダス社のプロジェクトに対して必要な支援を継続していくものと考えております。これは、法案審議なども衆議院の中で行われて、一定の質疑がなされたというふうにも思っています。道としてはこのラピダス社のプロジェクトの成功に向けて、引き続き、当然、国際情勢の変化は注視していかなければならないと思いますけれども、必要な支援については、引き続き、取り組んでいくということと、道が目指しますのは製造のみならず、研究、人材育成これが一体となった複合拠点の実現でありますので、こういった目指すべき目標に向けて、取り組みをしっかり進めていく考えに変わりないということで考えています。

(毎日新聞)
 関連してなのですけれども、そもそも2ナノの量産化というところが、実現するのかという、疑問視する向きも以前からありますけれども、道が目指している半導体の複合拠点というのは、これはラピダスの事業が、例えばですけれど頓挫した場合、あるいは輸出がうまくいかなくなるような状況になった場合でも実現できる道筋というのはあるのでしょうか。

(知事)
 先ほど申し上げたように、確かに国際的な影響または関税政策の影響は注視していかなければならないのですが、次世代半導体、2ナノ半導体をはじめとして、これは国際的に、産業競争力を強化する上でわが国としては、不可欠なキーテクノロジーであるという位置付けが何ら変わるものではないと思っております。そして製造に当たっては、今順調に、パイロットラインも稼働しているという状況です。量産に向けては、量産における歩留まりを上げていくということに、今後さらに目標を持って注視していくということでありますが、人材育成、研究は、いずれにしても必要不可欠なことであります。
 私は人材の育成については、半導体人材は世界で獲得競争が行われていますし、日本においてもその必要性が重要であるということに変わりはない。その中でやはりそういった人材を、東京なのか大阪なのか、いや違うと。やはり北海道で、唯一の次世代半導体を量産するこの現場で、人材を育成していくこと、このことがやはり、製造と研究と人材育成がそれぞれ相乗効果を持って、北海道経済に与えるインパクト、また、地域活性化に影響するインパクト、これが大きなものになると思っていますので、その必要性が失われるということではない限りにおいては、今進めている政策の方向性に間違いはないと思っています。
 今、北海道大学を中心とした、前工程、後工程、ラボ、また研究を含めた35億円規模の国の補助事業を活用した中での人材育成のプロジェクトもスタートします。これは、国内で唯一、そういったラボができる中で人材を獲得していこうという取り組みであります。ですので、そういった取り組みや、また、GX全体でも今、税制優遇、立地補助、こういったものも全国と比較しても、最高レベル、または遜色のない高いレベルでの、税制優遇、進出補助も4月から適用しながら産業の集積を図っていく。この方向性は、私は普遍的な、今の時代の中で必要とされる取り組みだと思っています。これも着実に進めていくということです。

(毎日新聞)
 先ほど知事おっしゃったように、半導体製造の現場がある、次世代半導体製造のですね、現場があるというところが重要だと思うのですけれども、ラピダスがうまくいかなかった場合となった時に、半導体製造の現場がなくなってしまうわけで、例えば、この台湾や韓国の半導体企業も合わせて誘致するですとか、そういった道としてのプランBであったりプランCみたいなものというのは、リスクマネジメントとして考えるというところは、そういった考えはないでしょうか。

(知事)
 私はまず、今、1兆7千億を超える、投資上限額を国が決定した中で、プロジェクトが行われ、実際にEUV露光装置をはじめとした高額な量産パイロットラインの稼働に向けた設備が導入され、工事が行われ、一定の経済効果があり、そしてそういった機能を持った施設が建設されているわけです。ですから、まずはラピダス社の成功、これをしっかりやっていくわけでありますけれども、現に北海道に唯一無二のそういった投資が行われて、取り組みが進められているわけですから、そういった意味では、その事実が変わらない限りは、北海道にとっては、プロジェクトの成功いかんに関わらず、大きな経済効果がありますし、ラピダス社のみならずどういう形態になったとしても、これは北海道にとって大きな投資であることに疑う余地はないと思っています。

(毎日新聞)
 話題変わって、昨日、陸上自衛隊のほうから発表された地対艦ミサイルの国内での演習、実弾射撃訓練についてお伺いします。この地対艦ミサイルというのが政府が反撃能力の要として、南西諸島で強化を進めているものでして、そこで新ひだか町の静内の対空射撃場が選ばれましたけれども、北海道はこの防衛力強化の重要な役割を担うことになるかと思いますが、知事としては、政治家としてこのことをどう捉えられていますか。

(知事)
 まずこの訓練計画ということや実行にあっては、北海道の地元の市町村に対する丁寧な説明、そして道民に対する適切な情報提供を行っていただきたいと考えているところであります。この点において言うと、今回の件について報道が先行する形となって、事前説明がない中で、結果としてはですね、報道に至ったということについては、これは担当部局のほうから、防衛局に対しては、適切に対応いただきたいということを申し入れた上で、防衛局のほうからも、事前説明がないままに報道がなされたことに対して、適切に今後対応していくということで回答がありました。まず前提として、こういったことはしっかり徹底していただきたいと考えるところであります。
 一方、この訓練の内容については、ロシア海軍の活動が活発化するということなど、本道の安全保障環境が急速に厳しさを増しているという状況の中で、自衛隊のこうした訓練は重要であると考えているところであります。
 いずれにしても、訓練の重要性は理解しつつも、道民の皆さまの安全・安心が確保されて実行されるということが重要でありますので、その点についてはしっかり対応いただきたいと考えます。

(北海道新聞)
 道南いさりび鉄道について伺います。弊社の取材で道庁が沿線自治体と、これまでの8対2の負担割合の見直しに向けて、協議を進めていることがわかりました。このことについて、まず知事の所見を伺います。

(知事)
 まずこれは、若干経緯というか、今までの流れについてお話しさせていただくと、記者の方は皆さんお分かりだと思うのですが、見ている道民の方もいらっしゃるので、説明させていただくと、平成24年2月に、道と沿線の3市町で構成する協議会があるのですけれども、こちらで道と沿線自治体の負担割合については、8対2としましょうということで確認しました。その際に、開業後、一定期間が経過した後に、負担割合などの再検討をしていきましょうということも、実は併せて確認させていただいているところでして、こういった平成24年の経過がまずありました。
 そういう状況の中で今年ですけれども、本年1月30日に開催した道南いさりび鉄道沿線地域協議会の中で、令和8年度から始まる次期経営計画の素案を協議したところであります。その協議の中で、道から今申し上げたような、平成24年2月の状況も踏まえた中で、道と沿線3市町の負担割合の見直しについても、提起させていただいたという経過でございます。そして負担割合の見直しについては、現時点では、他県の事例などを踏まえまして、議論のたたき台を整理していくという段階でございます。まだ具体的な中身ということには至っていないわけですけれども、今後、協議会でお示ししながら検討を進めていこうということになっています。
 いずれにしても、道と沿線の3市町における負担、このあり方の協議に当たっては、当然のことですけれども、関係者の皆さまの理解を得ながら進めていくということが重要でありますので、慎重かつ丁寧に、対応に努めていきたいと考えています。

(北海道新聞)
 知事も言及された1月30日の協議会の中で、道の担当者が説明に行って、道と沿線自治体が同じ目線で議論を進めることが重要だと述べています。 
 その後、地元のほうの、事務方との協議では、1対1の負担割合を議論のベースにしたいみたいなことを説明されたということを地元のほうが言っています。1対1と考えると、これまでの8対2から、地元にとって負担が増えると思うのですけれども、道庁として8対2でなくて、1対1に引き下げたい理由とか、ちょっとそこの考えはどういうふうにありますか。

(知事)
 報道等、取材活動やいろいろなことがあるのだと思いますが、まだその割合について、この場で申し上げるような状況にはないというのが、公式な見解であります。いずれにしても、それぞれの負担のあり方については、これは慎重かつ丁寧な対応が必要だということはあると思います。ただこれは、先ほど申し上げたように、平成24年、また本年1月30日においても、関係者間で目線を合わせながら、提起している関係もありますので、そういった状況の中で、協議させていただいてということはご理解いただきたいと思います。

(北海道新聞)
 令和8年度から、第2次経営計画が始まって、それまでに見直しの議論をしたいということだったと思うのですけれども、1月30日が第7回の協議会で、その後第8回はおそらく書面で開かれていて、第9回のときに、地元としては負担割合のたたき台みたいなものが示されるのだろうと覚悟していたみたいで、この次の協議会というのは、いつ開くのか、あと、いつ頃までにこの負担割合を決定したいか、そこら辺の考えを教えてください。

(知事)
 そこの開催の詳細については、ちょっと私のほうに報告が上がってきておりませんが、いずれにしても、それは時期というのも大事ですが、丁寧に協議していくということとのバランスの中で考えられていくことだと考えています。
 この次期開催について、補足があれば(事務方から)お願いします。

(総合政策部交通企画課並行在来線担当課長)
 次期協議会開催時期については、現時点では未定でございます。先ほど知事からのお話もありましたように、沿線市町のほうと丁寧な協議を進めた中で、次期協議会の開催時期に関してはまたあらためて、報道発表等させていただこうと思っております。
 
(日本農業新聞)
 アメリカの相互関税についてお聞きします。アメリカは、日本の農産物市場の開放を求めてくる可能性が高いと言われています。輸出面でも、ナガイモや米、牛肉などアメリカ向けの実績がある道産の農畜産物が一定量あります。アメリカの一連の措置が道農業に与える影響について、現時点でどのような危機感を持っているか、また、日本政府に対して、どのような姿勢で農畜産物を含めた輸出入を巡る交渉に臨むよう求めるか教えてください。

(知事)
 先に行われた先ほど申し上げた会議の中でも、北海道における食料供給基地としての役割、その背景を十分理解した中で、毅然とした外交交渉を行っていただきたいということについては、マスコミの方も入られたオープンな中で、私も挨拶で触れさせていただき、かつ直ちにこれを共有してほしいということで、会議で発言した内容も含めて、本省、政府に対して、現時点でも共有いただいているということであります。
 今、お話がございましたけれども、米国への農林水産物の輸出状況については、令和6年はホタテガイが約138億円、米が約3億6千万円、ナガイモが約2億7千万円となっているところでございます。特にホタテガイ、米についてはここ数年で大きく伸びているという状況の中で、今回の関税措置、これによって、輸出に取り組む生産者の皆さんが抱く不安、そして産地としての成長の妨げにならないかということで懸念されております。また、農林水産物の輸入については、関税交渉の動きいかんでは、食料安全保障はもとより、本道農業、農林水産業の影響、関連産業、地域経済への甚大な影響が生じることが危惧されております。本道の重要品目に対する必要な国境措置の確保などの万全な対応が重要であるというふうに考えております。
 北海道米国関税対策会議が開催されましたけれども、この中で、先ほど申し上げたような地域の実情、そして関税交渉の経験や、経済、食料安全保障の観点、これも踏まえて毅然とした外交交渉、これまでもそういった意味では、さまざまな交渉が行われてきた中で、食料に関するところで交渉が行われてきた経過、経緯、経験がございますので、そういったことも踏まえた中での毅然とした外交交渉を行っていただきたいということ。そして、現在、緊急事態とも言えるこの状況下で、さまざまな情報が錯綜していると。つい先日も(相互関税の上乗せ分を)90日間停止するという状況になって、もう本当に情報が錯綜しているということですので、今後の動きを見通すことは難しいということは分かりつつも、不安を抱く一因となっていることは明らかでありますので、国においては道や市町村、一次産業団体、生産者の方々、こういう皆さんが予見性を持って把握できるように、外交交渉の経過、そして日々更新される関税情報の更新と提供を行っていただきたいということも強く申し上げたところであります。さらには、今週の月曜日(4月7日)になりますけれども、石破首相が資金繰り対策をはじめとした必要な対策、ゼロゼロ融資も含めて具体的に例示をしながら発言していました。ですから、こういったことにつきましても早急に検討していただいて、万全の対策を講じていただきたい旨も申し上げたところでございます。
 来週にも、アメリカとの交渉を担う(赤澤)大臣が訪米するという報道もありました。道としては国に対しても、今申し上げたことを既に申し上げておりますが、全国知事会の中でもこれは大きな課題として認識されていますので、今、全国知事会としても緊急の要望を取りまとめていこうということで、道としても必要な事項について、今、協議の上、全国知事会の共通の課題認識を持つ知事とも要望 していきたいと思っています。
 引き続き、道としては、今申し上げた会議もそうなのですが、特別相談室も設けています。こういったところで地域の声をきめ細かにお伺いしながら、北海道の特性がありますので、実情や影響をしっかり国に伝えた中で、地域の特性に応じた実効ある対策の実施につなげていきたいと考えています。

(日本農業新聞)
 もう一点、新たな(「食料・農業・農村」)基本計画と酪肉近(「酪農及び肉用牛生産近代化基本方針」)が本日決まりましたが、知事はどのように評価されているでしょうか。肯定的に受け止めている面など教えてください。

(知事)
 これはこの記者会見の場でも繰り返し、記者の方からご質問いただいてきたことでもあるのですが、本日、「食料・農業・農村基本計画」の変更の閣議決定ということでございました。この新たな基本計画については、昨年の8月以降、道の前農政部長でありますけれども、臨時委員として参加させていただいて、議論に加わった形で、国の審議会、そして衆参院での熟議、そういうものを経て、取りまとめられたというものです。
 これまで北海道のスタンスとしては、やはり食料自給率200パーセントを超える北海道と、食料自給率が0パーセント、正確に言えば0.何パーセントだと思いますが、東京都が全く同じだというのはおかしいではないかと。北海道が食料供給地域として果たしてきた役割を考えると、47都道府県全部同じですよね、200パーセントの北海道も0.何パーセントの東京も同じですということではなくて、やはりこの基本計画に北海道を重点的にこの役割、地域を位置付けるべきだということで、大臣にも強力に働きかけてきました。その結果として今回初めて、北海道が主要穀物の主産地であるということで、各都道府県の表現として具体的に県名というか、北海道ということで入ったのは唯一です。他の県は何県とか記載されていませんので。北海道だけがこの主要穀物の主産地ということで記載されました。これは農業団体、市町村、本当にさまざまな皆さんが働きかけて、北海道は重要なんだ、食料安全保障において重要なんだということを働きかけてきた結果として、こういう状況になったのではないかということでありますので、このことには、まず、今日は節目でありますから、皆さんに感謝を申し上げたいと思います。
 また、本日、基本計画の閣議決定後に(農林水産)大臣が決定した、「酪農及び肉用牛生産近代化基本方針」については、目指す方向性として、需要に応じた生産の推進、生産性の向上、国産飼料の生産、利用拡大などが示されたというところでございます。これも北海道がこれまで取り組んできたことを反映いただいたということで受け止めているところであります。
 いずれにしても、この新たな計画で示された目標を実現していくことが大事です。目標が大事というより、その実現が大事なので、道としては、この4月に食料安全保障に関する業務の総合調整を行うために農政部に新たに食料安全保障推進局を設置しましたけれども、こういった体制強化をさせていただいたところでありますが、初動の5年間、ここで農業の構造転換がしっかりと推し進められるように、まず必要な計画を作ったわけでありますので、国としてもその計画を実行するために必要な予算の確保、そして本道の実情を踏まえた施策の推進について、国にしっかり求めていきたいと考えています。
 引き続き、関係の皆さんと一体となって、わが国の食料の安全保障を確保していくことは北海道にとっても大事なのですけれども、これは日本にとって極めて重要ですので、この役割を果たすために、最大限、皆さんと努力していきたいと考えています。

(NHK)
 明後日、大阪・関西万博が開幕します。これに関連して、道として期待していることであるとか、関連の取り組み等について何かお考えがあればお聞かせください。

(知事)
 万博の開催が13日からということであります。10月13日までの間、開催されると。国内外、世界中から多くの方々が集まるということで考えると、これは北海道のPRにとっても良い機会だと捉えています。北海道に関連する行事としては、5月17日になりますけれども、200名を超える踊り手によるアイヌ舞踊の披露が行われます。また、6月10日から12日にかけては、アイヌ工芸品等の展示や、ウポポイのPRなどが予定されているということでありますので、大阪・関西万博なのですけれども、北海道においても、こういった関連する行事が行われるということについては、ぜひ道民の方にも知っていただけたらありがたいと思っていますし、このほか、まだ詳細な内容と時期については調整中という状況ではあるわけでありますが、道としても万博を訪れる方が多くいらっしゃいますので、大阪にあべのハルカスという施設がありますけれども、ここにどさんこプラザがありますので、こういったところや、日本の玄関口である羽田空港、成田空港において、北海道フェアを開催させていただいて、北海道の食と観光のPRを実施させていただきたいと考えております。また、北方領土問題の啓発にも、国内外から多くの方々が訪れることを契機として、取り組んでいきたいと考えております。この万博の期間中、会場内外において、さまざまな関連行事を予定していますので、今後、詳細な内容と時期は調整中と申し上げたものについても、決まり次第、また皆さんにお知らせしたいと思いますし、私も、こういった関連行事が行われる状況、機会などと併せて訪問できたらと考えています。

(共同通信)
 先ほどの質問、ご回答の中で、米国の相互関税について、道は特別相談室を設置されていましたけれども、それで今現在、どういったところからどういった相談があったとかというのを言える範囲でお願いします。

(知事)
 事務的な話なので、事務方から。

(経済部地域経済局長)
 私どもの相談室のほうには、今のところ具体の相談は入っていないような状況でございます。

(知事)
 ただ、相談窓口に来るだけではなくて、プッシュ型でも聞いています。

(経済部地域経済局長)
 関係団体等にも聞いてはいるのですけれど、まだ具体な相談は入ってきていないかと。

(知事)
 いや、懸念の声は聞いております。ちょっと説明があれだったのですけれど、相談窓口は設置しました。その具体的な窓口の相談件数というのは、今、関税の内容が判然としないので、なかなか具体的な話ではないのですが、こちらから関連する産業、例えば自動車関係とか、そういうところにも何度も聞いています。その中では、具体的に関税が発動した自動車関係からは、懸念の声が出ていますし、全体としては、とにかく情報が日々変わっていく中で、すごく漠然とした不安があるのだけれど、情報を知りたいということだったりだとか、アメリカとの直接的な輸出入ももちろんなのですけれども、例えばホタテとかだとベトナム経由でアメリカに行ってたりとかもするのです。
 そうすると、ベトナムとアメリカの関税の関係でも、直接・間接ともに影響を受けたりだとか、そういうさまざまな懸念の声を、要は、相談を待つだけじゃなくて、こちらからも関係団体などには聞き取りなどを行っています。
 いずれにしても、私は前回の会議でも申し上げたのですけれども、情報が錯綜しているので、この関税が発動されますよという当日にあっても、統一的なホームページの情報の発信が国としてないということが、少し違和感があるよねと。そこはやはり、何て言うのでしょうか、情報が分からないから、みんな不安に思って、市場もそういう反応をしているところもあるので、やはりちゃんと客観的なオフィシャル情報を提供するということが大事ですよねということであります。あの会議の後、たぶん最低限の情報はホームページに掲載されたと聞いています。

(読売新聞)
 ノースサファリのサクセス観光に対する宿泊事業者感染防止対策等支援金の関係でお伺いいたします。この支援金の交付要綱第17条では、支援金交付事業者が、法令、本要綱または事務局または道の指示に違反した場合、交付決定の全部もしくは一部を取り消し、または変更することができるとあります。ここでいう法令の意味について道としての解釈をお伺いしたいです。これは知事からでも事務方からでも構いません。

(知事)
 まず、これは私からお話しさせていただきたいのですけれども、その補助金などにあっては今、お話しいただいいたような情報というのは結構入っているのではないかなと思っています。これは前回の会見でも申し上げたのですけれども、補助金等の交付決定時においては、サクセス観光からこの申請の不備はなかったいう状況で、対象事業者としての要件も満たしていたので、支給には問題なかったと認識しているのですけれども、先日、札幌市長の記者会見で、違法建築物であるとの考えが示されました。このことから、この補助事業の目的等に照らして、今般の法令違反が、今、お話がありました補助金等の返還の要件に該当するか否か、こういったことも含めて、対応の要否について検討しているというところであります。補足の説明があれば事務方のほうでお願いします。

(読売新聞)
 ここで言う法令というのが法令違反全般のことを指すのではないかというふうに思うのですけれども、事業に関する事柄についての法令違反に限るという解釈をされてるということでしょうか。

(知事)
 そこは、要は要綱に照らして、その返還を求めることができるのかというのをしっかり行政として、この論点について整理した上で適切に対応していきたいと考えています。今の時点でそこを整理しているという段階だと聞いています。

(読売新聞)
 分かりました。次に、この条文の中の、先ほども申し上げたのですけれども、「全部もしくは一部を取り消し、または変更することができる」の、「することができる」の道の見解について教えていただきたいです。することができるということなので、道の権利という理解でよろしいでしょうか。

(知事)
 そこはすることができる規定ということで整理しているのだと思いますから、道として、返還を求めるかどうかについては、道が補助要綱を決定してやっているのでしょうから、その求めなければならないとかという規定ではなくて、できる規定になっているのではないかと思います。

(読売新聞)
 あくまでも道の権利であるということになるのですかね。

(知事)
 権利というか内容で。

(読売新聞)
 責務であったりとか努力義務ではなくて、あくまでも、することができるという権利という理解をされているのですね。

(知事)
 できる規定なのではないかと思います。

(読売新聞)
 わかりました。サクセス観光に対する補助金、助成金、交付金というのは、全部で約1400万円ほどあったのかなと思うのですけれども、先ほどもちょっと知事おっしゃっていましたが、宿泊事業者感染防止対策等支援金事業以外の事業も同じようなものであるという考えでよろしいですかね。

(知事)
 それはあれ、なかったんじゃない。あるんだっけ。

(広報広聴課長)
 経済部からお答えします。

(知事)
 観光以外のやつ。

(広報広聴課長)
 中小企業向けの支援がございます。

(経済部次長)
 観光以外の事業としては、コロナの感染防止で休業要請をかけたり、「HOKKAIDO LOVE!割」など、そういう事業に対して、サクセス観光に補助金を支出しております。

(知事)
 要綱というか、そこに同じようなことが書いてあるのですか。

(読売新聞)
 要は、この1400万円の全てが、法令事業者が法令違反をした場合は、道がその決定を取り消しができるのかということ聞いてるのですけれど。

(経済部次長)
 要件は少し異なるかもしれませんが、取り消すことができる規定、返還を命ずる規定は入っております。

(読売新聞)
 入っているということですね。分かりました。ノースサファリの問題が、報道によって公になってから、確か2月の初旬だったと思うので、大体2カ月ぐらい経っているわけです。事業そのものの実施からもだいぶ月日が経っているのですけれども、この道がノースサファリを支援事業の対象として、支援金を交付していたことを、改めて確認した、要は、事業の実施から月日が流れて、その報道によって問題が浮き彫りになり、その後、道の支援金の事業としても交付していたということを確認したということでよろしいですか。要はその、道のほうで支援金の対象としていた、サクセス観光を支援金の対象としていたということを確認したのはいつになりますか。

(知事)
 それはいつなのですか。

(広報広聴課長)
 報道があって以降、いつ頃なのかというご質問でしょうか。

(読売新聞)
 報道の前から確認していたという話だったらそれはそれでいいんですけど。

(知事)
 それはちょっと調べて時間中にお答えできるようにできるのですかね。

(広報広聴課長)
 別途回答をさせていただきます。

(読売新聞)
 われわれのその取材の、ちょっと感触という言い方が正しいか分からないのですけれども、弊社のほうで取材するまで、このことに気付いていなかったのではないかと思ったのですが、それはわかりますか。

(知事)
 まさにそれが、いつ気付いたか、分かったかと同じ話だから、お答えできないのでは。

(広報広聴課長)
 別途お答えさせていただきます。

(読売新聞)
 いずれにせよ、先ほどのあの説明のとおり、1400万円の返金、返還を求める権利が気付いていなかったのではないかというふうに思っているのですけれども、この返還請求については、返還請求を含めた対応を検討するというふうにあの道のほうではご説明いただいていると思うのですけれども、先ほどの冒頭の説明のように、法令に違反した場合は交付の決定を取り消しできるっていうふうに、法令全般のところを取り消しの事項にできるのであれば、サクセス観光というのは道の支援金を出している事業とかは関係なく、法令違反をたくさんしている事業者であって、ドームテントであったりとか、道が支援していた事業が違法であるか、違法でないかに関わらず違法をしている事業者なので、交付決定できる事業者というような解釈ができるのではないかなというふうに思うのですけれども。で、なのですけれども、今のところまだ、返還請求を含めた対応を検討するというふうに留めていて、要は返還請求を一つの選択肢にして対応検討するというふうなことを言っているのですけれども、そうではなくて、法令違反をしている事業者に対して、道として毅然として対応、毅然とした対応をするというところで返還請求を前提とした対応を検討するという、踏み込んだ発言が必要なのではないかと思うのですけれども、知事としてのお考えをお伺いしたいです。

(知事)
 それは毅然とした対応が必要なのだと思いますが、一方で、それは一定の要綱に基づいて、この返還していただく内容が、論点を整理した上で、しっかり構成した上で、考えていかなきゃいけないわけですから、そこは顧問弁護士も含めてしっかり整理をした中で、可否も含めて対応していくということになります。これは他の事例でも、これは同様のことです。それはやはり、返還を求めるにあっても、しっかりとした論点整理をしなければ、逆に言えばその返還を求める、そのことに対してわれわれも、逆に言えばそれは不当ではないかということで、主張されることにもなるわけですので、そこは法的に整理をした上で、対応するということです。まだその要否が決まっていないので、ここで申し上げることはできないということです。

(読売新聞)
 分かりました。ありがとうございます。続いて、その先日の記者会見で出たドームテントの認識についてお伺いします。先日の会見で、担当者の方の説明では、この当該の支援金を使って整備したドームテントについて、違法建築ではなくて、テント自体をちょっと言葉が適切かどうかわからないですけれども、グランピングするためのテントを設備として整備する、設備として設置するということで、建築許可を取るものではございませんので、違法建築という言い方は適切ではないのかなという認識ですというお話だったと思います。で、担当部局はその後の取材に、札幌市への確認が不十分だったというような説明を繰り返しているのですけれども、ちょっとあらためて確認したいのですが、支援金が使われて整備されたノースサファリのドームテントは、建築物であるという認識ですか。

(知事)
 これは、ちょっと丁寧に今ご質問いただいたので、聞いている方、分かる方もいらっしゃると思うのですけれども、この4月9日に札幌市において、この園内のテントについては、違法建築として除却勧告をしている、この見解が示されました。これは4月9日の市長の会見ですね。それを示されましたので、今後、違法建築物であることを前提として道としての対応、これは先ほどご質問のあった、そのもの、補助金の返還なども含めての対応ですけれども、検討していくということです。今、ご質問があったのは、その4月3日の知事の定例記者会見の中での発言です。担当局長からこの建築許可を取るものでございませんということで、もう少し丁寧な前後のコメントもお話しいただきましたけれども、発言をしました。発言をしたところであるのですけれども、これはテントの設置は許可を要するものと要しない場合があるということで、この点で説明が不足していたということであります。この点については、今、ご質問を丁寧にいただきましたけれども、私からも補足をさせていただきたいと思います。そして、後ほど、この会見録でも、この補足説明について加えることにしたいと考えているところでございまして、この具体的な内容などについては、記者クラブとの共催なので、記者クラブと協議して検討していきたいと報告を受けています。

(読売新聞)
 その追加の説明というところというのは、従前の担当部局の説明だと、札幌市長の会見によって、違法建築物であるという見解が示されましたというのを、補足するにとどめるという説明だったのですけれども、会見録の補足説明として加え、書き加えるというような説明だったのですけれども、今の知事の発言を踏まえると、もう少し踏み込んだ内容になるという理解でよろしいですか。

(知事)
 そこは今ご質問いただいてますけれども、そういったことも踏まえて、記者クラブとの共催で記者会見をやらせていただいてますから、そういうことも踏まえて、どういう内容にするかについては、協議して検討したいということで広報から報告がありました。

(読売新聞)
 あれですかね、担当局であったりとか広報課から知事のほうにもいろいろなご相談がいかれているということですかね。

(知事)
 いろいろご説明をさせていただいている中で、いただいたご意見やいろいろなお話は聞いています。
 まず、今質問にありましたけれども、建築許可を取るものではございませんという発言については、これはやはり説明が不足していた、やはり建設の許可を要するものもあれば、要しない場合もあるわけですから、そこは、まずはこの記者会見という場が、これ今、記録に残っていますので、そこについては補足させていただきたいということです。その上で、会見録のこの取り扱いについては、長年ずっと記者クラブと共催して、やってきていますので、今いろいろなご説明もいただきました。なので、そこは協議させていただいた上で、検討していきたいということで報告をいただいております。

(読売新聞)
 ごめんなさい。今の説明を踏まえると、あくまでも説明を誤ったというところは、認識としてはなくて、あくまでも不十分であったという理解でよろしいですか。

(知事)
 そうですね。説明が不足していたという認識であります。

(読売新聞)
 先ほどの知事のほうでは、建築許可を取るものではございませんのでという部分に限定されていましたけれども、先ほど私のほうでも、担当局長の説明としてはまず冒頭から、違法建築ではないというような話をされていて、その後、違法建築という言い方は適切ではないのかなという認識です、というところまでおっしゃっています。
 こういうようなことをおっしゃっていて、いずれもその札幌市への確認が不十分であったかどうかは、あまり関係ないかなというふうに思っていて、認識が十分であったにせよ不十分にあったにせよ、あの違法建築ではないという誤った発言をしていると思うのですけれども、そういった認識はございませんか。

(知事)
 これは違法建築ということで申し上げるならば、会見の前の4月2日に、札幌市の観光部局に対して、確認を行ったと報告を受けています。
 その際は、詳細については、不承知ということで、札幌市のほうからお話を確認したということです。ですので、この3日の会見時に、道の支援対象物が札幌市の除却対象に含まれているということは、言い切れる状況ではなかったということで、聞いています。
 すなわち、直ちに違法建築に当たらないということ。そして、その判断は札幌市で行うことであるため、こうした発言になったということで、報告を受けております。

(読売新聞)
 ごめんなさい。今の話を総合すると、誤った事実について説明したとしても、その認識が不十分であれば、その誤った認識の発言というのを撤回したりとかすることは、道としてはしないというふうな捉え方ができるかなと思うのですが。

(知事)
 そんなことはありません。事実関係として誤っていることは、やはりこういう会見の場でもそうですし、または記者会見後に参加された記者クラブの皆さんであったり、説明する、または道民の皆さんがご覧になられていますから、そこは訂正をする。前回の記者会見で申し上げたのは、こういうことでしたということは、これは必要だと思います。
 ただ、先ほど申し上げたように、違法建築ということについては、それは札幌市において判断を行うものでありますので、そういった意味では、この直ちに違法建築ということで、札幌市の確認を2日にして、3日を迎えていますので、その記者会見の時点においては、そういった発言を行ったことに、何か誤りということではないと思っています。
 ただ、先ほど申し上げたような、建築許可を取るものでございませんという発言については、これは要する場合、要しない場合があるわけですから、この点は説明が不足していたということがあります。ですから、この会見の場でも今ご質問いただきましたけれども、補足させていただきたいと思いますし、またその会見録の扱いについては、これは一方的にこちらが決めるというよりは、この会見は共催でやっていますので、記者クラブの方と協議して、検討していくべきということであります。そのようにしたいということで、広報からも報告を受けてます。

(読売新聞)
 説明を聞いても、ちょっとよくわからなかったのですけれども、この局長の違法建築ではない、という発言は訂正されないということですか。

(知事)
 だから、そこはさっき申し上げたところです。違法建築という言い方は適切ではないかなという認識、というところについては、それはどうしてそういった認識になったのですか、ということに関しては、この記者会見が、3日に始まる前の2日に、札幌市に確認した中で、道の部分について、詳細は不承知であるということでありましたので、違法建築物であるという判断は札幌市で行う中で、それが確認ができてないわけであります。また、市としても、正式にそれを発表している状況にもないわけです。ですから、そういう状況の中で、札幌市の除却対象に含まれていたことが確認されていませんので、そういった発言をしているということです。そのこと自体は、何か誤っているということではないと考えております。

(読売新聞)
 その除却対象になっているかどうかであったりとか、要はいわゆるそのドームテントが常設されて、どのような利用をされているかというのを確認していなかったということだと思うのですけれども、確認していないのにもかかわらず、なぜ違法建築ではないという発言になったのでしょうか。

(知事)
 そこは違法建築という言い方が適切ではないのかなという認識、という発言ではなかったのかと考えています。

(読売新聞)
 もう一度お願いします。

(知事)
 違法建築という言い方は適切ではないのかなという認識、という発言だったのではないかと思いますが。議事録上はそういうことになっています。

(読売新聞)
 要は言い方が間違えていたというだけという話ですか。

(知事)
 いや、違法建築だということで、道から申し上げるような状況ではなかったということですね。

(読売新聞)
 なかったにもかかわらず、違法建築ですというふうに、違法建築ではないですと言ったのは、なんでなのでしょうという意味です。

(知事)
 違法建築ではないです、ということではなくて。

(読売新聞)
 ないですではなくて、明らかに、ごめんなさい、たぶん今も会見録にのっていると思いますけど、違法建築ではなくてっていうふうに冒頭局長はおっしゃっていますよね。

(知事)
 そこはだから話の全体の流れの中で、あの文末は適切ではないのかなという認識と言っているのではないかなと思いますけれど。ちょっと私も全部持ってないから。

(経済部観光局誘客担当局長)
 今、知事からもお話ありましたとおり、情報がまだ不足しておるという部分での中での該当発言ということで、確定したものではないということで、発言をさせていただいたものでございます。

(読売新聞)
 ごめんなさい。もうちょっと大きな声で喋ってもらっていいですか。

(経済部観光局誘客担当局長)
 4月2日の時点で、札幌市の観光局の方に対して、これは知事も今お話しされましたけれども、確認を行ったところではございますけれども、詳細は不承知だったということでございまして、3日の会見の時には、また道の支援対象物が、除却対象に含まれていた、ということは確認ができていなかったということでの発言でございました。

(読売新聞)
 ちょっとよく分からなかったのですが、ちょっともう、話が進まないので次に行きますが、この支援金がサクセス観光に支払われたことを知事が把握されたのはいつですか。

(知事)
 それはいつだったかな、報告を受けた日だけど。

(経済部次長)
 知事に報告を上げたのは3月28日でございます。

(読売新聞)
 その時にはどのような説明があったのか教えていただけますか。その違法なものに使われたかどうかの確認というのはそのときはされていなかったですか。

(知事)
 どういう説明でしたっけ。

(経済部次長)
 ノースサファリサッポロに対する道が出した事業中9事業で、総支給額は1400万という形でございまして、今後、補助要綱等を精査した上で、対応の要否を検討するというような趣旨で、知事に報告をあげたところでございます。

(読売新聞)
 その時に違法なものに使われていたかどうかというのの確認を、知事はされなかったということですか。

(知事)
 違法なことに使われている確認。いや、だから適切かどうかについては、確認するように当然言っていると思います。だから今確認しているのではないでしょうか。返還についても、今、顧問弁護士も含めて、論点整理をしているということです。

(広報広聴課長)
 そろそろ、もうあと、何問かで。

(読売新聞)
 先日の会見で、弊社記者のほうでは、ドームテントが違法建築であるという認識を発言させていただいていて、担当部局のほうからは、先ほど来ご説明いただいて、そうではないという発言になっているのだと思います。そのことを受けて、知事のほうで違法建築だということで、その断言できるかどうかちょっと一旦お話いただいたほうがいいのではないですか、というような発言いただいてると思います。これ見方によるのかな、と思うのですけれど、弊社の記者と担当部局のほうで、認識が異なっているので、それをたしなめているようにも見えるのですけれども、その違法建築なのかどうか、ではなくて違法建築と断言できるのか、どうかというような聞き方になったのは、知事のほうで読売新聞が間違えていて、違法建築とは断言できないはずだという認識があったのではないかと思えてしまうのですが、その辺はいかがですか。

(知事)
 私はこの記者会見という場で違法だとか、合法だとかということを、例えば特定の個人や団体、法人に対して、知事として、またはその記者の方ももちろん、そうだと思うのですけども、誰々が違法だとか、何々会社が違法ですとかということを、言うということは、極めて抑制的でなければならないというふうに、私は個人的にも考えています。
 その上で、この公的な場面で記者会見という場で、それぞれの説明に違いがあったので、そこはしっかり話をしていただいて、整理する必要があるのではないかということで申し上げました。

(読売新聞)
 この時に、要はその知事のほうで、このときドームテントが違法建築であるかどうかというのは、特にこうなんじゃないかという、違法建築なんじゃないか、違法建築ではないんじゃないかという、どっちかの認識になっていたというわけではないということですか。

(知事)
 そうですね。そこはさまざまな不適切な、そういった状況などはあってということは報道等でも把握はしていますけれども、私が知事として何々会社が違法だとか、違法建築だとかと言うということは極めて重いことですから、まさにそれは札幌市において判断すべき事項について、権限が及ばない知事として、そこを判断するということ、また発言するということは抑制的制限、慎重であるべきというふうには思います。
 ただ、取材活動の中でいろいろなマスコミ各社の方々が、取材を積み重ねる中で、例えば違法性が高いとか、その懸念があるとか、疑いがあるとか、そういったことというのはよくあると思います。
 その中で、この記者会見のやり取りの中で、違いがあるわけですから、だからそこはこういったあの記者会見の場で言うのももちろん、今それをまさにやっているわけですけれど、しっかり考え方の違いがあるのだから、お互い話したほうがいいのではないかということを申し上げました。

(広報広聴課長)
 すみません。そろそろ時間も迫ってきているので、ここでよろしいですか。

(読売新聞)
 あと2問ほどあるのですが、いかがですか。

(知事)
 どうぞ、いいですよ。

(読売新聞)
 会見で、知事は続けて、「事務方はテントの設置は建築基準法に基づくものではないと言っているし、読売新聞さんは違法建築だとおっしゃっている。だから違法建築だというのをこれを社を挙げて、今言っている。」っていうふうにおっしゃっていると思います。
 これは私の個人的な見解ですけれど、会見というのは各記者がそれぞれの問題意識の下、社を代表して、あくまでも社を代表して、質問等をしていく場という認識だったのですけれど、知事は社を代表してと、社を挙げてというのは同じ意味だと思いますか。

(知事)
 そうですね。私の発言した意図というのは、そういう今ご質問いただいたような趣旨です。それぞれの新聞社を代表されて、こちらに来られて、さまざまな取材活動などを通して、疑問に思った点、また事実確認も含めて、確認をされるという趣旨で申し上げました。
 これ、われわれの質問に対するお話、読売新聞の記者の方が、取材活動などを通して、これあの会社として、これは重要なことだから確認すべきだということで、聞いてきているわけですから、だからそこはちゃんと考えに違いがあるのだったら、そこは3日の時点で私は、そういう意味では大変申し訳ないですけれども、その内容の実務的な事務的な詳細というところは、実務担当者以上に知り得るような状況ではない中で、ここに立っていましたので、そこでお互いの言い方がそうやって違う見解になっていますから。だからそこはちゃんと、社を代表してお話ししている記者の方を尊重する意味でも、しっかりそこはお話ししたほうがいいのではないですかと。違法だ、合法だというところというのは、結構やはり、それは個人だったり、団体企業にとっても、こういったパブリックの記者会見の場で、決定するというか決めるというか、そういうことっていうのは、私は結構慎重であるべきかな、というふうに思っています。私個人としてですよ。
 ただやはり、取材活動の中で、明らかに違法ではないかというふうに疑いを持っている、疑念がある、またそうではないかということであれば、それは取材活動の中でいろいろあると思います。ただやはり、そういう私の知事の立場で発言させていただくということであれば、そこは発言の重みがあると私は思っていますので、そこは慎重にお話をさせていただきたいとこれからも思います。

(読売新聞)
 その会見に対する知事の姿勢はわかったのですけれども、ごめんなさい。私が聞きたかったのが、その社を挙げてというのは、その読売新聞が総力を挙げてそういうような主張をしているという意味に解釈できると思うのですけれど、そういう意味ではなくて、あくまでも読売新聞を代表した記者が、そういうふうなことを言っているという意味でいいですか。

(知事)
 そうですよ。だってそれは皆さん、各社、あの新聞社の方、代表されて、道政記者クラブに配属されて、何々新聞の何々ですと、質問の前には言ってお話ししているわけですから、そういう私は、認識です。

(読売新聞)
 この社を挙げて今言っているというのを、社を挙げての部分は訂正されるということでよろしいですか。

(知事)
 いや、私はだから今言ったような。

(読売新聞)
 社を挙げての意味は、社を挙げてっていうのは、先ほど申し上げましたとおり、総力を挙げてという意味になると思うのですけれども、総力を挙げてという意味と、社を代表してというのは、意味が少し異なると思うのですけれど、同じ意味だというふうに捉えているということですか。

(知事)
 全く同じ意味かどうかわかりませんが、私も記者会見でいろいろな、それは言葉遣いや言い回し、またそれは私の至らなさもあって、その日本語として、もっとこっちのほうが適切なのではないかとか、それはいろいろご指摘いただくこともあれば、私として至らない点もあるかもしれませんが、それら全てを訂正したり、訂正を行ったりはしていません。
 今ここで申し上げて、あのカメラの前で、ライブ放送も含めて、説明させていただいている中で、それを補わさせていただきたいと思います。

(読売新聞)
 分かりました。あくまでも、その総力を挙げてというのと、社を代表してというのは、そこまで区別されないということなのであれば、先日の会見における担当部局の発言は札幌市の確認が不十分できちんと確認していなかった。要は、事実に基づかない発言を道庁として、総力を挙げておっしゃっているということになると思うのですが、それはいかがですか。

(知事)
 そこは、そういうお考えもあるのでしょうが、先ほど申し上げてるとおり、発言の経過というのは、先ほど説明させていただいたことに、われわれとしては変わりありません。そこはなかなか折り合わないところなのかもしれませんけれども、そこは考え方の違いもあるのだと思いますが、そういう趣旨で発言させていただいた、ということを確認報告も受けています。
 ただ議事録の補足については、これは記者クラブとの信頼関係の下で、これは記者会見というのは共同で開催させていただいていますので、そこは皆さんとご相談協議しながら、どういう形がいいのかということは協議すると報告を受けています。

(読売新聞)
 知事の前回の会見の発言で、私は非常に不利益を被ってまして、というのは、結局ドームテントは建築物だったわけじゃないですか。まずそれいいですよね。
 札幌市は、昨年の段階でサクセス観光に勧告書というこれ、これなのですけれど、これを出してまして、ここにドームテントの写真も3棟分ありまして、これは違法建築物なので、除却してくださいという勧告を、昨年の段階で出しているのですね。この勧告書は、おそらく多くの社が、開示請求でずいぶん前にもう入手しているものなのです。その取材結果に基づいて、私は4月2日に観光の部署に取材に行って、その際にもこのドームテントは違法建築ですよと説明したんですね。その担当の方に。ただ担当の方は、カウンターパートである札幌市の観光の部署に問い合わせたがために、当然その部署ではわからないじゃないですか。やっぱりテレビで、テレビというか報道でよく出てきている札幌市の開発指導課というところに確認して、違法建築かどうか、それ、電話すればもうたぶん2秒で分かったと思うのですよ。だって、勧告書をみんな手元にあるので。なので、そういう確認をしないまま、あの場で、私は違法建築という認識です、と申し述べているのにもかかわらず、それを否定されましたし、その否定に知事も半ば乗っかって、あたかも読売新聞が嘘に基づくというか、事実誤認をして、質問しているかのような印象を与える発言をされていて、私のもとには、道庁の幹部からも市役所の幹部からも、「鍛冶君、今回は直道に負けちゃったね」みたいな連絡がいっぱい来てるんです。

(知事)
 そうなんですか。

(読売新聞)
 はい。それはやはり記者としての信用も下がってしまいましたし、読売新聞の今までのノースサファリの取材をしてきた中で、そういうふうに違法建築じゃないものを違法建築だって、会見で言ったみたいになって、非常に名誉が傷ついたので、会議録の訂正と、できれば謝罪もしてほしいと思うのですけれども、ちょっと検討してもらえないでしょうか。

(知事)
 これ質問いいですか、これで最後で。まだ何問かありますか。ちょっと私も予定もあって、大変申し訳ないのですけれど。私に確認すべきことと、事務レベルで確認するべきこともあると思うので、そこは、ちょっと何時間でもやりたいところはあるのですが、そこはちょっと私もほかの公務もあるので、ご容赦ご理解いただければなと思います。
 今、鍛冶さんからも説明もありましたけれども、3日には、今ご指摘のあった都市計画法所管の課にも聞いているのです。会見が終わった後、観光のセクションと両方聞いて、その3日の会見後の時点でも、違法建築物の確認は取れていないのです。それも多分、ご説明させていただいていると思います。だから、そういった意味では、あの時点でも、3日の記者会見の時点で、同じような環境に戻って、どうなんですかと言われても、それは違法建築物ということで、私たちのほうで説明するという状況にはなり得ないと思います。
 ただ、9日の時点で、市長のほうからそういったお話が、ご質問を受ける形でありました。なので、それ以降は、当然その市の判断を踏まえた中で道としても、それを前提に、対応していくということです。いろいろ電話連絡が来てということで、取材活動をしている中で、それは非常に傷ついたということであります。これからも、そういったできるだけお互い、これは記者も、私もここに同席している職員もそうですけれども、考え方の違いだとか、捉え方の違い、いろいろなこと人間だからお互いあると思うのですけれど、やはりこの記者会見自体は、記者クラブの皆さんとわれわれが共催でやっているので、これからもそういった疑問というかお互いの考え方に違いがある中で、これはどういう整理をするんだということは、私ももちろんですし、ここで発言する、補足発言するみんなでも、さらに気を付けながら、そこはしっかり対応していかなければいけないと思います。
 この会見だけでも、まだまだいろいろ聞きたいことなど、お話があるということですから、ちょっと私は申し訳ないのですが、もう5時を過ぎていますから、記者会見ではあれですけど、後にお話いただいた内容も、私も当然共有していきたいと思っておりますので、ぜひお気づきの点、またここはどうなんだということは、引き続き教えていただければと思います。

(読売新聞)
 もう1個だけ。ドームテントのほかに、10項目あったのってご覧になられましたか。

(知事)
 別紙で配ったリストですよね。それは見ました。マスコミに提供しますということで。

(読売新聞)
 つまり、ドームテントが違法建築か否か、みたいな話ではなく、結局のところ、今回の補助金は違法建築に使われていたわけじゃないですか。にもかかわらず、その何かドームテントは建築物ではないみたいな、論を持ち出して、前回の会見では言っていたわけですけれど、そもそもコテージ施設とか小屋施設とかに支給されているわけなので、建築物に交付されたことは明らかだったわけですし、あの場所は建物を建ててはいけない場所なので、どんな建物を建てても駄目なわけですから、やはりそういう意味では、知事への報告、明らかに担当部局が不足していましたし、われわれはそれをちゃんとずっと前から指摘していて、昨日も今日もレクで指摘していたのですけど、おそらく知事に、なんていうか真相みたいなものがちゃんと伝わっていないと思うので、ぜひこの問題についてはわれわれの視点もよく聞いてもらいたいですし、申し訳ないですけれど、われわれ広報広聴課長にいろいろ言っていますので、それをちょっと聴取してもらって、しっかり担当部門に指示を出してもらわないと、われわれの意見というか、考えていることが知事に伝わっていなくて、結果としてはっきり言って、担当部署の言い訳を知事が代弁しているような状況に今なっていますので、なんかもうちょっと収拾がつかなくなっているので、本件は、ちょっと私は知事も正直職員にだまされたのかなと思っていますので、申し訳ないですけど、ちょっとあのガバナンスが効いていないと思いますから、よくわれわれの意図を汲んでいただいて、指示してもらえますでしょうか。

(知事)
 いろいろなお話が含まれていると思っています。お話をする中で一定程度、それぞれの発言の背景が分かったので、その違法建築物だということについては、これは道の知事の立場で、3日の時点で話ができなかったということについては、多分一定程度、そういう背景があったのだなということは、理解するかどうかは別として、事実としては、お伝えさせていただきました。局長がお話しした部分についての説明に不足があったのは事実です。だから、それはこの会見の中でも私のほうからも追加でお話しさせていただきました。皆さんが取材活動の中で得られた、また窓口に来ていただいて、いろいろ問い合わせいただいた要旨みたいな部分は報告を受けていますけれども、なかなか全ての詳細ということを私に報告ができていたかについては、そこはもしかしたら、足らぬ点があったのかもしれません。
 今後、これは今回の件だけではない話ですから、いろいろな形で記者の方からご質問いただく、また記事の中でもご指摘いただいて、より良い道政にしていくということは、私としてもこれは、目的は、その方向性は同じですから、何かそういった点で、何か改善する点があったら、そこはしっかり受け止めた上で行っていきたいと思っています。ただ、違法建築ということ自体は、3日の時点で、これはなかなか申し上げる状況にはなかったということは、理解いただきたいと思います。

(毎日新聞)
 先週も出ているので、同じ質問繰り返しですけれども、3日時点では違法建築物と言えなかったわけですけれど、今時点では違法建築物ということは、どうしても知事としても言えるわけで、違法建築物に道が支出した補助金が使われたことについて今、知事はどう感じますか。税金が使われたことについて、知事の所見を。

(知事)
 当初においては、申請要件を満たしていたのは事実です。

(毎日新聞)
 使われてしまったということについて、今振り返ってどう思われますか。

(知事)
 そこはしっかり法的にも整理して、今後の対応については検討します。その際に、そこを総括して話したいと思います。

 

この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)

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