知事定例記者会見
- 日時/令和7年6月13日(金)14:32~15:29
- 場所/記者会見室
- 記者数/23名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 赤れんが庁舎のリニューアルの準備状況について
記者からの質問
- 泊発電所について(1)
- 泊発電所について(2)
- 倶知安町の開発・森林法違反について(1)
- 倶知安町の開発・森林法違反について(2)
- 泊発電所について(3)
- 泊発電所について(4)
- 宿泊税について(1)
- 宿泊税について(2)
- 米政策について(1)
- GX金融・資産運用特区について
- 米政策について(2)
- 米政策について(3)
- 米政策について(4)
知事からの話題
赤れんが庁舎のリニューアルの準備状況について
私から一点、お話しさせていただきます。
赤れんが庁舎でありますけれども、7月25日のリニューアルオープンに向けて、本庁舎前庭の通路にウッドチップを整備いたしました。こういったことなど、外構も含めた環境整備が急ピッチで進められているところであります。本日は、北海道の食の魅力を発信するレストラン、カフェ、地域の特産品を取り扱うショップについて、コンセプトなどが決定したので、ご紹介させていただきます。
まず、レストランでありますけれども「HOUSE.H」であります。「歴史やおもてなし」をコンセプトとして、お一人の利用から、パーティーなどさまざまな用途に対応できる空間で、道産食材の魅力を引き出したメニューを提供するということであります。これがまず一点で、二点目がカフェであります。カフェは「白い恋人 Akarenga sweets labo」であります。「北海道の食を通じて楽しさや幸せをお届けする」をコンセプトに、スイーツなどを提供するということであります。このほか、北海道各地の特産品・名産品、赤れんが庁舎限定のオリジナル商品など、こちらは「赤れんがショップ」で販売されます。このリニューアルを機に、多くの皆さんに楽しんでいただき、くつろいでいただき、そういう新しい空間が生まれることとなりますので、ぜひ皆さま楽しみにしていただきたいと思います。
記者からの質問
(北海道新聞)
北海道電力による泊原発の核燃料を輸送するための新しい港、新港の計画について伺います。知事、昨日、北電の藤井会長と会われて、概要について説明を受けられたと思いますが、率直に感じられたことと、知事としてどういった点を問題意識として持っていらっしゃるのか、今後、北電に求めていくことなどを教えてください。
(知事)
この点は、これまでも重ねて申し上げてきたわけでありますけれども、昨年の8月に、北電が発電所の安全性を高めるために、燃料等輸送船を専用港に入港させない方針に変更した。このことを受けて、道民の皆さまの安全・安心を図る観点から、講じる安全対策について、原子力規制委員会はもとより、関係機関、地元をはじめとする道民の皆さまに対して説明を尽くすように求めてまいりました。そのことを受けて、北電では事業者の責務を果たすべく検討を進めて、このたび、事業所外運搬の概要と原子力規制庁や泊村などへの説明状況、地元の住民の皆さんへの説明会の開催などについての報告がありました。
規制庁や泊村からお話があったということなのですけれども、私のほうからは、安全性の確保と、住民の皆さまに対する丁寧な説明については、しっかりと対応いただきたいということで、私からも求めますとお話をさせていただいて、地元の方はもちろんなのですが、やはりこの泊発電所の事項については、地元のみならず道民の皆さまの関心事項なので、道民の皆さまに対して、分かりやすく、丁寧に説明してほしいと求めました。ぜひ、こういったことに対して、藤井会長もしっかりやっていくのだと、しっかり対応していくのだとあの場でお話をしていましたので、そこを注視していきたいと思いますし、しっかり今後、対応いただきたいと思っています。
(北海道新聞)
現時点で藤井会長の説明について納得されたのかどうか、その安全性というところについてどう思われたのか、重ねて伺います。
(知事)
一定の説明があったと思っていますが、今後、規制庁、そして泊村、さらには道民の皆さまに対して説明をすると。特に地元には、もう早くやったほうがいいと思っていますので、6月ということでお話ししていましたので、ぜひそこは速やかにやっていただきたいと思います。
毎回そうなのですけれども、結構、報道が先行する形になっていますし、今、地元の方が説明を聞いていないという状況にもなっていますので、そこはやはり、信頼関係の上でもしっかり、速やかに説明していただくということを、まずは果たしていただきたいと思います。
(北海道新聞)
最後もう一点、この新港の計画というのは、原子力規制委員会の審査の対象外となっています。まもなく、泊原発3号機の正式合格となれば、国は知事含めて地元同意というものの判断を求めてくることになります。この再稼働の是非を判断する上で、知事の中でこの新港の計画というのは、論点の一つとなり得るのかどうか伺います。
(知事)
そこはしっかり説明を求めましたから、しっかり果たしていただけるのかどうかが大事だと思います。
(北海道新聞)
ということは、論点になるという理解でよろしいのでしょうか。
(知事)
少なくとも、今状況が変わって、その中で北電についても、当初、いろいろな社内の考えもおありだったとは思いますが、規制庁への説明とか、そういった必要性について認識しながら対応しているという現実がありますので、そこについて、しっかりその役割を果たしていただくことが強く求められていると思っています。
(NHK)
今の質問に関連しますが、昨日、藤井会長などからありました説明の中では、具体的な建設予定地の場所は示されましたけれども、例えば建設着工時期ですとか、事業費ですとか、その辺の具体的な中身というものが依然としてはっきりとしていません。今後、当然再稼働していくに当たって、切っても切り離せないところではあると思いますけれども、知事の今のお考えとしては、現時点で、とりあえず場所が確定した段階で一定の評価をしているということなのか、せめてもう少し、例えば、いつぐらいから着工するのかとか、事業費がどのぐらいかかるのかとか、その辺のもうちょっと詳細も含めて北電側に求めていきたいのかお聞かせください。
(知事)
そこは当然、地元に説明する中で、今の時点での説明と、今後どうなっていくのですかということも併せて皆さん関心がおありだと思いますから、そこはしっかり関係する方々に説明していくことは、北電が求められていくと思っています。
この泊発電所の規制委員会における審査については、最終段階に入ったと受け止めておりますけれども、審査継続という状況でありますから、この件については予断を持って申し上げる状況には変わりはないと思います。
(NHK)
重ねての質問になって恐縮ですけれども、まさに知事おっしゃっていただいたように、再稼働の設置変更許可については、まさに最終段階ではあると思いますけれども、併せて新港の建設というものも同時進行的に今後話が進んでいくと思います。そのあたり、いわゆる再稼働を最終的に同意すべきかどうかという判断を、当然、知事の肩にもかかってくると思いますけれども、その時点での新港の建設の議論というものがどうなるかというのは、その時期に応じて具体的になっている中身で判断しようと思っているのか、少なくともここまでは新港についても情報として出してもらわないと、要は、再稼働が安全にできるかどうかの判断ができないということであれば、そのあたり今の考えをちょっと具体的にお聞かせいただければと思います。
(知事)
まずは、しっかり説明してもらうことが、今求めていることであります。また輸送に当たっては、原子炉等規制法などの関係法令、こういったものに基づいて、原子力規制委員会、国土交通省などの関係機関、それぞれの安全性の確保について確認を行うということでありますので、そのルールの中でしっかり対応いただきたいと思います。
泊発電所の再稼働に関しては、先ほど申し上げたとおりです。
(NHK)
最後もう一点だけ、この件に関してなのですけれど、昨日の(藤井)会長との面会の中でも知事の発言がありましたし、今日の知事会見の中でも発言がありましたけれども、「この原発に関しては道民の皆さまの関心事項」という発言がありました。これに関しては、今後、例えば正式に設置変更許可が出されて、国から地元の同意というプロセスが今後あると思いますけれども、その地元の同意を考えていくに当たって、知事として判断していく上で、意見を聞く必要性も当然出てくると思いますけれども、それについて意見を聞く範囲というものは、今の理屈でいうと、やはり道民全体から意見を聞く必要があるというふうに今考えていらっしゃるという理解でいいのかどうかお聞かせください。
(知事)
その意見の範囲についても、これまでもこの場でご説明申し上げてきましたけれども、本来は、国がその範囲についてしっかりと定めるべきであるということで、これは北海道のみならず、他の地域とともに要請してきているところです。
先ほどから申し上げておりますけれども、最終段階に入ったと受け止めているわけでありますけれども、審査は継続しているという状況です。今後、具体的な内容が示された場合には、道議会でのご議論などを踏まえて、今お話しのあった点なども含めて、適切に対応していきたいと考えています。
(NHK)
もう一点だけ別件で、倶知安町の宅地開発の関係で、先ほどご担当の方々からもレクいただいたのですけれども、知事のところにも(情報が)入っているかと思いますが、ちょっと今回話を聞いて、私の個人的な部分も含めて、業者としては1ヘクタール未満だと、要するに手続きをしなくていいのだという主張をし、道が求めた立ち入り調査についても拒否し、その後、7度にわたる写真の提出などにも応じなかったと。その上で、今年1月に職権で立ち入り調査をしたということで、それ以降、具体的に今回の件が明らかになってきたかと思うのですけれども、今月出してきた事業者の計画というのも実態とは大きく乖離している状況に、話を聞くと私は思いましたけれども、知事は今回の件について悪質性の部分も含めて、どのように今回受け止めていらっしゃるのかお考えをお聞かせください。
(知事)
やはりこれは法令遵守、法治国家ですから、当然、法律を守っていただいた中で、さまざまな活動を行っていただくわけです。今回、適切な手続きがなされていないということでありますし、また度重なる提出要請や、われわれの求めに応じないような状況の中で、現在を迎えているということから、悪質性があると思いますし、また現実として、手続きがなされていないということに対して遺憾に思っているところであります。無秩序に開発が行われないように、この森林の伐採ですとか、土地開発に係るルールがあるわけですので、そこを徹底していくことで、しっかり対応したいと思っています。
(NHK)
併せてなのですけれども、今回、倶知安町で、まさに羊蹄山の麓での開発ということで、これまで、なかなかあのような場所で宅地開発が行われるということが想定されない中で、行われてきた部分もあるかと思います。一方で、今回、必要な法令手続きを行わない中で行われてきたわけですけれども、今後、仮に行政指導にのっとって手続きが行われれば、今回建てられる建物なども基本的には認められるというのが今の法律上の立て付けにはなっていると思います。ただ、今後同じようなケースというものが全国各地で起きうるとも限らない中で、今の法律に関して、手続き上の部分も含めてもうちょっと強く、例えば規制などをしていく必要性もあるのではないかなと、なんとなく感じた部分もありますけれども、その辺、今、お考えがありますでしょうか。
(知事)
まず、今回の事例については、倶知安町における条例制定した計画提出なども行われていない状況です。それは景観を守る観点などから、町においてもさまざまな議論があった中で制定されたルールを遵守していただくことがまず必要だと思いますし、また、法律、条例でそういった開発行為などに対してはルールが制定されていますから、そこをしっかり守っていただかなければ、今回、悪質性があると思いますけれども、事業を行う全ての方にそこはしっかり遵守していただく、これが大原則であり基本だと思っています。その上で、大規模開発に対するさまざまな意見があると、これは自然環境を守る観点や景観、いろいろなところでそういった議論があります。ですから、そういった地域の思いや、さまざまな自然を守っていく観点などから、開発に対して反対の声が出たり、住民説明が十分に行われなかったりということで、トラブルに発展するケースもあります。ですから、この事業を進めようとする会社においては、そういった状況も十二分に理解しながら、丁寧な説明など対応していくことが、法律で定められた以上に求められる時代になってきているところがあると思います。
ただ一方で、なんでもかんでも法規制で自由な経済活動を制限するということ自体が果たしていいのか、というところについても併せて議論すべきことなのだろうとも思いますので、いずれにしても地域の皆さんの理解も得ながら、さまざまな開発行為などが行われることが、地域にとっての理解を得る上で、丁寧な説明も含め、求められていることではないかと思います。
(HTB)
今の倶知安町の開発行為について、いくつか質問させていただきます。今、その建築基準法に関して言うと、報告を受けて、一度駄目といったものをゴーサインを出している道の状況だと思うのですけれども、そもそも無許可で建築されているものを追認しているということが、問題ないのかなというところをまず一点伺いたいです。
(知事)
ちょっと趣旨が分からないのですが、どういうことでしょうか。
(HTB)
そもそも無許可での建築というのが、その建築確認申請というものを出さずに無許可で建築していることが違法だと思うのですけれども、ただそれをしていない救済措置として、知事の権限で、報告、今のその状況、建築の状況の報告を受けた上で、審査をして、知事の権限でそれが適法だという状態に1棟に関して今、なっていると思うのですけれども、そもそも無許可というものが違法とされている中で、それを後から追認するというところに問題はなかったのかとか、その審査について適正だったのかというところをお聞きしたいのです。
(知事)
そこはそもそも、当初申請手続きが出ていないところで、一度止めているのではないのですか。
(建設部住宅局長)
建物につきましては、建築確認申請がなされていませんでしたので、手続き違反がございました。これにつきまして、なされていないということがありますので、工事を一旦停止してございます。その後、建物が安全かどうかを確認するために、建築確認申請と同等の、資料の提出を求めまして、それが提出されました。それに基づいて確認したところ、1棟目については、まず、構造などについては安全だろうと確認されて、一旦、1棟目の工事を再開してございます。ただその後、都市計画法の開発許可面積に疑義が生じましたので、1棟目と2棟目も含めて工事を今現在停止しているところでございます。建築基準法の手続きといたしまして、手続き違反があった場合には、そのまま放置せずに、それが適法であるかどうかをあらためて行政の指導を行いまして、問題なければ、こちらのほうの指導に従っていただければ、工事を進めて再開するという手続きを進めてございます。
(HTB)
先ほどのNHKさんの質問にも関わるのですけれども、今ご説明いただいた法律の立て付け上はそうなっているということだと思うのですが、許可権限は一応知事にあるという認識でいまして、無許可で一度建てられたものを追認している1棟に関して、追認している状況というのは法律の立て付け上はそうだとは思うのですけれども、知事としてはこれ以上、例えば強い対応に踏み込むだとか、そういったことを含めて、可能性はどうでしょう。ご見解をお願いします。
(知事)
さまざま行政権限が法によって定められている範囲については、これは感情論とかそういったことも当然あることはあると思うのですが、そこは権限行使にあっては基本的に抑制的であるべきですし、法律を超えてその指導権限、また工事の停止とかを、その法律の権限を超えて、知事がその事例ごとに判断することは、なかなかそれは現実的な対応ではむしろない。逆に訴えられますからね。ですからそこは、法律の範囲内で対応することになろうかと思います。
(HTB)
法律に関してはそうですね、今おっしゃったようにその逆に違法になってしまう、道側が違法になってしまうというリスクも踏まえた上でですけれども、今はその範囲を超えたり、例えば国にその法改正も含めて何か働きかけをするとか、そういった考えは今の時点ではないということでよろしいですか。
(知事)
先ほど申し上げたように、まず法律、条例等で遵守していただくべき内容について、そもそも守られていないわけですので、そういう状況で事業を進めることはできないということであります。ですから、まずそこをしっかり遵守していただくということが基本になると思います。ただ、法律を改正することも先ほど申し上げたように、要は権限を強化することによって、ある種事業活動を抑制していくことにもつながるわけです。一方で、このルールを守っていただいている方も、大宗なわけです。ですから、そういう状況の中で新たなルール変更していくということについては、さまざまそういったバランスを考えながら対応していくことが大事ではないかと思います。今回の件は、やはり悪質性があるのではないかと思いますが、ここは毅然と対応していく必要があると思っていますし、しっかりそこは対応したいと思っていますが、ただ法の範囲を逸脱して、権限行使することは、これはもう行政の長として、適切なことではないので、そこはしっかり法令を遵守しながらも、適切な指導などを行っていきたいと思います。
(HTB)
それは森林法だとか他の法律に関しても、無許可で伐採がされていて大規模な開発がされているという状況があります。今はその植栽というかその復旧工事計画書を受け取っている状況だと思うのですけれども、これに関しても、条件、今の法律の立て付けを満たしているのであれば許可せざるを得ないということになりますか。
(知事)
許可内容というか、今後、どう工事が、申請手続きが、さらになされた上で進んでいくのかについても、それはこれまでのやり取りもありますから、慎重に確認しながら、対応していきたいと思いますが、ただ、現在その内容を満たした中で進めていくということを禁ずるという内容はないものですから、そこは必要なことを、法に基づいて、適切に求めていくことに尽きると思います。
(HTB)
あと、先ほど地元の理解も大切というお話もありました。周辺住民の方、取材していますと、今回の開発について、災害の危険性であったり、その水質への悪影響ですとか、そういったことを懸念される声が多く聞かれました。そういったことを受けて、道のほうで、例えば環境への影響だとかを積極的に調査していく考えというのは、現在のところありますでしょうか。
(知事)
そこは倶知安町でも度重なる計画提出を求める、先ほど、倶知安町の条例の話がありましたけれども、そういった地域の方々の不安な声、また素晴らしい観光地でもありますので、そういう状況の中で対応いただきたいことを繰り返し求めてきた中、対応されていないということに対する地域の不安が、ある意味では増長されているところも、真摯な対応をしていただけていないことによって、起きているのではないかと思います。まずは今、実態を把握しながら、法に基づく手続きが遵守されていないところなどを確認しながら、仮に環境に大きな影響があるという状況など、新たに確認された場合については、必要な対応を求めていくことになるということです。
(HTB)
私から最後に一点だけ、今回のその大規模開発については、中国の資本、中国の企業が関係している可能性が高いと思われるのですけれども、その点について、現時点で道としてどのような認識を持っているかということと、そういう事実を把握しているのであれば、そのことについての受け止めをお願いします。
(知事)
何と言うのでしょうか、中心におられる方がどういった背景の方なのかというのは、ちょっと承知していないのですけれども、この場で特定のある国の経営者の方だからどうだとか、こうだとか、ということを申し上げるというよりは、その事業の内容について、そもそも法令を遵守していただく必要がありますので、そこはしっかりやっていただくということに尽きるのだと思います。ちょっと質問の趣旨というのがよく分かりませんけれども。
(北海道新聞)
先ほど質問にあった、昨日、北海道電力の藤井会長が来られて、泊村で建設する新港の計画が説明された関係だったのですけれども、昨日、藤井会長が説明された計画、新港とか専用道路の大まかな位置は入っているのですけれども、例えば新港とか専用道路がいつできるのかとか、最終的な場所がどこかというのはまだ決まっていないということでした。知事は以前、この新港とか核燃料輸送を、原発の敷地外でやることによって新たなリスクが発生するというお話も去年の会見でされていましたけれども、今回、昨日提出された時点の計画で、何か住民の安全を確保できるかどうか、ここは、知事自身はどういうふうにお感じになりましたかね。
(知事)
それは先ほど申し上げた、別の社からのご質問と同趣旨だと思うのですけれども、これから、この輸送にあっては、原子炉等規制法などの関係法令に基づいて、原子力規制委員会や国土交通省などの関係機関が、それぞれ安全性の確保について確認を行うということでありますので、当然のことながら、しっかりそこで確認していくということであります。まだ、そういった確認行為が行われている状況にはないということです。
(北海道新聞)
知事自身はどうですか。昨日の説明を見て、どうお感じになったかなって。これで安全は守れるのか、それとも、より説明が必要なのか、このあたりはいかがですか。知事自身の考えというか。
(知事)
まず説明が必要だということを申し上げています。
(北海道新聞)
説明は必要なのですけれど、その計画を見た中で、知事がどう感じたか。いかがですか。
(知事)
私は、原子力規制委員会でもなければ、国土交通省でもないので、それぞれの権限を有する、またはその担当、法律を持つところで、それぞれ確認する手続きがあります。そこを内容も分からないわけですから、その中で確認を行うということが大切だと思います。
(北海道新聞)
ちょっと一点だけ、関係機関の確認です。今回原子力規制委員会の適合性の審査、再稼働の審査から切り離されて、国土交通省とか、地方公安委員会などが安全の確認をするということで、そういう手続きになるということなのですけれども、この安全確認が、かなり新港ができた後に確認するということになるということなのです。なので、国のその機関の安全チェックがない中で、知事として、再稼働への同意をするかどうかの判断というのは、その前、国の安全チェックをする前に、知事がその再稼働の同意の判断はできるのでしょうか。
(知事)
そこは今、予断をもって申し上げる状況にはないと考えています。
(毎日新聞)
関連してなのですけれども、ちょっと重なる部分もあるのですが、新港の建設と陸上の輸送について、さっきも質問があったとおり、国の再稼働の許可の後にまたあらためて安全性とか確認されるという、そもそも建築が始まらないのでということですけれども、新港は。なので、泊原発とまた別で、知事が安全と考えるのかどうかという賛否の表明がまた必要になってくるのかなと思うのですけれども、それを表明する意思というか、お考えはありますか。
(知事)
そもそも、まだ審査は継続中ですから、予断をもって申し上げる状況にはないということです。また先ほど申し上げた、他社と同じような質問になっていますけれども、輸送に当たっては、先ほどから申し上げておりますけれども、原子炉等規制法などの関係法令に基づいて、原子力規制委員会、国土交通省などの関係機関が、ここはそれぞれ安全確保について確認するという状況でありますので、そのように承知しています。
(毎日新聞)
分かりました。審査が継続中で予断をもってということですけれども、泊原発3号機の構内の審査は、原子力規制委の意見というのは、今回にも出るというような話ですけれども、構内の審査が終わったら、その段階で知事のお考えをまた考えると思うのですけれど、新港はもっともっと先になるということですよね。それまでお考えを表明される気持ちはないということになりますか。
(知事)
そもそも審査が継続中なので、予断をもって申し上げる状況にはないということです。
(広報広聴課長)
同じような質問なので、新しいものがなければ次に進ませてください。
(毎日新聞)
もう1問ありまして、その住民の声というところなのですけれども、知事として村長だとか、住民も含めて、知事が不安の声とかあると思うのですけど、そういった自治体の意見を聞くというお考えはありますか。
(知事)
この輸送についてですか。
(毎日新聞)
新港の設置と輸送と。
(知事)
ここはまずは地元の皆さまに対して、昨日のお話ですと6月中にも説明されるということであります。また、私のほうからは、地元のみならず道民の皆さまに対して説明を分かりやすくしていただきたいということを求めました。この輸送等の内容の説明については、北海道電力が主体的に説明責任を果たすべき事項であると思います。
(毎日新聞)
北電が説明を果たすべきと。
(知事)
私が輸送などについて、技術的なことも含めて説明するというのはおかしいと思います。
(毎日新聞)
何か不安に思っている声を、知事が直接ヒアリングするというか、そういう場があってもというのは、その後の知事のお考えを固める上でも、地元がどう考えているのかというのを吸い上げたほうがいいのかな、というふうに思っていたのですけれども、そういう場は。
(知事)
その輸送のみならず、日常的にさまざまな、いろいろな形での声はお伺いしています。私が直接全ての道民の方の声を聞くことがかなわないわけで、道議会でのご議論もそうですし、14の振興局、また、それぞれ担当のセクションもありますので、多くの方々の不安や懸念の声をしっかり日常的に受け止めながら、考えていくことが必要だと思います。
(朝日新聞)
宿泊税のことでお尋ねします。去年の12月に可決された条例ですけれども、このあと始まる議会で、改正案を出すことになりました。内容としては、適用除外という文言をなくして、振り込まれない場合は、道側が請求するというふうな内容に変わるとお聞きしていますけれども、去年の12月にドタバタといいますか、ギリギリになってから、条例案を修正されたという経緯がございましたけれども、当時知事はこれが終わりじゃなくてスタートだみたいなことを、会見でもおっしゃっていましたけれども、どうでしょうか、総務省の同意がなかなか得られない中で、今回、地方財政審議会の指摘を踏まえて、こういう形で改正することになった。まず、このことについての知事の認識をお聞かせください。
(知事)
地方財政審議会において、審議いただくということで、これは北海道だけに限ったことではなくて、そういう流れであります。その中で、国との協議を行った結果、双方の宿泊税条例に関して、所要の改正を行うこととしたものであります。これは、少し分かりにくさがあると思うのですけれども、税の考え方ですとか課税のあり方など、結論に何か変更があるというものではありません。ですので、そういった意味での変更はないのですけれども、これまでの経過としては、この地方財政審議会の意見も参考に協議を重ねてまいりました。町内においても、他地域と同様に、等しく道宿泊税を課税する制度がより分かりやすい制度になることを見出すに至ったことから、北海道と町の合意の実現、これは合意ということで(倶知安町の)文字町長ともやっていますけれども、相互に条例を改正しようということで行うことといたしました。
令和8年4月からの導入開始に向けて、今回、改正案を提案することといたしました。そういった意味では、これによって、国との協議における論点は整理できると考えております。
(朝日新聞)
ということは、両方、倶知安町も道も条例を改正することによって、総務省の同意は得られるものだというふうに、今、知事は想定といいますか、考えておられるということでいいですね。
(知事)
そこは、そういうことを直接的に申し上げることはできませんが、国との協議における論点は整理できるとは考えています。
(北海道新聞)
今の宿泊税の関連で一点教えてください。道はこれまで、税の導入時期を2026年4月としてきました。周知期間を1年確保するために条例の可決を急いだ経緯がありますが、この間、総務省の同意を得るまで半年が経過してしまっています。周知期間が長くても9カ月しか確保できない状況にありますけれども、条例の導入時期について変更するお考えはないのか教えてください。
(知事)
そこは、われわれ地域における説明なども、いろいろ開始させていただいておりまして、先ほどお話をさせていただきましたけれども、今回のポイントとしては、税の考え方ですとか、課税のあり方など結論に変更はないという状況です。これが大きく変わるということになると、当然、影響が大きいという状況なのでありますが、そういった状況ではございません。ですので、令和8年4月からの導入開始に向けて、このたび、この改正案を提出し、取り組みをわれわれとしては進めさせていただきたいと考えています。
(TVh)
ちょっと話題が変わるのですが、昨日イオンのほうで、アメリカ産米が販売開始されました。それについて、まず知事の受け止めをお願いします。
(知事)
そういったコメの話題が、もう連日のようにいろいろな形で報道されているところですけれども、これは(モニターを指して)道内における状況です。報道等で取り上げられている状況などで見ますと、今こういう、それぞれ国のほうが公表している事業者名が、全国の、例えば大手コンビニエンスストアとかだと、全国の話なので、北海道も関係するけれども、一部、例えば14日から、ローソンさんが道内で販売ということですけれども、なかなかその、道内がどうなっているのだというのが分からないと。これは今、農林水産省にもお話ししていますが、これで完璧なデータかどうかというのは、ちょっと条件付きという感じなのですかね。
(農政部生産振興局長)
私ども道のホームページでも、国の公表している一覧のリンクを貼っているのですけれども、その情報が都道府県ごとになっていなくて、どの内容が北海道の店なのかといったところが分からないので、今回整理しているこの表は、あくまでも報道の皆さんから情報入手したものを整理させていただいたものです。
(知事)
調整中というところは、聞いたりしたということなのですかね。そういうことになっています。それで、例えばセコマさんも今、調整中という状況ですけれども、セイコーマートは人口カバー率99パーセントという状況になっていますので、これは6月10日付けで売り渡しが確定していると。現在販売に向けて準備をしているということでありますので、そういった意味では、離島だとか過疎地だとか、なかなか全国(チェーンの)コンビニエンスストアやスーパーなどが進出していない地域などで、購入機会が増える可能性があると思っています。
ちょうど、今日のお昼に小泉(農林水産)大臣ともお話をしまして、セコマをはじめとする道内の備蓄米を申し込みした事業者の皆さんに、この備蓄米をお届けすることになっているのですけれども、結構申し込みが殺到というか、そういう状況の中でかなり遅くなるという状況などがあるとも聞いておりまして、そういうことだと、せっかく皆さん早く準備したのだけれども、お届けができないということがありますので、これは大臣にできるだけ早く、備蓄米を届けていただかないと、大臣がスピード感を持ってと言って、みんなスピード感を持って準備したのだけれど、スピード感を持って(備蓄米が)こないという状況になっていますので、そこは届けていただきたいということでお話しさせていただきました。
今、アメリカ産の販売のお話もありましたけれども、今、道内ではこういった動きがあると。皆さんはどこに行けば買えるのかなというのが、まだなかなか情報が整理されていないので、そこも併せて、できれば農水省で申し込みのデータを持っているので、例えば、北海道ではこういった方々から申し込みをいただいていますとか、そういったところを分かりやすく整理することも必要なのではないかなと思っています。先ほどの部分で言うと、アメリカ産のお米でありまして、そういった選択肢が増えるという、歓迎する声がある一方で、生産現場のほうからは、輸入米の増加によって国産米の需給が崩れるのではないかであったり、中長期的にはお米の生産の減少につながる可能性はないのかなどといった懸念の声も寄せられているところでありまして、今、国のほうでも中長期的な農業政策、米政策について考えていくことになっているのですけれども、やはりそこら辺を早めにお示しいただけると、今の緊急フェーズと中長期的なフェーズがみんなに共有できるので、早くやっていただく必要があるのかなと思っています。
(TVh)
私もですね、実は昨日取材に直接行きまして、購入者の声とかも聞いてきたのですが、やはり米は安いほうが嬉しいと。物価も高騰していますし、特にたくさん食べるご家庭だとかはかなり消費するので、安いほうが嬉しいというお話がありました。安い米が、今、備蓄米だったり、海外の米だったりが入ってくる状態になりそうだと。今後、中長期的な目で見た時に、またその北海道米とかを食べられるような環境に戻ってほしいなというのもあるのですが、実際その米の価格が下がるのか、また、肥料の高騰とかもあると思いますし、そもそもその農家さんへの入ってくるお金が少ないだとか、そういうところもあると思うので、消費者に届くお米の価格が、知事的にはどのように推移していたらいいのかなというお考えでしょうか。
(知事)
やはり、急激な高騰も、急激な下落も影響が双方に大きいところはあると思うのです。
ただ、今、緊急的に、そういった備蓄米という方法で、安価な形で、皆さんの主食であるお米を届ける、その必要性も理解はしますけれども、全体の価格トレンドについては、短期的には一定程度、今、全体の市場が急激に価格高騰しているので、抑制をしなければいけないのは一定の理解をしつつも、ただ、中長期的な部分で見ると、急激に価格が上がったり下がったりということは、双方にとって望ましくないのだと思いますので。その双方というのはやはり生産者、そして消費者、今は3千円台と国は言っていますけれども、そういった消費者と生産者が双方で納得できる価格形成をしっかり模索しながら、国の米政策を、中長期的にしっかり議論していくことを多くの方が望んでいるのではないかと思います。
今は非常に高騰している中で、そういった喜びの声もあると思いますけれども、先ほど申し上げたように、それと一方で、不安の声も消費者の方も、お話しされていますので、そこにしっかり寄り添いながら対応していくことが求められると思います。
(建設新聞)
話題変わるのですけれども、この6月で金融資産運用特区の指定から1年が経過しました。道の新しい取り組みとして、4月からGX推進税制ですとか、条例改正による税制度の拡充が始まって、民間企業でも再エネ関係の事業が動いていたり、新しく発表されたりしていますが、この1年間の特区指定の成果や、逆に今後、こういうことが必要なのではないかというような課題を、どのように考えているのか教えてください。
(知事)
特区がスタートしてということでありますけれども、今お話のあったこのGX税制は全国トップレベルの法人住民税などの税制措置、GX企業が進出するに当たっての立地補助金の拡充、さらには特区を活用した規制緩和。ですから、税制と補助と規制緩和の三つの柱でもって、政策推進ができるようになった。これは大きいことだと思います。今までは、そういった三つの柱の下進めることは、特区認定をされていなかったので、特にこの税制と規制緩和のところについては、新規でやっていますので、そこは大きいと思っています。さらに、これはいつでも規制緩和が提案できるという環境にもなっていますので、新たに再エネ電力を複数の工場で柔軟に融通するシステムの運用などの2件について、提案をさせていただきました。この国家戦略特区の枠組みを積極的に活用して、さらに取り組みを進めていきたいと思っています。今、お話もありましたけれども、風力発電といった再エネの供給拠点、またデータセンターの立地、水素、CCSの実証試験、さまざまな再エネ利活用拠点の動きも、具体化してきているところが、やはり成果としては出てきているのではないかと思います。今後は、昨年度末に用意しました支援策などについて、やはり道民の皆さま、そして国内外の事業者の方々にも知っていただかないと、なかなかそれを活用するということになりませんので、多くの方に知っていただいて、1件でも多く道内でプロジェクトを呼び込むことができるように進めることが重要であると思いますので、一層の情報発信に力も注いでいきたいと思っています。自然環境、景観といった地域との共生を前提に、再エネの供給と利活用の両輪の取り組みを加速して、北海道全域でのGX産業の振興を図っていくために、こういった制度も活用しながら、進めていきたいと考えています。
(北海道新聞)
先ほど出たコメの質問に関してだったのですけれども、小泉大臣に随意契約の備蓄米が早く来るようにということで要望されたということで、これはどういう場で、どういう形で要望した、お話しされたという形なのですか。
(知事)
事務的に農林水産省のプロジェクトチームと、意見交換はさまざまやっておるのですけれども、事業者の状況など説明をお聞きした際に、準備はできたのだけれども、最短でいつという日時が、やはりかなり後ろの日程だったのです。やはり最初の随意契約が大きなところに出しました。北海道は179の市町村の多くが、札幌のような大都市ではなくて、人口減少が厳しい中、過疎の中、同じように物価高騰などの影響も受けて、お米も高い中、備蓄米は、いつ、われわれの近くに来るのかと思っている方も多いということだと思っています。そんな中、そういった小さいところにも売り払うということを判断して、スピードを持って対応していくというのが大臣の思いですから、そういったことを考えると、早くお届けいただければ、消費者に届けることができると、参加した方々がおっしゃっているので、そこは全体の中で、私が大臣のほうにご連絡申し上げて、北海道の実情をお話しした上で、対応いただけないかとお願いをいたしました。
(北海道新聞)
大臣のほうに電話とかでご連絡して、今日昼にお願いしたということですね。
(知事)
そうです。はい。
(NHK)
今のにちょっと関連してなのですけれど、今日の大臣に求めた話として先ほどちょっと言及あった、例えば都道府県ごとにいつぐらいにものが来るのかみたいなリストも含めて、ちょっと何か都道府県ごとにわかるようなものも作ってほしいみたいな話も要請されたということですか。
(知事)
そこは米のPT(プロジェクトチーム)のほうに言いました。大臣には直接私から申し上げていないです。
(NHK)
あくまでも、いわゆる早くやってほしいということを大臣に求めてっていうことですね。
(知事)
そうです。今回、随意契約に切り替えるという中で、かなり短い期間の中で、制度設計をし、やっていると。私は、札幌に来られたときも、やはり大きい都市はいいのだけれども、やはり過疎地とか離島とか、そういったところにお届けするのがやはり課題になるということで、そこで途中から小さいところにやろうということでご判断されたのだと思うのですけれども、北海道の場合はいろいろな離島もありますし、179の市町村があって、100万都市は札幌市だけですから、そういうことを考えると、まだなかなか自分の近くにお届けできていないという状況が現実なのではないかと。そういう状況の中で、みんなで頑張って、手を挙げて、それを待っているという状況なので、そこはやはりしっかり率直な実情をお伝えした上で、判断していただいたほうがいいということでご連絡しました。
(毎日新聞)
さっきの点について確認で、最初に過疎地にもというふうに小泉大臣に伝えたのは5月24日ですかね。そのときに来られて、会われたときに伝えられたという認識で。
(知事)
そうです。あの時もそうですし、正直、自治体の状況とかがなかなか判然としていない中で、いろいろ国のPTも途中で作りながらやっていたので、もういろいろな形で連絡を取って、こうするべきなのではないかということは申し上げてきました。なので、私は一貫して申し上げているのは、やはり東京都や大阪府のような、都市部だけではなくて、離島だとか、過疎地だとか、そういったところにどうお届けするかと、災害だとか、そういった時にも備蓄米を放出するという状況の中で、実際本当に起きたときに、これは果たして機能したのかということについても、やはり検証すべきだし、実際そういった中でも、どうやって流通を、誰が担ってどうお届けできたのだろうか。ですから、やはりそういう意味でも、過疎地域や離島とかそういった条件の厳しいところにしっかり届けることを、今回の備蓄米も通してしっかりやっていく必要性ということは、繰り返し申し上げてきました。今、準備もできて、そういった具体的な日時、これを申し上げることは控えますけれども、事業者のほうからは早く届けてほしいということが、声として聞かれましたので、直接お話ししたほうがいいということでお伝えしました。
(毎日新聞)
直接お話ししたのが、今日。
(知事)
はい、今日のお昼です。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。
(文責 広報広聴課)